JPH09208165A - 可変速型乗客コンベアのパレット構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンベヤの速度が変化しても挟まれ、踏面の
移動がなく騒音、磨耗がない乗客コンベヤを提供する。 【解決手段】 低速および高速が一つの搬送路において
変速可能な可変速型乗客コンベアであって、パレット本
体１踏面に設けられ底板２′を有する踏面クシ歯２と、
パレット本体１と軸５結合し前記パレット本体１の踏面
クシ歯３より低い位置にあり底板３′を有する張出しク
シ歯３とからなり、パレット１が相互に接近したとき、
前記張出しクシ歯３が隣接するパレット本体１の踏面ク
シ歯２の下部７内に挿入され、パレット１００、２００
・・相互の近接、離間に関係なくパレット本体１の踏面
クシ歯端部と前記張出しクシ歯３が常にかみ合う構造と
した可変速型乗客コンベアのパレット構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、動く歩道、エスカ
レータ等の乗客コンベヤのパレットに関し、特に、乗り
口と降り口との間でパレットの移動速度が変化する可変
速型乗客コンベヤのパレットに関する。

【０００２】

【従来の技術】可変速型乗客コンベヤのパレットについ
ては、以下の特許公報において公知である。

【０００３】特公昭４９−３１４７０号公報に開示され
た可変速型乗客コンベヤのパレットは、パレットの中央
から位相の異なるクシ歯（互いにかみ合うクシ歯）が各
々配置されている構造である。

【０００４】また、特開平５−２４６６７２号公報に開
示された可変速型乗客コンベヤのパレットは、本体パレ
ットの端部にピン結合したクシ歯を配置し、隣接パレッ
ト間の隙間をこのクシ歯で埋めて、連続した踏面を確保
する構造である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術においては、次の問題点がある。

【０００６】特公昭４９−３１４７０号公報に開示され
た可変速型乗客コンベヤのパレットにおいては、乗り込
み時にパレットの中心に乗っていてもパレットが伸縮す
るため、パレット相互のかみ合いにより乗客の足元が動
き、乗り心地を損ねる問題がある。また、パレット支持
ローラから左右にクシ歯が突出しているため、パレット
の反転位置で床方向に張り出してしまう問題もある。

【０００７】また、特開平５−２４６６７２号公報に開
示された可変速型乗客コンベヤのパレットにおいては、
各本体パレット間の隙間を埋めるクシ歯が本体端部で固
定ピンで連結されている構造であるが、パレット伸縮時
のクシ歯のかみ合い手段に安全上の問題がある。また、
パレット伸縮時にクシ歯が物理的に接触しながら摺動す
るため、クシ歯の磨耗や騒音の発生等の問題がある。さ
らに、クシ歯の隙間からの落下物等を遮蔽するための塞
ぎ板を下段に設ける必要があり、構造が複雑になる問題
がある。

【０００８】本発明は、前述の従来技術における問題を
解決することを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前述の課題は、一つの搬
送路において変速可能な可変速型乗客コンベアであっ
て、パレット本体踏面に設けられ底板を有する踏面クシ
歯と、パレット本体と軸結合し前記パレット本体の踏面
クシ歯より低い位置にあり底板を有する張出しクシ歯を
有して、パレット本体が相互に接近したとき、前記張出
しクシ歯が隣接するパレット本体の踏面クシ歯の隙間部
内に挿入され、パレット本体相互の近接、離間に関係な
くパレット本体の踏面クシ歯端部と前記張出しクシ歯が
常にかみ合う構造とした可変速型乗客コンベアのパレッ
ト構造により解決される。

【００１０】前述の手段によれば、パレット本体踏面に
設けられ底板を有する踏面クシ歯は、底板により強度の
向上が図られ、パレット本体の接近時に乗客が踏面クシ
歯に乗り、負荷の分担が図られ、張出しクシ歯は、前記
踏面クシ歯より低い位置に軸で取付けられており、パレ
ットの接近状態では隣接するパレット内部に挿入し、ま
た、反転部では、パレット端部で軸を中心として回動し
て反転部の曲がりに対応する。

【００１１】また、パレット踏面クシ歯と張出しクシ歯
は、常にかみ合っていることにより挟まれが防止され、
乗客の負荷が作用しないので騒音、磨耗が生じない。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明すると、図１は、本発明にかかるパレットの
一部断面を示した側断面図である。

【００１３】図１において、１はパレット本体、２は該
パレット本体１と一体となった踏面クシ歯で、該踏面ク
シ歯２は底板２′を有し後述する張出しクシ歯３より高
くなっており、下部に該張出しクシ歯が挿入されるよう
になっている。（該クシ歯の凹部をハッチングで示
す。）

【００１４】３は張出しクシ歯（凹部をハッチングで示
す。）で、該張出しクシ歯３は底板３′を有し、一端を
前記パレット本体１の端部に取付け金具４を介し、軸５
により枢着されており、該軸５を中心として張出しクシ
歯３は回動する構造となっている。

【００１５】６はパレット本体１の踏面クシ歯２下に設
けられた隙間部７の一端部に設けられた摺動ローラで、
隣接するパレット本体の張出しクシ歯が前記隙間部７に
出入りするのをスムーズにするために設けられている。

【００１６】８、９は支持金具１０によりパレット本体
１の下部に取付けられたガイドローラで、該ガイドロー
ラ８と９との間に嵌装されるガイドレール（図示せ
ず。）に沿って移動する。

【００１７】図２は、図１の平面図であり、パレット本
体１の踏面クシ歯２の凹部２ａには、張出しクシ歯３の
凸部３ａが同一ライン上にあり、また、踏面２のクシ歯
の凸部２ｂには、張出しクシ歯３の凹部３ｂが同一ライ
ン上にある。

【００１８】さらに、パレット本体１の踏面クシ歯２の
右端部イにおいては、踏面クシ歯２の凹部２ａの底が無
い状態のフォーク状となって、張出しクシ歯３の軸５を
中心とする回動をフリーとしている。

【００１９】図３、図４は、パレット相互の接近と離間
状態を示す側面図であり、図３は乗り口および降り口で
の低速状態におけるパレット本体の接近状態を示し、図
４は中間ゾーンでの高速状態におけるパレット本体の離
間状態を示す。

【００２０】図３の低速状態では、一方のパレット本体
１００の張出しクシ歯１０３が、隣接するパレット本体
２００の隙間部７に挿入された状態で接近している。
尚、１１はガイドローラ８、９をガイドするガイドレー
ルである。

【００２１】図４の高速状態では、張出しクシ歯１０３
および２０３が張出している。張出しクシ歯１０３の左
端部と、パレット本体１００の踏面クシ歯２とはイ部に
おいて互いにかみ合っており、同様に、張出しクシ歯１
０３の先端部とパレット本体２００の踏面クシ歯２の左
端部とはロ部において互いにかみ合っており、クシ歯に
よる挟まれを防止している。

【００２２】尚、乗り口および降り口での固定クシ歯
（図示せず）とパレット本体踏面クシ歯は、相互にかみ
合う。パレット本体相互のクシ歯は凹、凸が同一線上に
あり、該凹凸に前記固定クシ歯の凸凹部がかみ合い、挟
まれを防止する。

【００２３】図５は、本発明の可変速型乗客コンベヤパ
レットの反転部における接近状態を示した側断面図であ
る。

【００２４】パレット本体１００、２００の張出しクシ
歯１０３が隣接するパレット２００および３００に各々
嵌合して接近状態で反転している状態であり、軸５を中
心に張出しクシ歯１０３および２０３は屈折する。

【００２５】図６は、特願平７−３３３０４５に示され
る乗客コンベヤに可変速を与える手段の一例を示した側
面図である。

【００２６】図６においては、両側部に低速スプロケッ
ト１２、１３が設けられ、中間部左右に高速スプロケッ
ト１４、１５が設けられている。低速スプロケット１
２、１３は低速駆動ベルト１６および１７で低速駆動さ
れ、高速スプロケット１４、１５は高速駆動ベルト１８
により高速駆動され、該低速駆動ベルト１６、１７およ
び高速駆動ベルト１８は、パレット本体１００、２０
０、３００、・・・を摩擦係合しながら移動して可変速
状態が形成される。

【００２７】尚、本発明のパレットに実施される可変速
手段は、前記の他、公知の手段でもよく、本旨ではない
ので詳細は省略する。

【００２８】

【発明の効果】本発明は以下の効果を有する。 イ．乗り口および降り口での固定クシ歯とパレット本体
クシ歯は、かみ合った状態を連続的に保持することがで
き、特に、降り口での乗客の挟まれ等の安全性を保つこ
とができる。 ロ．乗り口で乗客が乗る場合は、パレットが接近してい
るため、パレット本体の踏面のクシ歯のみが負荷を受け
るので、加速ゾーンでの張出しクシ歯の移動が全く乗客
には物理的作用を及ぼさず、快適性を保つことができ
る。 ハ．パレット本体クシ歯の端部が張出しクシ歯とかみ合
っているので、パレットが接近、離反をしても挟まれ等
の危険がなく、安全である。 ニ．各クシ歯とも底板を設けたので、塞ぎ手段を考慮す
る必要がなく、また、底板により強度も大きいため、ク
シ歯の材質や形状（幅、高さ）の制約が少なく、、簡易
で安価に製作することができる。 ホ．クシ歯〜パレット間の物理的接触がないため、磨耗
や騒音が発生しない。 ヘ．張出しクシ歯はピン結合であるため、反転部におけ
る該クシ歯の張出しがなく、床下のパレット反転装置や
駆動装置をコンパクトに収納することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるパレットの一部断面を示した側
断面図

【図２】図１の平面図

【図３】乗り口および降り口での低速状態におけるパレ
ット本体の接近状態を示す側断面図

【図４】中間ゾーンでの高速状態におけるパレット本体
の離間状態を示す側断面図

【図５】本発明の可変速型乗客コンベヤパレットの反転
部における側断面図

【図６】特願平７ー３３３０４５号に開示された可変速
手段の側面図

【符号の説明】

１ パレット本体（１００、２００、３００・・） ２ 踏面 ２′底板 ３ 張出しクシ歯（１０３、２０３、３０３） ３′底板 ４ 取付け金具 ５ 軸 ６ 摺動ローラ ７ 隙間部 ８ ガイドローラ ９ ガイドローラ １０ 支持金具 １１ ガイドレール １２ 低速スプロケット １３ 低速スプロケット １４ 高速スプロケット １５ 高速スプロケット １６ 低速駆動ベルト １７ 低速駆動ベルト １８ 高速駆動ベルト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一つの搬送路において変速可能な可変速
   型乗客コンベアであって、パレット本体踏面に設けられ
   底板を有する踏面クシ歯と、パレット本体と軸結合し前
   記パレット本体の踏面クシ歯より低い位置にあり底板を
   有する張出しクシ歯を有して、パレット本体が相互に接
   近したとき、前記張出しクシ歯が隣接するパレット本体
   の踏面クシ歯の隙間部内に挿入され、パレット本体相互
   の近接、離間に関係なくパレット本体の踏面クシ歯端部
   と前記張出しクシ歯が常にかみ合う構造とした可変速型
   乗客コンベアのパレット構造。