JPH10508508A - 調整可能な椅子用装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 椅子の背もたれ（１）が、椅子の両側の側部材（４）に設けられた第１取り付け位置（３）において回動可能に取り付けられ、第２取り付け位置（５）において椅子シートフレーム（７）の後部と蝶番接続しており、椅子シートフレー（７）は各第１取り付け位置（８）において、側部材（４）の一部を形成する前部案内（９）に沿って各側部材（４）と摺動可能に接続し、椅子背もたれ（１）の第１取り付け位置（３）が、側部材の後部・前方・下方傾斜案内（１０）に沿って摺動するように設計され、シートフレーム（７）の両側の、前部取り付け位置（８）と第２取り付け位置（５）との間に背もたれ（１）のための後部取り付け位置（１１）を有しており、後部取り付け位置（１１）が、各側部材において案内（１２）と摺動可能に接続するように形成し、側部材の縦方向から見た場合、後部取り付け位置（１１）が中心にあり、水平であるか、もしくは前方および上方に若干傾斜している調整可能な椅子用の装置。

Description

【発明の詳細な説明】 調整可能な椅子用装置 本発明は、椅子の背もたれが、椅子の両側の側部材に設けられた第１取り付 け位置において回動可能に取り付けられ、第２取り付け位置において椅子シート フレームの後部と蝶番接続しており、椅子シートフレームは各第１取り付け位置 において、側部材の一部を形成する前部案内に沿って各側部材と摺動可能に接続 し、椅子背もたれの第１取り付け位置が、側部材の後部・前方・下方傾斜案内に 沿って摺動するように設計され、シートフレームの両側の、前部取り付け位置と 第２取り付け位置との間に背もたれのための後部取り付け位置を有しており、後 部取り付け位置が、各側部材において案内と摺動可能に接続するように形成し、 側部材の縦方向から見た場合、後部取り付け位置が中心にある、車椅子のような 調整可能な椅子用の装置に関するものである。 従来の技術としては、英国特許明細書第１２７８５０１号、デンマーク特許明 細書第３８２２８７７号、米国特許明細書第４７５９５６１号に記載の発明、あ るいは「ＳＴＲＥＳＳＬＥＳＳ」の登録商標が付いた椅子を参照する。「ＳＴＲ ＥＳＳＬＥＳＳ」の椅子のタイプは、とりわけ、使用者の重心が、椅子に対応し て椅子の中央フレーム付近またはその上に実質的に一定に保たれることに特徴と している。しかしながら、既知のタイプの椅子の最大の特徴は、椅子の背面が反 対側に傾くと、背面 の下端部はシートの後端部と同じレベルに維持されることである。これは椅子の 背もたれの下端部とシートの後端部が相互接続しているためである。椅子に座っ て背もたれに寄り掛かると、使用者は背もたれが背中を「登ってくる」感覚をは っきりと感じてしまう。もちろん、ヘッドレストやこれに類似するものが、座り 位置に関係なくほぼ同位置に感じられることが重要である。 それでもなお、固定されたシートに対応した背もたれが調整可能な、またはシ ートと背もたれを堅固に接続したユニットで、傾斜、調整が可能な調整可能な車 椅子については重要な問題である。さらに、調整可能な車椅子においては、使用 者が後方にもたれた際に椅子が後方に転倒してしまうのを防止するために、大型 車輪の後部から突出した支持脚が最低でも１本必要である。 従って、本発明の目的の１つは、通常のこの種の調整可能な椅子と、特に車椅 子の両方において、上記の欠点を改善した前記タイプの調整可能な椅子を提供す ることである。本発明は第一に、この種の調整可能な椅子の快適な座り心地を探 求し、また、本発明を手動式車椅子に取り付けて使用する場合、快適な車椅子の 快適な座り心地は、動的車椅子の運転および移動特性を兼備するものである。本 発明の目的は、特に車椅子において、１つの車椅子で「動的な運転位置」と「静 的な停止位置」とを兼ね備えることである。 本発明によれば、序文で説明した装置は、前部案内が 前方、上方に傾斜して水平位置から１０度〜４５度の角度を形成し、また、中央 案内が水平状態にあるか、あるいは前方、上方に緩やかに水平位置から傾斜して ０度〜１５度の角度を形成し、さらに、後部案内が若干湾曲して水平位置から１ ５度〜４５度の水平角度を形成することを特徴としている。 本装置のさらなる実施例によれば、側部材は押し出し成形したアルミニウムか ら成り、案内が側部材の側表面において溝をフライス削りすることによって形成 されていることが好ましい。この溝は、滑りライニングに任意に設けることがで きる。 前部取り付け位置と前部案内との間の摩擦は、既知の方法により連続的に調整 可能にすることができる。 椅子の背もたれの底部に、椅子の縦方向に向かって前方突出したフレーム部材 を設け、背もたれ上の上方に突出した部分と、第２取り付け位置の一部を形成す るフレーム部材の自由端と共に鈍角を形成し、使用者が、背もたれが背中を「登 ってくる」感覚をはっきりと感じないようにしていることが本発明の特徴である 。 本装置はどのような安楽椅子に対しても簡単に使用できるが、前記のように、 車椅子と関連することによって特別な利点を示している。 本発明を添付の図面を参照してさらに詳細に説明する。 第１図は車椅子に取り付けた本発明に関する装置の略図である。 第２図は第１図の本発明の装置をさらに詳細に示した図である。 第３図、第４図、第５図は、車椅子用の本発明に関する装置の異なる使用状態 を示すものである。 第６図、第７図、第８図は、相互関連するシートと背もたれの、第３図、第４ 図、第５図とは異なる設置を拡大して示したものである。ここでは車椅子の各部 品と使用者は図示していない。 第９図は本発明による側部材を備えたシートの断面図である。 第１０図は第９図のＸ部を示すものである。 第１図において、本発明に関する装置は車椅子の解体図に関連して示されてい る。車椅子の部品を略図で示した唯一の理由は、装置の操作モードの理解を複雑 にしないためである。 椅子の背もたれ１は背もたれフレーム２と接続しており、背もたれフレームは 、背もたれの各側面の第１取り付け位置３において、対応する側部材４に対して 可動であり、また、第２取付位置５においてシート６のフレームの後部と蝶番接 続をしている。シートのフレーム７は、シートの各縦面上の後部取り付け位置８ において、側部材の一部を形成する前部・前方・上方傾斜案内９に沿って、対応 する側部材４と摺動可能に接続している。背もたれ１のフレーム２に設けられた 第１取り付け位置３は、側部材４に設けられた後部・前方・下方傾斜案内１０に 沿って摺動するよう設計されている。フレーム７はシートの各側に、背もたれ１ 用の前部取り付け位置８と第２取り付け位置５との間に配置された後部取り付け 位置１１を設けている。後部取り付け位置１１は、対応する側部材４の案内１２ と摺動可能に接続する。案内１２は、側部材４を縦方向に見て、その中心に設け られている。椅子を縦方向に見ると、中央案内１２はほぼ水平状態にあるか、も しくはやや前方・上方に傾斜して見える。 車椅子の小型車輪１３を、車輪フォーク１４を介して、椅子の対応する側部材 ４の前部に旋回可能に接続することができる。また、車椅子の大型車輪１５は、 椅子側部材４に既知の方法によって接続することができる。椅子フレーム７の前 端部には、フットレスト７''を支持する下方突出部７'を任意に設けることがで きる。 シート６と背もたれ１との調整された位置でのロックを確実にするためには、 第２図に符号１６で略図的に示した、無段の調整可能なクランプ継手を既知の方 法で使用することができる。このクランプ継手は、調整車輪と摩擦ディスクから 成り、摩擦ディスク（図示せず）は側部材の外側に対して支持されている。調整 装置はシートフレームの前部取り付け位置に回転可能に接続している。第１図に あるように、背もたれにはヘッドレスト１７を設けることが可能であり、ヘッド レストの装着は本装置を車椅子に使用する際には特に重要である。 第１図、第２図の概略図において明白であるように、 背もたれフレーム２の底部にはフレーム部材２'が設けられ、フレーム部材２'は 椅子の縦方向に前方突出して、背もたれ１の上方突出部と共に鈍角を形成する。 フレーム部材２'の自由端は、図にあるように第２取り付け位置５の一部を形成 する。 第３図、第４図、第５図において、本発明による装置は車椅子との使用により 示されている。椅子に座る人物は符号１７で示され、この人物の重心の中心は符 号１７'で示されている。重心の中心１７'から、小型車輪１３と支持フォーク１ ４との間の回転の中心１３'までの水平距離は距離Ｌ１で示される。同様に、重 心の中心１７'と、側部材４に対応する大型車輪１５の回転の中心１５'との間の 水平距離はＬ２で示される。第３図、第４図、第５図にあるように、重心の中心 １７'と回転の中心１３'、１５'の各々との間の水平距離は、使用者１７が座る 位置に係わらず同じである必要がある。また、使用者が違った座り位置に座った 場合でも、背もたれ１は使用者の背中を「登らない」ことが明らかにわかる。こ れは特に、使用者が後方にもたれると、シートが前方および上方に動き、背もた れの第１取り付け位置３が下方に動くためである。第４図においては、使用者は 椅子の中間静止位置にあるが、第５図では完全な静止位置にある。 第６図、第７図、第８図において、背もたれ、シート、取付位置の相互動作を さらに詳細に説明する。第６図、 第７図、第８図中で説明を要する部分を示す符号は、前出の図面中と同様の符号 を使用している。 第６図からわかるように、背もたれ１は直立位置にあり、例えばピンまたはロ ーラ形である第１取り付け位置３は後部案内１０の最後端部に配置される。同様 に、例えばピンまたはローラ形のシートフレーム７の後部取り付け位置１１は中 央案内１２の後端部に配置される。さらに同様に、例えばピンまたはローラ形の シートフレーム７の前部取り付け位置８は、前部案内９の後端部に配置される。 第４図にあるように、使用者が後方にもたれると、前部取り付け位置３は後部案 内１０に沿って後方へと動く。第４図に示した椅子の状態は第７図のものと対応 するものである。シート６の後部取り付け位置１１は中央案内１２に沿って前方 に動く。同様に、前部取り付け位置８は前部案内９に沿って前方および斜め上方 に動く。この動きは第８図において完了する。第８図では、各取り付け位置３、 １１、８が対応する案内１０、１１、９の前端位置に到達している。この位置に おいて、シートは上方・前方傾斜位置にあり、前部案内９の縦方向とほぼ平行し ている。後部案内１０に沿った第１取り付け位置３の動きにより、背もたれのフ レーム部材２'とシートフレーム７の後端部との間に設けられた第２取り付け位 置５が、やはり必然的に下方および前方に動く。第６図からわかるように、シー ト６の後端部と背もたれ１の下部が離間し、背もたれの下部がシートの上方後端 部 よりも低い位置にある。この方法により、使用者が後方にもたれた際に、背もた れが背中を「登ってくる」感覚を感じなくて済む。使用者がさらに後方にもたれ ようとした際に、取り付け位置５が側部材の上端部に沿って上昇するに従い、背 もたれがさらに後方に動いて水平もしくは下方、後方位置に横たわることを防止 するために、後部取り付け位置１１と案内１２の使用が必要となる。取り付け位 置３、５、１１、８間の相互作用と、取り付け位置３、５、１１に対応する案内 １０、１２、９との使用は、装置の所望の機能を達成するために必要である。背 もたれフレーム２の突出部材２'もまた、全体構造の主要部分を形成している。 第９図、第１０図は各取り付け位置３、１１、８、これに対応する案内１０、 １２、９、シートフレーム７、側部材４を示した実質的な実施例の略図である。 側部材４は押し出し成形体である。図中の押し出し成形は、この実施例によって 限定されるものではない。 本発明の手段により、快適な座り心地と傾斜が、座りユニットの中心と共に、 使用者１７の重心１７'を中心として傾斜することで達成する構成が得られる。 水平方向だけでなく垂直方向から椅子を見ると、椅子と関連する使用者１７の重 力の中心は、このようにしてほぼ一定に保たれる。第３図〜第５図からわかるよ うに、Ｌ１／Ｌ２の比率は椅子装置の全ての調整位置において同値である。 本発明による椅子の利点は、背もたれの角度をシート角度よりも大きく、さら に両角度を同時に変えることにより得られる。これにより使用者のより良好な座 り位置が得られる。本装置を使用することにより、例えば障害者のような椅子の 使用者が、同伴者の助けを要さずに自分で椅子の傾斜を調整することができる。 椅子の縦方向に関連する使用者の重心の中心が、椅子の調整を行っている間一 定に垂直に保たれるという事実により、車輪１３、１５間の相互中心距離の最短 縮小が達成される。これにより、車椅子の後方傾斜安全を損失することなく運転 の特性が向上する。 支持装置を作成する際、個別ユニットとしての座りユニット（背もたれフレー ム部材２'を含む背もたれ２、シートフレーム７、脚支持部７'、７''）が動作位 置から静止位置までの使用者の動きをたえず追従する原理を、装置と車椅子との 接続に使用している。 座りユニットは両側部材４'間で移動する。案内１０、１２、９の位置により 、座りユニットが移動する角度経路が提供される。両側部材４は、実際には従来 の車椅子構成の複雑で重いキャリッジと接続する。さらに、両側部材は、単純な 方法により、車輪の付属品、車輪ブレーキ、アームレスト１８、ハンドル等とし て働く。 本発明の装置は、比較的少ない部品数で構成することができる。押し出し成形 アルミニウムから成る側部材を使用することにより、様々な椅子の型や大きさ、 また単 純な構成を目的とした、より幅広い柔軟性が得られる。椅子には簡単に座ること ができ、また調整が簡単で、移動、保管も理想的なものとなる。側部材は、安定 バー１９の手段によって接続することができる。第２図に示すように、側部材の 前端部、後端部に安定クロスブレース２０、２１を設けることができる。 図示するように、後部案内は若干Ｕ形をしていることが好ましい。これにより 、本発明の好ましい実施例において水平位置から１５度〜４５度の角度を形成す ることができる。さらに、中心案内１２は０度〜１５度の水平角度を形成するこ とができる。前部案内９は水平位置から１０度〜４５度の角度を形成することが 好ましい。また、第１０図にあるように、対応する案内１０、１２、９を形成す るために側部材４に形成された溝は滑りライニングを有し、椅子の側部材の溝に 望ましくない磨耗が生じないようにする。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)， ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｃ Ａ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ， ＴＭ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．椅子の背もたれ（１）が、椅子の両側の側部材（４）に設けられた第１取り 付け位置（３）において回動可能に取り付けられ、第２取り付け位置（５）にお いて椅子シートフレーム（７）の後部と蝶番接続しており、椅子シートフレーム （７）は各第１取り付け位置（８）において、側部材（４）の一部を形成する前 部案内（９）に沿って各側部材（４）と摺動可能に接続し、椅子背もたれ（１） の前記第１取り付け位置（３）が、前記側部材の後部・前方・下方傾斜案内（１ ０）に沿って摺動するように設計され、前記シートフレーム（７）の両側の、前 記前部取り付け位置（８）と前記第２取り付け位置（５）との間に背もたれ（１ ）のための後部取り付け位置（１１）を有しており、前記後部取り付け位置（１ １）が、各側部材において案内（１２）と摺動可能接続を形成し、側部材の縦方 向から見た場合、前記後部取り付け位置（１１）が中心にある例えば車椅子のよ うな調整可能な椅子用の装置であって、 前部案内（９）が前方および上方に傾斜して水平位置から１０度〜４５度の角度 を形成し、中央案内が水平あるいは緩やかに前方および上方に傾斜して水平位置 から０度〜１５度の角度を形成し、後部案内（１０）が若干湾曲して水平位置か ら１５度〜４５度の角度を形成することを特徴とする調整可能な椅子用装置。 ２．側部材（４）が押し出し成形のアルミニウムから成 り、前記案内（１０、１２、９）が前記側部材の側表面にフライス削りによる溝 を有することが好ましいことを特徴とする請求の範囲１に記載の装置。 ３．前記溝が滑りライニングを備えることを特徴とする請求の範囲２に記載の装 置。 ４．前部取り付け位置と前部案内との間の摩擦が、連続調整可能な装置（１６） 手段により、既知の方法で調整可能であることを特徴とする請求の範囲１、２、 もしくは３のいずれか一つに記載の装置。 ５．椅子の背もたれの底部にフレーム部材２'を有し、前記フレーム部材２'が椅 子の縦方向に前方突出して、背もたれの上方突出部と共に鈍角を形成し、前記フ レーム部材の自由端が前記第２取り付け位置（５）の一部を形成することを特徴 とする請求の範囲１に記載の装置。