JPH09503275A - 回転ユニットをセンタリングする装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 回転可能なハブ（２）上で回転ユニット（１）を、ユニットをハブと共に回転させるために、センタリングする装置。ハブの周囲を延びるセンタリング表面（９）は、実質的に、回転ユニットのための取り付け縁（１０、１１）から、回転ユニットの軸方向の位置を決定する係止表面（８）まで延びる。回転ユニットは、対応する方法で、一方の端部では、半径方向の位置を決定し、ハブの係止表面に接触するようにされる係止表面（６）に至るセンタリング表面（７）を提供する。センタリング表面（７、９）の一方は、第２センタリング表面（９、７）に対して所定の大きなクリアランスを有する第１センタリング部（１２）と、第２センタリング表面に対して所定の小さいクリアランスを有する第２センタリング部（１３）とに分割される。第１センタリング部は、ハブの係止表面（８）からその取り付け縁（１０、１１）までの軸方向の距離（ｂ）の大部分に沿って延びる。第２センタリング部は、ハブの係止表面から取り付け縁までの軸方向の距離の小さい部分（ａ）に沿って延びる。

Description

【発明の詳細な説明】 名称 回転ユニットをセンタリングする装置 技術分野 本発明は、クレーム１の前提部にしたがって、回転ユニットをセンタリングす る装置に関する。 発明の背景 多くの適用において、回転しているユニットをその回転軸に対して適切にセン タリングすることは非常に重要である。このような回転ユニットは、取り付け表 面を介して回転ハブに取り付けられ、通常は、筒状マントルの形状をしたセンタ リング表面を提供し、この表面が、ハブ上の筒状マントルの形状をした対応する センタリング表面に対してセンタリングされる。製造上の理由により、回転ユニ ットおよびハブの両方のセンタリング表面には所定の公差範囲が存在するため、 これらセンタリング表面は、所定の最小許容クリアランスが確立されるような大 きさとしなければならない。場合によっては、クリアランスが大きくなり過ぎて 、かなりの程度まで、回転ユニットがハブ上に偏心して取り付けられ、また錆に より固着して取り外しが困難になる危険が増大し得る。 偏心して取り付けられた回転ユニットが機能的な問題を生じ得る適用例として は、例えば、自動車用のブレーキドラム がある。ブレーキドラムが偏心して取り付けられるとブレーキトルクが変動し、 この結果、操縦ハンドルおよび／または車内が振動し、これは、通常は、運転者 にとってはいらつきとして感知される。 発明の要旨 本発明の目的は、良好なセンタリングによって回転ユニットに関する上述の問 題を解消する一方で、好ましい取り付け特質を維持し、錆びによる固着（錆への 適合）の危険を減らすことである。 上記の目的は、本発明の装置によって実現される。本発明の特徴は後述のクレ ーム１から明らかである。 図面の簡単な説明 本発明を、添付した以下の図面を参照して、実施態様に基づいて詳細に説明す る。 図１は、本発明による、ハブ上に取り付けられたブレーキドラムの形態の回転 ユニットの軸方向断面図である。 図２は、ブレーキドラムおよびハブの拡大断面図である。 図３は、ブレーキドラムおよびハブの、互いの取り付け表面を明瞭に示す、さ らに拡大した断面図である。 図４は、第１取り付け段階中のブレーキドラムおよびハブを示す。 図５は、ブレーキドラムの端面図である。 好適な実施態様 本実施例は、幾何学回転軸３の回りを回転可能なハブ２に取り付けられたブレ ーキドラム１の形態の回転ユニットを示す。ハブは、自動車の図示しないドライ ブシャフトに固定され得る。ブレーキドラム１はハブに回転可能に固定され、ハ ブと共に、従ってドライブシャフトと共に回転するようにされる。ブレーキドラ ムは、通常は、車輪の内側に配置され、車輪と共に回転するようにされる。ブレ ーキドラムは、図示しないブレーキシューズと共に従来のブレーキシステムの一 部を形成する。ブレーキシューズは、車に装備され、本質的にはブレーキドラム と共に回転しないが、ブレーキドラムの筒状ブレーキ表面４に対して摩擦接触す ることにより車にブレーキをかけるようにされる。ブレーキドラムの回転軸３に 対する中心性は、車のブレーキ機能および乗り心地にとって非常に重要である。 ブレーキドラムは後部５を有する独立した回転ユニットであり、後部は実質的に は半径方向の面内を延び、ハブ２上の対応する取り付け表面８、９と協働するよ うにされた取り付け表面６、７を提供する。 図２は、図１の一部を少し拡大した図であり、ブレーキドラムおよびハブのど の部分が取り付け表面６〜９を形成するかを明瞭にするように選択して示してい る。取り付け表面は、一部にはセンタリングのために、すなわち、半径方向にガ イ ドするために、かつ軸方向の位置にガイドするため、もしくは軸方向の位置を確 実にするために、ブレーキドラムの位置を確実にするガイド表面を形成する。ま た、ドラムの対称軸および回転軸３は出来るだけ一致すべきである。すなわち、 これらは相対角度を形成すべきではない。軸方向のガイドは、ハブ２の第１取り 付け表面８によって確立され、取り付け表面８は、半径方向の面内を延び、ドラ ム１の対応する取り付け表面６のための係止表面を形成する。半径方向のガイド は、ハブのセンタリング表面９によって確立され、センタリング表面９は、実質 的に筒状マントルの形状であり、半径方向に外向き（凸状）である。半径方向の ガイドはまた、ドラムのセンタリング表面７によって確立され、センタリング表 面７は、同様に実質的に筒状マントルの形状であり、回転軸３に向かって半径方 向に内向き（凹状）である。 取り付け表面の形状を図３および図５に詳細に示す。これらの図から、ハブの 筒状センタリング表面９が、軸方向から見て、実質的に、ハブの係止表面８と、 傾斜部１１を提供するハブの自由端部１０との間をのびることは明らかであり、 傾斜部１１は、ドラム１の取り付けを促進させるために円錐形のマントルの形状 を有する。表面が筒状マントル形状であるドラムのセンタリング表面７は、本発 明によれば、２つのセンタリング部１２，１３に分かれ、これらのうち第１セン タリング部１２は、ドラムの係止表面６の隣りに位置し、ドラムのセンタリング 表面全体、すなわちハブのセンタリング 表面９と協働する表面の大部分にわたって延びる。第１センタリング部１２は、 実質的に筒状マントルの形状であり、ドラムの回転軸３から半径方向に離れて配 置され、これにより、このセンタリング部はハブ２のセンタリング表面９に対し て比較的大きなクリアランスを提供する。第２センタリング部１３は、係止表面 ６から見ると、第１センタリング部より向こう側に位置しており、第１センタリ ング部１２に対して、ドラムの回転軸３からの半径方向の距離は幾分短い位置に ある。 図５から明らかなように、また、好適な実施態様によれば、センタリング部１ ３は４つの部分表面１７、１８、１９、および２０に分かれ、各々が円筒全体の マントル表面の１０〜１５°を占めるだけである。本発明によれば、第２センタ リング部はセンタリング表面の作動幅ｂのうちの、第１センタリング部より短い 距離ａ、例えば、ハブのセンタリング表面９の全幅ｂの５分の１以下、より正確 には、例えば、１０分の１を占めるだけである。絶対寸法では、例えば、第２セ ンタリング部１３の幅ａは約１ｍｍであり、ハブのセンタリング表面９の幅ｂは 約１０ｍｍであり得る。第１センタリング部１２における、ドラム１とハブ２と の間のクリアランスは、例えば、Δ₁＝＋0,056→＋0,218mmであり得、一方、第 ２センタリング部１３におけるクリアランスは、例えば、Δ₂＝−0,08→＋0,06m mであり得る。この提案したクリアランスであれば、半径方向のゆがみは約0,05 から約0,1mmだけ減少すること が実証されている。幅ａがこのように小さくされるという事実により、クリアラ ンスは取り付け前には負であり得、これにより、作動センタリング表面が塑性変 形することを含み得る。取り付けの間、第１および／または第２センタリング部 １２、１３の変形が起こり、これにより、実質的に零のクリアランスが得られる 。すなわち、センタリング部１２、１３間が十分に接触する。変形する部分また は最も変形する部分は、主にセンタリング部間の硬度の差異に依存する。図５に 示すように、センタリング部１３を断続的に分けることにより、この変形が促進 される。 ２つのセンタリング部１２，１３の間には傾斜表面１４の形態の移行表面があ る。移行表面は、円錐マントルの形状を有し、この形状によりセンタリング部間 が連続的に移行し、これにより取り付けが容易となる。 上述のようなブレークドラム１およびハブ２の取り付け表面６、７、８、９の 各々の設計により、ブレーキドラム１のハブ２の回転軸３に対するセンタリング が格段に向上する一方で、これによってブレーキドラムの取り付けが困難になる ことはない。次に、ブレーキドラムをハブに取り付ける方法を、主に図４を参照 して述べる。ブレーキドラム１を矢印１５の方向に実質的に軸方向に横向きの方 向に移動させて、先ずドラムの傾斜縁表面１６およびハブの傾斜縁表面１１の両 方からの支援によりハブ１に取り付け、センタリング表面へのガイドを実現する 。この後、センタリング部１２は、図４ に示すように、第１取り付け段階でドラムブレーキの第１の近似センタリングを 提供する。実際には、同じく図４に示すように、ブレーキドラム１はハブ２に対 して完全に正しいセンタリング方法で維持されておらず、第１センタリング部１ ２は、少なくともその周囲のある部分に沿って、ハブのセンタリング表面９に接 触しており、これにより、ドラムのハブへの取り付け動作のほとんどの期間の間 、ドラムの近似センタリングが提供される。図３に示すドラムの静止取り付け状 態で終了する第２および最終取り付け段階において、ハブ２に対するドラム１の 最終センタリングは、第２センタリング部１３をハブのセンタリング表面９の前 部にクリアランスを小さくして取り付けることにより実行される。実際には、ほ とんどの場合に、ドラムは、狭いまたは負の公差により加圧によって取り付けら れる。加圧による取り付けは、好ましくは、ドラムおよび取り付け表面６、８を 貫通するネジジョイントにネジを固定させることによって実行される。負の公差 により、上記の変形が縁部およびセンタリング表面９、１１、１３、１４で起こ り、これらは互いに押しつけられる。この位置へのガイドは、第１および第２セ ンタリング部間の移行部を形成する傾斜表面１４によって確実となる。ドラムを ハブに回転可能に固定することは、通常、上記のネジジョイントによって確実と なる。製造上の理由により、ネジジョイント自体はドラムのセンタリングのため の要求を満足し得ない。 本発明は、上記に図面を参照して述べた実施態様に限定さ れることなく、添付の請求の範囲内で変動し得る。例えば、回転ユニット１はブ レーキドラム以外のものであり得る。さらに、傾斜部１４は、例えば、曲線的な 断面線を有し得る。筒状マントル形状の表面は、半径方向の面から見て、連続的 に筒状マントルの形状である必要はなく、スプライン状であり得る。さらに、取 り付け表面６、８は連続的である必要はなく、ドラムとハブとの間を回転可能に 固定する形態の係合を提供するような輪郭とされ得る。傾斜し小さいセンタリン グ部は、半径方向に内側の部分、図示した実施例ではハブに配置され得、これに より、ハブの係止表面に最も近い位置、すなわち大きいクリアランスを有する大 きいセンタリング部の内側に置かれ得る。ハブは、回転軸３回りに中心位置で回 転可能なユニットであると仮定されている。しかし、これは、半径方向に外向き のセンタリング表面を備えた半径方向に内側の部分である必要はなく、代わりに 、半径方向に内向きのセンタリング表面を備えた半径方向に外側のユニットであ ってもよい。一方、回転ユニットは、半径方向に外向きのセンタリング表面をし 、半径方向に内側のユニットを構成する。第２センタリング部１３は、３つ以上 の小さな部分表面よりなり得るが、代わりに、１つの全円筒表面または２つの大 きな部分表面でもよい。小さい個々の部分表面よりなる１つのセンタリング部１ ３を有する実施態様では、１つの単一の表面を有する場合より、距離は大きく選 択され得る。作動領域、変形傾向、およびクリアランスは、表面の摩擦係数と共 に、 取り付けに必要な力に影響を与える重要なパラメータである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．回転可能なハブ（２）上で回転ユニット（１）を、該ユニットを該ハブに取 り付けて該ハブと共に回転させるために、センタリングする装置であって、該ハ ブおよび該回転ユニットは、該回転ユニットの位置を軸方向および半径方向にガ イドするための取り付け表面（６〜９）を有し、該ハブ上の該取り付け表面（８ 、９）は、該ハブの周囲を延び、実質的に該回転ユニットの取り付け縁（１０、 １１）から、該回転ユニットの軸方向の位置を決定する係止表面（８）まで延び るセンタリング表面（９）を有し、該回転ユニットは、対応する方法で、一方の 端部では、半径方向の位置を決定し、取り付けられた状態では該ハブの該係止表 面に固定されて接触する係止表面（６）に至るセンタリング表面（７）を提供す る、装置であり、さらに、該センタリング表面（７、９）の一方は、該第２セン タリング表面（９、７）に対して所定の大きなクリアランスを有する第１センタ リング部（１２）と、該第２センタリング表面に対して所定の小さいクリアラン スを有する第２センタリング部（１３）とに分けられ、該第１センタリング部は 該ハブの該係止表面（８）からその取り付け縁（１０、１１）までの軸方向の距 離（ｂ）の大部分に沿って延び、該第２センタリング部は該ハブの該係止表面か ら取り付け縁までの軸方向の距離の小さい部分（ａ）に沿って延び、該ハブ（２ ）の該センタリング表面（９）は半径方向に 外向きであり、該回転ユニット（１）の該センタリング表面（７）は半径方向に 内向きであり、該第１センタリング部（１２）は該回転ユニット（１）の該係止 表面（６）に最も近い位置にあり、該第２センタリング部（１３）は該取り付け 縁（１０、１１）に近い位置にある装置。 ２．前記センタリング表面（７、９）は実質的に筒状マントルの形状である、請 求項１に記載の装置。 ３．前記センタリング表面（７、９）間の移行部は傾斜表面（１４）である、請 求項１に記載の装置。 ４．前記小さい部分（ａ）は前記軸方向の距離（ｂ）の５分の１より小さい、請 求項１に記載の装置。 ５．前記第２センタリング部（１３）はいくつかの部分表面（１７〜２０）に分 けられる、請求項１に記載の装置。 ６．前記部分表面（１７〜２０）は、全周囲のうちの小さい部分のみを占める、 請求項５に記載の装置。 ７．前記部分表面は少なくとも３つある、請求項６に記載の装置。 ８．前記部分表面（１７〜２０）は周囲に沿って対称に配分される、請求項６に 記載の装置。 ９．前記部分表面（１７〜２０）の各々は、全周囲の約１０〜１５°を占める、 請求項６に記載の装置。 １０．前記小さいクリアランスは取り付け前は負であり、前記第１および／また は第２センタリング部（１２、１３）は取り付けの間に実質的に零クリアランス に変形される、前記請求項のいずれかに記載の装置。