JPH1132835A - 脂取り紙およびその製造法 - Google Patents

脂取り紙およびその製造法

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JPH1132835A
JPH1132835A JP20548597A JP20548597A JPH1132835A JP H1132835 A JPH1132835 A JP H1132835A JP 20548597 A JP20548597 A JP 20548597A JP 20548597 A JP20548597 A JP 20548597A JP H1132835 A JPH1132835 A JP H1132835A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔面等の脂を効果的に取り除くことができる
ことは勿論のこと、肌の湿潤性、柔軟性等に役立てるこ
とができるできるようにした脂取り紙およびその製造法
を提供する。 【解決手段】 所望の漉き模様を有する原紙を、絹の成
分を5%〜95%含有させた水分を与えながらカレンダ
ー加工して平滑度を高める。この原紙にこの原紙よりも
堅い補助用シート状物を介装し、所望枚数を一束として
箔打ち機により束面から万遍なく繰り返して叩く。原紙
より堅い補助用シート状物を挟むことにより、原紙の目
を簡単に、かつ確実に潰して柔軟性、平滑性を得ること
ができるとともに、摩擦によって光沢を得ることができ
る。人の肌と同じ絹の成分を含有し、しかも、湿潤性、
柔軟性を有することにより、多少顔面等を強く拭いても
肌を傷めることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として女性が化
粧する際などに顔の脂を吸収させて取り除くために用い
るのに適する脂取り紙およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧用の脂取り紙として箔打ち紙
が知られている。この箔打ち紙は金箔を打ち延ばす際に
金箔を挟む。そして、これらの所望枚数を一束として箔
打ち機により束面から万遍なく繰り返して叩く。このと
き、箔打ち紙はその繊維が砕けるほどに叩かれることに
より、柔軟性、平滑性、光沢が与えられる。箔打ち紙は
これら柔軟性、平滑性により脂の吸収性に優れているこ
とがわかり、高品質の化粧用脂取り紙として使用されて
いる。
【0003】しかしながら、このような化粧用脂取り紙
は、箔打ちに使用した箔打ち紙の有効利用に過ぎず、自
ら供給量に限界がある。また、近年、化粧用としてのみ
ならず、清潔感等を得るために顔の脂分を取り除くため
に使用され、性別、年令の高低を問わず、使用者層が拡
がる傾向にあり、多量の脂取り紙の提供が要望されてい
る。
【0004】そこで、近年、箔を挟むことなく、原紙の
みを束ねた状態で箔打ち機により叩いた脂取り紙が提供
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな脂取り紙は、原紙のみを用いているため、顔の脂分
をある程度取り除くことはできるが、なお脂分の取り除
き効果が十分であるとは言えず、しかも、肌の弱い人が
使用する際に肌を保護するなどの付加的機能を備えてい
ない。また、箔打ち紙は原紙の製造時に格子、亀甲等の
漉き模様を入れているが、上記脂取り紙には漉き模様が
入っていないため、箔打ち紙のような高級感を得ること
ができない。また、原紙のみを束状に重ねて箔打ち機に
より叩いており、同じ種類の原紙同士が接触しているた
め、原紙の繊維が潰れ難く、しかも、光沢も得難い。し
たがって、柔軟性、平滑性等を得ることができないた
め、脂の吸収性に劣り、しかも、肌触りも劣り、箔打ち
紙に比べて品質において数段劣る。
【0006】そこで、本発明は、絹の成分がタンパク質
で、人の肌と同じであることに着眼し、種々試験、研究
した結果、原紙をカレンダー加工する際に絹の成分を加
えることにより効果的に含有させて光沢および湿潤性、
柔軟性による優雅な肌触りを得ることができることを見
出し、これに基づき、顔面等を多少強く拭いても肌を傷
めるおそれがなく、脂分を効果的に取り除くことができ
ることは勿論のこと、肌の角質層の除去にも利用できて
肌の湿潤性、柔軟性等に役立てることもでき、したがっ
て、付加機能を備えることができて商品価値を高めるこ
とができるようにした脂取り紙およびその製造法を提供
し、また、上記目的に加え、所望の漉き模様を得ること
ができ、したがって、箔打ち紙と同様の外観を得ること
ができるようにした脂取り紙およびその製造法を提供
し、また、箔打ち紙と同様の脂分の吸収性、光沢、肌触
り等を得ることができ、したがって、箔打ち紙と同様の
高品質を得ることができ、しかも、作業能率を向上させ
ることができるようにした脂取り紙の製造法を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の脂取り紙は、絹の成分を含有するものであ
る。
【0008】上記課題を解決するための本発明の他の脂
取り紙は、上記脂取り紙において、所望の漉き模様を有
する原紙を用いたものである。
【0009】そして、上記各脂取り紙において、脂とり
紙を構成する原紙の原料成分として、植物繊維、動物繊
維から選択し、必要に応じて無機質填料を添加すること
ができ、また、原紙は、カレンダー加工により平滑度を
高めておくのが好ましい。
【0010】上記課題を解決するための本発明の脂取り
紙の製造法は、原紙に絹の成分を混合した水分を与えな
がらカレンダー加工し、これらの原紙の所望枚数を一束
として束面から叩くようにしたものである。
【0011】上記課題を解決するための本発明の他の脂
取り紙の製造法は、上記製造法において、原紙を束面か
ら叩く際に上記原紙にこの原紙より堅い補助用シート状
物を介装したものである。
【0012】そして、上記各製造法において、原紙の原
料を所望の漉き模様で漉き、乾燥させて原紙を形成する
ことができる。
【0013】また、カレンダー加工に際し、濃度100
%の絹の成分を5%〜95%含有する水分を与えること
ができる。絹の成分が5%未満であると、含有量が少な
く、その効能に乏しく、95%を超えると、カレンダー
加工の作業性に劣るので、絹の成分を上記範囲で用いる
のが好ましい。
【0014】絹の成分はタンパク質で、グリシン、アラ
ニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、フェニルアラ
ニン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミ
ン酸、アルギニン、シスチン(1/2)、メチオニン、
リジン、プロリン、ヒスチジン、トリプトファン、チロ
シン等のアミノ酸が含まれている。一方、人の肌を形成
している主な成分もタンパク質であり、絹の成分は人の
肌の成分と同じであり、しかも、湿潤性、柔軟性を与え
ることができる。このような絹の成分を含有する本発明
の脂取り紙によれば、上記成分および湿潤性、柔軟性に
よる優雅な肌触りにより顔面等を多少強く拭いても肌を
傷めるおそれがなく、脂取り紙の平滑性、柔軟性等と相
俟って顔面等の脂を効果的に取り除くことができるこは
勿論のこと、多少強く拭くことにより肌の角質層の除去
にも利用できて肌の湿潤性、柔軟性等に役立てることが
できる。
【0015】また、所望の漉き模様を有する原紙を用い
ることにより、所望の漉き模様を有する脂取り紙を得る
ことができる。
【0016】また、本発明の脂取り紙の製造法によれ
ば、カレンダー加工の際に原紙に与える水分に絹の成分
を混合しておくことにより、原紙に絹の成分を効果的に
含有させることができる。
【0017】また、原紙にこの原紙より堅い補助用シー
ト状物を介装して叩くことにより、原紙の繊維の目を比
較的簡単に、かつ確実に潰して柔軟性、平滑性を得るこ
とができるとともに、堅い補助用シート状物との摩擦に
よって磨くようにすることができ、箔打ち紙と同様の脂
分の吸収性、光沢、肌触り等を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。原紙の原料成分である植物繊維として、例え
ば、ガンピ、サンピ、パルプ、みつまた、マニラ麻等を
用い、動物繊維として、例えば、絹繊維を用い、無機質
填料として、例えば、泥を用いる。そして、従来の製紙
方法と同様に、ガンピ、サンピ、パルプ、みつまた、マ
ニラ麻、絹繊維等を単独で、若しくは所望の配合比で組
み合わせて用い、必要に応じて泥をガンピ等100部に
対して5部〜50部の配合比で添加し、紙の層の形成に
おいて異なったワイヤーパートを通し、それぞれについ
て従来の箔打ち紙で用いられている格子、亀甲など、所
望の漉き模様を有するシリンダを通すことにより、異な
った二層の紙を形成し、これをプレスロールにより合紙
する。この二層からなる合紙をドライヤーパートに通過
させることにより製紙する。ここで、ガンピ等に対して
泥を添加することにより紙の平滑性等を高めることがで
きるが、ガンピ等100部に対して泥が5部未満である
と平滑性等に劣り、50部を超える紙の品質を害するお
それがあり、したがって、5部〜50部の間で選択する
のが好ましい。
【0019】次に、上記のように所望の漉き模様を有す
る原紙に水分を与えながらカレンダーロールに通すこと
により、平滑度を高める。上記水分として、絹繊維から
抽出処理した後、ソルブル化(可溶化)して得た濃度1
00%の絹の成分を5%〜95%含有する純水を含浸
法、若しくは加湿法(水蒸気)により上記原紙に与え、
絹の成分を原紙に含有させる。
【0020】次に、上記原紙と、この原紙より堅い補助
用シート状物とを例えば、20cm以上の正方形、若し
くは長方形に形成して交互に重ね合わせ、これら原紙お
よび補助用シート状物の所望枚数、例えば、500枚〜
1000枚程度を一束として箔打ち機により束面から万
遍なく原紙の繊維が砕けるほど叩く。このとき、熱が発
生するため、冷ましながら叩く作業を繰り返して行う。
原紙の間にこれより堅い補助用シート状物を挟んでいる
ので、原紙の繊維の目を簡単に、かつ確実に潰して柔軟
性を得ることができるとともに、堅い補助用シート状物
との摩擦により磨くようにして光沢(艶)を得ることが
できる。この工程を加えることにより、箔打ち紙と同様
の脂の吸収性、光沢、肌触りを有する紙質を作り上げる
ことができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。従
来の箔打ち紙と同様に、原紙の原料として、ガンピとマ
ニラ麻を30対70の割合で用い、このガンピとマニラ
麻100部に対して泥を約25部の配合比で添加した。
上記原料成分により従来の箔打ち紙と同様の格子模様、
若しくは亀甲模様となるようにそれぞれ上記のように二
層漉きを行い、絹の成分である可溶化物を5〜95%の
範囲で選択して含ませた純水を原紙に与えながらカレン
ダー加工を行った。このようにして製造した原紙と、補
助用シート状物として、上記原紙より堅いパルプ100
%のグラシンなどとを20cm以上の正方形、若しくは
正方形に形成して交互に重ね合わせ、500枚〜100
0枚を一束として箔打ち機により大、小重さの異なるハ
ンマーを使い分けて束面から万遍なく繰り返して叩いて
脂取り紙を製造した。
【0022】比較例として、上記本発明実施例と同様の
原紙のみを重ね合わせ、同様に、500枚〜1000枚
を一束として上記本発明実施例と同様に叩いて脂取り紙
を製造した。
【0023】上記本発明実施例の脂取り紙と上記比較例
の脂取り紙と従来の箔打ち紙について複数の女性により
顔の脂の吸収テストを行った結果、脂の吸収性、肌触り
において、従来の箔打ち紙が最も優れ、比較例の脂取り
紙が最も劣り、本発明実施例の脂取り紙は比較例の脂取
り紙より優れ、従来の箔打ち紙よりやや劣るものの、こ
れに近い特性を有することがわかった。また、本発明実
施例の脂取り紙は、光沢において、比較例の脂取り紙よ
りも優れ、従来の箔打ち紙と同等であり、しかも、絹に
よる優雅な光沢を有することがわかった。また、本発明
実施例の脂取り紙において、人の肌と同じ絹の成分を含
有させ、しかも、湿潤性、柔軟性を付与することによ
り、顔面を多少強く拭いても肌を傷めるおそれがなく、
平滑性、柔軟性等と相俟って顔面の脂を効果的に取り除
くことができることに加え、多少強く拭くことにより肌
の角質層の除去にも利用できて肌の湿潤性、柔軟性等に
役立つことも明らかである。
【0024】なお、上記実施例では、ガンピとマニラ麻
を用いた場合について説明したが、このほか、みつま
た、サンピ等を用いても同様の脂の吸収性、光沢、肌触
り等が得られることは明らかである。
【0025】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、人の肌と
同じ絹の成分を含有し、しかも、絹の成分による湿潤
性、柔軟性を付与されているので、顔面等を多少強く拭
いても肌を傷めるおそれがなく、脂取り紙の平滑性、柔
軟性等と相俟って顔面等の脂を効果的に取り除くことが
できることは勿論のこと、多少強く拭くことにより、肌
の角質層の除去にも利用できて肌の湿潤性、柔軟性等に
役立てることができ、また、絹の成分による優雅な光沢
を得ることができ、したがって、付加機能を備えること
ができて商品価値を高めることができる。
【0026】また、所望の漉き模様を有する原紙を用い
ることにより、所望の漉き模様を有する脂取り紙を得る
ことができる。したがって、箔打ち紙と同様の外観を得
ることができる。
【0027】また、本発明の脂取り紙の製造法によれ
ば、カレンダー加工の際に原紙に与える水分に絹の成分
を混合しておくことにより、原紙に絹の成分を効果的に
含有させることができる。
【0028】また、原紙にこの原紙より堅い補助用シー
ト状物を介装して叩くので、原紙の繊維の目を比較的簡
単に、かつ確実に潰して柔軟性、平滑性を得ることがで
きるとともに、堅い補助用シート状物との摩擦によって
磨くようにすることができ、箔打ち紙と同様の脂分の吸
収性、光沢、肌触りを得ることができる。したがって、
箔打ち紙と同様の高品質を得ることができ、しかも、作
業能率を向上させることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絹の成分を含有する脂取り紙。
  2. 【請求項2】 所望の漉き模様を有する請求項1記載の
    脂取り紙。
  3. 【請求項3】 脂取り紙を構成する原紙の原料成分が、
    植物繊維、動物繊維から選択され、必要に応じて無機質
    填料が添加される請求項1または2記載の脂取り紙。
  4. 【請求項4】 原紙がカレンダー加工により平滑度を高
    めてある請求項1ないし3のいずれかに記載の脂取り
    紙。
  5. 【請求項5】 原紙に絹の成分を混合した水分を与えな
    がらカレンダー加工し、これらの原紙の所望枚数を一束
    として束面から叩く脂取り紙の製造法。
  6. 【請求項6】 原紙を束面から叩く際に上記原紙にこの
    原紙より堅い補助用シート状物を介装する請求項5記載
    の脂取り紙の製造法。
  7. 【請求項7】 原紙の原料を所望の漉き模様で漉き、乾
    燥させて原紙を形成する請求項5または6記載の脂取り
    紙の製造法。
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JP2002085156A (ja) * 2000-09-11 2002-03-26 Kinoshita Kamiten:Kk 脂取り紙およびその製造法

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