JPH09159072A - 管継手シール工法に用いる環状成形シール材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な防水、防食効果も有する継目部を
形成することができる管継手シール工法に用いる環状成
形シール材を提供する。 【解決手段】 管体Ａに締め付け環Ｂ、環状成形シール
材Ｃ、留め金具Ｄ、押えリングＥおよび環状パッキング
Ｆを外嵌すると共に、前記管体Ａを管継手Ｇに挿入し、
ねじ結合して前記環状成形シール材Ｃを加圧変形させ、
シール材６を締め付け環Ｂと管体Ａの間隙に押出して閉
塞密閉する管継手シール工法において、環状成形シール
材Ｃを構形する成形体１１の外面壁１５を成形体本体か
ら分離するか易破壊壁とし、締め付け時の成形体の変
形、破損を防止し、シール材を締め付け環Ｃと管体Ａの
間隙へ確実に押し出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、樹脂ライニング
されたパッキン型継手、特にメカニカル管継手とこれに
接続する管体とのシール工法に使用される環状成形シー
ル材の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】ガス、液体等の流体を輸送する管体と、
該管体相互を接続する継手管との接続部の防水あるいは
防食は、この部分の外側をテープでスパイラル状に巻き
つけたり、熱収縮チューブで被覆して加熱収縮させる方
法や、接続部に螺合したナットによりゴムパッキングま
たは０リングを締め付ける等の方法が採用されている。

【０００３】最近の管体は防食の目的のために鋼管表面
に合成樹脂等でライニング層を形成したものが多く、継
手もメカニカル継手が多く使用されているが、その防食
方法としての従来のテープ巻きつけや熱収縮チューブの
被覆では施工性が悪く、満足な結果が得られていないの
が現状である。

【０００４】一方、樹脂ライニングされたパッキン型管
継手との水密方法として、管継手内のパッキンでシール
する工法があるが、曲げ、引張り時の水密性は不十分な
ものであった。

【０００５】そこで、半流動性シール材料を充填してな
る環状成形シール材を用い、管とねじ結合し、その締め
付けにより該シール材を圧縮変形させることにより、成
形体中の半流動性シール材が管と管体との間隙に押出さ
れ、その間隙を密閉する工法を特願昭６０−１６９５６
３号によって提案した。

【０００６】さらに、上記工法では、その締め付け時に
留め金具が環状シール材を押しつぶす場合が生じ、その
ために環状成形シール材の位置を移動させたり、変形、
破損させ、適正なシール材の充填がなされない状態が発
生する事態が見い出され、これに対応するため、特願昭
６４−１５７１２号で、環状成形シール材に用いられて
いる成形体の形状及び材質を検討したシール材を提案し
た。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、締め付
け時の管体と継手管とのクリアランス等により、一部に
極度な圧縮変形がかかり、成形体の外周部が変形、破損
し、良好な防食効果を得ることが困難であるという問題
がある。

【０００８】上記締め付け時に環状成形シール材が変
形、破損してしまう原因としては、空隙部にテーパ（角
度）があり、成形体の外周部が追従しないことおよび締
め付け時に管体と管継手との間にクリアランスが有り、
変動しながら圧縮されてゆくため外周部が追従しないこ
と、などがあげられる。

【０００９】上記の点にかんがみ、管体と管継手とのシ
ール工法において、留め金具が環状成形シール材に食い
込み、または、環状成形シール材を破壊に至らしめる事
を防止するため、環状シール材に用いられている成形体
の形状について検討した結果、この発明に至ったもので
ある。

【００１０】そこで、この発明の課題は、成形体の形状
の特定化あるいは材質の一部または全部を変更して特定
した外形構造とし、留め金具の固定、成形体への留め金
具の侵入防止を図ると共に、成形体外周部の変形、破損
を防止し、シール材としての効果を損うことのないよう
な成形体を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、この発明は、環状成形シール材を構成する成
形体の外面壁を成形体本体から分離するか易破壊壁とし
た構成を採用したものである。

【００１２】ここで、成形体本体は、内面壁と端壁から
なり、外面壁とで断面コ字状に形成され、その内部にシ
ール材を充填することにより環状成形シール材を構成し
ている。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
示例と共に説明する。

【００１４】図２は、この発明の環状成形シール材を用
いる管継手シール工法の具体的な構造を示し、管体Ａに
締め付け環Ｂと環状成形シール材Ｃ、リング状の留め金
具Ｄ、押えリングＥ、環状パッキングＦの順に外嵌挿
し、最後に管継手Ｇを挿入し、締め付け環Ｂを回転させ
て管継手Ｇに結合させるようになっている。

【００１５】前記締め付け環Ｂは、先端内周を傾斜面１
とした拡径部２の内周に内ねじ３を該設し、外周部全体
に合成樹脂のライニング層４を設けて形成され、管継手
Ｇは先端が拡径され、その外周面に内ねじ３を螺合する
外ねじ５が形成され、内部に環状パッキンＦを収納する
ようになっている。

【００１６】図２の状態で締め付け環Ｂを回転させなが
ら管継手Ｇにねじ込んでいくと、締め付け環Ｂの傾斜面
１が環状成形シール材Ｃの外周を圧縮し、これによって
シール材６が押し出されて流動し、図３に示すように、
締め付け環Ｂと管体Ａとの間隙内を充填し、継手内部の
金属の腐食を防止するものである。

【００１７】図１（ａ）乃至（ｃ）は、上記管継手シー
ル工法に用いる環状成形シール材Ｃの具体的な構造を示
している。

【００１８】図１（ａ）に示す環状成シール材Ｃは、断
面コ字状の成形体１１と、この成形体１１の内部に充填
した粘性シール材６とからなり、成形体１１は、内面壁
１２と端壁１３でＬ字状に形成した成形体本体１４と、
外面壁１５との組み合せからなり、外面壁１５は成形体
本体１４と分離され、締め付け時の圧力に応じて成形体
本体１４と移動を異なるものとし、変形や破損に耐える
構造になっている。

【００１９】図１（ｂ）に示す環状成形シール材Ｃは、
成形体本体１４の端壁１３と外面壁１５の連接部分の外
周に凹溝を設け、残した部分を薄肉厚の易破壊部１６と
した構造を有し、外面壁１５を移動可能にしている。

【００２０】図１（ｃ）に示す環状成形シール材Ｃは、
成形体本体１４内に充填した粘性シール材６の外周に粉
体１７やワックスを適当な厚さで塗布、圧着等の表面処
理を行なって外面壁１５を形成した構造になっている。
上記粉体１７を使用する場合、一般的にタルク、炭酸カ
ルシウム、デンプン等、剥離効果があるものを用いれば
よく、場合により、吸水、吸油効果があってもよい。

【００２１】上記のように、環状成形シール材Ｃの成形
体１１における外面壁１５を成形体本体１４から分離す
るか易破壊壁とすることにより、締め付け環Ｂを管継手
Ｇに結合するとき、成形体本体１４が留め金具Ｄとの圧
接により変形しても、外面壁１５は成形体本体１４の変
形に影響を受けることがなく、締め付け環Ｂの傾斜面１
に沿うことになり、これにより、粘性シール材６を締め
付け環Ｂと管体Ａの間隙内へ確実に充填させることがで
き、良好な防水、防食効果を有する継目部を形成するこ
とができる。

【００２２】

【発明の効果】以上のように、この発明によると、環状
成形シール材の成形体における外面壁を成形体本体から
分離するか易破壊壁としたので、締め付け環と管継手の
結合時に外面壁は締め付け環の傾斜面に沿うことにな
り、留め金具の侵入および食い込みを防止することがで
き、かつ締めつけ時の成形体本体の変形、破損も防止す
ることができ、これによって良好な防水、防食効果を有
する継目部を形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）乃至（ｃ）は、この発明に係る環状成形
シール材のそれぞれ異なった構造と留め金具の関係を示
す拡大断面図。

【図２】この発明の環状成形シール材を用いてシール工
法を実施する状態を縦断面図。

【図３】同上の実施後の結合状態を示す縦断面図。

【符号の説明】

Ａ 管体 Ｂ 締め付け環 Ｃ 環状成形シール材 Ｄ 留め金具 Ｅ 押えリング Ｆ 環状パッキン Ｇ 管継手 １ 傾斜面 ２ 拡径部 ３ 内ねじ ４ ライニング層 ５ 外ねじ ６ シール材 １１ 成形体 １２ 内面壁 １３ 端壁 １４ 成形体本体 １５ 外面壁 １６ 易破壊部 １７ 粉体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 管体に締め付け環、環状成形シール材、
   留め金具、押えリングおよび環状パッキンを外嵌すると
   共に、前記管体の端部を管継手に挿入し、管継手と締め
   付け環をねじ結合して前記シール材を加圧変形させ、締
   め付け環と管体の間隙に押出して該間隙を閉塞密閉する
   管継手シール工法において、環状成形シール材を構成す
   る成形体の外面壁を成形体本体から分離するか易破壊壁
   としたことを特徴とする管継手シール工法に用いる環状
   成形シール材。