JPH1187223A - 電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法 - Google Patents

電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法

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JPH1187223A
JPH1187223A JP9246514A JP24651497A JPH1187223A JP H1187223 A JPH1187223 A JP H1187223A JP 9246514 A JP9246514 A JP 9246514A JP 24651497 A JP24651497 A JP 24651497A JP H1187223 A JPH1187223 A JP H1187223A
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pattern
electron beam
data
beam exposure
boundary
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JP9246514A
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Masaaki Koyama
雅章 小山
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象物に電子線を照射し描画する際に、描画
パターン同士が位置ずれを生じても、所定の許容範囲内
の配線幅を確保することができる電子ビーム露光装置及
び電子ビーム露光方法を提供すること。 【解決手段】 電子線を照射することにより対象物44
にパターンを描画する電子ビーム露光装置1において、
制御計算機10に、一度に描画することができる範囲同
士の境界51fに跨る境界描画パターン51aに関し
て、境界51fを含む所定の空白領域51bを設けて描
画パターン52同士が所定量離れるように描画基本デー
タ12eを加工して除去描画データ12fを生成する除
去演算処理部12aと、空白領域51bを補足するため
の補助パターン51eの追加描画データ12gを除去済
描画データ12fに追加する追加演算処理部12bとを
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば半導体基
板(ウェハ)上に塗布された電子線感光レジストに電子
ビームを照射し、電子線感光レジスト材料に対して回路
パターンを描画する電子線リソグラフィ技術を用いた電
子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法の改良に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】以下の説明において、回路パターン、描
画パターン、配線パターンという用語を使用するが、回
路パターンとは、半導体集積回路を製造する工程におい
て、電子ビーム露光装置により半導体集積回路の配線の
配置パターンを電子線感光レジスト(以下レジストと呼
ぶ)に描画する集積回路全体のパターンのことであり、
描画パターンとは、回路パターンを複数回に分けて描画
する際の1回分の配置パターンのことであり、配線パタ
ーンとは描画パターンにおける1本の配線等の配置パタ
ーンのことである。
【0003】半導体製造工程において、半導体チップを
製造するための基となるウェハに対して集積回路の回路
パターンを成形するためには、感光剤をウェハに塗布す
る工程、ウェハを露光する工程、ウェハを現像する工
程、ウェハをエッチングするエッチング工程、さらにウ
ェハ上に薄膜を成形する薄膜成形工程等を経て集積回路
をウェハ上に成形する。ウェハを露光する工程で使用す
る露光技術には、ホトリソグラフィ技術と電子線リソグ
ラフィ技術がある。ホトリソグラフィ技術は、ウェハの
表面にフォトレジストと呼ばれる感光材を塗布し、マス
クと呼ばれる集積回路の回路パターンが焼き付けられた
薄膜をウェハ上のフォトレジストに対して露光する技術
である。
【0004】電子線リソグラフィ技術(電子線描画技
術)は、電子銃から照射された電子線を、ウェハ上に塗
布されたレジストに直接照射することにより、所定の半
導体集積回路パターンを露光する技術である。電子線リ
ソグラフィ技術は、ホトリソグラフィ技術よりもより微
細なパターンを転写することができる。
【0005】電子線リソグラフィ技術を用いて露光する
半導体集積回路の回路パターンは微細であるため、1つ
の集積回路分の回路パターンを対象物に対して露光する
場合には複数回に分けて露光を行う。従来、回路パター
ンを電子ビーム露光装置にて1度に描画できる描画パタ
ーンの範囲であるフィールドとフィールドの境界付近に
おいては、描画した描画パターンの位置ずれが生じて、
配線パターンの幅が細くなったり(以下パターン線細り
と呼ぶ)、太くなったり(以下パターン線太りと呼ぶ)
する場合があった。
【0006】この問題点を解決する方法としては、多重
露光法が存在する。多重露光法は、フィールドの境界部
分において露光量を通常より少なくして、描画パターン
を複数回露光することにより、フィールドとフィールド
との境界の描画パターンを精度良く露光する方法であ
り、パターンつなぎ精度を改善する方法である。
【0007】ところが、このような露光方法を採用する
と、描画パターンと描画パターンとのつなぎが発生する
部分1カ所につき、描画パターンを複数回に渡り描画し
なければならないので1つの回路パターンを全て露光す
るためには、相当数の露光回数となってしまう。従っ
て、半導体製造装置のスループットを著しく低下させて
しまう。このような問題点を解決するためには、フィー
ルドとフィールドとの境界付近を露光する回数を減ら
し、少ない露光回数においてもパターンつなぎ精度を向
上させることが要求される。
【0008】このような要求を満たす方法としては、特
開平8−330216のような方法がある。これは、図
14(A)のようにフィールドAとフィールドBとの境
界であるフィールド境界51fのように、描画パターン
同士の位置を調整する必要性が発生する箇所に対して、
図14(B)のように描画パターン同士の位置の調整を
行う補助パターン151eを付加して描画する方法であ
る。これにより、パターン線細り、断線等を防ぐことが
できる。この方法では、多重露光法と比較すると、露光
回数は補助パターンを露光する1回分の増加で済むた
め、半導体製造工程においてスループットが向上する点
では有効な方法である。
【0009】しかしながら、この方法にも以下のような
欠点が存在する。図15(A)のようにフィールドAと
フィールドB付近で重なって描画されてしまった場合に
は、重なった部分の2重露光によるパターン線太りが生
じてしまうが、この状態で補助パターン151eを付加
して露光すると、さらにパターン線太りが発生してしま
う。これにより、図15(B)のように隣接する配線パ
ターン51同士が短絡してしまう。
【0010】このような欠点を防止する方法としては、
特公平8−15138のような方法がある。これは、図
16のように描画パターン同士が隣接する配線パターン
51のつなぎ目51gを配線パターン51毎にずらして
描画することにより、パターン線太りによる隣接する配
線パターンとの間での短絡を防ぐ方法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この方法で
は、配線パターンのつなぎ目を配線パターン毎にずらし
て、さらにずらした位置まで配線パターンを延長した上
で描画する必要がある。また、この方法では、配線パタ
ーンのパターン線太りやパターン線細りそのものを防ぐ
わけではないので、パターン線太りやパターン線細りに
有効な方法とはいえない。そこでこの発明は上記課題を
解消し、対象物に電子線を照射し描画する際に描画パタ
ーン同士が位置ずれを生じても、所定の許容範囲内の配
線幅を確保することができる電子ビーム露光装置及び電
子ビーム露光方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、この発明に
あっては、電子線を照射することにより対象物にパター
ンを描画する電子ビーム露光装置において、対象物に電
子線を照射し描画する描画装置本体と、描画装置本体を
制御するための描画装置制御部と、描画パターンに基づ
く描画データを生成する制御計算機と、を有しており、
制御計算機は、一度に描画することができる範囲同士の
境界に跨る境界描画パターンに関して、境界を含む所定
の空白領域を設けて描画パターン同士が所定量離れるよ
うに描画基本データを加工して除去描画データを生成す
る除去演算処理部と、空白領域を補足するための補助パ
ターンの追加描画データを除去描画データに追加する追
加演算処理部とを備えることを特徴とする電子ビーム露
光装置により達成される。また、上記目的は、この発明
にあっては、電子線を照射することにより対象物にパタ
ーンを描画する電子ビーム露光方法において、一度に描
画することができる範囲同士の境界に跨る境界描画パタ
ーンに関して、境界を含む所定の空白領域を設けて描画
パターン同士が所定量離れるように描画基本データを加
工して除去描画データを生成して描画し、空白領域を補
足するための補助パターンを生成して描画することを特
徴とする電子ビーム露光方法により達成される。
【0013】この発明では、除去演算処理部により描画
パターン同士の境界に所定の空白領域を設けて描画し、
さらに、この空白領域に補助パターンを追加して描画す
ることにより、電子ビーム露光の誤差による描画パター
ン同士の離れ方向及び重なり方向の位置ずれが生じた場
合でも、許容範囲内の配線幅の配線等を成形することが
できる。このため、例えば半導体等の製造工程において
歩留まりを向上することが期待できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施の形
態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に
述べる実施の形態は、この発明の好適な具体例であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、こ
の発明の範囲は、以下の説明において特にこの発明を限
定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるも
のではない。
【0015】以下の説明において、回路パターン、描画
パターン、配線パターンという用語を用いるが、これら
の意味は従来技術での用語の用いられ方と同様である。
図1は、この発明の電子ビーム露光装置の好ましい実施
の形態を示す機能構成図である。電子ビーム露光装置1
は、図1のように制御コンピュータ10(制御計算
機)、描画装置制御部20、及び描画装置本体30等か
ら構成されている。
【0016】制御コンピュータ10は、図1のようにC
PU11、メモリ12、ハードディスク13、キーボー
ド14、ディスプレイ15、コントローラ16、外部機
器インターフェイス17、及びバスBS等から構成され
ている。CPU11は、例えば中央演算処理部(CP
U:Central Processing Uni
t)である。CPU11は、制御コンピュータ10全体
を制御するばかりでなく、描画装置制御部20に対して
制御指令を与えることにより描画装置本体30を操作す
る。CPU11は、メモリ12に読み込まれたデータや
プログラムにアクセスしながら処理を行う。
【0017】メモリ12は、CPU11が演算処理する
際の作業領域であり、データ等の記憶領域でもある。メ
モリ12は、図2のように描画データ12c、除去演算
処理部12a、追加演算処理部12b、露光制御部12
dなどが存在している。尚、描画データ12c、除去演
算処理部12a、追加演算処理部12b、及び露光制御
部12dは、メモリ12に存在しているように表現して
いるが、実際はこれらを処理するプログラムが例えばハ
ードディスク13からメモリ12に読み込まれることに
より、CPU11がメモリ12に対してアクセスしなが
らプログラムなどの処理をしている。
【0018】描画データ12cは、ハードディスク13
等から読み込まれた描画データである描画基本データ1
2e、描画基本データ12eから所定の領域の描画デー
タを除去した除去描画データ12f、補助パターン51
eの描画データである追加描画データ12g等である。
これらのデータは、常に存在するのではなく、必要に応
じてハードディスク13等から読み込まれたり、CPU
11にて処理されてメモリ12上に存在するデータであ
る。
【0019】露光制御部12dは、描画装置本体30を
制御するためのソフトウェアである。露光制御部12d
は、描画装置制御部20に対して所定の制御指令を与え
ることにより、描画装置本体30を操作する。
【0020】ハードディスク13は、情報を記録し保持
するための情報記憶媒体であり、例えばハードディスク
である。ハードディスク13は、例えば設計された集積
回路の回路パターンであるCADデータ17aに対し
て、所定の処理がされ、電子ビーム露光装置の描画用に
データ化された描画基本データ12e等を保管する。キ
ーボード14は、制御コンピュータ10に対して入力を
行う入力手段(例えばキーボード)である。
【0021】ディスプレイ15は、制御コンピュータ1
0の表示装置であり、例えばプラズマディスプレイや液
晶ディスプレイである。コントローラ16は、ハードデ
ィスク13、キーボード14、ディスプレイ15、外部
機器インターフェイス17などの機器を制御する。外部
機器インターフェイス17は、制御コンピュータ10と
外部の機器とのやり取りをするためのコネクタ(接続
部)等であるため、いろいろな機器(例えば、描画装置
制御部20、FD、及びCD−ROMなど)と接続する
接続部である。外部機器インターフェイス17は、CA
Dデータ17aを制御コンピュータ10に取り込むため
の装置にも接続している。
【0022】バスBSは、命令やデータ等が通るための
信号線の一種である。バスBSは、例えばCPU11、
メモリ12、ハードディスク13、キーボード14、デ
ィスプレイ15、コントローラ16、及び外部機器イン
ターフェイス17と電気的に接続されている。
【0023】描画装置制御部20は、図1のようにデー
タ制御部21、第1の偏向制御部22、第2の偏向制御
部23、第3の偏向制御部24、電子光学系制御部2
7、及びステージ制御部25から構成されている。デー
タ制御部21は、制御計算機10からの制御指令を受け
取り、描画装置制御部20全体を制御している。第1の
偏向制御部22、第2の偏向制御部23、及び第3の偏
向制御部24は、描画装置本体30に設けられている第
1偏向部37、第2偏向部38、及び第3偏向部39を
それぞれ制御するための制御部である。
【0024】電子工学系制御部27は、描画装置本体3
0に設けられている光学系レンズ、例えば第1レンズ3
1、第2レンズ32、第3レンズ33、及び第4レンズ
34などを制御する。ステージ制御部25は、対象物4
4に対して電子線を所定の場所に照射するために互いに
直交する2方向に位置を調整するための制御部である。
【0025】描画装置本体30は、図1のように電子銃
41、スリット40、第1アパーチャ35、第2アパー
チャ36、XYステージ42、ステージ駆動系43、第
1偏向部37、第2偏向部38、第3偏向部39、第1
レンズ31、第2レンズ32、第3レンズ33、及び第
4レンズ34等から構成されている。
【0026】電子銃41は、電子線を照射する電子銃で
ある。スリット40は、電子銃41にて照射された電子
線の形状を成形する。第1アパーチャ35、第2アパー
チャ36は、電子線を成形するための成形絞りであり、
成形絞りは補助パターン51eの形状をした開口部を有
する。開口部の形状は、例えば図9のような長方形や図
12のような略十字形状である。電子線は、電子銃41
から照射され、開口部の形状に合わせて成形される。
尚、補助パターン51eの配線幅方向の幅(図9のW2
や図12のW5)は、配線パターンが露光されたときの
配線幅が、設計時の本来の配線幅に対してその誤差が±
10%になるように所定の幅に設定する。
【0027】XYステージ42は、対象物44が配置さ
れるステージであり、対象物44とともにステージ駆動
系43により平面上で互いに直交する2方向に移動され
る。ステージ駆動系43は、XYステージ42を移動す
るためのアクチュエータである。ステージ駆動系43
は、描画装置制御部20のステージ制御25により制御
されている。ステージ駆動系43は、XYステージ42
の移動量がレーザ干渉計46によってステージ制御部2
5を経由してCPU11に読み込まれ、描画パターンの
位置と比較し、補正量を偏向系(第1偏向部37、第2
偏向部38、第3偏向部39)にフィードバックして描
画領域間を精度良くつなぎ合わせる。
【0028】第1偏向部37、第2偏向部38、及び第
3偏向部39は、電子銃41により打ち出された電子線
を所定の方向へと偏向させるものであり、ここでは描画
装置本体30は、図1のように例えば3つの偏向部を設
けている。
【0029】第1レンズ31、第2レンズ32、第3レ
ンズ33、及び第4レンズ34は、電子銃41により打
ち出された電子線を、例えば縮小するための光学系のレ
ンズである。第1レンズ31、第2レンズ32、第3レ
ンズ33、及び第4レンズ34は、電子光学系制御部2
7により制御されている。これらのレンズは、例えば4
つ設けられている。
【0030】描画装置本体30の動作は、図1のように
上下に配置した2つのアパーチャ、第1アパーチャ3
5、第2アパーチャ36を用いて、方形成形用電極であ
る3つの偏向部、第1偏向部37、第2偏向部38、第
3偏向部39をそれぞれのアパーチャを挟むように配置
する。描画装置本体30は、レジスト44aが塗布され
た基板44b(ウェハ)である対象物44に対して、電
子銃41から照射した電子線(電子ビーム)を各偏向部
により偏向させ、像と各アパーチャの重なりを変えるこ
とにより必要な大きさの、例えば方形形状の補助パター
ン51eや略十字形状の補助パターン51eを成形す
る。以下の説明では、特に指定しない限り補助パターン
は方形形状のものを使用して説明している。得られた方
形ビ−ムは縮小され、さらに下段にある偏向電極により
所望の位置に投影し必要なパターンの露光を行う。
【0031】電子ビームの偏向領域は、通常数mm角程
度で小さく、レジスト44aの全面を露光するにはXY
ステージ42を移動させて行う必要がある。XYステー
ジ42の移動量は、レーザ干渉系43によって信号プロ
セッサ26に読み込まれ、描画合成データ12hの回路
パターンの位置と比較し、補正量を偏向部にフィードバ
ックして描画領域間を精度良くつなぎ合わせる。この方
法により、露光面積の大きい集積回路のパターン描画が
可能である。
【0032】以上、この発明の電子ビーム露光装置の好
ましい実施の形態の構成について説明したが、次に以下
の図3から図5を参照しながら作用について説明する。
図3は、この発明の電子ビーム露光装置の好ましい実施
の形態の処理を示すフローチャートである。図4は、電
子ビーム露光装置により電子線を照射される対象物を示
す平面図である。図5は、電子ビーム露光装置により配
線パターンが描画される手順を示す図である。図1のC
ADデータ17aは、集積回路44cの回路パターン5
4の配線データである。CADデータ17aは、CAD
(Computer Aided Design)装置
で作成され、回路パターン52の描画基本データ12e
として電子ビーム露光装置1の制御コンピュータ10に
取り込まれる。具体的にはCADデータ17aは、パタ
ーンの縮小、拡大、分割などのデータ編集の後、電子ビ
ーム露光装置1に所定のフォーマットに変換され、例え
ばハードディスク13に描画基本データ12cとして格
納される。
【0033】ステップST1 跨り配線パターン抽出処
ウェハ44は、図4のように集積回路44cが縦横に配
列されるべきものである。その内の1つの集積回路44
cは、例えば縦6列、横6列分に分けて36回に渡り描
画パターンが描画され、回路パターン54が成形され
る。図5(A)は、図4のフィールドAとフィールドB
を拡大した図である。除去演算処理部12aは、図2の
描画基本データ12eにおいて図5(A)のようにフィ
ールド境界51f上のフィールドAとフィールドBとを
跨ぐ配線パターン51を、全て抽出する。
【0034】ステップST2 境界描画パターン除去処
さらに除去演算処理部12aは、ステップST1にて抽
出された配線パターン51の境界の部分となる図5
(A)の境界描画パターン51aについて、図5(B)
のように空白領域51bを設ける(境界領域51gの配
線パターンを描画基本データ12cから除去する)。空
白領域51bは、描画パターンがフィールド境界51f
からα/2離れるように、この処理をフィールドAとフ
ィールドBとが隣接する境界を含む境界領域51g全域
に対して行い、描画基本データ12から除去描画データ
12fを生成する。
【0035】ステップST3 露光処理 露光制御部12dは、ステップST2で生成された除去
描画データ12fを基に、電子線を露光する指令を描画
装置制御部20に対して行い、ウェハ44のレジスト4
4aに対して描画パターンを描画させる。
【0036】ステップST4 補助パターン生成処理 追加演算処理部12bは、図5(c)のように配線パタ
ーン51cと配線パターン51dとを接続する補助パタ
ーン51eをステップST2にて生成された除去描画デ
ータ12fの空白領域51bに配置されるように、フィ
ールドAとフィールドBの境界51f上のすべての空白
領域51bに配置されるような追加描画データ12gを
生成する。ここで、この補助パターン51eはフィール
ドAとフィールドBの一方にのみ追加するようにしなけ
ればならない。これは、両方の描画パターンフィールド
に追加するようにしてしまうと、補助パターン51eを
2重に成形してしまうからである。これらの処理を回路
パターン54全てに対して行う。
【0037】ステップST5 露光処理 露光制御部12dは、ステップ4にて作成された追加描
画データ12gに基づき、ウェハ44(レジスト44
a)に対して電子線を露光する指令を描画装置制御部2
0に対して行い、レジスト44aに補助パターン51e
を描画させる。電子ビーム(電子線)の露光方法につい
ては前述した通りである。
【0038】以上、この発明の電子ビーム露光装置の好
ましい実施の形態の処理について述べてきたが、次にこ
の実施の形態による効果を確かめるために所定の回路パ
ターンを電子ビーム露光装置により描画し、その配線パ
ターンの配線幅を測定し、配線幅の誤差を測定するシミ
ュレーションを行う。
【0039】以下のシミュレーションで使用する電子ビ
ーム露光装置は加速電圧が50KeVであり、電子線を
照射する際のEID条件(露光条件)は、以下に示す通
りである。 前方散乱半径:0.070μm 後方散乱半径:9.5μm 後方散乱係数:0.8
【0040】第1シミュレーション 第1シミュレーションでは、この発明の電子ビーム露光
装置の好ましい実施の形態による効果と比較して、検討
するための参照データを取る。第1シミュレーションで
は、補助パターン51eを追加することなく、電子ビー
ム露光装置にて回路パターンを描画させる。
【0041】評価対象となる回路パターン54は、図6
(A)に示すような描画パターン52である。描画パタ
ーン52は、1辺20μmの略正方形の領域に、図6
(B)の配線幅W1=0.20μmのL/Sパターンを
1:1で配置している。ここでL/Sパターン(Lin
e and Space)とは、配線パターンと、配線
パターン同士の間の空白パターン両方のパターンのこと
である。
【0042】図6(B)は、図6(A)の描画パターン
52の部分52aの拡大図である。描画パターン52a
は、例えばフィールドAとフィールドBとの境界である
フィールド境界51fにより境界をなす部分の描画パタ
ーンである。
【0043】第1シミュレーションでは、このフィール
ド境界51fを跨ぐような描画パターン51であって、
その配線パターン51cと配線パターン51dとを、図
6(B)のようにフィールド境界51fを中心として距
離β[μm]だけ離したり重ねたりすることにより(β
を変動させて)、配線パターン51をレジスト44aに
成形したときのフィールド境界51f付近の配線パター
ン51の幅である配線幅の線幅誤差γ[%]をシミュレ
ーションしている。
【0044】尚、距離βがプラスである場合は配線パタ
ーン51cと配線パターン51dとが距離β分重なって
いて、距離βがマイナスの場合は配線パターン51cと
配線パターン51dとが距離β分離れているものとす
る。また、線幅誤差γは、以下のような式(1)にて計
算される。 線幅誤差γ[%]=((描画後の配線幅−設計時の配線幅)/設計時の配線幅 )×100・・・(1) 以上の定義は、以下のシミュレーションにおいても同様
である。
【0045】図7は、第1シミュレーションにおいて配
線パターン51cと配線パターン51dとの重なり量
(パターン重なり量)β[μm]を横軸に取り、配線パ
ターン51の線幅誤差γ[%]を縦軸に取ることによ
り、配線パターン51同士の重なり量βによりどの程
度、配線幅に誤差が生ずるかを示している。このグラフ
で基準となっているのは、パターン重なり量β=0のと
きであり、線幅誤差γ=0となる点である。図7におい
ては、パターン重なり量βを0.01μmずつずらしな
がら線幅誤差γシミュレーションを行った。
【0046】図7を参照すると、パターン重なり量βの
変化により線幅誤差が顕著にみられるのがわかる。フィ
ールド境界51f上での線幅誤差γが±10%を満たす
パターン位置ずれ量βは、離れ方向が0.017μm、
重なり方向が0.022μmでありる。フィールド境界
51f上での線幅誤差γが±10%を満たすパターン位
置ずれ量βの離れ方向と重なり方向の合計であるマージ
ンは、0.039μmである。
【0047】この第1シミュレーションによるデータを
参照しながら、この発明の電子ビーム露光装置の好まし
い実施の形態を使用して描画した場合の以下のシミュレ
ーションを行う。第2シミュレーション 次に、この発明の電子ビーム露光装置の好ましい実施の
形態を使用して、第1ミュレーションと略同様のシミュ
レーションを行う。電子ビーム露光装置1の電子線の露
光条件は、第1シミュレーションと略同様である。
【0048】図8(A)は、第2シミュレーションを行
うための描画パターン52を示している。第2シミュレ
ーションでは、第1シミュレーション同様フィールド境
界51fを跨る配線パターン51cと配線パターン51
dとの配置関係において、補助パターン51eの位置は
固定とし、配線パターン51cと配線パターン51dと
のパターン重なり量β=−0.05からβ=+0.05
μmとなるように(空白領域51bを設ける)、フィー
ルド境界51fから配線パターン51cと配線パターン
51dがフィールド境界51fから等距離分離れるよう
に距離βを0.01μmずつ変化させてシミュレーショ
ンを行う。尚、図9の補助パターン51eは図8(B)
の補助パターン51eと同じ向きであり、補助パターン
51eの形状は、図9のように例えば縦幅W2=0.1
4μm、横幅W3=0.12μmの長方形である。
【0049】図10は、第2のシミュレーションの結果
を表している。図10では、第2シミュレーションの効
果がわかりやすいように、第1シミュレーション結果も
併記してある。以下の説明では、この発明の効果を含ま
ない第1シミュレーション結果を補正前と呼び、この発
明の電子ビーム露光装置の好ましい実施の形態による効
果を含む当該シミュレーション結果を補正後と呼ぶもの
として説明する。図10を参照すると、フィールド境界
上での線幅誤差γが±10%を満たすパターン位置ずれ
量βは、補正前が離れ方向が0.017μm、重なり方
向が0.022μm、併せて0.039μmであるのに
対して、補正後は、離れ方向が0.037μm、重なり
方向方向が0.021μm、併せて0.058μmとな
っており、補正前と比較して、0.019μmもマージ
ンが拡大することができた。
【0050】第3シミュレーション 次に、この発明の電子ビーム露光装置の好ましい実施の
形態を使用して、第2シミュレーションと略同様のシミ
ュレーションを行う。電子ビーム露光装置1の電子線の
露光条件は、第2シミュレーションと同様である。第3
シミュレーションでは、第2シミュレーションにおい
て、補助パターン51eを図11(B)のように十字型
としたものである。図12の補助パターン51eは、図
11(B)の補助パターン51eと同じ向きである。補
助パターン51eの形状は、図12のようになってお
り、例えば第1の横幅W6=0.08μm、第2の横幅
W7=0.20μm、第1の縦幅W4=0.10μm、
第2の縦幅W5=0.12μmである。補正パターン5
1eの形状以外の条件については、第2シミュレーショ
ンと略同様である。
【0051】図13は、第3のシミュレーションの結果
を表している。図13では、第3シミュレーションの効
果がわかりやすいように、第1シミュレーション結果も
併記してある。図13を参照すると、フィールド境界5
1f上での線幅誤差γが±10%を満たすパターン位置
ずれ量βは、補正前が0.039μmであるのに対し
て、補正後は、離れ方向が0.030μm、重なり方向
が0.029μm、併せて0.059μmとなってお
り、この発明を適用していない第1シミュレーションの
場合と比較して、0.020μmもマージンが拡大する
ことができ、第2シミュレーションのフィールド境界5
1f上での線幅誤差γが±10%を満たすパターン位置
ずれ量βが0.058μmであることからも、第2シミ
ュレーションよりもさらに効果を得ることができる。
【0052】この発明の実施形態によれば、電子ビーム
露光装置の露光誤差により描画パターンが位置ずれが生
じていても、描画パターン境界付近における描画パター
ンの配線幅は許容範囲内に収めることができる。
【0053】ところでこの発明は上述した実施形態に限
定されるものではない。上述した説明では、半導体製造
装置に限定しているが、電子線を照射するどのような装
置にも適用することができる。補助パターン(アパーチ
ャの開口部)の形状についても、様々な形状のものも採
用することができる。アパーチャや偏向部などの数は、
上記に限定されない。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、対象物に電子線を照射し描画する際に描画パターン
同士が位置ずれを生じても、所定の許容範囲内の配線幅
を確保することができるため、例えば半導体製造工程に
おいて、製品の歩留まりを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の電子ビーム露光装置の好ましい実施
の形態を示す機能構成図。
【図2】図1のメモリに読み込まれるデータや演算処理
部等を示す構成図。
【図3】図1の電子ビーム露光装置での処理を示すフロ
ーチャート。
【図4】図1の電子ビーム露光装置にて電子線を照射さ
れる対象物を示す平面図。
【図5】図1の電子ビーム露光装置にて配線パターンが
描画される手順を示す平面図。
【図6】図1の電子ビーム露光装置の効果を確かめるた
めの比較用の第1シミュレーションの様子を示す平面
図。
【図7】第1シミュレーションの結果を表すグラフ。
【図8】第2シミュレーションの電子線の描画の様子を
示す平面図。
【図9】図8の補助パターンの寸法を示す平面図。
【図10】第2シミュレーションの結果を示すグラフ。
【図11】第3シミュレーションの電子線の描画の様子
を示す平面図。
【図12】図11の補助パターンの寸法を示す平面図。
【図13】第3シミュレーションの結果を示すグラフ。
【図14】従来の電子ビーム露光装置により描画してい
る様子を示す平面図。
【図15】従来の電子ビーム露光装置により描画した
が、隣接する配線パターンが接触している様子を示す平
面図。
【図16】特公平8−15138号公報の方法により描
画した様子を示す平面図。
【符号の説明】
1・・・電子ビーム露光装置(電子線露光装置)、10
・・・制御コンピュータ、12・・・描画データ、12
a・・・除去演算処理部、12b・・・追加演算処理
部、12e・・・描画基本データ、12f・・・除去描
画データ、12g・・・追加描画データ、20・・・描
画装置制御部、30・・・描画装置本体、44・・・対
象物(ウェハ、半導体ウェハ)、A・・・フィールド、
B・・・フィールド、51・・・配線パターン、51b
・・・空白領域、51e・・・補助パターン、51f・
・・フィールド境界、52・・・配線パターン、54・
・・回路パターン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子線を照射することにより対象物にパ
    ターンを描画する電子ビーム露光装置において、 対象物に電子線を照射し描画する描画装置本体と、 描画装置本体を制御するための描画装置制御部と、 描画パターンに基づく描画データを生成する制御計算機
    と、を有しており、 制御計算機は、一度に描画することができる範囲同士の
    境界に跨る境界描画パターンに関して、境界を含む所定
    の空白領域を設けて描画パターン同士が所定量離れるよ
    うに描画基本データを加工して除去描画データを生成す
    る除去演算処理部と、 空白領域を補足するための補助パターンの追加描画デー
    タを除去描画データに追加する追加演算処理部とを備え
    ることを特徴とする電子ビーム露光装置。
  2. 【請求項2】 描画装置本体は、補助パターンの形状の
    開口部が成形されたアパーチャを有する請求項1に記載
    の電子ビーム露光装置。
  3. 【請求項3】 対象物は、半導体ウェハである請求項1
    に記載の電子ビーム露光装置。
  4. 【請求項4】 電子線を照射することにより対象物にパ
    ターンを描画する電子ビーム露光方法において、 一度に描画することができる範囲同士の境界に跨る境界
    描画パターンに関して、境界を含む所定の空白領域を設
    けて描画パターン同士が所定量離れるように描画基本デ
    ータを加工して除去描画データを生成して描画し、空白
    領域を補足するための補助パターンを生成して描画する
    ことを特徴とする電子ビーム露光方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004214526A (ja) * 2003-01-08 2004-07-29 Riipuru:Kk 荷電粒子露光方法、これに使用する相補分割マスク及び該方法を使用して製造した半導体デバイス
US7590966B2 (en) * 1999-09-09 2009-09-15 Micronic Laser Systems Ab Data path for high performance pattern generator
US9117149B2 (en) 2011-10-07 2015-08-25 Industrial Technology Research Institute Optical registration carrier

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