JPH102013A - 大架構塔状建築物 - Google Patents

大架構塔状建築物

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JPH102013A
JPH102013A JP17590496A JP17590496A JPH102013A JP H102013 A JPH102013 A JP H102013A JP 17590496 A JP17590496 A JP 17590496A JP 17590496 A JP17590496 A JP 17590496A JP H102013 A JPH102013 A JP H102013A
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Koji Yabuuchi
浩二 藪内
Kyoji Noguchi
恭司 野口
Atsushi Komori
淳 小森
Hiroki Sugiyama
寛紀 杉山
Masatoyo Matsuzaki
真豊 松崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大地震等に対して安全で、平面計画の自由度及
び外壁面開口率を極力向上できるようにする。 【解決手段】上下方向に伸延した鉛直方向筒枠構造体1
6を有し、この筒枠構造体16は、面状に形成された複
数の面状耐震要素部材50により閉鎖水平断面形状を形
成する形で形成されており、この筒枠構造体16の周囲
に、マンション1の構造上の構造外周面3aを形成する
形で外殻構造物3を設け、複数のフロア空間25は、筒
枠構造体16と外殻構造物3の間に形成されており、前
記筒枠構造体16と前記外殻構造物3との間に、面状に
形成された複数の水平方向耐震構造体15を、これらを
接続する形で上下方向に間隔L1で配設し、複数の耐震
構造体15は、水平方向においては、前記筒枠構造体1
6を中心とする放射方向に配置して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高層マンションや事務
所ビルなどに適用するのに好適な大架構塔状建築物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、高層の塔状建築物が構築されてお
り、このような建築物は、柱、梁部材により構成される
純ラーメン構造とすることが多い。その他、超高層の事
務所ビル等では、純ラーメン構造ではなく大架構柱梁
(メガストラクチャー)を採用することもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな純ラーメン構造による建築物では、該建築物が高層
化すればするほど、その分、柱部材等が支持すべき鉛直
荷重や水平荷重が大きくなるため、単位水平面積内にお
いて設置すべき柱部材の本数が増加する。これにより、
各フロア空間における平面計画の自由度が制約され都合
が悪かった。特に、前記塔状建築物がマンション等の集
合住宅である場合には、平常時に発生する微弱な振動を
極力防止して居住性を向上させる目的から鉄骨鉄筋コン
クリート等が採用されている。この場合、大地震時にお
ける柱部材の崩壊等を防止し、安全性を確保するために
は、柱部材の部材断面を極力大きくして塑性率を低く抑
えることが必要となって来る。よって、上述したよう
な、各フロア空間における平面計画の自由度の制約は更
に大きくなる。
【0004】一方、上述したような大架構柱梁を採用す
ることにより、単位水平面積内において設置すべき柱部
材の本数を極力減少させることができ、よって各フロア
空間における平面計画の自由度を極力向上させることが
できたが、構造上、大架構柱を建物の外周部に配置する
必要が生じ、この大架構柱(通常この大架構柱はコアや
設備等のスペースとしてしか使用できない)の存在によ
り、バルコニや窓などの設置が制約されていた(即ち、
外壁面開口率の向上が困難であった。)。特に、前記塔
状建築物がマンション等の集合住宅である場合には、大
架構柱梁を採用することは計画上不可能であった。
【0005】そこで本発明は上記事情に鑑み、高層マン
ション等の塔状建築物において、大地震等に対して安全
で、かつ各フロア空間における平面計画の自由度を極力
向上させることができ、しかも外壁面開口率を極力向上
させることができる大架構塔状建築物を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明のうち第1の
発明は、内部に複数のフロア空間(25)が上下層状に
形成された塔状建築物(1)において、上下方向に伸延
した筒枠状構造体(16)を有し、前記筒枠状構造体
(16)は、面状に形成された複数の面状耐震要素部材
(50)により閉鎖水平断面形状を形成する形で形成さ
れており、前記筒枠状構造体(16)の周囲に、前記塔
状建築物(1)の構造上の外周面(3a)を形成する形
で外殻構造体(3、60)を設け、前記複数のフロア空
間(25)は、前記筒枠状構造体(16)と前記外殻構
造体(3、60)の間に形成されており、前記筒枠状構
造体(16)と前記外殻構造体(3、60)との間に、
面状に形成された複数の耐震要素構造体(15)を、こ
れら筒枠状構造体(16)と外殻構造体(3、60)と
を接続する形で上下方向に所定の間隔(L1)で配設
し、前記複数の耐震要素構造体(15)は、水平方向に
おいては、前記筒枠状構造体(16)を中心とする放射
方向に、前記筒枠状構造体(16)と前記外殻構造体
(3、60)とを接続する形で配置して構成される。
【0007】また本発明のうち第2の発明は、第1の発
明による大架構塔状建築物において、前記塔状建築物
(1)は、複数の水平なスラブ支持用梁(10)を、前
記筒枠状構造体(16)と前記外殻構造体(3、60)
を接続した形で上下層状に有しており、前記耐震要素構
造体(15)は、上下に隣接する前記スラブ支持用梁
(10、10)間に、これらスラブ支持用梁(10、1
0)を有した形で形成されている。
【0008】また本発明のうち第3の発明は、第1の発
明による大架構塔状建築物において、前記塔状建築物
(1)は集合住宅用の建築物である。
【0009】また本発明のうち第4の発明は、第1の発
明による大架構塔状建築物において、前記面状耐震要素
部材(50)はトラス構造(18)を有する。
【0010】また本発明のうち第5の発明は、第1の発
明による大架構塔状建築物において、前記面状耐震要素
部材(50)は耐震壁(32)を有する。
【0011】また本発明のうち第6の発明は、第1の発
明による大架構塔状建築物において、前記耐震要素構造
体(15)はトラス構造(18)を有する。
【0012】また本発明のうち第7の発明は、第1の発
明による大架構塔状建築物において、前記耐震要素構造
体(15)は耐震壁(32)を有する。
【0013】なお、括弧内の番号等は、図面における対
応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述
は図面上の記載に限定拘束されるものではない。以下の
「作用」の欄についても同様である。
【0014】
【作用】上記した構成により本発明のうち第1の発明で
は、筒枠状構造体(16)と耐震要素構造体(15)と
外殻構造体(3、60)により大架構柱梁を構成する構
造となり、常時荷重(鉛直荷重)は主に外殻構造体
(3、60)側によって支持させ、地震等による水平力
は主に筒枠状構造体(16)側で抵抗させる。
【0015】また本発明のうち第2の発明では、耐震要
素構造体(15)はスラブ支持用梁(10)を使って構
成される。
【0016】また本発明のうち第3の発明では、各住戸
の窓やバルコニ等の設置ができるようになる。
【0017】また本発明のうち第4の発明では、ブレー
ス材(13)等を用いて面状耐震要素部材(50)を構
成する。
【0018】また本発明のうち第5の発明では、耐震壁
(32)をフロア空間(25)とコア空間(16a)の
間の仕切部材等として使用する。
【0019】また本発明のうち第6の発明では、ブレー
ス材(13)等を用いて耐震要素構造体(15)を構成
する。
【0020】また本発明のうち第7の発明では、耐震壁
(32)をフロア空間(25)内を仕切る仕切部材等と
して使用する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明による大架構塔状建築物の一例であ
るマンションの構造を示した模式斜視図、図2は、図1
のマンションの構造を示した水平断面図、図3は、図1
のマンションの構造を示した側断面図、図4(a)は、
図1のマンションに設置された制震梁を示した側面図、
図4(b)は、図4(a)のX1−Y1線断面図、図5
は、本発明による大架構塔状建築物の別の一例であるマ
ンションの構造を示した模式斜視図、図6は、図5のマ
ンションの構造を示した水平断面図、図7は、別の形の
トラス構造を示した側面図、図8は、別の形のトラス構
造を示した側面図、図9は、別の形の水平方向耐震構造
体及び鉛直方向筒枠構造体を示した側面図である。
【0022】本発明による大架構塔状建築物の一例であ
るマンション1は、図1乃至図3に示すように、地盤2
中に構築された図示しない基礎構造物上に立設されたフ
レーム構造物100を有しており、フレーム構造物10
0は、外殻構造物3及び中核構造物7等から構成されて
いる。外殻構造物3は、図1乃至図3に示すように、前
記基礎構造物上に立設された複数の柱部材5を有してい
る。なお、本発明ではこれら柱部材5は鋼管コンクリー
トとなっているが、その他の実施例としてH鋼などによ
るもの又は鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリート
などでも可能である(しかし、鋼管コンクリートの採用
により柱部材の部材断面の縮小と工期短縮が容易に実現
するので、鋼管コンクリートを採用することが望まし
い。)。そして、外殻構造物3の複数の柱部材5のう
ち、8本の柱部材5A(なお、柱部材5Aは、前記複数
の柱部材5のうちの特定のものを区別して表記したもの
とする)は、図2に示すように、水平断面において、対
向した辺どうしが平行且つ等しい長さである所定の8角
形の頂点に位置する形でそれぞれ配置されている。ま
た、この8角形の所定の1辺(図2の紙面で最も上側の
辺)には、該1辺の両端に配置された2つの柱部材5
A、5Aの他に、これら柱部材5A、5Aの間の位置に
おいて2つの柱部材5B、5B(なお、柱部材5Bは、
前記複数の柱部材5のうちの柱部材5A以外の特定のも
のを区別して表記したものとする)が配置されており、
該1辺と対向する別の1辺(図2の紙面で最も下側の
辺)においても、該別の1辺の両端に配置された2つの
柱部材5A、5Aの他に、これら柱部材5A、5Aの間
の位置において2つの柱部材5B、5Bが配置されてい
る。更に、これら1辺及び別の1辺の間に挟まれた2辺
(図2の紙面で最も右側の辺及び最も左側の辺)におい
ても、該各辺の両端に配置された2つの柱部材5A、5
Aの他に、これら柱部材5A、5Aの間の位置において
2つの柱部材5B、5Bが配置されている。そして、水
平方向である図の矢印A、B方向(即ち図2の紙面上下
方向)及び、該矢印A、B方向に直角な水平方向である
図の矢印C、D方向(即ち図2の紙面左右方向)に、互
いに対向した辺どうしでは、その対向方向に各柱部材5
B、5Bが対応して位置しており、従って、これら対応
した柱部材5B、5Bどうしを結んだ線は、井の字型の
格子状に交差している。
【0023】上述した8角形の周方向に隣接する柱部材
5A、5A間、柱部材5A、5B間、柱部材5B、5A
間には、水平方向に伸延した複数の梁部材6がそれぞれ
接続されており、隣接する各柱部材5、5間では、これ
らを接続する梁部材6は上下方向に複数となっている。
即ち、これら柱部材5A、5B、梁部材6によりラーメ
ン構造を構成する外側構造体41が形成されており、こ
の外側構造体41の外周面により、前記マンション1の
構造上の外周面である構造外周面3aが形成されてい
る。また、各柱部材5、5間の複数の梁部材6は、後述
する複数のフロア空間25の位置に対応して上下方向に
配置されている。なお、本実施例では、この梁部材6は
鉄骨コンクリート(鋼管コンクリート等)によるもので
あるが、その他の実施例としてH鋼などによるもの又は
鉄筋コンクリートなどでも可能である。また、隣接する
各柱部材5B、5B間には梁部材6が接続されていな
い。更に、外殻構造物3の複数の柱部材5のうち、上記
柱部材5A、5B以外の8つの柱部材5C(なお、柱部
材5Cは、前記複数の柱部材5のうちの柱部材5A、5
B以外のものを区別して表記したものとする)は、上述
した柱部材5Bのうち、水平断面において、互いに対応
した柱部材5B、5Bどうしを結んだ格子状に交差した
井の字型の線上に存在し、かつ8つの各柱部材5Bより
もやや内側に位置した形で、また各柱部材5Bと1対1
で対応した形で配置されている。これら8つの柱部材5
Cのうち、図の矢印A、B方向或いは矢印C、D方向に
隣接した2本1組の柱部材5C、5Cにおいて、各組の
柱部材5C、5C間には水平方向に伸延した複数の梁部
材6がそれぞれ接続されており、隣接する各柱部材5
C、5C間では、これらを接続する梁部材6は上下方向
に複数となっている。これら梁部材6の配置位置は、前
記外側構造体41における複数の梁部材6の配置位置と
対応している。これら柱部材5C、5C、梁部材6によ
り、ラーメン構造を構成する内側構造体40が形成され
ている。
【0024】以上のように構成された外側構造体41と
内側構造体40の間、具体的には互いに対応配置されて
いる柱部材5Bと柱部材5Cの間は、例えば図1乃至図
4に示すような複数の所定の制震梁17で接続されてい
る。なお、この制震梁17は、各柱部材5B、5C間に
複数設置されており、これら制震梁17の配置位置は、
前記外側構造体41及び内側構造体40における複数の
梁部材6の配置位置と対応している。各制震梁17は、
図4(a)及び図4(b)に示すように、柱部材5B、
5C間を接続した形のH型鋼からなる梁部材ユニット1
9を有しており、該梁部材ユニット19はその中央付近
を境界とする形で柱部材5C側の梁部材片20Pと、柱
部材5B側の梁部材片20Qとに分割されている。つま
り、これら梁部材片20P、20Qはそれぞれの先端を
突き合わした形で配置されている。なお、これら梁部材
片20P、20Qの先端部位では、これらの相対的変位
を妨げないように、各ウェブ20aにおいて切欠き21
がそれぞれ形成されている。更にこれら梁部材片20
P、20Qは、互いに突き合わされた先端部位におい
て、適宜な接続プレート22及びボルト、ナットを介し
て、互いのフランジ20b、20bを接続する形で、か
つ、低降伏点鋼からなるダンパ用プレート23及びボル
ト、ナットを介して、互いのウェブ20a、20aを接
続する形で接合されている。外殻構造物3は以上の外側
構造体41、内側構造体40、制震梁17で構成されて
いる。なお、他の実施例として外殻構造物3は任意の外
形をもち得る。
【0025】以上のように構成された外殻構造物3の内
側には、図1乃至図3に示すように、上述した中核構造
物7が設けられている。中核構造物7は、前記図示しな
い基礎構造物上に立設された4つの柱部材9を有してい
る(なお、本発明ではこれら柱部材9は鋼管コンクリー
トとなっているが、その他の実施例としてH鋼などによ
るもの又は鉄筋コンクリート又は鉄骨鉄筋コンクリート
などでも可能である)。これら4つの柱部材9は、上述
した外殻構造物3の柱部材5のうち、水平断面におい
て、互いに対応した柱部材5B、5Bどうしを結んだ格
子状に交差した線での4つの交差点に対応した位置に配
置されている。これら各柱部材9と、上述した外殻構造
物3の柱部材5Cうち、図の矢印A、B方向或いは矢印
C、D方向に該柱部材9と隣接対向した柱部材5Cの間
には、水平方向に伸延した複数の梁部材10がそれぞれ
接続されており、隣接する各柱部材9、5C間では、こ
れらを接続する梁部材10は上下方向に複数となってい
る。また、これら複数の梁部材10は、上述した外殻構
造物3の複数の梁部材6或いは制震梁17の位置に対応
して配置されている。一方、図の矢印A、B方向或いは
矢印C、D方向に隣接した柱部材9、9間にも、水平方
向に伸延した複数の梁部材10がそれぞれ接続されてお
り、隣接する各柱部材9、9間では、これらを接続する
梁部材10は上下方向に複数となっている。しかし、各
柱部材9、9間の複数の梁部材10は、各柱部材9、5
C間における複数の梁部材10の上下方向の配置間隔と
は基本的に異なった配置間隔(後述)で配置されている
(なお本発明における柱部材9、9間の梁部材10の配
置間隔は、本実施例における配置間隔に限定されな
い。)。なお、本実施例では、この梁部材10はH鋼に
よるものであるが、その他の実施例として鉄筋コンクリ
ート又は鉄骨鉄筋コンクリートなどでも可能である。
【0026】ところで上述した複数の梁部材10のう
ち、各柱部材9、5C間の梁部材10における上下間隔
(従って、上述した外殻構造物3の複数の梁部材6或い
は制震梁17における上下間隔)は、図3に示すよう
に、基本的には所定の間隔H1であるが、特定の位置の
上下間隔、例えば図3に示す10階及び20階に相当す
る位置での上下間隔は、前記間隔H1よりも大きな間隔
H2(本実施例では間隔H1の1.5倍の大きさ)とな
っている。また、各柱部材9、9間の梁部材10におけ
る上下間隔は、図3に示すように、基本的には前記間隔
H1の3倍に相当する所定の間隔H3であり、これは例
えば図3に示すように1階〜3階に亙る上下間隔、4階
〜6階に亙る上下間隔、7階〜9階に亙る上下間隔、或
いは11階〜13階に亙る上下間隔、14階〜16階に
亙る上下間隔、17階〜19階に亙る上下間隔、或いは
21階〜23階に亙る上下間隔、24階〜26階に亙る
上下間隔、27階〜29階に亙る上下間隔……という形
で梁部材10が配置されている。ところが、特定の位置
での梁部材10、10間の上下間隔は前記間隔H2と等
しい大きさになっている。これは、10階及び20階に
相当する位置であり、従って10階及び20階に相当す
る位置では、各柱部材9、9間の梁部材10、10の上
下間隔は、上述した各柱部材9、5C間の梁部材10の
上下間隔と対応している。なお、図3に示すように、こ
のマンション1は30階建であり、30階の位置での、
柱部材9、9間の梁部材10、10の上下間隔は間隔H
2より小さい所定の間隔になっている。
【0027】上述したように、図3の10階及び及び2
0階の位置において、間隔H2で配置された上側或いは
下側の梁部材10に関しては、柱部材9、9間の梁部材
10と、柱部材9、5C間の梁部材10とが同一の高さ
位置にあることから、矢印A、B方向或いは矢印C、D
方向に柱部材9、9を介して接続された3つの梁部材1
0によって梁ユニット11がそれぞれ構成されていると
見做せる。また、図3の30階の位置において、所定の
間隔で配置された上側或いは下側の梁部材10に関して
は、柱部材9、9間の梁部材10と、柱部材9、5C間
の梁部材10とが同一の高さ位置にあることから、矢印
A、B方向或いは矢印C、D方向に柱部材9、9を介し
て接続された3つの梁部材10によって梁ユニット11
がそれぞれ構成されていると見做せる。ここで、図3の
10階及び及び20階及び30階の位置において、上下
に隣接した梁ユニット11、11間には、上下方向の複
数の接続柱12が適宜接続され、これら梁ユニット1
1、11間には、隣接する接続柱12、12間、或いは
隣接する接続柱12と柱部材9の間等において斜め方向
のブレース材13が設置されている。つまり、上下に隣
接した梁ユニット11、11、接続柱12、ブレース材
13により水平方向に伸延したトラス梁14が構成され
ている。なお、このトラス梁14の位置(10階と20
階)では梁部材10、10の間隔H2が通常の間隔H1
よりも大きくなっているので、その分、トラス梁14の
上下幅が大きくなり鉛直方向の剪断力に対する剛性が向
上されている。
【0028】また、矢印A、B方向或いは矢印C、D方
向に隣接した柱部材9、9間には、上下に隣接した梁部
材10、10の間(但し、図3の10階及び及び20階
及び30階の位置は除く)において斜め方向のブレース
材13が設置されている。つまり、4つの柱部材9及
び、隣接した柱部材9、9間の梁部材10、ブレース材
13等により上下方向に伸延した鉛直方向筒枠構造体1
6が構成されている。なお、図3の10階及び及び20
階及び30階の位置では、各トラス梁14と鉛直方向筒
枠構造体16が、各々の一部分を共有する形で交差接合
されている。以上のようにマンション1には、上下方向
に伸延した鉛直方向筒枠構造体16が設けられており、
該鉛直方向筒枠構造体16は、面状に形成された4つの
面状耐震要素部材50(図2の四角形断面における各辺
の位置に相当する部位であり、本実施例の場合には、隣
接する2本の柱部材9、9(又は隣接する柱部材9と接
続柱12)と上下に隣接する2本の梁部材10、10に
よって囲まれた4角形状構造に斜め方向のブレース材1
3、13を設置して構成したトラス構造18が上下方向
等に複数個接続した形で構成されている。なお、各面状
耐震要素部材50が有するトラス構造18の大きさ、
数、配置状態は、この実施例だけに限定されない。)に
より閉鎖水平断面形状を形成する形で形成されている。
この鉛直方向筒枠構造体16の周囲には、マンション1
の構造上の構造外周面3aを形成する形で外殻構造物3
が設けられている。また、鉛直方向筒枠構造体16と外
殻構造物3との間には、面状に形成された複数の水平方
向耐震構造体15、即ち上述したトラス梁14のうち鉛
直方向筒枠構造体16との共有部位を除いた部分(な
お、1つのトラス梁14は、鉛直方向筒枠構造体16の
両側に位置する形で2つの水平方向耐震構造体15を有
している。また、本実施例の場合には、隣接する柱部材
9と接続柱12(又は柱部材5と接続柱12又は接続柱
12、12)と上下に隣接する2本の梁部材10、10
によって囲まれた4角形状構造に斜め方向のブレース材
13、13を設置して構成したトラス構造18が水平方
向等に複数個接続した形で構成されている。なお、各水
平方向耐震構造体15が有するトラス構造18の大き
さ、数、配置状態は、この実施例だけに限定されな
い。)が、これら鉛直方向筒枠構造体16と外殻構造物
3とを接続する形で図3に示す上下方向に所定の間隔L
1(即ち上下に隣接する水平方向耐震構造体15、15
間には間隔H1の9倍に相当する間隔L1が形成されて
いる)で配設されており、これら水平方向耐震構造体1
5は、水平方向においては図2に示すように、鉛直方向
筒枠構造体16を中心とする放射方向(矢印A、B、
C、Dの各方向に向かってそれぞれ2本づつ)に、鉛直
方向筒枠構造体16と外殻構造物3とを接続する形で配
置されている。
【0029】フレーム構造物100は、上述したように
外殻構造物3及び中核構造物7からなっており、このフ
レーム構造物100には、中核構造物7の鉛直方向筒枠
構造体16と外殻構造物3の間において、上述した複数
の梁部材6、10等に支持された形で図示しないスラブ
が上下層状に設置されている。従ってこれらスラブの間
には、図3に示すように前記複数の梁部材6、10の上
下間隔に対応した形で複数のフロア空間25が上下層状
に形成されている。各フロア空間25の階高は、10階
と20階では間隔H2に対応した大きさであり、10階
或いは20階以外の階では間隔H1に対応した大きさで
ある。つまり、10階と20階ではフロア空間25の階
高が通常よりも大きくなっているので、1.5層として
の利用や設備の縦シャフトを取り回すスペース(従って
トラス梁14の上下階ではシャフトの位置を変えられ
る)としての利用ができる。また、フレーム構造物10
0の外周には図示しない外壁が設けられており、各フロ
ア空間25には、図示しない複数の住戸、図示しない共
用空間等が、図示しない適宜な仕切部材等を介して設け
られている。なお、フレーム構造物100のうち、前記
鉛直方向筒枠構造体16の内部は、スラブ等が設けられ
ておらず、図3の1階から30階まで上下方向に貫通し
たボイド空間となったコア空間16aが形成されてい
る。なお、鉛直方向筒枠構造体16の内部は、本実施例
のようにコア空間16aとして利用される以外にも立体
駐車場やトランクルーム等を設置してもよい。更に、各
フロア空間25には上述した図示しない住戸用のバルコ
ニ30が、図2に示すように、外殻構造物3に沿って設
けられており、これらバルコニ30は、外殻構造物3の
各制震梁17に隣接して配置されている。
【0030】マンション1は以上のように鉛直方向筒枠
構造体16と水平方向耐震構造体15と外殻構造物3に
より大架構柱梁を構成する構造となっているので、純ラ
ーメン構造による建築物等に比べて、単位水平面積内に
おいて設置すべき柱部材5、9の本数を極力減少させる
ことができ、よって各フロア空間25における平面計画
の自由度を極力向上させることができる。しかも、大架
構柱である鉛直方向筒枠構造体16をフレーム構造物1
00の外周部に配置せず内部中央に配置し、該鉛直方向
筒枠構造体16を囲む形で、従って該フレーム構造物1
00の外周部には、外殻構造物3を配置したので、外壁
面開口率を極力向上させることができる。なお、大架構
柱である鉛直方向筒枠構造体16をフレーム構造物10
0の内部中央に配置しているので、該鉛直方向筒枠構造
体16のみでは地震等による水平力に対する転倒スパン
が比較的小さい。しかし、鉛直方向筒枠構造体16が水
平力を受けた場合には、その力の一部は複数の水平方向
耐震構造体15を介して、転倒スパンの比較的大きな外
殻構造物3側に鉛直方向力として伝達される仕組みにな
っており、鉛直方向筒枠構造体16の柱脚に過大な軸力
がかかることが防止され(フレーム構造体100の崩壊
等が防止され)安全性が高い。またこのようにマンショ
ン1では、常時荷重(鉛直荷重)は主に外殻構造物3側
によって支持させ、また、地震等の際に発生する水平力
は主に鉛直方向筒枠構造体16側で抵抗させる構造にな
っている。従って、外殻構造物3の外側構造体41等に
おける複数の柱部材5は、その単位水平面積内において
設置すべき本数を極力減少させることができるばかりで
なく、これら柱部材5を鉄骨鉄筋コンクリート等で形成
した場合でも、それらの部材断面を極力小さくすること
ができるので、各フロア空間25における平面計画の自
由度は向上する。更に外殻構造物3では、鉛直方向筒枠
構造体16側からの力を水平方向耐震構造体15から直
接受ける内側構造体40と、外側構造体41との間が制
震梁17により接続されているので、大地震等による水
平力の一部は、鉛直方向筒枠構造体16側から外殻構造
物3に伝達され、該外殻構造物3内で内側構造体40か
ら外側構造体41に伝達されようとする間に制震梁17
により効果的に吸収されるようになる。よって、特に外
側構造体41等の柱部材5や梁部材6が損傷を受けるこ
とは極力防止される。また、制震梁17が外殻構造物3
内にのみ設置されており、しかもこのような設置態様に
より地震エネルギーの吸収が効果的に行われ得るように
なっている。従って、従来のように多数の制震手段を建
物内の多様な箇所に設置することと異なり、限定された
設置場所に集中させることができるので、平面計画上の
自由度が向上する。また、これら制震梁17はマンショ
ン1の外周部である外殻構造物3に設置されているの
で、メンテナンスを行う上でマンション1の内部での工
事を極力避けることができ都合がよい。
【0031】また、前記バルコニ30は前記制震梁17
に隣接して配置されているので、制震梁17のメンテナ
ンスは該バルコニ30付近で行われるため、住戸屋内等
に立ち入る必要がなく、また作業用の足場が確保されて
いるので都合がよい。なお、本発明による大架構塔状建
築物は、本実施例のようなマンション1等の集合住宅以
外にも、事務所ビル等にも適用できる。また、本実施例
では30階建てのマンション1を例示したが建築物は3
0階に限定されない。
【0032】なお上述した実施例では、鉛直方向筒枠構
造体16の各面状耐震要素部材50は、上下方向の柱部
材9或いは接続柱12、梁部材10、ブレース13から
なる複数のトラス構造18を有する形で構成されてい
る。しかし、各面状耐震要素部材50は、図9に示すよ
うに、ブレース13等を採用せず、柱部材9及び梁部材
10に設置された複数の耐震壁32を有する形で構成し
てもよい。なお、各面状耐震要素部材50の有するトラ
ス構造18や耐震壁32の個数等は任意であってよい。
【0033】また上述した実施例では、各水平方向耐震
構造体15は、上下方向の柱部材9或いは接続柱12、
梁部材10、ブレース13からなる複数のトラス構造1
8を有する形で構成されている。しかし、各水平方向耐
震構造体15は、図9に示すように、ブレース13等を
採用せず、柱部材9及び梁部材10に設置された複数の
耐震壁32を有する形で構成してもよい。なお、各水平
方向耐震構造体15の有するトラス構造18や耐震壁3
2の個数等は任意であってよい。
【0034】また上述した実施例では、外殻構造物3の
内側構造体40と外側構造体41を接続する制震手段と
して、図4(a)及び図4(b)に示す制震梁17を採
用したが、制震手段はこのような鋼材ダンパ(弾塑性ダ
ンパ)を採用したもの以外にも、合成樹脂系ダンパ(粘
弾性ダンパ)、オイルダンパ(粘性ダンパ)、鉛ダンパ
(摩擦ダンパ)等のパッシブ系エネルギー吸収型のダン
パを採用可能である。
【0035】更に上述した実施例では、鉛直方向筒枠構
造体16の有するブレース材16は、単純な線状の鋼材
からなるものであったが、このようなブレース材16の
代わりに制震機能をもったものを採用することも可能で
ある。即ち、地震の大部分を負担する鉛直方向筒枠構造
体16に高い靭性と履歴性状を有する制震ブレースユニ
ット(後述)を使用し、大地震時に降伏することにより
大きな履歴エネルギーを吸収するようにする。これによ
り構造体の損傷が極力防止され、大地震に際しても安全
性が高い。また、大架構構造と該制震ブレースユニット
を組み込むことで、建物全体の水平剛性と耐力を設計上
想定する地震レベルに対し制御することが可能になり、
高い耐震安全性と経済性をもつ建築物とすることが可能
である。更に、制震ブレースユニットの組込み位置が居
室内ではないので、メンテナンスや交換においても便利
である。
【0036】例えば制震ブレースユニットは、例えば図
7に示す制震ブレースユニット43のように構成され
る。制震ブレースユニット43は、格子状に接続された
柱部材9、9及び梁部材10、10の4つの接続位置S
Zのうち、対向する2つの接続位置SZ、SZどうしを
連絡するX字型の形状に形成されている。即ち、制震ブ
レースユニット43は、前記各接続位置SZにそれぞれ
接合された4つのブラケット部45及び、1つの中央部
パネル部46を有しており、各ブラケット部45と中央
部パネル部46の間は、線状の低降伏点鋼材47及びジ
ョイント部材49、49(即ち、中央部パネル部46と
低降伏点鋼材47の間及び、ブラケット部45と低降伏
点鋼材47の間にそれぞれジョイント部材49が介在し
ている)によりそれぞれ接続されている。
【0037】また例えば制震ブレースユニットは、例え
ば図8に示す制震ブレースユニット53のように構成さ
れる。制震ブレースユニット53は、格子状に接続され
た柱部材9、9及び梁部材10、10の4つの接続位置
SZのうち、対向する2つの接続位置SZ、SZどうし
を連絡するX字型の形状に形成されている。即ち、制震
ブレースユニット53は、前記各接続位置SZにそれぞ
れ接合された4つのブラケット部55及び、1つの中央
部パネル部56を有しており、各ブラケット部55と中
央部パネル部56の間は、線状鋼材57によりそれぞれ
接続されている。そして、中央パネル部56は低降伏点
鋼材でできている。なお、構造計画平面上平面的に複数
箇所ある鉛直方向筒枠構造体16のトラス構造18のう
ち、上述したような制震ブレースユニット43、53に
するものと、弾性状態を維持するブレース材16等のよ
うなブレースを用いたものとを混在させることも可能で
あり、建築物全体の水平剛性を弾性時から塑性化した後
も制御可能になる。
【0038】また別の実施例として、上述した外殻構造
物3の代わりに、図5及び図6に示すように外殻構造物
60を設けてもよい。即ち、上述した外殻構造物3で
は、外側構造体41の柱部材5Bと、内側構造体40の
柱部材5Cとが制震梁17で接続された構成をなしてい
たが、外殻構造物60では、図5及び図6に示すよう
に、柱部材5B、5Cと制震梁17による組立構造体の
位置に、これととってかわる形で柱部材61が設けられ
ている(つまり外殻構造物60では、外側構造体41と
内側構造体40が柱部材61を共有した形になってい
る。また、外殻構造物60における柱部材61以外の構
成は外殻構造物3と同様である。)。なお、柱部材61
は、柱部材5等よりも部材断面が十分大きなものになっ
ており、これにより制震手段がなくとも外殻構造物60
の損傷を極力少なくし得るようになっている。外殻構造
物60を採用することにより、マンション1は、風や小
規模地震などによって生じる微弱な水平力に対しては極
力振動しないようになっており、高い居住性を実現する
ことができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明のうち第1の
発明は、内部に複数のフロア空間25等のフロア空間が
上下層状に形成されたマンション1等の塔状建築物にお
いて、上下方向に伸延した鉛直方向筒枠構造体16等の
筒枠状構造体を有し、前記筒枠状構造体は、面状に形成
された複数の面状耐震要素部材50等の面状耐震要素部
材により閉鎖水平断面形状を形成する形で形成されてお
り、前記筒枠状構造体の周囲に、前記塔状建築物の構造
上の構造外周面3a等の外周面を形成する形で外殻構造
物3、60等の外殻構造体を設け、前記複数のフロア空
間は、前記筒枠状構造体と前記外殻構造体の間に形成さ
れており、前記筒枠状構造体と前記外殻構造体との間
に、面状に形成された複数の水平方向耐震構造体15等
の耐震要素構造体を、これら筒枠状構造体と外殻構造体
とを接続する形で上下方向に間隔L1等の所定の間隔で
配設し、前記複数の耐震要素構造体は、水平方向におい
ては、前記筒枠状構造体を中心とする放射方向に、前記
筒枠状構造体と前記外殻構造体とを接続する形で配置し
て構成される。つまり本発明による大架構塔状建築物で
は、筒枠状構造体と耐震要素構造体と外殻構造体により
大架構柱梁を構成する構造となっているので、純ラーメ
ン構造による建築物等に比べて、単位水平面積内におい
て設置すべき柱部材の本数を極力減少させることがで
き、よって各フロア空間における平面計画の自由度を極
力向上させることができる。しかも本発明では、大架構
柱である筒枠状構造体(この部位は階段、エレベータや
設備等のスペースとして使用)を建築物の外周部に配置
せず内部中央に配置し、該筒枠状構造体を囲む形で、従
って該建築物の外周部には、外殻構造体を配置したの
で、外壁面開口率を極力向上させることができる。な
お、本発明では大架構柱である筒枠状構造体を建築物の
内部中央に配置しているので、該筒枠状構造体のみでは
地震等による水平力に対する転倒スパンが比較的小さ
い。しかし、筒枠状構造体が水平力を受けた場合には、
その力の一部は複数の耐震要素構造体を介して、転倒ス
パンの比較的大きな外殻構造体側に鉛直方向力として伝
達される仕組みになっており、筒枠状構造体の柱脚に過
大な軸力がかかることが防止され(建築物の崩壊等が防
止され)安全性が高い。またこのように本発明では、常
時荷重(鉛直荷重)は主に外殻構造体側によって支持さ
せ、また、地震等の際に発生する水平力は主に筒枠状構
造体側で抵抗させる構造になっている。従って、外殻構
造体における複数の柱部材5等は、その単位水平面積内
において設置すべき本数を極力減少させることができる
ばかりでなく、これら柱部材を鉄骨鉄筋コンクリート等
で形成した場合でも、それらの部材断面を極力小さくす
ることができるので、各フロア空間における平面計画の
自由度は向上する。また、水平荷重に抵抗する大架構で
は、各要素の断面と形状の調整により建物の強度と水平
剛性を適正に制御でき、安全性と経済性を両立させた設
計が可能となる。
【0040】また本発明のうち第2の発明は、第1の発
明による大架構塔状建築物において、前記塔状建築物
は、梁部材10等の複数の水平なスラブ支持用梁を、前
記筒枠状構造体と前記外殻構造体を接続した形で上下層
状に有しており、前記耐震要素構造体は、上下に隣接す
る前記スラブ支持用梁間に、これらスラブ支持用梁を有
した形で形成されているので、第1の発明による効果に
加えて、耐震要素構造体はスラブ支持用梁を使って構成
されるので、耐震要素構造体用の梁部材を別個に設ける
必要が無く、部材の節約ができ、また大架構塔状建築物
全体における構造の簡素化が実現し都合がよい。
【0041】また本発明のうち第3の発明は、第1の発
明による大架構塔状建築物において、前記塔状建築物は
集合住宅用の建築物であるので、第1の発明による効果
に加えて、平面計画上の自由度が向上するので多種多様
な住戸が設置でき都合がよい。また、外壁面開口率を極
力向上させることができるので、居住性の向上が同時に
実現する。
【0042】また本発明のうち第4の発明は、第1の発
明による大架構塔状建築物において、前記面状耐震要素
部材はトラス構造18等のトラス構造を有するので、第
1の発明による効果に加えて、ブレース材13等を用い
て面状耐震要素部材を構成することになるので構築が簡
単になり都合がよい。
【0043】また本発明のうち第5の発明は、第1の発
明による大架構塔状建築物において、前記面状耐震要素
部材は耐震壁32等の耐震壁を有するので、第1の発明
による効果に加えて、耐震壁をフロア空間とコア空間1
6aの間の仕切部材等として使用できるので都合がよ
い。
【0044】また本発明のうち第6の発明は、第1の発
明による大架構塔状建築物において、前記耐震要素構造
体はトラス構造18等のトラス構造を有するので、第1
の発明による効果に加えて、ブレース材13等を用いて
耐震要素構造体を構成することになるので構築が簡単に
なり都合がよい。
【0045】また本発明のうち第7の発明は、第1の発
明による大架構塔状建築物において、前記耐震要素構造
体は耐震壁32等の耐震壁を有するので、第1の発明に
よる効果に加えて、耐震壁をフロア空間内を仕切る仕切
部材等として使用できるので都合がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による大架構塔状建築物の一例
であるマンションの構造を示した模式斜視図である。
【図2】図2は、図1のマンションの構造を示した水平
断面図である。
【図3】図3は、図1のマンションの構造を示した側断
面図である。
【図4】図4(a)は、図1のマンションに設置された
制震梁を示した側面図、図4(b)は、図4(a)のX
1−Y1線断面図である。
【図5】図5は、本発明による大架構塔状建築物の別の
一例であるマンションの構造を示した模式斜視図であ
る。
【図6】図6は、図5のマンションの構造を示した水平
断面図である。
【図7】図7は、別の形のトラス構造を示した側面図で
ある。
【図8】図8は、別の形のトラス構造を示した側面図で
ある。
【図9】図9は、別の形の水平方向耐震構造体及び鉛直
方向筒枠構造体を示した側面図である。
【符号の説明】 1……塔状建築物(マンション) 3……外殻構造体(外殻構造物) 3a……外周面(構造外周面) 10……スラブ支持用梁(梁部材) 15……耐震要素構造体(水平方向耐震構造体) 16……筒枠状構造体(鉛直方向筒枠構造体) 18……トラス構造 25……フロア空間 32……耐震壁 50……面状耐震要素部材 60……外殻構造体(外殻構造物) L1……間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 寛紀 東京都千代田区岩本町三丁目10番1号 三 井建設株式会社内 (72)発明者 松崎 真豊 東京都千代田区岩本町三丁目10番1号 三 井建設株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に複数のフロア空間が上下層状に形成
    された塔状建築物において、 上下方向に伸延した筒枠状構造体を有し、 前記筒枠状構造体は、面状に形成された複数の面状耐震
    要素部材により閉鎖水平断面形状を形成する形で形成さ
    れており、 前記筒枠状構造体の周囲に、前記塔状建築物の構造上の
    外周面を形成する形で外殻構造体を設け、 前記複数のフロア空間は、前記筒枠状構造体と前記外殻
    構造体の間に形成されており、 前記筒枠状構造体と前記外殻構造体との間に、面状に形
    成された複数の耐震要素構造体を、これら筒枠状構造体
    と外殻構造体とを接続する形で上下方向に所定の間隔で
    配設し、 前記複数の耐震要素構造体は、水平方向においては、前
    記筒枠状構造体を中心とする放射方向に、前記筒枠状構
    造体と前記外殻構造体とを接続する形で配置して構成し
    た大架構塔状建築物。
  2. 【請求項2】前記塔状建築物は、複数の水平なスラブ支
    持用梁を、前記筒枠状構造体と前記外殻構造体を接続し
    た形で上下層状に有しており、 前記耐震要素構造体は、上下に隣接する前記スラブ支持
    用梁間に、これらスラブ支持用梁を有した形で形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の大架構塔状建築
    物。
  3. 【請求項3】前記塔状建築物は集合住宅用の建築物であ
    ることを特徴とする請求項1記載の大架構塔状建築物。
  4. 【請求項4】前記面状耐震要素部材はトラス構造を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の大架構塔状建築物。
  5. 【請求項5】前記面状耐震要素部材は耐震壁を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の大架構塔状建築物。
  6. 【請求項6】前記耐震要素構造体はトラス構造を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の大架構塔状建築物。
  7. 【請求項7】前記耐震要素構造体は耐震壁を有すること
    を特徴とする請求項1記載の大架構塔状建築物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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