JPS6010344Y2 - 乗用田植機における変速レバ−装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、乗用田植機における変速装置の変速レバー装
置に関する。

従来、この種の乗用田植機は予備苗台を有しており、予
備苗台に予備苗を載置して作業し、苗のせ台上の苗が作
業の進行に伴って欠乏した際に、予備苗台上の苗を苗の
せ台に供給することにより田植作業の効率化を図ってい
る。

しかし、予備苗供給時には、機体に固定された予備苗台
と、作業中は絶えず左右に移動している苗のせ台の中心
位置が略々一致していないと予備苗の円滑な供給が妨げ
られるために、苗のせ台には苗のせ台を移動行程の中央
で停止させるための定位置停止装置が設けられており、
該装置の働きで苗のせ台が中央に来て予備苗台を整列し
得る時点でワイヤー等を介して主クラッチを切り、苗の
せ台を機体の走行と共に停止させていた。

ところが、予備苗供給作業中は、作業者は機体上を行っ
たり来たりするために、不用意に定位置停止装置の操作
レバーに触れ、レバーが走行位置に復帰してしまうこと
があった。

レバーが走行位置に復帰すると、主クラッチが接続され
、機体は予備苗供給作業中の作業者を乗せたまま突然発
進し、作業者の田植機から転落等重大な事故が発生する
危険があった。

そこで、本考案は、苗のせ台定位置停止装置に変速装置
の変速レバーを連動腰予備苗供給時に前記停止装置が主
クラッチを切断すると同時に、変速装置を中立状態に戻
すように構威し、もって前述の欠点を解消した乗用田植
機における変速レバー装置を提供することを目的とする
ものである。

以下、図面に示す一実施例に基き、本考案を具体的に説
明する。

乗用田植機１は、第１図に示すように、前輪２及び後輪
３により支持されている機体５を有しており、機体５の
前部にはエンジン６が搭載され、機体５の中程に運転席
７が配置されている。

運転席７にはハンドル９及び座席１０が設けられており
、更に変速レバー１１及び苗のせ台足位置自動停止操作
レバー１２等が設置されている。

また、機体５の後部には予備苗台１３及び変速装置１４
が配置されており、更に機体５の後方には植付装置１５
がリンク１６及び油圧装置１７により昇降自在に支持さ
れている。

植付装置１５は多数列の植付杆１９、苗のせ台２０並び
にフロート２１を有しており、更に、第２図に示すよう
に、伝動ケース２２を有している。

伝動ケース２２の下部には入力軸２３が設けられており
、入力軸２３にはエンジン６からの動力が主クラッチ２
５、伝動軸２６及び変速装置１４等を介して連結されて
いる。

更に、入力軸２３から入力された回転は、第３図に示す
ように、伝動ケース２２の上部に回転自在に支持される
トラバースカム２７の一端に固着されたスプロケット２
９にチェーン３０を介して伝達されている。

トラバースカム２７にはスライドブロック３１が係合し
ており、スライドブロック３１は苗のせ台２０に固着さ
れたスライドパー３２に、苗のせ台２０の中央に位置す
るように圧入嵌合されている。

従って、スライドブロック３１はトラバースカム２７の
回転により図中矢印Ａ、 Ｂ方向に往復移動することが
でき、それと共に苗のせ台２０も同方向に移動すること
ができる。

一方、スライドブロック３１のトラバースカム２７側に
は山形のカム曲線を有するカム板３３が形成されており
、該カム板３３はアーム３５に枢支された従動ローラー
３６が転勤自在に接触し得るように構成されている。

アーム３５は伝動ケース２２に回転自在に支持されてお
り、更にアーム３５の一端はケース２２外に突出してレ
バー３７を固着している。

レバー３７の先端には、第２図に示すように、２本のボ
ーデンワイヤ３９，４０のインナーワイヤー３９ａｗ
４０ａが枢着されており、一方のインナーワイヤー３
９ａは植付装置１５より運転席７下部を経て、機体前部
に設けられたクラッチレバ−４１に枢着され、インナー
ワイヤー３９ａの動きに応じてクラッチレバ−４１を回
動させ、クラッチ２５を断続することができる。

また、運転席７の下部に設けられた苗のせ台足位置自動
停止レバー１２は、上部に押ボタン４２を有しており、
押ボタン４２を操作することによって、レバー１２を停
止解除位置Ｃ及び停止位置りにロックすることができる
。

操作レバー１２は下部がＬ字形に成形されており、その
先端はレバー３７の先端から連結されるボーデンワイヤ
ー３９のアウターワイヤー３９ｂの一端に連結している
。

アウターワイヤー３９ｂの他端はクラッチレバ−４１の
近傍まで延びており、そこでブラケット４４に固着され
ている。

なお、インナーワイヤー３９ａは既に述べたように、ク
ラッチレバ−４１に連結されており、従って操作レバー
１２を操作して停止位置りにレバー１２を引き上げると
、アウターワイヤー３９ｂが前方、即ち図中左方に移動
して、インナーワイヤー３９ａを図中矢印Ｅ方向に引き
込み、以後クラッチ２５が切れるまでのインナーワイヤ
ー３９ａの必要引き込み量は減少する。

また、クラッチレバ−４１にはクラッチペダル４３がク
ラッチアーム４５及びロッド４６を介して連節しており
、足によるクラッチ２５の単独操作も可能である。

ところで、他方のボーデンワイヤー４０のインナーワイ
ヤー４０ａは植付装置１５より運転席７下部に延び、連
結金具４７に連結されている。

連結金具４７には長孔４７ａが穿設されており、長孔４
７ａは変速レバー１１の下端に設けられた突起１１ａと
係合している。

変速レバー１１はその中程でピン４９等により回動自在
に支持されており、レバー１１上方の操作部１１ｂを中
立位置Ｎより前方、即ち図中左方の後進位置Ｒに倒すこ
とにより変速装置１４を中立状態から後進状態１こ、後
方、即ち図中右方の前進位置Ｆに倒すことにより変速装
置１４を前進状態に設定することができる。

また、ボーデンワイヤー４０のアウターワイヤー４０ｂ
の一端は他方のボーデンワイヤー３９のアウターワイヤ
ー３９ｂと同様に、苗のせ台停位置自動停止レバー１２
に連結されており、他端は機体５に固着されている。

本考案は、以上のような構成を有するので、乗用田植機
１を用いて田植を行なう場合には、第２図に示すように
、操作レバー１２を停止解除位置Ｃに入れると共に、変
速レバー１１を前進位置Ｆに入れて田植作業を行なう。

エンジン６の動力は、主クラッチ２５、伝動軸２６及び
変速装置１４等を介して伝動ケース２２に入力され、更
に第３図に示すように、チェーン３０及びスプロケット
２９を介してトラバースカム２７を回転させる。

トラバースカム２７のカム作用によって、カム２７に係
合しているスライドブロック３１、従って該ブロック３
１に固定されているスライドパー３２及び苗のせ台２０
も、図中Ａ、 Ｂ方向に繰り返し移動して、田植作業が
開始される。

この際、スライドブロック３１の左右の移動によって、
従動ローラ３６もブロック３１の移動過程の中央付近で
カム板３３と摺接し、第２図における上方に持ち上げら
れるように回動し、それにつれてアーム３５及びレバー
３７を介してボーデンワイヤー３９．４０のインナーワ
イヤー３９ａ、４０ａが、第２図におけるＨ方向に一定
量だけ引き込まれる。

しかし、その引き込み量だけではインナーワイヤー３９
ａはクラッチ２５を切ることはできず、クラッチ２５は
動力を伝達し続ける。

更にワイヤー４０ａの動きも連結金具４７に伝達される
が、第４図に示すように、金具４７と変速レバー１１と
は長孔４７ａを介して係合されているために、金具４７
は突起１１ａと摺接した状態で図中Ｊ方向に一定量摺動
するだけで、何ら変速レバー１１に対して作用すること
はない。

また、逆に変速レバー１１は、前進Ｆ１後退Ｒ位置に自
由に操作することが可能であるが、この際の変速レバー
１１の動きは金具４７の長孔４７ａ内で変速レバー１１
の突起１１ａを単に摺動させるだけであり、ワイヤー４
０ａをレバー１１が逆に引き込むようなことはない。

次に、苗のせ台２０上の苗が少量となって、予備苗台１
３上の予備苗を供給しようとする時は、第２図に示すよ
うに、操作レバー１２を停止位置りに入れ、アウターワ
イヤー３９ｂを操作してインナーワイヤー３９ａをＥ方
向に引き込み、以後クラッチ２５が切れるまでのインナ
ーワイヤー３９ａの必要引き込み量を減少させる。

この状態で、伝動ケース２２内の従動ローラー３６はス
ライドブロック３１のカム板３３と摺接した際に、ブロ
ック３１の移動行程の中央位置、即ち苗のせ台２０と予
備苗台１３とが整列し得る位置に到達した時に、インナ
ーワイヤー３９ａを、第２図におけるＨ方向に一定量引
き込むと、ワイヤー３９ａの動きはクラッチレバ−４１
を介して主クラッチ２５に伝達され、主クラッチ２５が
切断される。

主クラッチ２５が切断されると、田植機１の動作は停止
し、苗のせ台２０も中央位置のごく近傍に停止して苗の
せ台２０と予備苗台１３が整列する。

また、操作レバー１２を停止位置内に入れた際に、アウ
ターワイヤー４０ｂも前方、即ち、第２図における左方
に移動してインナーワイヤー４０ａをＪ方向に一定量引
き込んでおり、従って連結金具４７もＪ方向に一定量移
動している。

従つて、従動ローラー３６の作動によって、ワイヤー４
０ａがＨ方向に一定量引き込まれることにより、前進位
置Ｆにある変速レバー１１の突起１１ａと連結金具４７
の長孔４７ａとが、第４図における左端で当接し、第５
図に示すように、レバー１１は中立位置Ｎまで引き戻さ
れ、変速装置１４も動力を伝達し得ない中立状態となる
。

この状態で、作業者は植付装置１５を上昇させ、予備苗
台１３から予備苗を苗のせ台２０上に供給する。

植付作業を再開する時は、操作レバー１２を停止解除位
置Ｃに戻すと、第２図に示すように、ワイヤー３９ ａ
、 ４０ ａかに、Ｌ方向に移動し、クラッチ２５が連
結されると共に、連結金具４７もＬ方向に移動し、変速
レバー１１は金具４７の長孔４７ａとの当接係合状態を
解除され、再度前進位置下から後進位置Ｒまで自由に操
作することが可能となり、田植作業を開始することがで
きる。

以上説明したように、本考案によれば、予備苗供給時に
定位置停止装置を用いて主クラッチ２５を切断し、苗の
せ台２０と予備苗台１３とが中央位置に整列停止した際
に、同時に変速レバー１１も中立位置Ｎに入り、変速装
置１４も中立状態になるので、作業者が予備苗供給作業
中に不用意に定位置停止操作レバー１２に触れ、レバー
１２が停止解除位置Ｃに入りクラッチ２５が接続された
としても、エンジン６の動力は変速装置１４によって遮
断され、田植機１が発進することはなく、安全に作業を
進行させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用されている乗用田植機を示す側面
図、第２図は苗のせ台足位置停止装置の概略を示す系統
図、第３図は伝動ケースを示す平面図、第４図は変速レ
バーの要部を示す側面図、第５図は変速レバーの動作を
示す作動図である。 １・・・・・・乗用田植機、１１・・・・・・変速レバ
ー、１２・・・・・・苗のせ台足位置自動操作レバー、
１３・・・・・・予備苗台、１４・・・・・・変速装置
、２０・・・・・・苗のせ台、２５・・・・・・クラッ
チ、Ｎ・・・・・・中立位置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 予備苗台及び植付は作業時に左右に移動する苗のせ台を
   有腰更に予備苗供給時に該苗のせ台を予備苗台と整列さ
   せ得る苗のせ台定位置停止装置を装備した乗用田植機に
   おいて、該苗のせ台定位置停止装置に変速装置の変速レ
   バーを連動し、予備苗供給時に前記定位置停止装置が主
   クラッチを切断すると同時に、前記変速装置を中立状態
   に戻すように構威した乗用田植機における変速レバー装
   置。