JPS5929665Y2 - 脱水兼用洗濯機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洗濯槽兼脱水槽たる回転槽の上面開口部にバラ
ンスウェイトとして液体を内部下部に収納した中空環状
の密閉容器を装着した脱水兼用洗濯機に関し、その目的
とするところは、前記密閉容器をその外周壁の上部の内
径が下部の内径より犬となるように形成するとともに、
該密閉容器の下部の外周壁の内面を凹凸状に形成して該
下部において前記液体の周方向への流動を抑制する構成
とすることにより、それほど大きな容積を有しない密閉
容器に比較的少量の液体を収納させるだけで回転槽を常
に略平衡状態に保つことができ、従ってそれだけ振動源
としての回転槽の軽量化を図り得て、回転槽を駆動する
駆動モータ等を含む機構部を軽量になし得るとともに安
価に設計製作することができ、総じて全体として軽量化
及び価格の低廉化を図り得ろ脱水兼用洗濯機を提供する
にある。

以下本考案の一実施例につき図面に従い説明する。

１は外箱、２はこの外箱１内に弾性吊持機構３を介して
弾性吊持した水受槽、４はこの水受槽２内に回転可能に
配設した洗濯槽兼脱水槽としての有底円節状をなすプラ
スチック製の回転槽であり、この回転槽４を上方に向う
に従って順次拡開するテーバ状に形成するとともに、周
壁に底部近傍から上方に延びろ多数の突条５を内方に膨
出成形して、これらの間隔間を排出溝６とする。

更に、回転槽４の外周壁には上下方向及び周方向に延び
ろ多数の補強リブ７を一体威形し、上面開口部の縁部に
外方に向は鍔部８を一体に突出成形し、その鍔部８に前
記突条５と連続する多数の突部９を膨出成形して、これ
らの間隔間を排出孔部１０とする。

１１は前記回転槽４の内底部に回転可能に配設した攪拌
翼で、この攪拌翼１１の下方に位置する該回転槽４の底
部の部位に前記水受槽２内に連通ずる複数個の連通孔１
２を形成する。

１３は前記水受槽２の外底部に支持体１４を介して垂下
固定した機構部、１５は前記水受槽２の外底部に支持部
材１６を介して取付けた駆動モータであり、この駆動モ
ータ１５と前記機構部１３とをベルト伝達機構１１によ
って連結する。

ここで、前記機構部１３は減速装置、フランチ装置及び
ブレーキ装置（いずれも図示せず）等からなるもので、
周知のように１、駆動モータ１５の回転を、洗い時には
前記攪拌翼１１に伝達して該攪拌翼１１を正逆回転駆動
させ、脱水時には前記回転槽４に伝達して該回転槽４を
一方向に高速度で回転させろ。

１Ｂは排水用電磁弁であり、その流入口を前記水受槽２
の底部に形成した排水口１９に連結ホース２０を介して
連結し、流出口を排水ホース２１に連結する。

２２は前記外箱１の後方上部に立設した操作箱、２３は
この操作箱２２内に配設したタイマー装置で、これはセ
ント操作されると周知のように洗いから脱水までの一連
の行程を自動的に行なわせる。

さて、２４は前記回転槽４の上面開口部に装着されろバ
ランスリングであり、以下とれにつＬ・て説明する。

２５は中空環状をなす密閉容器であり、その外周壁２６
の略中央部に先端部が下方に指向する鍔部２１を外方に
向は一体に突設する。

そして、この密閉容器２５の外周壁２６の前記鍔部２１
より上部に位置する部位を周方向に沿って凹凸状例えば
波状に曲成上で小波状部２６ａを形成するとともに、該
鍔部２γより下部に位置する部位も周方向に沿って凹凸
状例えば波状に曲成して大波状部２６ｂを形成する。

この場合、小波状部２６ａ及び大波状部２６ｂの幅寸法
を夫々ａ及びｂとした時ａ＜ｂとなるように設定する。

又、小波状部２６ａの最小内径をＡとし大波状部２６ｂ
の最大内径をＢとした時Ａ＞Ｂとなるように設定する。

この結果、密閉容器２５の外周壁２６の上部及び下部の
境界部分には前記鍔部２Ｔと連続する段部２６ｃが形成
されろことになる。

更に、前記外周壁２６０犬波状部２６ｂの最大外径は前
記回転槽４の内径と略等しい寸法に設定するとともに、
最大径部分は上方に向うに従って順次外方に指向するテ
ーバ状に形成する。

そして、前記密閉容器２５内の下部にバランスウェイト
としての液体例えば飽和状態にある塩水２８を予め収納
しておく。

而して、以上のように構成した密閉容器２５を前記回転
槽４の上面開口部に配置し、その段部２６ｃ及び鍔部２
１の下面を該回転槽４の鍔部８の突部９の上面に載置さ
せろことにより該密閉容器２５の下部を回転槽４の上面
開口部に嵌合させ、鍔部２Ｔに挿通した複数個のねじ２
９を前記鍔部８の適宜の突部９に螺着し、以ってバラン
スリング２４を回転槽４の上面開口部に装着する。

この場合、外周壁２６の大波状部２６ｂの最大外径部分
を千回転槽４の突条５に夫り当接する。

次に、以上のように構成した本実施例の作用について説
明するに、タイマー装置２３をセント操作することによ
り行なわれる洗いから脱水までの÷連の行程からなる洗
濯運転の動作は周知であるので説明を省略し、以下本考
案に直接関係する脱水運転時について述べろ。

而して、タイマー装置２３が脱水行程に移行すると、駆
動モータ１５、ベルト伝達機構１γ及び機構部１３を介
して回転槽４が一方向に回転駆動され始めろ。

ところで、この種洗濯機においては脱水行程は攪拌翼１
１によろ反転渦巻水流による洗い或はすすぎ運転の終了
後に行なわれるものであるから、脱水行程時には回転槽
４内の洗濯物は多少なりとも必ず偏在した状態となって
いる。

従って、脱水運転開始当初は回転槽４は洗濯物が偏在し
ている側が下方に反則側が上方になるように若干傾斜し
た不平衡状態で回転し始め、揺動するようになる。

そして、回転槽４０回転開始当初は密閉容器２５内の塩
水２８にはそれほど遠心力が作用しないことから該塩水
２８は下方側に向って即ち洗濯物の偏在して。

（・ろ側に向って流動する傾向になる。

この場合、密閉容器２５の外周壁２６に本実施例のよう
な大波状部２６ｂが存在しなかったと仮定すると、塩水
２８は何らの抵抗を受けろことなく密閉容器２５内を前
記洗濯物の偏在している側に向って周方向に流動してそ
の不平衡状態を一層大きくし、回転槽４の揺動を増大さ
せる不具合が生ずる。

これに対して本実施例においては、密閉容器２５の外周
壁２６の下部に大波状部２６ｂを形成するようにしてい
るので、塩水２８はこの大波状部２６ｂの凹凸によって
抵抗を受けてその周方向への流動が抑制され、回転槽４
の不平衡状態が犬きくなることを極力防止して回転槽４
の円滑な回転速度の上昇を図る。

以上のような回転槽４０回転開始後数秒間たって回転槽
４を振動源とする振動系の共振点を通過するまで該回転
槽４の回転速度が上昇すると、密閉容器２５内の塩水２
８には大きな遠心力が作用することになって該塩水２８
は密閉容器２５の外周壁２６内面に押し付けられ、遂に
は全ての塩水２８は該密閉容器２５の上部の小波状部２
６ａの内面に押し付けられろとともに、小波状部２６ａ
の最小内径Ａが大波状部２６ｂの最大内径Ｂより犬であ
ること及び該小波状部２６ａの幅寸法ａが大波状部２６
ｂの幅寸法すより小であること等により塩水２８は回転
槽４内の洗濯物の偏在する側とは反対側に多く集合して
回転・槽４の不平衡状態を是正するようになり、その後
は平衡状態を保つ定常回転が行なわれろことになる。

而して、タイマー装置２３が脱水行程を終了すると駆動
モータ１５が断電されろようになり、その後は回転槽４
は若干時間惰性回転しながらその回転速度を減少して停
止するようになるが、その途中において前述した回転槽
４０回転開始当初と同様の現象が生ずる。

この場合でも、回転槽４の回転速度が減少してくろと密
閉容器２５内の上部の小波状部２６ａ部分に押し付けら
れていた塩水２８は作用する遠心力が小さくなることか
ら再び密閉容器２５内の下部に流動するようになり、大
波状部２６ｂにより塩水２８の流動が抑制されて回転槽
４の揺動増大が極力防止されろ。

ところで液体バランサにおいては、起動時に回転槽が洗
濯物の偏在によって不平衡となる揺動を生ずると未だ遠
心作用が小さく・かため液体が洗濯物の偏在位置方向に
移動してその揺動を増長させろ傾向となり、この傾向は
密閉容器の半径が犬きくなるほど並びに液量が多いほど
強くなる。

これに対して振動系の共振点を通過した後の定常回転速
度では液体が洗濯物の偏在位置とは反対側に移動して回
転槽を平衡に保つようなバランス効果を発揮する。

このバランス効果は同一液量でも密閉容器の半径が犬き
くなるほど高くなる。

このような事情のもとにお（・て、本考案による上記横
取によれば、密閉容器２５の起動時に塩水２８が存在す
る下部の外周壁内径を小にしているので起動時におけろ
揺動の増長作用を効果的に抑制でき、また定常回転速度
では塩水２８が径太な上部に移動するので高いバランス
効果が得られ、従って塩水量を増してまでバランス効果
を上げろ必要がなく少量でよいので起動時の揺動増長作
用をより一層抑制できろものである。

また、塩水２８が少量でよ（・ので密閉容器２５の容積
も犬きくは必要とせず回転槽４の軽量化が図れる。

そして、回転槽４の軽量化を図り得ることによりこれを
駆動する機構部１３も強固なものにする必要がなく、該
機構部１３を軽量になし得ろとともに安価に設計製作す
ることができ、総じて全体としての軽量化及び価格の低
廉化を図り得ろものである。

加えて、バランスリング２４はユニット化されて一部品
として考えろことができ且つねじ２９により容易に取付
は取外しができるので、サービス交換性に優れたものと
なる。

しかも、密閉容器２５の外周壁２６の上部と下部との境
界部分に必然的に形成されろ段部２６ｃが該密閉容器２
５を回転槽４の上面開口部に装着する時に鍔部８の突部
９の上面に鍔部２１とともに載置されろようになるので
、密閉容器２５０回転槽４への装着が容易になり、且つ
安定した装着を行なえろものである。

尚、上記実施例では密閉容器２５の外周壁２６の土部に
小波状部２６ａを形成するようにしたが、これは必要に
応じて形成すればよぐ、要は外周壁２６の上部の内径が
下部の内径より大であればよい。

又、上記実施例では密閉容器２５の外周壁２６の下部全
体を液状に曲成して大波状部２６ｂを形成したが、全体
を波状に曲威しなくても下部内面に突起等を突設するこ
とにより該下部内面を波状に形成してもよく、更に波状
でなくても単なる凹凸状に形成してもよし・。

その他、本考案は上記し且つ図面に示す実施例にのみ限
定されろものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜
変形して実施し得ろことは勿論である。

本考案は以上説明したようになり、それほど容積を有し
ない密閉容器に比較的少量の液体を収納させるだけで回
転槽を常に略平阪状態に保つことができ、従ってそれだ
け振動源としての回転槽の軽量化を図り得て、回転槽を
駆動する。

駆動モータ等を含む機構部を軽量になし得ろとともに安
価に設計製作することができ、総じて全体として軽量化
及び価格の低廉化を図り得る等の実用的効果を奏する脱
水兼用洗濯機を提供できろ。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は縦断側面図、
第２図は要部の拡大縦断側面図、第３図及び第４図は夫
々第２図■−■線及びｒＶ−ｒＶ線に沿う断面図、第５
図は要部の拡大分解斜視図である。 図面中、２は水受槽、４は回転槽（洗濯槽兼脱水槽）、
１１は攪拌翼、１３は機構部、１５は駆動モータ、２４
はバランスリング、２５は密閉容器、２６は外周壁、２
６ａは小波状部、２６ｂは大波状部、２８はバランスウ
ェイトとしての塩水（液体）を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動モータ等によって回転駆動される洗濯槽兼脱水槽た
   ろ有底円筒状の回転槽と、この回転槽の上面開口部に装
   着され該上面開口部に沿う中空環状をなし外周壁の上部
   の内径が下部の内径より犬となるように形成された密閉
   容器と、この密閉容器内の下部に収納されたバランスウ
   ェイト用の液体とを具備してなり、前記密閉容器の下部
   の外周壁の内面を凹凸状に形成して前記密閉容器の下部
   において前記液体の周方向への流動を抑制するようにし
   たことを特徴とする脱水兼用洗濯機。