JPH09147835A - 非水二次電池およびその製造方法 - Google Patents

非水二次電池およびその製造方法

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JPH09147835A
JPH09147835A JP7310536A JP31053695A JPH09147835A JP H09147835 A JPH09147835 A JP H09147835A JP 7310536 A JP7310536 A JP 7310536A JP 31053695 A JP31053695 A JP 31053695A JP H09147835 A JPH09147835 A JP H09147835A
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aqueous secondary
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Akiyuki Inoue
礼之 井上
Shoichiro Yasunami
昭一郎 安波
Nobuyuki Adachi
延行 安達
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い放電動作電圧、大きな放電容量、良好な
充放電サイクル特性、良好な高電流充放電特性を有する
非水二次電池を提供する。 【解決手段】 リチウム含有遷移金属酸化物である正極
活物質と、リチウムを吸蔵・放出可能な負極材料とリチ
ウム金属塩を含む非水電界質よりなる非水二次電池に於
いて、該負極材料中にあらかじめリチウムを主体とする
金属が導入されており、かつ該リチウムを主体とする金
属が電解液と接触するまでに、炭酸ガスの濃度が15%
以上100容積%以下、露点が−10℃以下−80℃以
上の範囲にある気体範囲気下を少なくとも一度履歴して
いることを特徴とする非水二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産性を向上させ
た、高容量でかつ寿命の改善された非水二次電池および
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非水二次電池用負極材料としては、炭素
系材料あるいはV、Si、B、Zr、Sn、等の酸化物
及び複合酸化物を用いることが知られている。これらの
材料は第一サイクルにおいてLiイオンの吸蔵・放出に
不可逆分が存在するため、その不可逆分に相当する分の
Liイオンをあらかじめ負極材料中に予備導入すること
で、高容量化が可能であることが知られている。その手
段の一つとして、Liを主体とする金属を負極材料と導
通させた状態で電解液と接触させる方法が特開平4−1
67359号公報に開示されている。具体的には1)リ
チウムを主体とする金属を、正極シートと対向しない負
極シートの最外周部に貼付し、電位差あるいは濃度差を
駆動力として負極材料内に拡散させる、2)リチウムを
主体とする金属を、集電体シートに塗布した負極材料の
上に直接貼付する、といった手法をとることが可能であ
る。これらの手法に於いては、リチウムを主体とする金
属を所定の長さに切断する、負極シートへの貼付のため
リチウムを主体とする金属をプレスするといった作業が
不可欠である。しかしリチウムを主体とする金属の表面
は活性であり、切断、プレス等の刺激で新たな面が露出
すると、空気中の水分、窒素、酸素等による腐食がその
露出面から進行し、リチウムが劣化する。更に、劣化し
たリチウム(=不安定な表面皮膜)は電解液と不可逆な
反応を引き起こすため、安定して高容量を有し、しかも
サイクル寿命の長い電池が得られないという問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高容
量でしかもサイクル寿命の向上した非水二次電池を安定
して提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題はリチウム
を可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む正極及び負極、リ
チウム塩を含む非水電解質、セパレーターから成り、該
負極中の負極材料がリチウムを主体とする金属と電気的
に接触していて電池内で電気化学的にリチウムイオンが
負極材料中に挿入される非水二次電池の製造方法に於い
て、該リチウムを主体とした金属あるいは該金属が電気
的に接触された負極が電解液と接触するまでに、炭酸ガ
スの濃度が15〜100容積%であり、露点が−10〜
−80℃の範囲にある気体雰囲気下を少なくとも一度履
歴した非水二次電池において達成された。
【0005】すなわち、本発明は下記(1)〜(16)
の特徴を有する非水二次電池及びその製造方法である。 (1)リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む正
極及び負極、リチウム塩を含む非水電解質、セパレータ
ーから成り、該負極中の負極材料がリチウムを主体とす
る金属と電気的に接触していて電池内で電気化学的にリ
チウムイオンが負極材料中に挿入される非水二次電池に
於いて、該リチウムを主体とした金属あるいは該金属が
電気的に接触された負極が電解液と接触するまでに、炭
酸ガスの濃度が15〜100容積%であり、露点が−1
0〜−80℃の範囲ににある気体雰囲気下を少なくとも
一度履歴していることを特徴とする非水二次電池。 (2)気体雰囲気が炭酸ガス濃度が15〜100容積%
であり、空気が0〜85容積%であり、露点が−10〜
−80℃の範囲にあることを特徴とする(1)記載の非
水二次電池。 (3)正極活物質としてリチウム含有遷移金属複合酸化
物を少なくとも1種類含むことを特徴とする(1)から
(3)の何れかに記載の非水二次電池。 (4)負極材料が金属または半金族酸化物であることを
特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の非水二次
電池。 (5)負極材料の金属または半金族酸化物を主体とした
層が、周期律表13から15族の金属、半金族元素の酸
化物を少なくとも1種類含む層であることを特徴とする
(1)から(4)の何れかに記載の非水二次電池。 (6)負極材料が次の一般式(1) の複合酸化物であるこ
とを特徴とする(1)から(5)の何れかに記載の非水
二次電池、 Sn M1 a t 一般式(1) (式中、M1 は少なくともAl、B、P、Si、Geの
中の2種以上の元素を表し、aは0.2以上、2以下の
数を、tは1以上、6以下の数を表す。)
【0006】(7)錫を含む複合酸化物が次の一般式
(2)の複合酸化物であることを特徴とする(6)に記
載の非水二次電池、 Sn M3 c 4 d t 一般式(2) (式中M3 はAl、B、P、Geの少なくとも2種を、
4 は周期律表第1族元素、第2族元素、第3族元素、
ハロゲン元素の少なくとも1種を表し、cは0.2以
上、2以下の数、dは0.01以上、1以下の数で、
0.2< c+d <2、t は1以上6以下の数を示す。) (8)リチウムを主体とする金属が電解液と接触した後
に1時間以上60日以下で0℃以上80℃以下の温度を
履歴させたことを特徴とする(1)から(7)の何れか
に記載の非水二次電池。 (9)リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む正
極及び負極、リチウム塩を含む非水電解質、セパレータ
ーから成り、該負極中の負極材料がリチウムを主体とす
る金属と電気的に接触していて電池内で電気化学的にリ
チウムイオンが負極材料中に挿入される非水二次電池の
製造方法に於いて、該リチウムを主体とした金属あるい
は該金属が電気的に接触された負極が電解液と接触する
までに、炭酸ガスの濃度が15〜100容積%であり露
点が−10〜−80℃の範囲にある気体を負極1m2
たり1〜1000リットル吹き付けることを特徴とする
非水二次電池製造方法。 (10)気体の炭酸ガス濃度が15〜100容積%であ
り、空気が0〜85容積%であり、露点が−10〜−8
0℃の範囲にあることを特徴とする(9)に記載の非水
二次電池製造方法。 (11)正極活物質としてリチウム含有遷移金属複合酸
化物を少なくとも1種類含むことを特徴とする(9)又
は(10)に記載の非水二次電池製造方法。 (12)負極材料が金属または半金族酸化物であること
を特徴とする(9)から(11)の何れかに記載の非水
二次電池製造方法。 (13)負極材料の金属または半金族酸化物を主体とし
た層が、周期律表13から15族の金属、半金族元素の
酸化物を少なくとも1種類含む層であることを特徴とす
る(9)から(12)の何れかに記載の非水二次電池製
造方法。 (14)負極材料が次の一般式(1) の複合酸化物である
ことを特徴とする(9)から(13)の何れかに記載の
非水二次電池製造方法。 Sn M1 a t 一般式(1) (式中、M1 は少なくともAl、B、P、Si、Geの
中の2種以上の元素を表し、aは0.2以上、2以下の
数を、tは1以上、6以下の数を表す。) (15)錫を含む複合酸化物が次の一般式(2)の複合
酸化物であることを特徴とする(14)に記載の非水二
次電池製造方法。 Sn M3 c 4 d t 一般式(2) (式中M3 はAl、B、P、Geの少なくとも2種を、
4 は周期律表第1族元素、第2族元素、第3族元素、
ハロゲン元素の少なくとも1種を表し、cは0.2以
上、2以下の数、dは0.01以上、1以下の数で、
0.2< c+d <2、t は1以上6以下の数を示す。) (16)リチウムを主体とする金属が電解液と接触した
後に1時間以上60日以下で0℃以上80℃以下の温度
を履歴させることを特徴とする(9)から(15)の何
れかに記載の非水二次電池製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳述する。リ
チウムを主体とする金属は、電解液に接触するまでに、
炭酸ガス濃度が15%から100%、露点が−10℃以
下−80℃以上の気体雰囲気を少なくとも一度履歴させ
ることが必要で、炭酸ガス濃度が40%から100%、
空気が0%から60%、露点が−20℃以下−50℃以
上がより好ましい。該気体雰囲気はより好ましくは炭酸
ガス濃度が40〜100容積%であり、空気が0〜60
容積%であり、露点が−10℃以下−80℃の範囲であ
る。特に好ましくは炭酸ガス濃度が70〜100容積%
であり、空気が0〜30容積%であり、露点が−30℃
以下−80℃の範囲である。吹き付ける気体の量は負極
1m2 あたり10〜500リットルがより好ましい。さ
らに好ましくは30〜300リットルである。リチウム
を主体とする金属は、電解液と接触するまでに上述の気
体雰囲気下に常に保存されていることが好ましいが、少
なくともリチウムを主体とする金属を切断する場合、お
よびリチウムを主体とする金属に圧力をかけて電極シー
トに圧着する場合に上記気体雰囲気下にさらされること
が好ましい。また上述の炭酸ガスを、リチウムを主体と
する金属を切断あるいは圧着する最中に、ノズルなどか
ら吹き付ける様にするのが好ましい。
【0008】負極材料にあらかじめ導入(予備挿入とい
う)されるリチウムを主体とする金属は、リチウム含量
が高濃度であることが好ましく、98%以上99.99
9%以下がより好ましい。99%以上99.998%以
下が更に好ましい。リチウム以外の金属はアルミニウム
であることが好ましく、そのほかの金属が微量混入して
いてもよい。
【0009】電池缶内に導入されるリチウムを主体とす
る金属の量は、負極材料の単位重量(グラム)に対し
て、0.005g以上0.2g以下が好ましく、より好
ましくは0.01g以上0.18g以下、特に好ましい
のは、0.04g以上0.15g以下である。電池缶内
に導入されたリチウムは、負極材料中に入ることで効果
が発現する。この場合リチウムは電気化学的に負極材料
内に挿入される。従ってリチウムを主体とする金属は負
極シートと電気的に導通がとれている場所ならば電池缶
内のどこでも良いが、好ましくは負極シート上で、1)
負極シートで負極材料の塗布されていない集電体部分、
あるいは2)負極材料の塗布されている部分である。
1)および2)それぞれの場合について説明する。
【0010】1)の場合において、リチウムの負極材料
への挿入反応は穏やかに進行する。この場合のリチウム
を主体とする金属の貼付位置は、巻回群の最も外側に位
置する負極シート上で、缶の内壁を向いている集電体金
属シート上が好ましい。リチウムの溶解挿入反応は、リ
チウムイオンの電解液中での拡散が律速となるため、負
極材料と接近した位置にリチウムを主体とした金属が貼
付されることが好ましい。すなわち、巻回群の最も外側
に位置する負極シート上で、缶の内壁を向いている集電
体金属シート上で、その幅方向の両端に二枚、負極の長
手方向の端面に沿うように貼付することが好ましい(図
1)。
【0011】2)の場合は厚さ一定の金属箔を負極シー
ト全面に重ね合わせることが好ましい。一方負極材料に
予備挿入されたリチウムはエージングによって除々に負
極材料中を拡散する為、原理的には負極シート全面では
なく、ストライプ(縦・横)、枠状など部分的に重ね合
わされているものでもよい。この場合は、単位面積あた
りのリチウム挿入量が所定量になるよう貼付リチウム総
量を制御すれば、リチウム箔の小片を負極シート全体に
分散し貼付しても良い。リチウム箔は負極シートの両面
に貼付する事が好ましい。図2に負極シート上へのリチ
ウム箔下の貼付例を示す。貼付するリチウム箔小片下
は、貼り方のパターンに応じて任意の形状および面積の
箔を選択することが可能である。例えば負極シート上に
枠状のリチウム小片を貼付する場合(図2a)、任意の
辺長を有する箔を使用することが可能であるが、一辺の
長さが0.5mmから100mmの小片が好ましく、よ
り好ましくは3mmから50mmである。また形状ある
いは大きさの異なるリチウム箔小片を混合して貼付して
も良い。また貼付するリチウム箔小片の形状に特にこだ
わる必要はなく、貼付工程に合致した任意の形状のもの
を選択することができる。リチウム箔小片は、負極シー
ト上に無秩序に貼付してもかまわないが、リチウム箔小
片の間隔が一定になるように均一に貼付されることが好
ましい。縦のストライプ状(図2b)に貼付する場合、
負極シートの幅方向よりはみ出さなければ任意の長さの
リチウム箔片を使用することが可能であるが、(シート
の幅方向の長さ)−15mm以上のリチウム箔片を使用
することが好ましい。該リチウム箔片の幅は、0.5m
m以上ならば任意で良いが、好ましくは1mm以上30
mm以下、より好ましくは1.5mm以上15mm以下
である。該リチウム箔片は、負極シートの幅方向に対し
て平行に貼付しても、斜めに貼付しても良い。貼付され
た各リチウム箔片の間隔は任意でよいが、等間隔に貼付
されていることが好ましい。リチウム箔貼付による負極
膜厚増加を抑制するという観点から、リチウム箔が負極
シートの裏表で(図2c )に示すように交互になるよう
に貼付されることが好ましい。横方向のストライプ状
(図2d)に貼付する場合、リチウム箔片は負極シート
の長手方向からはみ出さなければ任意の長さの箔を使用
することができる。また負極シートの端から端まで一本
のリチウム箔片でも、数本をつなぎ合わせた形状で貼付
してもよい。リチウム箔の幅は、0.5mm以上ならば
任意でよいが、好ましくは1mm以上30mm以下、よ
り好ましくは1.5mm以上15mm以下である。この
系でも、リチウム箔貼付による負極膜厚増加を抑制する
という観点から、負極シートの裏表でリチウム箔が交互
になるように貼付されることが好ましい。均一性の観点
からは、Li箔の厚さは、1〜200μmであることが
好ましく、5〜100μmであれば更に好ましく、30
〜100μm程度が最も好ましい。更に密着性向上や金
属箔の薄膜化を図るために、リチウムを主体とした金属
箔を重ね合わせた負極シートをカレンダープレス機を用
いて圧縮加工してもよい。リチウムを主体とする金属箔
の小片を貼付する際、あらかじめ裁断したリチウム箔片
を負極シート上にローラー等で圧着する事ができる。ま
た、負極シート上に任意のローラーで強くプレスする事
で負極シート上に任意の形状のリチウム箔を転写しても
良い。なお、ここに挙げた例はリチウムを貼付する手法
の一例に過ぎず、これらにとらわれるものではない。
【0012】リチウムの負極材料への予備挿入には、リ
チウムを主体とした金属箔のほかエキスパンドメタルの
ような開口部を有する金属シートや100μm 以下の粒
径をもつ金属粒子を負極シートに重ね合わせ、必要に応
じてカレンダープレス機を用いて圧縮加工した後、セパ
レーターおよび正極シートと共に非水二次電池を組立
て、電解液を注液して一定期間エージングする方法を用
いることができる。更に、ブチルリチウムを用いてリチ
ウムを負極材料に挿入することもできる。
【0013】本発明の電池は電解液を注液して組立てた
後、リチウムが負極材料中により均一に拡散する様、充
電前にエージングを施した方が好ましい。エージングは
0〜80℃で1時間以上60日以内が好ましいが、30
〜60℃で5時間〜20日、30〜50℃で10時間〜
20日間が最も好ましい。また上述のエージングの前
に、開路電圧が2.1V以上3.7V以下まであらかじ
め充電されていることが好ましい。充電は一度に行って
も、数回に分けて行っても良いが、3回以内に分けて行
うことが好ましい。負極材料中に挿入されたリチウムを
シート内に均一に分散させる目的から、2.1Vと3.
7Vの間で充放電を10回以上行うことが好ましく、更
に好ましくは2.5Vと3.3V、もっとも好ましくは
2.8Vと3.2Vの間である。該充放電は、リチウム
を主体とする金属を負極材料が塗布された部分に貼付し
た場合に最も有効である。上記充電は、電解液を注液し
て組み立てた後、3時間以上14日以内に行うことが好
ましく、より好ましくは3時間以上10日以内である。
エージングの最中は、リチウムの負極材料中への挿入が
均一に行われるよう、電池を横に置き、ゆっくりと回転
させることが好ましい。
【0014】本発明における正極シートおよび/または
負極シート上には、電極表面を保護するための層を設け
ることが有効である。本発明において、負極シートに設
けられる保護層は、少なくとも一層からなり、同種また
は異種の複数層により構成されていても良い。該保護層
は、水不溶性の粒子と結着剤よりなる。水不溶性の粒子
としては、アルカリ金属特にリチウムとの反応性が低く
ければ、1)実質的に電子伝導性を持たない粒子、2)
電子伝導性を有する粒子、いずれでもよく、それぞれ単
独で構成されていても、両者の混合層でも良い。1)と
してはテフロンの微粉末、SiC、窒化アルミニウム、
二酸化チタン、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ム
ライト、フォルステライト、ステアタイト、アルカリ金
属のフッ化物あるいは後に述べる結着剤のうち、実質的
に水不溶性の結着剤を挙げることができる。水への溶解
度は100ppm以下、好ましくは水不溶のものであ
る。2)の電子伝導性粒子としては、金属、金属酸化
物、金属繊維、炭素繊維、カーボンブラックや黒鉛等の
炭素粒子を挙げることができる。保護層に含まれる水不
溶性粒子の割合は、80%以上99%以下が好ましく、
85%以上98%以下がより好ましい。本発明における
保護層は、上述のように水不溶性の粒子と結着剤から構
成される。ここにおける結着剤は水不溶性でも水溶性で
あっても良いが水溶性の方がより好ましい。負極シート
に設けられる補助層の厚みは、0.2μm以上40μm
以下が好ましく、より好ましくは1μm以上20μm以
下であり、さらに好ましくは1μm以上10μm以下で
ある。
【0015】正極シートに設置される保護層は少なくと
も1層からなり、同種または異種の複数層により構成さ
れていても良い。これらの保護層は実質的に電子伝導性
を持たない、すなわち絶縁性の層であっても良いし、導
電性の層であっても良い。更に、絶縁性の層と導電性の
層とが積層した形態であっても良い。保護層の厚みは
0.2μm以上、40μm以下が好ましく、より好まし
くは1μm以上20μm以下であり、さらに好ましくは
1μm以上10μm以下である。
【0016】本発明で用いられる負極材料としては、軽
金属イオンを吸蔵・放出できる化合物であればよい。特
に、軽金属、軽金属合金、炭素質化合物、無機酸化物、
無機カルコゲナイド、金属錯体、有機高分子化合物が好
ましい。これらは単独でも、組み合わせて用いてもよ
い。例えば、軽金属と炭素質化合物、軽金属と無機酸化
物、軽金属と炭素質化合物と無機酸化物の組み合わせな
どが挙げられる。これらの負極材料は、高容量、高放電
電位、高安全性、高サイクル性の効果を与えるので好ま
しい。軽金属イオンとしては、リチウムが好ましい。
【0017】軽金属としてはリチウムが好ましい。軽金
属合金としては、リチウムと合金を作る金属あるいはリ
チウムを含む合金が挙げられる。Al,Al−Mn、A
l−Mg、Al−Sn、Al−In、Al−Cdが特に
好ましい。炭素質化合物としては、天然黒鉛、人工黒
鉛、気相成長炭素、有機物の焼成された炭素などから選
ばれ、黒鉛構造を含んでいるものが好ましい。また、炭
素質化合物には、炭素以外にも、異種化合物、例えば
B,P,N,S,SiC,B4Cを0〜10重量%含ん
でもよい。
【0018】酸化物叉はカルコゲナイドを形成する元素
としては、遷移金属叉は周期律表13から15族の金
属、半金属元素が好ましい。遷移金属化合物としては、
特にV,Ti,Fe,Mn,Co,Ni,Zn,W,M
oの単独あるいは複合酸化物、叉はカルコゲナイドが好
ましい。更に好ましい化合物として、特開平6−44,
972号公報記載のLip Coq 1-q r(ここでp
=0.1〜2.5、q=0〜1、z=1.3〜4.5)
を挙げる事が出来る。
【0019】遷移金属以外の金属、半金属の化合物とし
ては、周期律表第13族〜15族の元素、Al,Ga,
Si,Sn,Ge,Pb,Sb,Biの単独あるいはそ
れらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、カルコゲ
ナイドが選ばれる。例えば、Ga2 3 、SiO、Ge
O、GeO2 、SnO、SnO2 、SnSiO3 、Pb
O、PbO2 、Pb2 3 、Pb2 4 、Pb3 4
Sb2 3、Sb2 4 、Sb2 5 、Bi2 3 、B
2 4 、Bi2 5 、SnSiO 3 、GeS、GeS
2 、SnS、SnS2 、PbS、PbS2 、Sb
2 3 、Sb2 5 、SnSiS3 などが好ましい。又
これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えばLi2
GeO3 、Li2 SnO2 であってもよい。
【0020】上記の複合カルコゲン化合物、複合酸化物
は電池組み込み時に主として非晶質であることが好まし
い。ここで言う主として非晶質とはCuKα線を用いた
X線回折法で2θ値で20°から40°に頂点を有する
ブロードな散乱帯を有する物であり、結晶性の回折線を
有してもよい。好ましくは2θ値で40°以上70°以
下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ
値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯
の頂点の回折線強度の500倍以下であることが好まし
く、さらに好ましくは100倍以下であり、特に好まし
くは5倍以下であり、最も好ましくは 結晶性の回折線
を有さないことである。
【0021】上記の複合カルコゲン化合物、複合酸化物
は、遷移金属、周期律表13から15族元素からなる複
合化合物であり、B,Al,Ga,In,Tl,Si,
Ge,Sn,Pb,P,As,Sb,Biの中の2種以
上の元素を主体とする複合カルコゲン化合物、複合酸化
物がより好ましい。更に好ましくは複合酸化物である。
特に好ましいのは、B,Al,Si,Ge,Sn,Pの
中の2種以上の元素を主体とする複合酸化物である。こ
れらの複合カルコゲン化合物、複合酸化物は、主として
非晶質構造を修飾するために周期律表11族から3族の
元素またはハロゲン元素を含んでもよい。また遷移金属
を含んでもよい。
【0022】上記の負極材料の中で、錫を主体とする非
晶質の複合酸化物が好ましく、次の一般式(1)または
(2)で表される。 SnM1 a t 一般式(1) (式中、M1 はAl,B,P、Si、Ge、周期律表第
1族元素、第2族元素、第3族元素、ハロゲン元素から
選ばれる2種以上の元素を表し、aは0.2以上、2以
下の数を、tは1以上、6以下の数を表す。) Snx 1-x 1 a t 一般式(2) (式中、Tは遷移金属金属を表し、V,Ti,Fe,M
n,Co,Ni,Zn,W,Moを表す。xは0.1以
上、0.9以下の数を表す。M1 、a、tは一般式
(1)と同じである。)
【0023】一般式(1)の化合物の中で、次の一般式
(3)の化合物がより好ましい。 SnM2 b t 一般式(3) (式中、M2 はAl,B,P、Ge、周期律表第1族元
素、第2族元素、第3族元素、ハロゲン元素から選ばれ
る2種以上の元素を表し、bは0.2以上、2以下の数
を、tは1以上、6以下の数を表す。) 一般式(3)の化合物の中で、次の一般式(4)の化合
物が更に好ましい。 SnM3 c 4 d t 一般式(4) (式中、M3 はAl,B,P、Geの少なくとも1種
を、M4 は周期律表第1族元素、第2族元素、第3族元
素、ハロゲン元素の少なくとも1種を表し、cは0.2
以上、2以下の数、dは0.01以上、1以下の数で、
0.2<c+d<2、tは1以上6以下の数を表す。)
【0024】本発明の非晶質複合酸化物は、焼成法、溶
液法のいずれの方法も採用することができるが、焼成法
がより好ましい。焼成法では、一般式(1)に記載され
た元素の酸化物あるいは化合物をよく混合した後、焼成
して非晶質複合酸化物を得るのが好ましい。焼成条件と
しては、昇温速度として昇温速度毎分5℃以上200℃
以下であることが好ましく、かつ焼成温度としては50
0℃以上1500℃以下であることが好ましく、かつ焼
成時間としては1時間以上100時間以下であることが
好ましい。且つ、下降温速度としては毎分2℃以上10
7 ℃以下であることが好ましい。本発明における昇温速
度とは「焼成温度(℃表示)の50%」から「焼成温度
(℃表示)の80%」に達するまでの温度上昇の平均速
度であり、本発明における降温速度とは「焼成温度(℃
表示)の80%」から「焼成温度(℃表示)の50%」
に達するまでの温度降下の平均速度である。降温は焼成
炉中で冷却してもよくまた焼成炉外に取り出して、例え
ば水中に投入して冷却してもよい。またセラミックスプ
ロセッシング(技報堂出版1987)217頁記載のg
un法・Hammer−Anvil法・slap法・ガ
スアトマイズ法・プラズマスプレー法・遠心急冷法・m
elt drag法などの超急冷法を用いることもでき
る。またニューガラスハンドブック(丸善1991)1
72頁記載の単ローラー法、双ローラ法を用いて冷却し
てもよい。焼成中に溶融する材料の場合には、焼成中に
原料を供給しつつ焼成物を連続的に取り出してもよい。
焼成中に溶融する材料の場合には融液を撹拌することが
好ましい。
【0025】焼成ガス雰囲気は好ましくは酸素含有率が
5体積%以下の雰囲気であり、さらに好ましくは不活性
ガス雰囲気である。不活性ガスとしては例えば窒素、ア
ルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン等が挙げられ
る。最も好ましい不活性ガスは純アルゴンである。
【0026】本発明で示される化合物の平均粒子サイズ
は0.1〜60μmが好ましい。所定の粒子サイズにす
るには、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例
えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミ
ル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェ
ットミルや篩などが用いられる。粉砕時には水、あるい
はメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要
に応じて行うことが出来る。所望の粒径とするためには
分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定
はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いること
ができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができ
る。
【0027】本発明の負極材料の例を以下に示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。SnAl0.4
0.5 0.5 0.1 3.65、SnAl0.4 0.5 0.5
Na0.2 3.7 、SnAl0.4 0.3 0.5 Rb0.2
3.4 、SnAl0.4 0.5 0.5 Cs0.1 3.65、Sn
Al0.4 0.5 0.5 0.1 Ge0.053.85、SnAl
0.40.5 0.5 0.1 Mg0.1 Ge0.023.83、Sn
Al0.4 0.4 0.4 3.2、SnAl0.3 0.5
0.2 2.7 、SnAl0.3 0.5 0.2 2.7 、SnA
0.4 0.5 0.3 Ba0.08Mg0.083.26、SnAl
0.4 0.4 0.4 Ba0. 083.28、SnAl0.4 0.5
0.5 3.6、SnAl0.4 0.5 0.5 Mg0.1 3.7
【0028】SnAl0.5 0.4 0.5 Mg0.1 0.2
3.65、SnB0.5 0.5 Li0.1Mg0.1 0.2
3.05、SnB0.5 0.5 0.1 Mg0.1 0.2 3.05
SnB 0.5 0.5 0.05Mg0.050.1 3.03、SnB
0.5 0.5 0.05Mg0.1 0. 2 3.03、SnAl0.4
0.5 0.5 Cs0.1 Mg0.1 0.2 3.65、SnB0.
5 0.5 Cs0.05Mg0.050.1 3.03、SnB0.5
0.5 Mg0.1 0.1 3. 05、SnB0.5 0.5 Mg0.1
0.2 3 、SnB0.5 0.5 Mg0.1 0.06 3.07
SnB0.5 0.5 Mg0.1 0.143.03、SnPBa
0.083.58、SnPK0.1 3.55、SnPK0.05Mg
0.053.58、SnPCs0.1 3.55、SnPBa0.08
0.083.54、SnPK0.1 Mg0.1 0.2 3.55、Sn
PK0.05Mg0. 050.1 3.53、SnPCs0.1 Mg
0.1 0.2 3.55、SnPCs0.05Mg0. 050.1
3.53
【0029】Sn1.1 Al0.4 0.2 0.6 Ba0.08
0.083.54、Sn1.1 Al0.4 0. 2 0.6 Li0.1
0.1 Ba0.1 0.1 3.65、Sn1.1 Al0.4 0.4
0.4Ba0.083.34、Sn1.1 Al0.4 PCs0.05
4.23、Sn1.1 Al0.4 PK0.054.23、Sn1. 2 Al
0.5 0.3 0.4 Cs0.2 3.5 、Sn1.2 Al0.4
0.2 0.6 Ba0. 083.68、Sn1.2 Al0.4 0.2
0.6 Ba0.080.083.64、Sn1.2 Al 0.4 0.2
0.6 Mg0.04Ba0.043.68、Sn1.2 Al0.4 0.3
0.5 Ba 0.083.58、Sn1.3 Al0.3 0.3 0.4
Na0.2 3.3 、Sn1.3 Al0.20.4 0.4 Ca
0.2 3.4 、Sn1.3 Al0.4 0.4 0.4 Ba0.2
3.6 、Sn1.4 Al0.4 PK0.2 4.6 、Sn1.4 Al
0.2 Ba0.1 PK0.2 4.45、Sn1.4 Al0.2 Ba
0.2 PK0.2 4.6 、Sn1.4 Al0.4 Ba0.2 PK
0.2Ba0.1 0.2 4.9 、Sn1.4 Al0.4 PK0.3
4.65、Sn1.5 Al0.2 PK0.2 4.4 、Sn1.5
0.4 PK0.1 4.65、Sn1.5 Al0.4 PCs0.05
4.63、Sn1.5 Al0.4 PCs0.05Mg0.1 0.2
4.63
【0030】SnSi0.5 Al0.1 0.2 0.1 Ca
0.4 3.1 、SnSi0.4 Al0.2 0.4 2.7 、Sn
Si0.5 Al0.2 0.1 0.1 Mg0.1 2.8 、SnS
0.6Al0.2 0.2 2.8 、SnSi0.5 Al0.3
0.4 0.2 3.55、SnSi0. 5 Al0.3 0.4 0.5
4.30、SnSi0.6 Al0.1 0.1 0.3 3.25、S
nSi0.6 Al0.1 0.1 0.1 Ba0.2 2.95。Sn
Si0.6 Al0.1 0.10.1 Ca0.2 2.95、SnS
0.6 Al0.4 0.2 Mg0.1 3.2 、SnSi 0.6
0.1 0.3 0.1 3.05、SnSi0.6 Al0.2 Mg
0.2 2.7 、SnSi0.6 Al0.2 Ca0.2 2.7 、S
nSi0.6 Al0.2 0.2 3 、SnSi 0.6 0.2
0.2 3 、SnSi0.8 Al0.2 2.9 、SnSi0.8
Al0.3 0.2 0.2 3.85、SnSi0.8 0.2
2.9 、SnSi0.8 Ba0.2 2.8 、SnSi0.8 Mg
0.2 2.8 、SnSi0.8 Ca0.2 2.8 、SnSi
0.8 0. 2 3.1
【0031】Sn0.9 Mn0.3 0.4 0.4 Ca0.1
0.1 2.95、Sn0.9 Fe0.3 0.4 0.4 Ca0.1
Rb0.1 2.95、Sn0.8 Pb0.2 Ca0.1 0.9
3.35、Sn0.3 Ge0.7 Ba0.1 0.9 3.35、Sn
0.9 Mn0.1 Mg0.1 0.9 3. 35、Sn0.2 Mn0.8
Mg0.1 0.9 3.35、Sn0.7 Pb0.3 Ca0.1
0.93.35、Sn0.2 Ge0.8 Ba0.1 0.9 3.35
【0032】上記焼成されて得られた化合物の化学式
は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分
光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の重量差から
算出できる。本発明の負極材料への軽金属挿入量は、そ
の軽金属の析出電位に近似するまででよいが、例えば、
負極材料当たり50〜700モル%が好ましいが、特
に、100〜600モル%が好ましい。その放出量は挿
入量に対して多いほど好ましい。軽金属の挿入方法は、
電気化学的、化学的、熱的方法が好ましい。電気化学的
方法は、正極活物質に含まれる軽金属を電気化学的に挿
入する方法や軽金属あるいはその合金から直接電気化学
的に挿入する方法が好ましい。化学的方法は、軽金属と
の混合、接触あるいは、有機金属、例えば、ブチルリチ
ウム等と反応させる方法がある。電気化学的方法、化学
的方法が好ましい。該軽金属はリチウムあるいはリチウ
ムイオンが特に好ましい。
【0033】本発明の負極材料には各種元素を含ませる
ことができる。例えば、ランタノイド系金属(Hf、T
a、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg)や、電
子伝導性をあげる各種化合物(例えば、Sb、In、N
bの化合物)のドーパントを含んでもよい。添加する化
合物の量は0〜5モル%が好ましい。本発明で用いられ
る正極活物質は、軽金属イオンを吸蔵・放出できる化合
物であればよいが、特に、遷移金属酸化物や遷移金属カ
ルコゲナイドから選ばれる。特に遷移金属酸化物が好ま
しく、更にリチウムを含む遷移金属酸化物が特に好まし
い。
【0034】本発明で用いられる好ましい遷移金属とし
てはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,
Nb,Mo,Wを挙げることができ、二酸化マンガン、
五酸化バナジウム、酸化鉄、酸化モリブデン、硫化モリ
ブデン、酸化コバルト、硫化鉄、硫化チタンなどを単独
であるいは2種以上を併用して用いることができる。
又、以下に述べるリチウムを含む遷移金属酸化物と併用
して用いることもできる。リチウムを含む遷移金属酸化
物は、例えば、リチウム化合物、遷移金属化合物の混合
物を焼成することにより合成することができる。リチウ
ム化合物は、酸素化合物、酸素酸塩やハロゲン化物であ
り、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、硫
酸リチウム、亜硫酸リチウム、燐酸リチウム、四ほう酸
リチウム、塩素酸リチウム、過塩素酸リチウム、チオシ
アン酸リチウム、蟻酸リチウム、酢酸リチウム、蓚酸リ
チウム、クエン酸リチウム、乳酸リチウム、酒石酸リチ
ウム、ピルビン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホ
ン酸リチウム、四ほう素酸リチウム、六弗化燐酸リチウ
ム、弗化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、沃化
リチウムなどが好ましい。
【0035】遷移金属化合物は、1価〜6価の遷移金属
酸化物、同遷移金属塩、同遷移金属錯塩であり、遷移金
属化合物としては、特開平6ー243897号公報の段
落8、段落9に記載の化合物、オキシ塩化ニオブ、五塩
化ニオブ、五沃化ニオブ、一酸化ニオブ、二酸化ニオ
ブ、三酸化ニオブ、五酸化ニオブ、蓚酸ニオブ、ニオブ
メトキシド、ニオブエトキシド、ニオブプロポキシド、
ニオブブトキシド、ニオブ酸リチウム、五塩化モリブデ
ン、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸リチウ
ム、モリブド燐酸アンモニウム、酸化モリブデンアセチ
ルアセトナート、タングステン酸、タングステン酸アン
モニウム、タングスト燐酸アンモニウム、VOd (d=
2〜2.5)、VOd のリチウム化合物、メタバナジン
酸アンモニウム、MnO2 、Mn2 3 、水酸化マンガ
ン、炭酸マンガン、硝酸マンガン、酸化鉄(2、3
価)、四三酸化鉄、水酸化鉄(2、3価)酢酸鉄(2、
3価)、クエン酸鉄(2、3価)、クエン酸鉄アンモニ
ウム(2、3価)、蓚酸鉄(2、3価)、蓚酸鉄アンモ
ニウム(2、3価)、CoO、Co2 3 、Co
3 4 、LiCoO2 、炭酸コバルト、塩基性炭酸コバ
ルト、水酸化コバルト、硫酸コバルト、硝酸コバルト、
酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、塩基性
炭酸ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッ
ケル等を単独又は2種以上を併用することができる。
【0036】リチウム化合物や遷移金属化合物の他に、
一般に、Ca2+のようにイオン伝導性を高める化合物、
(例えば、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、酸化カル
シウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カル
シウム、酢酸カルシウム、蓚酸カルシウム、クエン酸カ
ルシウム、燐酸カルシウム)あるいは、P、B、Siを
含むような非晶質網目形成剤(例えば、P2 5 、Li
3 PO4 、H3 BO3、B2 3 、SiO2 など)と混
合して焼成しても良い。また、Na、K、Mgなどのア
ルカリ金属イオンおよび/またはSi、Sn、Al、G
a、Ge、Ce、In、Biなどを含む化合物(例え
ば、それぞれの酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩な
ど)と混合して焼成しても良い。なかでも、炭酸カルシ
ウムあるいはP2 5 、B2 3 ,SiO2 と混合して
焼成することが好ましい。添加量は特に限定されない
が、0〜20モル%が好ましい。
【0037】本発明で用いられる好ましい正極活物質
は、Lix y z (ここでM=V、Mn、Fe、C
o、Niから選ばれる少なくとも1種を主体、x=0.
05〜1.2、y=1あるいは2、z=1.5〜5)で
表されるリチウムを含有する遷移金属酸化物である。ま
たこれらに、リチウム以外のアルカリ金属、アルカリ土
類金属、上記M以外の遷移金属、あるいは、周期律表1
3〜15族元素(Al、Ga、In、Si,Ge、S
n、Pb、Sb、Bi、P,B)などを含んでもよい。
【0038】本発明で用いられるさらに好ましいリチウ
ム含有金属酸化物正極活物質としては、Lix Co
2 、Lix NiO2 、Lix Coa Ni1-a z 、L
x Co b 1-b z 、Lix Cob Fe1-b z 、L
x Mn2 4 、Lix MnO2、Lix Mn2 3
Lix Mnb Co2-b z 、Lix Mnb Ni
2-b z 、Lix Mnb 2-b z 、Lix Mnb Fe
1-b z 、Lix Coc 1-d 2(ここでx=0.0
2〜2.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.9
8、c=0.85〜0.99、d=0.01〜0.1
5、z=1.5〜5)があげられる。
【0039】本発明で用いる正極活物質は、リチウム化
合物と遷移金属化合物を混合、焼成する方法や溶液反応
により合成することができるが、特に焼成法が好まし
い。本発明で用いられる焼成温度は、本発明で用いられ
る混合された化合物の一部が分解、溶融する温度であれ
ばよく、例えば250〜2000℃が好ましく、特に3
50〜1500℃が好ましい。焼成に際しては250〜
900℃で仮焼する事が好ましい。焼成時間としては1
〜72時間が好ましく、更に好ましくは2〜20時間で
ある。また、原料の混合法は乾式でも湿式でもよい。ま
た、焼成後に200℃〜900℃でアニールしてもよ
い。焼成ガス雰囲気は特に限定されず酸化雰囲気、還元
雰囲気いずれもとることができる。たとえば空気中、あ
るいは酸素濃度を任意の割合に調製したガス、あるいは
水素、一酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、クリプ
トン、キセノン、二酸化炭素等が挙げられる。
【0040】本発明の正極活物質の合成に際し、遷移金
属酸化物に化学的にリチウムイオンを挿入する方法とし
ては、リチウム金属、リチウム合金やブチルリチウムと
遷移金属酸化物と反応させることにより合成する方法で
あっても良い。本発明で用いる正極活物質の平均粒子サ
イズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好まし
い。0.5〜30μmの粒子の体積が95%以上である
ことが好ましい。比表面積としては特に限定されない
が、BET法で0.01〜50m 2 /gが好ましい。ま
た正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上
澄み液のpHとしては7以上12以下が好ましい。所定
の粒子サイズにするには、良く知られた粉砕機や分級機
が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、振動ボール
ミル、振動ミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋
回気流型ジェットミルや篩などが用いられる。焼成によ
って得られた正極活物質は水、酸性水溶液、アルカリ性
水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。
【0041】本発明で用いられる酸化物の正極活物質あ
るいは負極材料の表面を、用いられる正極活物質や負極
材料と異なる化学式を持つ酸化物で被覆することができ
る。この表面酸化物は、酸性にもアルカリ性にも溶解す
る化合物を含む酸化物が好ましい。さらに、電子伝導性
の高い金属酸化物が好ましい。例えば、PbO2 、Fe
23 、SnO2 、In2 3 、ZnOなどやまたはこ
れらの酸化物にドーパント(例えば、酸化物では原子価
の異なる金属、ハロゲン元素など)を含ませることが好
ましく、SiO2 、SnO2 、Fe2 3 、ZnO、P
bO2 などが特に好ましい。表面処理された金属酸化物
の量は、該正極活物質あるいは負極材料当たり、0.1
〜10重量%が好ましい。また、0.2〜5重量%が特
に好ましく、0.3〜3重量%が最も好ましい。
【0042】更に、正極活物質や負極材料の表面を改質
する方法としては、金属酸化物の表面をエステル化剤に
より処理、キレート化剤で処理、導電性高分子、ポリエ
チレンオキサイドなどにより処理することが挙げられ
る。また、正極活物質や負極材料を精製するために水洗
してもよい。
【0043】電極合剤には、導電剤、結着剤、フィラ
ー、分散剤、イオン導電剤、圧力増強剤、界面活性剤及
びその他の各種添加剤を用いることができる。導電剤
は、構成された電池において、化学変化を起こさない電
子伝導性材料であれば何でもよい。通常、天然黒鉛(鱗
状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛などの
グラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラ
ック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ラン
プブラック、サーマルブラック、等のカーボンブラック
類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、銅、ニッ
ケル、アルミニウム、銀などの金属粉類、酸化亜鉛、チ
タン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタン
などの導電性金属酸化物あるいはポリフェニレン誘導体
などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物と
して含ませることができる。これらの導電剤のなかで、
アセチレンブラック、グラファイトとアセチレンブラッ
クの併用が特に好ましい。添加量は1〜50重量%が好
ましく、特に1〜30重量%が好ましい。カーボンや黒
鉛では1〜15重量%が特に好ましい。更に、1以上5
未満重量%が好ましい。黒鉛とカーボンブラックの重量
比率は、黒鉛単独、10/1〜1/1が好ましく、5/
1〜2/1が特に好ましい。
【0044】結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及
びゴム弾性を有するポリマーを一種またはこれらの混合
物を用いることができる。好ましい例としては、でんぷ
ん、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、
ジアセチルセルロース、ポリビニルクロリド、ポリビニ
ルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化
ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スル
ホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジ
エン、フッ素ゴム及びポリエチレンオキシドを挙げるこ
とができる。また、多糖類のようにリチウムと反応する
ような官能基を含む化合物を用いるときは、例えば、イ
ソシアネート基のような化合物を添加してその官能基を
失活させることが好ましい。その結着剤の添加量は、1
〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好まし
い。合剤中における結着剤の分布は、均一でも、不均一
でもよい。
【0045】フィラーは、構成された電池において、化
学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いるこ
とができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなど
のオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用
いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0
〜30重量%が好ましい。イオン導電剤は、無機及び有
機の固体電解質として知られている物を用いることがで
き、詳細は電解液の項に記載されている。圧力増強剤
は、後述の内圧を上げる化合物であり、炭酸塩が代表例
である。界面活性剤としては、界面活性剤ハンドブック
(工学図書出版昭和62年版)の乳化、湿潤の項に記載
されているものなどが用いられる。界面活性を示すもの
であればアニオン性、ノニオン性、両性、カチオン性界
面活性剤以外の水溶性ポリマーなども用いられる。これ
らの代表的なものを例示すると、たとえば、ラウリン酸
ソーダ、ドデシル硫酸ナトリウム、1−オクトキシカル
ボニルメタンスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレ
ンスルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、セチルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチレンア
ンモニウムクロライド、N−2−エチルヘキシルピリジ
ニウムクロライド、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエス
テル、ポリビニルアルコールなどがある。
【0046】電解質は溶媒とリチウム塩(アニオンとリ
チウムカチオン)とから構成されている。溶媒として
は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチ
ロラクトン、ギ酸メチル、酢酸メチル、1,2−ジメト
キシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソ
ラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソ
ラン、アセトニトリル、ニトロメタン、エチルモノグラ
イム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオ
キソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサ
ゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒ
ドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパン
サルトンなどの非プロトン性有機溶媒を挙げることがで
き、これらの一種または二種以上を混合して使用する。
これらの溶媒に溶解するリチウム塩のカチオンとして
は、ClO4 - 、BF4 - 、PF6 - 、CF3
3 - 、CF3 CO2 - 、AsF6 - 、SbF6 -
(CF3SO2 2 - 、B10Cl10 2-、(1,2−ジ
メトキシエタン)2 ClO4 - 、低級脂肪族カルボン酸
イオン、AlCl4 - 、Cl- 、Br- 、I- 、クロロ
ボラン化合物のアニオン、四フェニルホウ酸イオンを挙
げることができ、これらの一種または二種以上を使用す
ることができる。なかでも環状カーボネート及び/また
は非環状カーボネートを含ませることが好ましい。例え
ば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メ
チルエチルカーボネートを含ませることが好ましい。ま
た、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートを
含ませることが好ましい。またエチレンカーボネートの
ほかに、プロピレンカーボネート、1,2−ジメトキシ
エタン、ジメチルカーボネートあるいはジエチルカーボ
ネートを適宜混合した電解液にLiCF3 SO3 、Li
ClO4 、LiBF4 および/あるいはLiPF6 を含
む電解液が好ましい。これらの中で、エチレンカーボネ
−ト、ジエチルカーボネートを混合した電解液にLiP
6 および/あるいはLiBF4 を含ませた電解液が特
に好ましい。
【0047】これら電解質量は、正極活物質や負極材料
の量や電池のサイズによって必要量用いることができ
る。支持電解質の濃度は、電解液1リットル当たり0.
2〜3モルが好ましい。また、電解液の他に固体電解質
も併用することができる。 無機固体電解質としてはL
iの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩があり、Li
3 N、LiI、Li 5 NI2 、Li3 N−LiI−Li
OH、Li4 SiO4 、Li4 SiO4 −LiI−Li
OH、x Li3 PO4 −(1-x)Li4 SiO4 、Li2
iS3 、硫化リン化合物などが有効である。有機固体電
解質では、ポリエチレンオキサイド誘導体か該誘導体を
含むポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体あるい
は該誘導体を含むポリマー、イオン解離基を含むポリマ
ー、イオン解離基を含むポリマーと上記非プロトン性電
解液の混合物、リン酸エステルポリマー、非プロトン性
極性溶媒を含有させた高分子マトリックス材料が有効で
ある。さらに、ポリアクリロニトリルを電解液に添加す
る方法もある。更に、無機と有機固体電解質を併用して
用いてもよい。
【0048】更に、放電や充放電特性などの改良のため
に、例えば、ピリジン、トリエチルフォスファイト、ト
リエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミ
ン、n−グライム、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベ
ンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキ
サゾリジノンとN, N’−置換イミダリジノン、エチレ
ングリコールジアルキルエーテル、第四級アンモニウム
塩、ポリエチレングリコ−ル、ピロール、2−メトキシ
エタノール、トリエチレンホスホルアミド、トリアルキ
ルホスフィン、モルホリン、カルボニル基を持つアリー
ル化合物、12−クラウン−4のようなクラウンエーテ
ル類、ヘキサメチルホスホリックトリアミドと4−アル
キルモルホリン、二環性の三級アミン、オイル、四級ホ
スホニウム塩、三級スルホニウム塩などを電解質に添加
することができる。また、電解液を不燃性にするために
四塩化炭素、三弗化塩化エチレン、高温保存に適性をも
たせるために炭酸ガスを電解液に含ませることができ
る。
【0049】セパレーターとしては、大きなイオン透過
度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の微多孔性
薄膜が用いられる。また、80℃以上で孔を閉塞し、抵
抗をあげる機能を持つことが好ましい。耐有機溶剤性と
疎水性からポリプレピレンおよび/またはポリエチレン
などのオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維などか
らつくられたシートや不織布が用いられる。セパレータ
ーの孔径は、一般に電池用セパレーターとして用いられ
る範囲が用いられ、例えば、0.01〜10μmが用い
られる。セパレターの厚みは、一般に電池用セパレータ
ーの範囲で用いられる。例えば、5〜300μmが用い
られる。セパレーターは、乾式、延伸法でも溶液、溶媒
除去法あるいはそれらの組み合わせて製造される。
【0050】電極活物質の集電体としては、構成された
電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば
何でもよい。例えば、正極には、材料としてステンレス
鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、炭素などの他
に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニ
ッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが用いられ
るが、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が特に好
ましい。負極には、材料としてステンレス鋼、ニッケ
ル、銅、チタン、アルミニウム、炭素などの他に、銅や
ステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンある
いは銀を処理させたもの、Al−Cd合金などが用いら
れるが、銅あるいは銅合金が特に好ましい。これらの材
料の表面を酸化することも用いられる。また、表面処理
により集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。形状
は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチ
されたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形
体などが用いられる。厚みは1〜500μmのものが用
いられるが、好ましくは5〜40μmでより好ましくは
8〜30μmである。
【0051】本発明において正極活物質や負極材料の合
剤は、集電体の上に塗布、乾燥、圧縮されて用いられ
る。塗布方法としてリバースロール法、ダイレクトロー
ル法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、
カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスク
イーズ法を挙げることができるが、ブレード法、ナイフ
法及びエクストルージョン法が特に好ましい。塗布は速
度、0.1〜100m/分が好ましい。この際、合剤の
溶液物性、乾燥性に合わせて上記塗布方法を選定するこ
とにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができ
る。塗布は片面ずつ逐時でも両面同時でもよく、連続で
も間欠でもストライプでもよい。塗布層の厚み、長さや
巾は、電池の大きさにより決められるが、片面の塗布層
の厚みはドライ後の圧縮された状態で10〜500μm
が好ましく、より好ましくは50〜300μmである。
【0052】シートの乾燥又は脱水方法としては、一般
に採用されている方法を利用することができる。特に、
熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単
独あるいは組み合わせて用いることが好ましい。温度は
80〜350℃の範囲が好ましく、特に100〜250
℃の範囲が好ましい。含水量は電池全体で2000pp
m以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質ではそ
れぞれ500ppm以下にすることがサイクル性の点で
好ましい。シートのプレス法としては、金型プレス法や
カレンダープレス法が特に好ましい。プレス圧は0.2
〜3t/cm2が好ましい。カレンダープレス法のプレ
ス速度は0.1〜50m/分が好ましい。プレス温度
は、室温〜200℃が好ましい。正極シートに対する負
極シートの幅の比率は、0.9〜1.1が好ましく、
1.0〜1.05が特に好ましい。正極活物質と負極材
料の含有量比は、化合物種類や合剤処方により異なる
が、容量、サイクル性、安全性の観点で最適な値に設定
できる。
【0053】該合剤シートとセパレーターを介して重ね
合わせた後、それらのシートは、巻いたり、折ったりし
て缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続し、電解液を
注入し、封口板を用いて電池缶を形成する。このとき、
安全弁を封口板として用いることができる。安全弁の
他、従来から知られている種々の安全素子を備えつけて
も良い。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バ
イメタル、PTC素子などが用いられる。また、安全弁
のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込
を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂
方法あるいはリード板との切断方法を利用することがで
きる。また、充電器に過充電や過放電対策を組み込んだ
保護回路を具備させるか、あるいは、独立に接続させて
もよい。また、過充電対策として、電池内圧の上昇によ
り電流を遮断する方式を具備することができ、内圧を上
げる化合物を合剤の中あるいは電解質の中に含ませるこ
とができる。内圧を上げる化合物としてはLi2
3 、LiHCO3 、Na2 CO 3 、NaHCO3 、C
aCO3 、MgCO3 などの炭酸塩等があげられる。缶
やリード板は、電気伝導性をもつ金属や合金を用いるこ
とができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、
モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属あるいはそれ
らの合金が用いられる。キャップ、缶、シート、リード
板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の電気溶
接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることができ
る。封口用シール剤は、アスファルトなどの従来から知
られている化合物や混合物を用いることができる。
【0054】本発明の非水二次電池の用途には、特に限
定されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、カラ
ーノートパソコン、白黒ノートパソコン、サブノートパ
ソコンペン入力パソコン、ポケット(パームトップ)パ
ソコン、ノート型ワープロ、ポケットワープロ、電子ブ
ックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ペ
ージャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携
帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビ
デオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポ
ータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、電子翻
訳機、自動車電話、トランシーバー、電動工具、電子手
帳、電卓、メモリーカード、テープレコーダー、ラジ
オ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられ
る。その他民生用として、自動車、電動車両、モータ
ー、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショ
ナー、アイロン、時計、ストロボ、カメラ、医療機器
(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げ
られる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることが
できる。また、他の二次電池や太陽電池あるいは一次電
池と組み合わせることもできる。
【0055】本発明の好ましい組合せは、上記の化学材
料や電池構成部品の好ましいものを組み合わすことが好
ましい。リチウム金属箔によってリチウムが予備挿入さ
れた負極材料として、酸化物(LiCoVO4 、SnO
2 、SnO、SiO、GeO2 、GeO、SnSi
3、Sn1 Si0.3 Al0.1 0.2 0.3 3.2 )、
硫化物(TiS2 、SnS2、SnS、GeS2 、Ge
S)等を含む少なくとも1種の化合物を用いることが好
ましい。負極集電体はステンレス鋼か銅から作られてい
る、ネット、シート、箔、ラス等の形状をしている。正
極活物質として、Lix CoO2 、Lix NiO2 、L
x MnO2 、Li x Mn2 4 (ここでx=0.05
〜1.2)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含
み、導電剤としてアセチレンブラックも共に含む。正極
集電体はステンレス鋼かアルミニウムから作られてい
る、ネット、シート、箔、ラスなどの形状をしている。
【0056】正極活物質あるいは負極材料とともに用い
る合剤には、電子伝導剤としてアセチレンブラック、黒
鉛などの炭素材料を混合してもよい。結着剤はポリフッ
化ビニリデン、ポリフルオロエチレンなどの含フッ素熱
可塑性化合物、アクリル酸を含むポリマー、スチレンブ
タジエンゴム、エチレンプロピレンターポリマーなどの
エラストマーを単独あるいは混合して用いることができ
る。また、電解液として、エチレンカーボネート、さら
に、ジエチルカーボネート、ジメチルカルボネートなど
の環状、非環状カーボネートあるいは酢酸エチルなどの
エステル化合物の組合せ、支持電解質として、LiPF
6 を含み、さらに、LIBF4 、LiCF3 SO3 など
のリチウム塩を混合して用いることが好ましい。さら
に、セパレーターとして、ポリプロピレンあるいはポリ
エチレンの単独またはそれらの組合せが好ましい。電池
形態はシリンダー、偏平、角型のいづれでもよいし、コ
イン、ボタン電池でもよい。電池には誤動作にも安全を
確保できる手段(例、内圧開放型安全弁、電流遮断型安
全弁、高温で抵抗を上げるセパレーター)を備えること
が好ましい。
【0057】
【実施例】以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。
【0058】合成例−1 一酸化錫6.7g、ピロリン酸錫10.3g、三酸化二
硼素1.7g、炭酸カリウム0.7g、酸化マグネシウ
ム0.4g、二酸化ゲルマニウム1.0gを乾式混合
し、アルミナ製るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下15℃
/分で1000℃まで昇温した。1200℃で12時間
焼成した後、10℃/分で室温にまで降温し焼成炉より
取り出して、SnGe0.1 0.5 0.5 Al0.44Mg
0.1 0.1 3.86を得た。これをジェットミルで粉砕
し、平均粒径4.5μmの粉末を得た(化合物1−
1)。
【0059】合成例−2 同様にそれぞれ化学量論量の原料を混合、焼成、粉砕
し、下記の化合物を得た。 SnGe0.1 0.5 0.5 Al0.44Mg0.1 0.1 3.91 (化合物2−1) SnSi0.5 Ge0.1 0.1 Al0.2 0.1 0.1 Mg0.1 2.95 (化合物2−2) SnSi0.6 Al0.1 0.1 0.1 Ba0.2 2.95 (化合物2−3) SnSi0.6 Al0.1 0.1 0.1 Ca0.2 2.95 (化合物2−4) 化合物1−1,2−1〜2−4はCuKα線を用いたX
線回析法において2θ値で28°付近に頂点を有するブ
ロードなピークを有する物であり、2θ値で40°以上
70°以下には結晶性の回析線は見られなかった。
【0060】実施例−1 サンプル−1の作製 負極材料として、化合物1−1を用いて、それを86重
量%、鱗片状黒鉛6重量%、アセチレンブラック3重量
%の割合で混合し、更に結着剤としてポリフッ化ビリニ
デンの水分散物を4重量%およびカルボキシメチルセル
ロース0.8重量%と界面活性剤A0.2重量%を加
え、水を媒体として混練して、負極スラリー−1を作製
した。
【0061】界面活性剤A
【化1】
【0062】また、鱗片状黒鉛10重量%、アセチレン
ブラック3重量%、ポリフッ化ビリニデン4重量%、カ
ルボキシメチルセルロース0.68重量%、粒径2μm
のα−アルミナ50重量%、粒径3μmのジルコニア3
2重量%、界面活性剤として大日本インキ製 Mega
fac.F−120(商品名)0.02重量%および界
面活性剤A0.3重量%を加え、水を媒体として混練し
保護層スラリー−1を作製した。18μm厚の銅箔上に
負極スラリー−1を銅箔側とし、負極活物質層上に保護
層スラリー−1を重ねエクストルージョン法により同時
に塗布した。片面あたりの塗布量は合剤固形分でそれぞ
れ78g/m2 、15g/m2 であった。同様に銅箔の
反対側にも同時塗布をした。約50℃で乾燥した。塗布
負極をカレンダープレス機により圧縮成型し、所定の
幅、長さに切断して帯状の負極シート−1を作製した。
負極シート−1の厚みは98μmであった。正極材料と
して、LiCoO2 を93重量%、鱗片状黒鉛1重量
%、アセチレンブラック4重量%、さらに結着剤として
ポリテトラフルオロエチレン水分散物1重量%とポリア
クリル酸ナトリウム1重量%を加え、水を媒体として混
練し正極スラリー−1を得た。この正極スラリー−1を
厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に上記と同じ方法
で塗布、乾燥、プレス、切断した。片面あたりの塗布量
は合剤固形分で310g/m2 であった。厚さ210μ
mの帯状正極シート−1を得た。上記負極シート−1お
よび正極シート−1のそれぞれ端部にそれぞれニッケ
ル、アルミニウムのリード板をスポット溶接した後、露
点−50℃の乾燥空気中で230℃2時間脱水乾燥し
た。厚さ40μmで幅54.5mmのロール状のリチウ
ム箔を4mm長さに切断し、54.5mm×4mm×4
0μmの短冊状のリチウム金属箔(純度99.98%)
を作り、それを54.5mm幅の上記負極シート−1の
両面に7mmの間隔を空けローラーで押しつけて貼り付
けた。Li箔の切断時およびLi箔が貼り付けられた負
極シートに下記の様に炭酸ガスを吹き付けた。装置全体
の雰囲気は露点−50℃の乾燥空気であった。図3に示
すように、脱水乾燥済み正極シート5、微多孔性ポリプ
ロピレンフィルムセパレーター4(セルガード240
0)、脱水乾燥済み負極シート3およびセパレーター4
の順で積層し、これを巻き込み機で渦巻き状に巻回し
た。
【0063】この巻回体を負極端子を兼ねる、ニッケル
メッキを施した鉄製の有底円筒型電池缶2に収納した。
1リットル当たりLiPF6とLiBF4を各々0.9,
0.1mol含有し、溶媒がエチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートとジメチ
ルカーボネートの2:2:4:2容量混合液からなる電
解質を電池缶に注入した。この注液の際に温度を5℃に
した。正極端子を有する電池蓋8をガスケット1を介し
てかしめて円筒型電池を作製した。なお、正極端子8は
正極シート5と電池缶2は負極シート3とあらかじめリ
ード端子により接続した。図3、図4に円筒型電池の断
面を示した。なお、図4で7は電流遮断スイッチ、10
は電池内圧上昇にともなって変形し、7の電流遮断スイ
ッチを作動させる弁体を表す。かしめた電池を20℃の
雰囲気に24時間保存した。その後0.6mA/cm2
の電流で3.2Vまで充電と2.8Vまでの放電を5回
繰り返した。その後3.2Vの状態で50℃で14日間
エージングした。その後0.6mA/cm2 の電流で
4.2Vまで充電した。炭酸ガス吹き付けの条件を下記
の様にして比較例−Aとサンプル−1〜5を作製した。 サンプルNo. 炭酸ガス濃度 吹き付け量 A なし なし 1 100容積% 1リットル/m2 2 100 10 3 100 100 4 100 1000 5 50(乾燥空気が50容積%)100 負極材料を各々化合物2−1、2−2、2−3、2−4
にした以外は比較例−Aと同様にして比較例−B〜Eを
作製した。負極材料を各々化合物2−1、2−2、2−
3、2−4にした以外はサンプル−3と同様にしてサン
プル−6〜9を作製した。
【0064】サンプル−1〜9、比較例A〜Eをそれぞ
れ50個ずつ作製し、充電状態で25℃1ヵ月保存後の
開路電圧を測定した。開路電圧が4.1V以下になった
割合は、サンプル−1〜9で各々2.4%、2.5%、
2.2%、2.7%、2.6%、2.6%、2.5%、
2.6%、2.7%であった。また比較例−A〜Eはい
ずれも30%以上であった。本発明のサンプル−1〜9
は比較例−A〜Eに比べ開路電圧の低下が小さく製造得
率が高く好ましかった。
【0065】実施例−2 実施例1のサンプル1〜9と比較例A〜Eを0.6mA
/cm2 の電流で4.1Vまで充電し、1.3mA/c
2 の電流で2.8Vまで放電し容量を測定した(容量
−1、mAh)。同様に充電し6.5mA/cm2 の電
流で2.8Vまで放電し容量−2(mAh)を得た。容
量−1/容量−2の比率はサンプル−1〜9は、89
%、90%、91%、91%、91%、91%、91
%、91%、91%であった。また比較例A〜Eでは各
々85%、85%、84%、85%、84%であった。
本発明のサンプル1〜9は比較例A〜Eに比べこの比率
が高く、高電流適性が良好で好ましかった。
【0066】実施例−3 実施例−1のサンプル−1〜9と、比較例A〜Eを各1
0個作製し、0.4mA/cm2 の電流にて、4.2V
まで放電し、放電状態で65℃1ヵ月保存後の開路電圧
を測定した。開路電圧の低下は平均値でサンプル−1〜
9は、各々0.11,0.12,0.10,0.12,
0.11,0.10,0.11,0.10,0.11V
であった。また比較例−A〜Eは各々0.32,0.3
3,0.37,0.32,0.35Vであった。本発明
のサンプル−1〜9は比較例−A〜Eに比べ開路電圧の
低下が小さく好ましかった。
【0067】実施例−4 電解液の溶媒をエチレンカーボネイト、プロピレンカー
ボネイト、ブチレンカーボネイト、ジメチルカーボネイ
ト、エチルメチルカーボネイト、ジエチルカーボネイ
ト、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルを各々容
量比で10/10/10/20/20/20/5/5と
した以外は実施例−3を繰り返し同様の結果を得た。
【0068】
【発明の効果】本発明のように、正極材料にリチウム含
有遷移金属酸化物、負極材料として、少なくとも1種の
特定の複合酸化物を用いると共にリチウムを主体とした
金属又は該金属が電気的に接触された負極が電解液と接
触するまでに特定の濃度の炭酸ガスと特定露点を有する
気体で処理することにより、生産性が良く、高容量でサ
イクル寿命の長い非水二次電池を得ることができる。高
い放電作動電圧、大きな放電容量と優れた高温保存性、
高電流適性の優れた非水二次電池を安定して得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は負極シートの最外周部へのリチウム箔貼
付の具体例を示す概念図である。
【図2】図2a,2b,2dは夫々負極シート合剤塗布
部へのリチウム箔貼付の具体例を示す概念図、図2cは
図2bの側面図である。
【図3】図3は実施例に使用した円筒型電池の断面図を
示す。
【図4】図4は円筒型電池の別の態様も示すもので、特
に安全弁として機能する部分を示し、他の部分は省略し
てある。
【符号の説明】
a リチウムを主体とする金属箔 b 負極合剤が塗布された部分 F リチウム箔小片 1 ポリプロピレン製ガスケット 2 負極端子を兼ねる負極缶(電池缶) 3 負極シート 4 セパレーター 5 正極シート 6 非水電解液 7 電流遮断スイッチ(7a 第一導通体、7b 第二
導通体) 8 正極端子を兼ねる正極キャップ 8aガス抜き孔 9 PTC素子 10 防爆弁体 11 中間絶縁体 12 正極リードタブ 13 溝状肉薄部 14 上部絶縁板

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料
    を含む正極及び負極、リチウム塩を含む非水電解質、セ
    パレーターから成り、該負極中の負極材料がリチウムを
    主体とする金属と電気的に接触していて電池内で電気化
    学的にリチウムイオンが負極材料中に挿入される非水二
    次電池に於いて、該リチウムを主体とした金属あるいは
    該金属が電気的に接触された負極が電解液と接触するま
    でに、炭酸ガスの濃度が15〜100容積%であり、露
    点が−10〜−80℃の範囲ににある気体雰囲気下を少
    なくとも一度履歴していることを特徴とする非水二次電
    池。
  2. 【請求項2】 気体雰囲気9が炭酸ガス濃度が15〜1
    00容積%であり、空気が0〜85容積%であり、露点
    が−10〜−80℃の範囲にあることを特徴とする請求
    項1記載の非水二次電池。
  3. 【請求項3】 正極活物質としてリチウム含有遷移金属
    複合酸化物を少なくとも1種類含むことを特徴とする請
    求項1から2の何れかに記載の非水二次電池。
  4. 【請求項4】 負極材料が金属または半金族酸化物であ
    ることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の非
    水二次電池。
  5. 【請求項5】 負極材料の金属または半金族酸化物を主
    体とした層が、周期律表13から15族の金属、半金族
    元素の酸化物を少なくとも1種類含む層であることを特
    徴とする請求項1から4の何れかに記載の非水二次電
    池。
  6. 【請求項6】 負極材料が次の一般式(1) の複合酸化物
    であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載
    の非水二次電池、 Sn M1 a t 一般式(1) (式中、M1 は少なくともAl、B、P、Si、Geの
    中の2種以上の元素を表し、aは0.2以上、2以下の
    数を、tは1以上、6以下の数を表す。)
  7. 【請求項7】 錫を含む複合酸化物が次の一般式(2)
    の複合酸化物であることを特徴とする請求項6に記載の
    非水二次電池、 Sn M3 c 4 d t 一般式(2) (式中M3 はAl、B、P、Geの少なくとも2種を、
    4 は周期律表第1族元素、第2族元素、第3族元素、
    ハロゲン元素の少なくとも1種を表し、cは0.2以上、
    2以下の数、dは0.01以上、1以下の数で、0.2
    < c+d <2、tは1以上6以下の数を示す。)
  8. 【請求項8】 リチウムを主体とする金属が電解液と接
    触した後に1時間以上60日以下で0℃以上80℃以下
    の温度を履歴させたことを特徴とする請求項1から7の
    何れかに記載の非水二次電池。
  9. 【請求項9】 リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料
    を含む正極及び負極、リチウム塩を含む非水電解質、セ
    パレーターから成り、該負極中の負極材料がリチウムを
    主体とする金属と電気的に接触していて電池内で電気化
    学的にリチウムイオンが負極材料中に挿入される非水二
    次電池の製造法に於いて、該リチウムを主体とした金属
    あるいは該金属が電気的に接触された負極が電解液と接
    触するまでに、炭酸ガスの濃度が15〜100容積%で
    あり露点が−10〜−80℃の範囲にある気体を負極1
    2 あたり1〜1000リットル吹き付けることを特徴
    とする非水二次電池製造方法。
  10. 【請求項10】 気体の炭酸ガス濃度が15〜100容
    積%であり、空気が0〜85容積%であり、露点が−1
    0〜−80℃の範囲にあることを特徴とする請求項9に
    記載の非水二次電池製造方法。
  11. 【請求項11】 正極活物質としてリチウム含有遷移金
    属複合酸化物を少なくとも1種類含むことを特徴とする
    請求項9又は10に記載の非水二次電池製造方法。
  12. 【請求項12】 負極材料が金属または半金族酸化物で
    あることを特徴とする請求項9から11の何れかに記載
    の非水二次電池製造方法。
  13. 【請求項13】 負極材料の金属または半金族酸化物を
    主体とした層が、周期律表13から15族の金属、半金
    族元素の酸化物を少なくとも1種類含む層であることを
    特徴とする請求項9から12の何れかに記載の非水二次
    電池製造方法。
  14. 【請求項14】 負極材料が次の一般式(1) の複合酸化
    物であることを特徴とする請求項9から13の何れかに
    記載の非水二次電池製造方法。 Sn M1 a t 一般式(1) (式中、M1 は少なくともAl、B、P、Si、Geの
    中の2種以上の元素を表し、aは0.2 以上、2以下の数
    を、tは1以上、6以下の数を表す。)
  15. 【請求項15】 錫を含む複合酸化物が次の一般式
    (2)の複合酸化物であることを特徴とする請求項14
    に記載の非水二次電池製造方法。 Sn M3 c 4 d t 一般式(2) (式中M3 はAl、B、P、Geの少なくとも2種を、
    4 は周期律表第1族元素、第2族元素、第3族元素、
    ハロゲン元素の少なくとも1種を表し、cは0.2以上、
    2以下の数、dは0.01以上、1以下の数で、0.2
    < c+d <2、tは1以上6以下の数を示す。)
  16. 【請求項16】 リチウムを主体とする金属が電解液と
    接触した後に1時間以上60日以下で0℃以上80℃以
    下の温度を履歴させたことを特徴とする請求項9から1
    5の何れかに記載の非水二次電池製造方法。
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