JPH10141059A - エンジン冷却装置及び建設機械 - Google Patents

エンジン冷却装置及び建設機械

Info

Publication number
JPH10141059A
JPH10141059A JP30195196A JP30195196A JPH10141059A JP H10141059 A JPH10141059 A JP H10141059A JP 30195196 A JP30195196 A JP 30195196A JP 30195196 A JP30195196 A JP 30195196A JP H10141059 A JPH10141059 A JP H10141059A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
cooling
impeller
cooling air
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30195196A
Other languages
English (en)
Inventor
Zenji Kaneko
善二 金子
Shinichi Mihara
新一 三原
Koji Kawasaki
浩二 川崎
Shigehisa Funabashi
茂久 船橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP30195196A priority Critical patent/JPH10141059A/ja
Publication of JPH10141059A publication Critical patent/JPH10141059A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジン側の密閉度を向上して騒音を十分に低
減でき、かつ、電装品等に対する十分な冷却を行うこと
ができるエンジン冷却装置を提供する。 【解決手段】第1の冷却風50は、冷却風取り入れ口7
aからエンジン室1に入り、インタークーラー6a・オ
イルクーラー6b・ラジエーター6cを過ぎた後に吸い
込み管8aで絞られ、遠心ファン4に入って外周方向に
吹き出す。第2の冷却風51は、冷却風取り入れ口7b
を通ってエンジン室1に入り、エンジン5、オルタネー
ター10、及びオイルパン14を冷却し、吸い込み管8
bで絞られて遠心ファン4に入って外周方向に吹き出
す。遠心ファン4は、第1の羽根車部分4bLの有効幅
L1と第2の羽根車部分4bRの有効幅L2との比L1:
L2=2:0.5〜2:1.5となるように構成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの冷却装
置に係わり、例えば、自動車や建設機械に搭載されるエ
ンジン冷却装置及びこれを用いた建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のエンジン冷却装置に関する公知
技術として、例えば、以下のものがある。 特開平5-288053号公報 この公知技術は、建設機械のエンジン冷却部において、
エンジンのクランク軸にファンベルトを介し連結された
軸流ファンにより冷却風を熱交換器に供給するものであ
る。 特開平5-248239号公報 この公知技術は、トラクタ等作業車のエンジン冷却部に
おいて、冷却風を供給するファンとして遠心ファンを使
用することにより冷却性能の向上を図るものである。 特開平5−248242号公報 この公知技術においては、1つの遠心ファンによって、
農機正面から取り入れられラジエーターを通過した冷却
風が遠心ファンの正面から吸い込まれる一方、遠心ファ
ンの後方にあるエンジン室からの冷却風が遠心ファンの
背面側から吸い込まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公知技術において
は、以下の課題が存在する。一般に、エンジン室内にお
いて、ラジエーター、オイルクーラー等の熱交換器を冷
却するために要求される空冷能力に比べて、エンジン外
部を冷却するために必要な空冷能力は小さくて済む。こ
のため、上記公知技術及びでは、エンジン室外部か
ら導入した低温の冷却風でラジエーター等の熱交換器を
冷却した後、その冷却により高温となった冷却風をその
ままエンジン側に流入させてエンジン側を冷却する構造
となっている。しかし、熱交換器側の冷却に必要な大風
量がエンジン側に設けた排気口からそのまま排出される
ため、排気口の開口部面積が大きくならざるを得ず、最
も大きな騒音源であるエンジン側の密閉度が低下する。
すなわち、騒音の面で問題ある構造となっている。ま
た、通常、エンジン室内におけるエンジンの周囲には数
多くの電装品等が搭載されているが、公知技術及び
では、上述したようにラジエーター等の熱交換器を冷却
して高温となった冷却風が電装品の周囲を流れるので、
電装品に対する冷却効果が低くなり、電装品の信頼性の
面で問題となる。
【0004】一方、公知技術では、エンジンまわりの
電装品を冷却する冷却風は、ラジエータを通過する冷却
風とは別の流路となるので、ラジエーター冷却後の高温
冷却風は電装品には導かれず、上記の課題は生じない。
しかしながら、上記公知技術は、以下に示す別の課題
を有する。すなわち、公知技術の遠心ファンは、機能
的には、ラジエーター側及びエンジン側の両方向から冷
却風を吸い込む両吸い込み遠心ファンのように図示され
ている。しかし実質的には、1つの羽根車を備えた1つ
の片吸い込み遠心ファンであり、羽根車は、ラジエータ
ー側の空気を積極的に吸い込んで冷却風を誘起するが、
エンジン側の空気に関しては、ファン背面側に隙間を設
けてその隙間から負圧により空気を流入させているに過
ぎず、積極的に吸い込みを行い冷却風を誘起する構造と
はなっていない。このような構造では、ラジエーター側
からの冷却風に対しエンジン側の冷却風量が極めて少な
く、電装品等の冷却を十分行うことができない。
【0005】このような課題を解決すべく、本願発明者
等は、特願平7−271117号(出願日:1995年
10月19日)において、エンジンが内設されたエンジ
ン室内に設けられ、前記エンジンの冷却水を冷却するラ
ジエーターを含む少なくとも1つの熱交換器と、回転軸
が前記エンジンの駆動力によって回転されることによ
り、前記熱交換器、前記エンジン、及びこのエンジンの
周囲に設けられた電装品を冷却する冷却風を誘起する少
なくとも1つの冷却ファンとを有するエンジン冷却装置
において、前記少なくとも1つの冷却ファンは、第1の
空気取り入れ口から前記エンジン室内に取り入れられ前
記熱交換器のうち少なくとも1つを冷却する第1の冷却
風と、第2の空気取り入れ口から前記エンジン室内に取
り入れられ前記エンジン及び電装品を冷却する第2の冷
却風とを誘起することを特徴とするエンジン冷却装置を
提唱した。しかし、上記エンジン冷却装置は、熱交換器
側を冷却する第1の冷却風とエンジン側を冷却する第2
の冷却風との風量バランスを考慮し、前述したような熱
交換器側に必要な冷却能力とエンジン側に必要な冷却能
力との差に応じてそれぞれの風量を適性化することにつ
いて言及されていない。したがって、第1の冷却風と第
2の冷却風との風量バランスを適性化し、この風量バラ
ンスに応じて、エンジン側の空気取り入れ口の大きさを
縮小することにより密閉度を向上して騒音低減を図る点
で改善の余地がある。
【0006】本発明は、上記課題を解決するものであ
り、その目的は、エンジン側の密閉度を向上して騒音を
十分に低減でき、かつ、電装品等に対し十分な冷却を行
うことができるエンジン冷却装置及び建設機械を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、エンジンが内設されたエンジン室
内に設けられ、前記エンジンの冷却水を冷却するラジエ
ーターを含む少なくとも1つの熱交換器と、回転軸が回
転されることにより、前記熱交換器、前記エンジン、及
びこのエンジンの周囲に設けられた電装品を冷却する冷
却風を誘起する冷却ファンとを有するエンジン冷却装置
において、前記冷却ファンは、第1の空気取り入れ口か
ら前記エンジン室内に取り入れられ前記熱交換器を冷却
する第1の冷却風と、第2の空気取り入れ口から前記エ
ンジン室内に取り入れられ前記エンジン及び電装品を冷
却する第2の冷却風とを誘起する遠心型二重羽根車構造
の遠心ファンであり、該遠心ファンの二重羽根車構造
は、誘起する前記第1及び第2の冷却風の風量をそれぞ
れW1及びW2としたとき、W1:W2=2:0.5〜2:
1.5となるように構成されていることを特徴とするエ
ンジン冷却装置が提供される。すなわち、遠心型二重羽
根車構造のうちの一方の羽根車で誘起される第1の冷却
風は、第1の空気取り入れ口からエンジン室内に取り入
れられて熱交換器を冷却した後、回転軸の一端側から第
1の羽根車に吸い込まれて外周方向に吹き出される。ま
た、遠心型二重羽根車構造のうちの他方の羽根車で誘起
される第2の冷却風は、第2の空気取り入れ口からエン
ジン室内に取り入れられてエンジン及びその周囲の電装
品等を冷却した後、回転軸の他端側から第2の羽根車に
吸い込まれて外周方向に吹き出される。これにより、エ
ンジン側を冷却する第2の冷却風の冷却流路を、熱交換
器を冷却する第1の冷却風の冷却流路から分離すること
ができる。ここで、エンジンの全発熱量のうち、ラジエ
ーター水の冷却によって失われる熱量が約30%、エン
ジン外壁から輻射熱として失われる熱量が約15%であ
ることが知られている。前者はラジエーターにおいて第
1の冷却風が冷却する熱量にほぼ相当し、後者はエンジ
ン外部において第2の冷却風が冷却する熱量にほぼ相当
する。このように、冷却する熱量が冷却風量にほぼ比例
するため、二重羽根車構造を、第1の冷却風量W1と第
2の冷却風量W2との比がW1:W2=2:1となるよう
に構成するのが熱量バランスの上で最適である。そのた
めには、例えば二重羽根車構造のうち、第1の羽根車の
有効幅と第2の羽根車の有効幅との比を2:1とすれば
よい。これにより、第1の冷却風と第2の冷却風との風
量バランスが最適化され、第2の冷却風の風量をエンジ
ン側の冷却に必要かつ十分な風量とすることができる。
そして、エンジン側に設けられる第2の冷却風を取り入
れる開口部、すなわち第2の空気取り入れ口の大きさを
小さくすることができるので、騒音を十分に低減するこ
とができる。また、このように風量バランスが最適化さ
れることにより、必要以上に冷却ファンの回転数を上げ
る必要がなくなるので、これによっても、騒音を低減す
ることができる。さらに、冷却ファンの回転による消費
馬力のロスを最小限に抑えることができ、燃費の低下を
防止することができる。また、第2の冷却風量W2が過
多となることによるエンジンの過冷却を防止できる。但
し、第1の冷却風が通過する熱交換器側流路と第2の冷
却風が通過するエンジン側流路における抵抗の違いや、
製造誤差等に起因する実機でのばらつき等を考慮する
と、第1の冷却風量W1と第2の冷却風量W2との比をW
1:W2=2:0.5〜2:1.5としてもよい。すなわ
ち例えば、二重羽根車構造のうち、第1の羽根車の有効
幅と第2の羽根車の有効幅との比を2:0.5〜2:
1.5とすればよい。そして、エンジン側を冷却する第
2の冷却風の冷却流路が、熱交換器を冷却する第1の冷
却風の冷却流路と異なる経路となることにより、従来の
ように熱交換器を冷却した後の高温空気が電装品等の周
囲を流れることがなくなる。したがって、電装品等に対
する冷却効果を向上させることができるので、電装品等
の信頼性を向上させることができる。
【0008】また好ましくは、前記エンジン冷却装置に
おいて、前記遠心ファンの二重羽根車構造は、前記回転
軸に固定されたハブに固定され、該回転軸の一端側から
前記第1の冷却風を吸い込み外周方向に吹き出す第1の
羽根車部分と、前記ハブの前記第1の羽根車部分と反対
側に固定され、前記回転軸の他端側から前記第2の冷却
風を吸い込み外周方向に吹き出す第2の羽根車部分とか
らなる両吸い込み型の1つの羽根車を備えており、か
つ、前記第1の羽根車部分の有効幅をL1、前記第2の
羽根車部分の有効幅をL2としたとき、L1:L2=2:
0.5〜2:1.5となるように構成されていることを
特徴とするエンジン冷却装置が提供される。
【0009】また好ましくは、前記エンジン冷却装置に
おいて、前記遠心ファンの二重羽根車構造は、前記回転
軸に固定された第1のハブに固定され、該回転軸の一端
側から前記第1の冷却風を吸い込み外周方向に吹き出す
片吸い込み型の第1の羽根車と、前記回転軸に固定され
た第2のハブに固定され、該回転軸の他端側から前記第
2の冷却風を吸い込み外周方向に吹き出す片吸い込み型
の第2の羽根車とを備えており、かつ、前記第1の羽根
車の有効幅をL3、前記第2の羽根車の有効幅をL4とし
たとき、L3:L4=2:0.5〜2:1.5となるよう
に構成されていることを特徴とするエンジン冷却装置が
提供される。
【0010】また好ましくは、前記エンジン冷却装置に
おいて、前記遠心ファンの出口部分近傍にスパイラルケ
ースを設けたことを特徴とするエンジン冷却装置が提供
される。このように、遠心ファン出口部近傍にスパイラ
ルケースを設けたことにより、冷却風排出路での流路抵
抗を最小限に抑えることができ、高温化した冷却風をス
ムーズに外部へ放出することができる。これによりファ
ン効率が向上し、回転数を上げることなく大風量化を図
ることができる。
【0011】さらに好ましくは、前記エンジン冷却装置
において、前記スパイラルケース内面の少なくとも一部
分に、吸音材を設置したことを特徴とするエンジン冷却
装置が提供される。これにより、主たる騒音源の1つで
ある遠心ファンからの騒音を吸音材で吸収できるので、
エンジン室全体の静音化を効果的に図ることができる。
【0012】また上記目的を達成するために、本発明に
よれば、エンジン室内に設けられたエンジンと、このエ
ンジンによって駆動される油圧ポンプと、この油圧ポン
プから吐出される圧油によって駆動されるアクチュエー
タと、前記エンジンの冷却水を冷却するラジエーターを
含む少なくとも1つの熱交換器、及び、回転軸が回転さ
れることにより前記熱交換器・前記エンジン・このエン
ジンの周囲に設けられた電装品を冷却する冷却風を誘起
する冷却ファンを備えたエンジン冷却装置とを有する建
設機械において、前記冷却ファンは、第1の空気取り入
れ口から前記エンジン室内に取り入れられ前記熱交換器
を冷却する第1の冷却風と、第2の空気取り入れ口から
前記エンジン室内に取り入れられ前記エンジン及び電装
品を冷却する第2の冷却風とを誘起する遠心型二重羽根
車構造の遠心ファンであり、該遠心ファンの二重羽根車
構造は、誘起する前記第1及び第2の冷却風の風量をそ
れぞれW1及びW2としたとき、W1:W2=2:0.5〜
2:1.5となるように構成されていることを特徴とす
る建設機械が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエンジン冷却装置
の実施形態を図に基づいて説明する。以下に示す実施形
態は、いずれも、エンジンによって駆動される油圧ポン
プと、この油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動
されるアクチュエータとを有する油圧ショベルのエンジ
ン室に設けられるエンジン冷却装置の実施形態である。
本発明の第1の実施形態を図1〜図5により説明する。
図1は、本実施形態のエンジン冷却装置が適用されるエ
ンジン室の断面図である。この図1に示すように、本実
施形態によるエンジン冷却装置は、エンジン5が内設さ
れたエンジン室1内に設けられており、エンジン5への
燃焼用空気を予冷するインタークーラー6aと、油圧シ
ョベルの作動油を冷却するオイルクーラー6bと、エン
ジン5の冷却水を冷却するラジエーター6cと、エンジ
ン5のクランク軸2からの動力が伝達されるファンベル
ト3により駆動される遠心ファン4と、冷却風50,5
1(後述)を遠心ファン4の2つの吸い込み口へそれぞ
れ導く吸い込み管8a,8bとを備えている。なお、エ
ンジン室1内の上部・下部壁面には、外気を取り入れる
ための第1の空気取り入れ口、例えば冷却風取り入れ口
7aと、第2の空気の取り入れ口、例えば冷却風取り入
れ口7bと、排気のための排気口9が設けられ、エンジ
ン5近傍には、オルタネーター10等の電装品が設置さ
れている。
【0014】図2は、遠心ファン4の詳細構造を表す図
1中II−II線位置からの矢視図(但し吸い込み管8aは
省略)であり、図3は図2中III−III線断面位置に相当
する遠心ファン4の成形用抜き型11a,11bの断面
図であり、図4は図2中IV−IV線断面位置に相当する遠
心ファン4の成形用抜き型11a,11bの断面図であ
る。なお図3及び図4には、遠心ファン4の各部位との
対応を分かりやすくするために、成形空洞の対応する部
分に同じ符号を付している。図1〜図4において、遠心
ファン4は、遠心型の羽根車構造を2つ備えた遠心型二
重羽根車構造となっており、回転軸4hに固定されるハ
ブ板4aと、このハブ板4aに固定された両吸い込み型
の1つの羽根車4bとを備えている。この羽根車4b
は、ハブ板4aを挟んで両側に設けられ複数枚の羽根を
それぞれ備えた第1の羽根車部分4bL及び第2の羽根
車部分4bRから形成されており、第1の羽根車部分4
bLには回転シュラウド4gが設けられている。そして
両側の吸込口4d,4eから吸い込んだ空気を外周方向
の吹き出し口4fから吹き出すようになっている。ま
た、第1の羽根車部分4bLの有効幅L1と第2の羽根
車部分4bRの有効幅L2との比L1:L2=2:0.5
〜2:1.5となるように構成されている。
【0015】そしてさらに、ハブ板4aの直径Dhが、
回転シュラウド4gのある第1の羽根車部分4bLの吸
い込み口径D1よりも小さく、これにより、遠心ファン
4は、型11a,bによる一体成形が可能な構造となっ
ている。例えば、まず型11bの口径D1の開口を介し
型11b中に口径Dhの鉄心からなるハブ板4aを載置
した後、型11aを重ね合わせ、図示しない注入口を介
して樹脂を注入し、インジェクション成形を行う。すな
わち、第2の羽根車部分4bR、第1の羽根車部分4b
Lのうちハブ板4a外径Dhよりも外側の部分、及び回
転シュラウド4gのエンジン5側端面4gRを、図3中
右側からの抜き型11bで押圧成形できるとともに、第
1の羽根車部分4bLのうちハブ板4aよりも内側部
分、第1の羽根車部分4bLのうちハブ板4a外径Dh
よりも外側の部分の前縁部、及び回転シュラウド4gの
ラジエーター6c側端面4gLを、図3中左側からの抜
き型11aで押圧成形することができる。このように一
体成形可能な構造とすることにより、ファンの製造コス
トが大幅に低減される。
【0016】以上のように構成した本実施形態の作用を
以下、順次説明する。 (1)冷却流路分離及び風量バランス適性化作用 図1において、冷却風の流路は、遠心ファン4から見て
ラジエーター6c側と、エンジン5側との2つが形成さ
れる。すなわち、ラジエーター6c側の流路を通過する
第1の冷却風50は、エンジン室1外部から冷却風取り
入れ口7aを通ってエンジン室1に入り、インタークー
ラー6a・オイルクーラー6b・ラジエーター6c等の
熱交換器を冷却した後に吸い込み管8aによって絞ら
れ、遠心ファン4に導かれる。そして、遠心ファン4の
外周方向に吹き出した後、エンジン室1上部の排気口9
から外部に排出される。またエンジン5側の流路を通過
する第2の冷却風51は、エンジン室1外部から冷却風
取り入れ口7b,7bを通ってエンジン室1に入り、エ
ンジン5、オルタネーター10等の各種電装品、及びオ
イルパン14の周囲を流れながらそれらを冷却する。そ
して、吸い込み管8bによって絞られて遠心ファン4に
導かれた後、遠心ファン4の外周方向に吹き出し、上記
したラジエーター6c側の第1の冷却風50とともにエ
ンジン室1上部の排気口9から外部に排出される。した
がって、エンジン5及びオルタネーター10等の電装品
を冷却する第2の冷却風51の流路と、インタークーラ
ー6a・オイルクーラー6b・ラジエーター6c等の熱
交換器を冷却する第1の冷却風50の流路とを分離する
ことができる。
【0017】一方、図5は、エンジンの全発熱量に対
し、馬力として得られる部分及び各種損失となって失わ
れる部分の内訳を示したものである(内燃機関ハンドブ
ック(朝倉書店)による)。図示のように、通常、エンジ
ンの全発熱量のうち正味馬力として消費される割合は約
30%、ラジエーター水の冷却によって失われる割合が
約30%、エンジン外壁から排気熱及び輻射熱として失
われる割合が約33%を占めることが知られている。こ
こで、後者の33%のうち輻射熱がどれだけを占めるか
については、例えば以下のようにして算出することがで
きる。一般に、エンジンにおける全発熱量と馬力との関
係は、次の基本式で表される。
【0018】Q=Ne×b×Hu/60 但し、 Q:冷却水放熱量[kcal/min] Ne:馬力[PS] b:燃費率[kg/PSHr] Hu:燃料の低発熱量(=10500[kcal/kg]) 例えば、代表的な燃費率を170[g/PSh]として、上記基本
式によりエンジン全発熱量Qを求めてみると、 Q=10500[kcal/kg]×170×10−3[kg/PSh]×135[PS] =240975[kcal/h] となる。そして、上述したように排気熱・輻射熱の割合
は33%であるから、 (排気熱・輻射熱)=240975×0.33=79522[kcal/h] … 一方、サイレンサーから排出される排気熱は、典型例と
して排気温度300℃、外気温度20℃、流速313[m3/s],比
重0.956[kg/m3]とすると、 (排気熱)=0.24[kcal/kg・deg]×(300-20)[deg]×313[m3/s] ×0.596[kg/m3]×3600[s] =45230[kcal/h] … となる。したがって、及びにより、輻射熱は (輻射熱)=79522−45230 =34291[kcal/h] となり、これは上記Q(=240975[kcal/h])の約14.
2%に相当している。すなわち、エンジンの全発熱量の
うち、ラジエーター水の冷却によって失われる割合が約
30%、エンジン外壁から輻射熱として失われる割合が
約14.2%となる。
【0019】これを本実施形態のエンジン5に当てはめ
てみると、前者はラジエーター6cにおいて第1の冷却
風50が冷却する発熱量にほぼ相当し、後者はエンジン
5の外部において第2の冷却風51が冷却する発熱量に
ほぼ相当する。したがって、冷却する発熱量が冷却風量
にほぼ比例するため、遠心ファン4の二重羽根車構造
を、第1の冷却風50の風量W1と第2の冷却風51の
風量W2との比がW1:W2=30:14.2≒2:1と
なるように構成するのが熱量バランスの上で最適であ
る。そしてこのような割合とすることにより、第1の冷
却風50と第2の冷却風51の風量バランスを最適化
し、第2の冷却風51の風量をエンジン5側の冷却に必
要かつ十分な風量とすることができる。但し、第1の冷
却風50が通過する熱交換器6側流路と第2の冷却風5
1が通過するエンジン5側流路における通風抵抗の違い
や、製造誤差等に起因する実機でのばらつき等を考慮す
ると、第1の冷却風50の風量W1と第2の冷却風51
の風量W2との比をW1:W2=2:0.5〜2:1.5
とするのが適正範囲となる。したがって、本実施形態に
おいては、第1の羽根車部分4bLの有効幅L1と第2
の羽根車部分4bRの有効幅L2との比L1:L2=2:
0.5〜2:1.5とすることで、第1及び第2の冷却
風50,51の風量バランスを適正化することができ
る。そして、これにより、この第2の冷却風51を取り
入れる開口部である冷却風取り入れ口7bの大きさを小
さくすることができるので、騒音を十分に低減すること
ができる。また、このように風量バランスが最適化され
ることにより、必要以上にファン回転数を上げる必要が
なくなるので、これによっても、騒音を低減することが
できる。さらに、遠心ファン4の回転による消費馬力の
ロスを最小限に抑えることができ、燃費の低下を防止す
ることができる。また、第2の冷却風51の風量W2が
過多となることによるエンジン5の過冷却を防止でき
る。
【0020】また上記作用に加え、上記したように、エ
ンジン5及びオルタネーター10等の電装品を冷却する
第2の冷却風51の冷却流路が、インタークーラー6a
・オイルクーラー6b・ラジエーター6c等の熱交換器
6を冷却する第1の冷却風50の冷却流路と異なる経路
となることにより、従来のように熱交換器を冷却した後
の高温空気が電装品等の周囲を流れることがなくなる。
したがって、電装品10等に対する冷却効果を向上させ
ることができるので、電装品10等の信頼性を向上させ
ることができる。さらにエンジン5の空冷効果が高まる
ことから、エンジン冷却全体に占める水冷の割合を下げ
ることができ、これによりラジエーター6cへ要求され
る冷却性能を下げることができるので、ラジエーター6
cの小型化・低コスト化を図れる。
【0021】さらに、軸流ファンを用いた従来構造で
は、軸流ファンから吹き出した冷却風がファン下流側に
配置されたエンジンを冷却していたので、ファン回転に
より旋回成分を含んだ冷却風の流れがエンジンやその周
囲部材の複雑な形状に衝突して局所的に逆流が生じ、そ
の分冷却風の円滑な流れを阻害していた。これに対して
本実施形態の冷却装置においては、エンジン5が遠心フ
ァン4の上流側に配置されることにより、旋回成分を含
まない第2の冷却風51が、エンジン5表面やエンジン
5下方のオイルパン14表面に添って遠心ファン4方向
へと流れることになるので、従来のような逆流の発生を
低減することができる。
【0022】(2)遠心ファン及び回転シュラウドによ
る高圧化・大風量化作用 近年、エンジン室は、本実施形態のエンジン室1のよう
なインタークーラー6aの採用や、騒音低減のためのエ
ンジン室密閉度向上・コンパクト化等の要求により、冷
却流路の抵抗が増大する傾向がある。そして、このよう
な傾向にもかかわらず従来と同等の流量が要求されてい
ることから、冷却ファンの大風量化・高圧力化の必要が
生じている。ここで本実施形態のエンジン冷却装置にお
いては、ファンとして遠心ファン4を用いることによ
り、軸流ファン・斜軸流ファンを用いる場合に比べ、同
一外径かつ同一回転数においては大風量化・高圧力化を
図ることができ、これによっても騒音を低減できる。こ
のことを図6を用いて説明する。図6は、同一外径かつ
同一回転数とした場合において、軸流ファンと遠心ファ
ンとのファン特性の一例を比較した図であり、横軸が流
量、縦軸が静圧を表している。「軸流ファン」及び「遠
心ファン」の特性曲線は、それぞれ軸流ファン及び遠心
ファン単体の特性(すなわち流路中に配置せず測定した
ファン単独の特性)を示しており、2つの抵抗曲線,
はエンジン室における冷却流路単体の特性(流路構造
により一意的に定まる特性)を示している。そして、フ
ァンの特性曲線と抵抗曲線との交点が、該当するファン
を該当する流路に配置した場合の動作点であり、その場
合に得られる圧力及び流量を表す。なお、抵抗曲線,
のうち、抵抗曲線が従来のエンジン室における冷却
流路抵抗を表しており、抵抗曲線が、インタークーラ
ー採用や騒音低減のためのエンジン室密閉度向上・コン
パクト化等の要求に対応した近年のエンジン室における
冷却流路の特性を表している。
【0023】まず、従来のエンジン室において軸流ファ
ンを用いる場合は、流量及び静圧は、「軸流ファン」の
特性曲線と抵抗曲線との交点Aとなり、それぞれQpr
op1,Pprop1となる。これに対し、遠心ファンを用いた
とすると、流量及び静圧は、「遠心ファン」の特性曲線
と抵抗曲線との交点Bで表されるQturbo1,Pturbo1
となる。すなわち、遠心ファンは、同一外径かつ同一回
転数では、遠心力作用(詳細は後述)によって軸流ファ
ンに比べて高圧化かつ大風量化が可能であるという性質
を持つ。ここで、近年のエンジン室に対して従来の軸流
ファンをそのまま適用したとすると、流量及び静圧は、
「軸流ファン」の特性曲線と抵抗曲線との交点Cで表
されるQprop2,Pprop2となり、静圧は従来のエンジン
室における前述のPprop1に比べて大きくなり高圧化が
図られるものの、流量は従来のエンジン室における前述
のQprop1よりも小さくなってしまう。したがって、従
来のQprop1と同等の流量を得ようとする場合には回転
数を上げざるを得ず、結果として騒音が大きくなる。こ
れに対し、遠心ファンを適用した場合は、流量及び静圧
を、「遠心ファン」の特性曲線と抵抗曲線との交点D
で表されるQturbo2(≒Qprop1),Pturbo2とするこ
とができるので、従来のエンジン室における軸流ファン
の流量Qprop1とほぼ同程度の流量を確保するととも
に、従来のエンジン室における軸流ファンの静圧Pprop
1に比べて2倍以上の高圧化を図ることができる。
【0024】このような遠心ファンの特性は、例えば以
下のように説明できる。すなわち、一般に、ファンの理
論圧力上昇Pthは次式で表される。 Pth=P(u22−u12)/2+P(v22−v1
2)/2+P(w22−w12)/2 なお、uはファンの周速、vは流れの絶対速度、wは流
れの相対速度を表しており、添字1,2はそれぞれ、フ
ァン入口及び出口での値であることを表している。上式
において、右辺第1項のP(u22−u12)/2が遠
心力の効果を表しており、右辺第2項のP(v22−v
12)/2が運動エネルギの変化(動圧上昇)を表して
おり、右辺第3項のP(w22−w12)/2が流路で
の減速による効果(静圧上昇)を表している。ここで、
第1項について考えると、軸流ファンはファン入口と出
口とが同径であることからu1=u2となって第1項=
0となるのに対し、遠心ファンはファン出口の方がファ
ン入口よりも大径であるので、第1項の遠心力の効果が
最大限生かされる。したがって、遠心ファンのほうが軸
流ファンよりも高圧化を図ることができ、ひいては大流
量化も容易に図ることができる。なお、以上は軸流ファ
ンとの対比において遠心ファンの特性を説明したが、斜
軸流ファンとの対比においても同様のことが成り立つ。
本実施形態においては、冷却ファンとして遠心ファン4
を用いることにより、同一外径かつ同一回転数で軸流フ
ァン・斜軸流ファンよりも大風量化・高圧力化を図るこ
とができる。したがって、冷却流路の抵抗が増大してい
る近年のエンジン室で従来と同等の流量を確保するため
に大風量化・高圧力化を図る場合にも、軸流ファン・斜
軸流ファンのように回転数を増大させる必要がなく、こ
れによってさらに騒音を低下させることができる。また
このとき、第1の羽根車部分4bLに回転シュラウド4
gが設けられていることにより、吸い込み管8aと第1
の羽根車部分4bLとの間の隙間から径方向に冷却風が
洩れるのを防止し、ファン効率を向上させることができ
る。したがって、これによっても騒音をさらに低下させ
ることができる。
【0025】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、エンジン5側を冷却する第2の冷却風51の冷却流
路を、熱交換器6側を冷却する第1の冷却風50の冷却
流路から分離するとともに、このときの第1の冷却風5
0と第2の冷却風51の風量バランスを最適化し、この
第2の冷却風51を取り入れる冷却風取り入れ口7bの
大きさを縮小することができるので、エンジン5側の密
閉度を向上し、騒音を十分に低減することができる。ま
た、従来のように、熱交換器6を冷却した後の高温空気
が電装品10等の周囲を流れることがなくなるので、電
装品10等に対する冷却効果を向上させることができ、
電装品10等の信頼性を向上させることができる。
【0026】なお、上記実施形態においては、第1の冷
却風50でインタークーラー6a・オイルクーラー6b
・ラジエーター6c等の熱交換器を冷却し、第2の冷却
風51でオルタネータ10等の電装品、エンジン5、及
びオイルパン14を冷却していたが、これらの冷却対象
物の冷却風流路への配分は、これに限られない。すなわ
ち、少なくとも、第1の冷却風50でラジエーター6c
を冷却し、第2の冷却風51でエンジン5を冷却すれば
足り、例えば熱交換器のうちラジエーター6c以外のイ
ンタークーラー6aやオイルクーラー6bをエンジン5
側の吸い込み口7bの下流側に配置して第2の冷却風5
1で冷却するように構成してもよい。この場合も、同様
の効果を得ることができる。また、上記実施形態におい
ては、第1の羽根車部分4bLに回転シュラウド4gを
設けたが、冷却風取り入れ口7bの大きさを縮小して騒
音を低減するとともに、電装品等の空冷効果を向上させ
るという目的のみにおいては、必ずしも回転シュラウド
4gを設けなくてもよい。また逆に、第1の羽根車部分
4bLにのみ回転シュラウド4gを設けるのではなく、
第2の羽根車部分4bRにも回転シュラウド4gと同様
の形状を備えた別体の回転シュラウドを後付けすること
で、第1の羽根車部分4bL及び第2の羽根車部分4b
Rの両方を回転シュラウドつきとすることもできる。こ
の場合、さらにファン効率を向上できるとともに、騒音
を小さくすることができる。
【0027】本発明の第2の実施形態を図7により説明
する。本実施形態は、片吸い込み型の羽根車を2個背中
合わせに配置した二重羽根車構造を有する場合の実施形
態である。第1の実施形態と同等の部材には同一の符号
を付し、詳細な説明を省略する。図7は、本実施形態の
エンジン冷却装置が適用されるエンジン室の構造を表す
断面図であり、図1に示した第1の実施形態とは、特
に、両吸い込み型の羽根車4bを1つ備えた遠心ファン
4の代わりに、互いに吸込口を反対方向に向けた2つの
片吸い込み型の羽根車104Lb,104Rbを備えた
遠心ファン104が設けられている点が異なる。
【0028】この遠心ファン104は、回転軸4hに固
定された第1のハブ、例えばハブ板104Laと、この
ハブ板104Laに固定された第1の羽根車104Lb
と、この第1の羽根車104Lbの吸い込み側に固定さ
れた回転シュラウド104Lgと、回転軸4hに固定さ
れた第2のハブ、例えばハブ板104Raと、このハブ
板104Raに固定された第2の羽根車104Rbと、
この第2の羽根車104Rbの吸い込み側に固定された
回転シュラウド104Rgとを備えている。このとき、
第1の羽根車104Lbの有効幅L3と第2の羽根車1
04Rbの有効幅L3との比L3:L4=2:0.5〜
2:1.5となるように構成されている。そして、図示
左側の第1の羽根車104Lbが、冷却風取り入れ口7
aからインタークーラー6a・オイルクーラー6b・ラ
ジエーター6c等を冷却した第1の冷却風50を吸い込
んで排気口9へと吹き出し、図示右側の第2の羽根車1
04Rbが、冷却風取り入れ口7bからエンジン5、オ
ルタネーター10等の電装品、及びオイルパン14を冷
却した第2の冷却風51を吸い込んで排気口9へと吹き
出す。その他の構造は、第1の実施形態とほぼ同様であ
る。
【0029】本実施形態によっても、第1の実施形態と
同様の効果を得る。またこれに加え、片吸い込み型の羽
根車を1つ備えた遠心ファンを用いていた従来構造に対
しては、本実施形態の構造を実現する際にその羽根車を
そのまま再利用できる。したがって、第1及び第2の羽
根車部分4bL,4bRを備えた羽根車4bを新規に製
造する必要がある第1の実施形態に比べ、容易かつ安価
に実施可能である。また、片吸い込み型の第1及び第2
の羽根車104Lb,Rbは、互いに制限されることな
くそれぞれ独自にファン外径寸法・羽根枚数等を選択す
ることができるので、設計の自由度が増す効果もある。
【0030】本発明の第3の実施形態を図8及び図9に
より説明する。本実施形態は、第1の実施形態の構造に
スパイラルケースを設けた実施形態である。第1及び第
2の実施形態と同等の部材には同一の符号を付し、詳細
な説明を省略する。図8は、本実施形態のエンジン冷却
装置が適用されるエンジン室の構造を表す断面図であ
り、図1に示した第1の実施形態とは、遠心ファン4の
出口部分近傍を覆うようにスパイラルケース212が設
けられている点が異なる。図9は、このスパイラルケー
ス212部分の詳細構造を表す図8中IX−IX線位置から
の矢視図(但し吸い込み管8aは省略)であり、スパイ
ラルケース212は、その内部の流路面積が流れ方向に
徐々に大きくなるように形成されている。またこのスパ
イラルケース212は、特に詳細を示さないが、遠心フ
ァン4の回転軸を含む平面で複数に分割可能な構造にな
っており、エンジン5、インタークーラー6a・オイル
クーラー6b・ラジエーター6c、遠心ファン4等を配
設した後に取り付けられる。図8及び図9に示す構造に
おいて、第1の実施形態同様、インタークーラー6a・
オイルクーラー6b・ラジエーター6c等を冷却した第
1の冷却風50と、エンジン5、オイルパン14、及び
オルタネーター10等の電装品を冷却した第2の冷却風
51とが、遠心ファン4から吹き出された後、スパイラ
ルケース212を介し排気口9から排出される。その他
の構造は第1の実施形態とほぼ同様である。
【0031】本実施形態によっても、第1の実施形態と
同様の効果を得る。またそれに加え、スパイラルケース
212を設けることにより、冷却風排出路での流路抵抗
を最小限に抑えることができ、高温化した冷却風をスム
ーズに外部へ放出することができるので、ファン効率の
向上を図れる。また、このファン効率の向上により、同
じ条件でさらに大風量化・高圧力化を図ることができ
る。さらにこの高圧力化が可能となることにより、エン
ジン室1の密閉度を向上させることができるので、その
分騒音をさらに低減することができる。
【0032】本発明の第4の実施形態を図10により説
明する。本実施形態は、第3の実施形態の構造にさらに
吸音材を追加した実施形態である。第1〜第3の実施形
態と同等の部材には同一の符号を付し、詳細な説明を省
略する。図10は、本実施形態のエンジン冷却装置が適
用されるエンジン室の構造を表す断面図であり、図9に
示した第3の実施形態とは、スパイラルケース212の
内面の少なくとも一部に公知の吸音材313が装着され
ている点が異なる。その他の構造は第3の実施形態とほ
ぼ同様である。
【0033】本実施形態によれば、第3の実施形態と同
様の効果に加え、主たる騒音源の1つである遠心ファン
4の騒音を吸音材313で吸収できるので、エンジン室
1全体の静音化を効果的に図ることができる。
【0034】なお、上記第1〜第4の実施形態において
は、熱交換器として、インタークーラー6a、オイルク
ーラー6b、ラジエーター6cを例にとって示したが、
これらに限られず、エアコンのコンデンサー等、他の熱
交換器が設けられていてもよく、これらの場合も同様の
効果を得る。さらに、上記第1〜第4の実施形態は、建
設機械に備えられたエンジンの冷却装置を例に取って説
明したが、これに限られず、自動車・農機その他の機械
に搭載されるエンジンの冷却装置にも適用することがで
きる。これらの場合も同様の効果を得る。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、エンジン側を冷却する
第2の冷却風の冷却流路を、熱交換器側を冷却する第1
の冷却風の冷却流路から分離するとともに、このときの
第1の冷却風と第2の冷却風の風量バランスを最適化
し、この第2の冷却風を取り入れるエンジン側の開口部
の大きさを縮小することができるので、エンジン側の密
閉度を向上し、騒音を十分に低減することができる。ま
た、従来のように、熱交換器を冷却した後の高温空気が
電装品等の周囲を流れることがなくなるので、電装品等
に対する冷却効果を向上させることができ、電装品等の
信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のエンジン冷却装置が
適用されるエンジン室の構造を表す断面図である。
【図2】図1中II−II線位置からの矢視図である。
【図3】図2中III−III線断面位置に相当する遠心ファ
ンの成形用抜き型の断面図である。
【図4】図2中IV−IV線断面位置に相当する遠心ファン
4の成形用抜き型の断面図である。
【図5】エンジンの全発熱量を100%としたときに、
馬力として得られる部分及び各種損失となって失われる
部分の内訳を示した図である。
【図6】同一外径かつ同一回転数とした場合において、
軸流ファンと遠心ファンとのファン特性の一例を比較し
た図である。
【図7】本発明の第2の実施形態のエンジン冷却装置が
適用されるエンジン室の構造を表す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態のエンジン冷却装置が
適用されるエンジン室の構造を表す断面図である。
【図9】図8中IX−IX線位置からの矢視図である。
【図10】本発明の第4の実施形態のエンジン冷却装置
が適用されるエンジン室の構造を表す断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン室 4 遠心ファン(冷却ファン) 4a ハブ 4b 羽根車 4bL 第1の羽根車部分 4bR 第2の羽根車部分 4h 回転軸 5 エンジン 6a インタークーラー(熱交換器) 6b オイルクーラー(熱交換器) 6c ラジエータ−(熱交換器) 7a 冷却風取り入れ口(第1の空気取り入れ
口) 7b 冷却風取り入れ口(第2の空気取り入れ
口) 10 オルタネータ(電装品) 50 第1の冷却風 51 第2の冷却風 104 遠心ファン(冷却ファン) 104La 第1のハブ 104Lb 第1の羽根車 104Ra 第2のハブ 104Rb 第2の羽根車 212 スパイラルケース 313 吸音材
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F01P 11/10 F01P 11/10 K F04D 29/30 F04D 29/30 Z (72)発明者 船橋 茂久 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンが内設されたエンジン室内に設け
    られ、前記エンジンの冷却水を冷却するラジエーターを
    含む少なくとも1つの熱交換器と、回転軸が回転される
    ことにより、前記熱交換器、前記エンジン、及びこのエ
    ンジンの周囲に設けられた電装品を冷却する冷却風を誘
    起する冷却ファンとを有するエンジン冷却装置におい
    て、 前記冷却ファンは、第1の空気取り入れ口から前記エン
    ジン室内に取り入れられ前記熱交換器を冷却する第1の
    冷却風と、第2の空気取り入れ口から前記エンジン室内
    に取り入れられ前記エンジン及び電装品を冷却する第2
    の冷却風とを誘起する遠心型二重羽根車構造の遠心ファ
    ンであり、 該遠心ファンの二重羽根車構造は、誘起する前記第1及
    び第2の冷却風の風量をそれぞれW1及びW2としたと
    き、 W1:W2=2:0.5〜2:1.5 となるように構成されていることを特徴とするエンジン
    冷却装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、 前記遠心ファンの二重羽根車構造は、誘起する前記第1
    及び第2の冷却風の風量をそれぞれW1及びW2としたと
    き、 W1:W2=2:1 となるように構成されていることを特徴とするエンジン
    冷却装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、 前記遠心ファンの二重羽根車構造は、前記回転軸に固定
    されたハブに固定され、該回転軸の一端側から前記第1
    の冷却風を吸い込み外周方向に吹き出す第1の羽根車部
    分と、前記ハブの前記第1の羽根車部分と反対側に固定
    され、前記回転軸の他端側から前記第2の冷却風を吸い
    込み外周方向に吹き出す第2の羽根車部分とからなる両
    吸い込み型の1つの羽根車を備えており、かつ、前記第
    1の羽根車部分の有効幅をL1、前記第2の羽根車部分
    の有効幅をL2としたとき、 L1:L2=2:0.5〜2:1.5 となるように構成されていることを特徴とするエンジン
    冷却装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、 前記遠心ファンの二重羽根車構造は、前記回転軸に固定
    された第1のハブに固定され、該回転軸の一端側から前
    記第1の冷却風を吸い込み外周方向に吹き出す片吸い込
    み型の第1の羽根車と、前記回転軸に固定された第2の
    ハブに固定され、該回転軸の他端側から前記第2の冷却
    風を吸い込み外周方向に吹き出す片吸い込み型の第2の
    羽根車とを備えており、かつ、前記第1の羽根車の有効
    幅をL3、前記第2の羽根車の有効幅をL4としたとき、 L3:L4=2:0.5〜2:1.5 となるように構成されていることを特徴とするエンジン
    冷却装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、 前記遠心ファンの出口部分近傍にスパイラルケースを設
    けたことを特徴とするエンジン冷却装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記スパイラルケース内面の少なくとも一部分に、
    吸音材を設置したことを特徴とするエンジン冷却装置。
  7. 【請求項7】エンジン室内に設けられたエンジンと、こ
    のエンジンによって駆動される油圧ポンプと、この油圧
    ポンプから吐出される圧油によって駆動されるアクチュ
    エータと、前記エンジンの冷却水を冷却するラジエータ
    ーを含む少なくとも1つの熱交換器、及び、回転軸が回
    転されることにより前記熱交換器・前記エンジン・この
    エンジンの周囲に設けられた電装品を冷却する冷却風を
    誘起する冷却ファンを備えたエンジン冷却装置とを有す
    る建設機械において、 前記冷却ファンは、第1の空気取り入れ口から前記エン
    ジン室内に取り入れられ前記熱交換器を冷却する第1の
    冷却風と、第2の空気取り入れ口から前記エンジン室内
    に取り入れられ前記エンジン及び電装品を冷却する第2
    の冷却風とを誘起する遠心型二重羽根車構造の遠心ファ
    ンであり、 該遠心ファンの二重羽根車構造は、誘起する前記第1及
    び第2の冷却風の風量をそれぞれW1及びW2としたと
    き、 W1:W2=2:0.5〜2:1.5 となるように構成されていることを特徴とする建設機
    械。
JP30195196A 1996-11-13 1996-11-13 エンジン冷却装置及び建設機械 Pending JPH10141059A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30195196A JPH10141059A (ja) 1996-11-13 1996-11-13 エンジン冷却装置及び建設機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30195196A JPH10141059A (ja) 1996-11-13 1996-11-13 エンジン冷却装置及び建設機械

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10141059A true JPH10141059A (ja) 1998-05-26

Family

ID=17903082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30195196A Pending JPH10141059A (ja) 1996-11-13 1996-11-13 エンジン冷却装置及び建設機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10141059A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001234888A (ja) * 2000-02-25 2001-08-31 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 送風機
JP2001329839A (ja) * 2000-05-19 2001-11-30 Hitachi Constr Mach Co Ltd 建設機械のエンジン冷却装置
JP2002254935A (ja) * 2001-03-02 2002-09-11 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 建設機械
JP2015034496A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 デンヨー株式会社 防音型エンジン駆動作業機
JP2018025157A (ja) * 2016-08-10 2018-02-15 いすゞ自動車株式会社 車両の放熱器冷却システム、車両、及び車両の放熱器冷却方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001234888A (ja) * 2000-02-25 2001-08-31 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 送風機
JP2001329839A (ja) * 2000-05-19 2001-11-30 Hitachi Constr Mach Co Ltd 建設機械のエンジン冷却装置
JP2002254935A (ja) * 2001-03-02 2002-09-11 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 建設機械
JP2015034496A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 デンヨー株式会社 防音型エンジン駆動作業機
JP2018025157A (ja) * 2016-08-10 2018-02-15 いすゞ自動車株式会社 車両の放熱器冷却システム、車両、及び車両の放熱器冷却方法
WO2018030378A1 (ja) * 2016-08-10 2018-02-15 いすゞ自動車株式会社 車両の放熱器冷却システム、車両、及び車両の放熱器冷却方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5839397A (en) Engine cooling system and construction machine
US7108482B2 (en) Centrifugal blower
US4189281A (en) Axial flow fan having auxiliary blades
JPH10115222A (ja) エンジン冷却装置
EP0511594B1 (en) Impeller in water pump
GB1593530A (en) Axial flow fans
US20090129918A1 (en) Blower unit
KR101459431B1 (ko) 차량용 쿨링 장치
JP5308281B2 (ja) ファンユニットおよびそれを用いた車両用冷却システム
JPH10141059A (ja) エンジン冷却装置及び建設機械
JPH07166862A (ja) 独立配管型冷却システム
JPH09287451A (ja) ラジエータ冷却装置
JPH08303241A (ja) エンジン冷却装置及び建設機械
JPH0539930A (ja) 空気調和装置
JPH0417800A (ja) 下流抵抗板付フアン
JP3304246B2 (ja) エンジン冷却装置
US20070144465A1 (en) Structure of layout of parts around radiator
JP2006226200A (ja) エンジン冷却装置
CN113726096B (zh) 牵引电机带冷却器的双风扇冷却结构
CN110344897A (zh) 具有线性a/r分布和非线性面积分布的用于涡轮增压器的涡轮机壳体
JPS5819291Y2 (ja) 整流板付排風ダクト
CN107421001A (zh) 座吊式空调
JPH10259722A (ja) エンジン冷却装置
JPH0716027Y2 (ja) ファンシュラウド
JP2002321645A (ja) 車両のフロントエンド構造

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050329

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050405

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050603

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050920