JPH0867320A - ベルトコンベアのローラ取り替え用治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベルトコンベアを支持しているキャリアロー
ラとリターンローラを取り替える際の治具に関するもの
で、キャリアローラとリターンローラの取替を容易、且
つ迅速に行える治具を開発することを目的とする。 【構成】 ベルトコンベアの主フレームに載置する受台
と、該受台上に回動自在にかけ渡されている軸と、該軸
に取りつけられている持ち上げ架台と、該軸のどちらか
一方の端部に取りつけられている把手とにより構成さ
れ、コンベアベルとを該持ち上げ架台によりキャリアロ
ーラより高く持ち上げることにより、容易にキャリアロ
ーラを取り替えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】ベルトコンベアを支持しているキ
ャリアローラとリターンローラを取り替える際に使用す
るコンベアベルトのキャリア及びリターンローラの取り
替え用治具に関する。

【０００２】

【従来技術】粒塊状物及び粉末等を輸送するベルトコン
ベアは、従来より使用されている輸送機であり、その構
造は並列に配列された主フレームの両端部に駆動側プー
リーと反駆動側プーリーを配設し、該両プーリーにエン
ドレス状のコンベアベルトを掛け渡し、輸送物を積載す
る上面のベルトを支えるキャリヤローラと、下面の戻り
ベルトを支えるリターンローラとを該主フレームに所定
間隔で設置し、更にベルトに張力を与えるテークアップ
装置などを備えている。

【０００３】キャリアローラ及びリターンローラ共に円
筒状の外筒と、該外筒内に設けられているメタルボック
スと、該外筒の中心軸上に該外筒を支える軸を配設し、
該外筒が回動自在なように該軸と該メタルボックス間に
ベアリングメタルを配設し、該メタルボックス内に埃が
侵入するのを防止する蓋を取付、外筒を軸に回動自在に
装着した構造となっている。

【０００４】通常輸送物を積載する上面の形状は、平面
型ととい型をしたトラフ型とがあり、平面型は、負荷が
少なく輸送距離の短いものに用いられており、一般的に
はトラフ型のコンベアが用いられている。トラフ型コン
ベアのキャリアローラは、傾斜した両側ローラと水平な
センターローラとを、該主フレームに橋設した山形鋼に
立設したブラッケトに載架している。

【０００５】リターンローラは、該主フレームより釣り
下げられているブラケットに載架している。

【０００６】これらのキャリヤローラ及びリターンロー
ラは、高速で回転し、しかも使用条件が厳しいためしば
しば、回転不能等の故障が発生し、キャリアローラ及び
リターンローラが回転不能となるとローラとベルトとの
間に摩擦が生じ、コンベアベルトを痛める原因となるた
め、操業を一時中断し故障ローラの取り替え作業を実施
せざるをえなかった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前記キャリアローラと
リターンローラの取り替えには、パイプ又は丸太等を用
いて、主フレームをてことしてコンベアベルトとを持ち
上げ、その間に不良ローラの交換を行う方法が取られて
いるが、特にリターンローラの場合、場所によってはパ
イプ等が使用できない場所があり、そのような場合は、
人間がベルトの下に入って背中でベルトを押し上げてお
いて交換することもあり、交換に時間を要するため、長
時間ベルトの運転を停止せざるをえないばかりか、人手
も３〜５名程度要しており、他のラインの人員も動員し
なければならず、迅速に対応が取れないと言った問題点
があった。

【０００８】コンベアベルトは、弛みを防止するため、
テークアップ装置により常時張力を与えられており、こ
れに逆らって人力により持ち上げるため、パイプ等を持
ち上げている手が滑り、取り替え作業中の人間の手がは
さまれる危険性が常時つきまとうと言った安全上の問題
もあった。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、キャリアロー
ラ及びリターンローラを迅速、且つ短時間で、しかも安
全に取り替え作業を行い得る方法又は取り替え用の治具
の開発を行うことを目的として種々検討した結果、次に
示す取り替え用の治具を開発するに至った。

【００１０】まずキャリヤローラの取り替え用治具とし
て、（１）ベルトコンベアの両側の主フレーム上に載置
する凹部を設けた受台と、（２）該両側の主フレーム上
に載置された該受台の凹部に回動自在にかけ渡された軸
と、（３）少なくとも頂面が円筒形の部材であり、主フ
レームから該部材の上端面までの高さが、該主フレーム
から該キャリアローラの上端面までの高さより高い持ち
上げ架台を少なくとも１箇所以上、該軸の同一軸線上に
設置し、（４）該持ち上げ架台上面の設置角度が、該各
々のキャリアローラの設置角度に近似し、（５）該軸の
両端部の少なくともどちらか一方に連接した把手を備え
た持ち上げ用治具。

【００１１】更に、（１）ベルトコンベアの両側の主フ
レーム上に載置する凹部を設けた受台と、（２）該両側
の主フレーム上に載置された台の凹部に回動自在にかけ
渡された軸と、（３）上端部に少なくとも１個以上の回
動自在なローラを配設し、主フレームから該ローラの上
端面までの高さが、該主フレームから該キャリアローラ
の上端面までの高さより高い持ち上げ架台を少なくとも
１箇所以上、該軸の同一軸線上に設置し、（４）該持ち
上げ架台頂面の設置角度が、該各々のキャリアローラの
設置角度に近似し、（５）該軸の両端部の少なくともど
ちらか一方に連接した把手を備え、（６）該持ち上げ架
台を所定の位置に停止させるストッパーを該把手に設け
た持ち上げ用治具リターンローラの取り替え用治具とし
て （１）ベルトコンベアの両側の主フレーム上に載置する
凹部を設けた受台と、（２）該両側の主フレーム上に載
置された該受台の凹部に回動自在にかけ渡された軸と、
（３）該軸に巻き取り自在に吊着されているワイヤ又は
チェンと、（４）該ワイヤ又はチェンの先端部に係止さ
れる棒状体と、（５）該軸の両端部の少なくともどちら
か一方に連接した把手を備え、（６）該把手を所定の位
置に停止させるストッパーを該把手に設けた持ち上げ用
治具

【００１２】

【作用】本発明の治具は、キャリアローラを取り替える
際、ベルトコンベアを設置している主フレームに回動自
在に掛け渡すパイプと、このパイプにコンベアベルトを
持ち上げる持ち上げ架台を取り付けた構造となってお
り、持ち上げ架台は、取り替えるキャリヤローラにコン
ベヤベルトの荷重がかからないように、キャリアローラ
の設置高さより高くなるように設置している。

【００１３】コンベアベルトをキャリアローラより高く
持ち上げるには、コンベアベルトの重量及びコンベアベ
ルトをに常時張力をかけている荷重に逆らって持ち上げ
る必要があるため、該架台の頂面部の形状をコンベアベ
アベルトと接触した際摩擦が小さくなるような形状、即
ち接触断面の角を取った円形とするか、また回動自在な
二重円筒形或はローラ等を取りつけた構造とすと、コン
ベアベルトを持ち上げる際、持ち上げ架台の上端部が回
転するので、抵抗が少なく好適である。

【００１４】更に、持ち上げ架台の頂面部の形状をキャ
リヤローラを設置している形状と同一かあるいは近似さ
せ、且つキャリアローラとコンベアベルトが接触する面
より該持ち上げ架台の上端部が高くなるようにする。例
えば図３に図示するように両側のキャリアローラを傾斜
させ、センターローラを水平に設置しているトラフ型の
ベルトコンベアにおいて、両側のキャリアローラの取り
付け角度が２０度の傾斜で取り付け、センターローラを
水平に取り付けている場合は、持ち上げ架台の形状も、
キャリアローラの形状に合わせ両側の傾斜を２０度に近
似させ、中央部を水平にした形状とする。この場合最も
望まし持ち上げ架台の設置方法として、キャリアローラ
毎に分割した持ち上げ架台を設けると、キャリアローラ
上のコンベアベルトを確実に持ち上げているので取り替
え作業が容易に行える。

【００１５】リターンローラの取り替え用治具は、ベル
トコンベアの主フレームに回動自在にかけ渡す軸と、こ
の軸に取り付けられているチェン又はワイヤの端部に、
パイプ、丸鋼、チャンネル又はＨ型鋼等の棒状体をコン
ベアベルトの幅よりやや大きいサイズとし、この棒状体
の両端部に該チェン又はワイヤを係止する構造とし、該
軸の末端部に把手を取り付け、この把手により該軸を回
転させ、該軸に取り付けているチェン又はワイヤ等を巻
き上げることによりコンベアベルトを持ち上げ、リター
ンローラの取り替えを行うものである。この際該把手を
所定の位置に停止するストッパを設けておけば、取り替
え作業中人力により固定する必要がないので好適であ
る。

【００１６】

【実施例】図１は、本発明のキャリアローラの取り替え
用治具をコンベアベルトの主フレームセットした際の断
面図であり、図２はその正面図である。

【００１７】図によれば、１はベルトコンベアの主フレ
ーム、２は主フレーム１に載置し、軸３を回動自在に軸
支する受台、受台２の主フレーム１を横断する相対する
辺にには軸３の移動を防止する突起４が設けてあり凹部
を形成している。５はコンベアベルト６を持ち上げる持
ち上げ架台であり、この持ち上げ架台５はコンベアベル
トの形状に合わせて設置するのが好適であり、図に示す
ようにトラフ型のコンベアの場合、キャリアローラの形
状に合わせ両側を内側に傾斜を有する台形状とし、中央
部を四辺形とした形状の架台５を軸３に突設するもので
あり、持ち上げ架台５の頂部の高さは、図３に示す様に
キャリアローラの設置高さｈａより持ち上げ架台５の高
さＨａの方が高くなる様に設置しなければならない。両
側の持ち上げ架台５頂部の角度αは、キャリアローラの
頂面の高さよりコンベアベルト６が上面であれば特に限
定されないが、コンベア６を持ち上げる際の荷重のかか
り方等を考慮すれば、キャリアローラの設置角度に等し
いか、或は近似させた方が好適である。７は持ち上げ架
台を持ち上げる際に使用する把手であり、８は台２に取
り付けられている持ち上げ架台５を所定の位置に固定し
ておく固定板である。この固定板８と把手７には、連通
孔９ａ、９ｂが穿設されており、この連通孔９ａ、９ｂ
にボルト等のピンを挿通して持ち上げ架台５をコンベア
ベルト６を持ち上げている位置に固定し、キャリアロー
ラの取り替え作業を容易に行える構造としたものであ
る。

【００１８】本キャリアローラの取り替え用治具は、図
１に示すように取り替えるキャリアローラの近辺に負荷
の掛らない状態でセットするもので、まず主フレーム１
上に台２を載置し作業時に移動しないよう主フレーム１
に固定する。次に持ち上げ架台５を設置している軸３を
台２の突起４と突起４からなる凹部にセットし、把手７
を用いて持ち上げ架台５を起し、コンベアベル６を持ち
上げ、台２に取り付けている固定板８と把手７の設けて
ある固定用９ａ、９ｂの孔にボルト等の止ピンを挿通
し、持ち上げ架台５を所定の位置に固定する。持ち上げ
架台５は前記の通りキャリアローラの設置高さより高く
なっているため、キャリアローラには負荷がかかってい
ない状態となり、容易且つ安全にキャリアローラの取り
替えを行うことができる。取り替えが終了すれば、持ち
上げ架台５を固定しているピンを取り外し、把手７を介
して持ち上げ架台５を負荷のかからない状態に戻して、
取り替え用治具を主フレーム１より取り外し、ベルトコ
ンベアの運転を再開する。

【００１９】図３には本発明のキャリアローラの取り替
え用治具の持ち上げ架台とキャリアローラの位置関係を
明確にするため、持ち上げ架台関係を実線で、ローラ関
係を点線で図示している。

【００２０】図４には、持ち上げ架台４とコンベアベル
トとの摩擦抵抗を少なくするため持ち上げ架台の頂部に
ポータブルコンベアのキャリアローラを取り付けた際の
断面段であり、コンベアローラを持ち上げる際ローラが
回転するので、コンベアベルトと持ち持ち上げ架台との
摩擦による抵抗が少なく好適である。

【００２１】図６はリターンローラを持ち上げる際の持
ち上げ用治具の正面図である。図によれば、２１はベル
トコンベアの主フレーム１に載置し、軸２２を回動自在
に軸支する台、２３は軸２２に取り付けられ下方に垂れ
下がっているチェン、２５はコンベアベルトを横断する
棒状体であり、この棒状体２４の両端部にはチェンヲ引
っ掛ける孔又は部材を備えている。軸２２のどちらか一
方の端部に軸を回動させる把手２６を取り付け、この把
手２６を所定位置に固定するための固定板２７を台２１
に取り付け、把手２６と固定板２７とを連通する孔２８
ａ、２８ｂを設け、この孔２８ａ、２８ｂにボルト等の
ピンを挿通することにより、コンベアベルト６を所定位
置に固定しておくものである。

【００２２】リターンローラの取り替え作業は、キャリ
アローラの場合と同様に取り替えるリターンローラの近
傍に台２１を主フレーム１上に載置し、台２１が移動し
ないように主フレーム１に固定する。チェン２３を取り
付けた軸２２を台２１の突起２４と突起２４とからなる
凹部にセットし、コンベアベルト６を持ち上げるパイプ
２５をコンベアベルト６の下面を横断させ、両端部をチ
ェン２３に係止させる。然る後把手２６を回動させるこ
とにより軸２２に取り付けているチェン２３を巻き取り
パイプ２５を介してコンベアベルト６を持ち上げ、台２
１に取り付けている固定板２７と把手２６との間に設け
ている固定用の孔２８ａ、２８ｂにボルト等のピンを挿
通し、コンベアベルト６を持ち上げた状態に固定し、リ
ターンローラの取り替え作業を行うものである。

【００２３】この取り替え用治具を用いることにより、
取り替え作業中人力によりコンベアベルトを持ち上げて
おく必要がなく、機械的に固定されているため安全であ
り、コンベアベルトとローラとの間隙が十分確保できる
ため迅速且つ容易に取り替え作業が行うことができるば
かりでなく、次のように少人数で容易に行うことができ
た。

【００２４】

【００２５】

【発明の効果】本発明のベルトコンベアのリターンロー
ラとキャリアローラの取り替え用治具を使用することに
より、取り替え作業中人力によりコンベアベルトを持ち
上げておく必要がなく、機械的に固定されているため安
全であり、コンベアベルトとローラとの間隙が十分確保
できるため迅速且つ容易に取り替え作業が行うことがで
きるばかりでなく、少人数で容易に行うことが可能とな
り、取り替え作業自体も容易になったため頻繁に実施可
能となり、ベルトコンベアの保守点検が容易となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のキャリアローラ取り替え用治具をベル
トコンベアの主フレームに設置した際の側面図。

【図２】本発明のキャリアローラ取り替え用治具の正面
（横断面）図

【図３】本発明のキャリアローラ取り替え用治具とキャ
リアローラとの関係を示す正面（横断面）図

【図４】本発明第２のキャリアローラ取り替え用治具の
正面（横断面）図

【図５】本発明のリターンローラ取り替え用治具の側面
図

【図６】本発明のリターンローラ取り替え用治具の正面
図

【符号の説明】

１．ベルトコンベアの主フレーム ６．コンベアベル
ト ２．受台 ７．把手 ３．軸 ８．固定板 ４．受台に設けた突起 ９．把手と固定板
とに設けた固定用孔 ５．持ち上げ架台 ２１．受台 ２５．棒状体（パ
イプ） ２２．軸 ２６．把手 ２３．チェン ２７．固定板 ２４．突起 ２８．固定用孔

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 並列に配列された主フレーム上に設置さ
   れている駆動側プーリーと反駆動側プーリーとの間にエ
   ンドレス状のコンベアベルトを張設し、該主フレームに
   所定間隔で立設されているキャリヤローラと、該主フレ
   ームに所定間隔で吊設されているリターンローラとより
   なるベルトコンベアにおいて、ベルトコンベアの両側の
   主フレーム上に載置する凹部を設けた受台と、該両側の
   主フレームに載置されている該受台の凹部に回動自在に
   かけ渡される軸と、該軸の同一軸線上に突設され、該コ
   ンベアベルトを該キャリアローラより上面に持ち上げる
   持ち上げ架台と、該軸の両端部の少なくともどちらか一
   方に連結した把手とより構成されることを特徴とするベ
   ルトコンベアのキャリアローラ取り替え用治具。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のベルトコンベアのロー
   ラ取り替え用治具において、該持ち上げ架台の頂面の設
   置角度が、該各々のキャリアローラの設置角度に近似さ
   せたことを特徴とする請求項１項記載のベルトコンベア
   のキャリアローラ取り替え用治具。
3. 【請求項３】 請求項１項及び請求項２項記載のベルト
   コンベアのローラ取り替え用治具において、該持ち上げ
   架台の頂面の断面形状が円形であることを特徴とする請
   求項１項及び請求項２項記載のベルトコンベアのキャリ
   アローラ取り替え用治具。
4. 【請求項４】 請求項１項及び請求項２項記載のベルト
   コンベアのローラ取り替え用治具において、該持ち上げ
   架台の頂面部に少なくとも１個以上の回動自在なローラ
   を配設しことを特徴とする請求項１項及び請求項２項記
   載のベルトコンベアのキャリアローラ取り替え用治具。
5. 【請求項５】 並列に配列された主フレーム上に設置さ
   れている駆動側プーリーと反駆動側プーリーとの間にエ
   ンドレス状のコンベアベルトを張設し、該主フレームに
   所定間隔で立設されているキャリヤローラと、該主フレ
   ームに所定間隔で吊設されているリターンローラとより
   なるベルトコンベアにおいて、ベルトコンベアの両側の
   主フレーム上に載置する凹部を設けた受台と、該両側の
   主フレーム上に載置されている該受台の凹部に回動自在
   にかけ渡す軸と、該軸に巻き取り自在に並列に吊着され
   ているワイヤ又はチェンと、該ワイヤ又はチェンの先端
   部に係止される棒状体と、該軸の両端部の少なくともど
   ちらか一方に連接した把手とを備えたことを特徴とする
   ベルトコンベアのリターンローラ取り替え用治具。