JPH1179189A - 香味保持性に優れた樹脂被覆容器 - Google Patents

香味保持性に優れた樹脂被覆容器

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JPH1179189A
JPH1179189A JP9244355A JP24435597A JPH1179189A JP H1179189 A JPH1179189 A JP H1179189A JP 9244355 A JP9244355 A JP 9244355A JP 24435597 A JP24435597 A JP 24435597A JP H1179189 A JPH1179189 A JP H1179189A
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吉次 丸橋
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勝宏 今津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 香味保持性が顕著に向上した熱可塑性ポリエ
ステル被覆容器を提供するにある。 【解決手段】 少なくとも内面が熱可塑性ポリエステル
で被覆されている容器において、前記熱可塑性ポリエス
テルの酸末端ジエステルオリゴマーの水溶出量が2pp
m以下であることを特徴とする香味保持性に優れた樹脂
被覆容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも内面が熱可
塑性ポリエステルで被覆されている容器における香味保
持性の改良に関するものであり、より詳細には特定の香
味阻害成分の溶出抑制による樹脂被覆容器の香味保持性
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
やポリブチレンテレフタレート(PBT)の如き熱可塑
性ポリエステルは、機械的特性、耐衝撃性、耐熱性、透
明性等に優れており、金属基体との積層体の形でツーピ
ース缶や缶蓋等の用途に広く使用されている。
【0003】従来、ポリエステル中のオリゴマー溶出を
抑えてフレーバー保持性を向上させた金属ラミネート用
フィルムについても既に提案がなされており、例えば、
特開平8−1862号公報(東レ)には、ポリエステル
を金属基体上に押出ラミネートし、該ポリエステルが融
点120〜265℃、アセトアルデヒド含有量が35p
pm以下であり、製缶後のポリエステルの密度の最小値
が1.39g/cm3以下である缶形成用ポリマー被覆
積層体が記載されている。
【0004】特開平7−330924号公報(帝人)に
は、融点が210〜245℃、ガラス転移点が60℃以
上のポリエステル(I)99〜60重量%と、ポリブチ
レンテレフタレートを主体とする融点が180〜223
℃のポリエステル(II)1〜40重量%とからなるポリ
エステルフィルムにおいて、該ポリエステルフィルム中
のテレフタル酸(TA)、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレート(BHET)、モノ(2−ヒドロキ
シエチル)テレフタレート(MHET)、モノメチルテ
レフタレート(MMT)、及びモノメチル−モノ(2−
ヒドロキシエチル)テレフタレート(MMMHET)か
ら選ばれる1種以上のモノマー類の遊離した状態での含
有量が300ppm以下であることを特徴とする金属板
貼り合わせ加工用ポリエステルフィルムが記載されてい
る。
【0005】特開平8−143687号公報(帝人)に
は、共重合芳香族ポリエステルからなるフィルムであっ
て、該フィルムに含有される芳香族ジカルボン酸モノメ
チルエステルの量が50ppm以下であることを特徴と
する金属板貼り合わせ加工用ポリエステルフィルムが記
載され、更に、フィルムをイオン交換水で121℃、2
時間の水抽出量が0.1mg/inch2 以下であるこ
とも記載されている。
【0006】特開平7−132580、7−22794
6,7−331196号公報(東洋紡績)には、ポリエ
ステル層中の環状三量体を0.7重量%以下にすること
が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】熱可塑性ポリエステル
中には、その分解生成物であるアセトアルデヒドが存在
し、このものは内容品の味を損なうことが古くから知ら
れており、このアセトアルデヒドの量を低減させる提案
も数多くなわれている。それに加えて問題なのは、熱可
塑性ポリエステル中に不可避的に混入するモノマーやオ
リゴマー等であり、これらは、水に対する抽出傾向や、
内容品の味に対する影響も千差万別であって、尚不明な
点が多い。
【0008】例えば、先行技術で引用されているテレフ
タル酸、BHET、MHET、MMT、MMMHET等
の遊離したモノマー類は、味への影響度が比較的少ない
ものであり、それらの総水抽出物の量のみの制限して
も、保香性を保つことは困難であると考えられる。
【0009】また、ポリエステル中の環状三量体は樹脂
中に最も多いオリゴマー成分であるが、水への溶解性が
低く、内容品への移行量が少ない。また、安定な構造な
ので、加水分解してより低分子の物質に変化することも
少ない。更に、味への影響度も少ない。
【0010】かように、熱可塑性ポリエステル中に内容
物の味を阻害する成分が含まれていること自体は知られ
ていたが、内容物の香味保持性に最も影響を与える香味
阻害成分が何であるかは未だ不明であった。特に、この
ような香味阻害成分としては、熱可塑性ポリエステルに
本来含有されているものと、被覆容器の成形段階或いは
内容物の保存性向上のための加熱殺菌段階で発生するも
のとが考えられるが、この点についての解明も未だ十分
なされていないのが現状である。
【0011】更に、内面が熱可塑性ポリエステルで被覆
された容器、特に金属基体の内面側にポリエステル被覆
を設けた容器では、ポリエステルを製膜する際の溶融熱
処理、フィルムを熱接着させる際の熱処理、成形後の缶
体等の熱固定や印刷焼き付け等の熱処理、或いは更に熱
間充填や加熱殺菌等の熱処理が反復されるので、これら
の熱処理の香味保持性への影響も無視できないといえ
る。
【0012】本発明者らは、熱可塑性ポリエステル中
に、内容物の香味保持性に甚大な影響を与える香味阻害
成分を新たに発見し、この香味阻害成分の内容物中への
溶出を低減させることにより、ポリエステル被覆容器の
香味保持性を顕著に向上させうることを見出した。
【0013】即ち、本発明の目的は、香味保持性が顕著
に向上した熱可塑性ポリエステル被覆容器を提供するに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも内面が熱可塑性ポリエステルで被覆されている容器
において、前記熱可塑性ポリエステルの酸末端ジエステ
ルオリゴマーの水溶出量が2ppm以下であることを特
徴とする香味保持性に優れた樹脂被覆容器が提供され
る。上記被覆層において、酸末端ジエステルの少なくと
も1部がテレフタール酸−ブタンジオール−テレフター
ル酸の構造のオリゴマーである場合に、香味阻害作用が
大きく、その水溶出量が1ppm以下であることが好ま
しい。これに関連して、熱可塑性ポリエステルがブチレ
ンテレフタレート単位を主体とするポリエステル或いは
ブチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステル
と他のポリエステルとのブレンド物である場合に、本発
明は著効を奏するものである。また、同様に、ガラス転
移温度70℃以上のポリエステルから成る表面樹脂層
と、ブチレンテレフタレート単位を主体とするポリエス
テル或いはブチレンテレフタレート単位を主体とするポ
リエステルと他のポリエステルとのブレンド物から成る
下地樹脂層との積層体で、少なくとも内面が被覆されて
いる場合にも、本発明は顕著な効果を奏するものであ
る。本発明の樹脂被覆被覆容器は、種々の容器形態をと
ることができるが、金属缶、被覆金属容器蓋、被覆金属
箔カップ、或いは被覆金属箔を用いた柔軟包装体等の形
で好適に使用される。
【0015】
【発明の実施形態】
[作用]本発明は、ポリエステル中の酸末端ジエステル
オリゴマーが、ポリエステルからの溶出物中の香味阻害
成分であるという発見に基づくものである。酸末端ジエ
ステルオリゴマーは、水中に移行する傾向が大きく、し
かも水中に移行した状態では極めて微量であっても香味
を損なう傾向が極めて強い。本発明では、この酸末端ジ
エステルオリゴマーの水溶出量を2ppm以下に抑制す
ることにより、ポリエステル被覆容器の香味保持性を顕
著に向上させることができる。
【0016】酸末端ジエステルオリゴマーとは、ポリエ
ステルを構成する1モルのジオール成分と2モルの二塩
基酸成分とが結合したもので、両末端にカルボキシル基
と中間に2個のエステル単位とを含有するものであり、
その化学構造は、例えば下記式(1)で表される。
【0017】
【化1】
【0018】これらの内でも、特にポリブチレンテレフ
タレート(PBT)由来のオリゴマーであるテレフタル
酸−ブタンジオール−テレフタル酸、即ち下記式(2)
で表されるオリゴマーは香味阻害作用が特に強い。
【0019】
【化2】
【0020】また、上記の酸末端ジエステルオリゴマー
は、レトルト処理等によって水中に容易に移行するオリ
ゴマーの主成分の1つである。
【0021】ポリエステルフィルム中には、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)なら環状三量体、PBTな
ら環状二量体が最も存在量の多いオリゴマーであるが、
これらは水に溶けにくく、味への影響も少ない。
【0022】一方、テレフタル酸やMHET、BHE
T、MHBTなどのモノマーは水への溶解性が環状オリ
ゴマーよりは高いが、存在量が少ない。
【0023】これに対して、酸末端ジエステルオリゴマ
ーは、樹脂中の存在量は少ないが、レトルト処理や長期
保存によって増加し、そしておそらく、より高分子の鎖
状オリゴマーの加水分解によって増加し、内容品への移
行量が増える(環状体はレトルト処理や長期保存では変
化しにくい安定な物質である)。
【0024】PBTのみでなく、PETや、AA(アジ
ピン酸)共重合のPET及ぴPBT、IA(イソフテル
酸)共重合のPET及ぴPBTの水移行オリゴマー成分
中にも酸末端ジエステルは多い割合で存在する。これら
も香味阻害作用が他のモノマーやオリゴマーより強かっ
た。しかし、味への影響が最も強いのはテレフタル酸−
ブタンジオール−テレフタル酸がエステル結合したPB
Tのオリゴマーであった。
【0025】酸末端ジエステルオリゴマーの同定 PBT単独重合体のフィルムをガラスビン中で蒸留水
(イオン交換水を蒸留した水、以下同じ)に浸積し、1
25℃1時間のレトルト処理を行って得た抽出水をロー
タリーエバポレーターで乾固直前まで濃縮し、濃縮物を
ジメチルホルムアミドに溶解する。0.45μmのフィ
ルターでろ過後高速液体クロマトグラフ装置(HPLC
と略す)(東ソー製SC−8020)で水(酢酸0.5
%含有)とアセトニトリル(酢酸0.5%含有)のグラ
ジエントを利用し逆相カラム(東ソー製ODS−80T
s直径4.6*長さ150mm)を用いて各成分を分離
し、254nmのUV検出器で吸収を測定した。同定の
ためLC−MS(日本分光製PLATFORMII)で各
成分のMSスペクトルを測定した。更にHPLCのピー
クを分取して溶媒を揮散させた後、KBR錠剤法で日本
電子製JIR−100を用いてIRスペクトルを測定し
た。HPLCチャートを図1に示す。また、HPLCチ
ャート上の保持時間約24分に現れた大きなピークのI
Rスペクトルを図2に、またMSスペクトルを図3にそ
れぞれ示す。これらのスペクトルから、下記の構造式
(2)で示されるテレフタル酸−ブタンジオールーテレ
フタル酸がエステル結合している酸末端ジエステル(以
下、TA−BD−TAと略す)ど同定した。
【0026】水抽出物中に発見されたオリゴマーの単離
精製品で官能評価を行った結果、TA−BD−TAは水
中1ppmを超えた場合半数以上のパネルが異味異臭を
感じた。同様の操作を行って得た、構造式(1)の酸末
端ジエステルの内、他の構造のものでは、2ppmを超
えて初めて香味阻害作用が現れた。
【0027】酸末端ジエステルオリゴマーは、一般に前
記式(1)で表される。酸として、テレフタル酸、イソ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸,があてはまる。アルコールとして、エ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコールが
あてはまる。数種の具体例を式(1)に示す。化合物中
の二つの酸の種類が異なっても香味阻害作用がある。
【0028】[酸末端ジエステルオリゴマー量の低減手
段]熱可塑性ポリエステル中の酸末端ジエステルオリゴ
マーは、既に指摘したとおり、もともと熱可塑性ポリエ
ステルに含有されているものと、その後の熱による熱分
解及び加水分解でできるものとがある。従って、熱可塑
性ポリエステルとして、酸末端ジエステルオリゴマー含
有量の少ないものを使用することも有効であり、更に熱
による酸末端ジエステルオリゴマーへの分解を抑制する
ことも有効である。以下、その数例について説明する
が、本発明はこれらの例に限定されない。
【0029】(1).酸末端ジエステルオリゴマー含有
量の少ない樹脂を使用する。 酸末端ジエステルオリゴマー含有量のもともと少ない樹
脂を使用することが基本的に重要である。この場合、既
に指摘したとおり、酸末端ジエステルオリゴマー量と、
環状2量体や環状3量体等のオリゴマー主成分の量との
相関は一般に無いといえる。酸末端ジエステルオリゴマ
ーを樹脂中から減らすためには、重合の終段を真空加熱
し、固相重合により、ポリエステルの極限粘度を高め
て、酸末端ジエステルオリゴマーの含有量を低減させる
ことが有効である。また、重合に際し、酸末端ジエステ
ルオリゴマー濃度が少なくなるような触媒を選択するこ
とも重要であり、例えばPBTならば、Ti系触媒を用
いるのが適当である。触媒量を酸末端ジエステルオリゴ
マーの濃度が低くなるような量にコントロールすること
も有効である。
【0030】(2).製膜温度を高くしない。 製膜温度、特に樹脂温をあまり高くしないことも酸末端
ジエステルオリゴマーの溶出量を低減させるのに有効で
ある。実際には、押し出し機中での樹脂温度や、樹脂温
度*滞留時間の積が問題となる。酸末端ジエステルオリ
ゴマーの少ないポリエステル樹脂を使用しても、樹脂温
度が高い場合、或いは樹脂温度*滞留時間の積の値が大
きい場合、酸末端ジエステルオリゴマーがポリエステル
樹脂中に増えて溶出する。PBTとPETを主原料とし
たポリエステル樹脂では、樹脂温度を300℃以上にす
るとオリゴマーが増大することが確認されている。
【0031】(3).酸化防止剤の添加。 酸化防止剤の添加も酸末端ジエステルオリゴマーの溶出
量を抑制するのに有効である。ポリエステル中に酸化防
止剤を加えないと、容器成形までの加熱履歴により、ま
た、レトルト処理やその後の長期保存により、酸末端ジ
エステルオリゴマーの溶出量が増大する。特に、PBT
には酸化防止剤の添加が必須である。しかしながら、ア
ミン系酸化防止剤では分解物が内容品のフレーバーに悪
影響を及ぽす。食品包装用途には、ビタミンE、もしく
はフェノール系の酸化防止剤、特にIRGANOX10
10が適している。
【0032】(4).ポリエステル被覆層の二層化。 ポリエステル被覆層を二層化することも酸末端ジエステ
ルオリゴマーの溶出を抑制するのに有用である。下層に
酸末端ジエステルの多いPBT樹脂を用いても、表層に
Tgが70℃以上のポリエステル樹脂を使用すれば、下
層からの溶出量が抑制される。特に、表層に、高IVの
PET/I(イソフタル酸共重合PET)やNDC
(2,6・ナフタレンジカルボン酸)共重合PETを使
用すると、樹脂自身の溶出する酸末端ジステル量が少な
い上に、下層からの溶出を抑制する効果も高く、本発明
の目的に望ましい。
【0033】(5).PBTブレンド物の使用。 PBT単独を使用する代わりに、PBTを他のポリエス
テルとのブレンド物で使用することも、特に香味阻害作
用の強い酸末端ジエステルオリゴマーTA−BD−TA
の溶出量を少なくする上で有効である。もちろん、ブレ
ンド物中のPBTの量比を少なくすると、溶出量をそれ
だけ低く抑えることが可能となる。
【0034】[熱可塑性ポリエステル]ポリエステルが
誘導される酸成分としては、テレフタル酸、イソフター
ル酸、オルソフタール酸、P−β−オキシエトキシ安息
香酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェノキ
シエタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸等の二塩基性芳香族ジカルボン酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸、シクロヘキサンジ酢酸等の脂
環族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族
ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ヘミ
メリット酸、1,1,2,2−エタンテトラカルボン
酸、1,1,2−エタントリカルボン酸、1,3,5−
ペンタントリカルボン酸、1,2,3,4−シクロペン
タンテトラカルボン酸、ビフェニル−3,4,3’,
4’−テトラカルボン酸等の多塩基酸等が挙げられる。
勿論、これらは、単独でも或いは2種以上の組み合わせ
でも使用される。
【0035】ポリエステルが誘導されるアルコール成分
としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール等のジオール類や、ペンタエリスリトール、グリ
セロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキ
サントリオール、ソルビトール、1,1,4,4−テト
ラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等の多価ア
ルコール等が挙げられる。勿論、これらは、単独でも或
いは2種以上の組み合わせでも使用される。
【0036】本発明に用いるポリエステルは、上記酸成
分及びアルコール成分のそれぞれ単独から成るホモポリ
エステルであってもよく、酸成分及びアルコール成分の
少なくとも一方が複数の組み合わせから成るコポリエス
テルであってもよく、更には、上記ホモポリエステル乃
至コポリエステルの2種以上のブレンド物であってもよ
い。本発明に用いるポリエステルにおいては、テレフタ
ール酸等の芳香族ジカルボン酸は二塩基酸成分の50モ
ル%以上、特に70モル%以上で存在するのがよく、一
方エチレングリコール及び/またはブチレングリコール
はジオール成分の80モル%以上、特に90モル%以上
で存在するのがよい。
【0037】本発明に用いるポリエステルは、上記酸成
分と上記アルコール成分とを直接反応させる直接重合法
或いは酸成分のジメチルエステルとアルコール成分とを
反応させるエステル交換法等により製造されるが、酸末
端ジエステルオリゴマーの水溶出量を2ppm以下に抑
制するためには、ポリエステル中の酸末端ジエステルオ
リゴマーの含有量を300ppm以下、特に200pp
m以下に抑制するのがよく、このためにエステル化触媒
乃至重合触媒として、酸末端ジエステルオリゴマー生成
量の比較的少ないTi系触媒を使用し、重縮合の少なく
とも終段を固相重合で行うのがよい。
【0038】上記ポリエステル乃至ポリエステル組成物
は、被覆層の物性と溶融押出特性の点から、0.5乃至
2.0dl/g、特に0.6乃至1.5dl/gの固有
粘度(IV)を有するのが望ましく、また、耐熱性や加
工性と溶融押出特性の点から、160乃至270℃、特
に200乃至250℃の融点(Tm)を有することが好
ましい。
【0039】本発明は、被覆層を形成する熱可塑性ポリ
エステルが、特にブチレンテレフタレート単位を主体と
するポリエステル或いはブチレンテレフタレート単位を
主体とするポリエステルと他のポリエステルとのブレン
ド物である場合に、香味保持性の向上に特に役立つもの
である。
【0040】ブチレンテレフタレート系ポリエステル
(PBT)は、金属等の基体に対する密着性に優れてい
ると共に、被覆された積層体の状態で絞り加工やしごき
加工に対する加工性にも優れており、落下衝撃等に対す
る耐衝撃性、更に衝撃を受けた後での密着性にも優れて
いるという利点を有するものであるが、内容物の香味保
持性が必ずしも十分でないという問題がある。本発明に
よれば、テレフタル酸−ブタンジオール−テレフタル酸
(TA−BD−TA)の酸末端ジエステルオリゴマー、
即ち前記式(2)で表されるオリゴマーの水溶出量を1
ppm以下に抑制することにより、内容物の香味保持性
をも向上させることができるものである。
【0041】ブチレンテレフタレート系ポリエステル
(PBT)は、ホモポリエステルやコポリエステルの形
で用いるよりも他のポリエステルとのブレンド物の形で
用いるのが一般的であり、このブレンド物において、テ
レフタール酸は二塩基酸成分の40乃至100モル%、
特に50乃至100モル%存在するのがよく、一方ブチ
レングリコールはジオール成分の80モル%以上、特に
90モル%以上で存在するのがよい。テレフタル酸以外
の酸成分或いはブチレングリコール以外のアルコール成
分としては、前に例示したものが使用される。
【0042】本発明に用いるPBT含有ポリエステル組
成物の好適な例として、(i)エチレンテレフタレート
単位を主体とするポリエステルと(ii) (a)ブチレング
リコールと芳香属二塩基酸とから誘導されたエステル単
位と (b)ブチレングリコールと脂肪属二塩基酸とから誘
導されたエステル単位とを100:0乃至50:50の
モル比で含む共重合ポリエステルとを、(i):(ii)
=90:10乃至30:70の重量比で含有する組成物
が挙げられる。
【0043】本発明に使用する上記ポリエステル組成物
において、上記ポリエステル成分(i)は形成される被
覆に機械的強度や剛性及び耐熱性を付与する成分であ
り、一方共重合成分(ii)は形成されるポリエステル被
覆の到達結晶化度を低いレベルに抑制すると共に、ポリ
エステル被覆層の加工性を向上させ、更に缶の用途に適
用した際の耐デント性を向上させる成分であり、これら
を組み合わせで用いることにより、耐熱性を低下させる
ことなく、耐衝撃性の向上が得られる。
【0044】本発明の容器におけるポリエステル被覆層
は、2層或いは3層以上の多層の積層構造を有していて
もよい。即ち、オリゴマーの溶出傾向の大きいポリエス
テル層を下層とし、内容物の香味成分の吸着傾向の少な
いポリエステル層を表層とすることにより、内容物の総
合的な香味保持性を向上させることができる。
【0045】本発明の好適な容器では、ガラス転移温度
70℃以上のポリエステルから成る表面樹脂層と、ブチ
レンテレフタレート単位を主体とするポリエステル或い
はブチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステ
ルと他のポリエステルとのブレンド物から成る下地樹脂
層との積層体で、少なくとも内面が被覆されるようにす
る。
【0046】上記PBT系ポリエステルの下地樹脂層
が、金属基体との密着性や、耐衝撃性、加工性に優れた
ものであることは既に指摘したとおりであるが、上記表
面樹脂層を設けることにより、内容物の香味成分の吸着
を低いレベルに抑制し、腐食成分に対するバリアー性を
向上させ、被覆の耐熱性を向上させると共に、TA−B
D−TA系酸末端ジエステルオリゴマーの水溶出をも抑
制することができる。
【0047】ガラス転移点が70℃以上のポリエステル
としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、酸成分
の80乃至99モル%がテレフタル酸及び残りの1乃至
20モル%がイソフタール酸、ナフタレン−2,6−ジ
カルボン酸等から成るエチレンテレフタレート系共重合
ポリエステルが挙げられる。
【0048】[酸化防止剤]酸末端ジエステルオリゴマ
ーは、ポリエステル或いはその中に含まれる比較的高分
子量のオリゴマーの熱分解よっても生成するので、この
生成を防止するために酸化防止剤の配合が有効である。
【0049】本発明に用いる酸化防止剤は、分子量40
0以上の酸化防止剤であり、これに限定されるものでは
ないが、高分子フェノール系酸化防止剤、例えば、テト
ラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン
(分子量1177.7)、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタ
ン(分子量544.8)、1,3,5−トリメチルー
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン(分子量775.2)、ビ
ス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−
ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエス
テル(分子量794.4)、1,3,5−トリス(3’
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−
s−トリアジン 2,4,6−(1H,3H,5H)ト
リオン(分子量783.0)、トリエチレングリコール
−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート](分子量586.
8)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3、5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート(分子量638.9)等を用いることができる。
中でも特に、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−
ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート)メタンが好適である。
【0050】分子量400以上の酸化防止剤の他の例と
して、トコフェロール系酸化防止剤、例えばα−型、β
−型、γ−型、δ−型等のトコフェロールを挙げること
ができる。α−トコフェロールが特に好適である。
【0051】これらの酸化防止剤は、前記ポリエステル
乃至ポリエステル組成物100重量部当たり0.01乃
至1.5重量部の量で用いる。
【0052】勿論、このポリエステル組成物には、それ
自体公知の樹脂用配合剤、例えば非晶質シリカ等のアン
チブロッキング剤、二酸化チタン(チタン白)等の顔
料、各種帯電防止剤、滑剤等を公知の処方に従って配合
することができる。
【0053】[基体]本発明では、ポリエステル被覆層
を設ける基体としては、金属板や金属箔、紙、他のプラ
スチックフィルム乃至シート等が挙げられる。これらの
内でも、金属基体、特に各種表面処理鋼板やアルミニウ
ム等の軽金属板やそれらの箔が好適に使用される。
【0054】表面処理鋼板乃至箔としては、冷圧延鋼板
を焼鈍後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッ
ケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面
処理の一種または二種以上行ったものを用いることがで
きる。板の表裏において、異なったメッキ乃至表面処理
を行うこともできる。好適な表面処理鋼板の一例は、電
解クロム酸処理鋼板であり、特に10乃至200mg/
2 の金属クロム層と1乃至50mg/m2 (金属クロ
ム換算)のクロム酸化物層とを備えたものであり、この
ものは塗膜乃至フィルム密着性と耐腐食性との組合せに
優れている。表面処理鋼板の他の例は、0.1乃至1
1.2g/m2 の錫メッキ量を有するブリキ板である。
このブリキ板は、金属クロム換算で、クロム量が1乃至
30mg/m2 となるような重クロム酸処理或いはクロ
ム酸処理或いはクロム酸/リン酸処理が行われているこ
とが望ましい。
【0055】軽金属板乃至箔としては、所謂純アルミニ
ウム板乃至箔の他にアルミニウム合金板乃至箔が使用さ
れる。耐腐食性と加工性との点で優れたアルミニウム合
金板は、Mn:0.0乃至1.5重量%、Mg:0.0
乃至5重量%、Zn:0.01乃至0.3重量%、C
u:0.01乃至0.25重量%、及びCr:0.01
乃至0.25重量%、残部がAlの組成を有するもので
ある。これらの軽金属板も、塗膜乃至フィルム密着性と
耐食性の観点より表面処理を行うことが望ましく、これ
らの表面処理として、クロム処理、ジルコニウム処理、
リン酸処理、アルマイト処理、アクリル酸処理等があ
る。このうちで金属クロム換算で、クロム量が5乃至3
00mg/m2 となるようなクロム酸処理或いはクロム
酸/リン酸処理が行われていることが望ましい。
【0056】金属基体の厚みは、箔の場合の2μmから
板の場合の1mm迄変化する。
【0057】[被覆乃至積層構造体及びその製造]本発
明において、ポリエステルを主体とする層は、押出コー
トにより金属等の基体上に設けられていても、或いは二
軸延伸フィルムの形で金属基体上に熱接着されていても
よい。前者の場合、ポリエステルを製膜し、二軸延伸す
ることなしに直接ラミネートすることができ、この場合
にもシームレス缶等への加工を容易に行うことができ
る。また、後者の場合、ポリエステルの二軸分子配向に
よる耐衝撃性や耐腐食性の向上効果がある。これら何れ
の場合にも、酸末端ジエステルオリゴマーの水溶出量を
2ppm以下、特に1ppm以下に抑制することによ
り、内容物の香味保持性を高めることができる。
【0058】ポリエステル−金属ラミネートの押出コー
ト法による製造は、金属板乃至箔を必要により加熱装置
により予備加熱し、一対のラミネートロール間のニップ
位置に供給する。一方、ポリエステルを、金属板乃至箔
の両側に配置された押出機のダイヘッドを通して薄膜の
形に押し出し、ラミネートロールと金属基体との間に供
給し、ラミネートロールにより金属基体に圧着する。ラ
ミネートロールは、一定の温度に保持されており、金属
板にポリエステルから成る薄膜を圧着して両者を熱接着
させると共に両側から冷却して積層体を得る。一般に、
形成される積層体を更に冷却用水槽等に導いて、熱結晶
化を防止するため、急冷を行う。
【0059】この押出コート法では、樹脂組成の選択と
ロールや冷却槽による急冷とにより、ポリエステル乃至
ポリエステル組成物の層は、結晶化度が、低いレベル、
非晶密度との差が0.05以下に抑制されているため、
ついで行う絞り加工等に対する十分な加工性が保証され
る。勿論、急冷操作は上記例に限定されるものではな
く、形成されるラミネートに冷却水を噴霧して、ラミネ
ートを急冷することもできる。
【0060】金属基体に対するポリエステルの熱接着
は、溶融ポリエステル層が有する熱量と、金属板が有す
る熱量とにより行われる。金属板の加熱温度(T1
は、一般に90℃乃至290℃、特に100℃乃至28
0℃の温度が適当であり、一方ラミネートロールの温度
は10℃乃至150℃の範囲が適当である。
【0061】本発明において、積層体の製造に予め製膜
されたポリエステルフィルムを使用することもできる。
このフィルムは、上記ポリエステル組成物をT−ダイ法
でフィルムに成形し、過冷却された未配向ののキャスト
フィルムとする。この未配向のフィルムを熱接着に用い
ることもできるし、また、このキャストフィルムを延伸
温度で、逐次或いは同時二軸延伸し、延伸後のフィルム
を熱固定したものをラミネートの製造に用いることもで
きる。
【0062】ポリエステル系フィルムは一般に二軸延伸
されているのが好ましい。二軸配向の程度は、X線回折
法、偏光蛍光法、複屈折法、密度勾配管法密度等でも確
認することができる。フィルムの2軸延伸の程度は、
0.04乃至0.18の複屈折を有するものが適当であ
る。フィルムの延伸は一般に80乃至110℃の温度
で、面積延伸倍率が2.5乃至16.0、特に4.0乃
至14.0となる範囲から、ポリエステルの種類や他の
条件との関連で、複屈折率が前記範囲となる延伸倍率を
選ぶ。また、フィルムの熱固定は、130乃至240
℃、特に150乃至230℃の範囲から、やはり前記条
件が満足されるような熱固定温度を選ぶ。
【0063】一般に必要でないが、接着用プライマーを
用いる場合には、フィルムへの接着用プライマーとの密
着性を高めるために、二軸延伸ポリエステルフィルムの
表面をコロナ放電処理しておくことが一般に望ましい。
コロナ放電処理の程度は、そのぬれ張力が44dyne
/cm以上となるようなものであることが望ましい。
【0064】この他、フィルムへのプラズマ処理、火炎
処理等のそれ自体公知の接着性向上表面処理やウレタン
樹脂系、変性ポリエステル樹脂系等の接着性向上コーテ
ィング処理を行っておくことも可能である。
【0065】ポリエステルフィルムを使用するラミネー
ト方法では、金属基体を加熱ロール等により用いるポリ
エステルの融点(Tm)以上の温度(T1 )に加熱し、
ラミネートロール間に供給する。一方、ポリエステルフ
ィルムを、供給ロールから巻きほぐし、ラミネートロー
ル間に金属基体をサンドイッチする位置関係で供給す
る。ラミネートロールは、加熱ロールよりも若干低い温
度(T2 )に保たれており、金属基体の両面にポリエス
テルフィルムを熱接着させる。ラミネートロールの下方
には、形成されるラミネートを急冷するための冷却水を
収容した水槽が設けられており、この水槽中にラミネー
トを導くガイドローラが配置されている。ラミネートロ
ールと冷却水との間には一定の間隔のギャップGを形成
し、このギャップGに保温機構を設けて、一定の温度範
囲(T3 )に保持し、ポリエステルの溶融相から固相へ
の遷移状態において、配向の戻りによるフィルム厚み方
向途中における二軸配向のピークが形成されるようにす
るのがよい。
【0066】金属板の加熱温度(T1 )は、一般にTm
+0℃乃至Tm+100℃、特にTm+0℃乃至Tm+
50℃の温度が適当であり、一方ラミネートロールの温
度T 2 は、70℃乃至180℃、特に80℃乃至150
℃の範囲が適当である。上記の温度設定により、金属板
上のポリエステルには、上記温度差に対応する温度勾配
が形成され、この温度勾配は次第に低温側に移行しやが
て消失するが、ポリエステルの表面側から金属板側への
厚み方向途中の部分が、溶融相から固相への遷移状態に
おいて配向の戻り現象を生じる温度領域を十分な時間を
かけて通過するようにする。このために、ラミネートロ
ール通過後のラミネートを、保温域で保温するのが有効
である。
【0067】ポリエステルフィルムと金属素材の間に所
望により設ける接着プライマーは、金属素材とポリエス
テル組成物層との両方に優れた接着性を示すものであ
る。密着性と耐腐食性とに優れたプライマー塗料の代表
的なものは、種々のフェノール類とホルムアルデヒドか
ら誘導されるレゾール型フェノールアルデヒド樹脂と、
ビスフェノール型エポキシ樹脂とから成るフェノールエ
ポキシ系塗料であり、特にフェノール樹脂とエポキシ樹
脂とを50:50乃至5:95重量比、特に40:60
乃至10:90の重量比で含有する塗料である。接着プ
ライマー層は、一般に0.01乃至10μmの厚みに設
けるのがよい。接着プライマー層は予め金属素材上に設
けてもよい。
【0068】本発明におけるラミネートの製造は、上記
の方法に限定されない。即ち、予め形成された延伸乃至
未延伸のフィルムと金属基体等との間に、前述したポリ
エステル乃至ポリエステル組成物を溶融押出する、所謂
サンドイッチラミネーションによっても、ラミネートを
製造することができる。この手段は、非常に融点の異な
る複数の樹脂や基材密着性に劣る樹脂を積層できる利点
を有する。勿論、エチレンテレフタレート系高結晶性ポ
リエステルフィルムと、金属基体を前述したポリエステ
ルブレンド物の溶融物を介して積層するのにも有利に使
用できる。
【0069】本発明に使用するポリエステル層の厚み
は、全体として、2乃至100μm、特に5乃至50μ
mの範囲にあるのが金属の保護効果及び加工性の点でよ
い。多層の場合、PBT乃至そのブレンド物層と、エチ
レンテレフタレート系ポリエステル(PET)層とは、
96:4乃至4:96の厚み比を有するのがよい。
【0070】[被覆容器]上記の積層体は、通常の巻締
用天地缶蓋、イージイオープン蓋或いは溶接継目或いは
接着継目用スリピース缶用素材等に使用する他、ツーピ
ース缶用の素材として使用できる。例えば、上記のラミ
ネート材を、それ自体公知の手段により絞り加工、薄肉
化絞り乃至絞り−しごき加工に付してツーピース缶用缶
胴とする。この場合、次の条件を用いることが好まし
い。
【0071】先ず、絞り加工、薄肉化絞り加工乃至絞り
−しごき加工は、ポリエステルの適正延伸温度、特にガ
ラス転移温度以上、融解温度以下の温度で行うことが好
ましい。即ち、この温度範囲では、ポリエステルは上記
成形時に塑性流動して軸方向に有効に分子配向され、特
に曲げ伸ばしによる薄肉化絞り加工、或いは絞り−しご
き加工に於いて、ラミネート材の薄肉化が有効に行われ
る。また、上記加工はポンチとダイスとの組合せを用い
て行われるが、ポンチとしては、平均粗さ(Ra)が
0.01乃至3μm、特に0.1乃至2μmの側面を有
するポンチを用いることが、加工後のカップの抜け性の
点で好ましい。粗さのパターンは、一般にドット状(デ
ィンプル状)のものが好ましい。
【0072】本発明の材料を用いたシームレス缶体は、
前述したラミネート材を用いる点を除けば、それ自体公
知の方法で製造される。即ち、このラミネートを円板等
の形状に剪断し、これを絞りポンチと絞りダイスとの間
で一段或いは多段の絞り加工に賦する。この絞り成形工
程では、肉厚を均一化するためカップ側壁部の上方部分
に軽度のしごきを加えたり、軸方向に絞りダイスのダイ
ラジアス等の選定により、引張力を加えて曲げ伸ばしに
よる側壁の薄肉化を行ってよい。曲げ伸ばしによる薄肉
化の詳細は、本発明者らによる特開平1−35004号
公報に記載されている。深絞り缶の場合、絞り加工は、
1段乃至多段で行うことができ下記式 (式中、Dは剪断したラミネート材の径であり、dはポ
ンチ径である。)で定義される絞り比RD は一段では
1.2乃至2.5の範囲にあるのがよい。
【0073】また曲げ伸ばしの場合には、缶の側壁部の
薄肉化の程度は素板厚(tB )の5乃至45%、特に5
乃至40%程度となるように、即ち厚みの残留率が、5
5乃至95%、特に60乃至95%となるように薄肉化
するのが有効である。そして上記絞り成形に加えて、し
ごき成形を附加するのが薄肉化の点で有効である。
【0074】しごき加工は、一段乃至多段で行うことが
でき、下記式 式中t0 はしごき加工前のラミネート材の厚みであり、
tI はしごき加工後のカップの側壁部の厚みである。で
定義されるしごき率(RI )は1段としてのしごき加工
で5〜40%にあるのが良い。多段しごきの場合には、
最初の方のしごきで、できるだけしごき率を大きく取
り、加工後のカップの抜け性の点から最後のしごきリン
グでのしごき率を3乃至20%の範囲であるのが良い。
【0075】上記成形で得られる絞りカップは、必要に
よりトリミング、潤滑剤の揮発、外面印刷等の工程を通
った後、ネッキング、フランジング加工を行って缶蓋と
の巻締を行う缶体とする。尚、上記成形によって缶内面
となるポリエステルフィルム層は、少なくとも表面が一
軸あるいは二軸方向に分子配向されている。
【0076】本発明の被覆容器において、容器の少なく
とも内面は、上述したポリエステルで形成されている
が、外面は同様にポリエステルで被覆されていてもよ
く、また他の樹脂や塗料で覆われていてもよい。
【0077】以上、本発明を金属ポリエステルフィルム
積層体から成るツーピース缶について主に説明したが、
本発明の被覆乃至積層構造物は、それ以外の用途にも有
用であり、例えば金属箔にポリエステルを被覆したもの
は、これを、絞り成形してカップ状容器として用いるこ
ともできるし、可撓性蓋材、或いはパウチとして用いる
ことができる。
【0078】
【実施例】本発明を次の例により、具体的に説明する
が、本発明はこれらの例によって限定されるものはな
い。次の例における測定は、次の方法により行った。
【0079】1.酸末端ジエステルオリゴマーの定量法 試験水1000g分をフラスコに移し35℃の水浴で加
温しながらロータリーエバポレーターで乾固寸前まで濃
縮し、フラスコ内の残留物をジメチルホルムアミド10
mlに溶解した。この液を0.45μmのフィルターで
ろ過した後逆層カラム(東ソー製ODS−80Ts 直
径4.6*長さ150mm)を装着した液体クロマトグ
ラフ装置(東ソー製SC−8020)で溶離液に0.0
5%のリン酸を添加した水−アセトニトリルのグラジエ
ントを利用して目的のオリゴマーを分離しUV検出器で
定量した。アジピン酸含有オリゴマーのようなUV吸収
の小さいオリゴマーはLC/MS(日本分光製PLAT
FORMII)を用いてエレクトロンスプレーイオン化法
で測定した。検量線は各物質とも液体クロマトグラフ装
置で分取した各オリゴマーの精製品を用いて作成した。
【0080】2.香味保持性の評価 試験水と、試験水と同等の殺菌条件で処理したガラスビ
ン入りの蒸留水(イオン交換水を蒸留した水)を、基本
味識別テストに合格した20代〜40代のパネル20名
(男性15名、女性5名)により味とにおいを3点識別
法で比較した。15人以上が蒸留水との差を識別でき
ず、且つ試験水に異味異臭を感じなかった場合を○、1
0人以上が試験水と蒸留水との差を識別し、且つ試験水
に異味異臭を感じた場合を×、上記以外の場合を△とし
た。
【0081】実施例1〜3 固相重合法で作成した表1に示すような共重合比の異な
る組成の樹脂に酸化防止剤としてビタミンEを0.1重
量%の割合でブレンドし、樹脂温度260℃で内外面が
20μmの厚みのアルミラミネート板を作成した。この
樹脂被覆アルミ板にペトロレイタムを塗布し、円板を打
ち抜き常法に従い浅絞りカップを成形する。次いでこの
絞りカップの第1次、第2次薄肉化再絞り成形を行う。
この絞りカップを常法に従ってドーミング成形を行い、
潤滑剤の除去及び樹脂の歪み除去の目的で熱処理後、開
口端縁部のトリミング加工、曲面印刷及び焼き付け乾
燥、フランジング加工を行って内容量350mlのツー
ピース缶を作成した。
【0082】この缶を洗浄後350gの前述の蒸留水を
充填し、蓋を巻締めた。この缶にレトルト釜にて125
℃1時間のレトルト処理を行い、22℃で3ヶ月保存後
の充填水を試験水とし、上記の方法に従って酸末端ジエ
ステルの定量と官能評価を行った。得られた結果を表2
に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】比較例1及び2 溶融重合法で作成した表1に記載した樹脂を使用した他
は実施例1と同様に製缶し、充填水の試験を実施した。
得られた結果を表2に示す。
【0086】比較例3 ラミネートする際の樹脂温度を300℃にする以外は実
施例1と同様に行った。得られた結果を表2に示す。
【0087】比較例4 表1に記載した樹脂を用い、酸化防止剤を加えない他は
実施例1と同様に行った。得られた結果を表2に示す。
【0088】実施例4、5及び比較例5 表層の樹脂は固相重合法で、下層の樹脂は溶融重合法で
作成した表1に記載した組成の樹脂を共押し出しするこ
とにより樹脂層を二層構成とした。表層の厚みは5μ
m、下層の厚みは20μmとした。その他は実施例1と
同様に缶を作成し充填水を試験した。
【0089】表層樹脂のTgは実施例4の樹脂が73
℃、実施例5の樹脂が84℃、比較例5の樹脂が58℃
であった。得られた結果を表2に示す。
【0090】実施例6 表1の組成の固相重合法で作成した樹脂にビタミンEを
加えて作成した厚み20μmのフィルムを内面に、厚み
12μmのPETフィルムを外面にウレタン系接着剤を
介してアルミ箔にラミネートし、内寸110mm×15
0mmのパウチをヒートシーラーで成形した。このパウ
チに200gの蒸留水を充填してヒートシールを行い、
130℃30分のレトルト処理後22℃で3ヶ月保存し
充填水の試験を行った。得られた結果を表2に示す。
【0091】表2の結果から明らかなように、酸末端ジ
エステルオリゴマーの総溶出量が2ppm以下であり、
そのうちTA−BD−TAの溶出量が1ppm以下であ
る場合は香味保持性に優れていた。
【0092】
【発明の効果】本発明者らは、熱可塑性ポリエステル中
に、内容物の香味保持性に甚大な影響を与える香味阻害
成分、酸末端ジエステルオリゴマーを新たに発見した。
この香味阻害成分の内容物中への溶出量を2ppm以
下、特にTA−BD−TAオリゴマーの溶出量を1pp
m以下に低減させることにより、ポリエステル被覆容器
の香味保持性を顕著に向上させうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホモポリブチレンテレフタレートの高速液体ク
ロマトグラフ(HPLC)チャートを示す。
【図2】HPLCチャート上の保持時間約24分に現れ
た大きなピークのIRスペクトルを示す。
【図3】前記ピークのMSスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今津 勝宏 神奈川県横浜市泉区和泉町6205−1 グリ ーンハイムいずみ野27−101

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも内面が熱可塑性ポリエステル
    で被覆されている容器において、前記熱可塑性ポリエス
    テルの酸末端ジエステルオリゴマーの水溶出量が2pp
    m以下であることを特徴とする香味保持性に優れた樹脂
    被覆容器。
  2. 【請求項2】 酸末端ジエステルの少なくとも1部がテ
    レフタール酸−ブタンジオール−テレフタール酸の構造
    のオリゴマーであり、その水溶出量が1ppm以下であ
    る請求項1記載の樹脂被覆容器。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリエステルがブチレンテレフ
    タレート単位を主体とするポリエステル或いはブチレン
    テレフタレート単位を主体とするポリエステルと他のポ
    リエステルとのブレンド物である請求項1または2記載
    の樹脂被覆容器。
  4. 【請求項4】 ガラス転移温度70℃以上のポリエステ
    ルから成る表面樹脂層と、ブチレンテレフタレート単位
    を主体とするポリエステル或いはブチレンテレフタレー
    ト単位を主体とするポリエステルと他のポリエステルと
    のブレンド物から成る下地樹脂層との積層体で、少なく
    とも内面が被覆されている請求項1乃至2記載の樹脂被
    覆容器。
  5. 【請求項5】 被覆金属缶である請求項1乃至4のいず
    れかに記載の樹脂被覆容器。
  6. 【請求項6】 被覆金属容器蓋である請求項1乃至4の
    いずれかに記載の樹脂被覆容器。
  7. 【請求項7】 被覆金属箔カップである請求項1乃至4
    のいずれかに記載の樹脂被覆容器。
  8. 【請求項8】 被覆金属箔を用いた柔軟包装体である請
    求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂被覆容器。
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