JPH11273918A - 永久磁石 - Google Patents

永久磁石

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JPH11273918A
JPH11273918A JP10095475A JP9547598A JPH11273918A JP H11273918 A JPH11273918 A JP H11273918A JP 10095475 A JP10095475 A JP 10095475A JP 9547598 A JP9547598 A JP 9547598A JP H11273918 A JPH11273918 A JP H11273918A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高磁気性能を有する永久磁石を設計するための
指針を提供すること。 【解決手段】強磁性相と粒界相が整合である永久磁石、
主相の最外殻近傍での結晶磁気異方性が内部と同等以上
の強さを持ち逆磁区の核生成が抑制されている永久磁
石。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は永久磁石に関し、特
に、永久磁石原料、永久磁石中間体及び最終製品である
永久磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】実用されている永久磁石の保磁力発生機
構には、単磁区粒子理論型、核生成型、及びピニング型
などがある。これらのうち、核生成型の保磁力発生機構
は、単磁区粒子径以上の大きさの結晶粒径を有する焼結
磁石が大きな保磁力を発生する理由を説明するために導
入されたもので、結晶粒界付近における逆磁区の核生成
の容易さが、その結晶粒の保磁力を決定しているという
考え方である。この型の磁石は着磁特性に特徴があり、
初期磁化過程での磁化の飽和は比較的低い印加磁界で起
こるが、十分な保磁力を得るには飽和磁化以上の磁界を
加える必要がある。これは、高い磁界によって粒内に残
存する逆磁区が完全に追い出されることにより、高い保
磁力が発生するためと考えられている。核生成型の保磁
力発生機構を有する磁石には、SmCo5系焼結磁石、Nd-Fe
-B系焼結磁石などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
核生成型磁石に関する従来の技術に以下の問題点がある
ことを知見した。すなわち、従来の技術では核生成型の
磁石の保磁力が逆磁区の核生成に支配されていることが
予見されていたが、逆磁区の核生成を抑制し、保磁力を
向上させる具体的な手段については十分な知見が得られ
ていない。例えば、Nd-Fe-B系焼結磁石ではNd-richな粒
界相の存在が保磁力を高めるはたらきをしていることが
知られているが、そのメカニズムの詳細は不明である。
【0004】本発明は、高い磁気性能を有する永久磁石
を設計するための指針を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】従来、磁石の磁気特性、
なかでも保磁力を決定する主相(以下、本明細書中で
“主相”とは“強磁性を発揮する相”をいうものとす
る、主相は半分以上存在することが好ましい)、粒界相
間の界面の構造が未知であった。このため、従来技術で
は、磁石の製造工程の各種の条件を最適化することで、
経験的に磁石の磁気特性を向上させている。このような
経験的な手法は、試料作成及び評価のための時間及び費
用がかかる上に、磁石特性をさらに向上させるには限界
がある。
【0006】そこで、本発明者らは、経験的な手法に依
拠せず、理想的な界面の構造はどうあるべきかという根
本的な問題を探求した結果、核生成型の保磁力発生機構
を示す種々の磁石材料において、核生成の容易さが磁石
相の最外殻近傍における結晶磁気異方性の大きさに依存
しており、最外殻近傍の異方性定数K1の値を少なくとも
内部と同等、もしくはそれ以上に制御することにより核
生成が抑制され、磁石の保磁力を高めることができるこ
とを見出し、さらに鋭意研究を進めた結果、本発明を完
成するに至ったものである。
【0007】本発明は第1の視点において次の要素を有
する。強磁性相と前記粒界相が整合していること。第2
の視点において、強磁性相と粒界相の界面を挟んだ原子
配列が規則的であること。第3の視点において、粒界相
が、強磁性相に対して整合する結晶型、面指数及び方位
指数(結晶方向)を有して存在すること。第4の視点に
おいて、強磁性相の界面に隣接する位置における結晶磁
気異方性が、強磁性粒子内部の結晶磁気異方性の半分以
上であること。
【0008】第5の視点において、強磁性粒子の最外殻
における結晶磁気異方性が内部の結晶磁気異方性の半分
以上であること。第6の視点において、強磁性粒子の最
外殻における結晶磁気異方性が内部の結晶磁気異方性よ
り高いこと。第7の視点において、強磁性粒子の最外殻
から5原子層以内である外殻の結晶磁気異方性が内部の
結晶磁気異方性より高いこと。第8の視点において、強
磁性粒子の結晶磁気異方性は主として希土類元素の結晶
場によって発現するものであること。強磁性粒子の外殻
に位置する希土類元素イオンに隣接する粒界相におい
て、希土類元素イオンの4f電子雲が伸びている方向に陽
イオンが位置すること。第9の視点において、陽イオン
源は、Be、Mg、Al、Si、P、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Sr、Zr、Nb、Mo、Cd、In、S
n、Ba、Hf、Ta、Ir、Pbの一種以上であること。
【0009】第10の視点において、主として希土類元
素の結晶場によって結晶磁気異方性が発現する強磁性粒
子に陽イオン源を添加すること。少なくとも強磁性粒子
に隣接する粒界相部分に陽イオン源を含む結晶を析出す
ること。強磁性相に隣接する粒界相の結晶構造におい
て、強磁性粒子の最外殻に位置する希土類元素イオンの
4f電子雲が伸びている方向に直交する方向に陽イオン
を位置させること。第11の視点において、強磁性相と
粒界相が整合するように、強磁性相の結晶構造に応じ
て、粒界相の、組成、両相が共存した状態における結晶
型、面指数及び方位指数(結晶方向)を決定すること。
【0010】図1、図2(A)及び(B)を参照して、
主相(強磁性相)と粒界相がその界面で整合している場
合と、整合していない場合とで、界面近傍における結晶
磁気異方性の分布の相違を説明する。図1又は図2
(A)及び(B)において、横軸の"最外殻"とは主相の
最も外側の原子層の位置を示し、"第2層"、"第3層"と
はそれぞれ最外殻位置から内部に向かって数えて2番
目、3番目の原子層の位置を示す。第n層とは最外殻か
らの距離が遠く、界面からの影響が無視できる位置を示
す。図1のグラフ中、縦軸は主相の一軸異方性定数K
1(結晶磁気異方性の強さを示す)の大きさを示し、K1
の値が大きいほど主相の自発磁化の向きは磁化容易軸
(c軸)の方向で安定化する。また、図1中、実施例
(本発明)は図2(A)に示すように主相と粒界相が界
面で整合している条件でのK1の計算値を示し、比較例は
図2(B)に示すように粒界相の欠落などによって界面
の不整合などがある場合のK1の計算値を示している。
【0011】図1を参照して、比較例においては、界面
からの距離によって異方性定数K1の大きさが大きく変化
し、最外殻におけるK1の値が内部に比べて著しく低下し
ている。一方、実施例においては、界面からの距離によ
って異方性定数K1の大きさがあまり変化せず、むしろ最
外殻相において異方性定数K1が上昇している。従って、
比較例によれば、最外殻において逆磁区の核生成に要す
るエネルギーが局所的に低下して核生成と磁化反転が容
易になるため、磁石の保磁力が低下する。一方、実施例
によれば、最外殻におけるK1がむしろ内部より高いた
め、界面における逆磁区の核生成が抑制され、その結果
磁石の保磁力が増加する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を説
明するが、本発明は下記に記載された特定の組成に限定
されるものではなく、永久磁石及びその製造方法全般に
亘る指針を提供するものである。本発明は、特に核生成
型の永久磁石に適用されるが、その他、単磁区粒子理論
型、ピニング型などにも適用可能である。核生成型の永
久磁石を例示すれば、Nd-Fe-B(Nd2Fe14Bなど)、Sm2Fe
17Nx、SmCo5である。ここで、一例として、Nd2Fe14B相
の場合、粒界相の存在が界面近傍における主相の結晶磁
気異方性を高める理由を説明する。
【0013】[粒界相のはたらき]Nd-Fe-B系磁石の主
相であるNd2Fe14B相の結晶磁気異方性は結晶中のNd原子
の位置によって決まる。Nd原子とB原子はNd2Fe14B正方
晶の底面とz=1/2c0の面にのみ存在する。Nd原子は結晶
中で電子を放出してNd3+イオンの形で存在する。
【0014】Nd3+イオンの4f電子はドーナッツ状に拡が
った空間分布をしており、その磁気モーメントJの向き
は4f電子雲が拡がった面に垂直に立っている。Nd3+イオ
ンの4f電子のドーナッツ状の電子雲は底面内で近接する
Nd3+イオンやB3+イオンの+電荷に引っ張られるため、磁
気モーメントJの向きは底面に垂直な方向、すなわちc
軸方向に固定される。これが、Nd2Fe14B相の強い一軸磁
気異方性の原因である。Ndなどの軽希土類とFeなどの遷
移金属との化合物中では、両者の磁気モーメントは交換
相互作用により平行にそろう傾向があり、その結果とし
てNd2Fe14B相全体の磁気モーメントはc軸方向に向く。
【0015】いま、粒界相と共存していないNd2Fe14B結
晶の最外殻を考えると、最も外側のNd3+イオンは、内部
のNd3+イオンに比べて近接するNd3+イオンやB3+イオン
の数が少ない。したがって、上述した4f電子雲の広がり
を底面内方向に固定する力が弱く、その結果として磁気
モーメントのc軸方向への固定が不十分となる。このよ
うな最外殻部分では、結晶磁気異方性が局所的に大きく
低下し、逆磁区の核生成に要するエネルギーが低くな
り、容易に核生成が起こって磁石の保磁力が低下する。
【0016】ここで、主相の最外殻に隣接する形でCaメ
タルなどの粒界相が存在する場合は、欠落したNd3+イオ
ンやB3+イオンの代わりとなる陽イオンが隣接するた
め、粒界相が全くない場合に比べて結晶磁気異方性は高
まる。特に、主相の最外殻Nd3+イオンのa軸方向近傍に
粒界相の強い陽イオンが位置するような両相の位置関係
になった場合、K1の値は主相内部に比べて逆に高くな
り、高保磁力の磁石が得られる。上記の好ましい位置関
係は、主相と粒界相が整合性のある界面で接しており、
かつ両相が特定の結晶方位関係を持つ場合に形成される
率が高くなる。
【0017】粒界相の陽イオンが主相Nd3+イオンのc軸
方向近傍に配置されると、結晶磁気異方性は低くなって
しまう。しかし、実際の界面でのc軸方向の積層順序
は、主相のNd原子層に隣接して粒界相が積層することは
なく、主相のFe原子層の上に粒界相が積層されるため、
粒界相の陽イオンの電荷はFe原子層によって遮蔽され、
結晶磁気異方性はさほど低下しない。
【0018】[界面における結晶学的方位関係]図3
は、互いに整合しているR2TM14B主相(R:Yを含む希土類
元素、TM:FeないしCo)とR-TM粒界相の顕微鏡写真であ
り、図4は図3に示した主相の制限視野電子線回折像で
あり、図5は図3に示した粒界相の制限視野電子線回折
像である。解析の結果、界面における両相の結晶学的方
位関係は、次の通り表され、その方位関係のずれが平行
から5°以内である。
【0019】
【化1】
【0020】このように整合した界面を有する焼結磁石
の保磁力は、同様の組成を有するが界面が整合していな
い焼結磁石の保磁力に対して顕著に高くなる(整合の場
合iHc=15.3kOe、不整合の場合7.2kOe)。なお、界面に
おいて、主相と粒界相が50%以上整合していることが好
ましい。
【0021】[異方性定数]本発明に基づく永久磁石に
おいて、強磁性相の最外殻近傍の異方性定数K1の値は内
部と同等、もしくはそれ以上であることが好ましい。こ
の場合の同等とは、内部での値の少なくとも50%以上で
ある。強磁性粒子の最外殻部における結晶磁気異方性
が、粒界相が存在しない場合の該強磁性粒子の最外殻部
の結晶磁気異方性に比べて強められることが好ましい。
【0022】[結晶磁気異方性の分布]また、非晶質で
ない特定の結晶構造を持ち、かつ室温において強磁性体
である金属、合金、または金属間化合物の少なくとも1
種の結晶粒からなる永久磁石において、該結晶粒の最外
殻位置での結晶磁気異方性が、結晶粒外部の影響が無視
できる結晶粒内部(中心部)と同等であるか、もしくは
向上し、内部に比べて大きく減少することのないことが
好ましい。実用的な保磁力を得るために、結晶粒の最外
殻位置での結晶磁気異方性は、結晶粒外部の影響が無視
できる内部の結晶磁気異方性の半分以上であることが好
ましい。
【0023】[囲まれた主相、離隔構造]非晶質でない
特定の結晶構造を持ち、かつ室温において強磁性体であ
る金属、合金、または金属間化合物からなる主相と,金
属、合金、または金属間化合物からなり、かつ主相の周
囲を取り囲む形で存在する粒界相の少なくとも2相で構
成されることが好ましい。粒界相は、主相を構成する強
磁性相(強磁性粒子)の一部ないし全部を囲むことによ
り保磁力向上が見られる。強磁性相(強磁性粒子)が粒
界相によって半分以上囲まれていることが好ましい。ま
た、主相を構成する一つの強磁性粒子と、他の強磁性粒
子が互いに離隔されていることが好ましい。また、実質
的に非磁性の粒界相によって、一つの強磁性粒子と、他
の強磁性粒子とが部分的ないし全体的に互いに離隔され
ていることが好ましい。
【0024】[主相と粒界相の好ましい組み合わせ]本
発明において、主相として好ましい金属、合金または金
属間化合物は、永久磁石の主相として優れた性質を有す
るものがよく、具体的には、飽和磁化が高く、キュリー
温度が室温以上で十分に高いものがよい。上記の条件を
満たす強磁性体の例を列挙すれば、Fe、Co、Ni、Fe-Co
合金、Fe-Ni合金、Fe-Co-Ni合金、Pt-Co合金、Mn-Bi合
金、SmCo5、Sm2Co17、Ne2Fe14B、Sm2Fe17Nなどがある
が、以上に挙げた例は本発明の適用範囲を限定するもの
ではない。
【0025】本発明において、粒界相として好ましい金
属、合金、または金属間化合物は、室温よりも高く、か
つ、主相の融点、または分解速度よりも低い融点、また
は分解温度を有し、熱処理によって主相の周りに拡散さ
せることが容易なものがよい。また、粒界相を構成する
原子は主相の最外殻原子に対して陽イオンとしてふるま
い、主相の結晶磁気異方性を高めるものが好ましい。上
記の条件を満たす金属を例示すれば、Be、Mg、Ca、Sr、
Ba、すべての遷移金属元素(Zn、Cdを含む)、Al、Ga、
In、Tl、Sn、Pbなどである。また、これらの金属同士の
合金、または金属間化合物も粒界相となり得るが、以上
に挙げた例は本発明の適用範囲を限定するものではな
い。
【0026】上記の主相と粒界相の組み合わせは、例え
ばSmCo5主相とY粒界相のように、両相がある温度域で平
衡に共存するものが好ましい。また、例えばSm2Fe17N
主相とZn相の反応で金属間化合物相(Γ-FeZn)が形成
されるように、主相と第2相とが反応することにより粒
界に好ましい第3相を形成してもよい。後者の場合に
は、第3相が本発明でいうところの粒界相となる。
【0027】[微量添加元素の範囲]本発明において、
主相と粒界相との整合性を高めるために主として金属元
素を微量に添加することは好ましい実施形態である。上
記の微量添加元素は、粒界相に濃縮偏在して界面の濡れ
性を高めたり、あるいは界面の不整合な位置に拡散して
粒界相の格子定数を調整して界面エネルギーを下げ、界
面の整合性を高める効果があり、その結果として磁石の
保磁力が向上する。
【0028】上記の働きをする微量添加元素としては、
粒界相中に固溶しうる元素が好ましく、例えば、Al、S
i、P、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、N
b、Mo、これら以外の上述の金属元素などがあるが、以
上に挙げた例は本発明の適用範囲を限定するものではな
い。上記の目的で添加する元素の添加量は、磁石全体に
対する割合で1.0wt%以下で良好な磁石の残留磁束密度が
得られ、0.05wt%以上で所定の効果が得られるので、添
加量の範囲は0.05〜1.0wt%が好ましい。より好ましい範
囲は0.1〜0.5wt%である。微量添加元素の添加方法は、
母合金に初めから含有させる、粉末冶金的手法で後から
添加するなど、磁石の製造方法に応じて適宜選択でき
る。また、上記微量元素などが主相(強磁性相)に侵入
し又は主相を構成する元素を置換してもよい。
【0029】[磁性相と粒界相の結晶構造]粒界相の結
晶構造は、磁性相の結晶構造と似ていることが好まし
い。さらに、粒界相の結晶構造と磁性相の結晶構造とが
特定の方位関係にあることが好ましい。これによって、
粒界相側の特定原子と主相側の特定原子の整合性が高ま
る。例えば、正方晶R2TM14B金属間化合物(R:Yを含む希
土類元素、TM:FeまたはCo)からなる主相と、R-TM合金
からなる粒界相から構成される永久磁石においては、該
主相と該粒界相の界面近傍における該粒界相の結晶構造
が面心立方構造であることが好ましい。さらに、面指数
と方位指数に関して、該主相と該粒界相との界面近傍に
おける結晶学的方位関係が下記の通りであることが好ま
しい。
【0030】
【化2】
【0031】正方晶R2TM14B金属間化合物(R:Yを含む希
土類元素、TM:FeまたはCo)からなる主相と、R3TM合金
からなる粒界相から構成される永久磁石においては、該
主相と該粒界相の界面近傍における該粒界相の結晶構造
が斜方晶構造であることが好ましい。さらに、面指数と
方位指数に関して、該主相と該粒界相との界面近傍にお
ける結晶学的方位関係が下記の通りであることが好まし
い。
【0032】
【化3】
【0033】粒界相は、その主相との界面近傍(高々数
原子層)の原子が主相側と整合であればよく、非晶質、
部分的に非晶質、ほとんどが非晶質であってもよい。ま
た、界面の一部が整合であることによって効果が得られ
るが、界面の半分以上が整合であることが好ましい。ま
た、主相と粒界相は、その界面近傍に格子欠陥がなく連
続性が維持され規則的であることが好ましいが、一部格
子欠陥があってもよい。
【0034】本発明に基づく永久磁石において、強磁性
相はある条件下で実用的な保磁力を示すものであればよ
く、金属、合金、金属間化合物、半金属、その他の化合
物の一種以上から構成することが可能である。また、本
発明の原理は、永久磁石原料から中間体さらに最終製品
としての永久磁石及びそれらの製造方法まで適用され
る。例えば、永久磁石原料としては、鋳造粉砕法、急冷
薄板粉砕法、超急冷法、直接還元法、水素含有崩壊法、
アトマイズ法によって得られる粉末がある。中間体とし
ては、粉砕されて粉末冶金法の原料とする急冷薄板、熱
処理されて一部又は全部が結晶化する非晶質体(一部又
は全部)がある。最終製品である永久磁石としては、そ
れらの粉末を焼結又はボンド等によってバルク化した磁
石、鋳造磁石、圧延磁石、さらに、スパッタリング法、
イオンプレーティング法、PVD法又はCVD法などに
よる薄膜磁石などがある。さらに、永久磁石原料又は最
終製品として永久磁石の製造方法として、メカニカルア
ロイング法、ホットプレス法、ホットフォーミング法、
熱間・冷間圧延法、HDDR法、押出法、ダイアップセット
法などがあり、特に限定されない。
【0035】
【実施例】[実施例1]粒径10μmのNd2Fe14B結晶粒を磁
界中で配向しながらプレス成形した後、成形体の表面に
200μm以下に砕いたCaメタルを5wt%だけまぶして、真空
中で800℃、1h加熱した後、冷却した。得られた試料は
主相であるNd2Fe14B結晶粒の周りをCaメタルの粒界相が
囲んだ構造になっており、両相は整合な界面を介して直
接接していた。この試料の保磁力は1.3MA/mであった。
【0036】[比較例1]実施例1で得られた成形体を、
そのまま真空中で1060℃、1h加熱した後、冷却した。得
られた試料のNd2Fe14B結晶粒は、互いの接点で焼結ネッ
クを形成している他は多くの空隙を含み、空隙部の結晶
粒の表面には酸化物相が形成されていた。この試料の保
磁力は0.1MA/mであった。
【0037】[実施例2]粒径10μmのSm2Fe17Nx(xは約
3)結晶粒の表面に無電解メッキ法によりZnを2wt%だけコ
ーティングし、その後、真空中で450℃、1h加熱した
後、冷却した。得られた試料は、主相であるSm2Fe17Nx
結晶粒の周りをZnメタル相が囲んだ構造になっており、
両相は整合な界面を介して直接接していた。この試料の
保磁力は1.9MA/mであった。
【0038】[比較例2]実施例2で得られたZnメッキ後
の試料は、主相とZnメタル相の界面の結晶性が乱れてお
り、界面の整合性がなかった。この試料の保磁力は0.3M
A/mであった。
【0039】[実施例3]基板を700℃に加熱しながらス
パッタリング法で作製した厚さ80μmのSmCo5薄膜の表面
に、基板を400℃に加熱しながらYをスパッタリング法で
厚さ5μmになるようにコーティングした。X線回折によ
り、得られた試料膜中のSmCo5の結晶構造は六方晶のCaC
u5型構造、Yは六方最密構造であるLa型構造をとってお
り、両者の結晶方位はいずれもc軸が膜面に垂直であっ
た。また、透過電子顕微鏡で試料の断面組織を観察した
結果、SmCo5相は直径数μmの柱状晶をなしており、ま
た、SmCo5相とY相の界面は整合であった。この薄膜の保
磁力は1.5MA/mであった。
【0040】[比較例3]実施例3で得られた厚さ80μm
のSmCo5薄膜の表面に、基板加熱をせずにYをスパッタリ
ング法で厚さ5μmになるようにコーティングした。得ら
れた試料膜中のSmCo5の結晶構造は六方晶のCaCu5型構
造、Yは六方最密構造であるLa型構造をとっており、SmC
o5相の結晶方位はc軸が膜面に垂直であったが、Y相の
c軸は膜面に対してランダムな方向に向いていた。ま
た、SmCo5相とY相の界面は不整合であった。この薄膜の
保磁力は0.2MA/mであった。
【0041】[実施例4:微量添加元素の実施例]粒径1
0μmのSm2Co17粉末90gと、Zrを0.2wt%含有するNd合金の
粉末10gを混合し、磁界中で成形した後、真空中、1150
℃で2h焼結し、室温まで冷却した。得られた焼結体はSm
2Co17の主相とNd-Zr合金の粒界相からなり、両相の界面
は整合であった。この焼結体の保磁力は1.1MA/mであっ
た。
【0042】[比較例4]粒径10μmのSm2Co17粉末90g
と、Ndの粉末10gを混合し、磁界中で成形した後、真空
中、1150℃で2h焼結し、室温まで冷却した。得られた焼
結体はSm2Co17の主相とNdの粒界相からなっていた。両
相の界面付近には多くの積層欠陥や転位が見られ、界面
は不整合であった。この焼結体の保磁力は0.4MA/mであ
った。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、高い磁気性能(特に保
磁力)を有する永久磁石を設計するための指針が提供さ
れる。従来、保磁力を決定する主相と粒界相間の界面の
構造が未知であったが、本発明によって、保磁力を向上
させるための理想的な界面の構造が明らかにされたこと
により、新たな永久磁石の開発の指針が提供されると共
に、既存の永久磁石の保磁力のさらなる向上が可能とな
る。この結果、新規な磁石材料の発見が容易となり、今
まで保磁力が低いため実用されていない永久磁石の実用
化も可能となり、また最適組成決定も容易化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】界面からの距離と結晶磁気異方性の関係を説明
するための図であって、白丸が実施例の一軸異方性定数
K1、黒丸が比較例の一軸異方性定数K1を示す。
【図2】(A)は主相と粒界相が整合している様子を示
すモデル図、(B)主相と粒界相が整合していない様子
を示すモデル図である。
【図3】主相と粒界相が整合している永久磁石を撮影し
た電子顕微鏡写真である。
【図4】図3に示した主相側の制限視野電子線回折像を
示す結晶構造の写真である。
【図5】図3に示した粒界相側の制限視野電子線回折像
を示す結晶構造の写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】図1、図2(A)及び(B)を参照して、
主相(強磁性相)と粒界相がその界面で整合している場
合と、整合していない場合とで、界面近傍における結晶
磁気異方性の分布の相違を説明する。図1又は図2
(A)及び(B)において、横軸の"最外殻"とは主相の
最も外側の原子層の位置を示し、"第2層"、"第3
層"とはそれぞれ最外殻位置から内部に向かって数えて
2番目、3番目の原子層の位置を示す。第n層とは最外
殻からの距離が遠く、界面からの影響が無視できる位置
を示す。図1のグラフ中、縦軸は主相の一軸異方性定数
K1(結晶磁気異方性の強さを示す)の大きさを示し、K1
の値が大きいほど主相の自発磁化の向きは磁化容易軸
(c軸)の方向で安定化する。また、図1中、実施例
(本発明)は図2(A)に示すように主相と粒界相が界
面で整合している条件でのK1の計算値を示し、比較例は
図2(B)に示すように粒界相の欠落などによって界面
の不整合などがある場合のK1の計算値を示している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】図1を参照して、比較例においては、界面
からの距離によって異方性定数K1の大きさが大きく変化
し、最外殻におけるK1の値が内部に比べて著しく低下し
ている。一方、実施例においては、界面からの距離によ
って異方性定数K1の大きさがあまり変化せず、むしろ最
外殻相において異方性定数K1が上昇している。従って、
比較例によれば、最外殻において逆磁区の核生成に要す
るエネルギーが局所的に低下して核生成と磁化反転が容
易になるため、磁石の保磁力が低下する。一方、実施例
によれば、最外殻におけるK1がむしろ内部より高いた
め、界面における逆磁区の核生成が抑制され、その結果
磁石の保磁力が増加する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】Nd3+イオンの4f電子はドーナッツ状に拡が
った空間分布をしており、その磁気モーメントJの向き
は4f電子雲が拡がった面に垂直に立っている。Nd3+イオ
ンの4f電子のドーナッツ状の電子雲は底面内で近接する
Nd3+イオンやB3+イオンの+電荷に引っ張られるため、磁
気モーメントJの向きは底面に垂直な方向、すなわちc
軸方向に固定される。これが、Nd2Fe14B相の強い一軸磁
気異方性の原因である。Ndなどの軽希土類とFeなどの遷
移金属との化合物中では、両者の磁気モーメントは交換
相互作用により平行にそろう傾向があり、その結果とし
てNd2Fe14B相全体の磁気モーメントはc軸方向に向く。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】[異方性定数]本発明に基づく永久磁石に
おいて、強磁性相の最外殻近傍の異方性定数K1の値は内
部と同等、もしくはそれ以上であることが好ましい。こ
の場合の同等とは、内部での値の少なくとも50%以上で
ある。強磁性粒子の最外殻部における結晶磁気異方性
が、粒界相が存在しない場合の該強磁性粒子の最外殻部
の結晶磁気異方性に比べて強められることが好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】上記の主相と粒界相の組み合わせは、例え
ばSmCo5主相とY粒界相のように、両相がある温度域で平
衡に共存するものが好ましい。また、例えばSm2Fe17N3
主相とZn相の反応で金属間化合物相(Γ-FeZn)が形成
されるように、主相と第2相とが反応することにより粒
界に好ましい第3相を形成してもよい。後者の場合に
は、第3相が本発明でいうところの粒界相となる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】[磁性相と粒界相の結晶構造]粒界相の結
晶構造は、磁性相の結晶構造と似ていることが好まし
い。さらに、粒界相の結晶構造と磁性相の結晶構造とが
特定の方位関係にあることが好ましい。これによって、
粒界相側の特定原子と主相側の特定原子の整合性が高ま
る。例えば、正方晶R2TM14B金属間化合物(R:Yを含む希
土類元素、TM:FeまたはCo)からなる主相と、R-TM合金
からなる粒界相から構成される永久磁石においては、該
主相と該粒界相の界面近傍における該粒界相の結晶構造
が面心立方構造であることが好ましい。さらに、面指数
と方位指数に関して、該主相と該粒界相との界面近傍に
おける結晶学的方位関係が下記の通りであることが好ま
しい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】正方晶R2TM14B金属間化合物(R:Yを含む希
土類元素、TM:FeまたはCo)からなる主相と、R3TM合金
からなる粒界相から構成される永久磁石においては、該
主相と該粒界相の界面近傍における該粒界相の結晶構造
が斜方晶構造であることが好ましい。さらに、面指数と
方位指数に関して、該主相と該粒界相との界面近傍にお
ける結晶学的方位関係が下記の通りであることが好まし
い。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】界面からの距離と結晶磁気異方性の関係を説明
するための図であって、白丸が実施例の一軸異方性定数
K1、黒丸が比較例の一軸異方性定数K1を示す。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】図1、図2(A)及び(B)を参照して、
主相(強磁性相)と粒界相がその界面で整合している場
合と、整合していない場合とで、界面近傍における結晶
磁気異方性の分布の相違を説明する。図1又は図2
(A)及び(B)において、横軸の”最外殻”とは主相
の最も外側の原子層の位置を示し、”第2層”、”第3
層”とはそれぞれ最外殻位置から内部に向かって数えて
2番目、3番目の原子層の位置を示す。第n層とは最外
殻からの距離が遠く、界面からの影響が無視できる位置
を示す。図1のグラフ中、縦軸は主相の一軸異方性定数
(結晶磁気異方性の強さを示す)の大きさを示し、
の値が大きいほど主相の自発磁化の向きは磁化容易
軸(c軸)の方向で安定化する。また、図1中、実施例
(本発明)は図2(A)に示すように主相と粒界相が界
面で整合している条件でのKの計算値を示し、比較例
は図2(B)に示すように粒界相の欠落などによって界
面の不整合などがある場合のKの計算値を示してい
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】図1を参照して、比較例においては、界面
からの距離によって異方性定数Kの大きさが大きく変
化し、最外殻におけるKの値が内部に比べて著しく低
下している。一方、実施例においては、界面からの距離
によって異方性定数Kの大きさがあまり変化せず、む
しろ最外殻相において異方性定数Kが上昇している。
従って、比較例によれば、最外殻において逆磁区の核生
成に要するエネルギーが局所的に低下して核生成と磁化
反転が容易になるため、磁石の保磁力が低下する。一
方、実施例によれば、最外殻におけるKがむしろ内部
より高いため、界面における逆磁区の核生成が抑制さ
れ、その結果磁石の保磁力が増加する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】Nd3+イオンの4f電子はドーナッツ状
に拡がった空間分布をしており、その磁気モーメントJ
の向きは4f電子雲が拡がった面に垂直に立っている。
Nd3+イオンの4f電子のドーナッツ状の電子雲は底
面内で近接するNd3+イオンやB3+イオンの+電荷
に引っ張られるため、磁気モーメントJの向きは底面に
垂直な方向、すなわちc軸方向に固定される。これが、
NdFe14B相の強い一軸磁気異方性の原因であ
る。Ndなどの軽希土類とFeなどの遷移金属との化合
物中では、両者の磁気モーメントは交換相互作用により
平行にそろう傾向があり、その結果としてNdFe
14B相全体の磁気モーメントはc軸方向に向く。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】[異方性定数]本発明に基づく永久磁石に
おいて、強磁性相の最外殻近傍の異方性定数Kの値は
内部と同等、もしくはそれ以上であることが好ましい。
この場合の同等とは、内部での値の少なくとも50%以
上である。強磁性粒子の最外殻部における結晶磁気異方
性が、粒界相が存在しない場合の該強磁性粒子の最外殻
部の結晶磁気異方性に比べて強められることが好まし
い。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】上記の主相と粒界相の組み合わせは、例え
ばSmCo主相とY粒界相のように、両相がある温度
域で平衡に共存するものが好ましい。また、例えばSm
Fe17主相とZn相の反応で金属間化合物相
(Γ−FeZn)が形成されるように、主相と第2相と
が反応することにより粒界に好ましい第3相を形成して
もよい。後者の場合には、第3相が本発明でいうところ
の粒界相となる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】[磁性相と粒界相の結晶構造]粒界相の結
晶構造は、磁性相の結晶構造と似ていることが好まし
い。さらに、粒界相の結晶構造と磁性相の結晶構造とが
特定の方位関係にあることが好ましい。これによって、
粒界相側の特定原子と主相側の特定原子の整合性が高ま
る。例えば、正方晶RTM14B金属間化合物(R:
Yを含む希土類元素、TM:FeまたはCo)からなる
主相と、R−TM合金からなる粒界相から構成される永
久磁石においては、該主相と該粒界相の界面近傍におけ
る該粒界相の結晶構造が面心立方構造であることが好ま
しい。さらに、面指数と方位指数に関して、該主相と該
粒界相との界面近傍における結晶学的方位関係が下記の
通りであることが好ましい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】正方晶RTM14B金属間化合物(R:
Yを含む希土類元素、TM:FeまたはCo)からなる
主相と、RTM合金からなる粒界相から構成される永
久磁石においては、該主相と該粒界相の界面近傍におけ
る該粒界相の結晶構造が斜方晶構造であることが好まし
い。さらに、面指数と方位指数に関して、該主相と該粒
界相との界面近傍における結晶学的方位関係が下記の通
りであることが好ましい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】界面からの距離と結晶磁気異方性の関係を説明
するための図であって、白丸が実施例の一軸異方性定数
、黒丸が比較例の一軸異方性定数Kを示す。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性相と粒界相を有し、前記強磁性相と
    前記粒界相が整合していることを特徴とする永久磁石。
  2. 【請求項2】前記強磁性相と前記粒界相の界面を挟んだ
    原子配列が規則的であることを特徴とする請求項1記載
    の永久磁石。
  3. 【請求項3】前記粒界相が、前記強磁性相に対して整合
    する結晶型、面指数及び方位指数を有して存在すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の永久磁石。
  4. 【請求項4】前記強磁性相の界面に隣接する位置におけ
    る結晶磁気異方性が、該強磁性相内部の結晶磁気異方性
    の半分以上であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか一記載の永久磁石。
  5. 【請求項5】強磁性粒子の最外殻における結晶磁気異方
    性が、該強磁性粒子内部の結晶磁気異方性の半分以上で
    あることを特徴とする永久磁石。
  6. 【請求項6】前記強磁性粒子の最外殻における結晶磁気
    異方性が、該強磁性粒子内部の結晶磁気異方性より高い
    ことを特徴とする請求項5記載の永久磁石。
  7. 【請求項7】前記強磁性粒子の最外殻から5原子層以内
    である外殻の結晶磁気異方性が該強磁性粒子内部の結晶
    磁気異方性より高いことを特徴とする請求項6記載の永
    久磁石。
  8. 【請求項8】主として希土類元素の結晶場によって結晶
    磁気異方性が発現する強磁性粒子と、粒界相と、を含
    み、 前記強磁性粒子の最外殻に位置する希土類元素イオンに
    隣接する前記粒界相において、前記希土類元素イオンの
    4f電子雲が伸びている方向に陽イオンが位置することを
    特徴とする永久磁石。
  9. 【請求項9】前記陽イオン源は、Be、Mg、Al、Si、P、C
    a、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Sr、
    Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn、Ba、Hf、Ta、Ir、Pbの一種以
    上であることを特徴とする請求項8記載の永久磁石。
  10. 【請求項10】主として希土類元素の結晶場によって結
    晶磁気異方性が発現する強磁性粒子に陽イオン源を添加
    し、 少なくとも前記強磁性粒子に隣接する粒界相部分に前記
    陽イオン源を含む結晶を析出し、該強磁性粒子に隣接す
    る粒界相の結晶構造において、該強磁性粒子の最外殻に
    位置する希土類元素イオンの4f電子雲が伸びている方
    向に陽イオンを位置させることを特徴とする永久磁石の
    製造方法。
  11. 【請求項11】強磁性相と粒界相が整合するように該強
    磁性相の結晶構造に応じて、該粒界相の組成、両相が共
    存した状態における結晶型、及び面指数及び方位指数を
    設定することを特徴とする永久磁石の設計方法。
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