JPH1045870A - ポリオール樹脂組成物 - Google Patents

ポリオール樹脂組成物

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JPH1045870A
JPH1045870A JP8208656A JP20865696A JPH1045870A JP H1045870 A JPH1045870 A JP H1045870A JP 8208656 A JP8208656 A JP 8208656A JP 20865696 A JP20865696 A JP 20865696A JP H1045870 A JPH1045870 A JP H1045870A
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裕 浅川
Koji Akimoto
耕司 秋本
Shoji Kusano
昭二 草野
Satoshi Suzuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターペン等の弱溶剤に可溶でかつ各種基材に
対する接着性、耐食性、耐熱性、耐薬品性、電気特性及
び機械特性等に優れたポリオール樹脂組成物を提供する
こと。 【解決手段】 本発明のポリオール樹脂組成物は、
(A)平均分子量300〜5000のポリプロピレング
リコールジグリシジルエーテル化合物(A−1)と環状
テルペン化合物にフェノ−ルもしくはアルキルフェノー
ル化合物を付加させて得られるテルペンフェノール化合
物(A−2)との付加生成物であるか、または該(A−
1)成分と該(A−2)成分と活性水素を2個有する活
性水素含有化合物(A−3)との付加生成物である、エ
ポキシ当量が200〜10000であるエポキシ樹脂
に、(B)エポキシ基との反応性を有する活性水素を1
個有する活性水素含有化合物を付加させて得られるもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターペン(テルペ
ン炭化水素油)、ミネラルスピリット等の高沸点炭化水
素溶媒等の安全性の高い高沸点・低刺激性溶媒に可溶
で、優れた防食性、硬化性及び各種基材への密着性の良
好な塗膜を与えることのできる、ポリオール樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】エポ
キシ樹脂に第二級アミン等の活性水素化合物を付加して
得られるポリオール樹脂は、ポリイソシアネートを硬化
剤として硬化することにより、防食性および基材との密
着性に優れた被膜を形成することが知られており、特
に、低分子量のエポキシ樹脂に多価フェノールを付加反
応させて鎖延長して高分子量化した高分子量エポキシ樹
脂から得られるポリオール樹脂は、各種基材に対する接
着性、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性等に優れ
るため、塗料、接着剤等として広く用いられている。
【0003】これらの用途に用いる場合、従来は、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸
エチル等の各種の低沸点溶媒に溶解した溶剤タイプのも
のが一般的であったが、火災の危険性、人体への有害
性、地球環境への悪影響等の問題から、低沸点溶媒の使
用が制限されるようになり、溶媒の低減化(ハイソリッ
ド化)あるいはターペン、ミネラルスピリット等の高沸
点かつ低刺激性溶媒(いわゆる弱溶剤)への切替えが強
く求められるようになった。
【0004】しかしながら、従来のポリオール樹脂は有
機溶剤あるいは各種の併用剤に対する溶解性が不十分で
あり、ハイソリッド化が困難なばかりでなく、溶液の粘
度が高いため作業性に劣る欠点があった。また、従来の
ポリオール樹脂を用いた硬化物は、可撓性に乏しいた
め、塗料として用いる場合にその用途に大きな制約を受
けていた。
【0005】特開昭58−7557号公報および特開昭
59−56460号公報には、二価フェノールのアルキ
レンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルと活性水
素含有化合物との付加生成物または二価フェノールのア
ルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルを二
価カルボン酸で鎖延長した高分子量エポキシ樹脂と活性
水素含有化合物との付加生成物を用いることが提案され
ているが、これらのポリオール樹脂組成物は防食性、耐
水性、低温硬化性の点ではある程度改良されているもの
の、ターペン等の高沸点、低刺激性溶媒への溶解性が不
十分であり、実用上満足できるものではなかった。
【0006】従って、本発明の目的は、ターペン等の弱
溶剤に可溶でかつ各種基材に対する接着性、耐食性、耐
熱性、耐薬品性、電気特性及び機械特性等に優れたポリ
オール樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段題】本発明者らは、鋭意検
討を重ねた結果、ポリオール樹脂を製造するために用い
られる原料のエポキシ樹脂として、ポリプロピレングリ
コールジグリシジルエーテルとテルペンフェノール化合
物との付加生成物を用いることにより、上記目的を達成
しうることを知見した。
【0008】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、(A)平均分子量300〜5000のポリプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル化合物(A−1)と
環状テルペン化合物にフェノ−ルまたはアルキルフェノ
ール化合物を付加させて得られるテルペンフェノール化
合物(A−2)との付加生成物である、エポキシ当量が
200〜10000であるエポキシ樹脂に、(B)エポ
キシ基との反応性を有する活性水素を1個有する活性水
素含有化合物を付加させて得られる、ポリオール樹脂組
成物を提供するものである。
【0009】また、本発明は、(A)平均分子量300
〜5000のポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル化合物(A−1)、環状テルペン化合物にフェノ
−ルまたはアルキルフェノール化合物を付加させて得ら
れるテルペンフェノール化合物(A−2)および活性水
素を2個有する活性水素含有化合物(A−3)との付加
生成物である、エポキシ当量が200〜10000であ
るエポキシ樹脂に、(B)エポキシ基との反応性を有す
る活性水素を1個有する活性水素含有化合物を付加させ
て得られる、ポリオール樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0010】以下、本発明のポリオール樹脂組成物につ
いて詳細に説明する。
【0011】本発明で用いられる(A−1)成分である
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルは、そ
の平均分子量が300〜5000であり、好ましくは8
00〜2000である。この平均分子量の範囲を外れる
ものではターペン、ミネラルスピリット等への弱溶剤
(低沸点、低刺激性等)への溶解性が低下したり、塗膜
物性が低下する。
【0012】本発明で用いられる(A−2)成分である
テルペンフェノール化合物(テルペン骨格構造含有フェ
ノ−ル化合物)は、環状テルペン化合物にフェノールま
たはオルソクレゾールなどのアルキルフェノール化合物
を付加して得られるものであり、例えば、下記〔化1〕
の式(1)〜(5)で表される化合物等があげられる。
【0013】
【化1】
【0014】本発明で用いられる(A)成分であるエポ
キシ樹脂は、上記(A−1)成分であるポリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテルと、上記(A−2)成
分であるテルペンフェノール化合物との付加生成物、ま
たは、上記(A−1)成分、上記(A−2)成分及び上
記(A−3)成分である活性水素を2個有する活性水素
含有化合物の付加生成物であり、該(A−2)成分であ
るテルペンフェノール化合物に由来する構造単位を、好
ましくは1重量%以上、更に好ましくは5重量%以上含
有するように調製される。該構造単位の含有量が1重量
%未満の場合にはターペン、ミネラルスピリット等への
弱溶剤への溶解性が不十分となるおそれがある。
【0015】上記(A−2)であるテルペンフェノール
化合物に由来する構造単位の含有量を上記の範囲とする
ためには、上記(A−1)成分のエポキシ基1個に対
し、該(A−2)成分のフェノール性水酸基が0.05
〜0.8個、好ましくは0.1〜0.7個となる比率、
特にテルペン構造骨格含有フェノール化合物としてモノ
フェノール化合物を用いる場合には0.1〜0.5個と
なる比率で反応させることが望ましい。
【0016】また、上記(A−3)成分である活性水素
化合物としては、ブチルアミン、オクチルアミン等のモ
ノアルキルアミン化合物;モノエタノールアミン、モノ
イソプロパノールアミン等のモノアルカノールアミンな
どの第一級アミン化合物が好ましい。
【0017】また、これらの活性水素化合物の使用量
は、上記(A−1)成分のエポキシ基1個に対し、活性
水素が0〜0.5個、好ましくは0.1〜0.3個とな
る比率で、かつ、上記(A−2)成分のフェノール性水
酸基と活性水素を合計して0.05〜0.8個、好まし
くは0.1〜0.7個となる比率で反応させることが望
ましい。
【0018】上記(A−1)成分と上記(A−2)成分
と〔上記(A−3)成分と〕の反応は、エポキシ樹脂に
フェノール化合物および活性水素化合物を付加させる通
常の方法を採用することができ、例えば、三級アミン化
合物、ホスホニウム塩等の周知の触媒の存在下に、両者
を60〜200℃に加熱する方法などを用いることがで
きる。
【0019】また、得られる上記(A)成分であるエポ
キシ樹脂(テルペンフェノール構造骨格を有するエポキ
シ樹脂)は、そのエポキシ当量が200〜10000、
好ましくは500〜4000であり、該エポキシ当量が
200未満の場合には得られるポリオール樹脂の分子量
が小さくなりすぎるために硬化皮膜の機械的特性が不十
分となり、10000を超えると低温硬化性が不十分と
なる。
【0020】本発明で用いられる(B)成分であるエポ
キシ基との反応性を有する活性水素を1個有する活性水
素含有化合物としては、第二級アミン化合物およびカル
ボキシル基を有する化合物等があげられ、特に、アルコ
ール性水酸基を置換基として有する化合物が好ましい。
【0021】上記第二級アミン化合物としては、例え
ば、ジブチルアミン、ジオクチルアミン等のジアルキル
アミン化合物;メチルエタノールアミン、ブチルエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノール
アミン、ジメチルシアミノプロピルエタノールアミン等
のアルカノールアミン化合物;モルホリン、ピペリジ
ン、4−メチルピペラジン等の複素環式アミン化合物が
あげられ、特に、ジアルカノールアミン化合物を用いた
場合に特性の優れたポリオール樹脂組成物が得られるの
で好ましい。
【0022】上記のカルボキシル基を有する化合物とし
ては、例えば、酢酸、プロピオン酸、2,2−ジメチロ
ールプロピオン酸、乳酸、酪酸、オクチル酸、ラウリン
酸、安息香酸、トルイル酸、桂皮酸、フェニル酢酸、シ
クロヘキサンカルボン酸等の脂肪族、芳香族または脂環
式モノカルボン酸があげられ、特に、2,2−ジメチロ
ールプロピオン酸、乳酸等のアルコール性水酸基を有す
るカルボン酸を用いた場合に特性の優れたポリオール樹
脂組成物が得られるので好ましい。
【0023】本発明においては、上記(A)成分である
エポキシ樹脂と上記(B)成分である活性水素含有化合
物との反応比率は、該(A)成分のエポキシ基1個に対
して該(B)成分の活性水素の数が好ましくは0.7〜
1.1個、更に好ましくは0.9〜1.0個となる比率
で用いられる。
【0024】上記活性水素含有化合物の使用量が上記の
範囲未満の場合は、ポリオール樹脂組成物中に未反応の
エポキシ基が多量に残存することとなり、また、上記の
範囲を超えて用いることは未反応の活性水素化合物が残
存することとなり、無駄であるばかりでなく、硬化皮膜
を形成させた場合に皮膜の特性に悪影響を及ぼすおそれ
がある。
【0025】上記(A)成分であるエポキシ樹脂と上記
(B)成分である活性水素含有化合物とを反応させる方
法としては、エポキシ樹脂に活性水素含有化合物を付加
させる通常の方法を採用することができ、例えば、三級
アミン化合物、ホスホニウム塩等の周知の触媒の存在下
に、両者を60〜200℃に加熱し、3〜10時間反応
させる方法等を用いることができる。
【0026】本発明のポリオール樹脂組成物は、一般に
は、硬化剤が配合されて塗料、接着剤等の被覆用樹脂組
成物の用途に用いられる。特に、本発明のポリオール樹
脂組成物は、硬化剤として後述するポリイソシアネート
化合物が配合された被覆用樹脂組成物に用いられるのが
好ましい。
【0027】上記硬化剤としては、通常ポリオール樹脂
用硬化剤として用いられているものであれば特に制限を
受けずに使用することが可能であり、特に、分子中に平
均1個より多くのイソシアネート基を有するポリイソシ
アネート化合物を用いることが好ましい。
【0028】上記ポリイソシアネート化合物としては、
例えば、フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレ
ンポリフェニルポリイソシアネート、ジアニシジンジイ
ソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシア
ネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート等があげられ、これらは単独で
使用することも、または二種以上を適宜混合して使用す
ることもできる。また、エチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチ
ロールプロパン等の多価アルコール類とこれらのポリイ
ソシアネート化合物との付加物等の末端にイソシアネー
ト基を有する高分子量ポリイソシアネート(プレポリマ
ー)を用いることもできる。
【0029】これらのポリイソシアネート化合物の使用
量は、ポリオール樹脂組成物における水酸基1個あた
り、該ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基が
好ましくは0.4〜1.2個、更に好ましくは0.7〜
1.0個となるような範囲で使用される。該ポリイソシ
アネート化合物の使用量が上記の範囲未満の場合には未
反応の水酸基が多量に残存することとなり、硬化皮膜の
機械的特性が不十分となるおそれがあるばかりでなく、
耐水性に悪影響を及ぼす場合もある。また、該ポリイソ
シアネート化合物を上記の範囲を超えて使用しても無駄
であるばかりでなく、発泡してしまうおそれがある。
【0030】また、本発明のポリオール樹脂組成物を塗
料として用いる場合には、通常、ポリオール樹脂組成物
および硬化剤を溶解するために溶剤が配合されるが、本
発明のポリオール樹脂組成物は、安全性の高い高沸点・
低刺激性溶媒であるターペンすなわちテレピン油、D−
リモネン、ピネン等、あるいは、ミネラルスピリット等
の高沸点炭化水素溶媒などの弱溶剤に可溶であるので、
これらを希釈溶剤として用いることができる特徴を備え
ている。この高沸点炭化水素溶媒は、脂肪族、脂環族、
芳香族またはこれらの混合されたものでもよく、また、
キシレン、メシチレン等の単一の組成からなるものでも
よい。さらに、これらの高沸点炭化水素系溶剤の一部ま
たは全部に代えて、アセトン、トルエン、メチルエチル
ケトン、酢酸エチル、プロピレングリコ−ルモノエチル
エ−テル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、酢酸エチルなども使用でき、これ
らの溶剤は、任意に2種以上の混合溶剤として用いるこ
とも可能である。
【0031】また、本発明のポリオール樹脂組成物に
は、必要に応じて、その他のポリオール化合物、硬化触
媒、モノグリシジルエーテル類、ジオクチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ベンジルアルコール、テルペ
ンフェノール樹脂、コールタール等の反応性または非反
応性の希釈剤(可塑剤)、ガラス繊維、炭素繊維、セル
ロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化
アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末
シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイ
ト、酸化鉄、歴青物質などの充填剤もしくは顔料、増粘
剤、チキソトロピック剤、難燃剤、消泡剤等の常用の添
加物を含有してもよく、さらに、キシレン樹脂、石油樹
脂等の粘着性の樹脂類を併用することもできる。
【0032】本発明のポリオール樹脂組成物を使用し
て、塗料を調製する方法としては、常法に従い、ポリオ
ール樹脂組成物にフィラー等の所望の添加物を加え、ガ
ラスビーズを入れて所定時間振とう機等で混練りする方
法があげられる。得られた塗料は、硬化剤を混合したあ
と、バーコーター等を用いて所定の膜厚で塗布し、乾燥
硬化させることによって塗膜を形成させることができ
る。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。尚、各実施例中で部は
特に断りのないかぎり重量部を示し、また、エポキシ当
量とはエポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で
定義され、フェノール性OH当量はフェノール性水酸基
1個あたりのフェノール化合物の分子量で定義され、ア
ルコール性OH当量とはポリオール樹脂組成物中のアル
コール性水酸基1個あたりのポリオール樹脂組成物の分
子量で定義され、水酸基価(OHV)とはポリオール樹
脂組成物1g中のアルコール性水酸基を中和するのに必
要な水酸化カリウムのmg数で定義される。
【0034】実施例1 温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた反応
容器に、アデカレジンEP−4006(旭電化工業株式
会社製;ポリプロピレングリコールのジグリシジルエー
テル、エポキシ当量1000)400部、YP−90L
L(ヤスハラケミカル株式会社製;テルペンフェノール
共重合体、平均分子量266、フェノール性OH当量3
15)54.4部(エポキシ基1個当たりのフェノール
性水酸基0.43個)および触媒として3−エチルフェ
ニルホスホニウムブロミド0.7部を仕込み、150℃
まで系内を昇温させた後、5時間反応させ、エポキシ当
量2500のエポキシ樹脂(EP−1)を得た。
【0035】上記エポキシ樹脂(EP−1)250部に
ジエタノールアミン10.5部(エポキシ基1個当たり
の活性水素1.00個)を添加し、90℃で3時間反応
させた後、希釈溶剤としてミネラルスピリットを添加し
てNV(固形分含有量)=90%とし、褐色液状のポリ
オール樹脂組成物(OHV=100)を得た。このポリ
オール樹脂組成物の粘度は20(p/25℃)であっ
た。
【0036】実施例2 実施例1のエポキシ樹脂(EP−1)250部にジエタ
ノールアミン10.5部(エポキシ基1個当たりの活性
水素1.00個)を添加し、90℃で3時間反応させた
後YS−ポリスター#2140(ヤスハラケミカル
(株)製;テルペンフェノール樹脂、フェノール製OH
当量1300)65部加え、均一溶解せしめた後希釈溶
剤としてミネラルスピリットを添加してNV=70%と
し、褐色液状のポリオール樹脂組成物(OHV=60)
を得た。このポリオール樹脂組成物の粘度は10(p/
25℃)であった。
【0037】実施例3 温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた反応
容器に、660部のアデカレジンEP−4006、6
5.0部のYP−90LL、モノエタノールアミン6.
5部および触媒として3−エチルフェニルホスホニウム
ブロミド1.5部を仕込み、150℃まで系内を昇温さ
せた後、5時間反応させ、エポキシ当量2000のエポ
キシ樹脂(EP−2)を得た。
【0038】上記エポキシ樹脂(EP−2)200部に
ジエタノールアミン10.5部(エポキシ基1個当たり
の活性水素1.00個)を添加し、90℃で3時間反応
させた後、希釈溶剤としてミネラルスピリットを添加し
てNV=90%とし、褐色液状のポリオール樹脂組成物
(OHV=82)を得た。このポリオール樹脂組成物の
粘度は14(p/25℃)であった。
【0039】実施例4 温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた反応
容器に、660部のアデカレジンEP−4006、6
5.0部のYP−90LL、モノエタノールアミン12
部および触媒として3−エチルフェニルホスホニウムブ
ロミド1.5部を仕込み、150℃まで系内を昇温させ
た後、5時間反応させ、エポキシ当量5000のエポキ
シ樹脂(EP−3)を得た。
【0040】上記エポキシ樹脂(EP−3)500部に
ジエタノールアミン10.5部(エポキシ基1個当たり
の活性水素1.00個)を添加し、90℃で3時間反応
させた後、希釈溶剤としてミネラルスピリットを添加し
てNV=70とし、褐色液状のポリオール樹脂組成物
(OHV=72)を得た。このポリオール樹脂組成物の
粘度は40(p/25℃)であった。
【0041】実施例5 温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた反応
容器に、アデカレジンEP−4009(旭電化工業株式
会社製;ポリプロピレングリコールのジグリシジルエー
テル、エポキシ当量1500)750部、YP−90L
L 45部、モノエタノールアミン7部および触媒とし
て3−エチルフェニルホスホニウムブロミド3.2部を
仕込み、150℃まで系内を昇温させた後、5時間反応
させ、エポキシ当量2200のエポキシ樹脂(EP−
4)を得た。
【0042】上記エポキシ樹脂(EP−4)220部に
ジエタノールアミン10.5部(エポキシ基1個当たり
の活性水素1.00個)を添加し、90℃で3時間反応
させた後、希釈溶剤としてミネラルスピリットを添加し
てNV(固形分含有量)=95とし、褐色液状のポリオ
ール樹脂組成物(OHV=93)を得た。このポリオー
ル樹脂組成物の粘度は15(p/25℃)であった。
【0043】比較例1 温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた反応
容器に、エポキシ当量1000のポリエチレングリコー
ルのジグリシジルエーテル400部、YP−90LL
54.4部(エポキシ基1個当たりのフェノール性水酸
基0.43個)および触媒として3−エチルフェニルホ
スホニウムブロミド0.7部を仕込み、150℃まで系
内を昇温させた後、5時間反応させ、エポキシ当量25
00のエポキシ樹脂(比較EP−1)を得た。
【0044】上記エポキシ樹脂(比較EP−1)250
部にジエタノールアミン10.5部(エポキシ基1個当
たりの活性水素1.00個)を添加し、90℃で3時間
反応させた後、希釈溶剤としてキシレンを添加してNV
(固形分含有量)=90とし、褐色液状のポリオール樹
脂組成物(OHV=100)を得た。このポリオール樹
脂組成物の粘度は20(p/25℃)であった。
【0045】比較例2 温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた反応
容器に、エポキシ当量190のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂190部、ビスフェノールA97.7部および
触媒としてジメチルベンジルアミン0.39部を加え、
150℃まで系内を昇温させた後、4時間反応させてエ
ポキシ当量2000のエポキシ樹脂(比較EP−2)を
得た。
【0046】上記エポキシ樹脂(比較EP−2)200
部にジエタノールアミン10.5部(エポキシ基1個当
たりの活性水素1.00個)を添加し、90℃で3時間
反応させた後、希釈溶剤としてキシレンを添加してNV
(固形分含有量)=90%とし、褐色液状のポリオール
樹脂組成物(OHV=102)を得た。このポリオール
樹脂組成物の粘度は40(p/25℃)であった。
【0047】実施例1〜5並びに比較例1及び2で得ら
れたポリオール樹脂組成物各100gを弱溶剤であるミ
ネラルスピリット100gに溶解させ、その溶解性を見
た。評価は次の3段階で行い、その結果を下記〔表1〕
に示す。 ○:均一に溶解し、不溶物は認められない。 △:微量の不溶物は認められるが、ほぼ均一に溶解して
いる。 ×:多量の不溶物が認められる。
【0048】
【表1】
【0049】また、上記ポリオール樹脂組成物を用い、
下記の配合に従って、ガラスビーズを用い、振とう機で
2時間混練して白色塗料を調製した。尚、比較例2のポ
リオール樹脂組成物はテレピン油に対する溶解性が不十
分なため、テレピン油に代えてキシレンを同重量部用い
た。
【0050】 (配合) ポリオール樹脂組成物(固形分として) 20 重量部 二酸化チタン 20 ベントナイト 1 テレピン油 14.1 スワゾール310 3.5 (エクソン化学株式会社製高沸点炭化水素溶媒)
【0051】得られた白色塗料に、硬化剤としてトリメ
チロールプロパンのトリレンジイソシアネート1:3付
加物(日本ポリウレタン株式会社製、コロネートL、N
CO%=13.3%、固形分75%)を、ポリオール樹
脂組成物の水酸基/硬化剤のNCO=1/0.7当量比
になるように配合し、塗料組成物とした。
【0052】次いで、得られた塗料組成物を070バー
コーターを用いて金属板上に膜厚30〜50μになるよ
うに塗布し、25℃で7日放置して乾燥硬化させた。得
られた塗膜試験片の特性を下記のごとく評価し、それら
の結果を下記〔表2〕に示す。
【0053】尚、各性能評価の方法は、次の通りであ
る。 エリクセン;エリクセン試験器を用い、φ20mm,
8mmの条件で行った。 ○ ;異常なし × ;割れが発生 硬化性:室温で硬化させたときのタックフリー時間。 耐食性試験;JIS K−5400に基づき、サンド
ブラスト板塗膜試験片を500時間SSTにかけて行っ
た。判定基準は次の通り。 平面部 ○ ;さび、ふくれ無し △ ; 〃 やや見られる × ; 〃 多く見られる クロスカット部 ○ ;さび、ふくれ0.5mm以下 ○〜△; 〃 0.5〜1mm △ ; 〃 1〜1.5mm △〜×; 〃 1.5〜2mm × ; 〃 2mm以上 アルミ密着性;JIS H−4000に規定されたア
ルミニウム板を用いる他は同様にして塗膜試験片を作成
し、塗膜にクロスカットを入れてテープ剥離試験を行
い、塗膜の剥がれ状態を比較した。 ○ ;剥がれなし △ ;一部剥がれが見られる × ;全面が剥がれる
【0054】
【表2】
【0055】上記の実施例及び比較例から明らかなよう
に、本発明のポリオール樹脂組成物(実施例1〜5)は
ターペン等の弱溶剤への溶解性に優れ、また、耐食性お
よび基材への密着性の良好な塗膜を形成することができ
る。特に、2個の活性水素を有する活性水素化合物を用
いた場合(実施例3〜5)には硬化性にも優れた塗膜を
形成することができる。
【0056】これに対し、テルペン構造骨格を全く含有
しないポリオール樹脂組成物(比較例2)はターペンへ
の溶解性が劣るばかりでなく、塗膜を形成させた場合に
基材への密着性および耐食性に劣ることが明らかであ
る。
【0057】また、テルペン構造骨格を含有する場合で
もポリエチレングリコールのグリシジルエーテルから誘
導されるポリオール樹脂組成物を用いた場合(比較例
1)には、ターペンへの溶解性はある程度優れるもの
の、硬化性が全く不十分であり、また、得られる塗膜の
物性も不十分である。
【0058】
【発明の効果】本発明のポリオール樹脂組成物は、安全
性の高い高沸点・低刺激性溶媒であるターペン等の弱溶
剤に可溶で、かつ、硬化性および耐食性に優れ、また、
アルミニウム、亜鉛板等各種基材への密着性が良好な塗
膜を形成することができ、塗料、接着剤等の用途に有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 聡 埼玉県南埼玉郡菖蒲町昭和沼20番地 旭電 化工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)平均分子量300〜5000のポ
    リプロピレングリコールジグリシジルエーテル化合物
    (A−1)と環状テルペン化合物にフェノ−ルまたはア
    ルキルフェノール化合物を付加させて得られるテルペン
    フェノール化合物(A−2)との付加生成物である、エ
    ポキシ当量が200〜10000であるエポキシ樹脂
    に、(B)エポキシ基との反応性を有する活性水素を1
    個有する活性水素含有化合物を付加させて得られる、ポ
    リオール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)平均分子量300〜5000のポ
    リプロピレングリコールジグリシジルエーテル化合物
    (A−1)、環状テルペン化合物にフェノ−ルまたはア
    ルキルフェノール化合物を付加させて得られるテルペン
    フェノール化合物(A−2)および活性水素を2個有す
    る活性水素含有化合物(A−3)との付加生成物であ
    る、エポキシ当量が200〜10000であるエポキシ
    樹脂に、(B)エポキシ基との反応性を有する活性水素
    を1個有する活性水素含有化合物を付加させて得られ
    る、ポリオール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記(B)成分が、カルボン酸または第
    二級アミン化合物である請求項1または2記載のポリオ
    ール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記(B)成分が、アルコール性水酸基
    を有するカルボン酸または第二級アミン化合物である請
    求項3のポリオール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 上記(A−3)成分が、第一級アミン化
    合物である請求項2記載のポリオール樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 上記(A)成分のエポキシ基1個に対
    し、上記(B)成分の活性水素が0.7〜1.1個とな
    る比率で付加させた、請求項1〜5の何れかに記載のポ
    リオール樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載のポリオー
    ル樹脂組成物およびポリイソシアネート化合物を含有す
    る被覆用樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004031257A1 (ja) * 2002-10-03 2004-04-15 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物
KR100554352B1 (ko) * 1998-12-31 2006-12-19 주식회사 케이씨씨 노블락 변성 에폭시 수지의 제조방법 및 이를이용한분체도료 조성물

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CN1320019C (zh) * 2002-10-03 2007-06-06 日本化药株式会社 光半导体密封用环氧树脂组合物

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