JPH10174709A

JPH10174709A - 移動式壁面脱臭装置

Info

Publication number: JPH10174709A
Application number: JP8336923A
Authority: JP
Inventors: Keiko Shibata; 慶子柴田
Original assignee: Isuzu Motors Ltd
Current assignee: Isuzu Motors Ltd
Priority date: 1996-12-17
Filing date: 1996-12-17
Publication date: 1998-06-30

Abstract

(57)【要約】【課題】低濃度オゾンを用いて、壁面等に付着した臭
気の脱臭、殺菌を行う。【解決手段】オゾンを発生させるオゾン発生器２と、
このオゾン発生器２を含む装置本体を庫内の壁面４、床
面５或いは天井６に沿って移動させる駆動手段７と、上
記オゾン発生器２からのオゾンを上記壁面４等に噴出さ
せる噴出ノズル８とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はオゾンを利用して冷
凍コンテナ等の壁面の脱臭殺菌を行う移動式壁面脱臭装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年にあっては、冷凍コンテナや食品保
管庫等の内部をオゾンで脱臭、殺菌するためのオゾン発
生器を備えた脱臭殺菌装置が使用されている。この脱臭
殺菌装置は、オゾン発生器により発生したオゾンを、冷
凍機のファン等によって庫内で循環させて脱臭殺菌を行
うものである。このオゾンによる脱臭殺菌は、従来の塩
素等の薬剤や空気清浄器等よりも効率よく行い得るもの
である。そして、この種の脱臭装置においては、冷凍冷
蔵室内にオゾン濃度計及び残存オゾン処理装置等を設け
て、オゾン濃度を人体或いは保管物に無害となる濃度に
制御するようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、オゾンはそ
の濃度が法規で定められた基準である０．１ｐｐｍ以上
になると人体或いは保管物等に悪影響を及ぼしてしま
う。そのため、０．１ｐｐｍ以下の低濃度のオゾンで脱
臭をしなければならなかった。しかし、低濃度のオゾン
では脱臭能力が小さく、充分な脱臭殺菌ができていなか
った。従って、充分な脱臭殺菌を行うには、庫内の保管
物を搬出して空にしておいて、高濃度のオゾンを用いな
ければならなかった。

【０００４】低濃度オゾンでは脱臭能力が不足する原因
としては、庫内に発生した臭気（例えば魚臭）が庫内に
拡散、浮遊しているのではなく、壁面や天井等に付着し
ていることが挙げられる。

【０００５】すなわち、従来の方法では、庫内空気に存
在する臭気物質には有効であるが、壁面や天井等にまで
はあまりオゾンが行き渡らず、壁面等に付着した臭気が
酸化分解されず、脱臭殺菌が完全にされていないという
問題があった。

【０００６】なお、積み荷をおろした状態で、たとえ高
濃度オゾンを庫内で拡散しても、壁面等に付着した臭気
は完全に脱臭殺菌することができなかった。

【０００７】そこで、本発明はこれらの課題を解決すべ
く案出されたものであり、低濃度オゾンを用いて、壁面
等に付着した臭気の脱臭、殺菌を行うことができる移動
式壁面脱臭装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本
発明は、オゾンを発生させるオゾン発生器と、このオゾ
ン発生器を含む装置本体を庫内の壁面、床面或いは天井
に沿って移動させる駆動手段と、オゾン発生器からのオ
ゾンを壁面等に噴出させる噴出ノズルとを備えたもので
ある。これによれば、壁面等に直接オゾンを噴出できる
ので、効率よく脱臭殺菌が行える。

【０００９】この場合、上記駆動手段は、壁面等に設け
られたレール上を移動すると共に、上記レールより電力
を得て移動するものが望ましい。また、上記壁面が、ト
ラックコンテナの内側の壁であってもよい。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳述する。

【００１１】本実施の形態は、本発明にかかる移動式壁
面脱臭装置をトラックコンテナに適用した例を示す。

【００１２】図１は本発明にかかる移動式壁面脱臭装置
を示した斜視図、図２は本発明にかかる移動式壁面脱臭
装置を適用したトラックコンテナを内側から見て展開し
たコンテナ室内展開図、図３は図２のトラックを側方か
ら見た側断面図である。

【００１３】移動式壁面脱臭装置１は、オゾンを発生さ
せるオゾン発生器２と、このオゾン発生器２を囲む移動
式壁面脱臭装置１本体をトラックコンテナ３の庫内の壁
面４、床面５或いは天井６（以下「壁面等」という）に
沿って移動させる駆動手段７と、オゾン発生器２からの
オゾンを壁面４等に噴出させる噴出ノズル８とから主に
構成されている。トラックコンテナ３の壁面４等には、
導電性を有したレール９が、壁面４及び天井に沿って設
けられている。このレール９は、移動式壁面脱臭装置１
の移動のガイドをすると共に、駆動手段７に電力を供給
するものである。

【００１４】オゾン発生器２は、トラックコンテナ３の
庫内の空気を吸い込み、これをオゾン化するもので、ハ
ウジング１１内に収容されている。ハウジング１１に
は、トラックコンテナ３の庫内空気の吸込口（図示せ
ず）が形成されている。このオゾン発生器２のオゾン吹
出側には、パイプ１２が連結され、ハウジング１１の貫
通穴を貫通して外部に吹き出されるようになっている。
そして、パイプ１２の複数箇所から、壁面４側に向かっ
て吹出口１４が形成された噴出ノズル８が連結されてい
る。この噴出ノズル８の吹出口１４の角度は、壁面４に
向かって垂直に限らず、多少角度をずらすことによっ
て、オゾンを噴出する壁面の面積を調整することができ
る。また、噴出ノズル８を可動式にして吹出口１４の方
向を回転させながらオゾンを噴出するようにしてもよ
い。

【００１５】駆動手段７は、ハウジング１１内に収納さ
れたモータ（図示せず）と、このモータに伝達手段を介
して回転される複数の車輪（図示せず）とから主に構成
されている。移動式壁面脱臭装置１本体が壁面４或いは
天井６に位置する場合にも、移動式壁面脱臭装置１本体
がレールに沿って移動できるように形成されており、例
えば一方のレール９ａを摺動自在に挟持する挟持部が形
成され、他方のレール９ｂに回転駆動力を伝えて本体を
移動させる回転車輪が形成されている。モータはレール
９ａから挟持部を介して給電されるようになっており、
レール９の給電をＯＮ、ＯＦＦすることによりモータを
駆動、停止させるようになっている。移動式壁面脱臭装
置１がトラックコンテナ３の庫内を一巡する時間を、レ
ール９の長さと走行速さとから計算し、予め電源をタイ
マーセットしておき、自動的に電源がＯＦＦされ移動式
壁面脱臭装置１が停止するようになっている。

【００１６】図２に示すように、レール９は、コンテナ
の右内側壁面４ａの上端、後端、下端の順に、それぞれ
の端部から所定の間隔を隔てて形成されており、一旦、
運転席の裏になる前内側壁面４ｂを通り天井６まで延
び、天井６の右端、後端、左端の順に、それぞれの端部
から所定の間隔を隔てて形成されている。そして、再び
前内側壁面４ｂに戻り、次は、左内側壁面４ｃに延び
る。左内側壁面４ｃの上端、後端、下端の順に、それぞ
れの端部から所定の間隔を隔てて形成されて、再度前内
側壁面４ｂに戻る。なお、前内側壁面４ｂには冷凍機の
一部を成すエバポレータ１５が形成されている。

【００１７】また、天井６の略中央部にはレール９から
給電用配線１６が接続されたオゾンセンサ１７が設けら
れており、トラックコンテナ内のオゾン濃度を監視でき
るようになっている。

【００１８】図３に示すように、トラック１８の運転席
１９には、オゾン発生器２及びレール９に接続された操
作部２１が取り付けられている。この操作部２１の下側
には、レール９に接続された電源２２が設けられてい
る。操作部２１には、オゾンセンサ１７によって計測さ
れたオゾン濃度の表示部（図示せず）と、オゾン発生器
２のオゾン発生量を調節するオゾン調節部（図示せず）
と、レール９の給電を制御する給電部（図示せず）等が
形成されており、運転席１９から作業員が遠隔操作でき
るようになっている。

【００１９】次に、上記構成による移動式壁面脱臭装置
１の作用について、操作方法に沿って説明する。

【００２０】トラックコンテナ３内の積み荷をおろし、
移動式壁面脱臭装置１が移動可能な状態にして、移動式
壁面脱臭装置１を所定のスタート位置Ａに設置し、コン
テナを閉める。そして、運転席１９の操作部２１のオゾ
ン調節部と給電部とを操作して、所定濃度のオゾンを生
成させると共に、噴出ノズル８から壁面４に向かって噴
出させながら、レール９に沿って、右内側壁面４ａ、天
井６、左内側壁面４ｃの順（図中矢印の方向）に、トラ
ックコンテナ３内を一巡して走行移動させる。移動式壁
面脱臭装置１が、所定のストップ位置Ｂに到達すると、
タイマーにより自動的にモータが停止し、走行が終了す
る。

【００２１】このように、臭気が付着している壁面４等
に沿って移動して、間近から壁面４等に直接オゾンを噴
出させることができるので、低濃度のオゾンであっても
効率的に脱臭殺菌が行える。特に、レール９が配設され
ている隅の部分においては従来法に比べて効果が上が
る。

【００２２】また、噴出ノズル８を可動式にして吹出口
１４の方向を回転させながらオゾンを噴出するようにす
れば、広範囲の壁面４等において、効率的で確実な脱臭
殺菌が行える。

【００２３】トラックコンテナ３内のオゾン濃度はオゾ
ンセンサ１７によって計測され、操作部２１のオゾン濃
度の表示部に表示されて、作業員が監視しながらオゾン
発生器２のオゾン発生量を調節するので、トラックコン
テナ３内のオゾン濃度の上昇を防止できる。また、オゾ
ンセンサ１７とオゾン発生器２とを連動させて、所定の
オゾン濃度を越えると、オゾン発生器２が自動的に停止
するように制御してもよい。

【００２４】なお、レール９の位置は、上述の位置に限
らず床面５やその他、臭気が付着しやすい部分に配設す
るようにしてもよい。これによって、床面５等の臭気を
脱臭することができ、脱臭殺菌の効果が上がる。

【００２５】壁面４等に直接オゾンを噴出する方法とし
ては、この他にオゾンを噴出させる穴を有した配管を、
レール９の代わりに配設して、オゾンを圧送して供給す
る方法があるが、配管の基端部と末端部とで放出量やオ
ゾン濃度の差が発生して、脱臭殺菌効果の均一性が損な
われるという点で、本発明の移動式壁面脱臭装置１の方
が優れている本発明は、トラックコンテナ３の脱臭殺菌
装置に限るものではなく、通常の冷凍冷蔵庫にも適用す
ることができる。

【００２６】

【発明の効果】以上要するに本発明によれば、低濃度オ
ゾンを用いて、壁面等に付着した臭気成分を分解できる
ので、効率的に脱臭、殺菌を行うことができるという優
れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる移動式壁面脱臭装置を示した斜
視図である。

【図２】トラックコンテナ内のレールの配設位置を示し
たコンテナ室内展開図である。

【図３】図２のトラックを側方から見た側断面図であ
る。

【符号の説明】

１移動式壁面脱臭装置２オゾン発生器３トラックコンテナ４壁面５床面６天井７駆動手段８噴出ノズル９レール

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】オゾンを発生させるオゾン発生器と、該
オゾン発生器を含む装置本体を庫内の壁面、床面或いは
天井に沿って移動させる駆動手段と、上記オゾン発生器
からのオゾンを上記壁面等に噴出させる噴出ノズルとを
備えたことを特徴とする移動式壁面脱臭装置。
【請求項２】上記駆動手段が、壁面等に設けられたレ
ール上を移動すると共に、上記レールより電力を得て移
動するものである請求項１記載の移動式壁面脱臭装置。
【請求項３】上記壁面が、トラックコンテナの内側の
壁である請求項１又は２いずれかに記載の移動式壁面脱
臭装置。