JPH1184289A - 光学走査装置 - Google Patents

光学走査装置

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JPH1184289A
JPH1184289A JP9242550A JP24255097A JPH1184289A JP H1184289 A JPH1184289 A JP H1184289A JP 9242550 A JP9242550 A JP 9242550A JP 24255097 A JP24255097 A JP 24255097A JP H1184289 A JPH1184289 A JP H1184289A
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JP
Japan
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detection surface
reflected light
light
beam diameter
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JP9242550A
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English (en)
Inventor
Yutaka Hattori
豊 服部
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速応答性に優れ、且つノイズが少ない高品
質な検出が可能な検出手段を用いることにより、正確且
つ鮮明な画像情報を得ることができる光学走査装置を提
供すること。 【解決手段】 受光部71は、反射光を検出するための
検出面を有し、且つその検出面の反射光の走査方向とは
直交する方向における長さ(検出面幅)が、前記走査方
向における長さ(検出面長)よりも短く形成されたフォ
トダイオード7aと、そのフォトダイオード7aにおけ
る前記反射光のビーム径を前記検出面幅以下の任意の径
wとするように構成されたレンズ7Aとから構成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファックスや複写
機等の、読取対象物を光学的に走査することにより、そ
の読取対象物に対応する画像を読み取る画像読取機能を
備えた光学走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、単色或いは多色刷りの複写物を出
力する複写機(コピー機)等における画像読取装置にお
いては、単一或いは複数の異なった波長の光源からの光
ビームを回転多面鏡(ポリゴンミラー)や振動鏡(ガル
バノミラー)や回折効果を用いたホログラムディスクや
光導波路中の屈折率を音響光学的或いは磁気光学的に変
化させて光を偏向させる固体偏向素子を使用して偏向走
査して印刷原稿等の読取対象物に照射し、その光ビーム
の読取対象物からの反射光をフォトダイオード(PD)
等の受光素子によって受光し、この受光素子からの受光
信号に基づいて光ビームが照射された読取対象物に対応
する画像情報を得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の複写機等においては、例えば、特開平8−2655
19号公報に示されているように、読み取り対象物から
の反射光を複数の受光手段により受光し、読み取り対象
物に対応する画像情報を得ているため、加算回路を用い
異なった受光手段から同時に信号を得ていた。しかし、
見かけ上、検出器の面積が大きくなり、周波数応答性や
信号品質の低下を招いていた。
【0004】そこで、本発明は、前述した問題点を解決
するためになされたものであり、読み取り対象物からの
反射光に最適な検出器を用いることにより、正確且つ鮮
明な画像情報を得ることができる光学走査装置を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の光学走査装置は、光源か
ら出射され、偏向走査されて読み取り対象物に照射され
た光ビームの前記読み取り対象物からの反射光を複数の
受光手段により受光し、前記読み取り対象物に対応する
画像情報を得るものを対象として、特に、前記複数の受
光手段は、前記反射光を検出するための検出面を有し、
且つその検出面の前記反射光の走査方向とは直交する方
向における長さ(検出面幅)が、前記走査方向における
長さ(検出面長)よりも短く形成された検出手段と、そ
の検出手段における前記反射光のビーム径を前記検出面
幅以下の任意の径wとするように構成された結像手段と
から構成されている。
【0006】従って、結像手段は、前記検出手段におい
て前記読み取り対象物からの反射光のビーム径をwとす
る。そして、検出手段は、読み取り対象物からの反射光
の画像情報を前記検出面において検出する。
【0007】よって、面積の小さな検出面で確実に反射
光の画像情報を検出することができ、周波数応答性に優
れた品質の高い信号が得られ、正確且つ鮮明な画像情報
を得ることができる。
【0008】また、請求項2に記載の光学走査装置は、
前記検出手段の検出面において、前記検出面幅が、前記
反射光のビーム径wと略等しい長さに形成されている。
【0009】従って、検出手段は、ビーム径wである読
み取り対象物からの反射光の86.5%を検出する。
【0010】よって、最小の面積の検出面で確実に反射
光の画像情報を検出することができ、安価な構成で高品
位な信号が得られ、さらに正確且つ鮮明な画像情報を得
ることができる。
【0011】また、請求項3に記載の光学走査装置は、
前記結像手段が、前記検出手段における前記反射光のビ
ーム径wを、
【0012】
【数1】
【0013】λ:波長 W:結像手段の射出瞳径 l2:像点位置 で表されるビーム径w0より大きくするように構成され
ている。
【0014】従って、結像手段は、読み取り対象物から
の反射光の検出手段でのビーム径を、(1)式で表される
ビーム径w0より大きくする。
【0015】よって、反射光が検出器から外れる状態で
の信号変化が緩和され、受光手段同士の間隔が理想状態
からずれても、信号波形にリップルは発生せず、安価な
回路で高精度に補正が可能となり、読み取り対象物を走
査する位置に関係なく、正確且つ鮮明な画像情報を得る
ことができる。
【0016】また、請求項4に記載の光学走査装置は、
前記検出手段が、前記結像手段に対して前記読み取り対
象物と共役な位置よりも前記結像手段寄りの位置に配置
されている。
【0017】従って、検出手段は、結像手段に対して読
み取り対象物と共役な位置より結像手段寄りの位置に配
置され、広い走査位置からの反射光の画像情報を検出す
ることができる。
【0018】よって、検出手段の検出面を有効に利用で
き、装置の小型化を実現することができる。
【0019】また、請求項5に記載の光学走査装置は、
前記結像手段が、前記反射光の前記検出手段でのビーム
径wを、
【0020】
【数2】
【0021】f:結像手段の焦点距離 l1:物点位置 de:デフォーカス量 で表されるビーム径w1と等しくするように構成されて
いる。
【0022】従って、結像手段は、読み取り対象物から
の反射光の検出手段でのビーム径を、(2)式で表される
ビーム径w1と等しくする。
【0023】よって、反射光が検出器から外れる状態で
の信号変化が緩和され、安価な構成で高品位な信号が得
られるため、正確且つ鮮明な読み取り対象物に対応する
画像情報を得ることができる。
【0024】また、請求項6に記載の光学走査装置は、
前記検出手段が、前記結像手段に対して前記読み取り対
象物と共役な位置に配置され、前記結像手段が、波面収
差が波長の1/14よりも大きくなるように構成されてい
る。
【0025】従って、検出手段は読み取り対象物と共役
な位置に配置され、読み取り対象物からの反射光の画像
情報を検出する。そして、結像手段は、波長の1/14より
も大きな波面収差を発生し、読み取り対象物からの反射
光の検出手段でのビーム径を、(1)式で表されるビーム
径w0より大きくする。
【0026】よって、安価な構成部品を使用すること
で、反射光が検出器から外れる状態での信号変化が緩和
され、受光手段同士の間隔が理想状態からずれても、信
号波形にリップルは発生せず、安価な回路で高精度に補
正が可能となり、読み取り対象物を走査する位置に関係
なく、正確且つ鮮明な画像情報を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の光学走査装置を具
体化した実施の形態について図面を参照して説明する。
【0028】始めに、本発明の第1の実施形態の光学走
査装置を、画像読取系における光学系と画像記録系にお
ける光学系を共通化した複写機に適用した装置構成につ
いて、図1及び図2を用いて説明する。
【0029】図1及び図2に示すように、本実施の形態
における光学走査装置Sの画像読取系は、光源としての
半導体レーザ1と、半導体レーザ1からの光ビームLを
偏向走査するためのポリゴンミラー2と、ポリゴンミラ
ー2によって偏向走査された光ビームLを集光するため
の結像レンズ3と、結像レンズ3によって集光された光
ビームLを読み取り対象物としての原稿6、または後述
する感光体20に択一的に選択照射するための反射ミラ
ー4と、原稿6を載置し、この原稿6を送り出すための
原稿搬送部10と、反射ミラー4によって原稿6を照射
し、原稿6からの反射光を受光して原稿6を読み取るた
めの三つの受光部71,72,73と、装置全体を制御
する制御部30とを備えて構成される。尚、受光部7
1,72,73は本発明の受光手段を構成するものであ
る。
【0030】半導体レーザ1は、制御部30内のCPU
31によって光ビームLを射出、または射出を停止する
ように制御され、図2において、前記ポリゴンミラー2
の背面に設置されている。反射ミラー4は、前記ポリゴ
ンミラー2及び結像レンズ3を結ぶ光路上に配置されて
おり、図示しないモータによって、図中矢印方向に回動
可能に構成されている。
【0031】一方、原稿搬送部10は、原稿台9と原稿
6とを挟持して送り出すための二組のローラ5とにより
構成されている。この原稿台9には、反射ミラー4によ
って反射された光ビームLを原稿6に直接照射させるた
めの開口部40が設けられている。
【0032】ここで、三つの受光部71,72,73
は、フォトダイオード(PD)7a,7b,7c及び結
像手段である検出レンズ7A,7B,7Cで構成されて
おり、それぞれが対になって一つの受光部を形成してい
る。尚、フォトダイオード(PD)7a,7b,7cは
本発明の検出手段を、検出レンズ7A,7B,7Cは結
像手段をそれぞれ構成するものである。各受光部は、反
射ミラー4に対して原稿搬送部10側に、原稿6の走査
方向とは平行で搬送方向とは垂直な方向に、等間隔に設
置されている。また、各フォトダイオード7a,7b,
7cは、後述する受光素子駆動回路32に接続されてい
る。
【0033】そして、制御部30は、各フォトダイオー
ド7a,7b,7cで検出された受光信号を合成するた
めの受光信号駆動回路32と、その合成された受光信号
を一時的に記憶するRAM34と、装置全体を制御する
ための制御プログラムを記憶するROM33と、前記各
構成要素を制御するためのCPU31とで構成されてい
る。
【0034】一方、本実施の形態における画像記録系
は、半導体レーザ1と、ポリゴンミラー2と、結像レン
ズ3と、反射ミラー4と、光ビームLを照射することに
より静電潜像を形成する感光体20とにより構成されて
いる。ここで、感光体20は、光ビームLが一ライン走
査する毎に、所定量回転するようにCPU31によって
制御される。
【0035】ここで、反射ミラー4から原稿6までの光
路長Aと、反射ミラー4から感光体20までの光路長B
とが等しく設定されているため、原稿6の走査範囲と感
光体20の走査範囲とがほぼ等しくなり読み取られた原
稿6と同一の大きさで感光体20に容易に複写記録でき
る。
【0036】次に、前述した構成を有する光学走査装置
Sの動作について、図1乃至図6,図10,及び図11
を用いて説明する。
【0037】まず、原稿6からの画像読み取りの際に
は、反射ミラー4を図2の破線で示した位置に図示しな
いモータによって回動させる。次に、CPU31は、原
稿6の読み取り終了位置が完全に開口部40を通過する
まで、半導体レーザ1から光ビームLを射出させる。そ
して、射出された光ビームLは、ポリゴンミラー2に照
射され、そのポリゴンミラー2が一定速度で回転するこ
とにより、偏向走査される。その後、偏向走査された光
ビームLは、結像レンズ3により集光され、反射ミラー
4に照射される。反射ミラー4に到達した光ビームL
は、その反射ミラー4によって原稿台9の開口部40に
指向され、開口部40を覆って載置されている原稿6に
到達する。
【0038】ここで、本出願人により提案された特開平
9−147083号公報に記載の光学走査装置では、光
ビーム補正動作として、前記光ビームLを強度変調して
いる。より具体的には、その変調は、図1に示すよう
に、原稿6の走査範囲外に配置され、前記1回の偏向走
査の度に光ビームLが入射されるフォトダイオード等の
検出器8からの出力に基づき、その検出器8が光ビーム
Lを検出した時刻からの経過時間(走査時間)をCPU
31において検出することにより、それぞれの経過時間
(原稿6上の走査位置に対応する)における光ビームL
の強度を、予めRAM32に記憶させた補正情報に基づ
いて変化させることにより実行される。
【0039】原稿台9に載置されている原稿6に到達し
た光ビームLは、原稿6で反射してその反射光が装置本
体内に戻る。このとき、原稿6に文字等の画像が形成さ
れている部分からの反射光は、その画像を形成するイン
クやトナー等のため、照射された光ビームLの一部が吸
収されて反射光としての強度が低下する。これに対し、
原稿6の画像が形成されていない部分では、光ビームL
が吸収されにくいため、その反射光は画像が形成されて
いない部分より十分大きな強度を持つ。このいずれかの
反射光が検出レンズ7A,7B,7Cで集光され、フォ
トダイオード7a,7b,7cに照射され、夫々受光信
号が生成され、その夫々の受光信号が受光素子駆動回路
32によって合成され、その合成信号を原稿6の光ビー
ムLが照射された位置でのその原稿6からの画像情報と
して、CPU31を介してRAM34に記憶する。ここ
で記憶された画像は、前述の光ビーム補正動作に基づい
て強度が補正された光ビームLによって形成された画像
であるので、複数の信号が重ね合った合成波形であって
も、原稿の濃度に応じたほぼ一定の(シェーディングの
ない)画像信号が得られる。
【0040】しかし、受光部71,72,73では図3
に示すように、フォトダイオードの高速応答性を確保す
るため受光面積を小さくし、原稿からの反射光を効率よ
くフォトダイオードに入射させるために、検出レンズ7
A,7B,7Cを原稿6とフォトダイオード7a,7
b,7cとの間にそれぞれ配置している。そのため、原
稿6を、例えば、図中上から下に光ビームLが走査する
のに伴い、反射光は微小スポットとして順次フォトダイ
オード7aから7cに向かって、それぞれの検出面を下
から上に走査する。図4は、受光部71のみを取り出し
て示した平面図である。
【0041】原稿6を、図中矢印のように光ビームLが
上から下へ走査すると、検出レンズ7Aによってその像
がフォトダイオード7aの検出面に微小スポットとして
結ばれ、図中矢印のように下から上へ検出面を走査す
る。従来から使用されている一般的な汎用フォトダイオ
ードの検出面を、微小スポットが走査する様子を、図1
0に示す。中心強度の13.5%強度の直径で表される
スポット径wの微小スポットが、フォトダイオード70
aの正方形状検出面を図中矢印方向に走査されている。
【0042】一方、本実施の形態では、周波数応答性並
びに信号品質の点から、図5に示すフォトダイオード7
aを用いている。フォトダイオード7aの検出面は、ス
ポットの走査方向とは直交する方向の長さ(検出面幅)
が、前記走査方向の長さ(検出面長)より長く設定され
ている。更に具体的には、最適な検出面とすべく、前記
検出面幅が、スポット径wと概ね等しく設定されてい
る。即ち、スポットが走査する領域にのみ、フォトダイ
オードの検出面が配置されているのである。以下に、こ
の理由を詳説する。
【0043】画像を読み取る場合、読み取り速度を速く
するために、光ビームLを走査する速度を速くすると、
フォトダイオードの周波数応答速度によって、画像情報
信号振幅が低下する。フォトダイオードの遮断角周波数
をνとすると、
【0044】
【数4】
【0045】Cd:接合容量 Rd:並列実行抵抗値 という関係式が成り立ち、フォトダイオードの接合容量
に反比例して周波数応答速度が決まる。
【0046】また、フォトダイオードの受光面積をSと
すると、接合容量は、
【0047】
【数5】
【0048】ε:誘電率 lp,ln:p型,n型領域の空乏層幅 という関係式によって定まり、受光面積に比例すること
が分かる。結局、フォトダイオードの周波数応答速度
は、受光面積に反比例するため、受光面積は小さい方が
望ましいことになる。
【0049】一方、読み取り信号品質を定めるS/N
は、
【0050】
【数6】
【0051】is:信号電流 iN1:ショット雑音 iN2:熱雑音 で表される。このうちショット雑音に含まれる暗電流
は、フォトダイオードの表面からのランダムな熱的電子
放出及び放射線等による電子放出と定義され、受光面積
Sに比例する項目である。即ち、読み取り信号品質をよ
くするには、受光面積は小さい方が望ましいことにな
る。
【0052】光源として、半導体レーザのようなガウス
ビームを発するレーザを用いた場合、原稿に照射される
ビームもガウスビームであり、検出レンズでフォトダイ
オードの検出面に結像されるスポットもガウスビームと
なる。ガウスビームの強度分布は、中心強度をI0とす
ると、
【0053】
【数7】
【0054】R:ビーム半径(中心強度の13.5%強
度の半径) で表される。
【0055】全光量のうち半径r内にある光量の比率γ
は、
【0056】
【数8】
【0057】で求められる。例えば、ビーム半径R内に
ある光量の比率は、r=Rとして(8)式に代入すると、
86.5%であることが分かる。
【0058】以上から、フォトダイオード7aの検出面
は、信号振幅が十分得られ周波数応答性並びに信号品質
に優れた形状である、スポットの走査と垂直な方向の長
さがスポット径w(=2R)と概ね等しく設定されてい
る。
【0059】ところで、検出面に微小スポットが結像さ
れると、フォトダイオードの検出境界部では信号が急激
に変化して、合成波形にリップルが発生する。例えば、
検出レンズが回折限界系であり、原稿に照射されるスポ
ットが十分小さいとすると、フォトダイオード上での反
射光のビーム径は、
【0060】
【数1】
【0061】λ:波長 W:検出レンズの射出瞳径 l2:像点位置 で求められるエアリーディスクのビーム径w0となる。
【0062】この状態を示したものが、図6である。原
稿6からの反射光は、回折限界系である検出レンズ7A
によりビーム径w0として、破線位置に結像している。
この場合、前記光ビーム補正動作を実施しても、完全に
はシェーディングのない波形に補正することは困難であ
る。
【0063】25mmピッチで配置された3mm角のフォト
ダイオードに、結像倍率β=−0.11となる検出レン
ズを配置した受光部での、光ビーム補正動作前の合成信
号波形を図11に示す。原稿6を全面白色の無地とし
て、光ビームLが原稿6の走査位置0から50mmを走査
するに従って、順次フォトダイオード7aから7cに向
かって反射光が走査されていく。図11は、その時各フ
ォトダイオードPD7a,PD7b,PD7cで得られ
る信号と、合成した信号とを示している。フォトダイオ
ードの検出境界部を反射光が走査する領域が重なるよ
う、隣接するフォトダイオードのピッチを定めている。
反射光のフォトダイオードでのビーム径はφ0.44mm
であり、隣接するフォトダイオードに同時に検出されて
いる状態が、原稿で4mmの幅に相当することが分かる。
信号波形に、同時検出となる状態変化に伴って急激なレ
ベルの変動(リップル)が発生している様子が観測され
る。このリップルの傾きは、反射光のビーム径に比例す
る。即ち、反射光のビーム径を回折限界より大きくする
ことで、フォトダイオードの検出境界部での信号がなだ
らかに変化して、合成波形にリップルが発生しない。
【0064】そのため、本実施の形態では、図6に示す
ように、破線位置よりも検出レンズ7Aよりの位置にフ
ォトダイオード7aが配置されている。
【0065】この配置におけるフォトダイオード上での
反射光のビーム径は、
【0066】
【数2】
【0067】f:検出レンズの焦点距離 l1:物点位置 de:デフォーカス量 で表されるビーム径w1となる。ここで示したデフォー
カス量deは、検出レンズに対して原稿(物点)と共役
な位置(像点)からの変位量である。この変位方向は、
図3から容易に推測されるように、像点より上流である
検出レンズに近い側とすべきであり、決まった面積のフ
ォトダイオードでより広い原稿の走査幅に対して信号が
検出され、有効に利用できる。
【0068】図7は、l1=50mm,f=5mm,W=φ
5mm,de=1.5mmとしたときの、光ビーム補正動作
前の合成信号波形である。反射光のビーム径はφ1.3
5mmであり、フォトダイオードの境界部をビームが横切
る原稿対応幅は、横倍率から17mmとなる。隣接するフ
ォトダイオードで合成した波形は、互いにピーク強度の
半値で重なるよう配置すると、3mm角のフォトダイオー
ドを30mmピッチで配置することになる。図11と比べ
て、急激なレベル変動が生じていないことが分かる。
【0069】このビーム径は、大きければ良いわけでは
なく、検出器の幅より大きい場合は、常に検出器でビー
ムがけられる状態となり、信号強度が減少し信号品質が
悪化するため、検出器と同等の大きさが最大のビーム径
の目安となる。ここで、ビーム径を最適に設定すること
で、前述の光ビーム補正動作を不要とすることもでき
る。
【0070】このように、反射光のビーム径を大きくす
ることで、リップルが減少する利点の他に、受光部の設
置精度が緩和される利点もある。図12は、図11の配
置で隣接する受光部の間隔を1mm離した状態での、光ビ
ーム補正動作前の合成信号波形を示している。同様に図
8は、図7の配置で隣接する受光部の間隔を1mm離した
状態での、光ビーム補正動作前の合成信号波形を示して
いる。受光部の間隔変動に伴う重なり中心部での強度変
動は、図12がピークの28%となるのに対して図8で
は8%と緩和されている。
【0071】次に、本発明の光学走査装置を具体化した
第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0072】始めに、第2の実施の形態の光学走査装置
を、画像読取系における光学系と画像記録系における光
学系を共通化した複写機に適用した装置構成について説
明する。
【0073】第1の実施の形態との違いは、原稿6から
の反射光を受光して原稿6を読み取るための受光手段と
しての三つの受光部71,72,73が、81,82,
83となることであるため、その他第1の実施の形態と
共通の装置構成については説明を援用し省略する。図3
は、第2の実施の形態における光学走査装置の受光手段
である受光部の構成図である。三つの受光部81,8
2,83は、検出手段であるフォトダイオード8a,8
b,8c及び結像手段である検出レンズ8A,8B,8
Cで構成されており、それぞれが対になって一つの受光
部を形成している。各受光部は、検出レンズに対して原
稿と共役な位置に配置されている。この一つの受光部8
1を詳細に示した構成図が、図9である。焦点距離fの
検出レンズ8Aに対して、原稿6とフォトダイオード8
aの位置関係は、
【0074】
【数3】
【0075】を満たす互いに共役な配置となっている。
【0076】次に、前述の構成を有する光学走査装置s
の動作について説明する。
【0077】装置構成と同様、異なる構成である受光部
の動作以外の、第1の実施の形態と共通の動作について
は説明を援用し省略する。
【0078】原稿6の画像に応じた反射光は、検出レン
ズ8A,8B,8Cで集光され、フォトダイオード8
a,8b,8cに照射される。そこで夫々受光信号が生
成され、その夫々の受光信号が受光素子駆動回路32に
よって合成される。その合成信号を、原稿6の光ビーム
Lが照射された位置でのその原稿6からの画像情報とし
て、CPU31を介してRAM34に記憶する。その
際、図3から分かるように、原稿を図中上から下に光ビ
ームLが走査するのに伴い、反射光は微小スポットとし
て順次フォトダイオードの検出面を下から上に走査す
る。
【0079】ここで、検出レンズが回折限界系である
と、フォトダイオード上での反射光のビーム径は、(1)
式で示される回折限界ビーム径w0となる。一般に、回
折限界系と呼ばれるレンズ系は、波面収差量の標準偏差
(rms)が波長の1/14以下であり、この基準をレイリ
ーリミットという。即ち、検出レンズの波面収差量を波
長の1/14より大きくすれば、反射光のビーム径はw0
り大きな値になり、フォトダイオードの検出境界部での
信号がなだらかに変化して、合成波形にリップルが発生
しないのである。また、フォトダイオードの検出面は、
反射光の走査方向と垂直な方向にw0より大きなビーム
径wの長さに設定され、受光面積が小さく高速応答性に
優れ信号品質の良い読み取りが実現できる。
【0080】具体的に、検出レンズの波面収差量を波長
の1/14より大きくするには、例えば、球面で構成される
単レンズを用いることで実現できる。即ち、幾何光学的
収差である、球面収差やコマ収差等を発生するレンズを
用いればよい。この場合、回折限界系のレンズより安価
に構成できる。
【0081】尚、本発明は前述した第1及び第2の実施
の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0082】例えば、前記各実施の形態では、光源とし
て半導体レーザを使用しているが、指向性を持って光束
を放射するレーザであればよく、YAG(Yttrium Alum
inumGarnet )レーザ等の固体レーザであってもよい。
また、レーザ光の波長を短波長化するために非線形光学
素子を備えたものであってもよい。この場合、赤色で印
字された原稿も容易に読み取ることができる。その他、
複写機、ファックス、イメージスキャナ等、光学的に画
像を読み取る装置に対して広く適用することが可能であ
る。
【0083】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の請求項1に記載の光学走査装置は、前記複数の
受光手段が、前記反射光を検出するための検出面を有
し、且つその検出面の前記反射光の走査方向とは直交す
る方向における長さ(検出面幅)が、前記走査方向にお
ける長さ(検出面長)よりも短く形成された検出手段
と、その検出手段における前記反射光のビーム径を前記
検出面幅以下の任意の径wとするように構成された結像
手段とから構成されているので、面積の小さな検出面で
確実に反射光の画像情報を検出することができ、周波数
応答性に優れた品質の高い信号が得られ、正確且つ鮮明
な画像情報を得ることができる。
【0084】また、請求項2に記載の光学走査装置は、
前記検出手段の検出面において、前記検出面幅が、前記
反射光のビーム径wと略等しい長さに形成されているの
で、検出手段は、ビーム径wである読み取り対象物から
の反射光の86.5%を検出する。よって、最小の面積
の検出面で確実に反射光の画像情報を検出することがで
き、安価な構成で高品位な信号が得られ、さらに正確且
つ鮮明な画像情報を得ることができる。
【0085】また、請求項3に記載の光学走査装置は、
前記結像手段が、前記検出手段における前記反射光のビ
ーム径wを、(1)式で表されるビーム径w0より大きくす
るので、反射光が検出器から外れる状態での信号変化が
緩和され、受光手段同士の間隔が理想状態からずれて
も、信号波形にリップルは発生せず、安価な回路で高精
度に補正が可能となり、読み取り対象物を走査する位置
に関係なく、正確且つ鮮明な画像情報を得ることができ
る。
【0086】また、請求項4に記載の光学走査装置は、
前記検出手段が、前記結像手段に対して前記読み取り対
象物と共役な位置よりも前記結像手段寄りの位置に配置
されているので、検出手段の検出面を有効に利用でき、
装置の小型化を実現することができる。
【0087】また、請求項5に記載の光学走査装置は、
前記結像手段が、前記反射光の前記検出手段でのビーム
径wを、(2)式で表されるビーム径w1と等しくするよう
に構成されているので、反射光が検出器から外れる状態
での信号変化が緩和され、安価な構成で高品位な信号が
得られるため、正確且つ鮮明な画像情報を得ることがで
きる。
【0088】また、請求項6に記載の光学走査装置は、
前記検出手段が、前記結像手段に対して前記読み取り対
象物と共役な位置に配置され、前記結像手段が、波面収
差が波長の1/14よりも大きくなるように構成されている
ので、読み取り対象物からの反射光の検出手段でのビー
ム径を、(1)式で表されるビーム径w0より大きくする。
よって、安価な構成部品を使用することで、反射光が検
出器から外れる状態での信号変化が緩和され、受光手段
同士の間隔が理想状態からずれても、信号波形にリップ
ルは発生せず、安価な回路で高精度に補正が可能とな
り、読み取り対象物を走査する位置に関係なく、正確且
つ鮮明な画像情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の光学走査装置の概
略構成を示す概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態の光学走査装置を適用した複
写機の概略構成を示す概略構成図である。
【図3】第1及び第2の実施の形態における受光部の配
置を説明する説明図である。
【図4】第1の実施の形態における受光部の動作を説明
する説明図である。
【図5】第1の実施の形態における検出部の動作を説明
する説明図である。
【図6】第1の実施の形態における受光部の機能を説明
する説明図である。
【図7】第1の実施の形態における合成信号波形の第1
の例を示すグラフである。
【図8】第1の実施の形態における合成信号波形の第2
の例を示すグラフである。
【図9】第2の実施の形態における受光部の機能を説明
する説明図である。
【図10】従来の光学走査装置の検出部の動作を説明す
る説明図である。
【図11】従来の光学走査装置の合成信号波形の第1の
例を示すグラフである。
【図12】従来の光学走査装置の合成信号波形の第2の
例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 2 ポリゴンミラー 3 結像レンズ 4 反射ミラー 6 原稿 8 検出器 32 受光素子駆動回路 70aフォトダイオード 71,72,73 受光部 7a,7b,7c フォトダイオード 7A,7B,7C 検出レンズ 81,82,83 受光部 8a,8b,8c フォトダイオード 8A,8B,8C 検出レンズ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から出射され、偏向走査されて読み
    取り対象物に照射された光ビームの前記読み取り対象物
    からの反射光を複数の受光手段により受光し、前記読み
    取り対象物に対応する画像情報を得る光学走査装置にお
    いて、 前記複数の受光手段は、 前記反射光を検出するための検出面を有し、且つその検
    出面の前記反射光の走査方向とは直交する方向における
    長さ(検出面幅)が、前記走査方向における長さ(検出
    面長)よりも短く形成された検出手段と、 その検出手段における前記反射光のビーム径を前記検出
    面幅以下の任意の径wとするように構成された結像手段
    とから構成されていること特徴とする光学走査装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段の検出面は、前記検出面幅
    が、前記反射光のビーム径wと略等しい長さに形成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の光学走査装
    置。
  3. 【請求項3】 前記結像手段は、前記検出手段における
    前記反射光のビーム径wを、 【数1】 λ:波長 W:結像手段の射出瞳径 l2:像点位置 で表されるビーム径w0より大きくするように構成され
    たことを特徴とする請求項1若しくは2に記載の光学走
    査装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段は、前記結像手段に対して
    前記読み取り対象物と共役な位置よりも前記結像手段寄
    りの位置に配置されたことを特徴とする請求項3に記載
    の光学走査装置。
  5. 【請求項5】 前記結像手段は、 前記反射光の前記検出手段でのビーム径wを、 【数2】 f:結像手段の焦点距離 l1:物点位置 de:デフォーカス量 で表されるビーム径w1と等しくするように構成された
    ことを特徴とする請求項4に記載の光学走査装置。
  6. 【請求項6】 前記検出手段は、前記結像手段に対して
    前記読み取り対象物と共役な位置に配置され、 前記結像手段は、波面収差が波長の1/14よりも大きくな
    るように構成されていることを特徴とする請求項1若し
    くは2に記載の光学走査装置。
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