JPH1058150A - 被覆鋼管または被覆鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法 - Google Patents

被覆鋼管または被覆鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法

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JPH1058150A
JPH1058150A JP21649296A JP21649296A JPH1058150A JP H1058150 A JPH1058150 A JP H1058150A JP 21649296 A JP21649296 A JP 21649296A JP 21649296 A JP21649296 A JP 21649296A JP H1058150 A JPH1058150 A JP H1058150A
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corrosion
coating
steel pipe
steel strip
pile
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Taiji Hase
泰治 長谷
Tadami Adachi
忠美 足立
Kazumi Matsuoka
和巳 松岡
Koji Honma
宏二 本間
Kazuhiro Kinoshita
和宏 木下
Yasuo Takahashi
康雄 高橋
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、被覆鋼管(杭)に、耐食性金属薄
板をインダイレクト抵抗溶接により溶接して被覆する場
合に、裏当て金で被膜を保護するとともに、この裏当て
金による段差を小さくしてこの段差によって生じる間隙
を小さくして、被覆鋼管(杭)へ耐食性金属薄板を確
実、かつ効率よく被覆することを可能にする被覆鋼管
(杭)への耐食性金属薄板の被覆方法を提供する。 【解決手段】 被覆鋼管(杭)への耐食性金属薄板の巻
き付けに先だって、該耐食性金属薄板の重ね部が位置す
る被覆鋼管(杭)の被膜領域を加熱して該被膜領域を軟
化させ、この軟化被膜中に裏当て金材になる鋼帯を加圧
して均一に埋め込みながらスパイラル状に巻き付け、こ
の鋼帯上面に重ね部が位置するように耐食性金属薄板を
スパイラル状に巻き付けることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば海洋構造物
において用いられ、高耐食性が求められる被覆鋼管
(杭)に、耐食性金属薄板をスパイラル状に巻き付け、
形成された重ね部で裏当て金を配置してインダイレクト
抵抗溶接することによって、被覆鋼管(杭)に耐食性金
属薄板を被覆する場合に適用される被覆鋼管または被覆
鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば海洋構造物においては、杭
を海中に打ち込んで基礎を形成することが多い。この杭
としては、一般には強度確保の観点から鋼管杭が用いら
れているが、この鋼管杭は、特に海水の飛沫帯での腐食
の進行が大きく、耐用性に乏しいものになるため、この
海水飛沫帯に接する部分には、樹脂塗装またはポリエチ
レン、ウレタン系の重防食を施して用いられるようにな
ってきている。しかし、これらの塗装、重防食を施した
鋼管杭においては、長期にわたって高耐食性を維持する
点において限界があり、その寿命は塗装の場合で15〜
20年、重防食の場合で40年と言われている。
【0003】一方、杭の耐食性を高めるために、杭本体
をステンレス鋼またはステンレス鋼等の耐食材と普通鋼
によるクラッド鋼で形成することが提案されているが、
このクラッド鋼による杭は、初期コストが高く高価なも
のになることから、あまり実用されていない。このよう
な不利を解消するために、特開平2−256713号公
報には、防食処理を施した鋼管杭が提案されている。こ
の鋼管杭は外表面に通常の塗装下地を施し、その上に耐
食性および弾力性を有する接着性樹脂を被覆し、さらに
エンボス状凹凸を形成した耐食性金属薄板を締め付けな
がら巻き付け、この薄板端部を折り込みまたはかしめて
締結した防食鋼管杭である。この鋼管杭においては、塗
装下地処理、樹脂被覆処理を必要とし、さらに鋼管杭の
管径および被覆長さに対応した幅や長さを有するエンボ
ス状凹凸を形成した耐食性金属薄板を被覆・締結しなけ
ればならず、高い生産性を確保することは難しい。ま
た、被覆する耐食性金属薄板の鋼管円周方向に顕著な継
ぎ目部が発生し、形状性に優れた被覆が難しくなる。
【0004】他方、実開昭62−44948号公報に
は、被覆する金属薄板として耐食性に優れたチタン薄板
を用い防食処理を施した鋼管杭が提案されている。この
鋼管杭spは、図6(a)に示すように、樹脂jcをコ
ーティングした鋼管杭spの外周面に、耐食性金属製の
L型鋼sを溶接wにより取り付け、図8(b)に示すよ
うに、耐食性金属板ts両端部を、前記L型鋼sに耐食
性金属製ボルト・ナットbnにより締め付け、鋼管杭s
p表面を耐食性金属板tsで覆い防食する構成を有して
いる。しかしながら、この鋼管杭を形成する場合、鋼管
杭に耐食性金属製のL型鋼sを溶接して取り付ける必要
があり製造コストが高く、鋼管杭の外表面に例えば樹脂
被膜がある場合には、鋼管杭にL形鋼を接する際に溶接
熱により被膜の有機溶剤が吐沸して溶接性が損なわれる
懸念がある。また、耐食性金属板tsの鋼管杭spへの
取り付けは、L型鋼sを介在させたボルト・ナットbn
による締め付け構造を採用しているため、この鋼管杭を
海中に打ち込む場合には、この耐食性金属板tsの取り
付けをダイバーによる海中作業で行う必要があり作業性
が悪く、取り付けコストも高くなるという問題がある。
また、鋼管杭の外周面に、例えば樹脂塗料が塗布されて
いる場合に、耐食性金属板をスパイラル状に巻き付け
て、その端縁同士を突き合わせて溶接する際には、溶接
熱により被膜の有機溶剤が吐沸して溶接性が損なわれる
懸念がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、例えば海洋
構造物の基礎として用いられ高耐食性が要求される鋼管
杭に、耐食性金属板を被覆することを前提とし、この被
覆にインダイレクト抵抗溶接を利用し、この場合に鋼管
杭に被膜を有していても被膜の有機溶剤が溶接熱により
吐沸して溶接性を阻害する等の問題もなく、確実、かつ
効率よく溶接することを可能にする耐食性金属薄板の被
覆方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、被覆鋼管
(杭)の外周面に耐食性金属薄板の先端を固定し、この
耐食性金属薄板を被覆鋼管(杭)を回転させながら軸方
向に送り、その側端部に重ね部を形成しながらスパイラ
ル状に巻き付け、インダイレクト抵抗溶接して被覆鋼管
(杭)に耐食性金属薄板を被覆するに際して、耐食性金
属薄板の巻き付け前に、該耐食性金属薄板の重ね部が位
置する被覆鋼管(杭)の被膜領域を加熱して該被膜領域
を軟化させ、この軟化被膜中に裏当て金材になる鋼帯を
加圧して埋め込みながらスパイラル状に巻き付け、この
鋼帯上面に重ね部が位置するように耐食性金属薄板をス
パイラル状に巻き付けることを特徴とする被覆鋼管また
は被覆鋼管(杭)への耐食性金属薄板の被覆方法であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、被覆鋼管
(杭)に、耐食性金属薄板をその側端部に重ね部を形成
しながらスパイラル状に巻き付けて、この重ね部で裏当
て金を配置してインダイレクト抵抗溶接を行って、被覆
鋼管(杭)に耐食性金属薄板を被覆する際に、耐食性金
属薄板の巻き付けに先だって、裏当て金材になる鋼帯を
スパイラル状に巻き付け、この鋼帯上面に重ね部が位置
するように耐食性金属薄板をスパイラル状に巻き付ける
ことにより、鋼帯で被膜を溶接熱から保護して被膜の有
機溶剤の吐沸を防止して確実、かつ効率よく溶接するこ
とが可能である。
【0008】この鋼帯を被覆鋼管(杭)にスパイラル状
に巻き付ける場合には、この鋼帯が位置する被覆鋼管
(杭)の被膜領域を加熱して該被膜領域を適度に軟化さ
せ、この軟化領域に鋼帯を加圧してに均一に埋め込むこ
とにより、耐食性金属薄板の下面に均一に接触させ、裏
当て金機能を安定確保するとともに裏当て金による段差
を小さくして段差に生じる間隙を極力小さくすることに
より、間隙を遮蔽するための樹脂等充填作業の負担を軽
減することができる。
【0009】被覆鋼管(杭)の被膜領域を加熱する場合
の加熱温度は、被覆鋼管(杭)の径、被膜の種類と厚
み、鋼帯の厚みと幅等によっても異なるが、通常、10
0〜300℃であればよい。100℃以下では、軟化が
不十分で鋼帯の埋め込みが困難であり、鋼帯との接着性
を十分に確保することができない。また、300℃以上
では、被膜が溶融して垂れてしまい被膜機能を失ってし
まうことになる。
【0010】鋼帯の被覆鋼管(杭)への巻き付けは、耐
食性金属薄板を被覆鋼管(杭)に巻き付ける前の別工程
として行っておいてもよいが、耐食性金属薄板を被覆鋼
管(杭)に巻き付ける際に同時的に行ってもよい。ただ
し、この場合、鋼帯の位置ずれを防止するために、被膜
が固化して被膜中に鋼帯が強固に固定される時間をおい
てから、耐食性金属薄板を巻き付けることが好ましい。
【0011】被膜の加熱手段としては、火炎あるいは熱
風を熱源とする加熱法(直接吹き付けや輻射管介在の間
接加熱)で被膜を直接加熱する方法が一般的と言える
が、赤外線を熱源とする加熱方法やその他の電気加熱法
を用いてもよく、また、鋼帯を直接または間接加熱して
から被覆鋼管(杭)に巻き付けることによって、鋼帯を
介して被膜を加熱するようににしてもよい。この場合に
は、被膜を必要最小限の範囲で加熱することが容易であ
る。
【0012】鋼帯の加圧手段としては、加圧装置を備え
た加圧ローラーが好ましく、加圧力(荷重)は、ポリエ
チレン系の樹脂被膜の場合で、加熱温度を100〜30
0℃とした場合には、10〜50kg/mm2 あれば厚み
3.0〜9.0mmの鋼帯の外表面を、非埋め込み部の被
膜の外表面レベルに一致させるまで、容易に埋め込むこ
とができる。この加圧力は、被膜の軟化状態に応じて、
鋼帯の外表面が非埋め込み部の被膜の外表面レベルに容
易に一致させられる範囲に調整する。
【0013】耐食性金属薄板の側端部の重ね部を溶接す
る手段としては、外周面側から被膜に悪影響を与えるこ
となく簡易に溶接できるインダイレクト抵抗溶接方法が
最適である。鋼帯および耐食性金属薄板の巻き付け開始
端と巻き付け終端の固定手段としては、各種の溶接方法
の他、接着法、機械的固定法等を用いることができる。
【0014】溶接方法としては、インダイレクト抵抗溶
接方法が好適である。このインダイレクト抵抗溶接方法
では、強加圧力により接合部が安定して得られるととも
に接合速度も早く低コストでの接合ができる。また、樹
脂のもれもなく健全な接合部が得られる。
【0015】以下に本発明を、本発明を実施する被覆設
備の配置例とともに、図1〜図5に基づき説明する。こ
の例は被覆鋼管杭を被覆対象としている。図1および図
2において、1は鋼管1pに被膜1cを被覆してなる被
覆鋼管杭で、置き場からクレーン(図示省略)により、
3個の回転ローラ2a,2b,2cからなる回転・送り
装置2により回転しながら矢印方向に送ることができ
る。3は耐食性金属コイルで、この耐食性金属コイル3
からピンチローラー4により耐食性金属薄板3sが巻き
戻され、支持ローラー5を経て被覆鋼管杭1側に供給さ
れ、先端はこの被覆鋼管杭1の外周面に固定される。
【0016】そして、回転・送り装置2の駆動により耐
食性金属薄板3の先端は被覆鋼管杭1の外周面において
側端部に重ね部ddを形成しながらスパイラル状に巻き
付けられる。この重ね部ddを、架台6に支持されたイ
ンダイレクト抵抗溶接機7によりインダイレクト抵抗溶
接し、被覆鋼管杭1に耐食性金属薄板3sを固定・被覆
する。
【0017】耐食性金属薄板3sの重ね部ddと被覆鋼
管1の外周面間には、耐食性金属薄板3sを巻き付ける
に先だって、裏当て金になる鋼帯8がスパイラル状に巻
き付けられており、このインダイレクト抵抗溶接は、こ
の鋼帯8による裏当て金を配置した状態で行われる。こ
の裏当て金になる鋼帯8を、耐食性金属薄板3sの巻き
付けに先だって、被覆鋼管に巻き付ける場合は、図3お
よび図4に示すように、鋼帯コイル8sからピンチロー
ラー9により巻き戻された鋼帯8を支持ローラー10を
経て、被覆鋼管杭1の外周面に供給してその先端を固定
し、被覆鋼管杭1を回転・送り装置2の駆動により回転
させ矢印方向に送ることにより、鋼帯8を被覆鋼管杭1
の外周面にスパイラル状に巻き付ける。
【0018】この巻き付けに先だって、鋼帯8が巻き付
けられる被覆鋼管杭1の被膜1c領域近傍において、鋼
帯8を加熱装置11で100〜300℃に加熱してから
被膜1cに接触させ、鋼帯8が接触する被膜1c領域を
軟化させるとともに、鋼帯8を、架台12に加圧装置1
3を介して支持された加圧ローラー14で加圧すること
によって、鋼帯8を被膜1c中に埋め込みながら巻き付
ける。
【0019】この場合、鋼帯8の先端と後端は被覆鋼管
杭1の被膜1cに接着・固定されるが、溶接を併用して
さらに強固に固定しておけば、耐食性金属薄板3sを巻
き付ける場合に、その先端を鋼帯8に溶接してから巻き
付けを開始し、巻き付け終了後に巻き付け終端を鋼帯8
に溶接して固定することもできる。
【0020】耐食性金属薄板3sを巻き付ける際には、
耐食性金属薄板3sの重ね部ddが鋼帯8の上面に位置
するように巻き付け位置の調整が行われる。この巻き付
け位置の調整は、目視判断により手動で行ってもよい
し、被覆鋼管杭1の回転・送り速度と耐食性金属薄板3
sの供給速度を自動制御することによって調整するよう
にしてもよい。
【0021】耐食性金属薄板3sの側端部の重ね部dd
で鋼帯8を裏当て金としてインダイレクト抵抗溶接する
インダイレクト抵抗溶接機7は、概念的には図5に示す
ように構成されたものである。すなわち、加圧装置15
aを備えた溶接側ローラー電極16と、加圧装置15b
を備えた非溶接側(アース側)広幅ローラー電極17と
を備えており、溶接側ローラー電極16は、耐食性金属
薄板3sの重ね部ddの上面に加圧・当接され、非溶接
側(アース側)広幅ローラー電極17は、溶接側ローラ
ー電極16から距離x離れた耐食性金属薄板3sの非重
ね部に加圧・当接されている。
【0022】この2つのローラー電極16,17は、電
源18を介して接続されており、各ローラー電極16,
17と電源18間の電源回路には、電気抵抗測定器19
a,19bが配設されており、溶接中に各電極における
電気抵抗を測定して、各電極における電気抵抗が所定領
域に維持されるように、演算制御装置20を介して電源
18を制御することができる。また、各ローラー電極の
加圧装置15a,15bには、加圧力測定器21a,2
1bが配設されており、溶接中に各電極における加圧力
を測定して、各電極における加圧力が所定領域に維持さ
れるように、演算制御装置20を介して加圧装置15
a,15bによる加圧力を制御することができる。
【0023】このインダイレクト抵抗溶接機7は、架台
5において被覆鋼管杭1の軸方向にスライド可能に配設
されており、回転・送り装置2による被覆鋼管杭1の回
転・送り速度が変動しても、倣い機構(図示省略)によ
り、被覆鋼管杭1に巻き付けられた耐食性金属薄板3s
の側端面に沿って微小スライドして所定の溶接線に対し
て精度よく溶接することができるようになっている。
【0024】被覆鋼管杭1に耐食性金属薄板3sをイン
ダイレクト抵抗溶接により被覆する場合には、耐食性金
属コイル3から耐食性金属薄板3sを巻き戻して、その
先端を被覆鋼管杭1の先端部に機械的に仮固定し、側端
部を重ねた状態で被覆鋼管杭1を回転・送り装置2によ
り回転させながら矢印の方向に送り込み、被覆鋼管杭1
の被膜1c中に埋め込まれた裏当て金になる鋼帯8上
に、重ね部ddを形成しながら、この重ね部ddの上面
に当接・配置したインダイレクト抵抗溶接機7の溶接側
ローラー電極16と、非溶接部側に当接配置した非溶接
側(アース側)広幅ローラー電極17間に通電すること
によりインダイレクト抵抗溶接して、被覆鋼管杭1の外
周面に耐食性金属薄板3sをスパイラル状に巻き付け被
覆することができる。耐食性金属薄板3s被覆鋼管杭1
の外周面間に間隙を生じた場合には、この間隙に充填材
を圧入して止水性を高めることが望ましい。
【0025】上記のように構成した本発明を実施するこ
とによって、被覆鋼管(杭)に耐食性金属薄板をスパイ
ラル状に巻き付け、インダイレクト抵抗溶接して被覆す
る場合に、裏当て金になる鋼帯で被膜を溶接熱から保護
して被膜の有機溶剤の吐沸を防止して確実、かつ効率よ
く溶接することが可能で、被覆鋼管(杭)に対して被膜
を損なうことなく耐食性金属薄板による被覆を強固に形
成することができる。
【0026】裏当て金になる鋼帯は、被覆鋼管(杭)の
被膜中に加圧して均一に埋め込むことにより、耐食性金
属薄板の下面に均一に接触させ、裏当て金機能を安定確
保するとともに裏当て金による段差を小さくして段差に
生じる間隙を極力小さくすることにより、間隙を遮蔽す
るための樹脂等充填作業の負担を軽減することができ
る。
【0027】なお、本発明は、上記した被覆設備例を用
いる場合にのみ限定されるものではなく、本発明を実施
する被覆設備例での例えばインダイレクト抵抗溶接機の
ローラー電極形状、当接・配置の位置、加圧機構、加熱
装置、加熱方法、各種の測定および制御機構、それらの
配置等については、溶接対象、溶接条件等に応じて、本
発明を実施できる範囲内において変更されるものであ
る。また、耐食性金属薄板として、チタン、チタン合金
ステンレス、アルミニウム、亜鉛溶融メッキ鋼板、アル
ミニウムメッキ鋼板等を用いることができる。
【0028】
【実施例】図1〜図5に示されるような被覆設備例を選
択的に用いて、ウレタン系樹脂被膜を有する被覆鋼管杭
に耐食性金属薄板としてチタン薄板をスパイラル状に巻
き付けるに先だって、この耐食性金属薄板の側端部に形
成される重ね部が位置する被覆鋼管杭の被膜領域を加熱
して、被膜を軟化させ、この軟化被膜中に裏当て金にな
る鋼帯を加圧して埋め込みながらスパイラル状に巻き付
け、この鋼帯上に重ね部が位置するようにチタン薄板を
スパイラル状に巻き付けて被覆する実験を行った。実験
条件と評価結果について以下に説明する。 実験条件 ・被覆鋼管 鋼 管:JIS A 5525 材 質:一般構造用鋼(SKK 400) 厚 み:12mm 被 膜 材 質:ウレタン樹脂 厚 み:5mm 回転速度:3600mm/min 送り速度:120mm/min ・チタン薄板 材 質:JIS H4600の1種TP270C 板 幅:1200mm 厚 み:0.7mm ・鋼 帯(裏当て金) 材 質:SPHC 板 幅:100mm 厚 み:4.0mm ・インダイレクト溶接 溶接電流:12000A 加圧力 :90〜480kg/mm2 ローラー電極 溶接側 径 :150mm 接触幅:3mm 加圧力:100〜300kg/mm2 非溶接側(アース側) 径 :150mm 接触幅:16mm 加圧力:500kg/mm2 一定 溶接速度:2500mm/min ・加熱装置:火炎バーナー 加熱温度:100〜300℃ ・加圧装置:加圧ロール 加圧力:10〜50kg/mm2
【0029】この実験によって得られた被覆鋼管杭のチ
タン薄板の溶接強度、鋼管杭被膜(樹脂被膜)への影響
状況等について検査を行った。その結果、本発明の実験
例では、溶接強度は十分であり、溶接部での鋼管杭被膜
の変質や破壊もなく、鋼管杭被膜の有機溶剤の吐沸に起
因する絶縁不良も認められなかった。
【0030】また、被覆鋼管杭に巻き付けられた裏当て
金になる鋼帯とチタン薄板の重ね部間の間隙を小さくす
ることができ、この間隙に対する充填材充填作業負担を
最小限に抑えることができた。
【0031】溶接時において、強加圧が加えられるた
め、樹脂間に鋼帯が固定され、かつ、鉄−チタン−チタ
ンの直接溶接が行われるが、底辺部が固い鋼帯になって
いるために圧力が一定となり、安定した接合ができた。
【0032】
【発明の効果】本発明においては、被覆鋼管(杭)への
耐食性金属薄板の巻き付けに先だって、裏当て金材にな
る鋼帯をスパイラル状に巻き付け、この鋼帯上面に重ね
部が位置するように耐食性金属薄板をスパイラル状に巻
き付けることにより、鋼帯で被膜を溶接熱から保護して
被膜の有機溶剤の吐沸を防止しして確実、かつ効率よく
溶接することが可能である。
【0033】また、被覆鋼管(杭)に鋼帯をスパイラル
状に巻き付ける場合に、この鋼帯が位置する被膜領域を
加熱して軟化させ、この軟化領域に鋼帯を加圧してに均
一に埋め込むことにより、耐食性金属薄板の下面に均一
に接触させ、裏当て金機能を安定確保するとともに裏当
て金による段差を小さくして段差に生じる間隙を極力小
さくすることにより、間隙を遮蔽するための樹脂等充填
作業の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する被覆鋼管杭への耐食性金属薄
板の被覆設備例と被覆鋼管杭への耐食性金属薄板の巻き
付け状態を示す一部切り欠き平面概念説明図。
【図2】図1のAa−Ab矢視断面部分概念説明図。
【図3】本発明を実施する被覆鋼管杭への鋼帯(裏当て
金)の被覆設備例と被覆鋼管杭への鋼帯の巻き付け状態
を示す一部断面平面概念説明図。
【図4】図3のBa−Bb矢視断面部分概念説明図。
【図5】本発明で用いるインダイレクト抵抗溶接機例を
示す正面部分概念説明図。
【図6】従来例における鋼管に対する耐食金属板被覆例
を示す立体概念説明図。
【符号の説明】
1 被覆鋼管杭 1p 鋼管 1c 被膜 2 回転・送り装置 2a,2b〜2c 回転ローラー 3 耐食性金属コイル 3s 耐食性金属薄板 4 ピンチローラー 5 支持ローラー 6 架台 7 インダイレクト抵抗溶接機 dd 重ね部 8 鋼帯(裏当て金) 8s 鋼帯コイル 9 ピンチローラー 10 支持ローラー 11 加熱装置 12 架台 13 加圧装置 14 加圧ローラー 15a,15b 加圧装置 16 溶接側ローラー電極 17 非溶接側ローラー電極 18 電源 19a,19b 電気抵抗測定器 20 演算制御装置 21a,21b 加圧力測定器 Sp 鋼管杭 Jc 樹脂 ts チタン薄板 s 型鋼 bn ボルト・ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 和巳 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 本間 宏二 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 木下 和宏 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 高橋 康雄 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被覆鋼管(杭)の外周面に耐食性金属薄
    板の先端を固定し、この耐食性金属薄板を被覆鋼管
    (杭)を回転させながら軸方向に送り、その側端部に重
    ね部を形成しながらスパイラル状に巻き付け、インダイ
    レクト抵抗溶接して被覆鋼管(杭)に耐食性金属薄板を
    被覆するに際して、耐食性金属薄板の巻き付け前に、該
    耐食性金属薄板の重ね部が位置する被覆鋼管(杭)の被
    膜領域を加熱して該被膜領域を軟化させ、この軟化被膜
    中に裏当て金材になる鋼帯を加圧して埋め込みながらス
    パイラル状に巻き付け、この鋼帯上面に重ね部が位置す
    るように耐食性金属薄板をスパイラル状に巻き付けるこ
    とを特徴とする被覆鋼管または被覆鋼管(杭)への耐食
    性金属薄板の被覆方法。
JP21649296A 1996-08-16 1996-08-16 被覆鋼管または被覆鋼管杭への耐食性金属薄板の被覆方法 Withdrawn JPH1058150A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101441055B1 (ko) * 2012-10-18 2014-09-17 (주)아리터 외주면에 나선형의 강철 부재 및 저항 보강체를 포함하는 콘크리트 파일 및 그 제조 방법

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