JPH10168652A - タバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊維及びその製造法並びにその捲縮繊維を用いたタバコ消臭性カーペット - Google Patents

タバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊維及びその製造法並びにその捲縮繊維を用いたタバコ消臭性カーペット

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JPH10168652A
JPH10168652A JP8334447A JP33444796A JPH10168652A JP H10168652 A JPH10168652 A JP H10168652A JP 8334447 A JP8334447 A JP 8334447A JP 33444796 A JP33444796 A JP 33444796A JP H10168652 A JPH10168652 A JP H10168652A
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deodorant
polyolefin
crimped
fiber
tobacco
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JP8334447A
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English (en)
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Yoshishige Shimizu
喜茂 清水
Hideo Sakakura
秀夫 坂倉
Yukiko Sayama
有紀子 佐山
Tamiji Yamagata
民次 山縣
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Daiwa Chemical Industries Ltd
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Daiwa Chemical Industries Ltd
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全で、使用、洗濯等により消臭性能が低下
せず、かつ消臭効果を高める開繊性とカーペット素材と
して好適な嵩高性を有するタバコ消臭性ポリオレフィン
捲縮繊維を提供し、また、その繊維を用いたタバコ消臭
性カーペットを提供する。 【解決手段】 水に対する溶解度が25℃で5g/l以
下であるヒドラジン誘導体と吸着性を有する無機物質と
の混合物からなる消臭剤が1〜10重量%配合されたポ
リオレフィンからなり、紡糸後の延伸、ホットエアー加
工により製造されたタバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊
維、並びにその繊維を用いてタバコ消臭性カーペットと
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タバコ臭を消臭す
るタバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊維及びその製造法
並びにそのタバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊維を用い
てなるタバコ消臭性カーペット関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活環境の向上に伴い、日常生活
から発生する悪臭を消臭し、快適な生活環境を維持する
ことに関心が持たれている。一般に悪臭成分としては、
メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル等の硫黄化
合物や、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン等の
窒素化合物、更にはプロピオン酸、酪酸等の低級脂肪
酸、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられ
る。
【0003】これらの悪臭成分は、様々に入り混じり、
日常生活に限定しても、腐敗した食品類、衣類、寝具類
から発生する臭気、或いは喫煙により発生するタバコ臭
等非常に多種多様の悪臭として存在する。
【0004】これら様々な悪臭を消臭するためには、よ
り多種類の悪臭成分に有効な消臭剤を使用する必要があ
り、消臭手段として、酸化亜鉛を練り込んだ脱臭繊維が
特開平5−98564号公報、特開平5−156510
号公報、特開平6−200415号公報、特開平7−1
97309号公報等にて開示されている。しかし、これ
らの酸化亜鉛による脱臭繊維は、硫化水素、メチルメル
カプタン等の硫黄化合物に対する消臭性能はあるもの
の、タバコ臭(アセトアルデヒドが主体)に対する消臭
性能がなく、また用いられる基材ポリマーもポリエステ
ルである。
【0005】また、ゼオライトを練り込んだ消臭繊維が
特開平4−50368号公報、特開平5−230759
号公報等にて開示されているが、これらは、銀、銅、亜
鉛等から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを含有す
るゼオライトの抗菌性能を利用した防臭繊維である。更
に、無機系消臭剤を練り込んだ消臭繊維が特開平3−1
52274号公報にて開示されているが、これらは、シ
リカゲル等の物質的消臭剤または硫酸鉄等の化学的消臭
剤を含有させた消臭繊維であり、消臭性能は塩基性悪臭
に対する消臭性能はあるものの、いずれもタバコ臭(ア
セトアルデヒド)に対する消臭性能はなく、また用いら
れる基材ポリマーもポリエステルである。
【0006】一方、ポリオレフィン繊維については、消
臭剤を溶解した水溶液中にポリオレフィン繊維を含侵さ
せた繊維が特開平4−50320号公報にて、また消臭
機能を有する熱接着性複合繊維が特開昭63−1967
18号公報にて、それぞれ開示されているが、いずれ
も、嵩高性の捲縮繊維ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような問題点に鑑み、後加工ではなく、基材ポリマー
であるポリオレフィンに特にタバコ臭に有効な消臭剤を
練り込むことにより、安全で、使用、洗濯等により消臭
性能が低下せず、かつ消臭効果を高める開繊性とカーペ
ット素材として好適な嵩高性を有するタバコ消臭性ポリ
オレフィン捲縮繊維を提供することにあり、また、その
タバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊維を用いたタバコ消
臭性カーペットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水に対する溶
解度が25℃で5g/リットル以下であるヒドラジン誘
導体の群から選ばれた少なくとも一種と吸着性を有する
無機物質の群から選ばれた少なくとも一種との混合物か
らなる消臭剤が1〜10重量%配合されたポリオレフィ
ンからなることを特徴とするタバコ消臭性ポリオレフィ
ン捲縮繊維、
【0009】及び、水に対する溶解度が25℃で5g/
リットル以下であるヒドラジン誘導体の群から選ばれた
少なくとも一種と吸着性を有する無機物質の群から選ば
れた少なくとも一種との混合物である消臭剤を1〜10
重量%配合したポリオレフィンを溶融紡糸した後、延伸
倍率2〜7倍の範囲で延伸を行い、引き続き、熱風温度
110〜150℃、緩和率20%以上の条件下でホット
エアー加工することを特徴とするタバコ消臭性ポリオレ
フィン捲縮繊維の製造法、
【0010】並びに、前記のタバコ消臭性ポリオレフィ
ン捲縮繊維を用いて構成され、かつ該ポリオレフィン捲
縮繊維中の消臭剤がカーペット全体に対して0.3重量
%以上含まれたことを特徴とするタバコ消臭性カーペッ
ト、にある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のタバコ消臭性ポリオレフ
ィン捲縮繊維の基材ポリマーとなるポリオレフィンとし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられが、
ポリプロピレンであることことが好ましく、特にメルト
フローレートが10〜50g/10分(230℃で測
定)のポリプロピレンであることが好ましく、また、基
材ポリマーは、ポリオレフィンを主体とし、ポリアミ
ド、ポリエステル、他のポリオレフィン等が含まれるも
のであってもよい。
【0012】ポリオレフィンに配合される消臭剤は、水
に対する溶解度が25℃で5g/リットル以下であるヒ
ドラジン誘導体の群から選ばれた少なくとも一種と吸着
性を有する無機物質の群から選ばれた少なくとも一種と
の混合物からなる。
【0013】ヒドラジン誘導体としては、ヒドラジンと
カルボン酸の脱水縮合生成物であるヒドラジドが用いら
れ、具体的には、デカン酸ヒドラジド、ドデカン酸(ラ
ウリン酸)ヒドラジド、テトラデカン酸(ミリスチン
酸)ヒドラジド、デカン二酸ジヒドラジド、ドデカン二
酸ジヒドラジド、テトラデカン二酸ジヒドラジド等の長
鎖の脂肪族モノまたはジカルボン酸ヒドラジド、安息香
酸ヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジ
ヒドラジド等の芳香族モノまたはジカルボン酸ヒドラジ
ド等が挙げられ、特にドデカン二酸ジヒドラジドが好ま
しいものとして挙げられる。これらヒドラジン誘導体
は、その単独或いは混合物であってもよい。また、吸着
性を有する無機物質としては、酸化珪素、酸化亜鉛、ア
ルミナ等が挙げられ、特に酸化珪素、酸化亜鉛及びアル
ミナの複合体であることが好ましい。
【0014】ヒドラジン誘導体と吸着性無機物質化合物
との混合比率は、重量比で1:4〜4:1であることが
好ましく、また、ヒドラジン誘導体または吸着性無機物
質化合物が平均粒径20ミクロン以下の微粉末であるこ
とが好ましい。
【0015】前記消臭剤は、ポリオレフィンに1〜10
重量%配合される。消臭剤の配合量が1重量%未満で
は、タバコ臭に対する消臭効果が不十分であり、10重
量%を超えると、溶融紡糸による繊維形成時の糸切れに
より繊維自体得ることが困難である。
【0016】本発明のタバコ消臭性ポリオレフィン捲縮
繊維は、繊維の単一構造の基材ポリマーのポリオレフィ
ンに消臭剤が均一に配合されていてもよいし、また、繊
維の構造を鞘芯構造とし、芯部をポリオレフィン或いは
ポリアミド、ポリエステル若しくは他のポリオレフィン
等として、鞘部のポリオレフィンに消臭剤が配合されて
いてもよい。繊維が単一構造であるときは、消臭剤の配
合量が1〜5重量%であることが好ましく、繊維が鞘芯
構造であるときは、好ましくは鞘/芯比率を1/3〜3
/1とし、鞘部に消臭剤を高配合量に配合することがで
きる。また、繊維の断面形状は、円形断面であっても、
またY字形、三角形等の異形断面であってもよい。
【0017】本発明のタバコ消臭性ポリオレフィン捲縮
繊維は、嵩高性が6cm3/g以上、アンモニア及びア
セトアルデヒドに対する消臭率がそれぞれ60%以上で
あり、開繊性の良好な優れた嵩高性と共にタバコ臭に対
する優れた消臭性能を有する。
【0018】本発明のタバコ消臭性ポリオレフィン捲縮
繊維は、以下に説明する製造法により製造される。すな
わち、本発明のタバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊維
は、水に対する溶解度が25℃で5g/リットル以下で
あるヒドラジン誘導体の群から選ばれた少なくとも一種
と吸着性を有する無機物質の群から選ばれた少なくとも
一種との混合物である消臭剤を1〜10重量%ポリオレ
フィンに配合し、消臭剤を配合したポリオレフィンを溶
融紡糸した後、延伸倍率2〜7倍の範囲で延伸を行い、
引き続き、熱風温度110〜150℃、緩和率20%以
上の条件下でホットエアー加工することにより製造され
る。
【0019】ポリオレフィンとしては、ポリプロピレ
ン、特にメルトフローレートが10〜50g/10分
(230℃で測定)のポリプロピレンが好ましく用いら
れ、メルトフローレートが10g/10分未満である
と、溶融紡糸温度を高温に設定せねばならず、高温では
消臭剤の変質を招き満足すべき消臭性能が得られず、ま
た紡糸口金部の圧力上昇が速く紡糸口金の寿命を縮める
だけでなく製糸安定性が不良となり、メルトフローレー
トが50g/10分を超えると断面斑が発生し製糸安定
性が悪化する。
【0020】ポリオレフィンへの消臭剤の配合は、ポリ
オレフィンの溶融紡糸以前の工程で行われるが、その配
合方法については、特に制限はなく、高濃度の消臭剤を
ポリオレフィンに添加してマスターバッチとし、消臭剤
無添加のポリオレフィンで消臭剤を所定量の配合量とな
るよう希釈してもよい。また、ポリオレフィンには、熱
安定剤、耐候性安定剤、滑剤、染顔料、帯電防止剤、難
燃剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
【0021】消臭剤を配合したポリオレフィンの溶融紡
糸には、公知の任意の溶融紡糸法が採用され、繊維を単
一構造とするときは、通常の紡糸法が、また繊維を鞘芯
構造とするときは、鞘芯複合紡糸法等が用いられる。ま
た、繊維の断面形状を円形断面、異形断面とするとき
は、それぞれ円形ノズル、異形ノズルを用いた溶融紡糸
法が採用される。
【0022】溶融紡糸後の未延伸糸は、延伸倍率2〜7
倍の範囲で延伸が行われるが、延伸倍率が2倍未満で
は、繊維強度が低下し、7倍を超えると、製糸安定性が
低下する。
【0023】延伸に引き続き行われるホットエアー加工
は、熱風によって捲縮を付与する捲縮加工であり、ホッ
トエアー加工には、図1に示すような熱風を噴射するフ
ィードノズルを備えた熱風導入室、熱風を排気する筒体
全体に放射状のスリットのある円筒状の捲縮ノズルを備
えた捲縮室及び捲縮定着室を順次配置した捲縮付与装置
が用いられる。なお、捲縮ノズルにおけるスリットは孔
であってもよい。図1中、aは延伸糸、1は糸条案内
管、2は熱風導入室、3は熱風フィードノズル、4は捲
縮室、5は捲縮ノズル、6は捲縮定着室、7は熱風導入
口、8は熱風排気口、bは捲縮糸を示す。
【0024】図1において、延伸糸aは、糸条入口の近
傍の熱風導入室2にて糸条案内管1の側壁の熱風フィー
ドノズル3から糸条の走行方向とほぼ同方向の斜め方向
に熱風が熱風圧3〜5kg/cm2で噴射され、加熱さ
れた状態で捲縮室4に送られ、捲縮室4にて、図2に示
すように、糸条の走行路に対してほぼ直角にかつ筒体全
体に放射状に熱風のみを排気するスリット5aを走行路
の筒体側壁に有する円筒状の捲縮ノズル5によって熱風
の排気圧と渦流との作用により捲縮が付与され、非加熱
の捲縮定着室6にて糸条は徐冷されて捲縮形態が固定さ
れて、捲縮糸bとされる。
【0025】ホットエアー加工における熱風温度は、1
10〜150℃の範囲とし、この温度範囲にて、用いる
ポリオレフィンに応じ、その糸条を軟化することがで
き、かつ溶融には至らぬ温度を適宜選択する。また、ホ
ットエアー加工における緩和率は20%以上とし、この
ホットエアー加工により、良好な捲縮性と嵩高性のある
タバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊維が得られる。
【0026】本発明のタバコ消臭性ポリオレフィン捲縮
繊維は、悪臭、特にタバコ臭に対する優れた消臭性能を
有し、また、良好な捲縮性と嵩高性を有することから、
カーペットに好適な素材として用いられ、本発明のタバ
コ消臭性ポリオレフィン捲縮繊維を単独で或いは他の繊
維と組み合わされて構成され、かつ繊維中の消臭剤がカ
ーペット全体に対して0.3重量%以上含まれたカーペ
ットは、タバコ臭に対し優れた消臭性を奏するものであ
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中、消臭性能及び嵩高性の評価は、次
の方法に拠った。
【0028】〈消臭性能評価〉下記所定の初期濃度の悪
臭成分の入ったポリプロピレン製容器に、試料繊維の編
地5gを投入し、密栓して常温で下記所定の時間放置し
た後、検知管にてこの容器中の悪臭ガス残存濃度を測定
し、次式にて消臭率を求めた。 消臭率(%)=(悪臭ガス残存濃度/悪臭ガス初期濃度)×100 悪臭ガス 悪臭ガス初期濃度 放置時間 アンモニア 200ppm 20分 アセトアルデヒド 80ppm 240分 なお、性能的に満足できる消臭率は、60%以上であ
る。
【0029】〈嵩高性評価〉試料を束ねて、約12万デ
ニールのカセ状のサンプルを作成する。このカセ試料を
測定台に乗せ、その上に初荷重A(20g)を乗せる。
1分後、初荷重Aの上に更に荷重B(200g)を乗せ
る。1分後、試料の高さ(Hcm)を読み取る。試料台
よりはみ出た試料を切り落とし、残った試料の重量(X
g)を測定し、次式により嵩高性を求めた。 嵩高性(cm3/g)=4H/X
【0030】(実施例1)消臭剤として、ドデカン二酸
ジヒドラジド(溶解度1g/リットル以下)/酸化亜鉛
・酸化珪素・アルミナ複合体(平均粒径10μm)の混
合比率1:2の混合物を用い、メルトフローレート(以
下MFRという)30g/10分(230℃測定)のポ
リプロピレンに消臭剤を30重量%配合したポリマー
を、MFR30g/10分(230℃測定)のポリプロ
ピレンで消臭剤が1.5重量%となるように希釈した。
得られた希釈ポリマーを第1ゾーン200℃、第2ゾー
ン220℃に設定された押出機を用いて溶融し、孔形が
Y字形の紡糸ノズルにて吐出し、引取速度350m/分
で巻き取り未延伸糸を得た。
【0031】この未延伸糸を延伸温度80℃、延伸倍率
3.22倍で延伸し、引き続き、図1に示すような捲縮
付与装置で、熱風温度120℃、緩和率30%でホット
エアー加工して1000デニール/60フィラメントの
Y字形断面の捲縮糸を製糸安定性よく得た。得られた捲
縮糸の糸物性、消臭性能及び嵩高性を表1に示した。ま
た、得られた捲縮糸の繊維断面写真を図3に示した。
【0032】(実施例2)MFR30g/10分(23
0℃測定)のポリプロピレンに実施例1で用いたと同じ
消臭剤を30重量%配合したポリマーを、MFR30g
/10分(230℃測定)のポリプロピレンで消臭剤が
3重量%となるように希釈した。得られた希釈ポリマー
を用いた以外は、実施例1と同様にして1000デニー
ル/60フィラメントの捲縮糸を得た。得られた捲縮糸
の糸物性を表1に示した。また、この捲縮糸に対してM
FR30g/10分(230℃測定)の消臭剤無配合の
ポリプロピレンを用いて実施例1と同様にして紡糸後、
延伸、ホットエアー加工して得た捲縮糸を2倍量用いて
エアー交絡処理しミックス糸を得た。このミックス糸に
おける消臭剤の含有量は1重量%であり、ミックス糸の
消臭性能と嵩高性を表1に示した。
【0033】(実施例3)MFR30g/10分(23
0℃測定)のポリプロピレンに実施例1で用いたのと同
じ消臭剤を30重量%配合したポリマーを、MFR30
g/10分(230℃測定)のポリプロピレンで消臭剤
が6重量%となるように希釈して鞘部ポリマーとし、M
FR30g/10分(230℃測定)の消臭剤無配合の
ポリプロピレンを芯部ポリマーとして用い、紡糸ノズル
に孔形がY字形の鞘芯複合紡糸ノズルを用いた以外は、
実施例1と同様の条件で、1000デニール/60フィ
ラメントのY字形断面の鞘芯複合捲縮糸を製糸安定性よ
く得た。
【0034】得られた鞘芯複合捲縮糸の糸物性を表1に
示した。また、この鞘芯複合捲縮糸に対してMFR30
g/10分(230℃測定)の消臭剤無配合のポリプロ
ピレンを用いて実施例1と同様にして紡糸後、延伸、ホ
ットエアー加工して得た捲縮糸を2倍量用いてエアー交
絡処理しミックス糸を得た。このミックス糸における消
臭剤の含有量は1重量%であり、ミックス糸の消臭性能
と嵩高性を表1に示した。
【0035】(実施例4)実施例3において、紡糸ノズ
ルを孔形が三角形の鞘芯複合紡糸ノズルに代えた以外
は、実施例3と同様の条件で、1000デニール/60
フィラメントの三角形断面の鞘芯複合捲縮糸を製糸安定
性よく得た。得られた鞘芯複合捲縮糸の糸物性を表1
に、繊維断面写真を図4にそれぞれ示した。また、この
鞘芯複合捲縮糸に対してMFR30g/10分(230
℃測定)の消臭剤無配合のポリプロピレンを用いて実施
例1と同様にして紡糸後、延伸、ホットエアー加工して
得た捲縮糸を2倍量用いてエアー交絡処理しミックス糸
を得た。このミックス糸における消臭剤の含有量は1重
量%であり、ミックス糸の消臭性能と嵩高性を表1に示
した。
【0036】(実施例5)実施例3において、紡糸ノズ
ルを孔形が円形の鞘芯複合紡糸ノズルに代えた以外は、
実施例3と同様の条件で、1000デニール/60フィ
ラメントの円形断面の鞘芯複合捲縮糸を製糸安定性よく
得た。得られた鞘芯複合捲縮糸の糸物性を表1に、繊維
断面写真を図5にそれぞれ示した。また、この鞘芯複合
捲縮糸に対してMFR30g/10分(230℃測定)
の消臭剤無配合のポリプロピレンを用いて実施例1と同
様にして紡糸後、延伸、ホットエアー加工して得た捲縮
糸を2倍量用いてエアー交絡処理しミックス糸を得た。
このミックス糸における消臭剤の含有量は1重量%であ
り、ミックス糸の消臭性能と嵩高性を表1に示した。
【0037】(実施例6)MFR30g/10分(23
0℃測定)のポリプロピレンに実施例1で用いたと同じ
消臭剤を30重量%配合したポリマーを、MFR30g
/10分(230℃測定)のポリプロピレンで消臭剤が
3重量%となるように希釈した。得られた希釈ポリマー
に顔料0.5重量%を添加し、第1ゾーン185℃、第
2ゾーン190℃、第3ゾーン195℃、第4〜7ゾー
ン200℃に設定された押出機Aにて、MFR30g/
10分(230℃測定)の消臭剤無配合のポリプロピレ
ンに顔料0.5重量%を添加し、押出機Aと同じ条件に
設定した押出機B、Cにて、溶融し、孔形が三角形の紡
糸ノズルにて吐出し、引取速度533m/分で巻き取り
未延伸糸を得た。
【0038】この未延伸糸を延伸温度100℃、延伸倍
率2.70倍で延伸し、引き続き、図1に示すような捲
縮付与装置で、熱風温度125℃、緩和率20%でホッ
トエアー加工し、更にエアー交絡処理して2400デニ
ール/180フィラメントの三角形断面の捲縮糸を製糸
安定性よく得た。この捲縮糸における消臭剤の含有量は
1重量%であり、得られた捲縮糸の糸物性、消臭性能及
び嵩高性を表1に示した。
【0039】(比較例1)実施例1において、希釈ポリ
マーをMFR30g/10分(230℃測定)のポリプ
ロピレンで消臭剤が0.5重量%となるように希釈して
得た希釈ポリマーに代えた以外は、実施例1と同様にし
て、1000デニール/60フィラメントのY字形断面
の捲縮糸を得た。得られた捲縮糸の糸物性、消臭性能及
び嵩高性を表1に示した。得られた捲縮糸は、嵩高性は
良好であるもの、消臭性能に劣るものであった。
【0040】(比較例2)実施例1において、希釈ポリ
マーをMFR30g/10分(230℃測定)のポリプ
ロピレンで消臭剤が6重量%となるように希釈して得た
希釈ポリマーに代え、紡糸ノズルとして孔形が円形の紡
糸ノズルを用いた以外は、実施例1と同様にして、捲縮
糸を得ようとしたが、製糸安定性が悪く、捲縮糸を得る
ことができなかった。
【0041】(比較例3)実施例3において、鞘部ポリ
マーをMFR30g/10分(230℃測定)のポリプ
ロピレンで消臭剤が12重量%となるように希釈して得
た希釈ポリマーに代えた以外は、実施例3と同様にし
て、捲縮糸を得ようとしたが、製糸安定性が悪く、捲縮
糸を得ることができなかった。
【0042】(比較例4)実施例1において、MFR3
0g/10分(230℃測定)のポリプロピレンを用
い、紡糸ノズルとして孔形がY字形の紡糸ノズルを用い
た以外は、実施例1と同様にして紡糸後、延伸しただけ
で、ホットエアー加工せずにY字形断面の延伸糸を得
た。この延伸糸の消臭性能と嵩高性を表1に示した。
【0043】(比較例5)実施例1において、MFR3
0g/10分(230℃測定)のポリプロピレンを用
い、紡糸ノズルとして孔形が三角形の紡糸ノズルを用い
た以外は、実施例1と同様にして紡糸後、延伸しただけ
で、ホットエアー加工せずに三角形断面の延伸糸を得
た。この延伸糸の消臭性能と嵩高性を表1に示した。
【0044】(比較例6)実施例1において、MFR3
0g/10分(230℃測定)の消臭剤無配合のポリプ
ロピレンを用い、紡糸ノズルとして孔形が円形の紡糸ノ
ズルを用いた以外は、実施例1と同様にして紡糸後、延
伸しただけで、ホットエアー加工せずに円形断面の延伸
糸を得た。この延伸糸の消臭性能と嵩高性を表1に示し
た。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明のタバコ消臭性ポリオレフィン捲
縮繊維は、特にタバコ臭に対する優れた消臭性能を有
し、練り込みによる消臭性の付与により、安全で、使
用、洗濯等による消臭性能の低下もなく、かつ消臭効果
を高める開繊性と嵩高性を有するものであり、また、そ
の嵩高性によりカーペット素材として好適なるものであ
る。また、本発明のタバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊
維を用いてなるカーペットも家庭、事務所、車両等にお
けるタバコ消臭性カーペットとして有用なるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊維
を得るに際し用いるホットエアー加工における捲縮付与
装置の例の縦断面図である。
【図2】図1の捲縮付与装置における捲縮ノズルの拡大
横断面図である。
【図3】実施例1で得られた捲縮糸の繊維断面写真(倍
率200)である。
【図4】実施例4で得られた捲縮糸の繊維断面写真(倍
率200)である。
【図5】実施例5で得られた捲縮糸の繊維断面写真(倍
率200)である。
【符号の説明】
a 延伸糸 1 糸条案内管 2 熱風導入室 3 熱風フィードノズル 4 捲縮室 5 捲縮ノズル 5a スリット 6 捲縮定着室 7 熱風導入口 8 熱風排気口 b 捲縮糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 101/12 C08L 101/12 D02G 1/00 D02G 1/00 Z D02J 1/22 D02J 1/22 J (72)発明者 坂倉 秀夫 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (72)発明者 佐山 有紀子 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (72)発明者 山縣 民次 大阪府茨木市真砂1丁目3番21号

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に対する溶解度が25℃で5g/リッ
    トル以下であるヒドラジン誘導体の群から選ばれた少な
    くとも一種と吸着性を有する無機物質の群から選ばれた
    少なくとも一種との混合物からなる消臭剤が1〜10重
    量%配合されたポリオレフィンからなることを特徴とす
    るタバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊維。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンが、メルトフローレート
    が10〜50g/10分(230℃測定)のポリプロピ
    レンである請求項1記載のタバコ消臭性ポリオレフィン
    捲縮繊維。
  3. 【請求項3】 嵩高性が6cm3/g以上、アンモニア
    及びアセトアルデヒドに対する消臭率がそれぞれ60%
    以上である請求項1または請求項2記載のタバコ消臭性
    ポリオレフィン捲縮繊維。
  4. 【請求項4】 ヒドラジン誘導体が、長鎖の脂肪族モノ
    またはジカルボン酸ヒドラジド、或いは芳香族モノまた
    はジカルボン酸ヒドラジドである請求項1、請求項2ま
    たは請求項3記載のタバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊
    維。
  5. 【請求項5】 ヒドラジン誘導体と吸着性を有する無機
    物質との混合比率が1:4〜4:1である請求項1、請
    求項2、請求項3または請求項4記載のタバコ消臭性ポ
    リオレフィン捲縮繊維。
  6. 【請求項6】 ヒドラジン誘導体または吸着性を有する
    無機物質が平均粒径20ミクロン以下の微粉末である請
    求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5
    記載のタバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊維。
  7. 【請求項7】 水に対する溶解度が25℃で5g/リッ
    トル以下であるヒドラジン誘導体の群から選ばれた少な
    くとも一種と吸着性を有する無機物質の群から選ばれた
    少なくとも一種との混合物である消臭剤を1〜10重量
    %配合したポリオレフィンを溶融紡糸した後、延伸倍率
    2〜7倍の範囲で延伸を行い、引き続き、熱風温度11
    0〜150℃、緩和率20%以上の条件下でホットエア
    ー加工することを特徴とするタバコ消臭性ポリオレフィ
    ン捲縮繊維の製造法。
  8. 【請求項8】 ポリオレフィンとして、メルトフローレ
    ートが10〜50g/10分(230℃測定)のポリプ
    ロピレンを用いる請求項7記載のタバコ消臭性ポリオレ
    フィン捲縮繊維の製造法。
  9. 【請求項9】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5または請求項6記載のタバコ消臭性ポリオ
    レフィン捲縮繊維を用いて構成され、かつ該ポリオレフ
    ィン捲縮繊維中の消臭剤がカーペット全体に対して0.
    3重量%以上含まれたことを特徴とするタバコ消臭性カ
    ーペット。
JP8334447A 1996-12-02 1996-12-02 タバコ消臭性ポリオレフィン捲縮繊維及びその製造法並びにその捲縮繊維を用いたタバコ消臭性カーペット Pending JPH10168652A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100468909B1 (ko) * 1997-11-24 2005-04-08 주식회사 효성 항균카페트용폴리프로필렌섬유의제조방법
WO2018203536A1 (ja) * 2017-05-01 2018-11-08 大阪ガスケミカル株式会社 臭気物質吸着剤
JP2018187336A (ja) * 2017-05-01 2018-11-29 大阪ガスケミカル株式会社 臭気物質吸着剤
KR102067400B1 (ko) * 2018-07-20 2020-01-17 (주)우노 앤 컴퍼니 드레드록스 붙임머리용 가발원사다발 및 그 제조방법

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