JPH10509039A - リボザイムアナログ - Google Patents

リボザイムアナログ

Info

Publication number
JPH10509039A
JPH10509039A JP8516243A JP51624396A JPH10509039A JP H10509039 A JPH10509039 A JP H10509039A JP 8516243 A JP8516243 A JP 8516243A JP 51624396 A JP51624396 A JP 51624396A JP H10509039 A JPH10509039 A JP H10509039A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
nucleotide
flanking
ribozyme
covalently linked
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8516243A
Other languages
English (en)
Inventor
グッドチャイルド,ジョン
レナード,トーマス・イー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idera Pharmaceuticals Inc
Original Assignee
Idera Pharmaceuticals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idera Pharmaceuticals Inc filed Critical Idera Pharmaceuticals Inc
Publication of JPH10509039A publication Critical patent/JPH10509039A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • C12N15/113Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/10Type of nucleic acid
    • C12N2310/12Type of nucleic acid catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes
    • C12N2310/121Hammerhead
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/30Chemical structure
    • C12N2310/31Chemical structure of the backbone
    • C12N2310/318Chemical structure of the backbone where the PO2 is completely replaced, e.g. MMI or formacetal
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/30Chemical structure
    • C12N2310/32Chemical structure of the sugar
    • C12N2310/3212'-O-R Modification

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 3'から5'へ結合したリボヌクレオチドの配列をエンドヌクレオチド分解により開裂する能力を有するリボザイムアナログを開示する。該リボザイムアナログは、3'から5'へ共有結合した複数のヌクレオチド、および該ヌクレオチドの2つに共有結合した少なくとも一つの非ヌクレオチド性分子を有する堅固な分子性リンカーを含む。本発明のリボザイムアナログの製造方法および利用方法、並びに該リボザイムアナログを含有する医薬組成物およびキットをも開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 リボザイムアナログ 発明の背景 本発明は、部位特異的なRNA開裂に有用なエンドヌクレオチド分解活性およ び半減期の増大した分子に関する。本発明はまた、mRNAの分解による遺伝子 発現の制御に関する。 リボザイムは、それが結合したRNA分子、たとえばmRNA、RNA含有基 質およびリボザイムそれ自体において特異的なホスホジエステル結合を開裂する 能力を含む触媒活性を有するRNA分子である。 リボザイムは幾つかの物理構造の一つをとり、その一つは「ハンマーヘッド( hammerhead)」と呼ばれる。ハンマーヘッドリボザイムは、9つの保存された塩 基を含有する触媒コア、二本鎖のステムおよびループ構造(ステム−ループII) 、および該触媒コアの領域の両側にある(フランキングする)標的RNAに相補 的な2つの領域からなる。フランキング領域は、二本鎖のステムIおよびIIIを 形成することによってリボザイムが標的RNAに特異的に結合することを可能に する。開裂は、3',5'−リン酸ジエステルから2',3'−環状リン酸ジエステル へのエステル交換反応により特定のリボヌクレオチドトリプレットの隣でシス( すなわち、ハンマーヘッドモチーフを含有する同じRNA分子の開裂)かまたは トランス(該リボザイムを含有するものとは異なるRNA基質の開裂)で起こる 。現在、この触媒活性にはリボザイムの触媒領域中の特定の高度に保存された配 列の存在が必要であると信じられている。 リボザイムのエンドヌクレオチド分解活性はインビトロでは示されているが、 リボザイムはRNアーゼに感受性であるためインビボでの使用は制限されている 。さらに、30またはそれ以上のヌクレオチドを有するリボザイムなどの治療剤 の製造は一層高価であり、大量に製造するのは困難である。それゆえ、インビト ロおよびインビボでRNAを開裂したりインビボでの使用のために遺伝子発現を 制御したりするのに用いることのできるヌクレアーゼ耐性の増大した一層小さな 分 子に対する必要性が存在する。 アンチセンスオリゴヌクレオチドをインビボでの分解影響から保護する努力が なされる中で、これら分子に対して種々の構造上の修飾が施されており、このよ うな修飾にはホスホジエステル結合の非ホスホジエステル結合による置換、種々 の糖基および塩基の置換、末端キャッピング基の付加、および存在する構造の自 己ハイブリダイズ末端による置換が含まれる(グッドチャィルド(Goodchild) (1990)Bioconjugate Chem.1:165〜187;アグラワル(Agrawal )ら(1992)Trends.Biotechnol.10:152〜158;WO93/15 194;WO94/10301;WO94/12633に概説されている)。 しかしながら、RNA分子をエンドヌクレアーゼによる消化から保護する修飾 はまたリボザイムの触媒活性にも影響を及ぼす。たとえば、ペロール(Perreau lt)ら(Nature(1990)344:565〜567)は、リボザイム配列内 の種々の保存された位置でのリボヌクレオチドの2'−デオキシリボヌクレオチ ドによる置換が触媒効率の96%の減少となることを報告している。ペロールら (Biochem.(1991)30:4020〜4025)およびダーン(Dahn)ら (Biochem.(1990)72:819〜23)は、種々の2'−ヒドロキシル基 の水素原子による置換がハンマーヘッドリボザイムの触媒活性を減少させること を開示している。オルセン(Olsen)ら(Biochem.(1991)30:973 5〜9741)は、すべてのアデノシン残基上の2'−ヒドロキシル基のフッ素 かまたは水素による置換がリボザイムの触媒活性を減少させることを報告してい る。オダイ(Odai)ら(FEBS Lett.(1990)267:150〜152 )は、コア領域中の保存されたグアノシン残基の環外アミノ基の水素による置換 が触媒活性を減少させることを報告している。ラッフナー(Ruffner)ら(Nuc leic Acids Res.(1990)18:6025〜6029)およびブザヤン( Buzayan)ら(Nucleic Acids Res.(1990)18:4447〜4451 )は、種々のインターヌクレオチドリン酸残基上の酸素原子を硫黄で置換すると 触媒活性が減少することを開示している。ピーケン(Pieken)ら(Science( 1991)253:314〜317)は、アデノシン残基上の種々の2'−ヒド ロキシル基 をフッ素で置換したとき、およびシチジン残基上の2'−ヒドロキシル基をアミ ン基で置換したときに触媒活性が減少することを開示している。 他の研究グループは、リボザイム内のヌクレオチドをヌクレオチドアナログで 置換している。たとえば、ウスマン(Usman)ら(WO93/15187)は、 触媒活性において重要な部位にリボヌクレオチドまたは核酸アナログ(修飾され た糖、リン酸、または塩基を有する)を、触媒活性において重要でない部位に核 酸アナログまたはデオキシリボヌクレオチドを有する、リボザイム様の触媒活性 を有するキメラポリマーまたは「ヌクレオザイム」をデザインしている。 最近、触媒活性を減ずることなく一層安定な分子をデザインする努力の中で、 ハンマーヘッドリボザイムのステム−ループII構造の長さを短くするなどの修飾 がなされている。たとえば、グッドチャイルドら(Arch.Biochem.Biophys.( 1991)284:386〜391)は、ステムIIおよびループIIを一層短いヌ クレオチド配列で置換している。ツシュル(Tuschl)ら(Proc.Natl.Acad. Sci.(USA)(1993)90:6991〜6994)は、ステムIIを2塩 基対まで短くし、4塩基対ループで囲まれたハンマーヘッドリボザイムを調製し た。マッコール(McCall)ら(Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)89:57 10〜5714)は、活性を減ずることなく、ステム−ループをワトソン−クリ ック型の塩基対を形成できない少数のヌクレオチドで置換し、および/またはス テム−ループIIおよびフランキングアームをDNAで置換した。 リボザイム構造の修飾にはまた、該分子の非コア部分の非ヌクレオチド性分子 による置換が含まれる。たとえば、ベンセラー(Benseler)ら(J.Am.Chem. Soc.(1993)115:8483〜8484)は、ステムIIの2つの塩基対 、およびループIIの4つのすべてのヌクレオチドを、ヘキサエチレングリコール 、プロパンジオール、ビス(トリエチレングリコール)ホスフェート、トリス( プロパンジオール)ビスホスフェート、またはビス(プロパンジオール)ホスフ ェートに基づく非ヌクレオシド結合で置換した。マ(Ma)ら(Biochem.(1 993)32:1751〜1758;Nucleic Acids Res.(1993)21 :2585〜2589)は、TARリボザイムヘアピンの6ヌクレオチドループ を非 ヌクレオチド性のエチレングリコール関連リンカーで置換した。トムソン(Tho mson)ら(Nucleic Acids Res.(1993)21:5600〜5603)は 、ループIIを長さが13、17および19原子の直鎖状の非ヌクレオチド性のリ ンカーで置換した。 しかしながら、現在までのところ、リボザイムのステム−ループ領域および触 媒コアの非保存領域のいずれの領域のヌクレオチドも、一層堅固な非ヌクレオチ ド性の分子では置換されていない。回転の制限された非ヌクレオチド性のリンカ ーまたはインサートは、可撓性の一層少ない分子を与え、酵素の条件に一層沿う ものとなる。 それゆえ、必要とされるのは、ヌクレアーゼ耐性およびエンドヌクレオチド分 解活性が改善され、速やかにしかも低コストで調製しうる分子である。発明の要約 本発明は、エンドヌクレオチド分解により一本鎖RNAを開裂しうる、ヌクレ アーゼ耐性の増大したヌクレオチド触媒分子すなわちリボザイムアナログを提供 する。これらリボザイムアナログは、該リボザイムのステム−ループまたは触媒 コアの非保存領域のいずれかに置換された少なくとも一つの分子または「ユニッ ト」を含む、堅固な非ヌクレオチド性のリンカーを含む。 堅固な分子性リンカーは、少なくとも一つの非ヌクレオチド性分子から形成し うることが見出された。また、リボザイムのステム−ループIIおよび触媒コアの 非保存領域の幾つかまたはすべてを少なくとも一つの堅固な非ヌクレオチド性分 子で置換することは、得られたリボザイムアナログが一本鎖RNAをエンドヌク レオチド分解により開裂する能力を損なうことなく行いうることも見出された。 ヌクレオチド置換および非ヌクレオチド置換を有するリボザイムが調製されてい るが、今日まで本件出願におけるような堅固な非ヌクレオチド性分子による置換 はなされたことがない。さらに、これまでのところ、ステム−ループIIの全領域 の置換は、得られたリボザイムが一本鎖RNAをエンドヌクレオチド分解により 開裂する能力を損なうことなく行われたためしはない。 これら知見を用いて本発明を開発したが、本発明は一つの側面において堅固な 分子性リンカーを含む。該リンカーは少なくとも一つの堅固な非ヌクレオチド性 分子または「ユニット」を含み、該堅固な非ヌクレオチド性分子または「ユニッ ト」は好ましい態様においてシクロヘキサンジオール、ステロイド、ルペンジオ ール、イソソルビド(isosorbides)またはそれらの組み合わせを含む。 本明細書において「非ヌクレオチド性」とは、ヌクレオチドまたはヌクレオチ ドアナログを含まない分子または該分子の特定部分をいう。従って、「ヌクレオ チド性」とはヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログを含有する分子または該 分子の特定部分をいう。 本発明の目的のためには、「堅固な」とは、単純な直鎖状分子に比べて分子内 回転の自由度が制限された分子構造の物理状態をいう。 本発明の幾つかの態様において、リンカーは少なくとも2つの隣接し共有結合 した非ヌクレオチド性分子を含む。そのような態様において、リンカーの該分子 は、ホスホジエステル結合、アルキルホスホネート結合、ホスホロチオエート結 合、ホスホロジチオエート結合、アルキルホスホノチオエート結合、ホスホルア ミデート結合、リン酸エステル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ア セトアミデート結合、またはカルボキシメチルエステル結合により、またはそれ ら結合の組み合わせにより共有結合している。 幾つかの好ましい態様において、リンカーは2〜20の非ヌクレオチド性分子 を含む。他の態様において、リンカーは少なくとも4つの共有結合したシクロヘ キサンジオールユニット、たとえば、トランス−1,2−シクロヘキサンジオー ル、シス−1,2−シクロヘキサンジオール、トランス−1,3−シクロヘキサン ジオール、シス−1,3−シクロヘキサンジオール、トランス−1,4−シクロヘ キサンジオール、シス−1,4−シクロヘキサンジオール、およびそれらの組み 合わせを含む。本発明の一つの特定のリンカーは4つのシクロヘキサンジオール ユニットからなる。 本発明の他の態様において、非ヌクレオチド性の分子性リンカーの調製方法が 提供される。この方法において、複数の堅固な非ヌクレオチド性分子が、ホスホ ジエステル結合、ホスホルアミデート結合、アルキルホスホネート結合、ホスホ ロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、アルキルホスホノチオエート結 合、リン酸エステル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、アセトアミデ ート結合、カルボキシメチルエステル結合、またはこれらの組み合わせよりなる 群から選ばれた結合により共有結合される。一つの態様において、複数のトラン ス−1−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2−O−(β−シアノエトキシ )−(N,N−ジイソプロピルアミン)]ホスフィノ−1,2−シクロヘキサンジ オールユニットが調製される。そのようなユニットの1番目がそのようなユニッ トの2番目に共有結合する。ついで、そのようなユニットの3番目がそのような ユニットの2番目に共有結合し、そのようなユニットの4番目がそのようなユニ ットの3番目に共有結合し、かくして分子性リンカーを形成する。 本発明の他の側面は、上記方法により調製した分子性リンカーである。 他の側面において、本発明は、エンドヌクレオチド分解活性を有し、ハンマー ヘッドリボザイムと類似の構造を有するが、対照的にステム−ループII領域中に 置換されるかまたはその全領域が上記堅固な分子性リンカーで置換された「リボ ザイムアナログ」またはリボザイム様RNA含有分子を提供する。 一つの態様において、本発明のリボザイムアナログは、第一のヌクレオチド性 コア領域および第二のヌクレオチド性コア領域によりフランキングされこれら領 域に共有した、堅固な非ヌクレオチド性の分子性リンカーを含むヌクレオチド性 のステム−ループII領域を有する。これら第一および第二のヌクレオチド性コア 領域は触媒コアを形成する。第一のヌクレオチド性フランキング領域は第一の触 媒コアに連結し、第二のヌクレオチド性フランキング領域は第二の触媒コア領域 に連結される。 本発明のリボザイムアナログのステム−ループII領域は、複数の3'から5'へ 共有結合した自己ハイブリダイズヌクレオチドを含み、堅固な分子性リンカーに 共有結合した3'末端および5'末端を有する。 本明細書において「自己ハイブリダイズ」とは、ステム−ループII上のステム 領域中に存在し、互いに相補的で通常のワトソン−クリック型の塩基対を形成す るヌクレオチドをいう。このステム領域は2本の相捕的なヌクレオチド鎖を有し 、 これら鎖には一方の鎖上の一つのヌクレオチドと他方の鎖上の一つのヌクレオチ ドが含まれ、これらが一緒になって塩基対を形成する。一つの制限されない例に おいて、ステム−ループのステムは2〜6の塩基対を有する。 ステム−ループIIは、第一および第二のヌクレオチド性の一本鎖ヌクレオチド 性コア領域に共有結合している。各ヌクレオチド性コア領域は、複数の3'から 5'へ共有結合したヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端および5'末端を有す る。第一のヌクレオチド性コア領域の3'末端はステム−ループIIの5'末端に連 結し、第二のヌクレオチド性コア領域の5'末端はステム−ループIIの3'末端に 連結している。 触媒コア領域は第一および第二のフランキング領域によりフランキングされて いる。第一のフランキング領域は少なくとも一部が基質RNA分子の第一の標的 領域に相補的であり、第二のフランキング領域は少なくとも一部が基質RNA分 子の第二の標的領域に相補的である。第一のフランキング領域中の少なくとも4 つのヌクレオチドが基質RNAの第一の標的領域中の少なくとも4つのヌクレオ チドに相補的であり、第二のフランキング領域中の少なくとも4つのヌクレオチ ドが基質RNAの第二の標的領域中の少なくとも4つのヌクレオチドに相捕的で ある。第一の標的領域と第二の標的領域とは、互いに排他的である。 本明細書において「相補的」とは、フランキング領域がヌクレオチドの特定の 配列と通常のワトソン−クリック型の塩基対形成によりハイブリダイズしうる能 力をいう。 「標的RNA」および「基質RNA」とは、リボザイムアナログによって認識 および開裂される、3'から5'へ共有結合したリボヌクレオチドからなるオリゴ リボヌクレオチドをいう。 第一のフランキング領域の3'末端は第一のヌクレオチド性コア領域の5'末端 に連結し、第二のフランキング領域の5'末端は第二のヌクレオチド性コア領域 の3'末端に連結している。 幾つかの態様において、第一および第二のフランキング領域および第一および 第二のヌクレオチド性コア領域は、ホスホジエステル結合、アルキルホスホネー ト結合、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、アルキルホスホ ノチオエート結合、ホスホルアミデート結合、リン酸エステル結合、カルバメー ト結合、カーボネート結合、アセトアミデート結合、カルボキシメチルエステル 結合、またはこれら結合の組み合わせよりなる群から選ばれたインターヌクレオ チド結合により共有結合した複数のヌクレオチドを含む。 好ましい態様において、第一および第二のフランキング領域および第一および 第二のヌクレオチド性コア領域は、リボヌクレオチド、リボヌクレオチドのアナ ログ、デオキシリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドのアナログ、およ びこれらの組み合わせからなる。 本明細書においてデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはヌク レオチドの「アナログ」とは、修飾した構造を有するヌクレオチドをいう。修飾 としては、ヌクレオチドの糖、塩基またはリン酸基を含むヌクレオチドのいずれ かの部分での付加、還元または置換が挙げられる。 幾つかの態様において、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドの アナログは、アルキルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエー ト、アルキルホスホノチオエート、ホスホルアミデート、リン酸エステル、リン 酸トリエステル、カルバメート、カーボネート、アセトアミデート、カルボキシ メチルエステル、およびこれらの組み合わせである。一つの特定の態様において 、リボザイムアナログ中の少なくとも一つのリボヌクレオチドアナログは2'− O−メチルリボヌクレオチドアナログである。 本発明の他の態様において、触媒コアを形成する2つのヌクレオチド性コア領 域によってフランキングされた堅固な分子性リンカー、および2つのフランキン グ領域を含むリボザイムアナログが提供される。リンカーは、2つのヌクレオチ ド性コア領域に共有結合した少なくとも一つの非ヌクレオチド性分子を含む。各 ヌクレオチド性コア領域は複数の3'から5'へ共有結合したヌクレオチドを含み 、それぞれ3'末端および5'末端を有する。各フランキング領域は、少なくとも 4つの3'から5'へ共有結合したヌクレオチドを含む。第一のヌクレオチド性コ ア領域の5'末端は第一のフランキング領域の3'末端に共有結合し、第二のヌク レ オチド性コア領域の3'末端は第二のフランキング領域の5'末端に共有結合して いる。第一のフランキング領域の少なくとも一部は基質RNA分子上の第一の標 的領域に相補的であり、第二のフランキング領域の少なくとも一部は同基質RN A分子上の第二の標的領域に相補的である。 本発明の他の側面は、基質RNA分子の発現を制御する方法である。この方法 において、本発明のリボザイムアナログを用意し、これを用いて該RNAと接触 させる。「用意」とは、供給、利用可能または調製することをいう。該リボザイ ムアナログの第一のフランキング領域が該基質RNAの第一の標的領域にハイブ リダイズし、第二のフランキング領域が該基質RNAの第二の標的領域にハイブ リダイズし、かくして該リボザイムアナログが該基質RNAを開裂することを可 能にする。このようにして、該基質RNAの発現、すなわちタンパク質に翻訳さ れる能力が制御される。 該方法の幾つかの態様において、開裂しようとする基質RNAはまた、リボザ イムアナログに接触させると同時にファシリテーターオリゴヌクレオチドにも接 触させる。本明細書において「ファシリテーターオリゴヌクレオチド」とは、該 リボザイムアナログのいずれかのフランキング領域によってターゲティングされ る第一または第二の標的領域に近接するRNA基質上のリボヌクレオチド配列に 相補的でハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドをいう。 本発明の他の態様において、一本鎖のRNA含有基質を部位特異的に開裂する 方法が提供され、該方法は、本発明のリボザイムアナログを用意し、ついで該リ ボザイムアナログの第一のフランキング領域が該基質RNAの第一の標的領域に ハイブリダイズし、該リボザイムアナログの第二のフランキング領域が該基質R NAの第二の標的領域にハイブリダイズし、かくして該リボザイムアナログが該 RNA基質を部位特異的に開裂することを可能にするように、該RNA含有基質 分子を該リボザイムアナログと接触させることを含む。 本明細書において「部位特異的開裂」とは、リボヌクレオチドの特定の配列の 前または後で基質RNA分子のリン酸骨格を酵素的に切断することをいう。 幾つかの態様において、該方法はさらに、該基質RNA分子を該リボザイムア ナログに接触させると同時にファシリテーターオリゴヌクレオチドに接触させる ことを含む。 本発明の他の側面は、本明細書に記載するリボザイムアナログの製造方法であ る。この方法において、第一のフランキング領域を複数のヌクレオチドを共有結 合することにより形成する。このことは、一つのヌクレオチドの3'末端を他の ヌクレオチドの5'末端に連結させ、以下同様に行うことによって行う。ついで 、第一のフランキング領域の5'末端に第一のヌクレオチド性コア領域のヌクレ オチドを3'から5'へ一つずつ共有結合させる。ついで、二本鎖ステムIIの一方 の鎖のヌクレオチドを第一のヌクレオチド性コア領域の5'末端に3'から5'へ 共有結合させる。ついで、堅固な分子性リンカーを形成する少なくとも一つの非 ヌクレオチド性分子をステムII領域の5'末端に共有結合により結合させる。幾 つかの態様において、これら共有結合は、ホスホジエステル結合、アルキルホス ホネート結合、リン酸エステル結合、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオ エート結合、アルキルホスホノチオエート結合、カルバメート結合、カーボネー ト結合、アセトアミデート結合、カルボキシメチルエステル結合、またはホスホ ルアミデート結合である。 ついで、ステムIIの第二の鎖を該リンカーの非結合末端に対して構築する。こ のことは、該リンカーの非ヌクレオチド性分子にヌクレオチドの3'末端を結合 させ、ついで該リンカーにすでに結合したヌクレオチドに複数のヌクレオチドを 3'から5'へ一つずつ共有結合させ、ついで互いに、すでに結合したヌクレオチ ドの5'末端に結合すべきヌクレオチドの3'末端を結合させることにより行う。 同様に、ステムIIの第二の鎖の3'末端に第二のヌクレオチド性コア領域を形成 する複数のヌクレオチドを共有結合し、一つのヌクレオチドの5'末端を最初に ステムIIの第二の鎖の3'末端に結合させる。ついで、第二のフランキング領域 を形成する複数のヌクレオチドを、第二の触媒コア領域の5'末端に共有結合さ せる。このことは、一つのヌクレオチドの3'末端を触媒コア領域の5'末端に結 合させ、ついで結合したヌクレオチドの5'末端に他のヌクレオチドの3'末端を 同様に結合させ、以下同様にすることによって行う。 本発明の他の側面は、上記方法に従って調製したリボザイムアナログである。 本発明はまた、生理学的に許容しうる担体中に本発明のリボザイムアナログを 含む治療組成物をも提供する。幾つかの態様において、該組成物はさらにファシ リテーターオリゴヌクレオチドを含む。 本発明のさらに他の側面は、本発明の少なくとも一つのリボザイムアナログを 含むキットである。幾つかの態様において、該キットはさらにファシリテーター オリゴヌクレオチドを含む。他のキットはまた生理学的に許容しうる担体を含む 。 本発明の他の側面は、ヌクレオチド性ステム−ループII領域、第一および第二 のフランキング領域、および第一および第二の触媒コア領域を含み、該第一の触 媒コア領域が堅固な分子性リンカーを含むリボザイムアナログである。このヌク レオチド性ステム−ループII領域は3'末端および5'末端を有し、3'から5'へ 共有結合し自己ハイブリダイズする複数のヌクレオチドを含む。第一および第二 の触媒コア領域は、それぞれ3'から5'へ共有結合した複数のヌクレオチドから なり、各コア領域は3'末端および5'末端を有する。第一の触媒コア領域中の堅 固な分子性リンカーは非保存性ヌクレオチドと置換しており、該領域中の2つの ヌクレオチドと共有結合している。 第一の触媒コア領域の3'末端はステム−ループII領域の5'末端と共有結合し ており、第二の触媒コア領域の5'末端はステム−ループII領域の3'末端に共有 結合している。第一の触媒コア領域の5'末端には第一のフランキング領域が共 有結合しており、第二の触媒コア領域の3'末端には第二のフランキング領域が 共有結合している。第一および第二のフランキング領域は、それぞれ3'から5' へ共有結合した複数のヌクレオチドを含み、各フランキング領域は3'末端およ び5'末端を有し、第一のフランキング領域の少なくとも一部は基質RNA分子 の第一の標的領域に相捕的であり、第二のフランキング領域の少なくとも一部は 該基質RNA分子の第二の標的領域に相補的である。 本発明の幾つかの態様において、ステム−ループIIおよび触媒コア領域の少な くとも一つの両者が堅固な分子性リンカーを含む。図面の簡単な説明 本発明の上記および他の目的、その種々の特徴、並びに本発明そのものは、添 付の図面とともに以下の記載を読んだときに一層完全に理解される。該図面にお いて: 図1は、基質RNAにハイブリダイズした共通ハンマーヘッドリボザイムの模 式図であり、保存されたリボヌクレオチド(C、U、G、A、G、A、G、A、 A)および非保存性ヌクレオチド(N)が該リボザイムの触媒コア中に存在し、 該基質RNA中のヌクレオチド(Y)の3'側で開裂が起こることを示す; 図2Aは、基質RNAにハイブリダイズした本発明のリボザイムアナログの一 つの態様の模式図であり、「Xn」はリンカー内の非ヌクレオチド性分子を示す ; 図2Bは、基質RNAにハイブリダイズした本発明のリボザイムアナログの他 の態様の模式図であり、「Xn」はリンカー内の非ヌクレオチド性分子を示す; 図2Cは、基質RNAにハイブリダイズした本発明のリボザイムアナログの他 の態様の模式図であり、「Xn」はリンカー内の非ヌクレオチド性分子を示す; 図2Dは、基質RNAにハイブリダイズした本発明のリボザイムアナログのさ らに他の態様の模式図であり、「Xn」はリンカー内の非ヌクレオチド性分子を 示す; 図3Aは、本発明の分子性リンカーに有用な代表的なシクロヘキサンジオール ユニットの模式図である; 図3Bは、本発明の分子性リンカーに有用な代表的なイソソルビドの模式図で ある; 図3Cは、本発明の分子性リンカーに有用なステロイドの模式図である; 図3Dは、本発明の分子性リンカーに有用な代表的なルペンジオールの模式図 である; 図4は、本発明の分子性リンカーに有用なシクロヘキサンジオールユニットの 調製を示す模式図である; 図5は、リン造影剤(phosphor imager)により生成したポリアクリルアミド ゲルのオートラジオグラムであり、pH8および9においてリボザイムアナログ TLI−86Aで処理した32P標識基質RNAの開裂生成物およびリボザイム( 対照)で処理した基質RNAの開裂生成物および非処理基質RNAおよびリボザ イムRZMZ−1(対照)について行ったものである; 図6は、リン造影剤により生成したポリアクリルアミドゲルのオートラジオグ ラムであり、pH8〜10においてリボザイム対照TLI−71Aで処理した32 P標識基質RNAの開裂生成物、pH8〜10においてリボザイムアナログTL 1−75Aで処理した基質RNAの開裂生成物、リボザイム対照の開裂生成物、 および非処理基質RNA対照について行ったものである; 図7Aは、基質RNAにハイブリダイズした本発明のリボザイムアナログの一 つの態様およびファシリテーターオリゴヌクレオチド(F1)の模式図である; 図7Bは、基質RNAにハイブリダイズした本発明のリボザイムアナログの他 の態様およびファシリテーターオリゴヌクレオチド(F1)の模式図である; 図8は、リン造影剤により生成したポリアクリルアミドゲルのオートラジオグ ラムであり、ファシリテーターオリゴヌクレオチド(F1)の存在下または不在 下、45℃にてリボザイムアナログTL1−128AまたはTL1−134Aで 処理した32P標識基質RNAの開裂生成物、およびファシリテーターオリゴヌク レオチド(F1)の存在下または不在下、37℃にてリボザイム処理したまたは 処理していない基質RNA(対照)について行ったものである; 図9は、ファシリテーターオリゴヌクレオチドF1の存在下または不在下にて リボザイムアナログR45および対照リボザイムR22を32P標識基質RNAと ともにインキュベートし、得られた開裂生成物をPAGE、オートラジオグラフ ィー、およびスキャニングデンシトメトリーにより定量した消化実験の結果を示 すグラフである。好ましい態様の詳細な説明 本明細書中に引用する特許および科学文献は当業者に利用可能な知識を確立す るものである。発行された米国特許、許された特許出願、およびそれらに引用さ れた文献は参照のため本明細書中に引用する。 ハンマーヘッドリボザイムはハーゼロッフ(Haseloff)およびゲルラッハ (Gerlach)によって作成されたが(Nature(1988)334:585〜5 91)、図1に示してあるように、9つの保存されたリボヌクレオチドを有する 触媒コア領域の2つの部分を連結し、標的RNAに相補的な2つの領域によって フランキングされた、二本鎖のステムおよびループ構造(ステム−ループII)か らなる。フランキング領域は、二本鎖のステムIおよびIIIを形成することによ りリボザイムが標的RNAに特異的に結合するのを可能にする。現在信じられて いるところではリボザイムが一本鎖RNAを開裂する能力を維持するためにはリ ボザイムの触媒コア領域のヌクレオチド配列の大部分が保存されていなければな らないが(コイスミ(Koisumi)ら(1991)Biochem.30:5145〜5 150;トムソン(Thomson)ら(1993)Nucleic Acids Res.21:5 600〜5603)、今や該開裂はリボザイムのステム−ループまたは触媒コア 領域中にヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ以外の堅固な分子を含有する 分子によって達成しうることがわかった。さらに、これら非ヌクレオチド性の分 子は一緒に連結することによってアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム アナログおよび他の分子に有用な分子性リンカーを形成しうる。 これら知見に基づいて本発明を開発したものであり、本発明は、堅固な非ヌク レオチド性の分子性リンカーおよび該リンカーを含有するハンマーヘッドリボザ イムのアナログを提供するものである。後者のハンマーヘッドリボザイムアナロ グは一本鎖RNAおよびRNA含有基質をエンドヌクレオチド分解により開裂す る能力を有する。それゆえ、本発明によるリボザイムアナログはRNA特異的な 制限エンドヌクレアーゼとして有用であり、そのようなものとしてRNAリガー ゼと組み合わせたときに組換えRNA分子の調製を可能にする。 本発明のリボザイムアナログは、リボザイムのステム−ループII、またはステ ム−ループIIおよび/または少なくとも一つの非保存性触媒コア領域が、ヌクレ オチドまたはヌクレオチドアナログのいずれをも含有しない堅固な分子性リンカ ーで部分的または完全に置換されている点で共通のハンマーヘッドリボザイムと は構造が異なる(図2A〜2D参照)。リンカーは少なくとも一つの堅固な非ヌ クレオチド性の分子または「ユニット」を含有しており、これら非ヌクレオチド 性の分子または「ユニット」は、シクロヘキサンジオール、ステロイド、ルペン ジオール、またはイソソルビド、またはリンカーが2以上の分子からなる場合に はこれらの組み合わせである。代表的なシクロヘキサンジオール、イソソルビド 、ステロイド、およびルペンジオールユニットは、それぞれ図3A〜3Dに示し てある。該リンカーを構成する該分子の堅固さは、リボザイムアナログの触媒活 性を維持するのを助ける。 分子性リンカーは、種々の市販の(たとえば、アルドリッチ・ケミカル(Alr ich Chemical)、ミルウォーキー、ウイスコンシンからのもの)非ヌクレオチ ド性ユニット、たとえばシクロヘキサンジオール、ルペンジオール、ステロイド (β−エストラジオール)、およびイソソルビドから調製できる。ついで、前駆 体分子をヌクレオチドについて自動合成のために誘導体化するのと同様の仕方で (たとえば、ジメトキシトリチル化やホスフィチル化(phosphitylation))誘 導体化する。別のやり方として、非ヌクレオチド性の分子は、当該技術分野で公 知の方法を用い、または下記実施例に記載する新規なプロトコールにより、一層 塩基性の出発化合物から合成する。 たとえば、シクロヘキサンジオールユニットであるトランス−1−O−(4, 4'−ジメトキシトリチル)−2−O−[β−シアンエトキシ(N,N−ジイソプ ロピルアミノ)]ホスフィノ−1,2−シクロヘキサンジオール(図3A)は、 トランス−1−O−ジメトキシトリチル−1,2−シクロヘキサンジオール(こ のもの自体はトランス−1,2−シクロヘキサンジオールをジメトキシトリチル クロライドおよびジメチルアミノピリジンで処理することにより調製する)から 調製できる。この合成は図4に記載してある。かくして調製した前駆体をテトラ ヒドロフラン(THF)の蒸発により乾燥させ、THF中のβ−シアノエトキシ −N,N−ジイソプロピルアミノクロロ−ホスフィンおよびジイソプロピルエチ ルアミン(DIPEA)で処理し、シリカゲルカラム上のクロマトグラフィーに より精製する。 他の調製可能でリンカーに用いることのできるシクロヘキサンジオールの例と しては、これらに限られるものではないが、シス−1,2−シクロヘキサンジオ ール、シス−およびトランス−1,3−シクロヘキサンジオール、およびシス− およびトランス−1,4−シクロヘキサンジオールが挙げられる。調製可能な代 表的な有用なイソソルビド(またはビス融合テトラヒドロフラン)は、2−O− (4,4−ジメトキシトリチル)−5−O−[β−シアノエトキシ(N,N−ジイ ソプロピルアミノ)]ホスフィノ−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシト ール(図3B)である。有用なルペンジオールの非限定的な例は、28−O−( 4,4'−ジメトキシトリチル)−3−O−(β−シアノエトキシ−N,N−ジジ イソプロピルアミノホスフィノ)−ベツリン(図3D)である。分子性リンカー は、よく知られたH−ホスホネート、ホスホルアミダイト、または手動もしくは 自動合成機により行う他の方法を用い、インターヌクレオチド結合を形成するの と同様の仕方で、個々の非ヌクレオチド性ユニットを一つずつ共有結合すること によって該ユニットの幾つかの組み合わせから調製できる。 たとえば、リンカーは、ヌクレオチドまたはリンカー分子の結合したコントロ ールポアガラス固相支持体を用い、マによって概略の示された手順(Biochemis try(1993)32:1751〜1758)により調製できる。少なくとも一 つのリボヌクレオシドを含有するリボザイムアナログについては、オギルビー( 上掲)の脱保護および精製プロトコールを用いることができる。リボヌクレオチ ドまたはリボヌクレオチドアナログを含有しないリボザイムアナログを調製する には、アトキンソン(Atkinson)らの脱保護および標準精製法(Oligonucleot ide synthesis:A Practical Approach(ゲイト(Gait)編)IRLプレス (オックスフォード)1984、35〜81頁中)を用いることができる。しか しながら、幾つかのリボザイムアナログにおいては、たとえばユニットがルペン ジオールである場合など、一つの非ヌクレオチド性ユニットがリンカーとして充 分である。 分子性リンカーは、その一方の末端が第一のヌクレオチド性コア領域の3'末 端に結合しており、他方の末端が第二のヌクレオチド性コア領域の5'末端に結 合している。第一のヌクレオチド性コア領域の5'末端は第一のフランキング領 域の3'末端に共有結合しており、ヌクレオチド性コア領域の3'末端は第二のフ ランキング領域の5'末端に共有結合している。各フランキング領域は少なくと も4つの隣接し共有結合したヌクレオチドおよび/またはヌクレオチドアナログ からなる。 さらに、各フランキング領域は、開裂しようとするRNA基質上の標的領域に 相補的で該領域にハイブリダイズしうるヌクレオチド配列を含む。フランキング 領域に相補的な標的領域は、開裂部位の位置に依存して、隣接しているかまたは 1または幾つかのヌクレオチドにより隔てられている。 本発明のリボザイムアナログまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドのフラン キング領域は、デオキシリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドのアナロ グ、リボヌクレオチド、リボヌクレオチドのアナログ、またはそれらの組み合わ せからなり、一つのヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログの5'末端と他の ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログの3'末端とが共有結合している。こ れらフランキング領域は長さが少なくとも4ヌクレオチドであるが、6〜50ヌ クレオチドの長さであるのが好ましく、6〜15ヌクレオチドのフランキング領 域が最も一般的である。 リボザイムアナログのフランキング領域および他のヌクレオチド性領域はホス ホルアミデートやH−ホスホネート化学などの当該技術分野で認識された方法に より調製でき、該方法は米国特許第5,149,789号に記載されている標準H −ホスホネート化学を用い、または標準ホスホルアミダイト化学(たとえば、ボ ーケージ(Beaucage)(Meth.Mol.Biol.(1993)20:33〜61); ダマー(Damha)ら(Protocols for Oligonucleotides and Analogs;Synth esis and Properties(アグラワル編)(1993)ヒューマナ・プレス、トト ワ、ニュージャージー、81〜114頁中;またはウールマン(Uhlman)ら( Chem.Rev.(1990)90:534〜583))を用い、手動または自動合 成機により行うことができる。 リボザイムアナログのフランキング領域および他のヌクレオチド性領域はまた 、該リボザイムアナログが基質RNAにハイブリダイズする能力を損なうことな く、ヌクレアーゼ消化に対して保護するために多くの仕方で修飾できる。たとえ ば、 リボザイムアナログのフランキング領域および他のヌクレオチド性部分のヌクレ オチドを、一方のヌクレオチドの5'末端と他方のヌクレオチドの3'末端との間 でホスホジエステルインターヌクレオチド結合以外の結合で共有結合でき、その 際、3'リン酸基はいずれかの化学基で置換されていてよい。そのような化学基 の例としては、アルキルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエ ート、アルキルホスホノチオエート、ホスホルアミデート、カルバメート、アセ トアミデート、カルボキシメチルエステル、カーボネートおよびリン酸エステル が挙げられる。 他の修飾としては、ヌクレオチド性コア領域またはフランキング領域の内部ま たは末端におけるものが挙げられ、インターヌクレオシドリン酸結合へのコレス テリル化合物またはジアミン化合物(アミノ基と末端リボース、デオキシリボー スとの間に種々の炭素数の残基を有する)の付加、およびリン酸修飾が挙げられ る。そのような修飾オリゴヌクレオチドの例としては、修飾した塩基および/ま たは糖(リボースの代わりのアラビノースなど)を有するヌクレオチド配列、ま たはその3'位および5'位の両方において酸素またはリン酸以外の化学基に結合 した糖を有する3',5'−置換ヌクレオチドを含む。他の修飾ヌクレオチド配列 は、その3'および/または5'末端においてヌクレアーゼ耐性を付与する嵩ばっ た置換基または自己ハイブリダイズ領域でキャッピングされているか、またはヌ クレオチド当たり一つの非架橋性の酸素に置換を有する。そのような修飾は、イ ンターヌクレオシド結合の幾つかまたはすべてにおいて、並びにオリゴヌクレオ チドのいずれかの末端または両末端において、および/または該分子の内部にあ ってよい。 これら修飾オリゴヌクレオチドの調製は、当該技術分野でよく知られている( アグラワルら(1992)Trends.Biotechnol.10;152〜158;グッド チャイルド(1990)Bioconjugate Chem.2:165〜187;ゾン(Zon )、Protocols for Oligonucleotides and Analogs(アグラワル編)ヒュー マナ.プレス、トトワ、ニュージャージー(1994)20巻、165〜189 頁中に概説されている)。たとえば、ヌクレオチドはホスホルアミダイト、H− ホスホ ネートまたはメチルホスホノアミダイト化学などの当該技術分野で認められた技 術を用いて共有結合できる。 第一のフランキング領域の3'末端および第二のフランキング領域の5'末端は 、上記方法のいずれかにより触媒コアに共有結合させる。幾つかの態様において 、第一および/または第二のフランキング領域は、その5'末端にアデニンなど の少なくとも一つのリボヌクレオチドを含み、これが触媒コアの第二のヌクレオ チド性コア領域の3'末端に共有結合する。 図2A〜2Dに模式的に示した本発明の幾つかの代表的なリボザイムアナログ の構造上の特徴を下記表1に要約してある。「フランキング領域」は第一および 第二の各フランキング領域中のヌクレオチド数を示し、「リンカーサイズ」はリ ンカー中の非ヌクレオチド性ユニット数を示す。 本明細書に記載する方法を用い、代表的なリボザイムアナログであるTL1− 75A(配列番号1)、TL1−86A(配列番号2)、およびR45(配列番 号19)を合成し、下記のようにして一本鎖基質RNAを用いてヌクレオチド分 解活性について試験した。 これら実験は、20mM塩化マグネシウムを含有する緩衝液中にてpH8、9 および10で同時に行った。マグネシウムはリボザイムにエンドヌクレオチド開 裂活性を付与する。RZMZ−1(配列番号13)、すなわち既知の触媒活性を 有するリボザイムを陽性対照として用い、マグネシウムの存在下での基質RNA (配列番号14)を陰性対照として用いた。UV分析により決定したストック溶 液の濃度に基づき、リボザイムアナログTL1−75A(配列番号1)およびT L1−86A(配列番号2)の試料を試験管にアリコートし、蒸発させた。つい で、前以て[α−32P]ATPを用いて37℃で10分間インキュベートして内 部を放射性標識しておいた基質RNA(配列番号14)をマグネシウム含有緩衝 液中に入れ、種々のリボザイムアナログの試料に加えた。これら反応混合物を3 7℃で1時間インキュベートし、ついでPAGEに供した。ついで、ゲル中の開 裂生成物をオートラジオグラフィーにより分析した。 代表的なアッセイの結果を図5および6に示す。これらゲルにおいて本発明の リボザイムアナログとともにインキュベートした基質RNA試料は、一層低分子 量で一層速やかに移動する開裂生成物に部分的に破壊された。これら結果は、試 験したリボザイムアナログが、試験したすべてのpHにおいてエンドヌクレオチ ド分解活性を有することを示している。 本発明のリボザイムアナログの開裂能力は、リボザイムアナログに近接してハ イブリダイズするファシリテーターオリゴヌクレオチドを系に導入することによ り促進することができる。そのようなファシリテーターオリゴヌクレオチドは、 フランキング領域がリボザイムアナログの5'側または3'側にて結合するRNA 基質配列に隣接する基質RNA上の標的配列に結合するように選択する。基質R NA、リボザイムアナログおよびファシリテーターオリゴヌクレオチドによって 形成された触媒複合体を図7Aおよび7Bに示す。幾つかの状況においては2つ のファシリテーターオリゴヌクレオチドの組み合わせが用いられ、その場合、一 方のファシリテーターはリボザイムアナログの第一の(5')フランキング配列 にハイブリダイズするヌクレオチド配列に直接近接した基質RNA部分にハイブ リダイズし、他方のファシリテーターはリボザイムアナログの第二の(3')フ ランキング配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列に直接近接した基質RN A部分にハイブリダイズする。別の態様として、複数のファシリテーターを用い てリボザイムアナログ活性を促進することができる。たとえば、3つのファシリ テーター を用いた系では、2つのファシリテーターは第一の(5')フランキング配列に 相補的なRNA基質配列に隣接して結合することができ、一方、単一の別のファ シリテーターは第二の(3')フランキング領域に相補的なRNA基質配列に隣 接して結合することができる。 さらに、ファシリテーターオリゴヌクレオチドは、リボザイムアナログのフラ ンキング配列に相補的な基質配列に直ちには隣接しないRNA基質の領域に相補 的なヌクレオチド配列を有していてよい。たとえば、リボザイムアナログとファ シリテーターオリゴヌクレオチドとが基質RNAに結合したときにリボザイムア ナログとファシリテーターオリゴヌクレオチドとの間に1〜約5オリゴヌクレオ チドの小さなギャップが存在するように、ファシリテーターを合成することがで きる。通常、ファシリテーターとリボザイムアナログとの間のギャップは0〜2 ヌクレオチドの範囲であろう。最も頻繁には、ファシリテーターとリボザイムア ナログとの間にはヌクレオチドギャップは存在しないであろう。 本発明のファシリテーターオリゴヌクレオチドは、一般に約5〜50ヌクレオ チドを有する。より好ましいファシリテーターオリゴヌクレオチドは約5〜15 デオキシリボヌクレオチドを含む。本発明による特に好ましいファシリテーター は約13のヌクレオチドを含む。特定の長さのファシリテーターを選択すること は、リボザイムアナログのフランキング配列の長さと関係する。さらに、幾つか のファシリテーターデオキシヌクレオチドは、その一部がRNA基質配列に相補 的であり、別の一部は基質RNA配列に相補的ではないヌクレオチドの配列を有 する。 ファシリテーターオリゴヌクレオチドは自動DNA合成機により、またはDN A鋳型から手動により合成できる。ファシリテーターオリゴヌクレオチドは、合 成し、その後、リボザイムアナログによる基質開裂速度に影響を及ぼしたり、細 胞による取り込みを増大させたり、または分解に対する耐性を高めたりするよう な残基を含むように修飾することができる。たとえば、開裂部位近傍に結合した 基質RNAの塩基数を増加させることにより、ファシリテーターは一層短いフラ ンキング配列で一層速やかに作用するリボザイムアナログの使用を可能にする。 ウ を用いた系では、2つのファシリテーターは第一の(5')フランキング配列に 相補的なRNA基質配列に隣接して結合することができ、一方、単一の別のファ シリテーターは第二の(3')フランキング領域に相補的なRNA基質配列に隣 接して結合することができる。 さらに、ファシリテーターオリゴヌクレオチドは、リボザイムアナログのフラ ンキング配列に相補的な基質配列に直ちには隣接しないRNA基質の領域に相補 的なヌクレオチド配列を有していてよい。たとえば、リボザイムアナログとファ シリテーターオリゴヌクレオチドとが基質RNAに結合したときにリボザイムア ナログとファシリテーターオリゴヌクレオチドとの間に1〜約5オリゴヌクレオ チドの小さなギャップが存在するように、ファシリテーターを合成することがで きる。通常、ファシリテーターとリボザイムアナログとの間のギャップは0〜2 ヌクレオチドの範囲であろう。最も頻繁には、ファシリテーターとリボザイムア ナログとの間にはヌクレオチドギャップは存在しないであろう。 本発明のファシリテーターオリゴヌクレオチドは、一般に約5〜50ヌクレオ チドを有する。より好ましいファシリテーターオリゴヌクレオチドは約5〜15 デオキシリボヌクレオチドを含む。本発明による特に好ましいファシリテーター は約13のヌクレオチドを含む。特定の長さのファシリテーターを選択すること は、リボザイムアナログのフランキング配列の長さと関係する。さらに、幾つか のファシリテーターデオキシヌクレオチドは、その一部がRNA基質配列に相補 的であり、別の一部は基質RNA配列に相補的ではないヌクレオチドの配列を有 する。 ファシリテーターオリゴヌクレオチドは自動DNA合成機により、またはDN A鋳型から手動により合成できる。ファシリテーターオリゴヌクレオチドは、合 成し、その後、リボザイムアナログによる基質開裂速度に影響を及ぼしたり、細 胞による取り込みを増大させたり、または分解に対する耐性を高めたりするよう な残基を含むように修飾することができる。たとえば、開裂部位近傍に結合した 基質RNAの塩基数を増加させることにより、ファシリテーターは一層短いフラ ンキング配列で一層速やかに作用するリボザイムアナログの使用を可能にする。 ウ イルスにおける適用においては、ファシリテーターは内生のリボヌクレアーゼH によるウイルスRNAの開裂をも行わせる点で二重の利点を有する。 本発明の他のリボザイムアナログの触媒能およびファシリテーターオリゴヌク レオチドが該触媒能を促進する能力をさらに示すため、以下の研究を行った。リ ボザイムアナログR45(配列番号19)および対照のリボザイムR22(配列 番号20)をファシリテーターオリゴヌクレオチド(F1)の不在下および存在 下で基質RNAとともにインキュベートした。R45およびR22は、ともにフ ランキング領域がホスホロチオエートインターヌクレオチド結合により連結した 分子を含有するRNAである。図9Aおよび9Bに示す結果は、ファシリテータ ーの存在下ではリボザイムアナログR45(配列番号19)はリボザイム対照R 22(配列番号20)と触媒活性が同等であることを示している。 リボザイムアナログ活性に対するファシリテーター分子の存在の影響およびフ ランキング配列の長さの減少の影響を示すため、それぞれフランキング領域の長 さが6ヌクレオチドである種々のリボザイムアナログ(TL1−128A(配列 番号3);TL1−130A(配列番号4);TL1−132A(配列番号5) ;およびTL1−134A(配列番号6))を37℃にて基質RNA(S2)( 配列番号14)およびマグネシウムとともに、またはマグネシウムの存在下で基 質RNAおよびファシリテーターオリゴヌクレオチド(配列番号16)とともに インキュベートした。対照のリボザイムR5(配列番号15)も同様に処理した 。10分後に反応混合物の試験管からアリコートを取り、インキュベートしない リボザイムアナログの対照とした。1時間後、反応混合物を氷上に置いた。RN A基質+ファシリテーターストック溶液のアリコートもまたインキュベートしな いRNA対照とした。得られた開裂生成物をポリアクリルアミドゲル電気泳動( PAGE)により分析した。 図8に示す結果は、本発明のリボザイムアナログとともにインキュベートした 基質RNA試料が、対照のリボザイムの場合と同じ部位での特異的開裂により一 層低分子量で一層速やかに移動する開裂生成物に部分的に分解されたことを示し ている。インキュベーション混合物にファシリテーターオリゴヌクレオチドを加 えた場合には開裂が一層進み(レーン7、9、11、および13)、本発明のリ ボザイムアナログがRNAを開裂する能力をさらに示していた。 本発明のリボザイムアナログは、本発明のリボザイムアナログを入れた容器、 種々のリボザイムアナログを入れた容器、またはリボザイムアナログとファシリ テーターオリゴヌクレオチドとを入れた容器、および/またはファシリテーター オリゴヌクレオチドのみを入れた容器を含む、キットの形態でのあらゆる使用方 法のために提供できる。各容器中のリボザイムアナログの量またはリボザイムア ナログとファシリテーターオリゴヌクレオチドとの量は、一つの治療投与量また はアッセイに充分なものであってよい。別のやり方として、キットの構成成分の 量は、たとえばRNA分子をインビトロで開裂するのに使用する場合に、容器か ら少量のアリコートのみを一度にサンプリングすればよいように濃縮することが できる。キットはリボザイムアナログおよびファシリテーターオリゴヌクレオチ ドを活性な形態で保存しなければならない。 本発明はまた、治療に有用なリボザイムアナログ、またはリボザイムアナログ とファシリテーターオリゴヌクレオチドとを含む、治療用組成物をも提供する。 これら治療用組成物は、リボザイムアナログおよび/またはリボザイムアナログ とファシリテーターオリゴヌクレオチドとを最初に生体内に、その後、標的細胞 中に送達しうる仕方で個体に投与しなければならない。 一つの投与方法は、生理学的に許容しうる担体とともに少なくとも一つの上記 リボザイムアナログを含有する治療用組成物によるものである。幾つかの治療用 組成物は2以上のタイプの本発明のリボザイムアナログを含み、さらに幾つかの 組成物はファシリテーターオリゴヌクレオチドを含む。 本明細書において「生理学的に許容しうる担体」とは、いずれかおよびすべて の溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤 、およびオリゴヌクレオチドの取り込み改善剤などを含む。薬理学的に活性な物 質のためのそのような媒体および剤の使用は、当該技術分野でよく知られている 。通常の媒体または剤が活性成分と適合しない場合を除く他、通常の媒体または 剤を治療用組成物に使用することができる。補助的な活性成分を組成物中に配合 す ることもできる。 注射に使用するのに適した剤型としては、滅菌水溶液または分散液および滅菌 注射液または分散液を即座に調製するための滅菌粉末が挙げられる。いずれの場 合も剤型を滅菌しなければならない。それは製造および貯蔵の条件下で安定でな ければならず、細菌や真菌などの微生物の汚染作用に対して保存しなければなら ない。担体は溶媒または分散媒体であってよい。微生物の作用からの保護は、種 々の抗菌および抗真菌剤によりもたらすことができる。注射可能な治療剤の吸収 の遅延は、吸収遅延剤の組成物の使用によりもたらすことができる。 本発明の治療用組成物は、通常の非毒性の薬理学的に許容しうる担体、アジュ バントおよびビヒクルを含む単位投与量組成物にて、非経口、経口、スプレイの 吸入、または経直腸により投与できる。本明細書において「非経口」とは、皮下 注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射または注入法を含む。 1回投与剤型を形成する担体物質を配合した活性リボザイムアナログの量は、 治療しようとするホストおよび特定の投与経路により異なるであろう。ある特定 の患者についての特定の投与レベルは、使用した特定の組成物の活性、年齢、体 重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、治療を受けている特 定の疾患の重篤度を含む種々の因子に依存するであろう。 本発明のリボザイムアナログそれ自体または治療用組成物中のリボザイムアナ ログは、リボザイムまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いる技術分野の 当業者によく知られた目的のために投与することができる。たとえば、ウイルス に感染した細胞は、ウイルス遺伝子の発現を阻止するために該ウィルス遺伝子に 対応する特定のmRNAのヌクレオチド配列に相補的なフランキング配列を有す るリボザイムアナログで処理することができる。同様に、リボザイムアナログは 、癌関連遺伝子の発現を停止させ、または過剰発現される遺伝子の発現を停止さ せるために投与することができる。 下記実施例は本発明を製造および実施するために好ましい態様を示すものであ るが、本発明がこれらに限定されることを意図するものではない。なぜなら、別 の方法を利用して同様の結果を得ることができるからである。 実施例 1.堅固な分子性リンカーの調製 トランス−1−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2−O−[β−シアノ エトキシ(N,N−ジイソプロピルアミノ)]ホスフィノ−1,2−シクロヘキサ ンジオール含有リンカーを調製するため、該ユニットの前駆体であるトランス− 1−O−ジメトキシトリチル−1,2−シクロヘキサンジオールが必要である。 この前駆体は以下のようにして調製する。 1.16g(10ミリモル)のトランス−1,2−シクロヘキサンジオールを5 0mlの無水ピリジンに溶解した。この溶液を蒸発乾固し、この手順を2回繰り 返して存在する水をすべて除去した。ついで、フラスコを密封し、アルゴンガス を一度に流した。ついで、3.4g(10.1ミリモル)のジメトキシトリチルク ロライドおよび20mgのジメチルアミノピリジンを50mlの無水ピリジン中 に溶解することにより溶液を調製した。この溶液を第一の混合物に注射器にて3 0分間かけて滴下した。ついで、この反応混合物を室温にて18時間撹拌した。 上記溶液のアリコートをヘキサン:酢酸エチル:トリエチルアミン(50:2 0:1)中の薄層クロマトグラフィーにより分析したところ、所望の生成物に対 応するスポットおよびジアルキル化生成物およびジメトキシトリタノールに対応 するかすかなスポットが得られた。溶媒を真空除去し、残渣を125mlのジク ロロメタン中に取った。これを5%重炭酸ナトリウム、および食塩水で2回洗浄 した。溶媒を除去し、得られたゴム状物をヘキサン:酢酸エチル:トリエチルア ミン中に取り、同溶媒を含むシリカゲルカラムに適用した。所望の生成物を含む フラクションをコンバインし、蒸発させて1.0g(2.38ミリモル)(25% 収率)の生成物を得た。 この方法により調製した物質を、3.72g(8.9ミリモル)のジメトキシト リチルシクロヘキサンジオール(前駆体)を40mlの無水テトラヒドロフラン (THF)中に溶解し、蒸発乾固することにより次工程に用いた。この手順を2 回繰り返した。ついで、残渣を40mlのTHF中に取り、これに6.2mlの ジイソプロピルエチルアミン(35.4ミリモル)を加えた。フラスコを密封し 、 アルゴンガスを一度に流した。ついで、25mlの乾燥THF中の4.21g( 17.8ミリモル)の[β−シアノエトキシ(N,N−ジイソプロピルアミノ)] クロロホスフィンを室温にて撹拌しながら30分間かけて滴下した。白色の沈殿 が生成した。最終添加の45分後、ヘキサン:酢酸エチル:トリエチルアミン( 50:20:1)中のTLCは反応が完了したことを示した。1mlの水を加え 、反応混合物を15分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を250mlの酢酸エ チル中に取った。有機層を75mlの5%重炭酸ナトリウムで1回、75mlの 食塩水で1回洗浄した。ついで、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて 小容量とした。得られた残渣をシリカゲルカラムに適用し、所望の生成物をヘキ サン:酢酸エチル:トリエチルアミン(50:20:1)中で溶出した。所望の 生成物を含有するフラクションをプールし、蒸発して、3.68g(5.94ミリ モル)(67%収率)の所望の生成物を得た。 2.リボザイムアナログの化学合成 非修飾(ホスホジエステル結合した)リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレ オチド、または両者を含むヌクレオチド性フランキング領域を、米国特許第5, 149,789号に記載されている標準H−ホスホネート化学を用い、またはボ ーケージ(Meth.Mol.Biol.(1993)20:33〜61)またはウールマ ンら(Chem.Rev.(1990)90:534〜583)により記載された標準 ホスホルアミダイト化学を用い、自動DNA合成機(アプライド・バイオシステ ムズ(Applied BioSystems)、フォスターシティー、カリフォルニア)にて 1.0μモルスケールで合成した。ホスホルアミダイト、メチルホスホネート、 および/または2'−O−メチル置換を前以て選択した位置で含む少なくとも一 つの非ホスホジエステルインターヌクレオチド結合を有するフランキング領域を 、アグラワルおよびグッドチャイルド(Tetrahedron Lett.(1987)28 :3539〜3542);アグラワルら(Proc.Natl.Acad.Sci.(USA) (1988)7079〜7083);および/またはウールマンら(Chem.Rev .(1990)90:534〜583)に記載された手順を用いて調製した。少 なくとも一つのホスホロジチオエート、カルバメート、リン酸エステル、2'− O−メ チル、アルキルホスホネート、ホスホルアミデート、アルキルホスホノチオエー ト、カーボネート、アセトアミデート、および/またはカルボキシメチルエステ ルヌクレオチドアナログを有するフランキング領域の調製は、当該技術分野で認 められた方法、たとえばProtocols For Oligonucleotides and Analogs(M eth.Mol.Bio.(アグラワル編)ヒューマナ・プレス、トトワ、ニュージャージ ー、20巻、1993);アグラワルら(1992)Trends.Biotechnol.10 :152〜158;グッドチャイルド(1990)Bioconjugate Chem.1:1 65〜187;およびウールマンら(Chem.Rev.(1990)90:534〜 583)において概説されている方法により行う。 リボヌクレオチドのコア領域中への導入は、ウスマン(Usman)らの標準法( (1987)J.Amer.Chem.Soc.109:7845〜7854)により行った 。非ヌクレオチド性ホスホルアミダイトのオリゴヌクレオチド中への導入も、ヌ クレオチドの場合と同じ標準プロトコールを用いて行った。 支持体からの生成物の開裂および脱保護は、密封した試験管中にて1mlの濃 アンモニア水:エタノール(3:1、v/v)中、55℃で加熱することにより 行った。14,000rpmにて3分間遠心分離した後、CPG支持体を400 μlの水で2回洗浄し、コンバインした上澄み液および洗浄液を半分に分割し、 別々の試験管に入れ、蒸発乾固した。一方の試験管を後に使用するために−20 ℃で貯蔵し、他方の試験管をTHF中のテトラ−N−ブチルアンモニウムフルオ ライド(TBAF)(アルドリッチ・ケミカル、ミルウォーキー、ウイスコンシ ン)1.0M(400μl)で室温にて16時間処理した。 3.リボザイムアナログの精製 オリゴヌクレオチドの試料に400μlの50mMトリス、pH8および0. 05%オレンジG染料(シグマ(Sigma)、セントルイス、ミズーリ)を含有す る800μlの95%ホルムアミドを加えた。ついで、試料を8M尿素を含有す る15%ポリアクリルアミドゲル上に適用した。染料がゲルの底に達するまで、 25ワット定常電力で電気泳動を行った。蛍光バックグラウンドに対してUVラ ンプで陰影を付すことにより所望のバンドを同定した。このバンドをゲルから切 り出し、乳棒でつぶし、12mlの0.5M酢酸アンモニウムで12時間抽出し た。この混合物を遠心分離し、コンバインした上澄み液をC18Sep−Pakカート リッジ(ウォーターズ(Waters)、マールボロ、マサチューセッツ)に1分間 当たり2mlの速度で通した。カートリッジを水洗し、リボザイムアナログを4 mlの50%アセトニトリル水溶液を用い、1分間当たり2mlにて溶出した。 溶出液を蒸発させ、残渣を200μlの0.3M NaCl中に取った。ついで、 600μlの無水エタノールを加え、混合物を−20℃にて16時間貯蔵した。 混合物を14,000rpmにて20分間遠心分離し、上澄み液をデカントした 。得られたペレットを200μlの0.1M NaCl中に再溶解し、600μl の無水エタノールで沈殿させた。懸濁液をドライアイス上に30分間置き、遠心 分離した。上澄み液を除き、ペレットを400μlの水中に溶解し、使用すると きまで−20℃で貯蔵した。 4.ファシリテーターオリゴヌクレオチドの調製 非修飾(ホスホジエステル結合した)デオキシリボヌクレオチドを含むファシ リテーターオリゴヌクレオチドを、上記実施例2に記載したように自動DNA合 成機(アプライド・バイオシステムズ、フォスターシティー、カリフォルニア) にて合成した。 5.開裂活性のアッセイ [α−32P]ATP(アマーシャム、アーリントンハイツ、イリノイ)を用い て内部を放射性標識した基質RNAを、T7RNAポリメラーゼ(ニューイング ランド・バイオラブズ、ビバリー、マサチューセッツ)および二本鎖プロモータ ーを有する化学合成した一本鎖鋳型(ミリガン(Milligan)ら(1987)Nu cleic Acids Res.15:8783〜8798)を用い、グッドチャイルドらの 記載(Arch.Biochem.Biophys.(1991)284:386〜391)に従っ て調製した。 実験は20mM塩化マグネシウムを含有する50mMトリス緩衝液中、pH8 、9および10で同時に行った。最終的なリボザイムアナログの濃度はすべての 場合に50μMであり、基質RNAの最終濃度は4nMであった。最終的な反応 容 量は5μlであった。活性な対照リボザイム(配列番号13)を陽性対照として 用ぃ、20mM塩化マグネシウム、50mMトリス中の基質RNA(配列番号1 4)単独を陰性対照として用いた。UV分析により決定したストック溶液の濃度 に基づき、リボザイムアナログ試料TL1−75A(配列番号1)およびTL1 −86A(配列番号2)を蒸発により濃縮した。基質RNAをトリス−マグネシ ウム緩衝液中に取り、上記蒸発させたリボザイムアナログの試料に加えた。つい で、この混合物を37℃で1時間インキュベートした。つぎに、0.05%オレ ンジG染料(シグマ、セントルイス、ミズーリ)を含有する5μlの95%ホル ムアミド染料を加え、8M尿素を含有する前以て加熱した(45℃)15%ポリ アクリルアミドゲルに反応混合物を直接適用した。ゲルをリン造影剤(モレキュ ラー・ダイナミックス(Molecular Dynamics)、サニーベール、カリフォルニ ア)およびオートラジオグラフィーにより分析した。 6.リボザイムアナログの開裂活性に対するフランキング配列の長さの減少の影 響およびファシリテーターの存在の影響 下記の手順を用い、リボザイムアナログTL1−128A(配列番号3)、T L1−130A(配列番号4)、TL1−132A(配列番号5)、およびTL 1−134A(配列番号6)の開裂活性に対するフランキング配列の長さの減少 の影響およびファシリテーターの存在の影響を調べた。処理で得られたリボザイ ムアナログのストック溶液の濃度に基づき、それぞれ25ピコモルのリボザイム アナログを取り、蒸発により濃縮した。基質RNA(S2)(配列番号14)の 調製は、ミリガンらの基質RNA(Nucleic Acids Res.(1987)15: 8783〜8798)に基づき、グッドチャイルドらの手順(Arch.Biochem. Biophys.(1991)284:386〜391)に従って行った。2つの基質 ストック溶液を調製した;一方のストック溶液は0.5μMの基質RNAを含み 、他方のストック溶液は0.5μMの基質RNAプラス1.0μMのファシリテー ターオリゴヌクレオチド(F1)(配列番号16)を含んでいた。両ストック溶 液は50mMトリス、pH7.4、および20mM塩化マグネシウムを含んでい た。すべてのリボザイム試料は20mM塩化マグネシウムおよび50mMトリス 、pH 7.4を含んでいた。対照のリボザイムR5(配列番号17)も同様に処理した 。最終的な反応容量は10μlであった。 すべての試験管を37℃にて10分間加熱した。5μlアリコートを基質スト ック溶液および基質+ファシリテーターストック溶液から取った。0.05%オ レンジG染料(シグマ、セントルイス、ミズーリ)を含有する5μlの95%ホ ルムアミドを加え、これら混合物(インキュベートしない対照とした)を氷上に 置いた。リボザイムアナログまたはリボザイム対照R5(配列番号17)を含有 する各試験管に5μlの基質ストックを加えることにより反応を開始した。ファ シリテーターを用いた反応も同様にして開始した。5μlをインキュベートした 対照として取った。ついで、5μlの基質+ファシリテーターをインキュベート しないRNA対照として取り、5μlをリボザイムアナログ含有の試験管2本に 加えた。インキュベートしない対照を含有するものを除くすべての試験管を37 ℃で1時間加熱した。 7.開裂生成物の電気泳動分析 上記実施例5に記載した各反応試験管に20μlのオレンジホルムアミド染料 を加え、これら内容物を8M尿素を含有する15%ポリアクリルアミドゲル上に 適用し、45℃に加熱した。染料がゲルの底に達するまで、電気泳動を25ワッ トの定常電力にて行った。リン造影剤からの結果を図5〜8に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,B Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,FI ,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ, TM,TT,UA,UG,UZ,VN 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記からなるリボザイムアナログ: (a)3'末端および5'末端を有し、3'から5'へ共有結合した複数の自己ハイ ブリダイズヌクレオチドおよび該自己ハイブリダイズヌクレオチドの2つに共有 結合した堅固な分子性リンカーを含むヌクレオチド性ステム−ループII領域であ って、該リンカーが少なくとも一つの堅固な非ヌクレオチド性分子を含むもの; (b)第一および第二のヌクレオチド性コア領域であって、これら領域はそれぞ れ3'から5'へ共有結合した複数のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端およ び5'末端を有し、該第一のヌクレオチド性コア領域の3'末端は該ステム−ルー プ領域の5'末端に共有結合しており、該第二のヌクレオチド性コア領域の5'末 端は該ステム−ループII領域の3'末端に共有結合しており、該第一のヌクレオ チド性領域および該第二のヌクレオチド性領域は触媒コアを形成し、該触媒コア は下記第一および第二のフランキング領域によりフランキングされているもの、 (c)第一および第二のフランキング領域であって、これら領域はそれぞれ3' から5'へ共有結合した複数のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端および5' 末端を有し、該第一のフランキング領域の少なくとも一部は基質RNA分子の第 一の標的領域に相補的であり、該第二のフランキング領域の少なくとも一部は該 基質RNA分子の第二の標的領域に相補的であり、該第一のフランキング領域の 3'末端は該第一のヌクレオチド性コア領域の5'末端に共有結合しており、該第 二のフランキング領域の5'末端は該第二のヌクレオチド性コア領域の3'末端に 共有結合しているもの。 2.該ステム−ループ領域中の該リンカーが少なくとも2つの隣接し共有結合し た非ヌクレオチド性分子を含む、請求項1に記載のリボザイムアナログ。 3.該ステム−ループ領域中の該リンカーが約2〜20の非ヌクレオチド性分子 を含む、請求項2に記載のリボザイムアナログ。 4.該ステム−ループ領域中の該リンカーが、ホスホジエステル、アルキルホス ホネート、ホスホルアミデート、ホスホロチオエート、リン酸エステル、ホスホ ロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、カルバメート、アセトアミデー ト、カーボネート、カルボキシメチルエステル、およびそれらの組み合わせより なる群から選ばれた共有結合により、互いに、および該第一のコア領域および該 第二のコア領域に、結合した少なくとも2つの非ヌクレオチド性分子を含む、請 求項2に記載のリボザイムアナログ。 5.該リンカー中の該非ヌクレオチド性分子が、シクロヘキサンジオール、ステ ロイド、ルペンジオール、イソソルビドおよびそれらの組み合わせよりなる群か ら選ばれたものである、請求項1に記載のリボザイムアナログ。 6.該リンカーが少なくとも4つの隣接し共有結合したシクロヘキサンジオール 分子を含む、請求項5に記載のリボザイムアナログ。 7.該リンカーが、トランス−1,2−シクロヘキサンジオール、シス−1,2− シクロヘキサンジオール、トランス−1,3−シクロヘキサンジオール、シス− 1,3−シクロヘキサンジオール、トランス−1,4−シクロヘキサンジオール、 シス−1,4−シクロヘキサンジオールおよびそれらの組み合わせよりなる群か ら選ばれたシクロヘキサンジオールを含む、請求項5に記載のリボザイムアナロ グ。 8.該第一のフランキング領域および該第二のフランキング領域中のヌクレオチ ドおよび該第一のヌクレオチド性コア領域および該第二のヌクレオチド性コア領 域中のヌクレオチドが、ホスホジエステル、アルキルホスホネート、ホスホロチ オエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホルアミ デート、リン酸エステル、カルバメート、カーボネート、アセトアミデート、カ ルボキシメチルエステル、およびそれらの組み合わせよりなる群から選ばれたイ ンターヌクレオチド結合により共有結合されている、請求項1に記載のリボザイ ムアナログ。 9.該第一のフランキング領域および該第二のフランキング領域および該第一の ヌクレオチド性コア領域および該第二のヌクレオチド性コア領域が、リボヌクレ オチド、リボヌクレオチドのアナログ、デオキシリボヌクレオチド、デオキシリ ボヌクレオチドのアナログおよびそれらの組み合わせよりなる群から選ばれたヌ クレオチドからなる、請求項1に記載のリボザイムアナログ。 10.該第一のフランキング領域および該第二のフランキング領域および該第一 の触媒コア領域および該第二の触媒コア領域中のリボヌクレオチドアナログおよ びデオキシリボヌクレオチドアナログが、アルキルホスホネート、ホスホロチオ エート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホルアミデ ート、リン酸エステル、カルバメート、カーボネート、アセトアミデート、カル ボキシメチルエステル、およびそれらの組み合わせよりなる群から選ばれたもの である、請求項9に記載のリボザイムアナログ。 11.該第一のフランキング領域および該第二のフランキング領域中および該第 一のヌクレオチド性コア領域および該第二のヌクレオチド性コア領域中のリボヌ クレオチドアナログの少なくとも一つが2'−O−メチルアナログである、請求 項9に記載のリボザイムアナログ。 12.該第一のフランキング領域および該第二のフランキング領域が、それぞれ 、少なくとも4つのヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、またはそれらの組み 合わせを含む、請求項1に記載のリボザイムアナログ。 13.該第一のフランキング領域中の少なくとも4つのヌクレオチドが標的RN Aの少なくとも4つのヌクレオチドの第一のセットに相補的であり、該第二のフ ランキング領域中の少なくとも4つのヌクレオチドが標的RNAの少なくとも4 つのヌクレオチドの第二のセットに相補的であり、該第一のセットと該第二のセ ットとが互いに排他的である、請求項12に記載のリボザイムアナログ。 14.RNA分子の発現を制御する方法であって、 (a)下記からなるリボザイムアナログ: (i)3'末端および5'末端を有し、3'から5'へ共有結合した複数の自己ハイ ブリダイズヌクレオチドおよび該自己ハイブリダイズヌクレオチドの2つに共有 結合した堅固な分子性リンカーを含むヌクレオチド性ステム−ループII領域であ って、該リンカーが少なくとも一つの堅固な非ヌクレオチド性分子を含むもの、 該ヌクレオチド性ステム−ループII領域は下記第一および第二のヌクレオチド性 コア領域によりフランキングされている; (ii)第一および第二のヌクレオチド性コア領域であって、これら領域はそれぞ れ3'から5'へ共有結合した複数のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端およ び5'末端を有し、該第一のヌクレオチド性コア領域の3'末端は該ステム−ルー プ領域の5'末端に共有結合しており、該第二のヌクレオチド性コア領域の5'末 端は該ステム−ループ領域の3'末端に共有結合しており、該第一のヌクレオチ ド性コア領域および該第二のヌクレオチド性コア領域は触媒コアを形成している もの、および (iii)第一および第二のフランキング領域であって、これら領域はそれぞれ3' から5'へ共有結合した複数のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端および5' 末端を有し、該第一のフランキング領域の少なくとも一部は基質RNA分子の第 一の標的領域に相補的であり、該第二のフランキング領域の少なくとも一部は該 基質RNA分子の第二の標的領域に相補的であり、該第一のフランキング領域の 3'末端は該第一のヌクレオチド性コア領域の5'末端に共有結合しており、該第 二のフランキング領域の5'末端は該第二のヌクレオチド性コア領域の3'末端に 共有結合しているもの を用意し、ついで (b)該RNA分子を該リボザイムアナログと、該第一のフランキング領域が該 RNA分子の該第一の標的領域とハイブリダイズし、該第二のフランキング領域 が該RNA分子の該第二の標的領域とハイブリダイズするように接触させる ことを含み、 該リボザイムアナログは該RNA分子を開裂し、それによって該RNAの発現を 制御することを特徴とする方法。 15.該接触工程が、該RNA分子を該リボザイムアナログに接触させるのと同 時に該RNA分子をファシリテーターオリゴヌクレオチドと接触させることをさ らに含む、請求項14に記載の方法。 16.一本鎖RNA含有基質分子を部位特異的に開裂する方法であって、 (a)下記からなるリボザイム: (i)3'末端および5'末端を有し、3'から5'へ共有結合した複数の自己ハイ ブリダイズヌクレオチドおよび該自己ハイブリダイズヌクレオチドの2つに共有 結合した堅固な分子性リンカーを含むヌクレオチド性ステム−ループII領域であ って、該リンカーが少なくとも一つの堅固な非ヌクレオチド性分子を含むもの、 (ii)第一および第二のヌクレオチド性コア領域であって、これら領域はそれぞ れ3'から5'へ共有結合した複数のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端およ び5'末端を有し、該第一のヌクレオチド性コア領域の3'末端は該ステム−ルー プ領域の5'末端に共有結合しており、該第二のヌクレオチド性コア領域の5'末 端は該ステム−ループII領域の3'末端に共有結合しており、該第一のヌクレオ チド性コア領域および該第二のヌクレオチド性コア領域は触媒コアを形成し、該 触媒コアは下記第一および第二のフランキング領域によりフランキングされてい るもの、 (iii)第一および第二のフランキング領域であって、これら領域はそれぞれ3' から5'へ共有結合した複数のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端および5' 末端を有し、該第一のフランキング領域の少なくとも一部は基質RNA分子の第 一の標的領域に相補的であり、該第二のフランキング領域の少なくとも一部は該 基質RNA分子の第二の標的領域に相補的であり、該第一のフランキング領域の 3'末端は該第一のヌクレオチド性コア領域の5'末端に共有結合しており、該第 二のフランキング領域の5'末端は該第二のヌクレオチド性コア領域の3'末端に 共有結合しているもの を用意し、ついで (b)該RNA含有基質分子を該リボザイムアナログと、該リボザイムの該第一 のフランキング領域が該基質分子の該第一の標的領域とハイブリダイズし、該リ ボザイムアナログの該第二のフランキング領域が該基質分子の該第二の標的領域 とハイブリダイズするように接触させ、該リボザイムアナログは該分子中の該R NAを開裂する ことを特徴とする方法。 17.該RNA含有基質分子を該リボザイムアナログに接触させるのと同時に該 RNA含有基質分子をさらにファシリテーターオリゴヌクレオチドと接触させる 、請求項16に記載の方法。 18.下記からなるリボザイムアナログ: (a)少なくとも一つの非ヌクレオチド性分子を含む堅固な分子性リンカーであ って、下記第一のヌクレオチド性コア領域および第二のヌクレオチド性コア領域 によりフランキングされ、該領域に共有結合しているもの、 (b)第一のヌクレオチド性コア領域および第二のヌクレオチド性コア領域であ って、これらヌクレオチド性コア領域はそれぞれ3'から5'へ共有結合した複数 のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端および5'末端を有し、該第一のヌクレ オチド性コア領域と該第二のヌクレオチド性コア領域とは触媒コアを形成し、該 触媒コアは下記第一および第二のヌクレオチド性フランキング領域によりフラン キングされているもの、 (c)3'から5'へ共有結合した少なくとも4つのヌクレオチドを含み、3'末 端および5'末端を有する第一のヌクレオチド性フランキング領域であって、該 第一のフランキング領域の少なくとも一部は基質RNA分子の第一の標的領域に 相補的であり、その3'末端が該触媒コアの該第一のヌクレオチド性コア領域の 5'末端に共有結合しているもの、および (d)3'から5'へ共有結合した少なくとも4つのヌクレオチドを含み、3'末 端および5'末端を有する第二のヌクレオチド性フランキング領域であって、該 第二のフランキング領域の少なくとも一部は該基質RNA分子の第二の標的領域 に相補的であり、その5'末端が該触媒コアの該第二のヌクレオチド性コア領域 の3'末端に共有結合しているもの。 19.該リンカーが少なくとも2つの隣接し共有結合した非ヌクレオチド性分子 を含む、請求項18に記載のリボザイムアナログ。 20.該リンカーが2〜20の非ヌクレオチド性分子を含む、請求項19に記載 のリボザイムアナログ。 21.該リンカーが、ホスホジエステル、アルキルホスホネート、ホスホルアミ デート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、リン酸エステル、アルキ ルホスホノチオエート、カルバメート、カーボネート、カルボキシメチルエステ ル、アセトアミデート、およびそれらの組み合わせよりなる群から選ばれた結合 により、互いに、および該触媒コア中の該ヌクレオチドに、共有結合した少なく とも2つの非ヌクレオチド性分子を含む、請求項19に記載のリボザイムアナロ グ。 22.該リンカー中の該非ヌクレオチド性分子が、シクロヘキサンジオール、ス テロイド、ルペンジオール、イソソルビドおよびそれらの組み合わせよりなる群 から選ばれたものである、請求項18に記載のリボザイムアナログ。 23.該リンカーが少なくとも4つの隣接し共有結合したシクロヘキサンジオー ル分子を含む、請求項22に記載のリボザイムアナログ。 24.該リンカーが、トランス−1,2−シクロヘキサンジオール、シス−1,2 −シクロヘキサンジオール、トランス−1,3−シクロヘキサンジオール、シス −1,3−シクロヘキサンジオール、トランス−1,4−シクロヘキサンジオール 、シス−1,4−シクロヘキサンジオールおよびそれらの組み合わせよりなる群 から選ばれたシクロヘキサンジオールを含む、請求項22に記載のリボザイムア ナログ。 25.該第一のフランキング領域および該第二のフランキング領域中のヌクレオ チドおよび該触媒コア中のヌクレオチドが、ホスホジエステル、アルキルホスホ ネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエ ート、ホスホルアミデート、リン酸エステル、カルバメート、カーボネート、ア セトアミデート、カルボキシメチルエステル、およびそれらの組み合わせよりな る群から選ばれたインターヌクレオチド結合により共有結合されている、請求項 18に記載のリボザイムアナログ。 26.該第一のフランキング領域および該第二のフランキング領域および該触媒 コアが、リボヌクレオチド、リボヌクレオチドのアナログ、デオキシリボヌクレ オチド、デオキシリボヌクレオチドのアナログおよびそれらの組み合わせよりな る群から選ばれたヌクレオチドを含む、請求項18に記載のリボザイムアナログ 。 27.該第一のフランキング領域および該第二のフランキング領域中および該触 媒コア中のリボヌクレオチドアナログおよびデオキシリボヌクレオチドアナログ が、アルキルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アル キルホスホノチオエート、ホスホルアミデート、リン酸エステル、カルバメート 、カーボネート、アセトアミデート、カルボキシメチルエステル、およびそれら の組み合わせよりなる群から選ばれたものである、請求項26に記載のリボザイ ムアナログ。 28.該第一のフランキング領域および該第二のフランキング領域中および該触 媒コア中のリボヌクレオチドアナログの少なくとも一つが2'−O−メチルアナ ログである、請求項26に記載のリボザイムアナログ。 29.該第一のフランキング領域および該第二のフランキング領域が、それぞれ 、少なくとも4つのヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、またはそれらの組み 合わせを含む、請求項23に記載のリボザイムアナログ。 30.該第一のフランキング領域中の少なくとも4つのヌクレオチドが該基質R NA分子の該第一の標的領域中の少なくとも4つのヌクレオチドに相補的であり 、該第二のフランキング領域中の少なくとも4つのヌクレオチドが該基質RNA 分子の該第二の標的領域中の少なくとも4つのヌクレオチドに相補的であり、該 第一の標的領域と該第二の標的領域とが互いに排他的である、請求項18に記載 のリボザイムアナログ。 31.基質RNA分子の発現を制御する方法であって、 (a)下記からなるリボザイムアナログ: (i)少なくとも一つの非ヌクレオチド性分子を含む堅固な分子性リンカーであ って、下記第一のヌクレオチド性コア領域および第二のヌクレオチド性コア領域 によりフランキングされ、該領域に共有結合しているもの、 (ii)第一のヌクレオチド性コア領域および第二のヌクレオチド性コア領域であ って、これらヌクレオチド性コア領域はそれぞれ3'から5'へ共有結合した複数 のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端および5'末端を有し、該第一のヌクレ オチド性コア領域と該第二のヌクレオチド性コア領域とは触媒コアを形成し、該 触媒コアは下記第一および第二のヌクレオチド性フランキング領域によりフラン キングされているもの、 (iii)3'から5'へ共有結合した少なくとも4つのヌクレオチドを含み、3'末 端および5'末端を有する第一のヌクレオチド性フランキング領域であって、該 第一のフランキング領域の少なくとも一部は基質RNA分子の第一の標的領域に 相補的であり、その3'末端が該触媒コアの該第一のヌクレオチド性コア領域の 5'末端に共有結合しているもの、および (iv)3'から5'へ共有結合した少なくとも4つのヌクレオチドを含み、3'末 端および5'末端を有する第二のヌクレオチド性フランキング領域であって、該 第二のフランキング領域の少なくとも一部は該基質RNA分子の第二の標的領域 に相補的であり、その5'末端が該触媒コアの該第二のヌクレオチド性コア領域 の3'末端に共有結合しているもの を用意し、ついで (b)該基質RNA分子を該リボザイムアナログと、該第一のフランキング領域 が該基質RNA分子の該第一の標的領域とハイブリダイズし、該第二のフランキ ング領域が該基質RNA分子の該第二の標的領域とハイブリダイズするように接 触させ、該基質RNA分子は該リボザイムアナログにより開裂される ことを含み、 該リボザイムアナログは該RNA分子を開裂し、それによって該基質RNA分子 の発現を制御する ことを特徴とする方法。 32.該接触工程が、該RNAを該リボザイムアナログに接触させるのと同時に 該RNAをファシリテーターオリゴヌクレオチドと接触させることをさらに含む 、請求項31に記載の方法。 33.一本鎖RNA含有基質分子を部位特異的に開裂する方法であって、 (a)下記からなるリボザイムアナログ: (i)少なくとも一つの非ヌクレオチド性分子を含む堅固な分子性リンカーであ って、下記第一のヌクレオチド性コア領域および第二のヌクレオチド性コア領域 によりフランキングされ、該領域に共有結合しているもの、 (ii)第一のヌクレオチド性コア領域および第二のヌクレオチド性コア領域であ って、これらヌクレオチド性コア領域はそれぞれ3'から5'へ共有結合した複数 の ヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端および5'末端を有し、該第一のヌクレオ チド性コア領域と該第二のヌクレオチド性コア領域とは触媒コアを形成し、該触 媒コアは下記第一および第二のヌクレオチド性フランキング領域によりフランキ ングされているもの、 (iii)3'から5'へ共有結合した少なくとも4つのヌクレオチドを含み、3'末 端および5'末端を有する第一のヌクレオチド性フランキング領域であって、該 第一のフランキング領域の少なくとも一部は基質RNA分子の第一の標的領域に 相補的であり、その3'末端が該触媒コアの該第一のヌクレオチド性コア領域の 5'末端に共有結合しているもの、および (iv)3'から5'へ共有結合した少なくとも4つのヌクレオチドを含み、3'末 端および5'末端を有する第二のヌクレオチド性フランキング領域であって、該 第二のフランキング領域の少なくとも一部は該基質RNA分子の第二の標的領域 に相補的であり、その5'末端が該触媒コアの該第二のヌクレオチド性コア領域 の3'末端に共有結合しているもの を用意し、ついで (b)該RNA含有基質分子を該リボザイムアナログと、該第一のフランキング 領域が該RNA含有基質分子の該第一の標的領域とハイブリダイズし、該リボザ イムアナログの該第二のフランキング領域が該RNA含有基質分子の該第二の標 的領域とハイブリダイズするように接触させ、該リボザイムアナログは該分子中 の該RNAを部位特異的に開裂する ことを特徴とする方法。 34.該RNA含有分子を該リボザイムアナログに接触させるのと同時に該RN A含有分子をさらにファシリテーターオリゴヌクレオチドと接触させる、請求項 33に記載の方法。 35.下記からなるリボザイムアナログ: (a)3'末端および5'末端を有し、3'から5'へ共有結合した複数の自己ハイ ブリダイズヌクレオチドを含むヌクレオチド性ステム−ループII領域、 (b)第一および第二の触媒コア領域であって、これら領域はそれぞれ3'から 5'へ共有結合した複数のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端および5'末端 を有し、 該第一の触媒コア領域はさらに、該ヌクレオチドの2つに共有結合し非保存性 のヌクレオチドを置換する堅固な分子性リンカーを含み、該リンカーは少なくと も一つの堅固な非ヌクレオチド性分子を含み、 該第一の触媒コア領域の3'末端は該ステム−ループ領域の5'末端に共有結合 しており、該第二の触媒コア領域の5'末端は該ステム−ループII領域の3'末端 に共有結合しているもの、 (c)第一および第二のフランキング領域であって、これら領域はそれぞれ3' から5'へ共有結合した複数のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端および5' 末端を有し、該第一のフランキング領域の少なくとも一部は基質RNA分子の第 一の標的領域に相補的であり、該第二のフランキング領域の少なくとも一部は該 基質RNA分子の第二の標的領域に相補的であり、該第一のフランキング領域の 3'末端は該第一の触媒コア領域の5'末端に共有結合しており、該第二のフラン キング領域の5'末端は該第二の触媒コア領域の3'末端に共有結合しているもの 。 36.該ヌクレオチド性ステム−ループII領域が、該自己ハイブリダイズヌクレ オチドの2つに共有結合した第二の堅固な分子性リンカーをさらに含み、該第二 のリンカーは少なくとも一つの堅固な非ヌクレオチド性分子を含む、請求項35 に記載のリボザイムアナログ。 37.基質RNA分子の発現を制御する方法であって、 (a)下記からなるリボザイムアナログ: (i)3'末端および5'末端を有し、3'から5'へ共有結合した複数の自己ハイ ブリダイズヌクレオチドを含むヌクレオチド性ステム−ループII領域、 (ii)第一および第二の触媒コア領域であって、これら領域はそれぞれ3'から 5'へ共有結合した複数のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端および5'末端 を有し、 該第一の触媒コア領域はさらに、該ヌクレオチドの2つに共有結合し非保存性 のヌクレオチドを置換する堅固な分子性リンカーを含み、該リンカーは少なくと も一つの堅固な非ヌクレオチド性分子を含み、 該第一の触媒コア領域の3'末端は該ステム−ループ領域の5'末端に共有結合 しており、該第二の触媒コア領域の5'末端は該ステム−ループII領域の3'末端 に共有結合しているもの、 (iii)第一および第二のフランキング領域であって、これら領域はそれぞれ3' から5'へ共有結合した複数のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端および5' 末端を有し、該第一のフランキング領域の少なくとも一部は基質RNA分子の第 一の標的領域に相補的であり、該第二のフランキング領域の少なくとも一部は該 基質RNA分子の第二の標的領域に相補的であり、該第一のフランキング領域の 3'末端は該第一の触媒コア領域の5'末端に共有結合しており、該第二のフラン キング領域の5'末端は該第二の触媒コア領域の3'末端に共有結合しているもの を用意し、ついで (b)該基質RNA分子を該リボザイムアナログと、該第一のフランキング領域 が該基質RNA分子の該第一の標的領域とハイブリダイズし、該第二のフランキ ング領域が該基質RNA分子の該第二の標的領域とハイブリダイズするように接 触させ、該基質RNA分子は該リボザイムアナログにより開裂される ことを含み、 該リボザイムアナログは該RNA分子を開裂し、それによって該基質RNA分子 の発現を制御する ことを特徴とする方法。 38.該接触工程が、該RNAを該リボザイムアナログに接触させるのと同時に 該RNAをファシリテーターオリゴヌクレオチドと接触させることをさらに含む 、請求項37に記載の方法。 39.一本鎖RNA含有基質分子を部位特異的に開裂する方法であって、 (a)下記からなるリボザイム: (i)3'末端および5'末端を有し、3'から5'へ共有結合した複数の自己ハイ ブリダイズヌクレオチドを含むヌクレオチド性ステム−ルーブII領域、 (ii)第一および第二の触媒コア領域であって、これら領域はそれぞれ3'から 5'へ共有結合した複数のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端および5'末端 を有し、 該第一の触媒コア領域はさらに、該ヌクレオチドの2つに共有結合し非保存性 のヌクレオチドを置換する堅固な分子性リンカーを含み、該リンカーは少なくと も一つの堅固な非ヌクレオチド性分子を含み、 該第一の触媒コア領域の3'末端は該ステム−ループ領域の5'末端に共有結合 しており、該第二の触媒コア領域の5'末端は該ステム−ループII領域の3'末端 に共有結合しているもの、 (iii)第一および第二のフランキング領域であって、これら領域はそれぞれ3' から5'へ共有結合した複数のヌクレオチドを含み、それぞれ3'末端および5' 末端を有し、該第一のフランキング領域の少なくとも一部は基質RNA分子の第 一の標的領域に相補的であり、該第二のフランキング領域の少なくとも一部は該 基質RNA分子の第二の標的領域に相補的であり、該第一のフランキング領域の 3'末端は該第一の触媒コア領域の5'末端に共有結合しており、該第二のフラン キング領域の5'末端は該第二の触媒コア領域の3'末端に共有結合しているもの を用意し、ついで (b)該RNA含有基質分子を該リボザイムアナログと、該第一のフランキング 領域が該RNA含有基質分子の該第一の標的領域とハイブリダイズし、該リボザ イムアナログの該第二のフランキング領域が該RNA含有基質分子の該第二の標 的領域とハイブリダイズするように接触させ、該リボザイムアナログは該分子中 の該RNAを部位特異的に開裂する ことを特徴とする方法。 40.該RNA含有分子を該リボザイムアナログに接触させるのと同時に該RN A含有分子をさらにファシリテーターオリゴヌクレオチドと接触させる、請求項 39に記載の方法。 41.請求項1に記載のリボザイムアナログを含むキット。 42.ファシリテーターオリゴヌクレオチドをさらに含む請求項1に記載のキッ ト。 43.請求項18に記載のリボザイムアナログを含むキット。 44.ファシリテーターオリゴヌクレオチドをさらに含む請求項43に記載のキ ット。 45.請求項35に記載のリボザイムアナログを含むキット。 46.ファシリテーターオリゴヌクレオチドをさらに含む請求項45に記載のキ ット。 47.生理学的に許容しうる媒体中に請求項1に記載のリボザイムアナログを含 む治療用組成物。 48.生理学的に許容しうる媒体中に請求項18に記載のリボザイムアナログを 含む治療用組成物。 49.生理学的に許容しうる媒体中に請求項35に記載のリボザイムアナログを 含む治療用組成物。 50.シクロヘキサンジオール、ステロイド、ルペンジオール、イソソルビドお よびそれらの組み合わせよりなる群から選ばれた少なくとも一つの非ヌクレオチ ド性分子を含む堅固な分子性リンカー。 51.該リンカーが、ホスホジエステル、ホスホルアミデート、アルキルホスホ ネート、ホスホロチオエート、アセトアミデート、ホスホロジチオエート、リン 酸エステル、アルキルホスホノチオエート、カルバメート、カーボネート、カル ボキシメチルエステル、およびそれらの組み合わせよりなる群から選ばれた結合 により互いに共有結合した少なくとも2つの隣接した非ヌクレオチド性の分子を 含む、請求項50に記載の分子性リンカー。 52.2〜20の共有結合した非ヌクレオチド性の分子を含む、請求項51に記 載の分子性リンカー。 53.少なくとも4つの隣接し共有結合したシクロヘキサンジオール分子を含む 、請求項50に記載の分子性リンカー。 54.トランス−1,2−シクロヘキサンジオール、シス−1,2−シクロヘキサ ンジオール、トランス−1,3−シクロヘキサンジオール、シス−1,3−シクロ ヘキサンジオール、トランス−1,4−シクロヘキサンジオール、シス−1,4− シクロヘキサンジオールおよびそれらの組み合わせよりなる群から選ばれたシク ロヘキサンジオールを含む、請求項50に記載の分子性リンカー。 55.請求項43に記載の堅固な分子性リンカーの製造方法であって、 (a)複数のトランス−1−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2−O−[ β−シアノエトキシ−(N,N−ジイソプロピルアミノ)]ホスフィノ−1,2− シクロヘキサンジオールユニットを調製し、 (b)第一のトランス−1−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2−O−[ β−シアノエトキシ−(N,N−ジイソプロピルアミノ)]ホスフィノ−1,2− シクロヘキサンジオールユニットを第二のトランス−1−O−(4,4'−ジメト キシトリチル)−2−O−[β−シアノエトキシ−(N,N−ジイソプロピルア ミノ)]ホスフィノ−1,2−シクロヘキサンジオールユニットにホスホジエス テル結合により共有結合させ、 (c)第三のトランス−1−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2−O−[ β−シアノエトキシ−(N,N−ジイソプロピルアミノ)]ホスフィノ−1,2− シクロヘキサンジオールユニットを該第二のトランス−1−O−(4,4'−ジメ トキシトリチル)−2−O−[β−シアノエトキシ−(N,N−ジイソプロピル アミノ)]ホスフィノ−1,2−シクロヘキサンジオールユニットに共有結合さ せ、 (d)第四のトランス−1−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2−O−[ β−シアノエトキシ−(N,N−ジイソプロピルアミノ)]ホスフィノ−1,2− シクロヘキサンジオールユニットを該第三のトランス−1−O−(4,4'−ジメ トキシトリチル)−2−O−[β−シアノエトキシ−(N,N−ジイソプロピル アミノ)]ホスフィノ−1,2−シクロヘキサンジオールユニットに共有結合さ せ、かくして分子性リンカーを形成する ことを特徴とする方法。 56.請求項55に記載の方法により製造された分子性リンカー。
JP8516243A 1994-11-09 1995-11-08 リボザイムアナログ Pending JPH10509039A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/336,526 1994-11-09
US08/336,526 US5650502A (en) 1994-11-09 1994-11-09 Ribozyme analogs having rigid non-nucleotidic linkers
PCT/US1995/014705 WO1996015240A2 (en) 1994-11-09 1995-11-08 Ribozyme analogs

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10509039A true JPH10509039A (ja) 1998-09-08

Family

ID=23316502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8516243A Pending JPH10509039A (ja) 1994-11-09 1995-11-08 リボザイムアナログ

Country Status (6)

Country Link
US (2) US5650502A (ja)
EP (1) EP0791060A2 (ja)
JP (1) JPH10509039A (ja)
AU (1) AU4155396A (ja)
CA (1) CA2204870A1 (ja)
WO (1) WO1996015240A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005108570A1 (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 National University Corporation Yokohama National University 核酸酵素複合体

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU6455096A (en) * 1995-08-08 1997-03-05 Hybridon, Inc. Synthetic oligonucleotides with enhanced ribonuclease activity
EP0887405A1 (en) * 1997-06-25 1998-12-30 Gene Shears Pty Limited Process for producing stabilised RNA molecules within cells, RNA molecules thus produced and nucleic acid precursors of such molecules
US6379931B1 (en) 1999-08-12 2002-04-30 City Of Hope Chimeric DNA/RNA ribozymes containing propanediol
EP2423335B1 (en) 2001-06-21 2014-05-14 Dynavax Technologies Corporation Chimeric immunomodulatory compounds and methods of using the same
US7785610B2 (en) * 2001-06-21 2010-08-31 Dynavax Technologies Corporation Chimeric immunomodulatory compounds and methods of using the same—III
CA2507863A1 (en) * 2002-12-04 2004-06-17 Algos Therapeutics, Inc. Methods and materials for modulating trpm2
RU2620980C2 (ru) * 2011-06-09 2017-05-30 Курна, Инк. Лечение заболеваний, связанных с фратаксином (fxn), путем ингибирования природного антисмыслового транскрипта fxn
WO2024026474A1 (en) 2022-07-29 2024-02-01 Regeneron Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for transferrin receptor (tfr)-mediated delivery to the brain and muscle
WO2024098002A1 (en) 2022-11-04 2024-05-10 Regeneron Pharmaceuticals, Inc. Calcium voltage-gated channel auxiliary subunit gamma 1 (cacng1) binding proteins and cacng1-mediated delivery to skeletal muscle
WO2024107765A2 (en) 2022-11-14 2024-05-23 Regeneron Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for fibroblast growth factor receptor 3-mediated delivery to astrocytes

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4757141A (en) * 1985-08-26 1988-07-12 Applied Biosystems, Incorporated Amino-derivatized phosphite and phosphate linking agents, phosphoramidite precursors, and useful conjugates thereof
US6365730B1 (en) * 1990-06-19 2002-04-02 Gene Shears Pty. Limited DNA-Armed ribozymes and minizymes
US5652094A (en) * 1992-01-31 1997-07-29 University Of Montreal Nucleozymes
CA2117428A1 (en) * 1992-02-04 1993-08-05 John Goodchild Enhancement of ribozyme catalytic activity by a neighboring facilitator oligonucleotide
IL107480A0 (en) * 1992-11-03 1994-02-27 Gene Shears Pty Ltd Tnf-x ribozymes and degradation resistant mrna derivatives linked to tnf-x ribozymes
GB2273932A (en) * 1992-11-24 1994-07-06 Stiefel Laboratories Stable oligonucleotides

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005108570A1 (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 National University Corporation Yokohama National University 核酸酵素複合体
JPWO2005108570A1 (ja) * 2004-05-11 2008-03-21 国立大学法人横浜国立大学 核酸酵素複合体
US7910721B2 (en) 2004-05-11 2011-03-22 National University Corporation Yokohama National University Nucleic acid-enzyme complex
JP4701405B2 (ja) * 2004-05-11 2011-06-15 国立大学法人横浜国立大学 核酸酵素複合体

Also Published As

Publication number Publication date
US5650502A (en) 1997-07-22
US5679555A (en) 1997-10-21
AU4155396A (en) 1996-06-06
WO1996015240A3 (en) 1996-08-15
CA2204870A1 (en) 1996-05-23
EP0791060A2 (en) 1997-08-27
WO1996015240A2 (en) 1996-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6239272B1 (en) 2'-O-alkylthioalkyl and 2'-c-alkylthioalkyl-containing nucleic acids
US5334711A (en) Synthetic catalytic oligonucleotide structures
US5783425A (en) Amino and peptido modified enzymatic nucleic acid
AU680405B2 (en) Nucleozymes
JPH10510992A (ja) 安定化リボザイムアナログ
EA035756B1 (ru) Композиции и способы ингибирования экспрессии генов вируса гепатита в
JP2021519071A (ja) シュードウリジン化のための核酸分子
JPH10509039A (ja) リボザイムアナログ
US6087484A (en) Enhancement of ribozyme catalytic activity by A 2'-O-substituted facilitator oligonucleotide
US5627055A (en) Finderons and methods of their preparation and use
WO2003062258A1 (en) Rnase l activator-antisense complexes
JPH07508638A (ja) 隣接する促進剤オリゴヌクレオチドによるリボザイム触媒活性の増大
US7148044B1 (en) Nucleic acid enzyme for RNA cleavage
CA2379168A1 (en) Chimeric dna/rna ribozymes containing propanediol
CN117858949A (zh) 用于抑制粘蛋白5AC(MUC5AC)的表达的RNAi试剂、其组合物及其使用方法
OA21427A (en) RNAI agents for inhibiting expression of mucin 5AC (MUC5AC), compositions thereof, and methods of use.
JPH08205869A (ja) ミニリボザイム、安定化ミニリボザイム、それらを用いる標的rnaの切断方法及び薬剤
JPH09224673A (ja) 一対のミニリボザイム、ミニリボザイム・ダイマー、それらによる標的rnaの切断・不活化方法及び薬剤