JPH11140446A - アジン系混合液晶の製造方法 - Google Patents

アジン系混合液晶の製造方法

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JPH11140446A
JPH11140446A JP30178097A JP30178097A JPH11140446A JP H11140446 A JPH11140446 A JP H11140446A JP 30178097 A JP30178097 A JP 30178097A JP 30178097 A JP30178097 A JP 30178097A JP H11140446 A JPH11140446 A JP H11140446A
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JP
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liquid crystal
group
carbon atoms
azine
formula
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JP30178097A
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Inventor
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Makoto Negishi
真 根岸
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
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Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のベンズアルデヒドから、対称アジン類
の場合と同様の製造方法を用いて、融点が低くかつ温度
範囲の広いアジン系液晶混合物を簡便に製造する方法を
提供する。 【解決手段】 【化1】 (式中、RはC数1〜10のアルキル、アルコキシル、
C数3〜10のアルケニル、アルケニルオキシ、F、C
l等)から選ばれる少なくとも2種の化合物をヒドラジ
ンと反応させることを特徴とするアジン系混合液晶の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機電子材料や医農
薬、特に電気光学的液晶表示用ネマチック液晶材料とし
てアジン系混合液晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッ
サー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ
等に用いられるようになっている。液晶表示方式として
は、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、S
TN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、
GH(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液
晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティッ
ク駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さら
に単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリッ
クス方式が実用化されている。これらの表示方式や駆動
方式に応じて、液晶材料としても種々の特性が要求され
ており、このためこれまでにも非常に多くの液晶化合物
が合成されている。
【0003】こうした液晶化合物の中で一般式(A)
【0004】
【化6】
【0005】(式中、Raはアルキル基またはアルコキ
シル基を表す。)で表されるアジン誘導体は比較的古く
から知られており、(i)液晶相上限温度が高い。(ii)高
速応答が可能。(iii)製造が容易かつ安価である。等の
特性を有する優れた液晶材料である。しかしながら、こ
の(A)の化合物はその融点が高く、他の液晶化合物と
の相溶性が悪いという問題点があった。
【0006】この問題点を改善した化合物として、特開
昭54−87688号公報に一般式(B)
【0007】
【化7】
【0008】(式中、Ra及びRbは互いに相異なって、
アルキル基、アルコキシル基、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子あるいはシアノ基を表す。)で表される非対称
アジン類が報告されている。
【0009】この(B)の化合物は(A)の化合物と比
較して融点が低く、他の液晶化合物との相溶性も改善さ
れている。また、その液晶相上限温度は(A)と同程度
である。さらに、RaまたはRbとしてシアノ基やハロゲ
ン原子のような極性基の導入が可能であるため、いわゆ
るP型の液晶化合物を得ることもでき、低い閾値電圧が
要求される場合にも有効であるといった優れた特性を有
する。
【0010】しかしながら、この化合物(B)の融点や
他の液晶化合物との相溶性は決して満足できるものでは
なく、液晶組成物中への添加量が単一化合物として多く
なると析出を生じやすいという問題点があった。そのた
め、液晶組成物中にアジン系化合物を多量に添加したい
場合には多種類のアジン系化合物を混合する必要があっ
た。
【0011】ところで(A)の化合物は化学構造が対称
的であるため、その製造が比較的容易であるが、(B)
の化合物ではその製造に関して必ずしも容易ではない。
即ち、上記の特開昭54−87688号公報には、
(B)の化合物の一般的な製造方法が述べられているの
みで具体的な製造実施例の記載はなく、また本発明者等
は先に式(B)の化合物を含む非対称アジン類の選択的
な製造方法を報告しているが、この方法を用いても
(A)の化合物の製造と比較すると手間がかかるもので
ある。従って、アジン系化合物を多量に含有する液晶組
成物を調製するために、多数のアジン系化合物を揃える
ことは、工業的にも決して有利ではなかった。そのた
め、より簡便に他種類のアジン系化合物からなる混合物
を得る方法が望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記の目的に応じるため、複数のベンズア
ルデヒドから、対称アジン類の場合と同様の製造方法を
用いて、融点が低くかつ温度範囲の広いアジン系液晶混
合物を簡便に製造する方法を提供するものである。
【0013】即ち、上記課題を解決するために、 1.一般式(Ia)
【0014】
【化8】
【0015】(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル
基を表す。)及び一般式(Ib)
【0016】
【化9】
【0017】(式中、R2は炭素数3〜10のアルケニ
ル基を表す。)及び一般式(Ic)
【0018】
【化10】
【0019】(式中、R3は炭素数1〜10のアルコキ
シル基または炭素数3〜10のアルケニルオキシ基を表
す。)及び一般式(Id)
【0020】
【化11】
【0021】(式中、R4はフッ素原子、塩素原子、ト
リフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフル
オロメトキシ基あるいはシアノ基を表す。)で表される
ベンズアルデヒド類から選ばれる少なくとも2種の化合
物をヒドラジンと反応させることを特徴とする、一般式
(II)
【0022】
【化12】
【0023】(式中、R5及びR6はそれぞれ独立的に炭
素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のアルケニ
ル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数3〜1
0のアルケニルオキシ基フッ素原子、塩素原子、トリフ
ルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロ
メトキシ基あるいはシアノ基を表す。)で表される化合
物の少なくとも3種からなるアジン系混合液晶の製造方
法。 2.ベンズアルデヒド類が一般式(Ia)及び一般式
(Ib)から選ばれることを特徴とする、上記1記載の
製造方法。 3.少なくとも3種のベンズアルデヒド類を用いること
を特徴とする、上記1または2記載の製造方法。 4.ベンズアルデヒド類が、一般式(Ia)におけるR
1が炭素数1〜5の直鎖状アルキル基で表される化合物
及び一般式(Ib)におけるR2が3−ブテニル基で表
される化合物から選ばれることを特徴とする、上記2ま
たは3記載の製造方法。 を前記解決手段とした。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明のアジン系混合液晶
の製造方法の一例について説明する。本発明の提供する
アジン系液晶混合物の製造方法は以下の如きものであ
る。
【0025】本発明は複数のベンズアルデヒド類の混合
物を溶媒中でヒドラジンと反応させることを特徴とし、
さらに、ベンズアルデヒド類が下記(Ia)〜(Id)
から選ばれることを特徴とするものである。
【0026】一般式(Ia)
【0027】
【化13】
【0028】において、R1は炭素数1〜10のアルキ
ル基を表すが、炭素数1〜5の直鎖状アルキル基が好ま
しい。また、炭素数が1であるメチル基はベンズアルデ
ヒド混合物全体中で30%以下であることが好ましく、
20%以下であることがさらに好ましい。この(Ia)
の化合物は2種類以上、特に3種類以上用いることが好
ましく、併せてベンズアルデヒド混合物全体中で50%
以上含まれることが好ましく、60%以上であることが
さらに好ましい。
【0029】一般式(Ib)
【0030】
【化14】
【0031】において、R2は炭素数3〜10のアルケ
ニル基を表すが、3−アルケニル基または末端アルケニ
ル基が好ましく、2重結合によりトランス(E)及びシ
ス(Z)配置が存在する場合にはトランス(E)配置が
好ましく、3−ブテニル基が特に好ましい。
【0032】一般式(Ic)
【0033】
【化15】
【0034】において、式中、R3は炭素数1〜10の
アルコキシル基または炭素数3〜10のアルケニルオキ
シ基を表すが、炭素数1〜4のアルコキシル基、または
炭素数3または4の2−アルケニルオキシ基が好まし
く、メトキシ基が特に好ましい。この(Ic)の化合物
は併せてベンズアルデヒド混合物全体中で20%以下で
あることが好ましく、10%以下であることがさらに好
ましい。
【0035】一般式(Id)
【0036】
【化16】
【0037】において、R4はフッ素原子、塩素原子、
トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフ
ルオロメトキシ基あるいはシアノ基を表すが、フッ素原
子またはトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原
子が特に好ましい。この(Ic)の化合物は併せてベン
ズアルデヒド混合物全体中で20%以下であることが好
ましく、10%以下であることがさらに好ましい。
【0038】本発明において得られるアジン系液晶混合
物は一般式(II)
【0039】
【化17】
【0040】で表される化合物からなるものである。式
中、R5及びR6はそれぞれ独立的に炭素数1〜10のア
ルキル基、炭素数3〜10のアルケニル基、炭素数1〜
10のアルコキシル基、炭素数3〜10のアルケニルオ
キシ基フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、
トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基あるい
はシアノ基を表す。
【0041】用いるベンズアルデヒド類が2種類の場
合、液晶混合物は3種類の(II)の化合物からなり、
一般にベンズアルデヒド類をn種類混合して用いた場合
には液晶混合物は{n(n+1)/2}種類の(II)を
含むことになる。ここでベンズアルデヒド類は通常2〜
7種程度混合することが好ましいが、2種類だけを用い
た場合には液晶混合物の融点が充分降下しないことも多
いので、室温で液晶状態の混合物を得るためには3種類
以上のベンズアルデヒド類を用いることが望ましい。
【0042】反応は溶媒中で実施されるが、溶媒として
はエタノール、メタノール等のアルコール類、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素類、ジクロロメタン、トリク
ロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフ
ラン(THF)、ジイソプロピルエーテル(IPE)、
エチレングリコールジメチルエーテル(DME)等のエ
ーテル類等を用いることができるが、通常ジクロロメタ
ン等のハロゲン化炭化水素類が好ましい。
【0043】ヒドラジンは無水物であっても、水和物で
あっても、あるいは硫酸やP-トルエンスルホン酸等の塩
であってもよいが、1水和物あるいは2水和物が使いや
すく好ましい。ヒドラジンはベンズアルデヒド類に対し
約1/2モル量を使用するが、少量の場合には未反応の
ベンズアルデヒド類が残存し、多量の場合には中間体の
ヒドラゾンが残存するので通常、0.45〜0.55モ
ル量を使用することが好ましく、0.48〜0.52モ
ル量を使用することが特に好ましい。
【0044】反応は冷却下から溶媒の沸点温度までの広
い温度範囲で実施することが可能であるが、通常室温で
実施することが好ましい。また、反応の進行が遅い場合
にはアルミナやシリカゲル等の脱水剤あるいは塩酸等の
酸を共存させることが効果的である。
【0045】反応終了後は、溶媒としてジクロロメタン
等のハロゲン化炭化水素等やトルエン等の炭化水素類等
を用いた場合には、反応液を直接あるいは洗滌後にアル
ミナまたはシリカゲル等を充填したカラムに通すことに
より、未反応のヒドラジンや、ベンズアルデヒドあるい
は中間体のヒドラゾンを除去することが可能であり、溜
出液を濃縮することにより精製されたアジン混合物を得
ることができる。アルコール系溶媒等を用いた場合に
は、溶媒を溜去後、ジクロロメタン等の溶媒に溶解し同
様の操作を行えばよい。さらに、アジン混合物の融点が
室温付近(約5℃以上)の場合にはエタノールやメタノ
ール等からの再結晶も効果的であり、併用することがで
きる。
【0046】本発明の製造法に基づき、実際に製造され
たアジン混合物の例を以下に示す。一般式(Ia)で表
されるベンズアルデヒドである4−エチルベンズアルデ
ヒド(Ia−2)及び、4−プロピルベンズアルデヒド
(Ia−3)の等モル混合物をヒドラジンと反応させて
製造したアジン混合物(M−1)の精製後における組成
は以下の通りであった。(組成は重量比を表す。)
【0047】
【化18】
【0048】この混合液晶(M−1)の融点は58℃で
あり、95.5℃までの広い温度範囲でネマチック相を
示した。これに対して、(M−1)を構成する個々の化
合物の相転移温度は以下の通りである。尚、Crは結晶
相、Nはネマチック相、Iは当方性液体相を表す。
【0049】
【化19】
【0050】従って、混合物(M−1)はその構成成分
中最も融点の低い(II−32)よりさらに融点が低
く、温度範囲が拡大されていることがわかる。次に、一
般式(Ia)で表されるベンズアルデヒドである4−メ
チルベンズアルデヒド(Ia−1)、上記の(Ia−
2)、上記の(Ia−3)及び4−ブチルベンズアルデ
ヒド(Ia−4)の1/2/3/1混合物(重量比)か
ら同様にアジン混合物(M−2)を調製した。この(M
−2)は10成分の(II)からなる混合物であり、室
温から89℃までネマチック相を示した。また、この組
成物は室温で1ヶ月以上放置しても結晶化せず、−50
℃の低温で放置して結晶化させその融点を測定したとこ
ろ、26℃であった。従って、ほぼ実用域に近い温度範
囲を有する液晶組成物がわずか1工程で得られたことに
なる。
【0051】ところで、上記(M−1)あるいは(M−
2)はその構成成分がすべて、誘電率異方性(Δε)の
絶対値が0に近いいわゆるn型の液晶であって、これだ
けではTNあるいはSTNといった通常の表示方式では
駆動しない。従って、実際に表示用として用いるために
は誘電率異方性が大きいp型の液晶化合物を含有する必
要がある。このp型の液晶化合物はアジン系の液晶で
も、アジン系以外の液晶であっても、あるいはそれらの
混合物であってもよい。アジン系の場合、n型の混合液
晶を調製後に添加してもよいが、混合液晶の調製時にベ
ンズアルデヒド類として前述の(Id)の化合物を併用
することにより、p型のアジン系液晶を含有する混合液
晶を得ることも可能である。ただしこの場合、副成する
対称型のアジン化合物(例えば、4−フルオロベンズア
ルデヒドを用いると、ビス(4−フルオロフェニルベン
ジリデン)ヒドラジン
【0052】
【化20】
【0053】が生成する。)の溶解性が極めて低いの
で、(Id)の添加量は前述のように少なくして、混合
液晶中の対称型のアジン化合物の割合を小さくすること
が必要である。
【0054】以上のように本発明の製造方法を用いるこ
とにより、極めて簡便かつ容易に、多成分系のアジン系
混合液晶を得ることができる。得られた混合液晶は低融
点で温度範囲が広く、容易に実用的液晶として用いるこ
とができる。従って、本発明の製造方法は非常に実用的
である。
【0055】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0056】なお、混合液晶の組成比及び純度の測定は
キャピラリーガスクロマトグラフにより行った。また、
組成比は重量%で表す。 (実施例1) 3成分系混合液晶の合成
【0057】
【化21】
【0058】ヒドラジン1水和物30gに4−エチルベ
ンズアルデヒド54.3g及び4−プロピルベンズアル
デヒド60gをジクロロメタン400mLに溶解し、水
冷下約30分で滴下した。これに10%塩酸200mL
を内温が35℃以下で1時間かけて滴下した。室温でさ
らに30分攪拌した後、水層を除去し、有機層は水、次
いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗滌した。無水硫
酸ナトリウムで乾燥させた溶液を、塩基性アルミナ20
0gを充填したカラムに流し、溜出液をあわせて濃縮し
た。得られた混合液晶112gをエタノールから2回再
結晶させて、淡黄色結晶の混合液晶(M−1)88gを
得た。この混合液晶は融点が58℃で95.5℃までネ
マチック相を示した。なお、この(M−1)はビス(4
−エチルフェニルベンジリデン)ヒドラジン(II−2
2)、1−(4−プロピルフェニル)−2−(4−エチ
ルフェニル)ヒドラジン(II−32)及びビス(4−
プロピルフェニルベンジリデン)ヒドラジン(II−3
3)の3成分からなる組成物であり、その比率は19.
0/52.5/28.5(重量比)であった。 (実施例2) 3成分系混合液晶の合成(2)
【0059】
【化22】
【0060】ヒドラジン1水和物16.9gをジクロロ
メタン200mLに溶解し、シリカゲル10gを加え撹
拌した。これに4−(3−ブテニル)ベンズアルデヒド
54.0g及び4−プロピルベンズアルデヒド50gを
ジクロロメタン200mLに溶解し、水冷下約30分で
滴下した。室温でさらに30分攪拌した後、反応液を4
00gのシリカゲルを充填したカラムに通した。溜出液
をあわせて濃縮して得られた混合液晶118gをエタノ
ールから2回再結晶させて、淡黄色結晶の混合液晶(M
−3)83gを得た。この混合液晶は融点が48.5℃
で112.5℃までネマチック相を示した。この(M−
3)はビス(4−プロピルベンジリデン)ヒドラジン
(II−33)、1−(4−プロピルベンジリデン)−
2−[4−(3−ブテニル)ベンジリデン]ヒドラジン
(II−3B)及びビス[4−(3−ブテニル)ベンジ
リデン]ヒドラジン(II−BB)の3成分からなる組
成物であり、その比率は26/50/24(重量比)で
あった。
【0061】なお、1−(4−プロピルベンジリデン)
−2−[4−(3−ブテニル)ベンジリデン]ヒドラジ
ン(II−3B)の融点は56℃でネマチック相上限温
度(TN-I)は112.5℃であり、ビス[4−(3−
ブテニル)ベンジリデン]ヒドラジン(II−BB)の
融点は57℃でネマチック相上限温度(TN-I)は11
6℃であることから、(M−3)はその各構成成分と比
較して融点が低下し、温度範囲が拡大されていることが
わかる。 (実施例3) 10成分系混合液晶の合成 一般式(Ia)で表されるベンズアルデヒドである4−
メチルベンズアルデヒド(Ia−1)、4−エチルベン
ズアルデヒド(Ia−2)、4−プロピルベンズアルデ
ヒド(Ia−3)及び4−ブチルベンズアルデヒド(I
a−4)の1/2/3/1混合物(重量比)から実施例
1と同様にしてアジン混合物(M−2)を調製した。こ
の(M−2)は10成分の(II)からなる混合物であ
り、室温から89℃までネマチック相を示した。また、
この組成物は室温で1ヶ月以上放置しても結晶化せず、
−50℃の低温で放置して結晶化させその融点を測定し
たところ、26℃であった。従って、わずか1工程でほ
ぼ実用域に近い温度範囲を有する液晶組成物を得ること
ができた。 (応用例) 液晶組成物の調製 実施例3で得られた(M−2)の60%と以下の組成か
らなる4−(トランス−4−アルキルクロヘキシル)ベ
ンゾニトリル混合物
【0062】
【化23】
【0063】40%とからなる液晶組成物(M−P)を
調製した。この(M−P)は室温でネマチック相を示し
その上限温度は73℃であった。この(M−P)は室温
及び0℃で1ヶ月放置しても結晶化せず、−30℃の低
温で放置して結晶化させその融点を測定したところ、2
6℃であった。次にこの(M−1)の誘電率異方性(Δ
ε)を測定したところ、+7であった。従って、ほぼ実
用に近い液晶組成物が得られたことになる。
【0064】以上のように、本発明の製造法により極め
て容易に得られるアジン系液晶混合物は、個々のアジン
系液晶と比較して融点が低く、温度範囲も広い。従っ
て、現在汎用の液晶組成物に混合して、結晶析出の危険
が少なくかつ高速応答性の液晶材料を調製するうえにお
いて、極めて有用であることがわかる。
【0065】
【発明の効果】本発明の製造方法により、多数のアジン
系液晶を含む液晶混合物を極めて容易に製造することが
できる。得られた液晶混合物は、個々のアジン化合物と
比較して融点が低く、従来の液晶組成物と混合した場合
に溶解性に優れ、結晶の析出する危険性が少ない。従っ
て、温度範囲が広く、高速応答を必要とする実用的液晶
表示用として極めて有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(Ia) 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
    及び一般式(Ib) 【化2】 (式中、R2は炭素数3〜10のアルケニル基を表
    す。)及び一般式(Ic) 【化3】 (式中、R3は炭素数1〜10のアルコキシル基または
    炭素数3〜10のアルケニルオキシ基を表す。)及び一
    般式(Id) 【化4】 (式中、R4はフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメ
    チル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ
    基あるいはシアノ基を表す。)で表されるベンズアルデ
    ヒド類から選ばれる少なくとも2種の化合物をヒドラジ
    ンと反応させることを特徴とする、一般式(II) 【化5】 (式中、R5及びR6はそれぞれ独立的に炭素数1〜10
    のアルキル基、炭素数3〜10のアルケニル基、炭素数
    1〜10のアルコキシル基、炭素数3〜10のアルケニ
    ルオキシ基フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル
    基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基あ
    るいはシアノ基を表す。)で表される化合物の少なくと
    も3種からなるアジン系混合液晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 ベンズアルデヒド類が一般式(Ia)及
    び一般式(Ib)から選ばれることを特徴とする、請求
    項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも3種のベンズアルデヒド類を
    用いることを特徴とする、請求項1または2記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 ベンズアルデヒド類が、一般式(Ia)
    におけるR1が炭素数1〜5の直鎖状アルキル基で表さ
    れる化合物及び一般式(Ib)におけるR2が3−ブテ
    ニル基で表される化合物から選ばれることを特徴とす
    る、請求項2または3記載の製造方法。
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JP30178097A Pending JPH11140446A (ja) 1997-11-04 1997-11-04 アジン系混合液晶の製造方法

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JP (1) JPH11140446A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002249779A (ja) * 2001-02-27 2002-09-06 Dainippon Ink & Chem Inc 液晶組成物及び液晶表示素子
JP2005213423A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Dainippon Ink & Chem Inc 液晶組成物

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