JPH09267576A - 感熱孔版印刷用原紙 - Google Patents

感熱孔版印刷用原紙

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JPH09267576A
JPH09267576A JP8123996A JP8123996A JPH09267576A JP H09267576 A JPH09267576 A JP H09267576A JP 8123996 A JP8123996 A JP 8123996A JP 8123996 A JP8123996 A JP 8123996A JP H09267576 A JPH09267576 A JP H09267576A
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JP
Japan
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polyester
base paper
film
weight
sulfonate
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Application number
JP8123996A
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English (en)
Inventor
Kenji Kida
健次 喜田
Yukio Kawazu
幸雄 河津
Hideyuki Yamauchi
英幸 山内
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】ポリエステルフィルム100重量部に対し
て有機スルホン酸塩を0.001〜5重量部を含有する
フィルムと、平均繊維径が2〜20μmのポリエステル
不織布とが接着剤を介することなく接着してなることを
特徴とする感熱孔版印刷用原紙。 【効果】本発明の原紙を用いた孔版印刷で得られる印刷
物は高画像性を有し、印刷鮮明性に優れ、欠点がなく、
搬送性にも優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱孔版印刷用原
紙に関する。さらに詳しくは、閃光照射、赤外線照射、
レーザー光線等のパルス的照射や、サーマルヘッドの接
触により穿孔製版され、感度、画像鮮明性に優れた感熱
孔版印刷用原紙に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱孔版印刷用原紙(以下、単に原紙と
いう)としては、塩化ビニリデン系フィルム、ポリエチ
レンテレフタレート系フィルム等の熱可塑性樹脂フィル
ムに、天然繊維、化学繊維または合成繊維あるいはこれ
らを混抄した薄葉紙、不織布、紗等によって構成された
多孔性支持体を接着剤で貼り合わせた構造のものが知ら
れている(例えば、特公昭41−6815号公報、特開
昭51−2513号公報、特開昭57−182495号
公報など)。
【0003】しかしながら、これら従来の原紙は次のよ
うな欠点を有していた。すなわち、 (1)フィルムと多孔性支持体を接着剤を用いて貼り合
わせているため、接着剤によってインキの透過が阻害さ
れ、画像鮮明性が劣る。
【0004】(2)使用される接着剤自体についても、
例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂接着剤は印
刷インキによって軟化、膨潤、溶解しやすいため、耐イ
ンキ性に劣り、熱硬化性接着剤を使用する場合には、未
硬化物が残存しやすいために製版時にサーマルヘッドに
融着を生じやすい。
【0005】(3)さらに、接着剤を使用する場合に
は、原紙の製造工程において接着工程が不可欠となり、
また、接着剤塗布時に溶剤を使用するため、溶剤回収設
備が必要であり、コスト高となる。
【0006】(4)また、接着工程において薄いフィル
ムを取り扱う必要がありフィルムの破れなどのトラブル
が発生しやすく、収率の低下をまねく。
【0007】これらの欠点を改良するため、使用する接
着剤の量をできるだけ少なくする提案がなされてきた
(例えば、特開昭58−147396号公報、特開平4
−232790号公報など)が、上記の欠点を完全に解
消できなかった。
【0008】また、接着剤を用いない方法として、特開
平4−212891号公報においては、熱可塑性樹脂フ
ィルムの片面に合成繊維が散布され熱圧着されてなる繊
維層が形成されていることを特徴とする原紙が提案され
ている。しかしながら、この方法は、長さ50mm以下
の合成繊維を風力または静電気によって散布する方法で
あるため、繊維の分散が不均一となり、したがってイン
キの透過性にムラを生じ、印刷物に濃淡を生じてしま
う。また、この方法では樹脂フィルムと繊維層の接着性
が必ずしも十分ではないため、フィルム搬送時にシワや
破れが発生したり、接着の不十分な繊維が異物となった
りする問題がある。接着性を向上させるため、繊維層に
バインダー繊維を混入したり、フィルム面に粘着剤を微
量塗布することが提案されているが、バインダー繊維や
粘着剤を使用するとインキの透過性が阻害され、結果的
に画像鮮明性が低下してしまうという欠点があった。
【0009】このような背景から、接着剤を用いない全
く新規な原紙としてポリエステルフィルムとポリエステ
ル繊維からなる多孔性支持体とが直接固着してなるもの
を提案した(特開昭6−305273号公報)が、フィ
ルムと繊維ともが疎水性のポリマによって構成されるた
めか帯電しやすく、製造工程、保管時にゴミが付着しや
すかったり、使用時に装置内の搬送系でしわが発生し、
部分的に穿孔が阻害され印刷不良を引き起こす問題があ
ることがわかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の各種問題点を解決し、製造工程、保管時のゴミの
付着や使用時の装置内の搬送系でしわの発生などによる
欠点がなく感度、印刷鮮明性に優れた感熱孔版印刷用原
紙を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、ポリエステル100重量部に対し
て有機スルホン酸塩を0.01〜5重量部含有してなる
ポリエステルフィルムと、平均繊維径が1〜20μmの
ポリエステル不織布とが接着剤を介することなく接着し
てなることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルフィ
ルムおよびポリエステル不織布に用いられるポリエステ
ルとはいずれも、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボ
ン酸または脂環族ジカルボン酸とジオールを主たる構成
成分とするものである。ここで、芳香族ジカルボン酸成
分としては例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフ
タレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジ
フェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニル
スルホンジカルボン酸等を挙げることができ、中でも好
ましくはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族ジカ
ルボン酸成分としては例えば、コハク酸、アジピン酸、
スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、エイコサ
ンジオン酸、ダイマー酸等を挙げることができ、中でも
好ましくはアジピン酸、セバシン酸等を挙げることがで
きる。また脂環族ジカルボン酸成分としては例えば、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げることが
できる。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種
以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等
のオキシ酸等を一部共重合してもよい。また、ジオール
成分としては例えば、エチレングリコール、1,2−プ
ロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、
2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロ
パン等を挙げることができる。中でもエチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく用
いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよ
く、2種以上併用してもよい。
【0013】本発明のポリエステルフィルムに用いられ
るポリエステルとして好ましくは、ポリエチレンテレフ
タレート、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタ
レートとの共重合体、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリヘキサ
メチレン−2,6−ナフタレート、ヘキサメチレンテレ
フタレートと1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフ
タレートとの共重合体等を挙げることができる。穿孔感
度を向上するために特に好ましくは、エチレンテレフタ
レートとエチレンイソフタレートとの共重合体、ポリヘ
キサメチレンテレフタレート、ヘキサメチレンテレフタ
レートと1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレ
ートとの共重合体等を挙げることができる。
【0014】また、本発明のポリエステル不織布に用い
られるポリエステルとして好ましくは、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、
ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレート
との共重合体等を挙げることができる。穿孔時の熱寸法
安定性の点から特に好ましくは、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート等を挙げることがで
きる。
【0015】本発明における有機スルホン酸塩として
は、下記一般式で表される化合物である。
【0016】R−SO3 Mn ただし、Rは炭素数6〜30のアルキル基、アリール基
またはアルキルアリール基であり、Mはリチウム、ナト
リウム、カリウムのアルカリ金属イオン、マグネシウ
ム、カルシウムのアルカリ土類金属イオン、ホスホニウ
ムイオン、アンモニウムイオン。nはアルカリ金属イオ
ン、ホスホニウムイオン、アンモニウムイオンの場合1
であり、アルカリ土類金属イオンの場合に1/2であ
る。
【0017】具体的には、ドデシルスルホン酸ナトリウ
ム、ステアリルスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、ステアリルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムおよびこ
れらのナトリウムイオンを他の金属イオン(Li、K、
Mg、Caイオン)、ホスホニウムイオンおよびアンモ
ニウムイオンで置換した化合物が挙げられる。中でもド
デシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ステアリルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムおよびこれらのナトリウムイオンをリチウムイオン
に置換した化合物が好ましい。もちろん、これらの化合
物の複数の混合物であってもよい。
【0018】本発明において有機スルホン酸塩の含有量
は、フィルムを構成するポリエステル100重量部に対
して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量
部、さらに好ましくは0.1〜2重量部である。該化合
物の含有量が0.01重量部未満であるとゴミの付着や
しわの抑制が十分ではなく好ましくない。また、含有量
が5重量部を超えると搬送時にフィルム部分が剥離し好
ましくない。
【0019】本発明におけるポリエステルは従来公知の
方法で製造することができる。例えば、酸成分をジオー
ル成分と直接エステル化反応させた後、この反応の生成
物を減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去しつつ
重縮合させることによって製造する方法や、酸成分とし
てジアルキルエステルを用い、これとジオール成分とで
エステル交換反応させた後、上記と同様に重縮合させる
ことによって製造する方法等がある。この際、必要に応
じて、反応触媒として従来公知のアルカリ金属、アルカ
リ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、
ゲルマニウム、チタン化合物等を用いることもできる。
また、熱安定剤としてリン化合物を用いることができ
る。
【0020】本発明において有機スルホン酸塩は、原紙
を製造するまでの任意の段階でフィルムに添加すること
ができ、好ましくはエステル化またはエステル交換反応
開始から、後述のTダイ押し出し法などによりキャスト
してシート化するまでの段階であり、特に好ましくは重
縮合開始からシート化するために押し出しに供するまで
の段階である。
【0021】本発明におけるポリエステルには必要に応
じて、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染
料、ポリシロキサン等の消泡剤等を配合することができ
る。
【0022】さらには従来公知の易滑性付与方法を採用
することもできる。例えば、クレー、マイカ、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式あるいは
乾式シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの無機粒子、ア
クリル酸類、スチレン等を構成成分とする有機粒子等を
配合する方法、ポリエステル重合反応時に添加する触媒
等を析出させる、いわゆる内部粒子による方法、界面活
性剤を塗布する方法等がある。
【0023】本発明における原紙を構成するポリエステ
ル不織布は、上記ポリエステルを用いて、従来公知のメ
ルトブロー法やスパンボンド法などの直接溶融紡糸法に
よって得られた未延伸状態の不織布を延伸して得られた
ものである。用いられるポリエステルの固有粘度は、通
常好ましくは0.3以上、より好ましくは0.4以上、
特に好ましくは0.5以上である。
【0024】メルトブロー法では、未延伸不織布は、溶
融したポリエステルポリマを口金から吐出するに際し
て、口金周辺部から熱風を吹き付け、該熱風によって吐
出したポリマを細繊度化せしめ、ついで、しかるべき位
置に配置したネットコンベア上に吹き付けて捕集し、ウ
エブを形成して製造される。該ウエブはネットコンベア
に設けた吸引装置によって熱風と一緒に吸引されるの
で、個々の繊維が完全に固化する前に捕集される。つま
りウエブの繊維同士は互いに融着した状態で捕集され
る。口金とネットコンベア間の捕集距離を適宜設定する
ことによって、繊維の融着度合を調整することができ
る。また、ポリマ吐出量、熱風温度、熱風流量、コンベ
ア移動速度等を適宜調整することにより、ウエブの目付
や単糸繊維径を任意に設定することができる。メルトブ
ロー法で紡糸された繊維は、熱風の圧力で細繊度化さ
れ、無配向または低配向の状態で固化される。繊維の太
さは均一ではなく、太い繊維と細い繊維がほどよく分散
した状態でウエブを形成する。また、口金から吐出され
たポリマは、溶融状態から室温雰囲気下に急冷されるた
め、非晶質に近い、低結晶の状態で固化する。
【0025】同様にスパンボンド法では、未延伸不織布
は、口金から吐出したポリマをエアエジェクターによっ
て牽引し、得られたフィラメントを衝突板に衝突させて
繊維を開繊し、コンベア状に捕集してウエブを形成して
製造される。ポリマ吐出量、コンベア速度を適宜設定す
ることにより、ウエブの目付を任意に設定できる。ま
た、エジェクターの圧力と流量を適宜調整することによ
り、フィラメントの分子配向状態を任意に調整できる。
圧力と流量を絞って紡糸速度を遅くすることにより、分
子配向度の低いウエブを得ることができる。また、吐出
したポリマの冷却速度を調整することにより、結晶性の
低いウエブを得ることができる。スパンボンド法で製造
する場合、本発明の原紙を得るために用いられる未延伸
ポリエステル不織布は、紡糸速度は2500m/分以下
で紡糸するのが好ましく、より好ましくは2000m/
分以下、特に好ましくは1500m/分以下である。
【0026】本発明に用いる未延伸ポリエステル不織布
の結晶化度は、通常好ましくは20%以下、より好まし
くは15%以下、特に好ましくは10%以下である。
【0027】本発明に用いる未延伸ポリエステル不織布
は、未延伸であるのが最も好ましいが、延伸されている
としても低倍で、配向度は低いものが好ましい。通常、
複屈折(Δn)は好ましくは0.03以下、より好まし
くは0.02以下、特に好ましくは0.01以下であ
る。
【0028】本発明のポリエステルフィルムは、未延伸
フィルムを2軸延伸することによって好ましく得られ、
ポリエステルを用いて、従来公知の方法によって製造す
ることができる。例えば、Tダイ押し出し法によってポ
リマをキャストドラム上に押し出すことによって未延伸
フィルムを製造できる。口金のスリット幅、ポリマの吐
出量、キャストドラムの回転数を調整することによっ
て、所望の厚さの未延伸フィルムを作ることができる。
ポリエステルフィルムに用いられるポリエステルの固有
粘度は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.5
5以上、特に好ましくは0.58以上である。
【0029】本発明におけるポリエステルフィルムとポ
リエステル不織布とは、接着剤を介することなく接着し
てなる。接着は、上記の未延伸ポリエステル不織布を、
押し出しキャストして得られた未延伸ポリエステルフィ
ルムと、縦延伸工程の前段階で行うことが最も好まし
い。熱接着温度は通常、ポリエステルフィルムのガラス
転移温度(Tg)と融点(Tm)との間であるのが好ま
しく、より好ましくはTgと冷結晶化温度(Tcc)と
の間であり、特に好ましくはTg+10℃〜Tg+50
℃の範囲である。
【0030】本発明においては、前記未延伸ポリエステ
ルフィルムと未延伸ポリエステル不織布とを熱接着した
後共延伸することにより特に好ましく製造される。
【0031】共延伸の方法は特に限定されるものではな
いが、2軸延伸が好ましく、逐次2軸延伸法、同時2軸
延伸法のいずれの方法であってもよい。逐次2軸延伸法
の場合、縦方向、横方向の順に延伸するのが一般的であ
るが、逆に延伸してもよい。延伸温度はポリエステルフ
ィルムのガラス転移温度(Tg)と冷結晶化温度(Tc
c)との間であるのが好ましい。延伸倍率は特に限定さ
れるものではなく、用いるポリエステルフィルム用ポリ
マの種類や原紙に要求される感度等によって適宜決定さ
れるが、通常好ましくは縦、横それぞれ2〜8倍、より
好ましくは3〜8倍が適当である。また、2軸延伸後、
縦または横、あるいは縦横に再延伸してもかまわない。
【0032】さらにその後、2軸延伸後の本発明原紙を
熱処理してもよい。熱処理温度は特に限定されるもので
はなく、用いるフィルム用ポリマ、不織布用ポリマの種
類によって適宜決定されるが、通常は80〜240℃、
時間は0.5〜60秒程度が適当である。
【0033】熱処理して得られた原紙を一旦室温程度ま
で冷却した後、さらに40〜90℃の比較的低温で、5
分から1週間程度エージングすることもできる。このよ
うなエージングを採用すると、原紙の保管時あるいは印
刷機の中でのカール、シワの発生が少なく特に好まし
い。
【0034】本発明の原紙の支持体面を直接、光学顕微
鏡の明視野透過法で観察して求めた開孔部の面積分率は
好ましくは3〜80%、より好ましくは5〜50%、特
に好ましくは10〜30%である。また、開孔部を円と
みなした場合、その等価円直径の平均値は好ましくは5
〜100μm、より好ましくは10〜60μm、特に好
ましくは10〜30μmである。
【0035】本発明の原紙を構成する多孔性支持体の繊
維目付量は、好ましくは1〜30g/m2 であり、より
好ましくは2〜20g/m2 、特に好ましくは3〜16
g/m2 である。
【0036】本発明のポリエステル不織布の平均繊維径
は通常好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは2〜
15μm、より好ましくは3〜12μmである。平均繊
維径が1μm未満であると原紙にシワが入りやすく、穿
孔時に未穿孔となるため好ましくない。また、20μm
を超えると原紙の平面性が低下し穿孔にムラを生じるた
め好ましくない。
【0037】本発明のポリエステル不織布は延伸配向さ
れているのが好ましく、個々の繊維の複屈折(Δn)は
好ましくは0.1以上、より好ましくは0.12以上、
特に好ましくは0.14以上である。
【0038】本発明のポリエステル不織布の結晶化度
は、好ましくは15%以上であり、より好ましくは20
%以上、特に好ましくは25%以上である。
【0039】本発明の原紙を構成するポリエステルフィ
ルムは2軸延伸フィルムであるのが好ましく、厚さは、
原紙に要求される感度等によって適宜決定されるが、通
常0.1〜5μmであり、好ましくは0.1〜4μm、
より好ましくは0.1〜3μmである。
【0040】本発明の原紙を構成するポリエステルフィ
ルムは、結晶融解エネルギー(ΔHu)が3〜11ca
l/gであるのが好ましく、より好ましくは5〜11c
al/gである。
【0041】本発明の原紙を構成するポリエステルフィ
ルムの融点(Tm1 )とポリエステル不織布の融点(T
m2 )とは、好ましくはTm1 ≦Tm2 であり、より好
ましくはその温度差が5℃以上、特に好ましくは10℃
以上である。
【0042】本発明の原紙を構成するポリエステルフィ
ルムと多孔性支持体間の剥離強度は好ましくは3g/c
m以上、より好ましくは5g/cm以上、特に好ましく
は10g/cm以上である。
【0043】本発明においては、サーマルヘッド等との
融着防止のため、ポリエステルフィルムとポリエステル
繊維からなる多孔性支持体とを熱接着した後、2軸共延
伸の前または後、あるいはその途中の工程において、ポ
リエステルフィルムのもう一方の面に、離型剤を塗布す
ることができる。
【0044】本発明の原紙に用いる離型剤としては、シ
リコーンオイル、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、界
面活性剤等からなる従来のものを用いることができる。
【0045】また、本発明の原紙には、離型剤ととも
に、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種添加剤を併
用することができる。例えば、帯電防止剤、耐熱剤、酸
化防止剤、有機粒子、無機粒子、顔料等が挙げられる。
【0046】また、塗剤中には水への分散性を向上させ
る目的で各種添加剤、例えば分散助剤、界面活性剤、防
腐剤、消泡剤等を添加しても良い。
【0047】離型剤層の厚みは好ましくは0.005μ
m以上0.4μm以下、より好ましくは0.01μm以
上0.4μm以下である。離型剤層の厚みが0.4μm
以下であれば穿孔時の走行性が良好でヘッドの汚染も少
ない。
【0048】本発明において離型剤層を塗布する場合に
は塗液は防爆性や環境汚染の点で水に溶解、乳化または
懸濁した塗液が好ましい。
【0049】離型剤の塗布は、フィルムの延伸前あるい
は延伸後、いずれの段階で行ってもよい。本発明の効果
をより顕著に発現させるためには、延伸前に塗布するの
が特に好ましい。塗布方法は特に限定されないが、ロー
ルコーター、グラビアコーター、リバースコーター、バ
ーコーター等を用いて塗布するのが好ましい。
【0050】また、離型剤を塗布する前に必要に応じ
て、塗布面に空気中その他種々の雰囲気中でコロナ放電
処理を施しても良い。
【0051】
【特性の測定方法及び評価方法】次に、本発明における
特性の測定方法及び評価方法について説明する。
【0052】(1)融点(Tm、℃) セイコー電子工業(株)製示差走査熱量計RDC220
型を用い、試料5mgを採取し、室温より昇温速度20
℃/分で昇温した時の吸熱曲線のピークの温度より求め
た。
【0053】(2)結晶融解エネルギー(ΔHu) セイコー電子工業(株)製示差走査熱量計RDC220
型を用いて、フィルムの融解時の面積から求めた。この
面積は、昇温することによりベースラインから吸収側に
ずれ、さらに昇温を続けるとベースラインの位置まで戻
るまでの面積であり、融解開始温度位置から終了位置ま
でを直線で結び、この面積(a)を求め、同じ示差走査
熱量計の条件でIn(インジウム)を測定し、この面積
(b)を6.8cal/gとして次式により換算した。
【0054】6.8×a/b=ΔHu(cal/g)
【0055】(3)平均繊維径 サンプルの任意な10箇所を電子顕微鏡で倍率2000
倍で10枚の写真撮影を行い、1枚の写真につき任意の
15本の繊維の直径を測定し、これを10枚の写真につ
いて行い、合計150本の繊維径の平均で表した。
【0056】(4)繊維目付(g/m2 ) 試験片20cm×20cmを取り、その重量を測定して
2 当たりの重量に換算した。
【0057】(5)固有粘度〔η〕 o−クロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
【0058】(6)結晶化度(%) n−ヘプタンと四塩化炭素の混合液からなる密度勾配管
に試料を投入し、10時間以上経過後の値を読んで密度
を求めた。結晶化度0%の密度を1.335g/c
3 、結晶化度100%の密度を1.455g/cm3
として、サンプルの結晶化度を算出した。
【0059】(7)複屈折(Δn) 偏光顕微鏡により、光源にナトリウムランプを用い、試
料をα−プロムナフタリン浸漬下で、Berekコンベ
ンセーター法からレターデーションを求めて算出した。
【0060】(8)支持体の開孔部の面積分率(%) 原紙の支持体面を直接、光学顕微鏡の明視野透過法で観
察し、(株)ピアス製ハイビジョン対応画像解析装置を
用いて、モニター倍率240倍で、開孔部の面積分率を
求めた。任意の測定点10箇所について面積分率を求
め、その平均値で表した。
【0061】(9)支持体の開孔部の等価円直径の平均
値(μm) 原紙の支持体面を直接、光学顕微鏡の明視野透過法で観
察し、(株)ピアス製ハイビジョン対応画像解析装置を
用いて、モニター倍率240倍で、白黒反転処理して、
開孔部の等価円直径を測定し、その平均値を求めた。任
意の測定点10箇所について測定し、その平均値で表し
た。
【0062】(10)剥離強度(g/cm) フィルム面にセロハンテープを貼って補強し、フィルム
と多孔性支持体間との剥離強度をJIS−K−6854
に準拠した180度剥離試験法により測定した。
【0063】(11)印刷性評価 作製した原紙を理想科学工業(株)製印刷機“リソグラ
フ”GR275に供給して、サーマルヘッド式製版方式
により、A4サイズに一辺10mmの黒ベタ(■)を全
面に格子状に製版してマスタを作成した。該マスタによ
り印刷を行い、印刷物のマクベス濃度および白抜けの有
無を目視判定により評価した。
【0064】白抜けの判定は、白抜けの全くないものを
◎、黒ベタ部のごく一部に白抜けがあるものを○、黒ベ
タ部の半数以下の部分に白抜けがあるものを△、黒ベタ
部の各部分に白抜けがあるものを×とした。
【0065】(12)搬送性の評価 作製した原紙を理想科学工業(株)製印刷機“リソグラ
フ”GR275に供給して製版し、版胴上の原紙のシワ
の有無を目視により判定して次のように評価した。
【0066】版胴上の原紙に全くシワが発生しなかった
ものを◎、長さ1mm以下のシワが発生したものを○、
1〜5mmのシワが発生したものを△、5mm以上のシ
ワが発生したものを×とした。
【0067】
【実施例】
実施例1 (多孔性支持体の製造)孔径0.35mm、孔数100
個の矩形紡糸口金を用いて、口金温度280℃、吐出量
30g/分で、ポリエチレンテレフタレート原料
(〔η〕=0.6、Tm=257℃)をメルトブロー法
にて紡出し、捕集距離15cmでコンベア上に繊維を捕
集して巻取り、繊維目付140g/m2 の未延伸不織布
を作製した。該不織布の平均繊維径は8.7μm、結晶
化度は3%、複屈折(Δn)は0.004であった。
【0068】(原紙の製造)次いで、平均粒子径1.5
μmのシリカを2重量%含有するポリエチレンテレフタ
レート20重量部、エチレンテレフタレート−エチレン
イソフタレート共重合体(イソフタル酸17.5モル%
共重合)80重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸
リチウム0.5重量部を2軸押出機を用いて溶融混練、
押し出しカットして共重合ポリエステル樹脂原料(イソ
フタル酸14モル%共重合〔η〕=0.60、Tm=2
28℃)を得た。得られた原料を回転型乾燥機で175
℃で3時間減圧乾燥し、スクリュ径40mmの押出機を
用いて、Tダイ口金温度270℃で押出し、直径300
mmの冷却ドラム上にキャストして厚さ28μmの未延
伸フィルムを作成した。
【0069】該未延伸フィルム上に、前記の不織布を重
ね、加熱ロールに供給してロール温度80℃で熱接着し
た。こうして得られた積層シートを90℃の加熱ロール
で、長さ方向に3.5倍延伸した後、テンター式横延伸
機に送り込み、95℃で幅方向に4.0倍延伸し、さら
にテンター内で120℃×10秒間熱処理して感熱孔版
用原紙を作製した。該原紙のフィルム面にはテンター入
口部において、シリコーンオイル(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)社製SH−200)の水系エマル
ジョンをグラビアコーターを用いて乾燥後の重さで0.
1g/m2 塗布した。得られた原紙の繊維目付量は10
g/m2 、平均繊維径は4.5μmであった。また、フ
ィルム単独の厚さは2μm、結晶融解エネルギーは7.
9cal/gであった。
【0070】(評価結果)表1〜表3にまとめたよう
に、最終的に得られた原紙を用いて印刷性の評価を行っ
たところ、この原紙を用いて印刷した印刷物は、黒ベタ
部分の濃度が高く、また、白抜けがなく、さらにシワが
全く発生せず良好であった。
【0071】比較例1 孔径0.15mm、孔数100個の矩形紡糸口金を用い
て、口金温度280℃、吐出量3g/分で、ポリエチレ
ンテレフタレート原料(〔η〕=0.6、Tm=257
℃)をメルトブロー法にて紡出し、捕集距離15cmで
コンベア上に繊維を捕集して巻取り、繊維目付10g/
2 の不織布を作製した。該不織布の平均繊維径は4.
5μm、結晶化度は20%、複屈折(Δn)は0.18
0であった。
【0072】次いで、実施例1と同様に平均粒子径1.
5μmのシリカを2重量%含有するポリエチレンテレフ
タレート20重量部、エチレンテレフタレート−エチレ
ンイソフタレート共重合体(イソフタル酸17.5モル
%共重合)80重量部およびドデシルベンゼンスルホン
酸リチウム0.5重量部を2軸押出機を用いて溶融混練
して押し出しカットして得た共重合ポリエステル樹脂原
料(イソフタル酸14モル%共重合)を回転型乾燥機で
175℃で3時間減圧乾燥し、スクリュ径40mmの押
出機を用いて、Tダイ口金温度270℃で押出し、直径
300mmの冷却ドラム上にキャストして、90℃の加
熱ロールで、長さ方向に3.5倍延伸した後、テンター
式横延伸機に送り込み、95℃で幅方向に4.0倍延伸
し、さらにテンター内で120℃×10秒間熱処理して
厚さ2μmのポリエステルフィルムを作製した。
【0073】次に上記不織布とポリエステルフィルムと
を酢酸ビニル樹脂を用いて貼り合わせた。さらに、フィ
ルム面にシリコーンオイル(東レ・ダウコーニング・シ
リコーン(株)社製SH−200)を塗布し、原紙を作
製した。
【0074】(評価結果)最終的に得られた原紙を用い
て評価を行ったところ、印刷した印刷物は、黒ベタ部分
の濃度が低く、また、白抜けが多数発生した。
【0075】実施例2、3、比較例2 ドデシルベンゼンスルホン酸リチウムを添加しないかそ
の添加量を変更すること以外は実施例1と同様にして原
紙を得た。
【0076】表1〜表3に、評価結果をまとめたが、本
発明の原紙は良好な印刷特性を示したのに対して、ドデ
シルベンゼンスルホン酸リチウムを添加しない場合には
白抜けが発生することがわかる。
【0077】実施例4〜8 ドデシルベンゼンスルホン酸リチウムのかわりに、それ
ぞれドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ステアリ
ルベンゼンスルホン酸リチウム、ステアリルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、ステアリルスルホン酸ナトリウ
ム、ステアリルスルホン酸リチウムを用いたこと以外は
実施例1と同様にして原紙を得た。
【0078】表1〜表3にまとめたように、最終的に得
られた原紙を用いて印刷性の評価を行ったところ、この
原紙を用いた場合、しわの発生がなく、印刷物は、黒ベ
タ部分の濃度が高く、また、白抜けが少なく良好であっ
た。
【0079】実施例9 平均粒子径が1.5μmのシリカを0.4重量%を含有
するエチレンイソフタレート単位を25モル%含有した
共重合ポリエチレンテレフタレート100重量部にドデ
シルベンゼンスルホン酸リチウム0.5重量部を2軸押
出機を用いて溶融混練して押し出しカットして共重合ポ
リエステル樹脂原料(〔η〕=0.62、Tm=197
℃)を得た。得られた原料をもちいて回転型乾燥機で1
50℃で5時間減圧乾燥し、スクリュ径40mmの押出
機を用いて、Tダイ口金温度260℃で押出し、直径3
00mmの冷却ドラム上にキャストして厚さ28μmの
未延伸フィルムを作成した。
【0080】該未延伸フィルム上に、前記の不織布を重
ね、加熱ロールに供給してロール温度70℃で熱圧着し
た。こうして得られた積層シートを85℃の加熱ロール
で、長さ方向に3.5倍延伸した後、テンター式横延伸
機に送り込み、90℃で幅方向に4.0倍延伸し、さら
にテンター内で100℃×10秒間熱処理して感熱孔版
用原紙を作製した。該原紙のフィルム面にはテンター入
口部において、シリコーンオイル(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)社製SH−200)の水系エマル
ジョンをグラビアコーターを用いて乾燥後の重さで0.
1g/m2 塗布した。得られた原紙の繊維目付量は10
g/m2 、平均繊維径は4.5μmであった。また、フ
ィルム単独の厚さは2μm、結晶融解エネルギーは5.
9cal/gであった。
【0081】(評価結果)表1〜表3にまとめたよう
に、最終的に得られた原紙を用いて印刷性の評価を行っ
たところ、この原紙を用いた場合、しわの発生がなく、
印刷物は、黒ベタ部分の濃度が高く、また、白抜けが全
く発生せず良好であった。
【0082】実施例10、11、比較例3 吐出量を変更すること以外は実施例1と同様にメルトブ
ロー法により紡糸して多孔質支持体の製造、原紙の製造
を行い原紙を得た。
【0083】(評価結果)表1〜表3にまとめたよう
に、最終的に得られた原紙を用いて印刷性の評価を行っ
たところ、本発明の原紙を用いた場合、しわの発生がな
く、印刷物は、黒ベタ部分の濃度が高く、また、白抜け
が全く発生せず良好であったのに対して、平均繊維径の
小さな不織布を用いた場合には搬送時にシワが発生し、
印刷濃度も低く、白抜けも発生した。
【0084】実施例12 (多孔質支持体の製造)孔径0.25mm、孔数100
0個の矩形口金を用いて、吐出量1000g/分でポリ
エチレンテレフタレート原料(〔η〕=0.65、Tm
=254℃)を溶融温度290℃で紡出し、エアエジェ
クターにて、紡糸速度1500m/分でコンベア上に分
散捕集して繊維目付100g/m2 の低配向不織布を作
製した。該不織布繊維の平均繊維径は18μm、結晶化
度は5%、複屈折(Δn)は0.009であった。
【0085】(原紙の製造)次いで、平均粒子径1.5
μmのシリカを2重量%含有するポリエチレンテレフタ
レート20重量部、エチレンテレフタレート−エチレン
イソフタレート共重合体(イソフタル酸17.5モル%
共重合)80重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸
リチウム0.5重量部を2軸押出機を用いて溶融混練し
て押し出しカットして共重合ポリエステル樹脂原料(イ
ソフタル酸14モル%共重合〔η〕=0.60、Tm=
228℃)を得た。得られた原料を回転型乾燥機で17
5℃で3時間減圧乾燥し、スクリュ径40mmの押出機
を用いて、Tダイ口金温度270℃で押出し、直径30
0mmの冷却ドラム上にキャストして厚さ21μmの未
延伸フィルムを作成した。
【0086】該未延伸フィルム上に、前記の不織布を重
ね、加熱ロールに供給してロール温度80℃で熱圧着し
た。こうして得られた積層シートを90℃の加熱ロール
で、長さ方向に3.2倍延伸した後、テンター式横延伸
機に送り込み、95℃で幅方向に3.2倍延伸し、さら
にテンター内で120℃×10秒間熱処理して感熱孔版
用原紙を作製した。該原紙のフィルム面にはテンター入
口部において、シリコーンオイル(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)社製SH−200)の水系エマル
ジョンをグラビアコーターを用いて乾燥後の重さで0.
1g/m2 塗布した。得られた原紙の繊維目付量は10
g/m2 、平均繊維径は10μmであった。また、フィ
ルム単独の厚さは2μm、結晶融解エネルギーは7.6
cal/gであった。該原紙を光学顕微鏡で観察したと
ころ、支持体は繊維同士が融着した網状体を形成されて
いた。
【0087】(評価結果)表1〜表3にまとめたよう
に、最終的に得られた原紙を用いて印刷性の評価を行っ
たところ、この原紙を用いた場合、しわの発生がなく、
印刷物は、黒ベタ部分の濃度が高く、また、白抜けが少
なく良好であった。
【0088】実施例13、14、比較例4 多孔質支持体製造時の吐出量と紡糸速度を変更すること
以外は実施例12と同様にして多孔質支持体の製造、原
紙の製造を行い原紙を得た。
【0089】(評価結果)表1〜表3にまとめたよう
に、最終的に得られた原紙を用いて印刷性の評価を行っ
たところ、本発明の原紙を用いた場合、しわの発生がな
く、印刷物は、黒ベタ部分の濃度が高く、また、白抜け
が少なく良好であったのに対して、平均繊維径の大きな
不織布を用いた場合には、印刷濃度も低く、白抜けも発
生した。
【0090】実施例15 平均粒子径が1.5μmのシリカを0.4重量%を含有
する1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート
単位を33モル%含有した共重合ポリエチレンテレフタ
レート100重量部にドデシルベンゼンスルホン酸リチ
ウム0.5重量部を2軸押出機を用いて溶融混練して押
し出しカットして共重合ポリエステル樹脂原料(〔η〕
=0.65)を得た。得られた原料をもちいて熱風オー
ブンで80℃24時間乾燥し、スクリュ径40mmの押
出機を用いて、Tダイ口金温度280℃で押出し、直径
300mmの冷却ドラム上にキャストして厚さ28μm
の未延伸フィルムを作成した。
【0091】該未延伸フィルム上に、実施例1で用いた
不織布を重ね、加熱ロールに供給してロール温度90℃
で熱圧着した。こうして得られた積層シートを100℃
の加熱ロールで、長さ方向に3.5倍延伸した後、テン
ター式横延伸機に送り込み、105℃で幅方向に4.0
倍延伸し、さらにテンター内で120℃×10秒間熱処
理して感熱孔版用原紙を作製した。該原紙のフィルム面
にはテンター入口部において、シリコーンオイル(東レ
・ダウコーニング・シリコーン(株)社製SH−20
0)の水系エマルジョンをグラビアコーターを用いて乾
燥後の重さで0.1g/m2 塗布した。得られた原紙の
繊維目付量は10g/m2 、平均繊維径は4.5μmで
あった。また、フィルム単独の厚さは2μm、結晶融解
エネルギーは0.2cal/gであった。
【0092】(評価結果)表1〜表3にまとめたよう
に、最終的に得られた原紙を用いて印刷性の評価を行っ
たところ、この原紙を用いた場合、しわの発生がなく、
印刷物は、黒ベタ部分の濃度が高く、また、白抜けが少
なく良好であった。
【0093】実施例16、17 フィルム部分の厚さを変更すること以外は実施例1と同
様にして原紙を作製した。
【0094】得られた原紙を用いた場合、しわの発生が
なく、印刷物は、黒ベタ部分の濃度が高く、また、白抜
けが少なかった。
【0095】
【表1】
【表2】
【表3】
【0096】
【発明の効果】本発明は、上記構成としたことにより、
次の効果を奏する。すなわち、製造工程、保管時のゴミ
の付着がなく、使用時の装置内の搬送系でのしわの発生
がないので、この原紙を用いた孔版印刷で得られる印刷
物は高画像性と印刷鮮明性を有し、かつ欠点がなく、搬
送性にも優れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル100重量部に対して有機
    スルホン酸塩を0.01〜5重量部含有してなるポリエ
    ステルフィルムと、平均繊維径が1〜20μmのポリエ
    ステル不織布とが接着剤を介することなく接着してなる
    ことを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。
JP8123996A 1996-04-03 1996-04-03 感熱孔版印刷用原紙 Pending JPH09267576A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013132858A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Riso Kagaku Corp 感熱孔版印刷用原紙

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