JPS591155Y2 - 風呂釜用熱交換器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は間隔をもって並設し、かつ内部を連通した複数
枚の中空プレートで構成した風呂釜用熱交換器に関し、
伝熱性能の向上と釜鳴り性能を向上させるものである。

従来例の構成とその問題点 従来の中空プレートを連設して構成する熱交換器として
は、第５図ａ、ｌ）、第６図ａ、ｌ）に示すものがある
。

すなわち、第５図ａ、ｌ）のものは、出口バイブ９゜入
口バイブ１０を一側壁の上下に有する中空プレーＨ１（
ヘッダ一部）の他壁に複数個の縦長孔を設け、該縦長孔
に、両側壁の加熱高さと加熱幅方向に凸部１３を複数個
設けた中空プレート１４を直接取付は溶接等にて接合し
て熱交換器を構成するものである。

次に、第６図ａ、ｌ）のものは、第５図ａ、ｌ）の熱交
換器を構成する方法とほは゛同一であるが、中空プレー
ト１５に多数のリブ１６を斜め２方向に走らせて一定の
角度をもって交錯するように突設形成され、各リブ１６
に囲まれた平坦面に加熱高さと加熱幅方向に凸部１７を
設けたものである。

これらの従来例においては、燃焼ガスを蛇行させ乱流を
促進することで熱伝達係数が増大することと、伝熱面積
が有効に活用できることなどにより熱効率が向上するこ
とになるし、熱交換器の機械的強度についても向上する
ことになる反面、次の欠点がある。

すなわち、燃焼ガスが衝突し合い乍らの蛇行であり、燃
焼ガスの流路抵抗が大きくなることで、燃焼性能に悪影
響を及ぼすことになる。

そこで、燃焼性能に悪影響を及ぼさない構成にすると乱
流の効果が少なくなり目的を果し得なくなるものである
。

従来例のものは、熱交換器内部の水（または湯）がヘッ
ダ部の入口より複数個の中空プレートをへて出口向けて
対流する方向が同一方向である。

つまり、出入ロバイブを有するヘッダ部に対し、複数個
の中空プレートを同一の流れ方向に設けた構成である。

この場合、釜鳴り性能については、対流方向が同−であ
るので特に難しさが伴なわず、熱効率の向上策だけを配
慮すれば良い。

これに対し、熱交換器の薄型化を図るためには、熱交換
器内部の水（または湯）が、出入ロバイブの流れ方向と
複数個の中空プレート内の流れ方向を変えざるを得ない
場合がある。

つまり、出入ロバイブに対し、各中空プレート内部の流
れが直交する場合で゛ある。

この構成においては、出入ロバイブより遠さ゛かった位
置にある中空プレート内の湯の流れと、出入ロバイブに
近い位置にある中空プレート内の湯の流れが衝突し合う
ことになり易いことにて、中空ブレー１〜内にて湯の停
滞が生じ、釜鳴り性能に悪影響を及ぼすことになる。

すなわち、水（または湯）の流れ方向が出入口のパイプ
と中空プレート部において直交する構成の熱交換器にお
いては、釜鳴り性能の向上と、熱効率の向上の両方を工
夫する必要が生じるものとなる。

考案の目的 本考案は上記従来の欠点を解消するもので、熱交換器の
熱効率の向上を図るとともに釜鳴り性能を向上すること
を目的とする。

考案の構成 本考案は、出入ロバイブと中空プレート内の水（または
湯）の流れ方向が直交する熱交換器構成のものにおいて
であり、中空プレートの壁面を膨出し縦凸条と横凸条を
複数個設け、夫々の中空プレートの縦凸条が当接するよ
うに位置するとともに、横凸条は燃焼ガスが中空プレー
トの間隔内を蛇行するように位置させることにより、釜
鳴り性能と熱効率の向上を図ったものである。

実施例の説明 以下図面にしたがい一実施例を説明する。

１は複数枚の中空プレート２を並設して構成した熱交換
器ユニットで、各中空プレート２の間には下方に配設す
るバーナ（図示せず）の燃焼ガスが通る間隔３を、そし
て互いに内部を一側部で連通し合っている。

中空プレー１−２は２枚の金属板をプレス成形し、その
後左いに溶着して形成する。

そして、この中空プレート２にはその壁面を外側へ膨出
して燃焼ガス流方向と直交する方向に沿う横凸条４と、
燃焼ガス流方向に沿う縦凸条５とを、燃焼ガス流幅に対
応した熱交換器ユニット１の加熱幅６の全体にわたり交
互に設けている。

そして、横凸条４は複数段にわたって、間隔３を通る燃
焼ガス（矢印）が第４図のように蛇行するように配置さ
れているとともに、ライン状で水平方向に伸び、かつ、
面状に蛇行するようにしている。

一方の縦凸条５は第１図のように互いに当接する高さに
している。

７は各中空プレート２の一端部に形成した連絡室で、８
はその連絡口である。

そして、この連絡口８を互いに溶着して第１図のように
中空プレー１〜２を並設するものである。

９は入口バイブ、１０は出口バイブで、どちらか一方の
最端に位置する中空プレー１−２に、その連絡室７に連
通させて設けている。

上記一実施例において、入口バイブ９より各中空プレー
ト２の連絡室７に流入した給水は中空プレー）・２の全
体に行きわたる。

そして、熱交換器ユニット１の下方に配置したバーナに
より各中空プレート２は加熱幅６の部分が加熱される。

したがって、次第に温度上昇した温水は中空プレート２
の下部から上部に向けて移動するとともに、加熱幅６の
方向における温度分布も連絡室７のある側と反対側に行
くほど高くなっているので、中空プレート２の上部に移
動した温水はさらに連絡室７の上部に向けて流れ、出口
バイブ１０から流出する。

一方、この流出した分だけ流入パイプ９から低温水が流
入する自然対流となる。

ここで、中空プレート２の壁面か下から一七までフラツ
Ｉ・であるとすれば、燃焼ガスの伝熱形態は燃焼ガスの
流れと、湯の流れが並流となる。

従って、中空プレート２の下部においては高温の燃焼ガ
スと、低温の湯の熱伝達となり、熱伝達率は高いが、中
空プレー１−２の上部に向けて、燃焼ガス温度が低くな
るし、湯の温度も高くなることから、熱伝達率が次第に
下部に比べて悪くなる。

しかるに本考案では中空プレー１−２の壁面に、加熱中
６の全体に設けた横凸条４は、燃焼ガスの流れ方向に対
し直交する向きに設けられたものであり、局部加熱面と
なる。

従って、熱伝達においては、この部分にて境界層が破壊
されることになる。

この現象が、複数個の横凸条４にて行なわれることによ
り加熱高さ方向の下部より上部へ向けて乱流状態が維持
されることになり、局所熱伝達率も極端にダウンするこ
とがないので全体としての熱伝達率が向上する。

さらに、隣接する中空プレート２の横凸条４は、燃焼ガ
スの流れが蛇行状になるように設けているので、加熱時
間が長くなり、伝熱面積の有効化が図れることで効率も
向上する。

以上は加熱中６の方向の横凸条４の設は方について述べ
たが次に、加熱長さ方向（燃焼ガス流方向）の縦凸条５
について詳述する。

すなわち、加熱長さ方向の熱交換器の壁面の構造は、釜
鳴り性能に関係するものである。

一般に中空プレート２内部の湯の流れをスムーズにする
ことが釜鳴り性能の向上に結びつくものである。

本考案では一実施例に示すように、加熱巾方向に横凸条
４を設けると共に、加熱長さ方向に縦凸条５を複数個設
けている。

つまり、加熱長さ方向に圧力緩和を目的とした容積部分
を設けることである。

これは、中空プレート２内部の湯の温度が上昇し過ぎる
と、部分的に沸騰し始め内部圧力も上昇する。

この時、中空プレート２内の湯の流れがスムーズでない
構造においては、発生した気泡が破裂し釜鳴りに結びつ
くのである。

しかるに本考案は中空プレート２内にて上昇した湯がス
ムーズに流れ出るように圧力緩和室なる縦凸条５を設け
たものであり、その結果湯の停滞がなく出口バイブ１０
へ向けて流れることにより釜鳴り性能が向上するもので
ある。

さらに、縦凸条５に互いに当接しているので、熱交換器
ユニット１全体の強度を増すことができる。

この際あまり加熱長さ方向に前述のような縦凸条５を設
けるほど、釜鳴り性能に対しては向上するが、反面、加
熱巾方向に設けるべき横凸条４が減少することから伝熱
性能が悪くなる。

従って、伝熱性能と、釜鳴り性能の両方を考慮し乍ら、
熱交換器壁面を工夫する必要がある。

考案の効果 このように本考案は各中空プレー トの壁面に燃焼ガス
流方向と直交する方向に沿い複数の横凸条を、燃焼ガス
流を蛇行させるように配設せしめているから、熱伝達に
おける境界層の破壊と伝熱面積の有効化をはかり、熱伝
達の向上と熱効率を高めることができる。

さらに、燃焼ガスを加熱高さ方向に面状に蛇行させる構
成により、燃焼ガス側の流路抵抗が少ないことで、燃焼
性能に悪影響を及ぼすことなく熱効率の向上を図ること
ができる。

また、出入ロバイブと中空プレート内の水の流れ方向が
直交する構成にて釜鳴り性能の向上が図れることにより
薄型の熱交換器を提供することができる。

また、各中空プレートの壁面には燃焼ガス流方向に沿い
複数の縦凸条を設け、かつ互いに各中空プレートの縦凸
条を当接させているから、中空フ。

レート内の圧力緩和をはかり濁流れを円滑にして釜鳴り
を軽減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の風呂釜用熱交換器の一実施例を示す上
面図、第２図は同出入ロバイブを有する中空プレートの
平面図、第３図は同中空プレートの平面図、第４図は同
要部側面の概略図、第５図ａ、ｌ）は従来例の側面図と
平面図、第６図ａ、ｌ）は他の従来例の側面図と平面図
である。 ２・・・・・・中空プレート、３・・・・・・間隔、４
・・・・・・横凸条、５・・・・・・縦凸条。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 互いに内部を連通させるとともに間に間隔をもって複数
   の中空プレートを並設せしめ、出入ロバイブと前記中空
   プレート内の水の流れ方向が直交する構成とし、この各
   中空プレートにはその壁面を膨出して燃焼ガス流方向に
   沿う複数の縦凸条。 燃焼ガス流方向と直交する方向に沿う複数の横凸条を設
   け、前記中空プレートの縦凸条は夫々が当接するように
   位置させるとともに、前記横凸条は燃焼ガスが前記中空
   プレートの間隔内を蛇行するように位置させる構成とし
   た風呂釜用熱交換器。