JPH11242830A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光記録媒体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11242830A
JPH11242830A JP10199808A JP19980898A JPH11242830A JP H11242830 A JPH11242830 A JP H11242830A JP 10199808 A JP10199808 A JP 10199808A JP 19980898 A JP19980898 A JP 19980898A JP H11242830 A JPH11242830 A JP H11242830A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
substrate
recording medium
optical recording
inner peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10199808A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Daiko
高志 大胡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP10199808A priority Critical patent/JPH11242830A/ja
Publication of JPH11242830A publication Critical patent/JPH11242830A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 両基板間に介在される接着剤の厚さの均一性
に優れ、且つ基板の中心穴に接着剤がはみ出すことなく
美観的にも優れた光記録媒体を提供する。 【解決手段】 中心穴27を有する第1基板15と第2
基板20とを、接着剤26を介してスピンコート法によ
り貼り合わせた円盤状の光記録媒体であって、前記第1
の基板と前記第2の基板の内周部の貼り合わせ面側に形
成されるスタンパークランプ溝21の外縁が、光記録媒
体中心から半径13mm以内の位置に形成されており、
且つ前記接着剤が前記スタンパークランプ溝内には充填
されずに光記録媒体中心から半径13mm以内の位置ま
で充填されるように構成する。これにより、両基板間に
介在される接着剤の厚さの均一性に優れ、且つ基板の中
心穴に接着剤がはみ出すことなく美観的にも優れた構造
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体層を有し
た円盤状の基板を2枚貼り合わせた光ディスク等の光記
録媒体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より円盤状の透明基板の一方の面に
未記録の記録層、或いは、予め所定の情報信号を凹凸ピ
ットとして記録してこの上に反射膜を付着している記録
層を形成したもの等、透明基板に記録層を形成したディ
スク基板を用いて、前記記録層の面が互いに対向するよ
うに接着剤を介して貼り合わせてディスクを形成し、こ
のディスクの両面、或いは片面よりレーザ光によって情
報の記録再生を行う貼り合わせ型の光ディスクが実用化
されている。そして、近年になり、DVD(Digit
al Versatile Disc)と称される小型
(直径が12cm、片面のディスク基板厚が0.6m
m)で高密度記録が可能なデジタル・バーサタイル・デ
ィスクが商品化されつつある。このDVDに代表される
貼り合わせ型光ディスクについて説明する。
【0003】図23に一般的な貼り合わせ型の光記録媒
体としての光ディスクの断面図を示す。従来の貼り合わ
せ型の光ディスクの製造方法は、予め情報ピットが形成
されたスタンパーを射出成形機などの樹脂成形機の金型
部品に取り付け、このスタンパーによってポリカーボネ
ートやアクリルなどの透明なプラスチック樹脂を射出成
形等することにより、情報ピット1aが転写された透明
な第1基板2を作製する。そしてこの透明な第1基板2
の内周部には、スタンパーを金型部品に固定するための
スタンパークランプに当たる部分が凹状のスタンパーク
ランプ溝3となってリング状に残っている。このスタン
パークランプ溝3は、透明基板2の複屈折特性の向上に
も効果的であるため、ごく一般的に形成されている。
【0004】このようにして作製した第1基板2の情報
ピット1a上にアルミを主成分とする金属などの反射膜
4を形成する。5は透明な第2基板であり、第1基板2
と同様に情報ピット1bとスタンパークランプ溝6と反
射膜7が形成されている。これら二つの基板2、5を、
互いの反射膜面が対向するように例えば紫外線硬化型樹
脂製の接着剤8を介して貼り合わせる。また、どちらか
一方の基板の内周部には、出来上がったディスクの中心
孔にストッパピンを挿入して重ねて保管する時に、上下
のディスクの接触による傷付き防止や製造装置のハンド
リングミスの防止の為に、断面凸状のインナーガード9
と称される部分がリング状に一般的に設けられている。
尚、10は中心穴である。
【0005】この貼り合わせ型の光ディスクの従来の製
造方法を図24を用いて説明する。反射膜4まで形成さ
れた第1基板2を回転テーブル11上に載置固定し、こ
れを低速回転(60rpm程度)させながら接着剤8を
中周付近にドーナツ状に塗布する(図24(a))。そし
て、その上に第2基板5をその反射膜7の面を下にして
重ねる(図24(b))。その後、これらの基板2,5を
高速回転させて接着剤8を振り切りった後(図24
(c))、紫外線12を照射することにより接着剤8を硬
化させて両基板2、5を貼り合わせる(図24(d))。
【0006】この従来の光ディスクでは、二枚の基板の
両方に情報ピットを設けてそれぞれの面よりそれぞれの
層の情報ピットを再生する両面単層タイプの光ディスク
について説明したが、片方の基板の反射膜を、反射率が
20〜30%の半透明膜にすることによって、図25に
示したようにディスクの片面から二層の情報を読み取る
ことが可能な片面二層タイプの光ディスクとなる。片面
二層タイプの貼り合わせディスクの一部を構成する第1
基板15は、ディスク最内周部のスタンパークランプ溝
16と、スタンパークランプ溝16と情報記録領域であ
るデータ記録エリア18との間のディスククランプエリ
ア17と、このディスククランプエリア17の周囲のデ
ータ記録エリア18を覆うようにして形成した全反射を
行なう反射膜19とを備えている。また、片面二層タイ
プの貼り合わせディスクの一部を構成する第2基板20
は、ディスク最内周部のスタンパークランプ溝21と、
スタンパークランプ溝21と情報記録領域であるデータ
記録エリア23との間のディスククランプエリア22
と、このディスククランプエリア22の周囲のデータ記
録エリア23を覆う半透明膜24とを備えている。ま
た、この第2基板20の反対側の面の内周部にはリング
状のインナーガード25が設けられている。各基板1
5、20の内側面には、図23にて示した場合と同様に
それぞれ情報ピット28a、28bが形成されているの
は勿論であり、このディスクでは、片面側から2層の情
報を読み出すため、ここでは少なくとも第2基板20は
透明な基板よりなる。
【0007】尚、図中、27は中心穴である。そして、
このような片面二層タイプの貼り合わせディスクでは、
二つのデータ記録エリア18、23の情報を第2基板2
0側から選択的に再生可能とするため、接着剤26の厚
みを40〜70μmに設定する必要があり、更にディス
ク全面の接着剤26の厚さのp−p値(最大値−最小
値)(以下、面内p−p値と言う)を20μm以下と
し、更に同一半径における接着剤26の厚さのp−p値
(以下、一周変動と言う)を8μm以下にする必要があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
貼り合わせ型の光ディスクでは、両面単層タイプ、片面
二層タイプ共に接着剤8,26の厚さを上記の範囲に入
れることが困難であった。また、スピンコート法により
貼り合わせる場合では、第1基板4,15上に接着剤
8,26をドーナツ状に塗布し、その上に第2基板5,
20を重ねた後で高速回転するときに、接着剤8,26
が基板の内周側に拡がるときに、この拡がり速度が、周
囲の温度変化により接着剤の粘度が変化して安定しない
為、ディスク内周部の接着剤の充填位置が安定せず、場
合によっては中心穴からはみ出すなどの問題があった。
【0009】これらの問題に対して特開平9−4490
6号公報では、基板の接着面側の中心穴の周囲にリング
状の凸部を形成し、両基板を貼り合わせたときに厚さ分
の間隔を保持できるようにする方法が提案されている。
しかし、スピンコートによる貼り合わせでは、この方法
を用いた場合、40μm以上の厚さは確保できるものの
内外周差が大きくなり、面内p−p値を20μm以下に
入れることが難しい。また、特開平8−321074号
公報や、特開平9−63124号公報では、スタンパー
クランプ溝を接着剤の溜まり溝として利用したり、それ
とは別に基板内周部の貼り合わせ面側にリング状の溝を
設け、接着剤の溜まり溝とする方法が提案されている。
しかし、この溜まり溝に接着剤が入るとこの接着剤の硬
化の際の収縮により、溝内に空洞ができて外観上美観を
損ねる。そこで、上記特開平8−321074号公報で
はこの問題に対して、溜まり溝の上にも反射膜を設ける
ことにより解決しているが、この場合には接着面が反射
膜同士になり接着強度が不足して信頼性に乏しくなる。
また、溜まり溝に接着剤が溜まった状態でディスクを高
速回転すると、接着層の厚さの一周変動が大きくなって
しまう。この一周変動が大きくなると、片面二層ディス
クに限らず、記録層とダミー層とを貼り合わせた片面単
層、両面単層ディスクの場合でも、樹脂の硬化収縮のア
ンバランスによる反り角の悪化という問題が生じる。ま
た、スピンコート法による貼り合わせでは、接着剤の充
填ムラや接着剤への気泡の混入といった問題も合わせ持
っている。この充填ムラや気泡の問題は、美観だけでは
なく、二枚の基板の接着力や反射膜の腐食といったディ
スクの信頼性の部分にも影響を及ぼす問題であり、早急
に解決しなければならない問題である。
【0010】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものであり、その目
的は両基板間に介在される接着剤の厚さの均一性に優
れ、且つ基板の中心穴に接着剤がはみ出すことなく生産
性や美観的にも優れた光記録媒体及びその製造方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した課
題に対して鋭意検討を重ねた結果、両基板間に介在され
る接着剤の充填範囲と接着剤の厚さ分布との間に密接な
関係が存在する、という知見を得ることにより本発明に
至ったものである。すなわち、請求項1に記載する発明
は、中心穴を有する第1基板と第2基板とを、接着剤を
介してスピンコート法により貼り合わせた円盤状の光記
録媒体であって、前記第1の基板と前記第2の基板の内
周部の貼り合わせ面側に形成されるスタンパークランプ
溝の外縁が、光記録媒体中心から半径13mm以内の位
置に形成されており、且つ前記接着剤が前記スタンパー
クランプ溝内には充填されずに光記録媒体中心から半径
13mm以内の位置まで充填されているようにしたもの
である。これによりスピンコートで接着剤を充填した時
にこの接着剤の厚さの面内p−p値及び厚さの一周変動
を抑制でき、これを一層均一化させることができる。こ
の場合にも、接着剤の硬化前の粘度は100〜1000
cps(at 25℃)の範囲内に設定するのが好まし
い。
【0012】また、前記中心穴の中心から前記接着剤の
内周端までの距離の一周中における変動量(最大値−最
小値)が3mm以下とすること及び前記接着剤の内周端
の厚さが10μm以上300μm以下の範囲内とするこ
とが、接着剤の厚さの面内p−p値の抑制及びこの厚さ
の一周変動を抑制する上から特に好ましい。更に、上述
のように、両基板間に介在される接着剤の内周端の厚さ
を限定することにより、接着剤の充填ムラの発生や接着
剤中への気泡の混入等を防ぐことができ、生産性や信頼
性に富んだ光記録媒体を提供することができる。
【0013】また、請求項5に記載する方法発明は、第
1基板と第2基板とをスピンコート法にて貼り合わせて
光記録媒体を製造する方法において、前記第1基板をそ
の貼り合わせ面を上にして回転テーブル上に保持する工
程と、前記第1基板の中心穴の周囲に液体状の接着剤を
塗布する工程と、前記第2基板をその貼り合わせ面を下
にして前記接着剤の上に重ねる工程と、高速回転により
前記接着剤を前記第1基板と第2基板の間に充填させる
工程と、紫外線照射により前記接着剤を硬化させる工程
とを有する光記録媒体の製造方法であって、前記第2基
板を貼り合わせ面を下にして前記接着剤の上に重ねる工
程は、前記第2基板の内周部をリング状の部品で押し込
む工程を含むようにしたものである。
【0014】また、請求項6に記載する発明は、第1基
板と第2基板とを貼り合わせて光記録媒体を製造する方
法において、前記第1基板をその貼り合わせ面を上にし
て回転テーブル上に保持する工程と、前記第1基板の中
心穴の周囲に液体状の接着剤を塗布する工程と、前記第
2基板をその貼り合わせ面を下にして前記接着剤の上に
重ねる工程と、高速回転により前記接着剤を前記第1基
板と第2基板の間に充填させる工程と、紫外線照射によ
り前記接着剤を硬化させる工程とを有する光記録媒体の
製造方法であって、前記第2基板をその貼り合わせ面を
下にして前記接着剤の上に重ねる工程は、前記第2基板
の内周部をリング状の部品で押し込む工程の後に、中周
部をリング状の部品で押し込む工程を加えるという2段
階の工程にしたものである。このように、第2基板の貼
り合わせ接合時に、その内周部を或いは内周部と中周部
をリング状の部品で押し込むようにしたので、基板間に
介在される接着剤の厚さの均一性を向上させることがで
きる。この場合、第2基板のインナーガードの上を押し
込むようにしたり、リング状の部品の接する部分に第2
基板の材質よりも柔らかい材質のものを用いたりするの
がよい。また更に、上記押し込み位置は、第2基板の記
録媒体中心から半径30mmより外周の領域であるのが
好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る光記録媒体
及びその製造方法の一実施例を添付図面に基づいて詳述
する。尚、図25に示す光記録媒体と同一部分について
は同一符号を付して説明する。まず、本発明に至った経
緯について説明する。本発明者は、接着剤の厚みの均一
性について鋭意検討を重ねた結果、接着剤の充填位置
(半径)と接着剤の厚さ分布との間に密接な関係がある
ことを見出した。つまり図1に示す部分断面図のよう
に、第1基板15上に接着剤26をドーナツ状に塗布
し、第2基板20を重ねた後、接着剤26の内周への拡
がりが不十分な状態で高速回転を始めると、内周部の空
洞領域30が高速回転時の空気の流れによって生じる力
31によって上から押されることで、内周部の厚さが極
端に薄くなり、結果的に面内p−p値が大きくなってし
まうのである。従って、図2に示すように、接着剤26
をある程度内周部まで拡げることで、力31に対する抵
抗力を持たせる必要があることを見出したのである。
【0016】また、スタンパークランプ溝16、21の
中に接着剤26が浸入した状態で両基板15,20を高
速回転をすると、スタンパークランプ溝16,21の中
と外で接着剤26の厚さが大きく異なるので接着剤26
の表面張力に差が生じることで、高速回転中の接着剤2
6の移動速度にも差が生じる。この差によって、スタン
パークランプ溝16、21とディスククランプエリア2
2との境界で、接着剤26の流れが不規則になり、これ
が内周部の接着剤26の厚さの一周変動の悪化の原因と
なることから、絶対にスタンパークランプ溝16、21
の中に接着剤を浸入させてはならないことを見出したの
である。更に、図18に示すように、接着剤26の内周
部への進行が不均一になって接着剤26の内周端形状が
楕円形等になると、内周部の空洞領域が一周中で不均一
になる。その結果、高速回転時の空気の流れによって生
じる力31によって上から押されたときの基板15,2
0の変形量が一周中で不均一になり、特に内周部での接
着剤26の厚さの一周変動が大きくなるのである。この
時、高速回転前の接着剤26の内周部への進行状態と高
速回転後の接着剤26の充填状態にも相関があるので、
貼り合わせ後の接着剤26の内周端の位置の一周変動を
コントロールすることで、接着剤26の厚さの一周変動
を小さくできるのである。
【0017】そして、従来、接着剤26の溜まり溝とし
て使用されていたスタンパークランプ溝16、21に接
着剤26を入れないように、接着剤26の充填位置を安
定させる為には、第2基板20を重ねてから第2基板2
0の内周部を上から押圧し、強制的に接着剤26を内周
部に拡げることが効果的であることを見出した。第2基
板20の自重で接着剤26を拡げる場合は、その速度は
接着剤26の粘度や濡れ性に依存するが、接着剤26の
粘度が100〜1000cpsの範囲であれば、第2基
板20の自重で下がる速度以上の速度で上から押圧する
ことにより、粘度や濡れ性のファクターをキャンセルで
きるのである。
【0018】また、基板15,20が歪んでいる場合
は、接着剤26の内周への拡がりが楕円形になったり不
均一な形になってしまうが、第2基板20を押圧するこ
とにより、その歪みが矯正され、接着剤26が均一に拡
がることができるのである。更に、第2基板20の内周
部を押す時に、インナーガード25の上を押圧すること
で、接着剤26の厚さの一周変動が大幅に小さくなるこ
とを見出した。つまり、インナーガード25の上を押す
ことで、この時用いる押し込み部品と第2基板20との
接触面積が小さくなり、接着剤26に伝わる力がより均
一になるのである。また、押し込み部品の材質も厚さ分
布に影響しており、基板材料よりも柔らかい材質、例え
ばウレタンゴム等を使用することで、さらに均一な力で
押すことが出来る。
【0019】そして、更に、第2基板20の内周部を押
してからそれ以外の部分、例えば中周部付近或いは外周
部付近を押圧することで接着剤26の厚さの面内p−p
値が小さくなることも見出した。高速回転の前の状態で
の接着剤26の厚さ分布の傾向は、高速回転後にも残っ
てしまうため、第2基板20の内周部を押圧するという
動作は、接着剤26の内周部の厚さが薄くなるため、面
内p−p値に対しては不利に働く。そこで、第2基板2
0の内周部を押圧してから更に中周部或いは外周部を押
圧するという動作を加えることで接着剤26を内外周に
均一に拡げることができ、厚さ分布の均一なディスクの
作製が可能となるのである。また、本発明者は、接着剤
26の充填ムラや接着剤26への気泡の混入といった問
題は、内周部の接着剤26の厚さをコントロールするこ
とで解決できることを見出した。片面二層ディスクの場
合は接着剤26の厚さが限定されているが、片面単層、
或いは両面単層ディスクの場合は特に限定されてはいな
いので、接着剤26の厚さはある程度自由に設定でき
る。この時、内周部の接着剤26の厚さが厚すぎると、
内周のクランプエリア付近に接着剤26の充填ムラが生
じ易くなるのである。つまり、貼り合わせ後の接着剤2
6の厚さが厚いということは、高速回転前の接着剤26
の厚さが厚く、二枚の基板15,20の間隔が大きいと
いうことである。この二枚の基板15,20の間隔が大
きい状態で高速回転を始めると、中心穴27側からエア
ーを巻き込み易くなり、内周部に充填ムラを生じてしま
うのである。このエアーの巻き込みの発生を避けるため
に回転数を落とすという方法も考えられるが、その場
合、基板15,20を重ねたときに発生する気泡が抜け
難くなってしまう。そして、この気泡の抜けの良し悪し
は内周部の接着剤26の厚さとも密接に関係しており、
接着剤26の厚さが薄すぎると気泡が抜け難くなるので
ある。つまり、貼り合わせ後の接着剤26の厚さが薄い
ということは、高速回転前の接着剤26の厚さが薄いと
いうことである。高速回転中の接着剤26の移動速度
は、表面張力の働きにより接着剤26の厚さが薄いほど
遅くなり、それにともなって気泡の抜けも悪くなるので
ある。このように、接着剤26の厚さは厚すぎても薄す
ぎてもディスク品質上の問題が生じ、最適な範囲が存在
することを見出したのである。
【0020】以上説明したような事項に基づいて本発明
はなされた。以下、本発明を具体的に説明すると、図3
は本発明に係る光記録媒体を示す拡大断面図、図4は光
記録媒体のプラスチック基板を成形する際に用いる金型
の部分断面図である。図3に示す光記録媒体が、図25
に示す光記録媒体と構造上異なる点は、スタンパークラ
ンプ溝16、21に接着剤26がはみ出していない点で
ある。ここでは光記録媒体として、片面から二層の情報
を読み取ることが可能な片面二層タイプの光ディスクを
例にとって説明する。
【0021】片面二層タイプの貼り合わせディスクの一
部を構成する第1基板15は、ディスク最内周部のスタ
ンパークランプ溝16と、スタンパークランプ溝16と
第1の情報記録領域であるデータ記録エリア18との間
のディスククランプエリア17と、このディスククラン
プエリア17の周囲のデータ記録エリア18を覆うよう
にして形成した全反射を行なう反射膜19とを備えてい
る。また、片面二層タイプの貼り合わせディスクの一部
を構成する第2基板20は、ディスク最内周部のスタン
パークランプ溝21と、スタンパークランプ溝21と第
2の情報記録領域であるデータ記録エリア23との間の
ディスククランプエリア22と、このディスククランプ
エリア22の周囲のデータ記録エリア23を覆う半透明
膜24とを備えている。また、この第2基板20の反対
側の面の内周部にはリング状のインナーガード25が設
けられている。各基板15、20の内側面には、図25
にて示した場合と同様にそれぞれ情報ピット28a、2
8bが形成されているのは勿論であり、このディスクで
は、片面側から2層の情報を読み出すため、ここでは少
なくとも第2基板20は透明な基板よりなる。また、こ
の光ディスクの半径は略60mmである。尚、図中、2
7は中心穴である。
【0022】ここで本発明の光ディスクにおいては、ス
タンパークランプ溝16、21の外縁は、ディスク中心
から半径13mmまでの範囲内に形成されており、ま
た、接着剤26はディスク中心から半径13mmの範囲
内の所定の位置からディスク外周まで充填されている。
そして、スタンパークランプ溝16、21内には接着剤
26が充填されないようにしている。換言すれば、接着
剤26は、ディスク外周からスタンパークランプ溝1
6、21の外縁までの間に充填されており、それよりも
内側へは入ってこないような状態としている。
【0023】この光ディスクを形成する金型32(図4
参照)は、第1基板15のデータ記録エリア23に情報
ピット28aを転写するためのデータ記録エリア転写部
33を有するスタンパー34と、このスタンパー34を
取り付けて主として情報ピット28aを成形する第1金
型部品35と、第2金型部品36とを備えている。そし
て、この第2金型部品36には、スタンパー34を第1
金型部品35に保持するスタンパークランプ37が突出
し、このスタンパークランプ37により第1基板15に
はスタンパークランプ溝16が形成される。この時、ス
タンパークランプ溝16の外縁の半径rが例えば11m
m程度の位置にくるようにスタンパー34の内径とスタ
ンパークランプ37の形状を設定する。
【0024】このようにして成形された第1基板15の
情報ピット28aの上には、スパッタリング法や真空蒸
着法により反射膜19が形成される。この反射膜19と
しては、例えばAl、Ni、Au等の金属膜を用いるこ
とが出来る。第2基板20にはインナーガード25が形
成される他は第1基板15と同様に成形した後、情報ピ
ット28bの上に半透明膜24が形成される。この半透
明膜24としては、例えばAu、SiN、SiCが用い
られる。そして、図24を参照して説明した方法に従っ
て、第1基板15上の半径が25mm程度の位置に接着
剤26をドーナツ状に2.5g程度塗布した後、第2基
板20を重ね、高速回転をかけることで二枚の基板1
5、20の間に接着剤26を拡散充填させて余分な接着
剤を振り切り、その後、紫外線を照射し硬化させて貼り
合わせた。すなわち、図24に示すように反射膜19ま
で形成された第1基板15を回転テーブル11上に載置
固定し、これを低速回転(60rpm程度)させながら
接着剤26を中周付近にドーナツ状に塗布する(図24
(a))。そして、その上に第2基板20をその半透明膜
24の面を下に向けて重ねる(図24(b))。その後、
これらの基板15、20を高速回転させて接着剤26を
振り切りった後(図24(c))、紫外線12を照射する
ことにより接着剤26を硬化させて両基板15、20を
貼り合わせる(図24(d))。尚、図24において本発
明の光ディスクの部材の参照番号は括弧で囲んで記載し
ている。
【0025】このように、半径が60mmのディスクに
おいてスタンパークランプ溝16、21の外縁がディス
ク中心から13mm離れた位置よりもディスク中心側に
位置するように溝16、21を形成し、且つ、接着剤2
6をこの溝16、21の外縁からディスク外周まで充填
させることにより、この接着剤26の厚さの面内p−p
値及び厚さの一周変動を抑制でき、全体的に接着剤の厚
さを均一化させることができる。ここで、接着剤26の
充填位置の内周端に対する接着剤26の面内p−p値及
び一周変動の関係について説明する。接着剤26が充填
される位置(半径)は、接着剤26の塗布径をずらすこ
とで変えた。すなわち接着剤26の塗布径をディスク内
周にずらすと、より内周まで接着剤26が充填される。
この時の結果を図5及び図6に示す。図5は接着剤の厚
さの面内p−p値を示し、図6は接着剤の厚さの一周変
動を示す。この時、スタンパークランプ溝16、21の
外縁までの半径rは11mmであり、図6における一周
変動は半径が22mmにおける円周上での値を検査し
た。
【0026】図5に示すように接着剤充填位置の内周端
が13mmよりも小さい時は、接着剤26の厚さの面内
p−p値は小さいが、内周端が13mmを越えて大きく
なると、面内p−p値は基準値20μmを越えて急激に
大きくなり、特性が劣化することが判明する。また、図
6に示すように、接着剤充填位置の内周端が11mmよ
りも大きい時は、接着剤26の厚さの一周変動は小さい
が、内周端が11mmを越えて小さくなると、換言すれ
ば接着剤26がスタンパークランプ溝16,21内に入
り込むと、一周変動は基準値8μmを越えて急激に大き
くなり、特性が劣化することが判明する。従って、接着
剤26の厚さの内外周差と一周変動の両特性を良好にす
るためには、半径が略60mmの光ディスクにおいて接
着剤26の充填位置の範囲は、ディスクの半径13mm
より内側からディスクの外周までとし、且つスタンパー
クランプ溝16、21内には充填しないようにすること
が必要である。この条件を満足することにより、接着剤
26の厚さの均一性を高く維持することができる。
【0027】次に、具体的にスタンパークランプ溝1
6,21に接着剤26を充填した場合と充填しなかった
場合における上記両特性について検討した。すなわち、
上述したスタンパークランプ溝16,21の外縁の位置
をディスク半径方向に変え、その溝16,21の中に接
着剤26を入れずに外縁まで接着剤26が充填されるよ
うに両基板15,20を貼り合わせた場合と、溝16,
21の中にまで接着剤26を充填させた場合の接着剤2
6の厚さ分布を調べた。その結果を図7及び図8に示
す。図7はスタンパークランプ溝の外縁の半径と接着剤
の厚さの面内p−p値との関係を示すグラフであり、図
8はスタンパークランプ溝の外縁の半径と接着剤の厚さ
の一周変動との関係を示すグラフである。図7によれ
ば、スタンパークランプ溝16,21の外縁の半径が1
3mmよりも小さい時には、接着剤26をスタンパーク
ランプ溝16,21の外縁で止めた場合も溝16,21
内に入れた場合も、共に接着剤26の厚さの面内p−p
値は20μmよりも小さくて良好な特性を示している
が、スタンパークランプ溝16,21の外縁の半径が1
3mmを越えて大きくなると、接着剤26を溝16,2
1の外縁で止めた場合も溝16,21内に入れた場合も
共に大きくなり始め、特に、接着剤26を溝16,21
の外縁で止めた場合には面内p−p値は急激に大きくな
って特性が悪化している。
【0028】また、図8によれば、接着剤26の厚さの
一周変動は、スタンパークランプ溝16,21の外縁の
半径に関係なく、接着剤26をスタンパークランプ溝1
6,21の中まで入れた場合には、常に基準値8μmよ
りも大きくて特性が悪く、逆に、溝16,21の外縁で
止めた場合には常に基準値8μmよりも小さくて特性が
良好である。従って、図7及び図8に示す結果から、ス
タンパークランプ溝16,21の外縁の半径を13mm
以下に設定し、かつ接着剤をその外縁の位置で止めるこ
とにより、接着剤26の厚さ分布を大幅に向上させるこ
とができる点が確認された。
【0029】次に、接着剤26をスタンパークランプ溝
16,21の外縁で安定して止めるために接着剤26の
硬化前の粘性について検討を加えた。ここでは、接着剤
26の塗布位置の半径を30mmとし、第2基板20を
重ねた後に1mm/secの速度で第2基板20のディ
スククランプエリア22をリング状の押し込み部品で押
し込んでから高速回転を行った。この時、接着剤26の
粘度を50cps〜2000cps(at 25℃)までふ
り、内周部への充填具合を観察したところ、100cp
s〜1000cps(at 25℃)の範囲であれば、接着剤
26をスタンパークランプ溝16,21の外縁で安定し
て止めることができる点を確認できた。次に、接着剤2
6の内周端の位置の一周変動について検討した。図19
に示すように第1基板15上に接着剤26をドーナツ状
に塗布する際に、意識的にそのドーナツ状の形を崩して
塗布することで、高速スピン・紫外線照射後の接着剤2
6の内周端の形状がディスク中心を中心とした円形では
なく、内周端がやや楕円形状となるように貼り合わせ
た。この時、ディスク中心から接着剤26の内周端まで
の距離Dの一周中における変動量(Dmax (最大値)−
Dmin (最小値))とr=22mmにおける接着剤26
の厚さの一周変動との関係を調べた。尚、Dmax−Dmin
の値は、接着剤26の塗布形状の崩し具合を調節するこ
とで変化させた。この時の結果を図20に示す。このグ
ラフより明らかなように、Dmax−Dmin の値を3mm以
下にすることで接着剤26の厚さの一周変動を大幅に抑
えられることが確認できた。
【0030】次に、上記押し込み部品の接触位置につい
て検討を行なった。ここでは、第2基板20の押し込み
の位置を、ディスククランプエリア22を押圧した場合
とインナーガード25の上を押圧した場合のそれぞれの
接着剤26の厚さの一周変動の比較を行った。接着剤2
6の粘度を500cpsとし、リング状の押し込み部品
の材質はアルミニウムとした。その結果を図9に示す。
この結果から、ディスク半径方向におけるどの位置にお
いてもディスククランプエリア22を押圧した場合より
もインナーガード25を押圧した方が一周変動の特性は
良く、従って、ディスククランプエリア22よりもイン
ナーガード25の上から第2基板20を押圧するすこと
によって、接着剤26の厚さの一周変動が大幅に小さく
なることが確認できた。
【0031】次に、インナーガード25を押す場合の押
し込み部品の材質について検討した。ここでは、リング
状の押し込み部品の材質をアルミニウムとウレタンゴム
とにしてインナーガード25を押すことにより上述した
と同様の実験を行った。結果を図10に示す。この結果
から、ディスク半径方向におけるどの位置においても押
し込み部品の材質をアルミニウムにした場合よりもウレ
タンゴムにした方が良好な特性を示しており、従って、
押し込み部品の材質は柔軟性を持っている方が接着剤2
6の厚さ分布が均一になることが確認された。
【0032】次に、押し込み部品による押し込み位置の
適否について検討を行なった。ここでは、半径が60m
mの基板を用いて、第2基板20のディスククランプエ
リア22を押し込み部品で押し込んで押圧しただ後、第
2基板20のディスク中心からの半径が30〜35mm
の範囲、30〜45mmの範囲、30〜60mmの範
囲、40〜50mmの範囲、40〜60mmの範囲の各
地点をそれぞれリング状の押し込み部品で押し込んで押
圧し、接着剤26の外周端がディスクの外周端まで到達
してから高速回転を行った。この時の接着剤26の厚さ
の面内p−p値の比較を図11に示す。尚、接着剤26
は粘度500cps(at 25℃)のものを使用した。図1
1から明らかなように、ディスククランプエリア22の
みを押し込んで押圧するよりも、他の部分も押し込んで
押圧することにより面内p−p値が改善されており、特
に、ディスククランプエリア22に加えて、中周の部分
(半径30〜45mm)或いは中周から外周の部分(半
径30〜60mm)の部分を併せて押し込むと、接着剤
26の厚さの面内p−p値を更に小さくすることができ
る点が判明した。次に、接着剤26の内周端の厚さにつ
いて検討を行った。第2基板20のクランプエリア22
の押し込み量と接着剤26の塗布位置を変えることで、
スピン開始前の接着剤26の内周端の厚さを変えてみ
た。つまり、接着剤26の内周端の厚さを厚くするとき
は接着剤26をより内周側に塗布して押し込み量を小さ
くし、逆に、接着剤26の内周端の厚さを薄くするとき
は接着剤26をより外周側に塗布して押し込み量を大き
くした。そして、貼り合わせ後のディスクの外観を観察
したところ、スピン開始前の接着剤26の内周端の厚さ
が厚すぎると、スピンした時に中心穴27側からエアー
を巻き込むことで、内周部に接着剤26の充填ムラが生
じることが確認された。ここで、貼り合わせ後の接着剤
26の内周端の厚さとこの充填ムラの歩留まりとの関係
を調べたので、その結果を図21に示す。このグラフか
ら明らかなように、内周端の厚さが300μm以上にな
ると歩留まりが急激に悪化することが分かった。尚、こ
の時のスピン回転数は3000rpmで行ったが、スピ
ン回転数を抑えることで充填ムラの発生は抑制すること
ができる。しかしながら、スピン回転数を抑えると、目
的の膜厚にするためには回転時間を増やす必要があり、
生産サイクルが延びるという問題が生じると共に、第2
基板20を重ねたときに発生する気泡が抜け難くなると
いう問題も生じる。また、この充填ムラの発生は接着剤
26の粘度とも関係しており、粘度が低い程エアーを巻
き込み易くなる。ただし、粘度が低ければ回転数を落と
すことが可能なので、充填ムラと接着剤26の内周端の
厚さの関係において粘度のファクターはキャンセルでき
ることになる。また、第2基板20のクランプエリア2
2の押し込みを行わない貼り合わせ法、つまり第2基板
20の自重によって接着剤26を拡げる方法を用いた場
合でも同様な傾向を示し、内周部の接着剤26の充填ム
ラの発生は内周部の接着剤26の膜厚を管理することで
抑えることが可能であり、接着剤26の内周端の厚さは
300μm以下にする必要があることが確認された。一
方、接着剤26の内周端の厚さが薄すぎると、第2基板
20を重ねたときに発生する気泡が、スピンの時に抜け
難くなるという問題が生じることが明らかとなった。そ
して貼り合わせ後の接着剤26の内周端の厚さとこの気
泡混入の歩留まりとの関係を調べた。その結果を図22
に示す。このグラフから明らかなように、内周端の厚さ
が10μm以下になると歩留まりが急激に悪化すること
が分かった。この気泡の抜け易さも接着剤の粘度と関係
している。接着剤26の粘度が高い程気泡は抜け難くな
るので、それに合わせて回転数を調節する必要がある。
従って、同じ膜厚で比較した場合、高粘度のものは高回
転数、低粘度のものは低回転数でスピンさせるので、気
泡の混入と接着剤26の内周端の厚さの関係において粘
度のファクターはキャンセルできることになる。
【0033】尚、上記各実施例にあっては、同じ厚さの
基板15,20を用いたが、貼り合わせディスクの場
合、必ずしも2枚の基板の厚さが同じである必要はな
く、図12及び図13に示すように厚さの異なる基板同
士を貼り合わせた構造でも良い。また、反射膜19と半
透明膜24が対向するように両基板15、20を接合す
る場合にのみならず、図13に示すように反射膜19が
外側に向くように両基板15、20を接合するようにし
てもよい。この場合には、反射膜19の上に紫外線硬化
樹脂等よりなる保護膜40を形成する。更に、本実施例
においては、二層再生型の光ディスクについてのみ示し
たが、これに限られるものではなく図14乃至図16に
示すように三層或いは四層の構造であっても良い。つま
り、図14に示す場合には、第2基板20の表面に、半
透明膜41で覆われたデータ記録エリア(第2の情報記
録領域)42を別途設け、この上に保護層43を設けて
三層構造としている。図15に示す場合には、第1基板
15と第2基板20との間に2層の接着剤26、44を
連続的に設け、この2層の接着剤26、44の接合面の
いずれか一方に、半透明膜45で覆った第2の情報記録
領域としてのデータ記録エリア46を設けて三層構造と
している。
【0034】図16に示す場合には、第1基板15と第
2基板20との間に、第2の第2基板47を介在させて
おり、この第2の第2基板47の両面にそれぞれ半透明
膜48、49に覆われたデータ記録エリア60、61を
設けて、全体で四層構造としている。この場合、接着剤
26は第2の第2基板47の両面側に二層設けられる。
また、以上の各実施例は、基板を2枚以上用いた場合に
ついて説明したが、図17に示すように第1基板に変え
てスタンパーを用いて光ディスクを形成するようにして
もよい。この場合、光ディスクとしては、第2基板20
のみが構成部品となりスタンパーはデータ記録エリア形
成後に剥がされる。すなわち、ここでは、半透明膜24
が形成された第2基板20上に、順次、第1接着剤5
0、半透明膜51で覆ったデータ記録エリア52、第2
接着剤53、反射膜54で覆ったデータ記録エリア55
及び保護層56を積層して三層構造としている。この場
合、各データ記録エリアを形成するためにスタンパーを
使う毎に、このスタンパーを前述した第1基板と同様に
機能させる。これにより、各接着剤50、53の厚さを
均一化させることができる。
【0035】また、本実施例では、スピンコート法を用
い、接着剤26,44,50,53として紫外線硬化樹
脂を使用した例を示したが、当然のことながらこれに限
定されるものでなく、スピンコート法により貼り合わせ
が可能な液体状の接着剤、例えば2液型のエポキシ系接
着剤や嫌気性接着剤、プライマー硬化型接着剤、シアノ
アクリレート系接着剤などを用いてもよいことは本発明
の趣旨から明らかである。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光記録媒
体及びその製造方法によれば、次のように優れた作用効
果を発揮することができる。請求項1に記載した発明に
よれば、接着剤をディスク中心から半径13mm以内に
まで充填させ、且つ基板の貼り合わせ面側の内周部に形
成されているスタンパークランプ溝内に接着剤を浸入さ
せないようにすることで、接着剤の厚みの均一性に優れ
た高品位な光記録媒体を提供できる。請求項2乃至4に
記載の発明によれば、接着剤の粘度を100〜1000
cpsとし、光記録媒体の中心穴の中心から接着剤の内
周端までの距離の一周中における変動(最大値−最小
値)を3mm以下に設定することによって、接着剤の厚
みの一周変動を小さくすることができ、高品質な光記録
媒体を提供できる。また、接着剤の内周端の厚さを10
μm以上300μm以下に設定することによって、接着
剤の充填ムラや接着剤への気泡の混入を防ぐことがで
き、美観に優れ、かつ信頼性に富んだ光記録媒体を提供
できる。また、請求項6乃至9に記載する方法発明によ
れば、第2基板を接着剤の上に重ねる工程に、第2基板
の内周部を押し込む、或いは第2基板の内周部と中周部
を2段階に押し込むという工程を加えることによって、
接着剤の厚みの均一性に優れた高品位な光記録媒体とそ
の製造方法を提供できる。更に、スタンパークランプ溝
への接着剤の浸入を防ぐことが容易になり、美観に優れ
た高品位な光記録媒体とその製造方法を提供できる。ま
た、2枚の基板の間の接着剤の進行が速まると共に安定
化するので、ハイサイクル化が可能になるのみならず、
生産性の向上によるコストダウン等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】2つの基板間に接着剤を充填した時に厚みが不
均一になる時の状態を示す図である。
【図2】2つの基板間に接着剤を充填した時に厚みを均
一化させるための手法を示す図である。
【図3】本発明に係る光記録媒体を示す拡大断面図であ
る。
【図4】光記録媒体のプラスチック基板を成形する際に
用いる金型の部分断面図である。
【図5】接着剤の厚さの面内p−p値を示す図である。
【図6】接着剤の厚さの一周変動を示す図である。
【図7】スタンパークランプ溝の外縁の半径と接着剤の
厚さの面内p−p値との関係を示すグラフである。
【図8】スタンパークランプ溝の外縁の半径と接着剤の
厚さの一周変動との関係を示すグラフである。
【図9】押し込み部材の押し込み位置を検討するための
グラフである。
【図10】押し込み部材の材質を検討するためのグラフ
である。
【図11】押し込み部材の押し込み位置を検討するため
のグラフである。
【図12】本発明の光記録媒体の変形例を示す概略断面
図である。
【図13】本発明の光記録媒体の変形例を示す概略断面
図である。
【図14】本発明の光記録媒体の変形例を示す概略断面
図である。
【図15】本発明の光記録媒体の変形例を示す概略断面
図である。
【図16】本発明の光記録媒体の変形例を示す概略断面
図である。
【図17】本発明の光記録媒体の変形例を示す概略断面
図である。
【図18】接着剤が不均一に内周部に進行した光ディス
クを示す断面図である。
【図19】接着剤が不均一に内周部に進行した光ディス
クを示す断面図である。
【図20】接着剤の厚さの一周変動量と距離Dの変動量
との関係を示すグラフである。
【図21】接着剤充填ムラの歩留りの変化を示すグラフ
である。
【図22】気泡混入の歩留りの変化を示すグラフであ
る。
【図23】一般的な貼り合わせ型の光記録媒体としての
光ディスクを示す断面図である。
【図24】貼り合わせ型の光ディスクの従来の製造方法
を説明するための図である。
【図25】従来の片面二層タイプの光ディスクを示す断
面図である。
【符号の説明】
15…第1基板、16…スタンパークランプ溝、18…
データ記録エリア(第1の情報記録領域)、23,4
2,46…データ記録エリア(第2の情報記録領域)、
19…反射膜、20…第2基板、21…スタンパークラ
ンプ溝、24,41,45,48,49,51…半透明
膜、25…インナーガード、26,44,50,53…
接着剤、28a,28b…情報ピット。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心穴を有する第1基板と第2基板と
    を、接着剤を介してスピンコート法により貼り合わせた
    円盤状の光記録媒体であって、前記第1の基板と前記第
    2の基板の内周部の貼り合わせ面側に形成されるスタン
    パークランプ溝の外縁が、光記録媒体中心から半径13
    mm以内の位置に形成されており、且つ前記接着剤が前
    記スタンパークランプ溝内には充填されずに光記録媒体
    中心から半径13mm以内の位置まで充填されているこ
    とを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記接着剤の硬化前の粘度は100〜1
    000cps(at 25℃)であることを特徴とする請求項
    1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記中心穴の中心から前記接着剤の内周
    端までの距離の一周中における変動量(最大値−最小
    値)が3mm以下であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記接着剤の内周端の厚さが10μm以
    上300μm以下の範囲内であることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 第1基板と第2基板とをスピンコート法
    にて貼り合わせて光記録媒体を製造する方法において、
    前記第1基板をその貼り合わせ面を上にして回転テーブ
    ル上に保持する工程と、前記第1基板の中心穴の周囲に
    液体状の接着剤を塗布する工程と、前記第2基板をその
    貼り合わせ面を下にして前記接着剤の上に重ねる工程
    と、高速回転により前記接着剤を前記第1基板と第2基
    板の間に充填させる工程と、紫外線照射により前記接着
    剤を硬化させる工程とを有する光記録媒体の製造方法で
    あって、前記第2基板を貼り合わせ面を下にして前記接
    着剤の上に重ねる工程は、前記第2基板の内周部をリン
    グ状の部品で押し込む工程を含んでいることを特徴とす
    る光記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 第1基板と第2基板とを貼り合わせて光
    記録媒体を製造する方法において、前記第1基板をその
    貼り合わせ面を上にして回転テーブル上に保持する工程
    と、前記第1基板の中心穴の周囲に液体状の接着剤を塗
    布する工程と、前記第2基板をその貼り合わせ面を下に
    して前記接着剤の上に重ねる工程と、高速回転により前
    記接着剤を前記第1基板と第2基板の間に充填させる工
    程と、紫外線照射により前記接着剤を硬化させる工程と
    を有する光記録媒体の製造方法であって、前記第2基板
    をその貼り合わせ面を下にして前記接着剤の上に重ねる
    工程は、前記第2基板の内周部をリング状の部品で押し
    込む工程の後に、中周部をリング状の部品で押し込む工
    程を加えるという2段階の工程になっていることを特徴
    とする光記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第2基板をその貼り合わせ面を下に
    して前記接着剤の上に重ねる前記工程は、前記第2基板
    のインナーガードの上をリング状の部品で押し込む工程
    を含んでいることを特徴とする請求項5または6に記載
    の光記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記リング状の部品の前記第2基板に接
    する部分の材質は、前記第2基板の材質よりも柔らかい
    材質であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか
    に記載の光記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第2基板の中周部をリング状の部品
    で押し込む工程は、前記第2基板の記録媒体中心から半
    径30mmより外周の領域を押し込むことを特徴とする
    請求項6乃至8のいずれかに記載の光記録媒体の製造方
    法。
JP10199808A 1997-12-25 1998-06-30 光記録媒体及びその製造方法 Pending JPH11242830A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10199808A JPH11242830A (ja) 1997-12-25 1998-06-30 光記録媒体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-367221 1997-12-25
JP36722197 1997-12-25
JP10199808A JPH11242830A (ja) 1997-12-25 1998-06-30 光記録媒体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11242830A true JPH11242830A (ja) 1999-09-07

Family

ID=26511764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10199808A Pending JPH11242830A (ja) 1997-12-25 1998-06-30 光記録媒体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11242830A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100397512C (zh) * 2005-02-01 2008-06-25 精碟科技股份有限公司 光学记录媒体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100397512C (zh) * 2005-02-01 2008-06-25 精碟科技股份有限公司 光学记录媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4338688B2 (ja) 光情報記録媒体の製造方法
US6404730B2 (en) Optical disk having a groove and a projection for combining two disk members
KR101096348B1 (ko) 광학 기록 매체 및 그 제조 방법
JP4174151B2 (ja) 光ディスク
JP3375478B2 (ja) 光情報媒体および光情報媒体製造方法
JPH11242830A (ja) 光記録媒体及びその製造方法
WO2007135907A1 (ja) 多層光記録媒体の製造方法
JPH0997452A (ja) 多層光学記録媒体の製造方法
JPH10275362A (ja) 光学式貼り合わせディスク及びその成形金型
JP4174555B1 (ja) 光ディスクの製造方法
JP4258096B2 (ja) 光記録媒体の製造装置及び製造方法
JP2569627Y2 (ja) 光ディスク用基板
JP4071956B2 (ja) 多層光記録媒体
JP3181558B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2003123319A (ja) 光情報媒体、光情報媒体製造方法および光情報媒体製造装置
JP4112423B2 (ja) 多層光情報記録媒体の製造方法
JP2001014738A (ja) 光記録媒体の製造方法
JP3037715B2 (ja) 光情報記録媒体の製造方法
JP3375271B2 (ja) 光ディスク製造方法及び光ディスク
JPH10112081A (ja) 光ディスクの貼り合わせ方法および貼り合わせ装置ならびにこの方法による光ディスク
JPS61110350A (ja) 情報担体ディスクの製造方法
JP3607517B2 (ja) 光情報媒体の製造方法
JPH11110818A (ja) 光記録媒体
JP4118573B2 (ja) 光ディスク基板の製造方法
JPH09306041A (ja) 貼り合わせ型光記録媒体の製造方法