JPH11201224A - 減衰コマ、減衰棒およびこれらを使用する減衰装置 - Google Patents

減衰コマ、減衰棒およびこれらを使用する減衰装置

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JPH11201224A
JPH11201224A JP618398A JP618398A JPH11201224A JP H11201224 A JPH11201224 A JP H11201224A JP 618398 A JP618398 A JP 618398A JP 618398 A JP618398 A JP 618398A JP H11201224 A JPH11201224 A JP H11201224A
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JP
Japan
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damping
partition wall
wall
viscous
rod
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JP618398A
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English (en)
Inventor
Eiji Kuroda
英二 黒田
Tamotsu Namita
保 波多
Fumiaki Arima
文昭 有馬
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Sumitomo Construction Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Construction Co Ltd
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Publication date
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  • Vibration Prevention Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単小形な構成で、大きな粘性減衰力を得る
ことができる減衰コマ、減衰棒およびこれらを使用する
減衰装置を提供する。 【解決手段】 減衰コマは、相対変位する2点(2物
体)L1、L2間を連結するよう互いに接続される第1
および第2の連結部材10、20からなり、これら両部
材10、20は、それぞれの一端部を2点L1、L2に
それぞれ固定されるとともに、第1の連結部材10は、
その接続側に案内ねじ部10aを形成し、この案内ねじ
部10a上には、ボールベアリング11を介して螺合さ
れる案内ナット12で駆動する回転コマ13を回転摺動
可能に挿着し、第2の連結部材20は、その接続側に回
転コマ13を収容するチャンバ21用のケーシング22
が形成され、このチャンバ22内に粘性体23を充填す
るよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設構造物等の制
震装置として用いられる減衰コマ、減衰棒(減衰機構)
およびこれらを使用する減衰装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、制震装置として用いられる減衰
機構は、相対変位する2点(2物体)間に装着され、基
礎等の一方の振動源側から上部構造物である他方の制振
物体側へ伝達される振動エネルギを熱エネルギに変換消
失することにより減衰効果を達成するよう構成されてい
る。
【0003】前記の減衰機構は、装置内に形成される粘
性体チャンバ内に、振動に伴って発生する相対変位部分
を収容し、粘性体の粘性摩擦抵抗により減衰効果を達成
するように構成されており、この場合、前記相対変位部
分の変位量は実際の変位量(相対変位する2点間の変位
量)と同じか、あるいは増幅手段を介して増幅されるよ
う構成されている。そして、変位量を増幅させることで
減衰効果も増大させることができる。なお、粘性減衰力
は変位する部材に対する粘性体の相対速度に比例する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の減衰機構には、次に述べるような難点があっ
た。すなわち、前記従来の減衰機構は、前述したよう
に、相対変位部分を増幅する手段を有するが、この変位
増幅手段は、通常は、ヒンジ・ジョイントで連結される
テコ手段から構成されていた。しかしながら、このよう
なヒンジ・テコ手段は、その増幅倍率(相対変位する2
部分間の対向面積および相対速度の増大比率)が充分大
きくなく、しかも構成が複雑で構造を大形化すると同時
に作動精度も低下する難点を有していた。
【0005】そこで、本発明の目的は、簡単小形な構成
でしかも大きな増幅倍率を達成することができる変位増
幅手段を使用し、2部分間の相対速度を大幅に増大し、
粘性体と変位部分との相対速度を増幅させることによ
り、さらに大きな粘性減衰力を得ることができる減衰コ
マ、減衰棒およびこれらを使用する減衰装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】先の目的を達成するため
に、本発明に係る減衰コマは、相対変位可能に互いに接
続される第1および第2の連結部材からなり、この第1
の連結部材は、その接続側に案内ねじ部が形成された第
1のロッドと、この案内ねじ部に係合するとともに案内
ねじ部との相対変位に基づき案内ねじ部上を回転摺動す
るよう軸支される案内ナットと、前記案内ナットに固定
される円盤形状の回転体とからなり、前記第2の連結部
材は、第2のロッドと、その接続側に形成される前記回
転体および案内ナットを収容する円筒形状ケーシングと
からなり、前記円筒形状ケーシングの内壁と前記回転体
との間隙に粘性体および/または粘弾性体を充填すると
ともに前記円筒形状ケーシングから前記回転体に向けて
仕切壁を突設し、前記回転体から前記円筒形状ケーシン
グに向けて突壁を突設し、前記突壁と仕切壁との少なく
とも一方に粘性体および/または粘弾性体の通過部を設
けたことを特徴とする。
【0007】突壁と仕切壁との少なくとも一方に貫通孔
を穿設して前記突壁および仕切壁の両側の空間を連通さ
せ、粘性体および/または粘弾性体の通過部としてもよ
く、突壁および仕切壁により区切られた空間の少なくと
も一方を連通する連通管を設け、粘性体および/または
粘弾性体の通過部としてもよく、さらに、突壁と仕切壁
との少なくとも一方に貫通孔を穿設して前記突壁および
仕切壁の両側の空間を連通させ、前記突壁および仕切壁
により区切られた空間の少なくとも一方を連通する連通
管を設け、粘性体および/または粘弾性体の通過部とし
てもよい。
【0008】本発明に係る減衰装置は、前記した減衰コ
マを建築構造物における構造枠体の対向角部間に圧縮お
よび引張り可能に配設することを特徴とし、また、前記
した減衰コマを基礎と、この基礎上の構造物との間に圧
縮および引張り可能に配設することを特徴とする。
【0009】本発明に係る減衰棒は、相対変位可能に互
いに接続される第1および第2の連結材からなり、この
第1の連結部材は、少なくともその接続側に案内ねじ部
が形成された第1のロッドと、この案内ねじ部に係合す
るとともに案内ねじ部との相対変位に基づき案内ねじ部
上を回転摺動するよう軸支される案内ナットと、前記第
1のロッドより大きな径を有するとともにこの径より充
分大きな軸方向長さとを有し前記案内ナットを介して回
転摺動可能に挿着される円筒形状回転体とからなり、前
記第2の連結部材は、前記円筒形状回転体および案内ナ
ットを収容する円筒形状ケーシングからなり、前記円筒
形状ケーシングの内壁と前記円筒形状回転体との間隙に
粘性体および/または粘弾性体を充填するとともに前記
円筒形状ケーシングから前記円筒状回転体に向けて仕切
壁を突設し、前記円筒状回転体から前記円筒形状ケーシ
ングに向けて突壁を突設し、前記突壁と仕切壁との少な
くとも一方に粘性体および/または粘弾性体の通過部を
設けたことを特徴とする。
【0010】突壁と仕切壁との少なくとも一方に貫通孔
を穿設して前記突壁および仕切壁の両側の空間を連通さ
せ、粘性体および/または粘弾性体の通過部としてもよ
く、突壁および仕切壁により区切られた空間の少なくと
も一方を連通する連通管を設け、粘性体および/または
粘弾性体の通過部としてもよく、さらに、突壁と仕切壁
との少なくとも一方に貫通孔を穿設して前記突壁および
仕切壁の両側の空間を連通させ、前記突壁および仕切壁
により区切られた空間の少なくとも一方を連通する連通
管を設け、粘性体および/または粘弾性体の通過部とし
てもよい。
【0011】また、本発明に係る減衰棒を使用する減衰
装置は、構造物用等に適用する場合には、例えば、建築
構造物における構造枠体の対向角部の間、または基礎
と、この基礎上の構造物との間に圧縮および引張り可能
にそれぞれ配設される。
【0012】本発明に係る減衰コマ、減衰棒によれば、
変位増幅手段を構成する案内ねじ部および案内ナットに
より回転コマ、円筒状回転体の回転速度が増幅され、粘
性体の粘性抵抗力が増幅される。また、粘性体の断面積
をA0とし、突壁に穿設した貫通孔等の粘性体の通過部
の合計の断面積をA1としたとき、粘性体の貫通孔を通
過する速度はA0/A1倍に増幅され、増幅された粘性
体の速度に比例する粘性減衰力を得ることができる。し
かも、この変位増幅手段は、ねじ−ナット機構であるの
で、簡単かつ小形に構成されることができる。減衰コ
マ、減衰棒を使用する減衰装置によれば、大きな粘性減
衰力を得ることができるので、建築構造物の制震が効率
よく達成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る減衰コマの一実施例
を添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発
明に係る減衰コマの一実施形態の断面図であり、図2は
図1のA−A線断面図、図3(a)は概略斜視図、
(b)は要部斜視図である。図1〜3において、本発明
に係る減衰コマは、相対変位する2点(2物体)L1 、
L2 間を連結するよう互いに接続される第1および第2
の連結部材、すなわち、第1のロッド10および第2の
ロッド20からなる。これらロッド10、20は、それ
ぞれの一端部を前記2点L1 、L2 にそれぞれ固定され
る。第1のロッド10は、その接続側に案内ねじ部10
aが形成され、このねじ部10a上には、ボールベアリ
ング11を介して螺合される案内ナット12を有する回
転コマ13が回転摺動可能に挿着されている。第2のロ
ッド20は、その接続側に前記回転コマ13を収容する
チャンバ21を画定するケーシング22が形成され、こ
のチャンバ21内には減衰用の粘性体および/または粘
弾性体23が充填されている。ケーシング22と回転コ
マ13との間の断面積28はA0となっている。
【0014】回転コマ13は、これを囲繞するケーシン
グ22に対してその図示上下両対接面にそれぞれボール
ベアリング24、25を配設することにより、2点L1
、L2 間の相対変位から発生される圧縮および引張り
の両荷重に対応して、案内ねじ部10a上を回転しかつ
図示上下方向へ摺動するよう軸支されている。また、回
転コマ13は、半径方向外側へ延在する一体回転部13
aを有する。粘性体および/または粘弾性体23には、
ポリイソブチレン等の高粘度の流体を好適に使用し得
る。
【0015】回転コマ13の一体回転部13aには外周
方向にケーシング22に向けて僅かの間隙cを有して対
向する薄板状の突壁14が突設されており、この突壁1
4には複数の(図面では6個の)貫通孔15が穿設され
ており、粘性体23の通過部として構成されている。ま
た、ケーシング22の内壁には回転コマ13に向けて同
様に僅かの間隙cを有して対向する薄板状の仕切壁26
が突設されている。このように、回転コマ13には突壁
14が突設されるとともにケーシング22には仕切壁2
6が突設されているので、回転コマ13はケーシング2
2内を1回転弱の回転のみ許容される構成である。ケー
シング22の外壁には、仕切壁26を挟んで連通管27
が接続され、仕切壁26の両側の空間を連通させてお
り、これらの空間に位置する粘性体および/または粘弾
性体23が流通可能となっている。貫通孔15と連通管
27との合計の断面積はA1に設定されている。
【0016】本発明に係る減衰コマは前記した構成であ
り、変位増幅手段が、第1のロッド10の案内ねじ部1
0aに螺合する案内ナット12で駆動(回転摺動)され
る回転体すなわち回転コマ13から形成されているの
で、第1、第2のロッド10、20の速度に対し回転コ
マ13の回転速度は増幅される。このときの変位増幅手
段の相対速度増大比率Nは、下記式 N=2πR/p 但し、pは案内ねじ部および案内ナットのねじピッチ Rは回転コマの代表半径 となる。また、粘性体の断面積をA0とし、突壁14に
穿設した貫通孔15および連通管27の合計の断面積を
A1としたとき、粘性体23の貫通孔15および連通管
27を通過する速度はA0/A1倍に増幅され、増幅さ
れた粘性体23の速度に比例する粘性減衰力を得ること
ができる。
【0017】すなわち、ピッチp=1cm、回転コマ1
3の代表半径R=5cm、A0/A1=5とすると、第
1および第2のロッド10、20の速度Vに対し、粘性
体23の貫通孔15および連通管27を通過する速度V
1は、V1=2πR/p×(A0/A1)×V=(2×
3.14×5/1)×5×V=約150×Vとなり、速
度Vに対して約150倍の粘性減衰力を得ることができ
る。
【0018】このように、本発明に係る減衰コマによれ
ば、第1および第2のロッド10、20の直線変位を回
転コマ13の回転運動に変換する簡単かつ小形な、特に
長手方向に短縮された構成で、しかも従来のこの種の装
置に比較して極めて大きな粘性減衰力を容易に得ること
ができる。さらに、この減衰コマは、比較的大きな構造
物にも、小さな組立物にも同様に適用されるとともに、
圧縮および引張りの両荷重に対して適用できる利点を有
する。
【0019】また、本発明の減衰コマは、前述したよう
に、大きな構造物にも小さな組立物にも広く適用できる
ことから、その全体的構成は用途に応じて適宜に変更す
ることができる。すなわち、図4(a)に示す減衰コマ
30においては、一方の連結部材30aに対する他方の
連結部材30bは長尺の連結部材となっている。図4
(b)に示す減衰コマ30においては、他方の連結部材
30bに延長部材30cが連結されている。図4(c)
に示す減衰コマ30においては、一方の連結部材は例え
ば挿通用連結部材30dであり、他方の連結部材30e
は例えば基礎等に固定された保持部材30f内で回動可
能に保持するよう構成されるものである。
【0020】このように構成された本発明の減衰コマを
建築構造物に対して使用する減衰装置の実施形態につ
き、以下詳細に説明する。図5において、図4に示す減
衰コマ30が使用される。この減衰コマ30は、建築構
造物40の基礎41および構造枠体42における対向角
部の取付プレート42a、42bの間に、連結部材30
a、30bおよび延長部材30cを介して、圧縮および
引張り可能に配設されている。従って、この実施形態で
は、地震等で発生される構造枠体42の歪み変位によっ
て減衰コマ30が伸縮され、その伸縮変位を回転コマの
回転運動に変換し、回転コマ13と粘性体23との粘性
減衰力により、構造枠体42内の前記歪みエネルギが吸
収され、建築構造物40の振動を有効に制振することが
できる。
【0021】図6は本発明の減衰コマを建築構造物に対
して使用する減衰装置の他の実施形態を示しており、
(a)は建築構造物40の構造枠体42に対して、梁の
中間に取付プレート43aを固着し、柱と梁との接合部
の取付プレート42bとの間に2つの減衰コマ30を圧
縮および引張り可能に配設してある。(b)においては
梁のスパンが長いため、上下の梁の中間に3つの取付プ
レート43bを固着し、柱と梁との接合部の取付プレー
ト42bとの間に4つの減衰コマ30を圧縮および引張
り可能に配設してある。(c)においては、柱と梁との
接合部の取付プレート42bから2本の傾斜部材43c
を介してプレート43dを固着し、プレート43dと上
部の梁との間およびプレート43dと側方の柱との間に
減衰コマ30を圧縮および引張り可能に配設してある。
(d)、(e)は高層の塔状建物に減衰コマを配設する
場合を示しており、(d)においては基礎41の延長部
41aと最上階の梁の延長部42cとの間に延長部材3
0cを介して減衰コマ30が圧縮および引張り可能に配
設されている。(e)においては基礎41の延長部41
aと中間階の梁の延長部42dとの間に、また、中間階
の梁の延長部42dと最上階の梁の延長部42cとの間
に、それぞれ減衰コマ30が圧縮および引張り可能に配
設されている。なお、前記延長部材30cは鋼材および
鋼線のいずれかで構成することができる。
【0022】図7においては、減衰コマ30は、基礎4
5とこの基礎45上に免震パッド46、46を介して支
持されている防震構造物47との間に、それぞれの支持
壁面45aおよび47aを介して圧縮および引張り可能
に配設されている。従って、この実施形態では、地震等
で発生される基礎45および防震構造物47間の水平方
向の相対変位によって減衰コマ30が伸縮され、回転コ
マ13と粘性体23との粘性減衰力により、基礎45お
よび防震構造物47間の前記水平方向の相対変位エネル
ギが吸収され、防震構造物47の振動エネルギーを有効
に減衰させることができる。
【0023】粘性体の通過部として前記した実施形態で
は突壁に穿設した貫通孔の形態を述べたが、貫通孔を仕
切壁に穿設してもよく、突壁と仕切壁の両者に穿設して
もよい。また、図8(a)に示されるように回転コマ1
3の突壁14の両側の空間を連通する連通溝16、16
を形成し、粘性体の通過部としてもよい。図8(b)に
示されるように突壁14の両側の空間を連通する連通管
17を形成し、粘性体の通過部としてもよい。さらに、
貫通孔や連通管を備えず、間隙cの幅を調整することに
より粘性体の通過量を調整するように構成してもよい。
【0024】次に、本発明に係る減衰棒の一実施形態を
添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。図9
(a)は減衰棒の一実施形態の断面図、(b)は(a)
のA−A線断面図、(c)は概略斜視図である。図9に
おいて、本発明に係る減衰棒50は、相対変位する2点
(2物体)A、B間を連結するよう互いに接続される第
1および第2の連結部材60および70からなり、これ
ら両連結部材60、70は、それぞれの一端部を前記2
点L1 、L2 の中の1つにそれぞれ固定するとともに、
その第1の連結部材60は、その接続側を案内ねじ部6
0aに形成し、このねじ部60a上には、ボールベアリ
ング61を介して螺合される案内ナット62で駆動する
回転内筒63を回転摺動可能に挿着し、また第2の連結
部材70は、その接続側を前記回転内筒63を収容する
チャンバ71用の固定外筒72に形成し、このチャンバ
71内には粘性体および/または粘弾性体73を充填す
るよう構成する。
【0025】ここで、回転内筒63は、一端部を案内ナ
ット62に外挿される他端部閉塞筒体からなり、案内ナ
ット62の一側部および回転内筒63の前記閉塞端部の
固定外筒72に対する上下両対接面にそれぞれボールベ
アリング74、75を配設することにより、2点L1 、
L2 間の相対変位から発生される圧縮および引張りの両
荷重に対応して、案内ねじ部60a上を回転しかつ図示
上下方向へ摺動するよう軸支されている。さらに、粘性
体73には、ポリイソブチレン等の高粘度の流体を好適
に使用することができる。
【0026】回転内筒63には外周方向に固定外筒72
に向けて、前記実施形態と同様に僅かの間隙cを有して
対向する薄板状の突壁64が突設されており、この突壁
64には複数の(図面では11個の)貫通孔65が1列
に並んで穿設されており、粘性体73の通過部として構
成されている。また、固定外筒72の内壁には回転内筒
63に向けて同様に僅かの間隙cを有して対向する薄板
状の仕切壁76が突設されている。このように、回転内
筒63には突壁64が突設されるとともに固定外筒72
には仕切壁76が突設されているので、回転内筒63は
固定外筒72に対して1回転弱の回転のみ許容される構
成である。固定外筒72の外壁には、仕切壁76を挟ん
で連通管77、77が複数箇所(図面では2ヶ所)に接
続され、仕切壁76の両側に位置する粘性体および/ま
たは粘弾性体73が流通可能となっている。
【0027】この減衰棒による減衰効果について以下に
述べる。連結部材60、70間の変位の速度は案内ねじ
部60aと案内ナット62とにより増幅され、その速度
は2πR/pに増幅される。また、粘性体73は回転内
筒63の回転により突壁64と仕切壁76との間の部分
が圧縮され貫通孔65および連通管77を通過し、その
通過速度は前記実施形態と同様に粘性体の断面積と、貫
通孔65および連通管77の断面積との比だけ増加し、
粘性減衰力はその比に比例して増幅される。
【0028】このように、本発明に係る減衰棒によれ
ば、案内ねじ部の直線変位を回転内筒の回転運動に変換
する簡単かつ小形な(特に、長手方向に延在された)構
成で回転内筒の速度を増幅することができ、しかも、粘
性体の通過速度を増幅することにより、従来のこの種の
装置に比較して極めて大きな粘性減衰力を容易に得るこ
とができる。また、この減衰棒は、比較的大きな構造物
にも小さな組立物にも同様に適用されるとともに、圧縮
および引張りの両荷重に対して同様に適用される利点を
併せ有する。
【0029】前記した減衰棒50を使用する減衰装置
は、前記した減衰コマ30を使用した減衰装置と同様に
構成される。すなわち、図5〜7における減衰コマ30
を減衰棒50に置換することにより達成され、同様の効
果を奏するものである。
【0030】以上、本発明を好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、そ
の精神を逸脱しない範囲内において多くの改良変更が可
能である。例えば、装置内のボールベアリングは適宜別
の軸支手段に変更することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る減衰
コマは、相対変位可能に互いに接続される第1および第
2の連結部材からなり、第1の連結部材は、その接続側
を案内ねじ部に形成し、このねじ部上に案内ナットを介
して回転コマを回転摺動可能に挿着し、第2の連結部材
は、その接続側を回転コマを収容するケーシングに形成
し、円筒形状ケーシングの内壁と回転体との間隙に粘性
体および/または粘弾性体を充填するよう構成したの
で、換言すれば、その減衰機構がねじ部の直線変位を回
転コマの回転運動に変換するよう構成され、粘性体およ
び/または粘弾性体の通過部を設けているので、その通
過速度に比例する大きな粘性減衰力を得ることができ
る。
【0032】また、減衰棒は、相対変位可能に互いに接
続される第1および第2の連結部材からなり、この第1
の連結部材は、少なくともその接続側に案内ねじ部が形
成された第1のロッドと、この案内ねじ部に係合すると
ともに案内ねじ部との相対変位に基づき案内ねじ部上を
回転摺動するよう軸支される案内ナットと、第1のロッ
ドより大きな径を有するとともにこの径より充分大きな
軸方向長さとを有し案内ナットを介して回転摺動可能に
挿着される円筒形状回転体とからなり、第2の連結部材
は、円筒形状回転体および案内ナットを収容する円筒形
状ケーシングからなり、円筒形状ケーシングの内壁と円
筒形状回転体との間隙に粘性体および/または粘弾性体
を充填するよう構成し、その減衰機構がねじ部の直線変
位を回転内筒の回転運動に変換するよう構成され、粘性
体および/または粘弾性体の通過部を設けているので、
その相対速度増大比率が、従来のこの種の装置に比較し
て大幅に増幅される。従って、本発明の減衰棒によれ
ば、簡単かつ小形な構成でしかも大きな減衰効果が容易
に達成することができる。
【0033】また、本発明に係る減衰装置は、その減衰
コマおよび減衰棒が前述したように簡単かつ小形に構成
されるとともに十分な減衰効果を有することから、この
減衰コマおよび減衰棒と同様に、簡単かつ小形に構成さ
れるとともに十分な減衰効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る減衰コマの一実施形態を示す断面
図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】(a)は図1の概略斜視図、(b)は図1の要
部斜視図である。
【図4】(a)、(b)、(c)は、それぞれ本発明に
係る減衰コマの他の実施形態を示す概略正面図である。
【図5】(a)は本発明に係る減衰コマを使用する減衰
装置を示す建築構造物の一部を破断した状態の全体構成
図、(b)は(a)のA部拡大図、(c)は(a)のB
部拡大図である。
【図6】(a)〜(e)はそれぞれ本発明に係る減衰コ
マを使用する減衰装置の他の実施形態の要部構成図であ
る。
【図7】本発明に係る減衰コマを使用する減衰装置のさ
らに他の実施形態を示す要部断面図である。
【図8】(a)、(b)は、それぞれ粘性体の通過部の
他の実施形態を示す要部斜視図である。
【図9】(a)は本発明に係る減衰棒の一実施形態の断
面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は
(a)の概略斜視図である。
【符号の説明】
10 第1の連結部材 10a 案内ねじ部 11 ボールベアリング 12 案内ナット 13 回転コマ 14 突壁 15 貫通孔 16 連通溝 17 連通管 20 第2の連結部材 21 チャンバ 22 ケーシング 23 粘性体 24、25 ボールベアリング 26 仕切壁 27 連通管 28 断面積 30 減衰コマ 30a、30b 連結部材 30c 延長部材 30d 挿通用連結部材 30e 連結部材 30f 保持部材 40 建築構造物 41 基礎 42 構造枠体 45 基礎 46 免震パッド 47 防震構造物 50 減衰棒 60 第1の連結部材 60a 案内ねじ部 61 ボールベアリング 62 案内ナット 63 回転内筒 64 突壁 65 貫通孔 70 第2の連結部材 71 チャンバ 72 固定外筒 73 粘性体 74、75 ボールベアリング 76 仕切壁 77 連通管

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対変位可能に互いに接続される第1お
    よび第2の連結部材からなり、前記第1の連結部材は、
    その接続側に案内ねじ部が形成された第1のロッドと、
    前記案内ねじ部に係合するとともに案内ねじ部との相対
    変位に基づき案内ねじ部上を回転摺動するよう軸支され
    る案内ナットと、前記案内ナットに固定される円盤形状
    の回転体とからなり、前記第2の連結部材は、第2のロ
    ッドと、その接続側に形成される前記回転体および案内
    ナットを収容する円筒形状ケーシングとからなり、前記
    円筒形状ケーシングの内壁と前記回転体との間隙に粘性
    体および/または粘弾性体を充填するとともに前記円筒
    形状ケーシングから前記回転体に向けて仕切壁を突設
    し、前記回転体から前記円筒形状ケーシングに向けて突
    壁を突設し、前記突壁と仕切壁との少なくとも一方に粘
    性体および/または粘弾性体の通過部を設けたことを特
    徴とする減衰コマ。
  2. 【請求項2】 突壁と仕切壁との少なくとも一方に貫通
    孔を穿設して前記突壁および仕切壁の両側の空間を連通
    させ、粘性体および/または粘弾性体の通過部とするこ
    とを特徴とする請求項1記載の減衰コマ。
  3. 【請求項3】 突壁および仕切壁により区切られた空間
    の少なくとも一方を連通する連通管を設け、粘性体およ
    び/または粘弾性体の通過部とすることを特徴とする請
    求項1記載の減衰コマ。
  4. 【請求項4】 突壁と仕切壁との少なくとも一方に貫通
    孔を穿設して前記突壁および仕切壁の両側の空間を連通
    させ、前記突壁および仕切壁により区切られた空間の少
    なくとも一方を連通する連通管を設け、粘性体および/
    または粘弾性体の通過部とすることを特徴とする請求項
    1記載の減衰コマ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の減衰
    コマを、建築構造物における構造枠体の対向角部間に圧
    縮および引張り可能に配設することを特徴とする減衰装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかに記載の減衰
    コマを、基礎と、この基礎上の構造物との間に圧縮およ
    び引張り可能に配設することを特徴とする減衰装置。
  7. 【請求項7】 相対変位可能に互いに接続される第1お
    よび第2の連結材からなり、この第1の連結部材は、少
    なくともその接続側に案内ねじ部が形成された第1のロ
    ッドと、この案内ねじ部に係合するとともに案内ねじ部
    との相対変位に基づき案内ねじ部上を回転摺動するよう
    軸支される案内ナットと、前記第1のロッドより大きな
    径を有するとともにこの径より充分大きな軸方向長さと
    を有し前記案内ナットを介して回転摺動可能に挿着され
    る円筒形状回転体とからなり、前記第2の連結部材は、
    前記円筒形状回転体および案内ナットを収容する円筒形
    状ケーシングからなり、前記円筒形状ケーシングの内壁
    と前記円筒形状回転体との間隙に粘性体および/または
    粘弾性体を充填するとともに前記円筒形状ケーシングか
    ら前記円筒状回転体に向けて仕切壁を突設し、前記円筒
    状回転体から前記円筒形状ケーシングに向けて突壁を突
    設し、前記突壁と仕切壁との少なくとも一方に粘性体お
    よび/または粘弾性体の通過部を設けたことを特徴とす
    る減衰棒。
  8. 【請求項8】 突壁と仕切壁との少なくとも一方に貫通
    孔を穿設して前記突壁および仕切壁の両側の空間を連通
    させ、粘性体および/または粘弾性体の通過部とするこ
    とを特徴とする請求項7記載の減衰棒。
  9. 【請求項9】 突壁および仕切壁により区切られた空間
    の少なくとも一方を連通する連通管を設け、粘性体およ
    び/または粘弾性体の通過部とすることを特徴とする請
    求項7記載の減衰棒。
  10. 【請求項10】 突壁と仕切壁との少なくとも一方に貫
    通孔を穿設して前記突壁および仕切壁の両側の空間を連
    通させ、前記突壁および仕切壁により区切られた空間の
    少なくとも一方を連通する連通管を設け、粘性体および
    /または粘弾性体の通過部とすることを特徴とする請求
    項7記載の減衰棒。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至10のいずれかに記載の
    減衰棒を、建築構造物における構造枠体の対向角部間に
    圧縮および引張り可能に配設する減衰装置。
  12. 【請求項12】 請求項7乃至10のいずれかに記載の
    減衰棒を、基礎と、この基礎上の防震構造物との間に圧
    縮および引張り可能に配設する減衰装置。
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