JPH1019724A - 光学部材検査装置及び光学部材検査方法 - Google Patents

光学部材検査装置及び光学部材検査方法

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JPH1019724A
JPH1019724A JP8172714A JP17271496A JPH1019724A JP H1019724 A JPH1019724 A JP H1019724A JP 8172714 A JP8172714 A JP 8172714A JP 17271496 A JP17271496 A JP 17271496A JP H1019724 A JPH1019724 A JP H1019724A
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敦 木田
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正人 原
Masayuki Sugiura
正之 杉浦
Toshihiro Nakayama
利宏 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工痕に起因する情報を除去して光学的欠陥
に起因する情報を抽出することができる光学部材検査装
置及び光学部材検査方法を提供する。 【解決手段】ナイフエッジ6aは、検査対象光学部材A
の焦点位置に配置されている。そのため、ナイフエッジ
6aから発散されつつ検査対象光学部材Aに入射した照
明光は、この検査対象光学部材Aによって平行光にされ
て撮像装置7に入射する。ナイフエッジ6aの各回転位
置において撮像素子7によって撮像された各画像データ
は、画像処理部14により、夫々微分処理された後に一
つの画像データとして合成される。この画像データから
は、高周波成分のみを除去した抽出対象画像データと低
周波成分のみを残した画像データが生成される。後者の
画像データは、高輝度方向に若干量シフトされて、閾値
データとされる。抽出対象画像データを構成する各画素
のうち、対応する閾値データの画素よりも大きい輝度値
を有するものは、光学的欠陥を示すものとして抽出され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、レンズ等の光学部
材の屈折率異常等の光学的欠陥を検出するための光学部
材検査装置及び光学部材検査方法に関し、特に、非球面
レンズを検査する場合であっても光学的欠陥の判定を行
うための閾値を有効に設定することができる光学部材検
査装置及び光学部材検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズ等の光学部材は、入射した光束が
規則正しく屈折して、平行に進行したり、一点又は線状
に収束したり発散するように設計されている。しかしな
がら、光学部材の成形異常により屈折力(屈折率)が不
規則に変化していたり、成形後の人的取り扱いによって
光学部材の表面上にゴミ,キズ等が生じていると、入射
した光束が乱れてしまうので、所望の性能を得ることが
できなくなる。特に、樹脂を金型に注入して成形する事
によって作成されるレンズやプリズム等の光学部材で
は、上述した表面上のゴミ,キズ等の他、成形異常によ
ってヒケ(樹脂が金型表面から離間して生じる陥没),
ジェッティング(光学部材内において樹脂密度が部分的
に変化している箇所),フローマーク(樹脂の収縮に伴
って光学部材表面に生じるW字状の皺)が生じ易いの
で、このような欠陥を効率良く検出することが必要とな
っている。
【0003】そのため、本発明者は、セットされた光学
部材の光学的欠陥を自動的に検出することができる光学
部材検査装置を、特願平7−229242号として出願
した。この光学部材検査装置は、光学部材の焦点位置に
おいて回転自在に配置されたナイフエッジと、ナイフエ
ッジの背後に配置されて照明光を発散するための拡散板
と、光学部材を透過した光を撮像するための撮像装置と
により、構成される。このような構成の光学部材検査装
置によると、光学部材表面又は内部における屈折力(屈
折率)異常箇所が、撮像された画像中において明暗濃度
の急激な変化部位として表れる。また、光学部材の表面
に生じたキズや微細なごみ等は、それ自体が撮像装置に
よって撮像されるので、同様に、明暗濃度の変化部位と
して表れる。そして、これらの明暗濃度の急激な変化部
位が抽出されて、その形状又は面積が数値化されて、合
否判断に用いられるのである。
【0004】ところで、ガラス成形の光学部材の表面に
は、加工時において、ダイヤモンドバイト等による切削
の跡が生じてしまうことが避けられない。また、樹脂成
形の光学部材の表面にも、成形型の作成の際にこの成形
型の表面に刻まれた切削の痕が転写されてしまうことが
避けられない。このような加工痕はレンズの性能には影
響しない程度の微少な凸凹であるが、上述した光学部材
検査装置は、これら加工痕をもヒケやキズ等の光学的欠
陥要因と一緒に抽出してしまうので、正確な検査ができ
なかった。
【0005】この場合、検査対象光学部材が球面レンズ
であれば、上述した光学部材検査装置は、ナイフエッジ
の位置を検査対象光学部材の焦点位置から意図的に外す
ことによって、光学的欠陥の抽出感度を落とし、これら
加工痕が光学的欠陥要因として抽出されるのを防止する
ことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、検査対
象光学部材が非球面レンズである場合には、レンズの各
部分に対応する焦点位置がその光軸上に沿って一定範囲
にわたって分布しているので、検査対象光学部材の全体
に対する抽出感度を均等に落とすことはできなかった。
即ち、焦点位置の分布範囲内においては、ナイフエッジ
が何処に配置されようと、検査対象光学部材の何れかの
一部分に対応する焦点位置には合致してしまうので、そ
の一部分における加工痕が抽出されてしまうからであ
る。また、ナイフエッジが焦点位置の分布範囲外に配置
されると、そこから最も遠い焦点位置に対応する部分に
対しては抽出感度が低くなり過ぎてしまうので、本来抽
出すべき光学的欠陥要因を抽出し損なってしまうからで
ある。
【0007】このように、ナイフエッジの配置位置を調
整するだけでは、あらゆる種類の光学部材に関してその
加工痕の抽出を防止しつつその光学的欠陥のみを抽出す
ることはできなかった。
【0008】そこで、本発明の課題は、以上の問題に鑑
み、検査対象光学部材を撮像することによって得られた
画像に対して画像処理を施すことにより、加工痕に起因
する情報を除去して光学的欠陥に起因する情報のみを抽
出して、この情報に基づいた正確な良否判定を行うこと
ができる光学部材検査装置及び光学部材検査方法を、提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】各請求項記載の発明は、
上記課題を解決するためになされたものである。請求項
1記載の発明は、光学部材の光学的欠陥を検出する光学
部材検査装置であって、照明光によって照明される拡散
板と、前記光学部材を含む光学系の焦点位置に配置され
るとともに、前記拡散板によって拡散された光を部分的
に透過させるように前記拡散板に接している遮光手段
と、前記光学系を透過した光を撮像する撮像手段と、こ
の撮像手段によって撮像された画像に基づいて、その画
像中の輝度変化量分布を示す輝度変化量分布データを算
出する輝度変化量分布データ算出手段と、この輝度変化
量分布データ算出手段によって算出された輝度変化量分
布データに対して高周波成分を除去する平滑化を行う第
1の平滑化手段と、前記輝度変化量分布データ算出手段
によって算出された輝度変化量分布データに対して低周
波成分を抽出する平滑化を行う第2の平滑化手段と、前
記第1の平滑化手段によって平滑化された輝度変化量分
布データと前記第2の平滑化手段によって平滑化された
輝度変化量分布データとを比較し、前者が後者よりも所
定量以上上回っている部位のみを抽出する抽出手段とを
備えたことを特徴とする。
【0010】光学部材とは、正レンズ及び負レンズ,球
面レンズ及び非球面レンズ,ガラス成形レンズ及び樹脂
成形レンズを含む。光学部材の光学的欠陥とは、屈折率
や屈折力の部分的異常や光学部材の表面の欠陥を言う。
屈折率や屈折力の異常としては、樹脂成形の光学部材に
おけるヒケやジェッティングやフローマーク,ガラスか
らなる光学部材における面加工の不良,等が例示され
る。また、光学部材の表面の欠陥としては、表面のキズ
や汚れやゴミ,等が列挙される。但し、加工痕のように
光学的性能に影響を及ぼさない微細な凸凹は、ここで言
う光学的欠陥からは除外される。
【0011】拡散板は、背後から照明される透光部材で
あっても良いし、表面側から照明される反射部材であっ
ても良い。遮光手段は、拡散板の表面に直接印刷された
遮光パターンであっても良いし、板状の不透明部材を適
宜切り出して拡散板に貼り付けたものであっても良い
し、拡散板とは別個の透明部材表面上に遮光パターンを
印刷したものであっても良い。この遮光手段における光
を部分的に透過させる部分と遮光させる部分との境界線
は、直線状であっても良いし、曲線状であっても良い。
また、境界線は一本のみであっても良いし、縞状に複数
本あっても良い。さらに、境界線は、複数の方向を向い
ていても良い。この遮光手段は、境界線が複数の方向を
向いている場合には固定されていても良いが、境界線が
一本のみの場合又は境界線が全て同じ方向を向いている
場合にはこの境界線に接する回転軸を中心に回転するこ
とが望ましい。なお、遮光手段が回転する際、拡散板が
一体に回転しても良いし、拡散板が固定された状態で遮
光手段のみが回転しても良い。
【0012】「光学部材を含む光学系」とは、正レンズ
である光学部材そのもの,若しくは、負レンズである光
学部材を含む正レンズ群のことである。この光学系の全
体としての焦点位置が遮光手段の位置に一致するよう
に、各部材が配置される。
【0013】輝度変化量分布データは、撮像手段によっ
て撮像された画像に対して微分処理を施すことによって
算出されても良いし、所定距離だけ離れた画素同士の差
分に基づいて算出されても良い。
【0014】第1平滑化手段による平滑化において除去
される高周波成分の周波数は、光学部材の表面に生じた
加工痕に起因する成分の周波数以下且つ光学的欠陥に起
因する成分の周波数よりも高く設定される。また、第2
平滑化手段による平滑化において抽出される低周波成分
の周波数は、光学部材の表面の形状に起因する成分の周
波数以上且つ光学的欠陥に起因する成分の周波数よりも
低く設定される。これら各平滑化手段は、平滑化のため
の演算を実行するプロセッサであっても良いが、フィル
タ回路として構成されても良い。
【0015】抽出手段は、前記第1の平滑化手段によっ
て平滑化された輝度変化量分布データと前記第2の平滑
化手段によって平滑化された輝度変化量分布データとを
直接比較して前者が後者よりも所定量上回っている部分
を探しても良いが、前記第2の平滑化手段によって平滑
化された輝度変化量分布データを予めこの所定量だけシ
フトした後に、このようにシフトされた輝度変化量分布
データと前記第1の平滑化手段によって平滑化された輝
度変化量分布データとをと比較しても良い。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1の遮光部
材が、直線状の境界線によって夫々分けられた前記光を
部分的に透過させる部分と前記光を部分的に遮光する部
分とからなることで、特定したものである。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項2におい
て、前記遮光手段を前記拡散板との接触面の面内におい
て前記直線状の境界線に接する回転軸を中心に回転させ
る回転手段を更に備えたことで、特定したものである。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項3の光学部
材を含む光学系の光軸が、前記遮光部材の回転軸と一致
していることで、特定したものである。請求項5記載の
発明は、請求項4の撮像手段が、前記回転手段により回
転させられた前記遮光部材の各回転位置において前記撮
像を行うとともに、前記遮光手段が一回転する間に前記
撮像手段によって撮像された各画像に基づいて前記輝度
変化量分布データ算出手段が夫々算出した複数の輝度変
化量分布データを、前記各平滑化に先立って相互に合成
する合成手段を更に備えたことで、特定したものであ
る。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項1又は5記
載の輝度変化量分布データ算出手段が、前記撮像装置に
よって撮像された画像を多数の画素に分け、隣接する各
画素の輝度同士を順次比較して微分処理し、この微分処
理の結果得られたデータを前記輝度変化量分布データと
することで、特定したものである。
【0020】請求項7記載の発明は、請求項1の抽出手
段が、前記第2の平滑化手段によって平滑化された輝度
変化量分布データ全体を、輝度変化量が大きいことを示
す方へシフトさせるシフト手段と、このシフト手段によ
ってシフトされた輝度変化量分布データと前記第2の平
滑化手段によって平滑化された輝度変化量分布データと
を比較する比較手段とを有することで、特定したもので
ある。
【0021】請求項8記載の発明は、請求項1の数値化
手段が、前記光学部材の前記抽出手段によって抽出され
た部位の面積を計って前記数値とすることで、特定した
ものである。
【0022】請求項9記載の発明は、請求項1におい
て、前記抽出手段によって抽出された部位を数値化する
数値化手段と、この数値化手段によって数値化された数
値が所定の判定基準値を超えたか否かを判定する判定手
段とを更に備えたことで、特定したものである。
【0023】請求項10記載の発明は、光学部材の光学
的欠陥を検出する光学部材検査方法であって、拡散板か
ら発散され、遮光手段によってその一部が遮光され、そ
の焦点位置が前記遮光手段の位置と略一致するように配
置された前記光学部材を含む光学系を透過した光を撮像
し、この撮像によって得られた画像に基づいて、その画
像中の輝度変化量分布を示す輝度変化量分布データを算
出し、算出された輝度変化量分布データに対して高周波
ノイズを除去する第1の平滑化を行い、前記算出された
輝度変化量分布データに対して低周波成分を抽出する第
2の平滑化を行い、前記第1の平滑化がなされた輝度変
化量分布データと前記第2の平滑化がなされた輝度変化
量分布データとを比較し、前者が後者よりも所定量以上
上回っている部位のみを抽出することで、特定したもの
である。
【0024】請求項11記載の発明は、請求項10にお
いて、前記抽出された部位を数値化し、数値化された数
値が所定の判定基準値を超えたか否かを判定すること
で、特定したものである。
【0025】請求項12記載の発明は、請求項1におけ
る第1の平滑化手段が、前記輝度変化量分布データ算出
手段によって算出された輝度変化量分布データから、光
学部材表面の加工痕に対応する空間周波数以上の高周波
成分を除去し、第2の平滑化手段が、前記輝度変化量分
布データ算出手段によって算出された輝度変化量分布デ
ータから、光学部材の表面形状に対応する空間周波数以
下の低周波成分のみを抽出することで、特定したもので
ある。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。 <光学部材検査装置の全体構成>図1は、本発明による
光学部材検査装置の実施の形態を示す概略構成図であ
る。図1に示すように、光学部材検査装置を構成する照
明ユニット4と撮像装置7とは、同一の装置光軸l上
に、互いに向き合って配置されている。
【0027】この撮像手段としての撮像装置7は、全体
として正レンズ系である撮像レンズ8と、この撮像レン
ズ8によって収束された光による像を撮像するCCDエ
リアセンサからなる撮像素子9とから、構成されてい
る。この撮像素子9によって撮像された画像は、表示装
置10及び画像処理部14に入力される。
【0028】表示装置10は、この光学部材検査装置の
初期調整時(即ち、後述する照明ユニット4の位置調整
時)に用いられる画像表示装置である。画像処理部14
は、検査対象光学部材Aが良品であるか不良品であるか
の判定を行うプロセッサであり、第1乃至第4のメモリ
14a〜14dを内蔵している。そして、画像処理部1
4は、撮像素子9から入力された画像データに対して所
定の画像処理を行い、検査対象光学部材Aの光学的欠陥
の程度を数値化するとともに、この数値を一定の判定基
準値(許容値)と比較し、この数値が判定基準値内に収
まっているか超えているかの判定を行う。即ち、この画
像処理部14は、第1の平滑化手段,第2の平滑化手
段,抽出手段(シフト手段,比較手段),数値化手段,
判定手段,及び合成手段に相当する。この画像処理部1
4は、また、上述した判定処理を行うのに伴い、ナイフ
エッジ回転制御部15に対してモータ13の回転指示を
行う。
【0029】ナイフエッジ回転制御部15は、画像処理
部14からの回転指示に従い、モータ13を回転させ
る。一方、照明ユニット4は、全体として、装置光軸l
上を撮像装置7に向けて進退移動することができる。こ
の照明ユニット4の内部には、その中心を装置光軸lと
同軸にした円盤状の拡散板5が、装置光軸lに直交する
面内において装置光軸lを中心に回転自在に保持されて
いる。この拡散板5の撮像装置7側の面には、遮光手段
としての遮光板6が一体に貼り付けられている。この遮
光板6は、斜視図である図2に示すように、不透明部材
からなる半円形の板であり、拡散板5の中心を通る径方
向の直線を弦(ナイフエッジ)6aとするとともに、拡
散板5と同一半径の円弧を有している。このような構成
を備えた結果、拡散板5によって拡散された光は、この
遮光板6により部分的に遮光されるとともに、遮光板6
に覆われていない部分により部分的に透過される。
【0030】拡散板5の周縁部には、この拡散板5と同
軸の環状ギア11が固着されている。この環状ギア11
は、ピニオンギア12と噛合しており、このピニオンギ
ア12は、照明ユニット4内に固定されているモータ1
3の回転軸に取り付けられている。従って、モータ13
がナイフエッジ回転制御部15によって回転駆動される
と、遮光板6及び拡散板5は、両ギア12,11を介し
て回転駆動を受け、図2に示すように、装置光軸lに直
交する面内(即ち、拡散板5と遮光板6との接触面の面
内)において回転駆動される。なお、この場合の回転方
向は、図2に示すように、撮像装置7側から見て時計方
向である。この回転の結果、遮光板6のナイフエッジ
(弦)6aも、装置光軸lを中心に回転することにな
る。即ち、これら画像処理部14,ナイフエッジ回転制
御部15,モータ13,及びギア11,12により、回
転手段が構成される。
【0031】拡散板5の裏面側において、照明ユニット
4には、光ファイバー束3の先端3aが固着されてい
る。この光ファイバー束3の基端3bには、照明ランプ
1と集光レンズ2とからなる光源装置が配置されてい
る。そして、照明ランプ1から出射された照明光が、集
光レンズ2によって集光されて、その基端3bからこの
光ファイバー束3内に入射される。この照明光は、光フ
ァイバー束3内を伝送され、その先端3aから拡散板5
に向けて照射される。即ち、遮光板6のナイフエッジ6
aが背後から照明されるのである。なお、光ファイバー
束3の長さは、照明ユニット4の移動可能距離よりも十
分長くとってある。従って、照明ユニット4が移動して
も、この光ファイバー束3が追従して、常に遮光板6の
ナイフエッジ6aを照明することができる。
【0032】検査対象光学部材Aは、装置光軸lと同軸
に、撮像装置7と照明ユニット4との間に配置される。
具体的に説明すると、図1に示すように検査対象光学部
材Aが正レンズである場合には、その焦点位置が遮光板
6のナイフエッジ6aの装置光軸l上の位置と一致する
位置に、検査対象光学部材A(光学部材を含む光学系)
が配置される。また、検査対象光学部材Aが負レンズで
ある場合には、検査対象光学部材Aと照明ユニット4と
の間に、この検査対象光学部材Aよりも絶対値において
大きい正のパワーを有する補正レンズが配置される。こ
の検査対象光学部材(負レンズ)A及び補正レンズ(正
レンズ)からなるレンズ群(光学部材を含む光学系)
は、全体として正のパワーを持つレンズ群であり、その
合成焦点位置が遮光板6のナイフエッジ6aの装置光軸
l上の位置と一致するように、その検査対象光学部材
(負レンズ)A及び補正レンズ(正レンズ)が夫々配置
される。 <光学的欠陥表示の原理>以上のように検査対象光学部
材A(及び補正レンズ)が配置されると、拡散板5から
発散して検査対象光学部材Aを透過した照明光は、この
検査対象光学部材Aが良品である限り、平行光となる。
従って、撮像装置7側から見ると、遮光板6のナイフエ
ッジ6aが無限遠上に位置しているのと等価になる。
【0033】ところで、仮に、検査対象光学部材Aの焦
点位置(又は、検査対象光学部材Aと補正レンズとから
なる光学系の合成焦点位置,以下同様とする)がナイフ
エッジ6aの装置光軸l上の位置よりも撮像装置7側に
ずれると、検査対象光学部材Aと撮像装置7の撮像レン
ズ8との間の空間に、ナイフエッジ6aの倒立像(実
像)が形成される。このナイフエッジ6aの倒立像(実
像)は、撮像レンズ8によってリレーされ、撮像レンズ
8の撮像素子9側の空間に、ナイフエッジ6aの正立像
(実像)が形成される。逆に、検査対象光学部材Aの焦
点位置がナイフエッジ6aの装置光軸l上の位置よりも
光ファイバー束3側にずれると、遮光板6の光ファイバ
ー束3側の空間に、ナイフエッジ6aの正立像(虚像)
が形成される。このナイフエッジ6aの正立像(虚像)
は、撮像レンズ8によってリレーされ、撮像レンズ8の
撮像素子9側の空間に、ナイフエッジ6aの倒立像(実
像)が形成される。即ち、検査対象光学部材Aの焦点位
置とは、この位置に存在する物体(ナイフエッジ6a)
の像が、撮像レンズ8の撮像素子9側の空間において正
立像として結像されるか倒立像として結像されるかの境
界点であり、光学的に不安定な状態となる位置である。
【0034】なお、検査対象光学部材Aと撮像レンズ8
との間隔は、検査対象光学部材Aの焦点位置がナイフエ
ッジ6aの装置光軸l上の位置よりも撮像装置7側に僅
かにずれただけであってもそれらの間(正確には、両者
の焦点位置同士の間)にナイフエッジ6aの倒立像(実
像)が形成されるように、可能な限り長くとってある。
また、撮像素子9は、撮像レンズ8によって正立像が形
成されても倒立像が形成されてもこれらの像をある程度
明瞭に撮像できるように、正立像の形成位置(平均位
置)と倒立像の形成位置(平均位置)との中間点に配置
される。この位置とは、撮像レンズ8に関して検査対象
光学部材Aの表面と光学的に等価な位置である。
【0035】従って、撮像素子9上には、常に、検査対
象光学部材Aの外縁の実像(倒立像)αが結像されると
ともに、この検査対象光学部材の外縁の実像αの周囲に
は、検査対象光学部材Aを通さずに直接見えるナイフエ
ッジ6aの実像(倒立像)がややぼけて結像される(図
4(a)〜(e)参照)。
【0036】そして、この検査対象光学部材Aの外縁の
実像αの内側には、検査対象光学部材Aの焦点位置(負
レンズである検査対象光学部材Aと補正レンズとからな
る光学系の合成焦点位置,以下同様とする)がナイフエ
ッジ6aの装置光軸l上での位置よりも撮像装置7側に
ずれている場合には、ナイフエッジ6aの実像(正立
像)が、ややぼけて結像される(図4(d),(e)参
照)。このナイフエッジ6aの実像(正立像)は、焦点
位置のずれ量が少なくなる程ぼけ量が大きくなり(図4
(d)参照)、ずれ量が大きくなる程ぼけ量が少なくな
って明確になる(図4(e)参照)。
【0037】これとは逆に、検査対象光学部材Aの焦点
位置がナイフエッジ6aの装置光軸l上での位置よりも
光ファイバー束3側にずれている場合には、検査対象光
学部材Aの外縁の実像αの内側には、ナイフエッジ6a
の実像(倒立像)が、ややぼけて結像される(図4
(b),(a)参照)。ナイフエッジ6aの実像(倒立
像)は、焦点位置のずれ量が少なくなる程ぼけ量が大き
くなり(図4(b)参照)、ずれ量が大きくなる程ぼけ
量が少なくなって明確になる(図4(a)参照)。
【0038】また、検査対象光学部材Aの焦点位置がナ
イフエッジ6aの装置光軸l上での位置と一致すると、
検査対象光学部材Aの外縁の実像αの内側におけるぼけ
量が最大となり、全体に均一な明度で光線が照射される
ようになる(図4(c)参照)。
【0039】表示装置10及び画像処理部14に入力さ
れる画像データ中において、検査対象光学部材Aの外縁
αの内側部分は、検査対象光学部材Aの焦点位置が拡散
板5の表面の位置と一致した時には、検査対象光学部材
Aに光学的欠陥がない限り、ナイフエッジ6aの黒色部
分(照明光が遮られている部分)と白色部分(照明光が
透過する部分)とが完全に混合して、均一濃度の灰色の
平面として表示される(球面レンズの場合)。なお、検
査対象光学部材Aとして非球面レンズを検査する場合に
は、焦点位置が一点のみではなく緩やかに変化している
ので、穏やかに(低い空間周波数で)輝度が変化してい
る画像となる。
【0040】これに対して、検査対象光学部材A内に屈
折率異常が生じている部分や表面の形状欠陥によって屈
折力異常が生じている部分がある場合には、その異常部
分のみ、正常な部分の焦点距離と異なる焦点距離を有す
ることと等価になっている。従って、図5に示すよう
に、その異常部分にだけ、ナイフエッジの像γが現れ
る。この異常部分の屈折率(屈折力)異常の程度(焦点
距離のずれ量)は、ナイフエッジの像γの現れ方に反映
される。即ち、ナイフエッジの像の濃淡が明確に現れれ
ば現れるほど、屈折率(屈折力)異常の程度(焦点距離
のずれ量)が大きくなる。
【0041】一方、検査対象光学部材Aの表面にゴミが
付着していたりキズがついている場合には、これらゴミ
やキズは、照明ユニット4からの照明光を拡散させる。
このようにしてゴミ又はキズによって拡散された照明光
のうち、撮像装置7の撮像レンズ8に入射した光は、こ
の撮像レンズ8によって収束されて、これらゴミ又はキ
ズの像を撮像素子9上に結ぶ。
【0042】このようにして撮像装置7によって撮像さ
れた画像データは、一旦画像処理部14の第1メモリ1
4aに格納された後に、微分処理によって輝度変化量の
分布を示す画像データ(輝度変化量分布データ)に変換
されて、第2メモリ14bへ移される。そして、ナイフ
エッジ6aが一回転するまでに、22.5度回転する毎
に上述の撮像及び微分処理が行われ、その微分結果であ
る画像データが順次第2メモリ14b内に蓄積されて合
成される。
【0043】このように、ナイフエッジ6aを若干量づ
つ回転させて得られた微分後の画像データを蓄積するよ
うにしたのは、次の理由による。即ち、直線状のナイフ
エッジ6aを光路に挿入すると、ナイフエッジ6aの方
向と平行な方向における屈折力(屈折率)異常成分は最
も良く画像データ中に表れるが、ナイフエッジ6aの方
向と直交する方向における屈折力(屈折率)異常成分は
あまり良く表れない。そのため、ナイフエッジ6a自体
を装置光軸lに直交する面内で回転させて、あらゆる方
向における異常成分を全て検出して、同一の画像上に合
成しているのである。また、この結果、次の効果も得ら
れる。即ち、ナイフエッジ6aを停止させた場合の画像
では、図5に示すように、屈折力(屈折率)異常部分の
縁(図5中央の円弧部分)の他にナイフエッジ6aの縁
(図5中央の左右に延びる白黒の境界線)も、濃淡が急
激に変化している箇所として映し出される。このナイフ
エッジ6aの縁は、本来検出が求められている屈折力
(屈折率)異常部分の縁自体ではないので、検出されな
いことが望ましい。そこで、ナイフエッジ6aを回転さ
せると、屈折力(屈折率)異常部分の縁の位置が不動で
あるのに対して、ナイフエッジ6aの縁は回転する。従
って、画像合成処理をすると、屈折力(屈折率)異常部
分の縁が益々強調されるのに対して、ナイフエッジ6a
の縁は屈折力(屈折率)異常部分の閉領域(縁によって
囲まれている部分)内において面状に平均化されるの
で、境界線としては認識されなくなるのである。
【0044】ナイフエッジ6aの一回転後において第2
メモリ14bに格納されている画像データ例を、図6に
示す。この図6の例は、非球面レンズである検査対象光
学部材Aを撮像して得られた画像データであるので、そ
の表面における面パワー(焦点距離)が変化している部
分(中央部分δ,及び径方向における中間部分ε)が、
輝度の高い環状に表されている。但し、この輝度の高い
環状部分よりも細かいピッチで線状に表れている円形縞
ηは、検査対象光学部材A表面に表れた加工痕であると
考えられる。従って、図6の画像データが得られた場合
には、中央部分δと径方向における中間部分εとの間に
表れている粒状の領域θのみが、光学的欠陥要因(薄い
ジェッティング)であるとして抽出される。そして、抽
出された領域θの面積が所定の判定基準値と比較され
て、合否判定がなされるのである。
【0045】なお、図6に示されている横軸は、撮像装
置7によって撮像されるフィールドの中心位置を通って
X方向(水平方向)に伸びるX方向中心軸を示し、縦軸
は、フィールドの中心位置を通ってY方向(垂直方向)
に伸びるY方向中心軸を示す。 <加工痕除去及び光学的欠陥要因抽出の原理>次に、上
述のような微分処理及び合成処理がなされた画像データ
(図6参照)に基づいて加工痕のみを除去して光学的欠
陥要因のみを抽出するための原理を説明する。
【0046】図8のは、図6の画像データ中における
X方向中心軸上の輝度分布を示す。同様に、図9の
は、図6の画像データ中におけるY方向中心軸上の輝度
分布を示す。これら各グラフから明らかなように、光学
的欠陥要因として抽出をする必要がない非球面レンズ故
の高輝度部分δ,εは、全体としての空間周波数が低
い。また、光学的欠陥要因として抽出すべきジェティン
グ等に起因する粒状の高輝度部分θは、上記高輝度部分
δ,εよりも空間周波数が高い。また、光学的欠陥要因
として抽出をする必要がない加工痕によるノイズ(以
下、「引き目ノイズ」という)ηは、光学的欠陥要因に
対応する上記高輝度部分θよりも空間周波数が更に高
く、他の要因による高周波ノイズと同程度となっている
(なお、この引き目ノイズηは、X方向よりもY方向に
おいて大きく強調される(振幅が大きくなる)傾向があ
る。)。そして、Y方向においては、引き目ノイズηの
振幅は、ジェティング等に起因する上記粒状の高輝度部
分θの振幅と同程度になる場合もある。
【0047】ここで、非球面故の高輝度部分δ,εを光
学的欠陥要因として抽出することなくジェティング等に
起因する粒状高輝度部分θのみを抽出するためには、以
下の手法によって行う。
【0048】即ち、先ず、図6の輝度データに対して、
ジェティング等に起因する粒状高輝度部分θの空間周波
数よりも低い空間周波数のみを残すように平滑化を行
う。この平滑化は、コンボリューションサイズ24の移
動平均法によって行われる。
【0049】この移動平均法による平滑化の概略を、以
下に説明する。図7は、画像データを構成する各画素か
らなるデータマトリックス(m×n)を表す。このデー
タマトリックス上において、最初に、縦k個×横k個の
画素からなる領域の輝度平均を算出して、この算出結果
を当該領域の左上隅に位置する画素aの新たな輝度と
し、次に、領域を画素一個分右にずらして新たに輝度平
均を算出して、これを画素aに隣接する画素bの新たな
輝度とするのである。上述したコンボリューションサイ
ズとは、輝度平均算出対象の領域を構成する縦横の画素
数kのことである。従って、図7のデータマトリックス
に対してコンボリューションサイズ24の平滑化を、行
う場合には、先ず、P132・132の256画素の輝度
平均を算出して、画素P11の新たな輝度とし、次に、P
132・233の256画素の輝度平均を算出して、画素
12の新たな輝度とし、以後、同様の演算を輝度平均算
出対象領域がPmnに達するまで繰り返す。そして、最後
に、画像の中心位置を調整するための補正を行う。この
ような平滑化を行うと、元の画像データから高周波成分
が除去されて輝度分布が平滑化される。そして、この時
除去される高周波成分の周波数の下限値は、コンボリュ
ーションサイズが大きくなる程低くなる。即ち、上述の
コンボリューションサイズ24の場合には、非球面故の
高輝度部分δ,εの空間周波数よりも高い成分が除去さ
れるのである。
【0050】図6の輝度データに対してコンボリューシ
ョンサイズ24の平滑化を行った場合におけるX方向中
心軸上の輝度分布を図8のに示し、Y方向中心軸上の
輝度分布を図9のに示す。次に、この平滑化によって
得られた画像データ全体を高輝度ノイズ成分の振幅分よ
りも大きく高輝度方向にシフトすることによって、閾値
データを生成する。この閾値データにおけるX方向中心
軸上の輝度分布を図8のに示し、Y方向中心軸上の輝
度分布を図9のに示す。そして、図6の画像データを
構成する各画素毎に、閾値データ中の対応する位置の画
素よりも輝度が大きいか小さいかを比較し(動的2値
化)、その輝度が閾値データの対応箇所よりも大きい画
素のみを抽出する。これによって、非球面故の低周波成
分に影響されることなく、光学的欠陥要因を抽出するこ
とができるのである(なお、図6の輝度データに対して
それ以上大きなコンボリューションサイズにて平滑化が
行われると、非球面故の高輝度部分δ,εさえもが除去
されてしまうので、動的2値化ができなくなってしま
う。)。
【0051】しかしながら、このような抽出手法による
と、上述したように、ジェッティング等に起因する高輝
度部分θと同振幅の引き目ノイズηが生じた場合には、
引き目ノイズηから区別してジェティング等に起因する
高輝度部分θのみを抽出することはできない。なお、引
き目ノイズηの抽出を避けるために、閾値データを更に
高輝度方向にシフトしてしまうと、ジェティング等に起
因する高輝度部分θ自体が抽出できなくなってしまう。
【0052】そのため、引き目ノイズη等の高周波ノイ
ズを有効に除去することが必要となる。ここで、着目す
べき事は、加工痕の画像は、光学的欠陥を示す画像より
も空間周波数が高いという特性である。そこで、この特
性を利用して、微分処理及び合成処理がなされた画像デ
ータ(図6参照)そのものに対して、コンボリューショ
ンサイズ24よりも小さいコンボリューションサイズに
て平滑化を行う。
【0053】図10は、X方向中心軸上における図6の
輝度データの輝度分布,及び、これに対してコンボリ
ューションサイズ21の平滑化がなされた場合における
輝度分布を、座標位置x150〜x380の範囲で示
すグラフである。同様に、図11は、X方向中心軸上に
おける図6の輝度データの輝度分布,及び、これに対
してコンボリューションサイズ22の平滑化がなされた
場合における輝度分布を、座標位置x150〜x38
0の範囲で示すグラフである。同様に、図12は、X方
向中心軸上における図6の輝度データの輝度分布,及
び、これに対してコンボリューションサイズ23の平滑
化がなされた場合における輝度分布を、座標位置x1
50〜x380の範囲で示すグラフである。また、図1
3は、Y方向中心軸上における図6の輝度データの輝度
分布,及び、これに対してコンボリューションサイズ
1の平滑化がなされた場合における輝度分布を、座
標位置y100〜x330の範囲で示すグラフである。
同様に、図14は、Y方向中心軸上における図6の輝度
データの輝度分布,及び、これに対してコンボリュー
ションサイズ22の平滑化がなされた場合における輝度
分布を、座標位置y100〜x330の範囲で示すグ
ラフである。同様に、図15は、Y方向中心軸上におけ
る図6の輝度データの輝度分布,及び、これに対して
コンボリューションサイズ23の平滑化がなされた場合
における輝度分布を、座標位置y100〜x330の
範囲で示すグラフである。これらの各グラフから明らか
なように、コンボリューションサイズが22までであれ
ば、平滑化がなされても、光学的欠陥に起因する高輝度
部分θの振幅は殆ど影響を受けない。但し、コンボリュ
ーションサイズ21の平滑化がなされた場合には、引き
目ノイズηの振幅は半分程度にしか平滑化されない。一
方、コンボリューションサイズ22の平滑化がなされた
場合には、光学的欠陥に起因する高輝度部分θの振幅が
殆ど影響を受けないのに対して、引き目ノイズηはほぼ
完全に除去される。即ち、コンボリューションサイズ2
2の平滑化によると、光学的欠陥に起因する高輝度部分
θの空間周波数よりも高い周波数成分を除去することが
できるのである。
【0054】従って、X方向中心軸上の輝度分布を示す
図16及びY方向中心軸上の輝度分布を示す図17に示
されるように、微分処理及び合成処理がなされた画像デ
ータに対して、先ず、コンボリューションサイズ22
にて平滑化を行って引き目ノイズη等の高周波ノイズを
除去した抽出対象画像データを生成するとともに、コ
ンボリューションサイズ24にて平滑化を行って非球面
故の成分のみを残した画像データを生成する。次に、
この画像データを、平滑化によって振幅がなまった分
よりも多少余裕を含めた量(輝度30)だけ高輝度側
(輝度変化量が大きいことを示す側)へシフトさせて、
閾値データを生成する。そして、抽出対象画像データ
を構成する各画素の輝度について、閾値データ中に
おける同位置の画素の輝度と比較をし、それよりも大き
い場合に限って抽出を行う。その結果、光学的欠陥に起
因する高輝度部分θのみが抽出されるのである。 <画像処理>次に、検査対象光学部材が良品であるか不
良品であるかの判定を行うために画像処理部14におい
て実行される画像処理の内容を、図3のフローチャート
を用いて説明する。
【0055】この画像処理は、画像処理部14に接続さ
れた図示せぬ検査開始ボタンを押下されることによりス
タートする。そして、S01乃至S05のループ処理が
実行される。
【0056】このループ処理に入って最初のS01で
は、画像処理14は、撮像素子9から入力された画像デ
ータを構成する各画素(ピクセル)の輝度を256階調
の数値情報に変換し、夫々第1メモリ14aに書き込
む。
【0057】次のS02では、画像処理部14は、第1
メモリ14aに書き込まれた各数値情報を順番に走査し
て、微分処理を行う(輝度分布データ算出手段に相
当)。即ち、画像中における左上の画素から右下の画素
に向けて順番に各画素の数値をチェックする。そして、
チェック対象画素の数値とこれの左隣の画素の数値及び
上側に隣接する画素の数値とを比較し、それら数値の差
の絶対値を、このチェック対象画素の微分値[0〜25
5]とする。このようにして微分値に変換された画像デ
ータ(画像中の輝度変化量分布を示す輝度変化量分布デ
ータ)においては、検査対象光学部材Aの光学的欠陥が
ある部分及び加工痕の輪郭,焦点距離が変化している部
分,及びナイフエッジ6aの縁だけが濃度の高い画像と
なる。
【0058】次のS03では、画像処理部14は、画像
合成処理を実行する(合成手段に相当)。即ち、S02
において得られた各微分値を、第2メモリ14bに書き
込む。この際、前回のループ処理でのS03の結果とし
て、前回の画像データに対する微分値が第2メモリ14
bに書き込まれている場合には、画像処理部14は、第
2メモリ14bに既に書き込まれている各微分値を取り
出し、今回のループ処理でのS02において得られた各
微分値を加算した後に、第2メモリ14bに上書きす
る。
【0059】次のS04では、画像処理部14は、処理
を開始した後に入力された画像データの数が16画像に
達したか否かをチェックする。そして、未だ入力された
画像データの数が16画像に達していない場合には、S
05において、ナイフエッジ回転制御部15に対してナ
イフエッジ6aを22.5度回転させる命令をする(回
転手段に相当)。この回転後の画像データが撮像素子9
から入力された場合には、処理をS01に戻し、この新
たな画像データに対する処理を実行する。
【0060】以上のようにループ処理を繰り返した結
果、入力された画像データの数が16画像に達すると、
S04からこのループ処理を抜けて、処理はS06に進
む。S06では、画像処理部14は、その時点において
第2メモリ14bに格納されている画像データ(微分
処理及び合成処理がなされた画像データ)を読み出し、
この読み出した画像データに対してコンボリューション
サイズ22の平滑化を行う(高周波成分を除去する第1
の平滑化,第1の平滑化手段に相当)。
【0061】次のS07では、画像処理部14は、S0
6の平滑化の結果得られた抽出対象画像データを第3
メモリ14cに格納する。次のS08では、画像処理部
14は、その時点において第2メモリ14bに格納され
ている画像データ(微分処理及び合成処理がなされた
画像データ)を読み出し、この読み出した画像データに
対してコンボリューションサイズ24の平滑化を行う
(低周波成分を抽出する第2の平滑化,第2の平滑化手
段に相当)。
【0062】次のS09では、画像処理部14は、S0
8の平滑化の結果得られた画像データを第4メモリ1
4cに格納する。次のS10では、画像処理部14は、
S09の結果第4メモリ14cに格納されている画像デ
ータの全画素の値を、夫々[+30]だけ増加させ
る。これにより閾値データが生成される(輝度変化量
分布データ全体を輝度変化量が大きいことを示す側へシ
フトさせるシフト手段に相当)。
【0063】次のS11では、画像処理部14は、画像
間演算を実行する。即ち、第3メモリ14cに格納され
ている抽出対象画像データを構成する各画素の値か
ら、第4メモリ14dに格納されている閾値データ中
の対応する(即ち、同じ位置に存する)画素の値を減算
する(シフト手段によってシフトされた輝度変化量分布
データと第2の平滑化手段によって平滑化された輝度変
化量分布データとを比較する比較手段に相当)。
【0064】次のS12では、画像処理部14は、検査
対象領域抽出処理を実行する。図18は、このS12に
おいて実行される検査対象領域抽出処理サブルーチンの
内容を示すフローチャートである。このサブルーチンに
入って最初のS21では、画像処理部14は、二値化処
理を行う。この二値化処理とは、第3メモリ14c内の
画像データの各画素に対応する数値情報が所定の閾値を
超えていればその数値情報を255(白)に置き換え、
超えていなければ0(黒)に置き換える処理である。こ
の閾値は、検査対象レンズAの外縁αが途切れることな
く白(255)の閉曲線として残し得るような値に、設
定されている。
【0065】次のS22では、画像処理部14は、閉領
域抽出処理を実行する。この閉領域抽出処理とは、閉じ
た白線によって囲まれている領域のみを抽出する処理で
ある。具体的には、S21により二値化された画像デー
タを構成する黒い画素[0]のうち、白い画素[25
5]によって取り囲まれているものを閉領域内の画素と
みなす。そして、この閉領域内のものと見なされた全画
素の数値を255とし、それ以外の全画素の数値を0と
する。
【0066】次のS23では、画像処理部14は、穴埋
め処理を実行する。この穴埋め処理とは、白い画素[2
55]の中に残された黒い画素[0]を消去するための
処理である。具体的には、S21によって得られた画像
データを構成する黒い画素[0]のうち、白い画素[2
55]によって取り囲まれているものの数値を255と
する。
【0067】次のS24では、画像処理部14は、領域
選択処理を実行する。この領域選択処理とは、本来必要
とされる領域のみを有効とするとともに、ゲートの一部
等に基づいて抽出されたそれ以外の閉領域を削除するた
めの処理である。具体的には、画像処理部14は、S2
3によって得られた画像データに含まれる各閉領域のう
ち、画面中央に位置する閉領域はそのままとし、それ以
外の全閉領域を構成する全画素の数値を0とする。この
領域選択処理の結果得られる画像データのことを、以下
「マスク画像」という。
【0068】次のS25では、画像処理部41は、抽出
演算処理を実行する。即ち、マスク画像の輝度を反転さ
せ(輝度[255]の画素を輝度[0]とし、輝度
[0]の画素を輝度[255]とする。)、第3メモリ
14c内の画像データの各画素の値(輝度)から、反転
後のマスク画像中の対応する画素の値(輝度)を減算す
る。この抽出演算処理の結果、第3メモリ14c中の画
像データのうち、元のマスク画像中の白い画素[25
5]の領域に対応する部分のみがそのまま残され、他の
部分の画素の数値が全て[0]となる。
【0069】以上により、良品又は不良品の判定に用い
られる画像データが得られるので、このサブルーチンを
終了して、図3のメインルーチンに処理が戻される。次
のS13では、画像処理部14は、S12での検査対象
領域抽出処理結果に基づいて、動的2値化処理を行う。
即ち、画像演算結果が正の極性をとる場合には、その画
素の値を255に置き換え、画像演算結果が0又は負の
極性をとる場合には、その画素の値を0に置き換える。
【0070】次のS14では、画像処理部14は、合否
判定処理を実行する。即ち、S13での2値化の結果得
られた画素から構成される画像の図形的特徴量(白い部
分[輝度値が255である部分]の面積,最大幅,重
心,フィレ径,等)を算出する。例えば、白い[輝度値
が255である]画素の数を数えて面積量とする(抽出
手段によって抽出された部位を数値化する数値化手段に
相当)。そして、算出された各図形的特徴量を、予め設
定されている各合否判定基準値と比較し、対応する合否
判定基準値を超過している図形的特徴量が一つでもあれ
ば不合格(不良品)と判定、全ての図形的特徴量が夫々
に対応する合否判定基準値内に収まっていれば合格(良
品)と判定する(数値化手段によって数値化された数値
が所定の判定基準値を超えたか否かを判定する判定手段
に相当)。なお、判定に用いられる図形的特徴量のうち
どれを合否判定に用いるかは、検査対象光学部材の種類
に依って定まる。この合否判定処理が完了すると、この
画像処理を終了する。
【0071】なお、上述の画像処理におけるS03で実
行される画像合成処理としては、MAX演算を行っても
良い。上述の加算処理においては合成対象画像データ間
の対応する画素の数値(輝度)同士を加算するのに対
し、MAX演算では、合成対象画像データ間の対応する
画素の数値(輝度)のうち、大きい方の値を演算結果と
して採用する。このようなMAX演算では、合成される
各画像データの輝度が高い場合でも、合成された画像の
輝度が飽和することがない。よって、このような場合で
も正確な検査ができるという利点を生じる。 <光学部材検査装置による検査手順>本実施形態による
光学部材検査装置によって光学部材Aを検査する時に
は、検査者は、検査対象光学部材Aを、図示せぬホルダ
に固着して光軸lと同軸に配置する。なお、検査対象光
学部材Aが負レンズである場合には、検査対象光学部材
Aと照明ユニット4との間に、補正レンズを挿入する。
【0072】検査者は、次に、照明ランプ1を点灯し
て、遮光板6のナイフエッジ6aを照明させる。する
と、表示装置10上に、撮像素子9によって撮像された
映像が映し出される。
【0073】検査者は、表示装置10に映し出される映
像を見ながら、照明ユニット4を移動させる。そして、
図4(a)又は(b)のように、検査対象光学部材Aの
外縁αの内側において、検査対象光学部材Aの外縁αの
外側に見えるナイフエッジβと同じ方向にナイフエッジ
γが見える時には、照明ユニット4が検査対象光学部材
Aに近過ぎる場合であるので、照明ユニット4を検査対
象光学部材Aから遠ざける。逆に、図4(d)又は
(e)のように、検査対象光学部材Aの外縁αの内側に
おいて、検査対象光学部材Aの外縁αの外側に見えるナ
イフエッジβと逆の方向にナイフエッジγが見える時に
は、照明ユニット4が検査対象光学部材Aから遠すぎる
場合であるので、照明ユニット4を検査対象光学部材A
に近付ける。このような照明ユニット4の進退調整を行
った結果、図4(c)のように、ナイフエッジγが検査
対象光学部材Aの外縁α内の大部分において消えた時に
は、照明ユニット4が適正位置にある場合であるので、
調整を停止する。
【0074】次に、検査者は、図示せぬ検査開始ボタン
を押下して、図3の画像処理を開始させる。すると、ナ
イフエッジ回転制御部15によってナイフエッジ6aが
22.5度づつ回転駆動されるとともに(S05)、各
回転位置において検査対象光学素子Aを通過した光によ
って形成される画像が、撮像装置7によって撮像される
(S01)。画像処理部14は、撮像した各画像の濃淡
変化箇所を微分処理によって強調し(S02)、一回転
分にわたって加算する(S03,S04)。その結果、
検査対象光学部材のいかなる方向における欠陥成分(屈
折率[屈折力]異常,表面欠陥)に関しても、それらが
一つの画像データにまとめ上げられる。
【0075】画像処理部14は、この画像データに対し
てコンボリューションサイズ22の平滑化を行って、引
き目ノイズ等の高周波ノイズを除去して抽出対象画像デ
ータを生成するとともに(S06)、コンボリューショ
ンサイズ24の平滑化を行った後に高輝度方向にシフト
させて、検査対象光学部材の面形状(球面又は非球面)
に起因する成分のみを反映させた閾値データを作成する
(S08,S10)。
【0076】そして、画像処理部14は、抽出対象画像
データから閾値データを減算するとともに(S11)、
減算結果として得られた画像データから検査対象光学部
材の画像に対応する部分のみを抽出し(S12)、動的
二値化処理を実行することにより(S13)、光学的欠
陥が生じている部分のみを抽出する。そして、光学的欠
陥部分の面積や最大幅等が数値化され、一定の判断基準
値と比較され、この比較結果に応じて良品であるか不良
品であるかの判定が客観的になされるのである(S1
4)。
【0077】
【発明の効果】以上のように構成された本発明の光学部
材検査装置及び光学部材検査方法によれば、検査対象の
光学部材を撮像することによって得られた画像に対して
画像処理を施すことにより、加工痕に起因する情報を除
去して光学的欠陥に起因する情報のみを抽出して、この
情報に基づいた正確な良否判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による光学部材検査装置
の概略図
【図2】 遮光板の回転状態を示す斜視図
【図3】 図1の画像処理部において実行される画像処
理の内容を示すフローチャート
【図4】 図1におけるナイフエッジユニットの移動調
整時における表示装置上の画像を示す図
【図5】 ヒケを有する光学部材を検査した場合におけ
る表示装置上の画像を示す図
【図6】 図1における第2メモリに書き込まれた微分
処理及び合成処理がなされた画像データを示す図
【図7】 移動平均法による平滑化の説明図
【図8】 図6の画像データ,コンボリューションサイ
ズ24の平滑化によって得られた画像データ,及び閾値
データのX方向中心軸上における輝度分布を示すグラフ
【図9】 図6の画像データ,コンボリューションサイ
ズ24の平滑化によって得られた画像データ,及び閾値
データのY方向中心軸上における輝度分布を示すグラフ
【図10】 図6の画像データ,及びコンボリューショ
ンサイズ21の平滑化によって得られた画像データのX
方向中心軸上における輝度分布を示すグラフ
【図11】 図6の画像データ,及びコンボリューショ
ンサイズ22の平滑化によって得られた画像データのX
方向中心軸上における輝度分布を示すグラフ
【図12】 図6の画像データ,及びコンボリューショ
ンサイズ23の平滑化によって得られた画像データのX
方向中心軸上における輝度分布を示すグラフ
【図13】 図6の画像データ,及びコンボリューショ
ンサイズ21の平滑化によって得られた画像データのY
方向中心軸上における輝度分布を示すグラフ
【図14】 図6の画像データ,及びコンボリューショ
ンサイズ22の平滑化によって得られた画像データのY
方向中心軸上における輝度分布を示すグラフ
【図15】 図6の画像データ,及びコンボリューショ
ンサイズ23の平滑化によって得られた画像データのY
方向中心軸上における輝度分布を示すグラフ
【図16】 図6の画像データ,抽出対象画像データ,
及び閾値データのX方向中心軸上における輝度分布を示
すグラフ
【図17】 図6の画像データ,抽出対象画像データ,
及び閾値データのY方向中心軸上における輝度分布を示
すグラフ
【図18】 図3のS12にて実行される検査対象領域
抽出処理サブルーチンを示すフローチャート
【符号の説明】
4 照明ユニット 5 拡散板 6 遮光板 7 撮像装置 8 撮像レンズ 9 撮像素子 13 モータ 14 画像処理部 15 ナイフエッジ回転制御部 A 検査対象光学部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 利宏 東京都板橋区前野町2丁目36番9号旭光学 工業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学部材の光学的欠陥を検出する光学部材
    検査装置であって、 照明光によって照明される拡散板と、 前記光学部材を含む光学系の焦点位置に配置されるとと
    もに、前記拡散板によって拡散された光を部分的に透過
    させるように前記拡散板に接している遮光手段と、 前記光学系を透過した光を撮像する撮像手段と、 この撮像手段によって撮像された画像に基づいて、その
    画像中の輝度変化量分布を示す輝度変化量分布データを
    算出する輝度変化量分布データ算出手段と、 この輝度変化量分布データ算出手段によって算出された
    輝度変化量分布データに対して高周波成分を除去する平
    滑化を行う第1の平滑化手段と、 前記輝度変化量分布データ算出手段によって算出された
    輝度変化量分布データに対して低周波成分のみを抽出す
    る平滑化を行う第2の平滑化手段と、 前記第1の平滑化手段によって平滑化された輝度変化量
    分布データと前記第2の平滑化手段によって平滑化され
    た輝度変化量分布データとを比較し、前者が後者よりも
    所定量以上上回っている部位を抽出する抽出手段とを備
    えたことを特徴とする光学部材検査装置。
  2. 【請求項2】前記遮光部材は、直線状の境界線によって
    夫々分けられた前記光を部分的に透過させる部分と前記
    光を部分的に遮光する部分とからなることを特徴とする
    請求項1記載の光学部材検査装置。
  3. 【請求項3】前記遮光手段を前記拡散板との接触面の面
    内において前記直線状の境界線に接する回転軸を中心に
    回転させる回転手段を更に備えることを特徴とする請求
    項2記載の光学部材検査装置。
  4. 【請求項4】前記光学部材を含む光学系の光軸は、前記
    遮光部材の回転軸と一致していることを特徴とする請求
    項3記載の光学部材検査装置。
  5. 【請求項5】前記撮像手段は、前記回転手段により回転
    させられた前記遮光部材の各回転位置において前記撮像
    を行うとともに、 前記遮光手段が一回転する間に前記撮像手段によって撮
    像された各画像に基づいて前記輝度変化量分布データ算
    出手段が夫々算出した複数の輝度変化量分布データを、
    前記各平滑化に先立って相互に合成する合成手段を更に
    備えたことを特徴する請求項4記載の光学部材検査装
    置。
  6. 【請求項6】前記輝度変化量分布データ算出手段は、前
    記撮像装置によって撮像された画像を多数の画素に分
    け、隣接する各画素の輝度同士を順次比較して微分処理
    し、この微分処理の結果得られたデータを前記輝度変化
    量分布データとすることを特徴とする請求項1又は5記
    載の光学部材検査装置。
  7. 【請求項7】前記抽出手段は、 前記第2の平滑化手段によって平滑化された輝度変化量
    分布データ全体を、輝度変化量が大きいことを示す側へ
    シフトさせるシフト手段と、 このシフト手段によってシフトされた輝度変化量分布デ
    ータと前記第2の平滑化手段によって平滑化された輝度
    変化量分布データとを比較する比較手段とを有すること
    を特徴とする請求項1記載の光学部材検査装置。
  8. 【請求項8】前記数値化手段は、前記光学部材の前記抽
    出手段によって抽出された部位の面積を計って前記数値
    とすることを特徴とする請求項1記載の光学部材検査装
    置。
  9. 【請求項9】前記抽出手段によって抽出された部位を数
    値化する数値化手段と、 この数値化手段によって数値化された数値が所定の判定
    基準値を超えたか否かを判定する判定手段とを更に備え
    たことを特徴とする請求項1記載の光学部材検査装置。
  10. 【請求項10】光学部材の光学的欠陥を検出する光学部
    材検査方法であって、 拡散板から発散され、遮光手段によってその一部が遮光
    され、その焦点位置が前記遮光手段の位置と略一致する
    ように配置された前記光学部材を含む光学系を透過した
    光を撮像し、 この撮像によって得られた画像に基づいて、その画像中
    の輝度変化量分布を示す輝度変化量分布データを算出
    し、 算出された輝度変化量分布データに対して高周波ノイズ
    を除去する第1の平滑化を行い、 前記算出された輝度変化量分布データに対して低周波成
    分を抽出する第2の平滑化を行い、 前記第1の平滑化がなされた輝度変化量分布データと前
    記第2の平滑化がなされた輝度変化量分布データとを比
    較し、前者が後者よりも所定量以上上回っている部位を
    抽出することを特徴とする光学部材検査方法。
  11. 【請求項11】前記抽出された部位を数値化し、 数値化された数値が所定の判定基準値を超えたか否かを
    判定することを特徴とする請求項10記載の光学部材検
    査方法。
  12. 【請求項12】前記第1の平滑化手段は、前記輝度変化
    量分布データ算出手段によって算出された輝度変化量分
    布データから、光学部材表面の加工痕に対応する空間周
    波数以上の高周波成分を除去し、 前記第2の平滑化手段は、前記輝度変化量分布データ算
    出手段によって算出された輝度変化量分布データから、
    光学部材の表面形状に対応する空間周波数以下の低周波
    成分のみを抽出することを特徴とする請求項1記載の光
    学部材検査装置。
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