JPH09110718A - 虚血再灌流肝障害治療剤 - Google Patents

虚血再灌流肝障害治療剤

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JPH09110718A
JPH09110718A JP7266829A JP26682995A JPH09110718A JP H09110718 A JPH09110718 A JP H09110718A JP 7266829 A JP7266829 A JP 7266829A JP 26682995 A JP26682995 A JP 26682995A JP H09110718 A JPH09110718 A JP H09110718A
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JP
Japan
Prior art keywords
iii
therapeutic agent
blood
human
ischemic reperfusion
Prior art date
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Pending
Application number
JP7266829A
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English (en)
Inventor
Kenji Okajima
研二 岡嶋
Shigeki Kushimoto
成樹 久志本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
Original Assignee
Green Cross Corp Japan
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ヒト由来アンチトロンビン−III を有効
成分とすることを特徴とする虚血再灌流肝障害治療剤。 【効果】 ヒト由来アンチトロンビン−III は、虚血再
灌流肝障害を受けた哺乳動物に対して、胆汁***量の低
下やGPT等の肝酵素の漏出を軽減する効果を有し、虚
血再灌流肝障害治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト由来アンチト
ロンビン−III (以下、単にAT−III という)を有効
成分とする虚血再灌流肝障害治療剤に関する。
【0002】
【従来技術・発明が解決しようとする課題】AT−III
は血漿中に存在するα2 グロブリンに属する糖蛋白質の
一種で、その分子量は65,000〜68,000であ
り、プロテアーゼ阻害活性を有し、トロンビンの凝固活
性を強く阻害する。また、トロンビンに対する阻害作用
のみならず、その他の凝固因子、例えば活性化X因子、
活性化IX因子などに対する阻害作用をも有している。
その他、プラスミンやトリプシンに対する阻害作用があ
ることも報告されている。これらの阻害作用は、一般に
ヘパリンの共存下でより速やかに進行することが知られ
ている。このような薬理作用を有するAT−III は、凝
固異常亢進の補正、具体的には汎発性血管異常症(DI
C)の治療を目的として用いられるものである。
【0003】本発明は、AT−III の従来知られていな
かった作用を利用した薬剤を提供することを目的とす
る。つまり、当該AT−III を他の医薬用途に使用する
ことを意図するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、AT−III に虚血
再灌流肝障害の治療に有効であることを見出し、本発明
を完成した。
【0005】即ち、本発明はAT−III を有効成分とす
る虚血再灌流肝障害治療剤である。
【0006】本発明で使用されるAT−III は、ヒト由
来のもので、医薬として使用できる程度に精製されたも
のであれば特に制限されるものではなく、例えばヒトの
全血、血漿、血清または凝固した血液から圧搾された血
清等から精製することができる。使用される血液として
は、特にHBs抗原、抗HIV抗体に陰性であるものが
好ましい。
【0007】AT−III を調製するための出発原料とし
ては、例えばコーンの冷エタノール法で得られる画分IV
−1,画分IV,上清I,上清II+III (EP公開551
084)等が使用される。AT−III の精製法として
は、例えば特開昭48−35017号明細書、特公昭5
9−7693号明細書に開示の方法、疎水性クロマト
(特開平1−275600号)、陰イオン交換体処理
(特開平2−4717号)等が例示される。また、AT
−III は細胞培養法(例えば、特表昭57−50076
8号公報参照)、遺伝子工学法(例えば、特開昭58−
162529号公報参照)などにより調製されるもので
あってもよい。また、市販のAT−III 製剤(例えば商
品名:ノイアート、(株)ミドリ十字製等)を用いるこ
ともできる。
【0008】虚血再灌流肝障害とは、出血性ショックや
腹部手術等の肝血流障害後に発生する肝機能障害であ
り、このような虚血再灌流肝障害を受けた哺乳動物に対
して、AT−III は、胆汁***量の低下やGPT(グル
タミン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼ)等の肝酵素
の漏出を軽減する効果を有することが判明した。
【0009】本発明の虚血再灌流肝障害治療剤において
は、その使用は薬効成分としてAT−III 単独で効果を
発揮し得るものと思われる。
【0010】また、本発明の虚血再灌流肝障害治療剤
は、本発明の目的に反しない限り通常医薬品に用いられ
る薬理的に許容される添加剤(例えば、担体、賦形剤、
希釈剤等)、安定化剤または製薬上必要な成分を配合し
ていてもよい。添加剤・安定化剤としては、糖類,すな
わちブドウ糖,果糖等の単糖類、ショ糖,乳糖,麦芽糖
などの二糖類、マンニトール,ソルビトール等の糖アル
コール;クエン酸,リンゴ酸,酒石酸等の有機酸または
その塩(例えば、ナトリウム塩等);グリシン,アスパ
ラギン酸,グルタミン酸等のアミノ酸またはその塩(例
えば、ナトリウム塩等);ポリエチレングリコール,プ
ルロニック,トウィーン等の界面活性剤;ヘパリン,ア
ルブミンなどが挙げられる。
【0011】本発明製剤は、AT−III と上記成分とを
適宜混合し、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ
剤、注射剤等の態様に調製され、経口的または非経口的
に投与される。好ましくは、静脈投与の態様である。本
製剤は、液状製剤の態様でもよいが、とりわけAT−II
I を薬理的に許容される添加剤とともに凍結乾燥品とし
て調製しておき、用時溶解して使用する態様の製剤とす
ることが好ましい。かかる製剤は、使用時に注射用蒸留
水や滅菌精製水等によって約1〜100AT−III 単位
/ml溶液として、より好ましくは生理的に等張な塩濃
度および生理的に好ましいpH値(pH6〜8)に調整
される。
【0012】投与量は症状、体重、性別、動物種等によ
って適宜選択すればよく、一般的にヒトの成人に対して
は、通常1〜1000単位/kg体重/日、好ましくは
10〜500単位/kg体重/日を1日1〜数回に分け
て投与する。本明細書において、AT−III の力価は、
1単位が正常人血漿1ml中に含まれるAT−III 量に
相当する。
【0013】
【実験例・実施例】以下、本発明を詳細に説明するため
実験例および実施例を挙げるが、本発明はこれらによっ
て何ら限定されるものではない。
【0014】実験例1 (1)実験方法 ラットの腹部を切り開き、肝左葉のみを選択的に60分
間虚血した後、血流を再開させて虚血再灌流肝障害のモ
デルを作成した。被験薬として、AT−III (商品名:
ノイアート、(株)ミドリ十字製)125単位/kg体
重を使用し、上記のラットの虚血再灌流肝障害モデルに
血流再開直後静脈内へ投与した。このAT−III 投与群
の0〜1時間後、1〜2時間後および2〜3時間後の各
ラットの胆汁量および擬似手術群(sham)、AT−
III 非投与群の胆汁量をそれぞれ測定した。ここで擬似
手術群とは、ラットの腹部を切り開いたのみで、肝左葉
を虚血させなかったラット群をいう。その結果を図1〜
図3に示す。図1〜図3において、Pは統計学的危険率
を示す。また、血流再開後12時間後のAT−III 投与
群とAT−III 非投与群の血中GPT量を比較した。そ
の結果を図4に示す。ここでnは供試ラット数を示す。
胆汁量は、総胆管にチューブを挿入し、胆汁を採取する
ことによってその総量を測定した。また血中GPT値
は、トランスアミナーゼCIIテストワコー(和光純薬
(株)製)を用いて測定した。
【0015】(2)結果 図1〜図3から明らかなように、AT−III 非投与群で
は時間の経過と共に胆汁量の減少が見られたが、AT−
III 投与群では、血流再開後2〜3時間の間の胆汁量の
減少が有意に阻止された。さらに図4より血流再開後1
2時間後において、血中GPT量がAT−III 投与によ
り有意に低下していたことから、肝障害治療効果が認め
られた。
【0016】実施例1 コーンの冷アルコール分画法で得られた画分IV−1のペ
ースト10kgを生理食塩水100リットルに懸濁し、
硫酸バリウムを5(w/v)%になるように加え、室温
で30分間撹拌し、微量に存在するプロトロンビンを硫
酸バリウムに吸着させて除去した。この上清液をpH
6.5に調整し、ポリエチレングリコール#4000を
13(w/v)%になるように加え、生じた沈澱を遠心
分離して除き、さらにポリエチレングリコール#400
0を30(w/v)%になるように加え、さらに生じた
沈澱を遠心分離して回収した。この沈澱を冷生理食塩水
約20リットルに溶解し、予め生理食塩水で調製された
ヘパリンセファロースを充填したカラムへ注入し、AT
−III をカラムに吸着させた。このカラムを0.4Mの
塩化ナトリウム溶液で洗浄して不純蛋白を除いたのち、
2.0Mの塩化ナトリウム溶液をカラムに流して溶出し
てくる部分を回収した。このAT−III の水溶液にクエ
ン酸ナトリウムを0.6Mの濃度に加え、pH7.8に
調整した後60℃で10時間の加熱処理を施し、続いて
0.9%塩化ナトリウム溶液に対し1夜透析を行いつつ
濃縮してAT−III の1(w/v)%水溶液を得、必要
に応じて濾過または遠心分離を行って透明な液とした。
このAT−III の1(w/v)%水溶液にマンニトール
2(w/v)%とクエン酸ナトリウム0.2(w/v)
%を加え、塩化ナトリウムが0.5%になるように少量
の冷蒸留水で希釈し、1Nの水酸化ナトリウムでpH
7.6に調整した後、滅菌したミリポアフィルターで除
菌濾過し、500単位づつ分注し、凍結乾燥を行って乾
燥製剤とした。
【0017】実施例2 1バイアル中、 AT−III 500単位 マンニトール 200mg 塩化ナトリウム 50mg クエン酸ナトリウム 52mg よりなる凍結乾燥品を用時20mlの注射用蒸留水に溶
解して、静注用製剤とした。
【0018】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、虚血再灌
流肝障害を受けた哺乳動物に対して、AT−III は、胆
汁***量の低下やGPT等の肝酵素の漏出を軽減する効
果を有し、虚血再灌流肝障害治療剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1における血流再開後0〜1時間後のラ
ットの胆汁量を示すグラフである。
【図2】実験例1における血流再開後1〜2時間後のラ
ットの胆汁量を示すグラフである。
【図3】実験例1における血流再開後2〜3時間後のラ
ットの胆汁量を示すグラフである。
【図4】実験例1における血流再開後12時間後の血中
GPT量を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト由来アンチトロンビン−III を有効
    成分とすることを特徴とする虚血再灌流肝障害治療剤。
JP7266829A 1995-10-16 1995-10-16 虚血再灌流肝障害治療剤 Pending JPH09110718A (ja)

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JP7266829A JPH09110718A (ja) 1995-10-16 1995-10-16 虚血再灌流肝障害治療剤

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JP7266829A JPH09110718A (ja) 1995-10-16 1995-10-16 虚血再灌流肝障害治療剤

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JPH09110718A true JPH09110718A (ja) 1997-04-28

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ID=17436237

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JP7266829A Pending JPH09110718A (ja) 1995-10-16 1995-10-16 虚血再灌流肝障害治療剤

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001015723A1 (fr) * 1999-09-01 2001-03-08 Mitsubishi Pharma Corporation Medicaments pour la prevention ou le traitement de lesions ischemiques ou de lesions de reperfusion ischemique

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001015723A1 (fr) * 1999-09-01 2001-03-08 Mitsubishi Pharma Corporation Medicaments pour la prevention ou le traitement de lesions ischemiques ou de lesions de reperfusion ischemique

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