JPH10166595A - ノズル形成部材の製造方法及びインクジェットヘッド - Google Patents

ノズル形成部材の製造方法及びインクジェットヘッド

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JPH10166595A
JPH10166595A JP32646196A JP32646196A JPH10166595A JP H10166595 A JPH10166595 A JP H10166595A JP 32646196 A JP32646196 A JP 32646196A JP 32646196 A JP32646196 A JP 32646196A JP H10166595 A JPH10166595 A JP H10166595A
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善久 太田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク滴吐出方向、滴吐出安定性を十分に確
保することができない。 【解決手段】 ノズル径を規定した部材を形成するノズ
ル形成工程と、このノズル形成工程で得られた部材に対
してノズル内部形状を規定するためのフォトレジストパ
ターンを形成するフォトレジストパターン形成工程と、
このフォトレジストパターン形成工程で得られた部材に
対してノズル内部形状を形成する金属電鋳工程を順次行
って、ノズルプレート33のノズル38の内部形状を略
円柱形状又は略円錘台形状に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はノズル形成部材の製
造方法に関し、特にインクジェットヘッド用ノズル形成
部材の製造方法及びインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録時の振
動、騒音が殆どなく、特にカラー化が容易なことから、
コンピュータ等のデジタル処理装置のデータを出力する
プリンタの他、ファクシミリやコピー機等にも用いられ
るようになっている。このようなインクジェット記録装
置に用いられるインクジェットヘッドは、圧電素子、発
熱抵抗体等のアクチュエータ素子を記録信号に応じて駆
動することによってノズルからインク滴を吐出飛翔させ
ることによって記録媒体上に画像記録を行なうものであ
る。
【0003】このようなインクジェットヘッドは、構造
上、ヘッド構成部材の積層の端面側よりインク滴を吐出
するエッジシュータ方式のものと、ノズル形成部材に略
円形のノズルを形成するサイドシュータ方式のものとに
大別することができる。このサイドシュータ方式のイン
クジェットヘッドとしては、従来、例えば特開平6−2
55099号公報に記載されているように、圧電素子上
に、ダイアフラム部を有する振動板を積層し、この振動
板上に圧電素子でダイアフラム部を介して加圧される液
室及びこの液室にインクを供給するインク供給路を形成
する流路形成部材を積層し、更にこの流路形成部材上に
ノズルを形成したノズル形成部材を積層したものが知ら
れている。
【0004】このようなインクジェットヘッドにおける
ノズル形成部材の製造方法としては、特開昭62−23
4941号公報に記載されているように、金属基板上に
第1のマスクを形成し、このマスク上に第1のマスクの
マスク幅よりも狭く且つ高さの高い第2のマスクを形成
して、金属基板の露出表面上に金属を形成して、第1、
第2のマスク及び金属基板を除去する方法が知られてい
る。
【0005】また、特開平4−142929号公報に記
載されているように、厚付けメッキにより形成され、ノ
ズル穴を形成するためのフォトレジストによるパターニ
ングと、ノズル穴の穴径が一定になるようにパターニン
グの中心部分へノズル穴の穴径を規制するためのフォト
レジストによるパターニングを行う方法も知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】インクジェットヘッド
におけるノズル形成部材はインク滴吐出特性に大きな影
響を及ぼすものであり、ノズルの径寸法はインク滴体積
Mj及びインク滴吐出速度Vjを制御する重要なパラメ
ータである。さらに、ノズル形成部材のインク吐出表面
部(以下、「ノズル表面」という。)のインクに対する
濡れ性は、インク滴吐出方向やインク滴吐出安定性を左
右し、ノズル表面にインク溜りが存在すると、インク溜
りと吐出されたインク滴とが引き付け合って吐出方向が
歪められる。さらに、インク滴吐出の不均一の原因とな
ってインク滴吐出速度Vjが低下したり、インク液室へ
の気泡の巻き込みが発生して、インク滴吐出不良に発展
する。
【0007】特に、ノズル内部形状はインク滴吐出方向
やインク滴吐出安定性を向上させるために大きな影響を
及ぼす。上述した従来のノズル形成部材の製造方法は、
いずれもノズル径精度の向上、ノズル厚さ向上などを目
的とするものであるが、ノズル内部形状を規定すること
ができない。そのために、インク滴吐出方向、滴吐出安
定性を十分に確保するだけのノズル内部形状を有するノ
ズル形成部材を得ることができない。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、ノズル内部形状を理想的に形成することができる
ノズル形成部材の製造方法を提供し、ノズル内部形状が
理想的なインクジェットヘッドを提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のノズル形成部材の製造方法は、ノズル径
を規定した部材を形成するノズル形成工程と、このノズ
ル形成工程で得られた部材に対してノズル内部形状を規
定するためのフォトレジストパターンを形成するフォト
レジストパターン形成工程と、このフォトレジストパタ
ーン形成工程で得られた部材に対してノズル内部形状を
形成する金属電鋳工程を順次行う構成とした。
【0010】請求項2のノズル形成部材の製造方法は、
ノズル径を規定した部材を形成するノズル形成工程と、
このノズル形成工程で得られた部材に対してノズル内部
形状を規定するためのフォトレジストパターンを形成す
る第1フォトレジストパターン形成工程と、この第1フ
ォトレジストパターン形成工程で得られた部材に対して
ノズル内部形状を形成する金属電鋳工程と、この金属電
鋳工程で得られた部材に対してノズル表面処理形成用の
フォトレジストパターンを形成する第2フォトレジスト
パターン形成工程と、この第2フォトレジストパターン
形成工程で得られた部材のノズル表面側に表面処理層を
形成する表面処理層形成工程を順次行う構成とした。
【0011】請求項3のノズル形成部材の製造方法は、
上記請求項1又は2のノズル形成部材の製造方法におい
て、前記ノズル形成工程で得られた部材に対してノズル
内部形状を規定するためのフォトレジストパターンを形
成するフォトレジストパターン形成工程では、前記ノズ
ル形成工程で得られた部材をマスクパターンとして使用
する構成とした。
【0012】請求項4のノズル形成部材の製造方法は、
上記請求項1乃至3のいずれかのノズル形成部材の製造
方法において、前記フォトレジストパターン形成工程で
は、フォトレジスト材としてドライフィルムレジストを
使用し、部材の両面にラミネートした後、所定のパター
ンを形成する構成とした。
【0013】請求項5のノズル形成部材の製造方法は、
上記請求項1乃至4のいずれかのノズル形成部材の製造
方法において、前記ノズル形成工程は、基板上のノズル
形成位置に対応するフォトレジストパターンを形成する
工程と、前記基板上の露出面に金属電鋳を行う工程を含
む構成とした。
【0014】請求項6のインクジェットヘッドは、ノズ
ルを有するノズル形成部材を備えたインクジェットヘッ
ドにおいて、前記ノズル形成部材のノズルの内部形状を
略円柱形状又は略円錘台形状に形成した構成とした。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。以下、本発明の実施の形態を
添付図面を参照して説明する。図1は本発明を適用した
インクジェットヘッドの分解斜視図、図2は同ヘッドの
チャンネル方向(ノズル配列方向)と直交する方向の要
部拡大断面図、図3は同ヘッドのチャンネル方向の要部
拡大断面図である。
【0016】このインクジェットヘッドは、駆動ユニッ
ト1と、液室ユニット2と、ヘッドカバー3とを備えて
いる。駆動ユニット1は、セラミックス基板、例えばチ
タン酸バリウム、アルミナ、フォルステライトなどの絶
縁性の基板11上に、エネルギー発生素子である複数の
積層型圧電素子12を列状に2列配置して接合し、これ
ら2列の各圧電素子12の周囲を取り囲む樹脂、セラミ
ック等からなるフレーム部材(支持体)13を接着剤
(接合剤)14によって接合している。
【0017】複数の圧電素子12は、インクを液滴化し
て飛翔させるための駆動パルスが与えられる圧電素子
(これを「駆動部」という。)17,17…と、駆動部
17,17間に位置し、駆動パルスが与えられずに単に
液室ユニット2を基板11に固定する液室支柱部材とな
る圧電素子(これを「非駆動部」という。)18,18
…とを交互に構成している。
【0018】ここで、圧電素子12としては10層以上
の積層型圧電素子を用いている。この積層型圧電素子
は、例えば図2に示すように、厚さ10〜50μm/1
層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)20と、厚さ数μ
m/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電
極21とを交互に積層したものであるが、圧電素子とし
て用いる材料は上記に限られるものでなく、その他の電
気機械変換素子を用いることもできる。
【0019】各圧電素子12の内部電極21は1層おき
にAgPdからなる左右の端面電極22,23(2つの圧
電素子列の対向する面側を端面電極22とし、対向しな
い面側を端面電極23とする。)に接続している。一
方、基板11上には、図1に示すようにNi・Au蒸着、
Auメッキ、AgPtペースト印刷、AgPdペースト印刷
等によって共通電極24及び個別電極25の各パターン
を設けている。
【0020】そして、各列の各圧電素子12の対向する
端面電極22を導電性接着剤26を介して共通電極24
に接続し、他方、各列の各圧電素子12の対向しない端
面電極23を同じく導電性接着剤26を介してそれぞれ
個別電極25に接続している。これにより、駆動部17
に駆動電圧を与えることによって、積層方向に電界が発
生して、駆動部17には積層方向の伸びの変位(d33
方向の変位)が生起される。なお、共通電極24は、図
2にも示すように、フレーム部材13に設けた穴13a
内に導電性接着剤26を充填することで各圧電素子に接
続されたパターンの導通を取っている。
【0021】一方、液室ユニット2は、金属或いは樹脂
の薄膜からなる振動板31と、ドライフィルムレジスト
(DFR)からなる感光性樹脂層で形成した2層構造の
液室隔壁部材32と、金属、樹脂等からなるノズルプレ
ート33とを順次を積層し、熱融着して形成している。
これらの各部材によって、1つの圧電素子12(駆動部
17)と、この1つの圧電素子12に対応するダイアフ
ラム部34と、各ダイアフラム部34を介して加圧され
る加圧液室35と、この加圧液室35の両側に位置して
加圧液室35に供給するインクを導入する共通液室3
6,36と、加圧液室35と共通液室36,36とを連
通するインク供給路37,37と、加圧液室35に連通
するノズル38とによって1つのチャンネルを形成し、
このチャンネルを複数個2列設けている。
【0022】振動板31は、駆動部17に対応する前記
ダイアフラム部34と、非駆動部18に接合する梁41
及びフレーム部材13に接合するベース42とを形成し
ている。ダイアフラム部34は、駆動部17に接合する
島状凸部43と、この凸部43の周囲に形成した厚み3
〜10μm程度の最薄膜部分(ダイアフラム領域)44
とからなる。
【0023】液室隔壁部材32は、振動板31側に予め
ドライフィルムレジストを塗布して所要のマスクを用い
て露光し、現像して所定の液室パターンを形成した第1
感光性樹脂層45と、ノズルプレート33側に予めドラ
イフィルムレジストを塗布して所要のマスクを用いて露
光し、現像して所定の液室パターンを形成した第2感光
性樹脂層46とを熱圧着で接合してなる。
【0024】ノズルプレート33にはインク滴を飛翔さ
せるための微細な吐出口であるノズル38を多数を形成
している。このノズル38の内部形状(内側形状)は、
略円柱形状(又は略円錘台形状でもよい。)に形成して
いる。また、このノズル38の径はインク滴出口側の直
径で約25〜35μmである。このノズルプレート33
の製造方法については後述する。
【0025】このノズルプレート33のインク吐出面
(ノズル表面側)は、図1に示すように撥水性の表面処
理を施した撥水処理面47としている。例えば、PTF
E−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性の
あるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コー
トしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布
後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理
膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高
品位の画像品質を得られるようにしている。なお、ノズ
ルプレート33の周縁部は撥水処理膜を形成しない非撥
水処理面48としている。
【0026】これらの駆動ユニット1と液室ユニット2
とはそれぞれ別個に加工、組立を行なった後、液室ユニ
ット2の振動板31と駆動ユニット1の圧電素子12及
びフレーム部材13とを接着剤49で接合している。
【0027】そして、基板11をヘッド支持部材である
スペーサ部材(ヘッドホルダ)50上に支持して保持
し、このスペーサ部材50内に配設したヘッド駆動用I
C等を有するPCB基板と駆動ユニット1の各圧電素子
12(駆動部17)に接続した各電極24,25とをF
PCケーブル51,51を介して接続している。
【0028】また、ノズルカバー(ヘッドカバー)3
は、ノズルプレート33の周縁部及びヘッド側面を覆う
箱状に形成したものであり、ノズルプレート33の撥水
処理面47に対応して開口部を形成し、ノズルプレート
33の周縁部に残した非撥水処理面48に接着剤にて接
着接合している。さらに、このインクジェットヘッドに
は、図示しないインクカートリッジからのインクを液室
に供給するため、スペーサ部材50、基板11、フレー
ム部材13及び振動板31にそれぞれインク供給穴52
〜55を設けている。
【0029】このように構成したインクジェットヘッド
においては、記録信号に応じて駆動部17に駆動波形
(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによっ
て、駆動部17に積層方向の変位が生起し、振動板31
のダイアフラム部34を介して加圧液室35が加圧され
て圧力が上昇し、ノズル38からインク滴が吐出され
る。このとき、加圧液室35から共通液室36へ通じる
インク供給路37,37方向へもインクの流れが発生す
るが、インク供給路37,37の断面積を狭小にするこ
とで流体抵抗部として機能させて共通液室36,36側
へのインクの流れを低減し、インク吐出効率の低下を防
いでいる。
【0030】そして、インク滴吐出の終了に伴い、加圧
液室35内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性
と駆動パルスの放電過程によって加圧液室34内に負圧
が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、イン
クタンクから供給されたインクは共通液室36,36に
流入し、共通液室36,36からインク供給路37,3
7を経て加圧液室35内に充填される。そして、ノズル
38の出口付近のインクメニスカス面の振動が減衰し、
表面張力によってノズル38の出口付近に戻されて(リ
フィル)安定状態に至れば、次のインク滴吐出動作に移
行する。
【0031】次に、このインクジェットヘッドにおける
ノズルプレート(ノズル形成部材)のノズル内部形状及
びその製造方法について図4以降をも参照して説明す
る。先ず、本発明に係るノズル形成部材の製造方法のう
ちのノズル径を規定した部材を形成するノズル形成工程
について図4を参照して説明する。
【0032】同図(a)に示すように金属基板61を準
備して、同図(b)に示すように基板61上に液体フォ
トレジスト剤をスピンコート法などで約0.5〜3μm
の膜厚で塗布してフォトレジスト膜62を形成する。こ
の膜厚制御は、レジスト剤の粘度とスピン回転数の制御
によって行うことができる。
【0033】次いで、同図(c)に示すように各ノズル
位置に対応した箇所にレジスト膜62を残すために、マ
スク63を用いて露光し、現像工程、リンス工程、レジ
スト剤硬化工程を経て、同図(d)に示すようにノズル
形成用のレジストパターン64を形成する。そして、こ
のノズル形成用レジストパターン64を形成した基板6
1を電鋳メッキ槽内にセッティングして、金属基板61
の露出した表面にメッキ成長させる。
【0034】そして、同図(e)に示すように所望のノ
ズル径になるまで電鋳形成したメッキ膜65を形成した
後、同図(f)に示すように基板61からメッキ膜65
を剥離して付着したレジスト剤を除去することによっ
て、ノズル孔67を有する第1ノズル形成部材66が完
成する。このようなフォトレジストパターンを用いた電
鋳工法による第1ノズル形成部材66は、ノズル孔67
の開口部を最小径とし、液室方向に向かって略円孤を描
くように径が大きくなる。
【0035】ここで、ノズルの内部形状(ノズル孔形
状)がインク滴吐出特性に及ぼす影響について説明する
と、ノズルの役割として最も重要なのはメニスカスを形
成することである。メニスカスの形成位置は基本的にノ
ズルの最小径部に形成されるので、インク滴飛翔方向に
対して徐々に小径化することが望ましく、この点ではノ
ズル孔67は要求を満足するものである。
【0036】さらに、ノズル内部形状がインク滴吐出特
性に及ぼす影響として、インク滴吐出後のインクリフィ
ル能力に対するものがある。すなわち、上述したように
ノズルからインクが吐出した後、メニスカス位置は大き
く液室内部に引き込まれた状態にあり、次のインク滴を
吐出するまでに初期のメニスカス位置に戻ることが要求
される。メニスカスが十分に戻り切らない内に次のイン
ク滴吐出動作が行われると、インク滴体積Mjが小さく
なり、インク滴吐出速度Vjが速くなる。オンディマン
ド型インクジェットヘッドにおいて、インク滴吐出タイ
ミングによってインク滴体積Mj、インク滴吐出速度V
jが変動すると、出力画像の劣化に直接つながることに
なる。
【0037】また、メニスカスをより早いタイミングで
初期位置に戻すことがインク滴吐出の駆動周波数を高く
する、つまり記録速度の高速化につながる。例えば、1
25μs後に定常位置に戻るものであれば、駆動周波数
は8kHzが限界になるが、50μsで定常位置に戻す
ことができれば駆動周波数を20kHzにすることがで
きる。この記録速度の高速化を図る上では、上述した第
1ノズル形成部材66のノズル孔67の内部形状では十
分ではない。
【0038】この場合、メニスカス復帰速度を制御する
因子は大きく2つに分けることができる。1つはノズル
の毛管力の大きさである。ノズル内部径を小さくするこ
とで毛管力が大きくなり、メニスカスの戻りを早くする
ことができる。しかし、ノズル内部径を小さくすると、
インク滴体積Mjが小さくなる。インク滴体積Mjを小
さくすることなく毛管力を向上させるには、ノズル内部
形状を略円柱形状又は略円錘台形状にする。他の1つは
液室形状に伴うインク流体抵抗の大きさである。インク
流体抵抗が大きすぎると、毛管力が大きくてもリフィル
速度は上昇しない。また、ノズルと液室の流体抵抗のバ
ランスが崩れると、インク滴体積Mj、インク滴吐出速
度Vjが大きく低下するので、ノズルの内部形状と液室
形状のマッチングが重要になる。
【0039】また、ノズルの内部形状はインク滴吐出安
定性にも大きく寄与する。ノズルにはメニスカスが形成
されるが、インク滴を吐出していないときもあり、あら
ゆる外乱に対してもメニスカスを維持できることが重要
になる。ドロップオンディマンド−シャトル型のインク
ジェット記録装置おいては、ヘッドは印字時にキャリッ
ジ上で往復移動するが、このときに起きる振動や隣接ノ
ズルの駆動による残留振動などの外乱でメニスカスが不
安定状態になると、ノズルから気泡を巻き込んだり、ノ
ズル表面をインクで汚し、結果的に記録紙を汚してしま
うことになる。
【0040】ここで、メニスカスを安定的に維持するた
めには、メニスカスを形成している状態を極力変動させ
ないことが望ましいが、ノズル内部形状をメニスカス形
成部とほぼ同一略円柱状に形成してあると、メニスカス
は外乱による影響を受けにくくなって安定性が向上す
る。
【0041】したがって、前述したようにノズルプレー
ト33のノズル38の内部形状を略円柱形状又は略円錘
台形状に形成することによって、インク滴体積Mj及び
インク滴吐出速度Vjを精度良くコントロールでき、イ
ンク滴吐出安定性が向上したインクジェットヘッドを得
ることができる。
【0042】そこで、このようなノズルプレートを形成
するための本発明に係るノズル形成部材の製造方法のう
ちのノズル形成工程に続く工程について説明する。図5
は本発明に係るノズル形成部材の製造方法の第1例を示
す工程図である。
【0043】前述したノズル形成工程と同様にして製造
した同図(a)に示すように第1ノズル形成部材71を
準備して、同図(b)に示すように、この第1ノズル形
成部材71のノズル表面及びノズル裏面(図2の加圧液
室35側の面)及びノズル孔72内部に液体ネガ型レジ
スト剤をスピンコート法若しくはディッピング法にて塗
布してフォトレジスト膜73を形成する。このとき、ノ
ズル孔72内部にレジスト剤が溜まるようにスピンコー
ト法の場合にはレジスト剤の粘度、スピン回転数を制御
し、ディッピング法の場合にはレジスト剤の粘度、引き
上げ速度を制御する。
【0044】その後、同図(c)に示すようにノズル孔
71の小径部側(ノズル表面側)から紫外線(UV)露
光をすることによって、ノズル表面側のレジスト膜73
が硬化すると共に、第1ノズル形成部材71がマスクと
なるので、ノズル孔72内側部分のレジスト膜73が硬
化して、これらの部分は硬化レジスト膜74となる。そ
こで、これを現像等することによって、同図(d)に示
すようにノズル孔72内にノズル裏面側に向かって立設
した柱状部75aを有するレジストパターン75が形成
される。このとき、柱状部75aは、露光量・レジスト
硬化温度をコントロールすることによって略円柱形状
(又は略円錘台形状)に形成することができる。
【0045】そして、このレジストパターン75が形成
された部材を電鋳槽にセットして、電鋳を行なうことに
よって、同図(e)に示すように第1ノズル形成部材7
1のレジスト膜73が除去されたノズル裏面側(ここで
は、液室側)及びノズル孔72内周面とレジストパター
ン75の柱状部75a外周面との間に入り込むメッキ層
76が形成される。なお、このメッキ層76は、前記第
1ノズル形成部材71自体もメッキ層であるので、第1
ノズル形成部材71を第1メッキ層とすれば、メッキ層
76は第2メッキ層になる。
【0046】したがって、その後、レジストパターン7
5を剥離、除去することによって、同図(f)に示すよ
うに略円柱形状(又は略円錘台形状)のノズル孔78を
有する第2ノズル形成部材77が完成する。この第2ノ
ズル形成部材77も本発明に係るノズル形成部材である
が、後述するようにノズル表面に表面処理膜を形成して
ノズルプレート33とする。
【0047】次に、図6は本発明に係るノズル形成部材
の製造方法の第2例を示す工程図である。同図(a)に
示すようなノズル孔72を有する第1ノズル形成部材7
1を準備して、同図(b)に示すように、この第1ノズ
ル形成部材71のノズル表面及びノズル裏面(図2の加
圧液室35側の面)及びノズル孔72内部にドライフィ
ルムレジスト77をラミネートする。このとき、ノズル
孔72の大径部側表面(ノズル裏面側)からドライフィ
ルムレジスト74をラミネートし、ラミネータの温度、
加圧力によってノズル孔72からドライフィルムレジス
ト74がノズル表面側にはみ出るように調整し、ノズル
表面にもドライフィルムレジスト74をラミネートし
て、全体としてドライフィルムレイジスト74を一体化
する。
【0048】その後、同図(c)に示すようにノズル孔
71の小径部側(ノズル表面側)から紫外線(UV)露
光をすることによって、ノズル表面側のドライフィルム
レジスト77が硬化すると共に、第1ノズル形成部材7
1がマスクとなるので、ノズル孔72内側部分のドライ
フィルムレジスト77が硬化して、これらの部分は硬化
ドライフィルムレジスト78となる。そこで、これを現
像等することによって、同図(d)に示すようにノズル
孔72内にノズル裏面側に向かって立設した柱状部79
aを有するレジストパターン78が形成される。このと
き、柱状部79aは、露光量・レジスト硬化温度をコン
トロールすることによって略円柱形状(又は略円錘台形
状)に形成することができる。
【0049】そして、このレジストパターン79が形成
された部材をこれを電鋳槽にセットして、電鋳を行なう
ことで、同図(d)に示すようにノズル形成部材66の
ドライフィルムレジスト77が除去されたノズル裏面側
(ここでは、液室側)及びノズル孔72内周面とレジス
トパターン79の柱状部79a外周面との間に入り込む
メッキ層76が形成される。なお、このメッキ層76
は、前記第1ノズル形成部材71自体もメッキ層である
ので、第1ノズル形成部材71を第1メッキ層とすれ
ば、メッキ層76は第2メッキ層になる。
【0050】したがって、その後、レジストパターン7
9を剥離、除去することによって、同図(f)に示すよ
うに略円柱形状(又は略円錘台形状)のノズル孔78を
有する第2ノズル形成部材77が完成する。この第2ノ
ズル形成部材77も本発明に係るノズル形成部材である
が、後述するようにノズル表面に表面処理膜を形成して
ノズルプレート33とする。
【0051】このようにドライフィルムレジストを用い
た第2例の場合には液体フォトレジストを用いる第1例
の場合よりもレジスト膜厚を厚くできるので、ノズル内
部形状を大きく改善することができて、インク滴吐出性
能を大幅に向上することができる。
【0052】また、これらの例では、ノズル形成部材と
して均一化、インクに対する濡れ性、熱膨張係数一致に
よる反りを防止するためにエレクトロフォーミング工法
で形成したノズル形成部材を用いている。また、2度目
のメッキ(電鋳)を行なう前の処理として、酸化膜除去
のための酸洗処理や有機物除去のためのアルカリ脱脂処
理などを行なって第1メッキ層(第1ノズル形成部材7
1)と第2メッキ層76との密着強度を向上させるよう
にしている。
【0053】次に、ノズル形成部材のノズル表面に撥水
性(撥インク性)表面処理膜(層)を形成してノズルプ
レート33とする工法について図7以降をも参照して説
明する。
【0054】図7は表面処理層形成工程の第1例を示す
工程図である。上述した工程を経て形成した同図(a)
に示す第2ノズル形成部材77を用いて、同図(b)に
示すように第2ノズル形成部材77の吐出面裏側(ノズ
ル裏面側)にネガ型ドライフィルムレジスト81をラミ
ネートする。このとき、ラミネート温度、圧力を調整し
て、同図(b)に示すようにドライフィルムレジスト8
1の一部がノズル孔78の孔部から吐出面側(ノズル表
面側)にはみ出したはみ出し部81aが形成されるよう
にする。このはみ出し部81aのノズル表面からのはみ
出し量は形成する表面処理層(膜)の厚みに応じて設定
する。
【0055】その後、同図(c)に示すように第2ノズ
ル形成部材77の吐出面裏側から紫外線(UV光)を照
射して全面露光することにより、同図(d)に示すよう
にドライフィルムレジスト81が硬化して硬化ドライフ
ィルムレジスト82となる。このとき、第2ノズル形成
部材77がマスクとなっているので、ノズル孔78から
吐出面側にはみ出しているはみ出し部81aはノズル孔
82に対向している部分のみが硬化されて硬化はみ出し
部82aとなる。
【0056】そこで、これを現像することによって、同
図(e)に示すようにノズル孔78から吐出面側にはみ
出したテーパ状の凸形状をなす突出部83aを有するド
ライフィルムレジストパターン83ができ上がる。この
場合、露光量及び/又は現像時間を調整可能な露光装置
や現像装置を使用することによって、露光量を大きくし
て現像時間を短くしたときには突出部83aは相対的に
太くなり、露光量を小さくして現像時間を長くしたとき
には突出部83aは相対的に細くなる、というようにド
ライフィルムレジストパターン83の突出部83aの形
状を容易に変更設定することができる。
【0057】次いで、同図(f)に示すように撥水化処
理をする場合には例えばフッ素系樹脂共析メッキを積ん
で所定の厚みの表面処理層(撥水処理膜)47を形成す
る。なお、このときの表面処理層47の厚みは、ドライ
フィルムレジストパターン83の突出部83aの厚み
(第2ノズル形成部材77表面からの高さ)より薄くな
るようにすることが好ましい。これは、表面処理層47
の厚み(メッキ厚)が突出部83aの厚みより厚くなる
と、突出部83a上に表面処理層47が乗り上げてしま
って、充分な精度が得られず、かつフォトレジストパタ
ーン83の剥離時に剥離不良を引き起こすおそれがある
からである。
【0058】その後、フォトレジストパターン83を剥
離することによって、同図(g)に示すようにノズル孔
78を形成した第2ノズル形成部材77の表面にテーパ
形状の穴47aを形成した表面処理層47を形成してな
るノズルプレート33が得られる。
【0059】ここで、上述したドライフィルムレジスト
を用いた凸部形状(突出部の形状)には、ノズル形成
部材をマスクとして露光するため、ノズル孔の径以上に
は広がらない、現像の段階で露光面の反対側から現像
するため、ドライフィルムレジスト上面側は架橋率が低
く、パターン細りが生じて径が小さくなり易い、露光
量を抑え、突出部の径の細りを大きくしていくと、今後
はパターンの真円度がくずれ、ノズル孔形状が適さなく
なる(縦スジ等が発生する)、などの制約がある。この
ような制約を考慮すると、表面処理層の穴径はノズル孔
径の50%以上〜100%未満に限定される。
【0060】このように、ネガ型ドライフィルムレジス
トをノズル形成部材の吐出面裏側からラミネートし、ノ
ズル孔から吐出面側にはみ出させ、ノズル形成部材をマ
スクとしてノズル形成部材の吐出面裏側から露光して硬
化させ、現像を行なうことによってノズル形成部材の吐
出面側にノズル孔から凸形状に突出した凸部を有するド
ライフィルムレジストパターンを形成し、その後、ノズ
ル形成部材の吐出面側に表面処理層を形成する処理を施
し、次いで硬化したドライフィルムレジストを剥離する
ことにより、容易にノズル孔径よりも穴径の小さな表面
処理部分を設けた表面処理ノズル(ノズルプレート)を
得ることができる。
【0061】次に、図8及び図9を参照して表面処理層
形成工程の第2例を説明する。図8(a)に示す第2ノ
ズル形成部材77を用いて、同図(b)に示すように第
2ノズル形成部材77の吐出面裏側にネガ型ドライフィ
ルムレジスト81をラミネートする。このとき、ラミネ
ート温度、圧力を調整して、同図(b)に示すようにド
ライフィルムレジスト81の一部がノズル孔38の穴部
から吐出面側にはみ出たはみ出し部81aが形成される
ようにする。
【0062】その後、同図(c)に示すように第2ノズ
ル形成部材77の吐出面側にもネガ型ドライフィルムレ
ジスト84をラミネートする。このときドライフィルム
レジスト81のはみ出し部81aは、ドライフィルムレ
ジスト84と一体になる。この際、はみ出し部81aの
はみ出し量が充分でないと、ドライフィルムレジスト8
4のラミネート時にノズル孔内壁部に空気がとじ込めら
れ、形成される凸部の形状、強度に悪影響が生じる。
【0063】次いで、同図(d)に示すように第2ノズ
ル形成部材77の吐出面裏側から紫外線(UV光)を照
射して全面露光することにより、図9(a)に示すよう
にドライフィルムレジスト81が硬化すると共に、第2
ノズル形成部材77がマスクとなっているので、ドライ
フィルムレジスト84のノズル孔78に対向している部
分のみが硬化して、これらが一体となった硬化ドライフ
ィルムレジスト85となる。
【0064】そこで、これを現像することによって、同
図(b)に示すようにノズル孔78に凸形状の突出部8
6aを有するドライフィルムレジストパターン86がで
き上がる。この場合も、露光量及び/又は現像時間を調
整可能な露光装置や現像装置を使用することによって、
ドライフィルムレジストパターン86の突出部86aの
形状を容易に設定することができる。
【0065】次いで、同図(c)に示すように撥水化処
理をする場合には例えばフッ素系樹脂共析メッキを積ん
で所定の厚みの表面処理層47を形成した後、フォトレ
ジストパターン86を剥離することによって、同図
(d)に示すようにノズル孔38を形成した第2ノズル
形成部材77の表面にテーパ形状の穴47aを形成した
表面処理層47を形成してなるノズルプレート33が得
られる。
【0066】このように、ネガ型ドライフィルムレジス
トをノズル形成部材の両面側からラミネートし、ノズル
形成部材をマスクとしてノズル形成部材の吐出面裏側か
ら露光して硬化させ、現像を行なうことによってノズル
形成部材の吐出面側にノズル孔から凸形状に突出した凸
部を有するドライフィルムレジストパターンを形成し、
その後、ノズル形成部材の吐出面側に表面処理層を形成
する処理を施し、次いで硬化したドライフィルムレジス
トを剥離することにより、容易にノズル径よりも穴径の
小さな表面処理部分を設けた表面処理ノズルを得ること
ができると共に、吐出面裏側からのみラミネートする場
合に比べてより厚い表面処理層を形成することができ
る。
【0067】なお、上記実施例においては、本発明をア
クチュエータ素子として圧電素子を用いるピエゾアクチ
ュエータ方式のインクジェットヘッドに適用した例につ
いて説明したが、発熱抵抗体を用いるいわゆるバブルジ
ェット方式のインクジェットヘッドにも適用することが
できる。さらに、ノズル形成部材としては加圧液室を形
成する部材と別体にした構造のものに限らず、加圧液室
を形成する部材と一体構造のものにも適用することがで
きる。
【0068】さらに、上記実施例においては、ノズル形
成部材としてプレート状のものを用いた例について説明
したが、複数の部材(例えば溝を形成した部材とその溝
を覆う部材)を組合わせてノズルを形成するものであっ
ても、本発明を同様に適用することができる。さらにま
た、ノズルの開口方向を圧電素子の変位方向と同じにし
たサイドシュータ方式のインクジェットヘッドで説明し
ているが、ノズルの開口方向を圧電素子の変位方向と直
交する方向にしたエッジシュータ方式のインクジェット
ヘッドにも適用することができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のノズル
形成部材の製造方法によれば、ノズル径を規定した部材
を形成するノズル形成工程と、このノズル形成工程で得
られた部材に対してノズル内部形状を規定するためのフ
ォトレジストパターンを形成するフォトレジストパター
ン形成工程と、このフォトレジストパターン形成工程で
得られた部材に対してノズル内部形状を形成する金属電
鋳工程を順次行う構成としたので、インク滴体積Mj及
びインク滴吐出速度Vjを精度良くコントロールするこ
とができ、インク的吐出安定性を向上することができ
る。
【0070】請求項2のノズル形成部材の製造方法によ
れば、ノズル径を規定した部材を形成するノズル形成工
程と、このノズル形成工程で得られた部材に対してノズ
ル内部形状を規定するためのフォトレジストパターンを
形成する第1フォトレジストパターン形成工程と、この
第1フォトレジストパターン形成工程で得られた部材に
対してノズル内部形状を形成する金属電鋳工程と、この
金属電鋳工程で得られた部材に対してノズル表面処理形
成用のフォトレジストパターンを形成する第2フォトレ
ジストパターン形成工程と、この第2フォトレジストパ
ターン形成工程で得られた部材のノズル表面側に表面処
理層を形成する表面処理層形成工程を順次行う構成とし
たので、インク滴体積Mj及びインク滴吐出速度Vjを
精度良くコントロールすることができ、インク的吐出安
定性を向上することができると共に、ノズル表面に付着
するインク溜りを減少させてインク滴吐出方向を安定化
することができる。
【0071】請求項3のノズル形成部材の製造方法によ
れば、上記請求項1又は2のノズル形成部材の製造方法
において、ノズル形成工程で得られた部材に対してノズ
ル内部形状を規定するためのフォトレジストパターンを
形成するフォトレジストパターン形成工程では、ノズル
形成工程で得られた部材をマスクパターンとして使用す
る構成としたので、前工程で形成したノズル径精度を維
持したまま精度の高いノズル内部形状或いはノズル表面
処理層を形成することができると共に、マスク位置合わ
せによる位置ずれがなくなり、ノズル形成部材のヘッド
毎の品質のばらつきやロット間での品質のばらつきを低
減することができる。
【0072】請求項4のノズル形成部材の製造方法によ
れば、上記請求項1乃至3のいずれかのノズル形成部材
の製造方法において、フォトレジストパターン形成工程
では、フォトレジスト材としてドライフィルムレジスト
を使用し、部材の両面にラミネートした後、所定のパタ
ーンを形成する構成としたので、レジストパターンの厚
膜化を図れ、インク滴吐出性能がより優れたノズル形成
部材を得ることができる。
【0073】請求項5のノズル形成部材の製造方法によ
れば、上記請求項1乃至4のいずれかのノズル形成部材
の製造方法において、ノズル形成工程は、基板上のノズ
ル形成位置に対応するフォトレジストパターンを形成す
る工程と、基板上の露出面に金属電鋳を行う工程を含む
構成としたので、ノズル形成部材の均一化でき、表面濡
れ性の均一化、熱ストレスによる反り、剥離などの変形
を防止することができ、部品精度の向上、工程品質の安
定化を図ることができる。
【0074】請求項6のインクジェットヘッドによれ
ば、ノズル形成部材のノズルの内部形状を略円柱形状又
は略円錘台形状に形成した構成としたので、インク滴体
積Mj及びインク滴吐出速度Vjを精度良くコントロー
ルすることができ、インク的吐出安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェットヘッドの分解
斜視図
【図2】図1のノズル配列方向と直交する方向の要部断
面図
【図3】図1のノズル配列方向の要部断面図
【図4】本発明に係るノズル形成部材の製造方法のノズ
ル形成工程を説明する模式的断面図
【図5】同製造方法のフォトレジストパターン形成工程
及び金属電鋳工程の第1例を説明する模式的断面図
【図6】同製造方法のフォトレジストパターン形成工程
及び金属電鋳工程の第2例を説明する模式的断面図
【図7】同製造方法の表面処理工程の第1例を説明する
模式的断面図
【図8】同製造方法の表面処理工程の第2例のフォトレ
ジスト膜形成工程までを説明する模式的断面図
【図9】同製造方法の表面処理工程の第2例の露光工程
以後を説明する模式的断面図
【符号の説明】
1…駆動ユニット、2…液室ユニット、12…圧電素
子、33…ノズルプレート、38…ノズル孔、47…表
面処理層(撥水処理膜)、61…金属基板、62…レジ
スト膜、66…第1ノズル形成部材、67…ノズル孔、
67…第1ノズル形成部材、68…ノズル孔、75…レ
ジストパターン、75a…柱状部、77…第2ノズル形
成部材、78…ノズル孔、79…ドライフィルムレジス
トパターン、79a…柱状部、83…ドライフィルムレ
ジストパターン、83a…突出部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットヘッド用のノズルを有す
    るノズル形成部材の製造方法において、ノズル径を規定
    した部材を形成するノズル形成工程と、このノズル形成
    工程で得られた部材に対してノズル内部形状を規定する
    ためのフォトレジストパターンを形成するフォトレジス
    トパターン形成工程と、このフォトレジストパターン形
    成工程で得られた部材に対してノズル内部形状を形成す
    る金属電鋳工程を順次行うことを特徴とするノズル形成
    部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 インクジェットヘッド用のノズルを有す
    るノズル形成部材の製造方法において、ノズル径を規定
    した部材を形成するノズル形成工程と、このノズル形成
    工程で得られた部材に対してノズル内部形状を規定する
    ためのフォトレジストパターンを形成する第1フォトレ
    ジストパターン形成工程と、この第1フォトレジストパ
    ターン形成工程で得られた部材に対してノズル内部形状
    を形成する金属電鋳工程と、この金属電鋳工程で得られ
    た部材に対してノズル表面処理形成用のフォトレジスト
    パターンを形成する第2フォトレジストパターン形成工
    程と、この第2フォトレジストパターン形成工程で得ら
    れた部材のノズル表面側に表面処理層を形成する表面処
    理層形成工程を順次行うことを特徴とするノズル形成部
    材の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のノズル形成部材
    の製造方法において、前記ノズル形成工程で得られた部
    材に対してノズル内部形状を規定するためのフォトレジ
    ストパターンを形成するフォトレジストパターン形成工
    程では、前記ノズル形成工程で得られた部材をマスクパ
    ターンとして使用することを特徴とするノズル形成部材
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のノズ
    ル形成部材の製造方法において、前記フォトレジストパ
    ターン形成工程では、フォトレジスト材としてドライフ
    ィルムレジストを使用し、部材の両面にラミネートした
    後、所定のパターンを形成することを特徴とするノズル
    形成部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のノズ
    ル形成部材の製造方法において、前記ノズル形成工程
    は、基板上のノズル形成位置に対応するフォトレジスト
    パターンを形成する工程と、前記基板上の露出面に金属
    電鋳を行う工程を含むことを特徴とするノズル形成部材
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 ノズルを有するノズル形成部材を備えた
    インクジェットヘッドにおいて、前記ノズル形成部材の
    ノズルの内部形状を略円柱形状又は略円錘台筒形状に形
    成したことを特徴とするインクジェットヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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