JPS6023786B2 - エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン及び該エマルジョンを含む接着剤又は塗料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は接着剤、塗料等として有用な新規なエチレン−
酢酸ビニル共重合体ェマルジョンを提供するものである
。

エチレン−酢酸ビニル共重合体ェマルジョン（以下ＥＶ
Ａェマルジョンと略記する）は接着剤、塗料、紙加工剤
、繊維加工剤等、多方面にわたって使用されている有用
なェマルジョンである。

特に接着剤の分野においては、各種プラスチックス複合
材料の伸展と相俊つて、従来の木材あるいは紙同志の接
着から各種プラスチックスの木材あるいは紙等との貼合
接着やアルミ箱ラミネートの接着等へ拡張し、その伸長
は最近著しいものがあり、例えば特開昭５３−９１９４
０号公報中には全モノマー量１０碇部‘こ対してエチレ
ン３０〜５戊部、酢酸ビニル５０〜７唯都の重量比で水
溶性ポリマー１〜５部（酢酸ビニルモノマーに対して１
．６〜１の重量％）、とノニオン乳化剤および（又は）
アニオン乳化剤１〜７部（酢酸ビニルモノマーに対して
１．６〜１４重量部）からなる分散剤の存在下でエチレ
ンと酢酸ビニルを乳化重合したエチレン含量３０〜５の
重量％のＥＶＡェマルジョンよりなる接着剤が記載され
ている。しかしながら、本発明者等が検討したところ、
かかる従来のＥＶＡェマルジョン接着剤は常態接着力や
耐水性等の面ではほぼ満足が出来る性能を有するものの
次の点で改善の余地があることが明かとなった。

■ ＥＶＡェマルジョンには物性の改善、塗工性の改善
のほか増量、コストダウンを目的として多量の顔料又は
フィラーが混合される。

かかる顔料又はフィラーの混合においてはゲル化、増粘
、凝集等のいわゆるェマルジョン破壊が起こらないこと
が不可欠の要件であるが、顔料又はフィラー添加による
上記改善効果は添加量に比例して大きくなるのであるか
ら、顔料又はフィラー混合量の許容量が大きいェマルジ
ョンほど有用性が高いと言える。ところが、従来知られ
ているＥＶＡェマルジョンの場合、ェマルジョン固形分
に対してせいぜい４倍程度の顔料又はフィラーの混合が
限度であり、もっと多量の顔料又はフィラーを添加して
もヱマルジョン破壊のおこらない顔料又はフィラー混和
性（以下単に顔料混和性と略す）の良好なＥＶＡェマル
ジョンが要請されること。■ 段ボールの接着に見られ
る如く接着技術、接着機械の革新を背景として近時は生
産性の向上のため高速度接着が多用されているが、ＥＶ
Ａェマルジョンはかかる高速度接着に適合するための要
件である初期接着力が必ずしも充分であるとは言えず、
その向上が望まれること。

■ ＥＶＡエマルジヨンはポリビニルアルコール（ＰＶ
Ａ）やＣＭＣ等の水溶‘性高分子類あるいはアクリル系
やスチレンーブタジェン系のェマルジョン類と混合して
用いられる場合が多いが特に上記のェマルジョン類との
混合においては両者の混合性が不良であるため混合液を
長期にわたって放置したり保存したりすると増粘、ゲル
化、相分離をおこす恐れがあり、その管理に細心の注意
が必要とされる難点があって、水溶性高分子類はもとよ
り特にヱマルジョン類と混和性の良好なＥＶＡヱマルジ
ョンの開発が要求されること。しかるに、本発明者等は
上記■〜■の要請を満足させるＥＶＡェマルジョンを得
るべく、鋭意研究を重ねた結果、酢酸ビニルに対して０
．５〜２．５重量％のァニオン系界面活性剤、４〜７重
量％のノニオン系界面活性剤及び０．２〜１重量％の水
溶性保護コロイドの存在下でエチレンと酢酸ビニルとを
乳化重合して得られるエチレン含有量２０〜２９重量％
のＥＶＡェマルジョンがかかる要求を全て満足し得るこ
と、かかるヱマルジョンは接着剤、塗料等として極めて
有用な性能を発揮すること等、新規な事実を見出し本発
明を完成するに到った。

本発明のＥＶＡェマルジョンは、固形分に対して５〜６
倍もの顔料を混合してもェマルジョン破壊がおこらず極
めて顔料安定性にすぐれてり、又初期接着力が従来品に
比べて３〜６倍以上に向上し、更にアクリル系、スチレ
ンーブタジェン系ェマルジョンやＣＭＣ，ＰＶＡ等との
相溶性にすぐれるため、混合物を１ケ月以上放置しても
増粘、ゲル化等の品質の劣化が全くおこらない等の顕著
な性質を有している。上記の如き特定量の界面活性剤、
及び水落・性保護コロイドを使用して製造されたＥＶＡ
ヱマルジョンは従来全く知られておらず、本発明のェマ
ルジョンはかかる薬剤の種類及びその使用量の組合せに
大きな特色を有する新規なェマルジョンである。

本発明のＥＶＡェマルジョンにおいてはエチレンの組成
を２０〜２槌重量％、アニオン系界面活性剤の使用量を
０．５〜２．５重量％（対酢酸ビニルモノマー、以下同
様）、ノニオン系界面活性剤の使用量を４〜７重量％（
対酌酸ビニルモノマ−、以下同様）及び水溶性保護コロ
イドの使用量を０．２〜１重量％（対酢酸ビニルモノマ
−、以下同様）に限定することが必要であり、かかる特
定の範囲外のＥＶＡヱマルジョンでは顔料混和性、初期
接着力、水瀞性高分子、ェマルジョンと相熔性の全ての
性能を同時に向上させることは不可能であり、又安定な
ェマルジョンが得がたく、実用性が低下する。

即ち、エチレン組成が２の重量％以下では顔料混和性、
初期接着力のいずれも低下し更に紙／紙、紙／ポリオレ
フィン接着等における常態接着力も低下する。一方２＄
重量％以上では内部可塑化が大となり粘着性は増加する
が皮膜強度の低下が著しく凝集力不足による接着強度に
欠点が現われる。アニオン系界面活性剤の使用量が０．
５重量％以下ではアクリル系、スチレン系ェマルジョン
との相溶性が不良となったりＥＶＡェマルジョン中に粗
粒子が発生し、２．５重量％以上では顔料混和性及び耐
水性が低下し、いずれも実用上支障がある。ノニオン系
界面活性剤の使用量が４重量％以下では初期接着力の不
足、顔料混和性が不良となり７重量％以上では耐水性、
接着強度が不足となり問題となる。水落性保護コロイド
の使用量が０．２重量％以下ではェマルジョン中に粗粒
子が生成しやすく安定性が低下すると共に顔料混和性の
低下塗工性等の機械的安定性が不良となる。１重量％以
上では顔料混和性、初期接着力、ェマルジョンとの混和
性が低下する。

この様に本発明においてはエチレンの組成、界面活性剤
の使用量、及び水溶性保護コロイドの使用量を上記の如
く細かく厳密に規定することが不可欠であり、いずれか
１つの条件が規定外になっても本発明の顕著な効果は到
底発揮し得ない。

本発明で使用するアニオン系界面活性剤としてはカルボ
ン酸やスルホン酸のアルカリ塩、アンモニウム塩例えば
ラウリン酸ナトリウム又はステアリン酸ナトリウム、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン
酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、酸性リ
ン酸アルキルェステルのアルカリ塩、アンモニウム塩例
えばジェチルヘキシルリン酸ナトリウム、アルカノール
と硫酸との酸性ェステルのアルカリ塩、アンモニウム塩
例えばラウリン硫酸ナトリウム、ポリオキシェチレンェ
ーテル及びスルホコハク酸ジアルキルェステルのアルカ
リ塩、アンモニウム塩等種々のものが挙げられる。又、
ノニオン系界面活性剤としてはポリオキシェチレンアル
キルェーテル型、ポリオキシェチレンアルキルアリルェ
ーテル型、ポリオキシェチレンアルキルェステル型、ソ
ルビタンモノアルキルェステル型、ポリオキシェチレン
アルキルィミン型、ポリオキシェチレンアルキルアミド
型、ポリオキシェチレン・ポリオキシプロピレン縮合型
、グリセラィド、ベンタェリスリットェステル型等の各
種のものが挙げられる。

更に水溶性保護コロイドとしては完全又は部分ケン化ポ
リビニルアルコール及びその誘導体類、ゼラチンおよび
セルロース誘導体、マレィン酸又はこれとスチレンとの
半ェステル共重合体、澱粉、デキストリン誘導体、ポリ
ピニルピロリドン、ポリアクリル酸アミド等が挙げられ
る。

特に平均重合度４００〜２５００、平均ケン化度８３〜
９７モル％のポリビニルアルコール類が好適に使用され
る。本発明のＥＶＡェマルジョンは第３成分としてアク
リル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルの様なグリ
シジル基を有する不飽和ビニルモノマー、Ｎ−メチロー
ルアクリルアミド、Ｎーメチロ−ルメタアクリルアミド
の様なメチロール化合物及びそのメチル、エチル、ブチ
ルェーテルのアルキルェーテルの様なＮ−メチロール基
又はアルコキシル基を有する不飽和ビニルモノマー、ア
クリル酸、ィタコン酸、マレィン酸及びそれらのェステ
ルの様なカルボキシル基、カルボン酸ェステル基を有す
る不飽和ビニルモノマー等を少量含有させることも可能
である。

本発明のェマルジョンを製造するには、オートクレープ
に界面活性剤、水溶性保護コロイド、州緩衝剤、水、触
媒、そして酢酸ビニルモノマ−（所定量の１０〜１００
％）を仕込み燈拝して乳化する。

次に窒素ガスを圧入しオートクレープ内を贋換した後、
エチレンを圧入する。加熱して重合を開始し残余の酢酸
ビニルモノマー（所定量の０〜９０％）及び必要とあれ
ば更に触媒を蓮統、分割又は一括して追加仕込みして重
合を続ける。エチレンの圧入は一括、分割、連続いずれ
の方式であってもよい。かくして得られるＥＶＡヱマル
ジョンはそのままあるいは適宜希釈あるいは濃縮更には
増粘剤等を添加して各種の用途に使用される。

ＥＶＡヱマルジョンは単独でも勿論使用可能であるが、
目的に応じてポリビニルアルコール、及びその誘導体メ
チルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース等の水落ｉ性高分子あるいはアクリル酸又は
メタアクリル酸及びそのアルキルヱステル類等のアクリ
ル系モノマ−の単独重合体ェマルジョン、共重合体ェマ
ルジョン、スチレンーブタジェン系ェマルジョン等各種
のェマルジョン類と混合して使用可能である。

接着剤として使用する場合には適宜、クレー、カオリン
、珪漠士等の体質顔料、フィラー類、架橋剤、耐水化剤
等の助剤が混合される。又接着の対象には特に制限はな
く木製品、紙製品、布製品、プラスチックス等の各種の
製品同志あるいはそれらを組合せた接着、アルミ箔等の
金属箔と紙やプラスチックスフィルムのラミネ−ト接着
、あるいはフロック加工、不織布製造、カーペットの裏
打ち加工（バックコーティング）等における繊維の接着
加工等、任意の接着用途に使用される。

塗料として使用する場合は、各種顔料の他揮発性造膜形
成助剤、凍結防止剤、可塑剤、分散剤、消泡剤、防カビ
剤等、任意の塗料用助剤が配合され得る。

該塗料は内部塗装、外部塗装いずれにおいても任意の素
材に対して塗装され得る。次に実例を挙げて本発明のＥ
ＶＡェマルジョンについて更に詳しく説明する。

実施 １〜３、対照例 １〜８ 磁気損枠機付きステンレススチール製オートクレープ中
に、水溶性保護コロイド、ノニオン系界面活性剤、ァニ
オン系界面活性剤を第１表に表す如き量ｐＨ緩衝剤（第
２リン酸ナトリウム・１２水塩）１．疎部、純水１０疎
都、ロンガリット０．１５部及び酢酸ビニルモノマ−２
暁部を仕込み乳化液とした。

窒素置換後、昇塩及びエチレン圧入を行ない触媒（過硫
酸アンモニウム）の１％溶液を２タ添加し重合を開始さ
せた。エチレン圧を５０ｋ９／地に保ちながら残りの酢
酸ビニルモノマー８戊部を、触媒と共に連続的に５時間
にわたって仕込み重合をつづけた。

酢酸ピニルモノマーの仕込みが終了してからエチレンの
圧入を停止し、１．虫時間、重合を造込んだ。得られた
ＥＶＡェマルジョンの各性能について第１表に示す。

尚、第１表において界面活性剤、水溶性保護コロイドの
含有量は酢酸ビニルに対する重量基準で示した。

対照例における（ ）の条件が本願範囲外の条件である
。又、次の記号を使用した。Ｄ茂：ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムＲＳＮ：ラウリルスルホン酸ナトリ
ウムＰＯＮ；ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテ
ル（ＨＬＢ１５〜１９）Ｅ○・ＰＯ；ポリオキシヱチレ
ン・ポリオキシプロピレンブロック重合体（オキシェチ
レン含量４０〜６０％、オキシプロピレン平均分子量１
２００〜２０００）ＰＶＡ：ポリビニルアルコール（平
均ケン化度８７〜８９モル％、重合度１４００）桃 船 注）次の試験法によって性能評価を行った。

顔料混和性：固形分濃度４７％に調整したＥＶＡェマル
ジョン１０夕をカラスピンに分取し、ガラス樺で磯拝が
困難になるまで炭酸カルンヮムしホヮイトンＢ．白石ヵ
ルシゥム■製）を混合した時の８ＶＡ単位固形分に対す
る炭酸ヵ／レシヮムの重量倍を測定。初期接着力；１２
伽×１２伽のクラフト紙に固形分換算で１７夕／ずの割
合で８ＶＡェマルソョンを塗布する．これに別のクラフ
ト紙を圧着せしめる。

次いで紙被率５０％か得られる最少所要時間を測定する
。し２０℃．６５％ＲＨにて測定）ェマルジョン棚鞘：
■耳ＶＡェマルジョンとァクリル系ェマルジョンしｌｏ
ｏ０ｏｃｐｓ）を１イＬ重量）の割合で１０分間混合す
る。製造直後．１０日後の粘度を２５℃にてＢＨ型粘度
計又はＢＬ型粘度計にて測定。し第１表の上段に記入）
■アクリル系ェマルジョンに代えてＳＢＲラテックスし
１００ｃｐｓ）を用いた以外は■と同様の測定をした。
（第１表の下段に記入）常態接着力：軟質ボリ塩化ビニ
ルフィルム上に２４夕／すく固形分）の割合でＥＶＡェ
マルソョンを塗布し、上質紙を貼合する。２０℃、６５
発ＲＨにて２４時間養生後、手又はオートグラフにて剥
離する。

紙被率８０％以上を◎．８０〜４０％を〇．４０〜１０
多を△．１０多以下を×で表／示した。

耐 水 性；初期接着力を測定したサンプルと同一の方
法で得られるサンプルを２０℃、６５多ＲＨ４８時間養
生後、２０℃の水中に２４時間浸債する。

次いで手で接着面を剥離し常態接着力と同じ基準で判定
した。実施 ４〜６ 第２表に示す如きＥＶＡェマルジョンを実例１に準じて
製造した。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 酢酸ビニルに対して０．５〜２．５重量％のアニオ
   ン系界面活性剤、４〜７重量％のノニオン系界面活性剤
   及び０．２〜１重量％の水溶性保護コロイドの存在下で
   エチレンと酢酸ビニルとを乳化重合して得られるエチレ
   ン含有量２０〜２９重量％のエチレン−酢酸ビニル共重
   合体エマルジヨン。 ２ 酢酸ビニルに対して０．５〜２．５重量％のアニオ
   ン系界面活性剤、４〜７重量％のノニオン系界面活性剤
   及び０．２〜１重量％の水溶性保護コロイドの存在下で
   エチレンと酢酸ビニルとを乳化重合して得られるエチレ
   ン含有量２０〜２９重量％のエチレン−酢酸ビニル共重
   合体エマルジヨンを含む接着剤。 ３ 酢酸ビニルに対して０．５〜２．５重量％のアニオ
   ン系界面活性剤、４〜７重量％のノニオン系界面活性剤
   及び０．２〜１重量％の水溶性保護コロイドの存在下で
   エチレンと酢酸ビニルとを乳化重合して得られるエチレ
   ン含有量２０〜２９重量％のエチレン−酢酸ビニル共重
   合体エマルジヨンを含む塗料。