JPH11286589A - 樹脂組成物及びその用途、その製造方法 - Google Patents

樹脂組成物及びその用途、その製造方法

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JPH11286589A
JPH11286589A JP10553798A JP10553798A JPH11286589A JP H11286589 A JPH11286589 A JP H11286589A JP 10553798 A JP10553798 A JP 10553798A JP 10553798 A JP10553798 A JP 10553798A JP H11286589 A JPH11286589 A JP H11286589A
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JP
Japan
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water
resin composition
inorganic compound
layered inorganic
swellable layered
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Application number
JP10553798A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Yamamoto
友之 山本
Hidefumi Onishi
英史 大西
Hiroki Masumoto
博樹 増元
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリヤー性及び機械物性に優れた樹脂組
成物を提供すること。 【解決手段】 水膨潤性層状無機化合物(A)とエチレ
ン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物(B)からなる樹脂
組成物(I)において、該樹脂組成物(I)の融点(T
m)と該樹脂組成物(I)の結晶化温度(Tc)の関係
が下記式を満足する樹脂組成物。 Tc>−0.00796Tm2+3.597Tm−231.716・・・ 但し、Tm:樹脂組成物(I)の融点(℃) Tc:樹脂組成物(I)の結晶化温度(℃)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水膨潤性層状無機
化合物(A)とエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化
物(B)からなる樹脂組成物(I)及びその製造方法に
関し、更に詳しくは製造時間の短縮、及び高湿条件下で
のガスバリヤー性や急冷条件下でのガスバリヤー性低下
抑制、機械物性に優れた樹脂組成物及びその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、エチレン−酢酸ビニル系共重合
体ケン化物(以下EVOHと略記する)は、透明性、帯
電防止性、耐油性、耐溶剤性、ガスバリヤー性、保香性
等に優れており、又、溶融成形可能な熱可塑性樹脂であ
り、食品包装等、種々の包装材料用途に用いられてい
る。しかし、このようなEVOHは外部の湿度や温度と
いう環境の変化によりガスバリヤー性や機械物性が大き
く変化し、高湿度の環境下ではガスバリヤー性が低下す
るという欠点を有している。又、EVOHの延伸性を高
めるために、フィルムの製造過程で急冷を行い結晶化度
を低く抑えることが行われるが、急冷することにより結
晶性が低下し、充分なガスバリヤー性が得られなくな
る。かかる欠点の解決策として、種々検討されており、
例えば、特開平5−39392号公報には、水の存在下
にEVOHと水膨潤性フィロケイ酸塩を混合することが
記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、本発
明者等が詳細に検討した結果、上記開示技術では、水の
存在下に水膨潤性フィロケイ酸塩を投入するため、いわ
ゆるママコが発生しやすく、そのため均一に分散するこ
とができず、又均一分散させるにはかなりの時間を必要
とすることが判明し、更に得られる成形物のガスバリヤ
ー性や機械物性については最近の技術の高度化を考慮す
るとまだまだ満足するものではなく、改善の余地が残る
ものであることが判明した。このような背景において、
本発明では、製造時間の短縮ができ、高湿度下でのガス
バリヤー性や急冷条件下でのガスバリヤー性の低下抑
制、機械物性に優れた樹脂組成物及びその製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0004】
【問題点を解決するための手段】そこで、本発明者等は
上記の事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、水膨潤性層
状無機化合物(A)とエチレン−酢酸ビニル系共重合体
ケン化物(B)からなる樹脂組成物(I)において、該
樹脂組成物(I)の融点(Tm)と該樹脂組成物(I)の
結晶化温度(Tc)の関係が下記式を満足する樹脂組
成物が上記目的に合致することを見出し本発明を完成し
た。 Tc>−0.00796Tm2+3.597Tm−231.716・・・ 但し、Tm:樹脂組成物(I)の融点(℃) Tc:樹脂組成物(I)の結晶化温度(℃) (樹脂組成物(I)の融点(Tm)は差動走査熱量計
(DSC)により測定される値であり、測定は昇温速度
10℃/minで、230℃にて1分間ホールドし、そ
の後降温速度10℃/minで行われる。) 尚、通常では、融点(Tm)は結晶化温度(Tc)より
高い値を示すものである。
【0005】又、本発明では、水膨潤性層状無機化合物
(A)とEVOH(B)からなる樹脂組成物(I)を製
造するに当たり、水膨潤性層状無機化合物(A)を、水
/アルコール=0/100〜50/50(重量比)の混
合溶剤に分散させた後、更に水を添加して、水/アルコ
ール=90/10〜51/49(重量比)に調整し、水
膨潤性層状無機化合物(A)を膨潤させた後、EVOH
(B)を混合する製造方法であることが好ましい。特に
は、予め、水/アルコール=90/10〜51/49
(重量比)の混合溶剤に溶解させたEVOH(B)溶液
を混合することが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明に用いる水膨潤性層状無機化合物(A)とし
ては、特に制限されることなく、スメクタイトやバーミ
キュライト等の粘土鉱物、更には合成マイカ等が挙げら
れ、前者のスメクタイトの具体例としてはモンモリロナ
イト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘ
クトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等が挙げら
れる。これらは天然のものであっても、合成されたもの
でもよい。これらの中でもスメクタイト、特にその中で
もモンモリロナイトが好ましい。又、Na型フッ素四ケ
イ素雲母、Na型テニオライト、Li型テニオライト、
Na型ヘクトライト等の水膨潤性フッ素雲母系鉱物等も
好ましく用いられる。
【0007】又、該水膨潤性層状無機化合物(A)の膨
潤力は、20℃において、水/アルコール=70/30
(重量比)の混合溶剤に対して、30ml/2g以上、
好ましくは40ml/2g以上、更に好ましくは、50
ml/2g以上であることが好ましく、30ml/2g
未満ではガスバリヤー性が不充分となり好ましくない。
尚、水膨潤性層状無機化合物(A)の膨潤力は、日本ベ
ントナイト工業会 標準試験方法容積法により測定され
るものである。
【0008】又、EVOH(B)としては、特に制限さ
れないが、エチレン含有量が10〜60モル%で、ケン
化度が80モル%以上であることが好ましく、特には溶
解性の点でケン化度が80〜95モル%でエチレン含有
量が10〜60モル%のものであることが好ましい。
又、ガスバリヤー性の点ではケン化度が95モル%以上
でエチレン含有量が10〜40モル%のものであること
が好ましい。エチレン含有量が10モル%未満では、溶
融成形性が低下し、一方60モル%を越えると充分なガ
スバリヤー性が得られなくなり、又、ケン化度が80モ
ル%未満では、ガスバリヤー性や耐有機溶剤(炭化水素
を主成分とする揮発性化合物)性が低下する。
【0009】該EVOH(B)は、透明性、ガスバリヤ
ー性、耐溶剤性等の特性を損なわない範囲で少量のプロ
ピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α
−オクタデセン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸
又はその塩、部分アルキルエステル、完全アルキルエス
テル、ニトリル、アミド、無水物、不飽和スルホン酸又
はその塩等のコモノマーを含んでいても差し支えない。
又、該EVOH(B)のメルトインデックス(MI)は
0.5〜70g/10分(210℃)であることが好ま
しく、更に好ましくは1〜50g/10分(210℃)
である。更に、本発明で使用するEVOH(B)は、1
種類のみならず、エチレン含有量やケン化度の異なる2
種類以上のEVOHを併用することも可能である。
【0010】かくして本発明では、上記水膨潤性層状無
機化合物(A)とEVOH(B)からなるものである
が、該樹脂組成物(I)はその融点(Tm)と結晶化温
度(Tc)の関係が上記式を満足することが必要であ
る。かかる式を満足しない樹脂組成物では、急冷条件
下でのガスバリヤー性の低下抑制が充分でなく本発明の
効果を発揮しない。
【0011】又、本発明では、上記の水膨潤性層状無機
化合物(A)とEVOH(B)からなる樹脂組成物
(I)において、水膨潤性層状無機化合物(A)の配合
量がEVOH(B)100重量部に対して0.05〜2
5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1
〜20重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部であ
る。かかる配合量が0.05重量部未満ではガスバリヤ
ー性が不充分となり、25重量部を越えると溶融成形性
が不良となり好ましくない。
【0012】本発明の樹脂組成物(I)は、上記式を
満足するものであれば、特に制限されず、水膨潤性層状
無機化合物(A)とEVOH(B)を水−アルコール等
の混合溶剤中で溶解し混合した後樹脂組成物としたり、
水−アルコール又は水で膨潤させた水膨潤性層状無機化
合物とEVOH又は含水したEVOHとを二軸押出機で
混練する等、任意に製造可能であるが、好ましくは、水
膨潤性層状無機化合物(A)を、水/アルコール=0/
100〜50/50(重量比)の混合溶剤に分散させた
後、更に水を添加して、水/アルコール=90/10〜
51/49(重量比)に調整し、水膨潤性層状無機化合
物(A)を膨潤させた後、EVOH(B)を混合する製
造方法であり、本発明の効果を顕著に発揮するものであ
る。特に好ましくは、予め、水/アルコール=90/1
0〜51/49(重量比)の混合溶剤に溶解させたEV
OH(B)溶液を混合することが好ましい。尚、通常、
融点(Tm)は結晶化温度(Tc)より高い値を示すも
のである。
【0013】更に、該樹脂組成物(I)の好ましい製造
方法について詳述する。先ず、水膨潤性層状無機化合物
(A)を水/アルコールの混合溶剤に分散させる。水/
アルコールの混合溶剤は水/アルコール=0/100〜
50/50(重量比)、好ましくは20/80〜40/
60(重量比)のものを用いる。該水/アルコールの混
合割合が上記範囲以外では分散性が不良となり本発明の
効果を発揮しない。又、アルコールについてはイソプロ
ピルアルコール、n−プロピルアルコール、メタノー
ル、エタノール等が用いられる。
【0014】次に、更に水を添加して、水/アルコール
=90/10〜51/49(重量比)、好ましくは80
/20〜60/40(重量比)に調整して、水膨潤性層
状無機化合物(A)を膨潤させた後、上記EVOH
(B)を混合する。このときの水/アルコールの割合が
90/10〜51/49(重量比)の範囲以外ではEV
OHの溶解性が不充分となる。
【0015】又、本発明では、EVOH(B)を混合す
るときは、ペレット状や粉末状にて添加したり、予めE
VOH(B)を水/アルコールの混合溶剤に溶解させて
おきEVOH(B)溶液として添加したりする等の方法
がある。中でも、相溶性の点でEVOH(B)溶液とし
て添加することが好ましく、更にはかかるEVOH
(B)溶液にするための水/アルコール混合溶剤の組成
を上記の水/アルコール=90/10〜51/49(重
量比)の範囲で同じ組成比にした混合溶剤を用い溶解し
ておくことが好ましい。EVOH(B)溶液として添加
する場合は、5〜30重量%、好ましくは10〜20重
量%の濃度に調整することが望まれる。
【0016】尚、水を更に添加して水/アルコール=9
0/10〜51/49(重量比)に調整した後は、通常
20〜60℃で0.5〜4時間程度撹拌を行うことで、
水膨潤性層状無機化合物(A)を膨潤させることができ
る。
【0017】かくして得られる樹脂溶液は5〜25℃程
度の冷水中に放出されたり、該樹脂溶液の入った容器を
氷水で冷却されたりして、樹脂組成物として析出され、
乾燥されて本発明の樹脂組成物(I)となるのである。
かかる乾燥については特に限定されず、風乾、熱風乾
燥、赤外線乾燥、真空乾燥等により行われる。又本発明
では、上記製造方法において、樹脂組成物(I)を熱風
乾燥や真空乾燥することにより、本発明の効果を顕著に
発揮することができ、このときの樹脂組成物(I)は、
X線解析において、水膨潤性層状無機化合物(A)に起
因する回折ピークが存在しないものである。
【0018】又、本発明の樹脂組成物(I)には、本発
明の目的が阻害されない範囲内で、他の熱可塑性樹脂
(ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリス
チレン、EVOH等)、可塑剤、熱安定化剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤、乾燥剤、帯電防止
剤等を配合することも可能である。又、ゲル化防止剤と
して、ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノ
ール系、ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪族カル
ボン酸の金属塩を添加することもできる。
【0019】かくして本発明の樹脂組成物(I)は成形
物の用途に多用され、溶融成形等により、ペレット、フ
ィルム、シート、容器、繊維、棒、管、各種形成品等に
成形され、又、これらの粉砕品(回収品を再使用する時
など)やペレットを用いて再び溶融成形に供することも
できる。溶融成形としては、押出成形法(T−ダイ押
出、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、異
型押出等)、射出成形法が主として採用される。溶融成
形温度は150〜250℃の範囲から選ぶことが多い。
【0020】本発明の樹脂組成物(I)は、上述の如き
成形物に用いることができるが、特に該樹脂組成物
(I)からなる層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を
積層してなる積層体として用いることが好ましく、実用
に適した積層体が得られる。
【0021】該積層体を製造するに当たっては、本発明
の樹脂組成物(I)の層の片面又は両面に他の基材を積
層するのであるが、積層方法としては、例えば該樹脂組
成物(I)のフィルム、シートに熱可塑性樹脂を溶融押
出する方法、逆に熱可塑性樹脂等の基材に該樹脂組成物
(I)を溶融押出する方法、該樹脂組成物(I)と他の熱
可塑性物樹脂とを共押出する方法、更には本発明で得ら
れる樹脂組成物(I)のフィルム、シートと他の基材の
フィルム、シートとを有機チタン化合物、イソシアネー
ト化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物
等の公知の接着剤を用いてラミネートする方法等が挙げ
られる。
【0022】共押出の場合の相手側樹脂としては、直鎖
状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプ
ロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜2
0のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペン
テン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれら
のオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又
はそのエステルでグラフト変性したもの等の広義のポリ
オレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合
ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ア
クリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニルエステル系
樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラス
トマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、
EVOH等が挙げられる。上記の中でも、共押出製膜の
容易さ、フィルム物性(特に強度)の実用性の点から、
ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン、ポリエチレン
テレフタレート等が好ましく用いられる。
【0023】更に、本発明の樹脂組成物(I)から一旦
フィルム、シート等の成形物を得、これに他の基材を押
出コートしたり、他の基材のフィルム、シート等を接着
剤を用いてラミネートする場合、前記の熱可塑性以外に
任意の基材(紙、金属箔、一軸延伸又は二軸延伸プラス
チックフイルム又はシート、織布、不織布、金属綿条、
木質面等)が使用可能である。
【0024】積層体の層構成としては、本発明の樹脂組
成物(I)の層をa(a1,a2,・・・)、他の基材、
例えば熱可塑性樹脂層をb(b1,b2,・・・)とする
とき、フィルム、シート、ボトル状であれば、a/bの
二層構造のみならず、b/a/b、a/b/a、a1/
a2/b、a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2等任
意の組合せが可能であり、フィラメント状ではa、bが
バイメタル型、芯(a)−鞘(b)型、芯(b)−鞘
(a)型、或いは偏心芯鞘型等の任意の組み合わせが可
能である。
【0025】又、共押出の場合、aにb、bにaをブレ
ンドしたり、aやbの少なくとも一方に両層面の密着性
を向上させる樹脂を配合することもある。上記樹脂組成
物(I)あるいは積層体は、そのまま各種形状のものに
使用されるが、更には物性改善のために延伸処理を施す
ことが好ましく、かかる延伸については、一軸延伸、二
軸延伸のいずれであってもよく、できるだけ高倍率の延
伸を行ったほうが物性的に良好である。
【0026】延伸方法としては、ロール延伸法、テンタ
ー延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法等の他、
深絞成形、真空成形等の延伸倍率の高いものも採用でき
る。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸
方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は80〜1
70℃、好ましくは100〜160℃程度の範囲から選
ばれる。
【0027】かくして延伸が終了した後、次いで熱固定
を行う。熱固定は周知の手段で実施可能であり、上記延
伸フィルムを緊張状態を保ちながら80〜170℃、好
ましくは100〜160℃で2〜600秒間程度熱処理
を行う。又、得られた延伸フィルムは必要に応じて、冷
却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、
溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加
工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができ
る。本発明では、上記式を満足する樹脂組成物(I)
であるため、急冷条件下においてもガスバリヤー性の低
下を抑制することができ、延伸用のEVOH樹脂組成物
として優れるものである。
【0028】かくして得られる積層体等の成形品の形状
は任意のものであってよく、フィルム、シート、ボト
ル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示さ
れる。上記の如く得られるフィルム、シート或いは容器
等は、一般食品、レトルト食品、医薬品、工業薬品、農
薬等各種の包装材料として有用である。
【0029】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、特に
断わりのない限り、重量基準を意味する。
【0030】実施例1 5lの容器に、イソプロピルアルコール720部を入れ
て、次いで水膨潤性層状無機化合物(A)として天然モ
ンモリロナイト[膨潤力は水/イソプロピルアルコール
=70/30(重量比)の混合溶剤に対して67ml/
2g]120部を添加し撹拌して分散液(イ)を得た。
更に、そこへ水1680部を徐々に加え、40℃で2時
間撹拌して(A)を膨潤させた後、EVOH(B−1)
[エチレン含有量29モル%、ケン化度99.6モル
%、MI(メルトインデックス)8g/10min(2
10℃、荷重2160g)]のペレット600部を添加
し、90℃で2時間撹拌してEVOHを完全溶解させ
た。次に、得られた溶液を4lの冷水(5℃)に流し込
み樹脂組成物を析出させ、真空乾燥を行った。得られた
樹脂組成物の融点(Tm)は188℃で、結晶化温度
(Tc)は165℃であった。
【0031】乾燥して得られた樹脂組成物を単軸押出機
に供給しT−ダイキャスト法にて押出機設定温度230
℃の条件下で製膜を行い、続いてロール温度を15〜2
0℃に設定して厚み30μmのフィルム(急冷フィルム
と称す)を得た。又、比較のため、ロール温度を95〜
100℃に設定して厚み30μmのフィルム(徐冷フィ
ルムと称す)も得た。尚、理学電機製広角X線回折計に
よりBragg角2〜90度でフィルムの回折ピークを
測定したところ、無機化合物による回折ピークは存在し
なかった。
【0032】以下、各項目について下記の如く評価し
た。 (分散時間)上記において水膨潤性層状無機化合物
(A)を溶剤に仕込んでから完全分散した分散液(イ)
が得られるまでの時間を目視により評価した。 (酸素透過度)上記で得られたフィルム(急冷フィル
ム、徐冷フィルム)を、MOCON社のOXTRANを
用いて20℃、100%RHの条件下で測定を行い評価
した。
【0033】実施例2 5lの容器に、イソプロピルアルコール720部、水3
00部を入れて、次いで水膨潤性層状無機化合物(A)
として天然モンモリロナイト[膨潤力は水/イソプロピ
ルアルコール=70/30(重量比)の混合溶剤に対し
て67ml/2g]120部を添加し撹拌して分散液
(ロ)を得た。更に、そこへ水1380部を徐々に加
え、40℃で2時間撹拌して(A)を膨潤させた後、E
VOH(B−1)[エチレン含有量29モル%、ケン化
度99.6モル%、MI(メルトインデックス)8g/
10min(210℃、荷重2160g)]のペレット
600部を添加し、90℃で2時間撹拌してEVOHを
完全溶解させた。得られた溶液を4lの冷水(5℃)に
流し込み樹脂組成物を析出させ、真空乾燥を行った。得
られた樹脂組成物の融点(Tm)は188℃で、結晶化
温度(Tc)は165℃であった。得られた樹脂組成物
について実施例1と同様の評価を行った。
【0034】実施例3〜6 下記表1に示す如き配合にした以外は実施例2と同様に
行い、実施例1と同様の評価を行った。
【0035】比較例1 水1680部中に、水膨潤性層状無機化合物(A)とし
て天然モンモリロナイト[膨潤力は水/イソプロピルア
ルコール=70/30(重量比)の混合溶剤に対して6
7ml/2g]120部を添加し撹拌し、更に、そこへ
イソプロピルアルコール720部を添加し撹拌した後、
EVOH(B−1)[エチレン含有量29モル%、ケン
化度99.6モル%、MI(メルトインデックス)8g
/10min(210℃、荷重2160g)]のペレッ
ト600部を添加した以外は実施例1と同様に行い、実
施例1と同様の評価を行った。
【0036】比較例2 イソプロピルアルコール1200部中に、水膨潤性層状
無機化合物(A)として天然モンモリロナイト[膨潤力
は水/イソプロピルアルコール=70/30(重量比)
の混合溶剤に対して67ml/2g]120部を添加し
撹拌し、更に、そこへ水1000部を添加し撹拌した
後、EVOH(B−1)[エチレン含有量29モル%、
ケン化度99.6モル%、MI(メルトインデックス)
8g/10min(210℃、荷重2160g)]のペ
レット600部を添加した以外は実施例1と同様に行
い、実施例1と同様の評価を行った。
【0037】比較例3 実施例1において、天然モンモリロナイトを添加せず、
EVOH(B−1)のペレット600部を水/イソプロ
ピルアルコール=1680部/720部の混合溶剤に溶
解し、得られたEVOH樹脂を用いた以外は実施例1と
同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。実施例及
び比較例の結果を表2、3に示す。
【0038】
【表1】 水膨潤性層状 (A)を添加す 更に添加 EVOH 無機化合物 る際の溶剤 する水 (B) (A) 水/IPA (部) 種類 量 種類 膨潤度 量(部) (部) (部) 実施例1 モンモリロナイト 67ml/2g 120 0/720 1680 B-1 600 実施例2 モンモリロナイト 67ml/2g 120 300/720 1380 B-1 600 実施例3 モンモリロナイト 96ml/2g 120 0/720 1680 B-1 600 実施例4 モンモリロナイト 96ml/2g 120 0/720 1680 B-2 600 実施例5 Na型フッ素 96ml/2g 120 0/720 1680 B-1 600 四珪素雲母 実施例6 モンモリロナイト 67ml/2g 120 0/720 1680 B-3 600 (固形分) 比較例1 モンモリロナイト 67ml/2g 120 1680/0 720 B-1 600 (IPA) 比較例2 モンモリロナイト 67ml/2g 120 0/1200 1000 B-1 600比較例3 −−− −−− --- (水/IPA=1680/720) B-1 600
【0039】注)膨潤力:水/アルコール70/30
(重量比)に対する値である。 IPA:イソプロピルアルコールである。 EVOH(B−1):エチレン含有量29モル%、ケン
化度99.6モル%、MI(メルトインデックス)8g
/10min(210℃、荷重2160g) EVOH(B−2):エチレン含有量35モル%、ケン
化度98.0モル%、MI(メルトインデックス)12
g/10min(210℃、荷重2160g) EVOH(B−3):EVOH(B−1)を混合前の混
合溶剤と同組成(7/3)の混合溶剤で溶解させたEV
OH溶液
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】 急冷フィルムの 徐冷フィルムの 分散時間 酸素透過度 酸素透過度 (秒) (cc・20μm/m2・day・atm)(cc・20μm/m2・day・atm) 実施例1 1 9 8 実施例2 30 12 10 実施例3 2 8 7 実施例4 2 5 4 実施例5 1 10 8実施例6 1 11 8 比較例1 5430 14 12 比較例2 2 27 20比較例3 −− 37 28
【0042】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物(I)は該樹脂組成
物の融点(Tm)と結晶化温度(Tc)の関係が特定式
を満足するものであるため、ガスバリヤー性や機械物性
に優れた効果を示すのであり、又、樹脂組成物(I)の
製造方法として、水膨潤性層状無機化合物(A)を一旦
特定配合比の水/アルコールの混合溶剤に分散させた
後、更に水を添加して水/アルコールの配合比を調整
し、水膨潤性層状無機化合物(A)を膨潤させた後、E
VOH(B)を混合するとき、水膨潤性層状無機化合物
(A)の分散性がよく、製造時間の短縮が得られるので
ある。これら樹脂組成物(I)はフィルム、シート或い
は容器等に供せられ、一般食品、レトルト食品、医薬
品、工業薬品、農薬等各種の包装材料として有用であ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水膨潤性層状無機化合物(A)とエチレ
    ン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物(B)からなる樹脂
    組成物(I)において、該樹脂組成物(I)の融点(T
    m)と該樹脂組成物(I)の結晶化温度(Tc)の関係
    が下記式を満足することを特徴とする樹脂組成物。 Tc>−0.00796Tm2+3.597Tm−231.716・・・ 但し、Tm:樹脂組成物(I)の融点(℃) Tc:樹脂組成物(I)の結晶化温度(℃) (樹脂組成物(I)の融点(Tm)は差動走査熱量計
    (DSC)により測定される値であり、測定は昇温速度
    10℃/minで、230℃にて1分間ホールドし、そ
    の後降温速度10℃/minで行われる。)
  2. 【請求項2】 水膨潤性層状無機化合物(A)が、20
    ℃において水/アルコール=70/30(重量比)の混
    合溶剤に対して、30ml/2g以上の膨潤力(測定規
    格:日本ベントナイト工業会 標準試験方法容積法)を
    有することを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 水膨潤性層状無機化合物(A)が、スメ
    クタイト又は水膨潤性フッ素雲母系鉱物であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 水膨潤性層状無機化合物(A)の配合量
    が、エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物(B)1
    00重量部に対して0.05〜25重量部であることを
    特徴とする請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化
    物(B)のエチレン含有量が10〜60モル%、ケン化
    度が80モル%以上であることを特徴とする請求項1〜
    4いずれか記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか記載の樹脂組成物
    を少なくとも1層とする積層体。
  7. 【請求項7】 水膨潤性層状無機化合物(A)とエチレ
    ン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物(B)からなる樹脂
    組成物(I)を製造するに当たり、水膨潤性層状無機化
    合物(A)を、水/アルコール=0/100〜50/5
    0(重量比)の混合溶剤に分散させた後、更に水を添加
    して、水/アルコール=90/10〜51/49(重量
    比)に調整して、水膨潤性層状無機化合物(A)を膨潤
    させた後、エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物
    (B)を混合することを特徴とする樹脂組成物の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 予め、水/アルコール=90/10〜5
    1/49(重量比)の混合溶剤に溶解させたエチレン−
    酢酸ビニル系共重合体ケン化物(B)溶液を混合するこ
    とを特徴とする請求項7記載の樹脂組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006097033A (ja) * 2001-01-22 2006-04-13 Kuraray Co Ltd エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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