JPS595650Y2 - ラツクピニオン型操向装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用のラックピニオン型操向装置、特に潤
滑剤としてグリスを封入した操向装置に係る。

この種操向装置におけるグリスの封入量は潤滑機能の点
から過少であることは無論好ましくないが、過多である
ことも好ましくない。

即ち、この種操向装置は自動車のフレーム下に露出して
設けられるのが一般であるため塵埃、泥水等が侵入しな
いように密閉されており、ラック軸の往復動に伴う左右
画室の容積変化を相殺するために装置内に形或された通
気路によって、あるいは別個に設けた通気管等によって
左右画室を連通しているが、過度のグリスはこの通気路
を封鎖しラック軸の作動を著しく重くシ、操舵トルクの
増大を来し、装置の機能劣化を来す。

ところで生産工場あるいは修理工場におけるグリス注入
、交換を容易にし且装置の密閉性を確保するために逆止
弁を備えたグリスニツプルを設けたものが知られている
が、これはグリスニツプルが設けられているがために安
易なグリスアップを招き勝ちであった。

グリスが無配慮に過度に注入される恐れがあることは上
記した理由から好ましくない。

本考案の目的はこのような安易なグリスアップが行なわ
れないようにすると同時に部品点数を減らして装置の原
価低減と組立作業の作業性向上を画ることにある。

図面は本考案一実施例を示すものであり、ギヤハウジン
グ１内にラック歯を備えたラック軸５とピニオン歯を備
えたピニオン軸６とが設けられており、このラック歯と
ピニオン歯とが噛み合ってピニオン軸６の回転に伴なっ
てラック軸５が往復動する。

ピニオン軸６はハンドル軸に連結され、又ラツク軸５の
両端は自在継手を介してタイロツドに連結される。

ここでギヤハウジング１の筒状部分にグリス注入用貫通
孔２が設けられている。

装置の組立後この貫通孔２より所定量のグリスを注入し
、その後貫通孔２に嵌合する突起３を有する弾性帯４を
筒状部分に装着する。

ギヤハウジング１はこの弾性帯４を介して自動車のフレ
ーム等の支持部材７の一部に締付固定されている。

８は固定バンド、９はボルトである。

弾性帯４は例えばゴム製帯で作威されることが望ましい
。

又その突起３は貫通孔２に密嵌される寸法形状になされ
ることがより好ましい。

この様にすることによって弾性帯４を装着した段階で既
に可或の密閉性が得られる利点がある。

ギヤハウジング１が自動車のフレーム等の支持部材に締
付固定された後は弾性帯４がギヤハウジング１の外周面
に密着し、貫通孔２は確実に密閉される。

弾性帯４はこの様に貫通孔２を密閉する役割を果すと同
時にギヤハウジングに伝達される振動や衝撃を軽減する
クッション材としての役割を果す。

図示された実施例はギヤハウジング１を２箇所において
フレーム等の支持部材に固定するため、もう１つの弾性
帯１０を備える。

この弾性帯１０は専らクッション材としての役割を果す
。

本考案はこのようにギヤハウジング１の筒状部分適宜箇
所にグリス注入用貫通孔２を設け、グリスを注入した後
該貫通孔２に嵌合する突起３を有する弾性帯４を前記筒
状部分に装着し、該弾性帯４を介してギヤハウジング１
を自動車のフレーム等の支持部材に締付固定したので、
グリス注入孔は通常の状態では全く見えず安易なグリス
アップが行なわれる恐れは全くない。

又グリスニツプルが必要ないので部品点数が減り、装置
の原価低減と組立作業の作業性向上がもたらされる。

然もグリス注入作業は容易であり、又グリス注入孔の密
閉も確実である。

さらに弾性帯４はその突起３が貫通孔２に嵌合している
ので、自動車のフレーム等の支持部材への装着前の取扱
いにおいて、又装着時に不用意にずれることがない等の
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の正面図、第２図は第１図Ａ−
Ａ線に沿う拡大断面図である。 符号の説明、１・・・・・・ギヤハウジング、２・・・
・・・グリス注入用貫通孔、３・・・・・・突起、４・
・・・・・弾性帯、５・・・・・・ラック軸、６・・・
・・・ピニオン軸、７・・・・・・フレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ギヤハウジング１の筒状部分適宜箇所にグリス注入用貫
   通孔２を設け、グリスを注入した後該貫通孔２に嵌合す
   る突起３を有する弾性帯４を前記筒状部分に装着し、該
   弾性帯４を介してギヤハウジング１を自動車のフレーム
   等の支持部材に締付固定したことを特徴とするラックピ
   ニオン型操向装置。