JPH11501803A - 食品を包装する方法と食品を入れるパッケージ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本開示は、パッケージの密閉された雰囲気が実質的に純粋の酸素ガス（１００パーセントＯ₂）から構成されるような条件下でプラスチックの可撓性パッケージに食品、特に肉を長い貯蔵寿命で包装する方法に関する。パッケージ内の酸素ガス濃度を上げることにより、本方法は保証された貯蔵期間内で包装された食品の貯蔵寿命を落とすことなく、例えばポリエチレンのような経済的で、容易に入手しうるプラスチック材料を採用して実行することが出来る。包装された食品の貯蔵寿命は、包装過程の前および／または包装過程に関連して、例えば、所謂“パルス光線”技術による放射線処理のようなバクテリア駆除処理を食品にかけることによりさらに延ばされる。

Description

【発明の詳細な説明】 食品を包装する方法と食品を入れるパッケージ 技術分野 本発明は可撓性プラスチック包装パッケージ（plastic package）において食 品、特に肉を長い貯蔵寿命（shelf life）の包装をする方法に関する。本発明は また、食品を入れる貯蔵寿命の長いプラスチックパッケージに関する。 背景技術 食品、例えば肉や肉製品は通常、仕上げされた消費者向けパッケージに詰めら れるが、この食品の包装作業は、消費者向けパッケージをスーパマーケットやそ の他の小売店へ外販向けに分配するために中央で集中的に行われるかあるいは販 売する場所で局所的に行われる。 食品が分配チェインにおいて中央で集中的に、あるいは販売場所で局所的に包 装されるか否かには関係なく、パッケージや、その後の包装された食品の取り扱 いや貯蔵は、包装された食品が清潔な状態で新鮮に消費者に届く最善の可能性が 与えられるような情況の下でそのようにする方法を採用して行われることが極め て重要である。 大規模に食品を合理的に分配するには、食品の包装作業とその後のパッケージ の取り扱いが単純でかつ便利であって、分配の経済性に不必要に負担を加えるこ とが無いように明らかに費用効果型（cost-effective）である必要がある。これ らの二つの要件は相互に矛盾している。清潔な状態と新鮮さ（所謂貯蔵寿命が長 いこと）は、一般に製品特有の消費者向けパッケージや包装作業環境を必要とす るので、その結果作られた消費者向けパッケージ当たりの費用が高くつくのは避 けられず、一方分配が簡単で便利が良いということは製造が容易で入手し易い包 装材料から標準化した消費者向けパッケージを作ることを前提としており、その ため、分配費用は安くなるが、作られた消費者向けパッケージにおける製品保護 特性が大いに低下する結果となる。 例えば、新鮮な肉のような特に酸素ガスに敏感で腐り易い食品の包装は、切断 あるいはスライスした肉片に対応した寸法のプラスチックのトレイに適当部分を 置き、前記プラスチックトレイは通常の室温で中味を入れられた後、中味を入れ たプラスチックトレイの上に供給された薄いプラスチックフィルムで閉鎖され、 このフィルムは該トレイの底縁部の周りに巻き付けられてトレイの底に対し固定 され、該トレイとその中味とを密閉するようにして行われる。この従来からのプ ラスチックトレイを採用した包装技術は、予め形成されたプラスチックトレイと 薄いプラスチックフィルムとをそれぞれ扱うための個別の装置を必要とする点で 場当たり的（circumstantial）である。この特定の技術をあまり便利でなくかつ 魅力の無いようにしている別の要因は、色々な種類の食品は、一般に、種々の寸 法と外形の予め形成されたプラスチックトレイを必要とすることである。この点 に関するさらに別の欠点は、密封用プラスチックフィルムを、少なくとも当該食 品のある保証された貯蔵寿命において、プラスチックフィルムを通してガスが移 入したり通過する結果として包装された食品に関して密閉された包装環境が有害 な影響を受けないよう保証するべく適合させる必要があることである。その結果 、ポリエチレンや同類の直ぐに入手しうる高分子材料は、一般に包装された食品 に対して所望の製品保護特性を提供するに必要なガス障害特性（gas barrier pr operties）を欠いているため、これらの材料は採用されない。 また、当該技術分野においては、切断あるいはスライスされた肉や同様の食品 を可撓性のプラスチックパッケージに真空下で包装することが知られている。仕 上がりパッケージに所望の組み合わされた機械的および物理的保護特性を付与す るために、前記の従来技術によるプラスチックパッケージの材料は、同じあるい は異なる材料を相互に結合した複数の層（所謂多層材料）から作られ、これらが 一体となってパッケージに対して所望の組み合わされた保護特性を与える。食品 を真空包装するための多層形式の包装材料は、包装された食品の保証貯蔵寿命内 で仕上がりパッケージ内の真空を保つためには特に優れたガス障害特性を保有す る必要があり、従って、包装材料に含まれている材料の層の中の少なくともある ものは、極めて高価であることが多い、特殊なガス気密ポリマーから構成される 必要がある。この種類の多層材料は十分一体化された包装材料を形成するために 、優れた長続きする結合強度で個々の材料の層を共に結合させるべく化学結合材 あ るいは接着材の介在層を必要とすることが多い。 更に別の公知の包装技術によれば、新鮮な肉は多層のガス障害フィルムからな るパッケージ内の修正された雰囲気の中で詰められる。この所謂ＭＡＰ技術（修 正された雰囲気での包装;modified atmosphere packaging）は前述の真空包装技 術とよく似ているが、基本的には、真空の代わりに、包装のための雰囲気は、例 えばＯ₂，Ｎ₂，ＣＯ₂のような、包装すべき製品に適するよう特別に構成したガ スの混合物からなる点で相違する。包装のための雰囲気は、包装された製品（新 鮮な肉）に所望の貯蔵寿命が与えられるように構成され、同時に当該製品（特に 包装された肉が牛肉である場合）は、その貯蔵寿命全体に亘ってお客にとって魅 力的で清潔で新鮮な外観を保たれなければならない。パッケージ内で可能な最良 ＭＡＰ状態を達成しかつ保持するために、包装技術は、包装材料の多層構造にお いて（例えば、ポリアミド／ポリエチレンである）障害フィルムの少なくとも１ 層の材料を使用することを要する。真空包装技術に関連して上記で既に述べたよ うに、多層形式の包装材料は複雑であって、更に、特に障害フィルムの材料層を 含んでいる場合、高価につく。ＭＡＰ包装技術は、更に、当該製品に対する所望 の貯蔵寿命や品質の目標値を達成するために必要とされる包装雰囲気、すなわち ガス混合物は全包装作業の過程に亘って製品に適合するよう慎重に調整し、監視 する必要があるという欠点がある。 発明の目的 従って本発明の一目的は、従来技術の説明に関連して前述した形式の欠点や問 題を伴うことなく、食品の貯蔵寿命の優れた包装について導入部のところで述べ た形式の新規で改良された方法を提供することである。 本発明の別の目的は、多層原理に従い構成されるのでもなく、高価な障害フィ ルムからなる材料層を含むのでもないプラスチックのパッケージに食品、特に新 鮮な肉を良好な貯蔵寿命の下に包装する方法を実現することである。 さらに別の本発明の目的は、単一層形式の容易に入手し得る経済的な包装材料 からなるパッケージで、食品、特に新鮮な肉を良好な貯蔵寿命で包装する方法を 実現することである。 解決方法 これらおよびその他の目的は、本発明によれば、食品が酸素ガス雰囲気中で包 装されることを特徴とする、導入部のところで述べた形式の方法によって達成さ れる。 発明の概要 本発明による実験では、通常の雰囲気状態で相応の要領で包装されるが包装時 間および貯蔵時間は同一として包装された食品よりも、酸素ガス雰囲気（１００ パーセントＯ₂）で包装された食品、例えば、新鮮な肉は著しく長期間に亘って 清潔な状態と新鮮さを保っていることを示している。例えば香り、色、および表 面特性のような食品の特性は周囲の包装雰囲気の酸素ガス濃度の変動に対して敏 感であり、酸素ガス濃度がある臨界最低レベル（critical minimum level）を下 回ると前記の特性は急に劣化することが知られている。同時に、包装された食品 がその清潔な新鮮さを実質的に不変に保つための前提条件は酸素ガス濃度が前記 臨界レベルを上回ると改善されることも知られている。本発明に従って実験にお いて観察されてきた、好ましい貯蔵寿命の結果に対していずれかの特定の科学的 理論に結びついているとはいえないものの、一つの説明は包装雰囲気中の酸素ガ ス濃度は実験の全期間にわたって臨界最低レベル以上に保たれたレベルあるいは 濃度範囲内に留まっていたといえる。極めて驚くべきことであったが、前述の好 ましい貯蔵寿命の結果は、優れたガス障害特性を有していることが知られておら ず、逆に、ガス、特に酸素ガスに対する気密性が劣っているか、あるいは欠陥が あるものとして知られており、従ってこのような使い方に対して以前は考慮にも 入れられなかったプラスチックパッケージを用いて実行された実験においても達 成された。ガス気密性が欠陥あるものと認識されていたプラスチックの一例は、 例えばＬＤＰＥ（低密度ポリエチレン:low density polyethylene）のようなポ リエチレンである。 本発明の一好適実施例によれば、経済的でかつ容易に入手出来、従って大規模 で合理的な包装を可能とする、ポリエチレン、好ましくはＬＤＰＥによるパッケ ージに食品が詰められる。そのような場合に、押し出し成形のチューブ状プラス チックフィルムあるいは所謂熱シールにより公知の要領で横方向および軸方向端 のシールによる平坦な予備形成のプラスチックフィルムのいずれかから簡単に作 れるような単一層形式のプラスチックパッケージに食品を詰めることがとりわけ 好ましい。 新鮮な肉すなわち加工していない肉は、肉内で自然に発生するかあるいは肉を 調製したり、その他の取り扱い作業の間に肉に接触するようになるバクテリアあ るいはその他の微生物の作用により極めて急速に腐り易い。そのような肉の品質 を落とすようなバクテリアあるいはその他の微生物の存在を最小にするかあるい は好ましくは排除して、それにより肉を良好な貯蔵寿命を有するように包装出来 るように前提条件を改良するために、肉は包装される前およびあるいは包装作業 に関連してバクテリアを低減あるいは駆除処理にかけることが理想的である。そ のようなバクテリア低減処理は当該技術分野において公知であり、熱作用、放射 線（irradiation）等による処理を含む。本発明によれば、放射線処理は少なく とも肉の表面に存在するバクテリアや微生物を根絶するが、熱処理に対立するも のとして、肉のその他の品質には影響しない種類のものが好ましい。本発明によ る方法と関連して有利に使用しうる好ましい一放射線法は所謂“パルス光線”法 （“pulsed light”method）であって、新鮮な肉を、該肉に向けられた１個以上 の放射源からの１７０から２６００ナノメートル（ｎｍ）の波長域内の強力な、 乱射された多色光線パルス（incoherent polychromatie light pulses）に当て るという概念に基いている。前記“パルス光線”による方法は当該技術分野の専 門家には公知であり、例えば参考として本明細書に引用した米国特許第４，８７ １，５５９号明細書（ＵＳＰＳ ４，８７１，５５９）に記載されている。 本発明による方法のさらに別の実用的で、有利な実施例についても請求の範囲 の従属項に記載の特徴のところで述べている。 好適実施例の説明 本発明を、本発明による方法を採用したプラスチックパッケージに良好な貯蔵 寿命で食品を詰めることの出来る実用的な一実施例を援用して以下詳細に説明す る。 包装すべき食品はいずれの肉製品でもよいが、この非限定的実施例においては 、新しく屠殺した新鮮な牛肉であると想定する。新しく屠殺された肉はコンベヤ ベルトで包装ステーション（packing station）へ送られてくる。前記ステーシ ョ ンは、コンベヤベルトの送り込み速度と同じ速度でパッケージを形成し、中味を 詰め、シールする形式の包装機械から構成されている。包装機械は、所謂熱シー ルにより公知の要領で繰り返し横方向および軸方向にシールを施すことにより、 好ましくはポリエチレンの単一層フィルムであるチューブ状フィルムあるいは好 ましくはポリエチレンの単一層フィルムである平坦な予備形成プラスチックフィ ルムからパッケージを作るのと同時に、肉片が横方向のシールの間に形成された 包装用の空間の酸素ガス雰囲気内で任意の部分の大きさで密封される。横方向の シール部分の切り込みにより個々の密閉された個別包装を分離した後、既に充填 され密閉されたパッケージは包装した肉を従来のパッケージの貯蔵寿命と完全に 対比し得る良好な貯蔵寿命で貯蔵期間中貯蔵し得る小売店、あるいはその他の販 売場所までさらに搬送すべく包装機械の排出端を介して排出される。先に指摘し たとおり、包装された肉の貯蔵寿命は、該肉を公知の“パルス光線”によるバク テリア駆除放射線処理にかけることにより更に延ばすことが出来る。この方法に より、肉の表面に存在するバクテリアあるいはその他の微生物は、前記肉が包装 される前および／または包装に関連して通される１個以上の協働する放射線源か らの多色光線の短く、強力な、乱射放射線パルスあるいはフラッシュによって効 果的に根絶される。 このように、本発明の方法によれば、単純な手段を採用し、既存の包装技術を 使用して、包装された肉が真空法あるいはＭＡＰ法による従来の包装技術に完全 に対比し得る良好な貯蔵寿命で貯蔵期間貯蔵し得る要領で食品、特に肉を包装す ることが出来る。現在の技術水準に対する本発明の最大の貢献は、多分、腐り易 く、かつ酸素ガスに対して敏感な製品を、経済的で容易に作ることができ、更に 合理的な産業規模で機械的に強力なシールジョイントを備えたプラスチックパッ ケージを作る単純な熱シール技術を用いて容易にシール出来るという貴重な特性 を保有するポリエチレンのような経済的で容易に入手しうる包装材料で包装出来 るようにしたことであろう。 本発明は、広義の範囲においては、詳しく前述した実施例に専ら限定されるの ではなく、請求の範囲に記載の発明概念から逸脱することなく、当該技術分野の 専門家には明らかな変更や修正も網羅することは当然である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，Ｕ Ｇ)，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｃ Ａ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ， ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，Ｍ Ｎ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ， ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 食品が酸素ガス雰囲気中で包装されることを特徴とするプラスチックパ ッケージに食品、特に肉を長い貯蔵寿命で包装する方法。 ２． 食品が純粋酸素ガス（１００パーセントＯ₂）の雰囲気中で包装される ことを特徴とする請求の範囲第１項に記載の方法。 ３． 食品がポリエチレンのパッケージに包装されることを特徴とする請求の 範囲第１項または第２項に記載の方法。 ４． 食品がＬＤＰＥ（低密度ポリエチレン）のパッケージに包装されること を特徴とする請求の範囲第１項から第３項までのいずれか１項に記載の方法。 ５． 横方向のシールの間で食品を包装するための閉鎖された空間を形成する ために、それぞれプラスチックフィルムの長手方向軸線に対して横方向に横方向 熱シールを繰り返すことによりチューブ状プラスチックフィルムあるいは平坦な 予備形成のプラスチックフィルムから作られたプラスチックパッケージに食品が 包装されることを特徴とする請求の範囲第１項から第４項までのいずれか１項に 記載の方法。 ６． 貯蔵寿命を延ばすために、食品が包装過程の前および／または包装過程 に関連してバクテリア駆除処理にかけられることを特徴とする請求の範囲第１項 から第５項までのいずれか１項に記載の方法。 ７． 前記食品のバクテリア駆除処理が放射線処理を含むことを特徴とする請 求の範囲第６項に記載の方法。 ８． 前記食品のバクテリア駆除処理がそれ自体公知の“パルス光線”技術に よって行われ、食品に、該食品に向けられた１個以上の協働する放射線源からの 、１７０から２，６００ナノメートル（ｎｍ）の間の波長域内の強力で、乱射さ れた、短い多色光線の放射線パルスあるいはフラッシュがかけられることを特徴 とする請求の範囲第６項または第７項に記載の方法。