JPH08501209A - 生存微生物を含有するベークト製品およびその製造方法 - Google Patents

生存微生物を含有するベークト製品およびその製造方法

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JPH08501209A
JPH08501209A JP6501964A JP50196493A JPH08501209A JP H08501209 A JPH08501209 A JP H08501209A JP 6501964 A JP6501964 A JP 6501964A JP 50196493 A JP50196493 A JP 50196493A JP H08501209 A JPH08501209 A JP H08501209A
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ラスムセン、ベント
トルストイ、アレックス
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フェレスフォアニンゲン・フォア・ダンマークス・ブルースフォアニンガー(エフ・デー・ベー)
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
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Abstract

(57)【要約】 1g当たり103〜2×1010の範囲の生存微生物含量を有する栄養学的に改良されたベーカリ製品およびそのようなベーカリ製品の製造法。改良されるベーカリ製品にはライ麦パン、小麦粉含有のパン製品またはケーキ、マッフィンおよびスコーンが含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 生存微生物を含有するベークト製品およびその製造方法 発明の分野 本発明は栄養的に望ましい生存微生物を含有するベークト製品、およびそのよ うな製品の製造方法を提供する。 技術背景 通常条件下においては、ヒトを含む動物の胃腸管は固有微生物の多数異種固体群 によりコロニーが形成されている。この自然に生じる腸菌叢は、この菌叢の生態 上の効果によりホスト生物を健康な状態に維持する重要な役割を演じている。第 1に、健全な菌叢は胃腸管を通る病原性有機体のコロニー形成に対するバリアを 構成し、それにより細菌性病気に対して自然に保護している。第2に、固有の菌 叢は、生物の自然な消化酵素によってもたらされる栄養素の消化を補う無数の酵 素や他の代謝物質を製造している。 しかしながら、ある条件下においては、これらの自然に生じる腸菌叢の数が減 少したり、それらの種の間の有益なバランスがホスト有機体に都合が悪くなる場 合がある。このような状態の具体例がストレス状態、抗菌医薬治療または不適切 なダイエットである。このような状態になると病気によりかかり易くなったり、 下痢、便秘等の消化器官の機能障害に陥る。 このような好都合でない条件下では、このような障害で苦しんでいる個々の人 に、生き長らえまたは胃腸管にコロニーを形成できる多くの有益な微生物を与え ることにより自然の細菌菌叢の障害を正すことが有益であろう。このような目的 をもって最近投与される微生物の具体例は乳酸バクテリアおよびイースト培養菌 である。 有益な微生物の投与は、認知できる胃腸菌叢障害を有する人に有利と考えられ るだけではない。そのような認知できる障害のない人でもその投与は、上記した 固有の菌叢の機能がその投与により高められるため、有益であると考えられる。 栄養的に効果のある細菌の培養菌の投与は発酵乳製品または肉製品や発酵野菜 製品を含む他の食物製品等の消化により日常の食物を通して行ってもよい。しか しながら培養菌は微生物の濃縮物の形態、例えば、有益な微生物の1種以上を含 有する、粉末、顆粒、錠剤またはカプセル等の適切に配合された製剤で投与して もよい。一般にこのような濃縮調剤の形態は比較的高価であり、それゆえそれら の配給はなお制限されている。 栄養的観点からは普通の日常の食物の一部として有益な微生物を投与すること は都合がよい。しかしながら人は上記の発酵食物製品をコンスタントに取り入れ ることを好まない。それゆえ大部分の消費者によりかなりの量が普遍的にしかも 規則正しく消費される食物製品にその有益な微生物を含ませることが望ましい。 かかる観点においてパンおよび他のベーカリー製品がこの要求にあう。 しかしながら、微生物が極めて耐熱性の種である場合または耐熱性形態をして いる場合を除いて、ベーカリー製品は通常微生物を殺してしまうベーキング温度 を受ける。本発明は、上記したような栄養的に望ましい有益な微生物を含有する ベークト製品を初めて提供するものである。 発明の要約 したがって、一観点においては本発明はベーカリ製品を製造する方法に関し、 その方法は(1)ベークト製品を製造し0ないし70℃の範囲の温度に冷却する 工程、(2)1mL当たり107ないし1012の生存有機体を含有する微生物の 懸濁液を製造する工程、(3)1kg当たり2ないし20mLの範囲にある微生 物懸濁液をベークト製品に注入し、1g当たり103ないし2×1010、より具 体的には1g当たり2×105ないし2×1010の範囲の生存微生物含量を有す るベークト製品を得る工程からなる。 本発明の興味ある具体例においては、 (1)微生物懸濁液をベークト製品に導く手段、 (2)注入されるべき懸濁液を収容する手段、 (3)懸濁液を導く手段と収容器を連結する手段、 (4)収容する手段から導入手段へ懸濁液を空気作用的に輸送させ、懸濁液をベ ークト製品に導く手段を空気作用的に導く手段、 (5)注入されるべき容積を調整する手段、 (6)注入されるべきベークト製品を、懸濁液をその中へ導ける位置に維持する 手段、 からなる微生物の懸濁液を注入ための装置手段により微生物の懸濁液をベークト 製品中に注入する方法が提供される。 もう一つの見地においては、本発明は1g当たり103ないし2×1010の範 囲の生存微生物含量を有するベークト製品に関係する。 発明の詳細な開示 ベーカリ製品のパン生地または練り粉は生存微生物を多数含有している。それ ゆえパンイーストは、ロールパンやバン等を含め、小麦粉をベースとする色々な タイプのパンのパン生地の製造中に添加される。これらのタイプのベーカリ製品 においては、パンイーストは発酵剤として添加され、発酵は新陳代謝的に活性な イースト細胞からガスが製造された結果である。ライ麦パンを含め、あるパン製 品の製造においては、乳酸バクテリアの培養菌等の生存バクテリア培養菌もまた パン生地に添加される。ここでの目的は有機酸や他の芳香族化合物の所望の風味 をパンに付与することである。 伝統的に、小麦粉がライ麦粉で部分的にまたは完全に置き換えられるパン製品 は、実質的な成分として、穀粉の水性懸濁液中で成長した乳酸バクテリアの1種 または数種の培養菌である、いわゆる「酵母(Ieaven)」からなるパン生地から 製造される。このような酵母中の乳酸バクテリア培養菌は穀粉の乳酸バクテリア の自然に生じる菌叢から発生する。または適当な商業的乳酸バクテリアスタータ ー培養菌を添加してもよい。パン生地に使用するための適当な乳酸バクテリア種 は、 砂糖を発酵させたとき圧倒的に乳酸を製造する同種発酵性の種および、砂糖を発 酵するとき乳酸に加え、酢酸や時にプロピオン酸を含む他の酸を製造する異種発 酵性の種を含むものである。 ライムギパン酵母が穀粉配合物の固有の乳酸バクテリアの増殖によるとき、通 常連続プロセスが用いられそれにより、より早く成長した酵母培養菌の実質量を 新しい酵母混合物の配合物として使用する。 しかしながら微生物がパン生地や練り粉の増殖中に添加されるベーカリー製品 のすべてのタイプにおいて、これらの有機体は熱不活性化の結果としてベーキン グステップ中に死ぬことが避けられない。したがって、新鮮なベークト製品は普 通生存微生物を含有しない。 上述したように、本発明は微生物の懸濁液をベークト製品に注入することによ りベークト製品中に取り入れられる非常に多くの栄養的に望ましい生存微生物を 含有するベーカリー製品の製造方法を提供する。 生きた微生物が導入されるベーカリー製品の環境中で有機体が生き残れること が本質であるので、製品は使用微生物の導入前に該微生物の生存能力に有害でな い温度まで冷却すべである。耐熱性、すなわち使用微生物の懸濁液の細胞が適当 な成長条件下でもはや成長することができない程度まで害を受けることが実質的 にない最も高い温度はかなり変化する。 一般に、上記で定義されているような損傷を与えない温度は0ないし70℃の 範囲である。したがってベークト製品はこの範囲内の温度まで冷却され、必要と される冷却は使用微生物に依存する。一般に製品は20ないし65℃、より具体 的には50ないし60℃の範囲内の温度に冷却される。これに関連して、温度勾 配がベークト製品の冷却中に生じることに注目することは重要である。細菌懸濁 液の所望の注入部位に依存して、その特定部位で上記で定義した適当な温度に達 するまで冷却を続ける。 本発明に従い、適当な微生物は上記したように所望の栄養的に有益な効果をベ ークト製品に与えるものであり、ベークト製品の消費時に生存有機体の栄養的に 効果的な量が存在する程度まで製品に注入した後、該微生物は生き続けることが できる。このような有用性のある微生物は真菌種、イースト種およびバクテリア 種から選択できる。 栄養的に有益な効果を得るための一つの明らかな必要条件は、ベークト製品中 に存在するとき胃腸管の前面部分、特に胃中および小腸の前面部分における酸性 条件に抵抗力のある微生物を選択することである。したがって特に興味のある微 生物は本来的に酸性条件に耐性のある微生物である。しかしながら胃腸管の酸性 条件に対して保護されている形態で提供されるのであれば酸性に耐性の低い有機 体を使用することも可能である。そのため微生物は適当な化合物、すなわち胃中 や小腸の前面部分におけるような酸性条件下で不溶性であるが、例えばpH5な いし10の範囲の環境下に存在すると溶解する適当な化合物でコートされてもよ いし、カプセル化してもよい。当該分野で知られている適当なコーティング法や カプセル化法であればいかなる方法も使用できる。 本発明によると、注入される微生物の懸濁液は同じ種に属する有機体を含むか 、微生物の種の混合物である微生物を含んでいてもよい。本発明の有利な具体例 においては、微生物が乳酸バクテリアの1または2以上の種に属する有機体であ る。普通の特性として微好気性または嫌気性条件下で乳酸バクテリアを製造する 能力を有する微生物のこのグループは、ラクトバシラス、ラクトコッカス、スト レプトコッカス、リューコノストックおよびペジオコッカスおよびビフィドバク テリウム等のグラム陽性の有機体を含むいくつかの属からなる。ラクトバシラス は代表的な例として以下の種:ラクトバシラス・アシドフィルス(acidophilus) 、ラクトバシラス・プランタルム(plantarum)、ラクトバシラス・カセイ(casei) 、ラクト ilgardii)を含むものである。代表的なビフィドバクテリウムの種はビフィドバ クテリウム・ビフィダム(bifidum)である。ストレプトコッカスの種の中では、 ストレプトコッカス・サーモフィルス(thermophilus)およびストレプトコッカス ・フェシウム(faecium)を本発明により使用してもよい。 乳酸バクテリアの上記グループに属するバクテリアに加え、ラクテートをプロ ピオネートに発酵できるグラム陽性の嫌気性プロピオニバクテリウムの種、例え ばプロピオニバクテリウム・シャーマニ(shermanii)等を、所望によりラクトバ シラス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ビフィダムまたはストレプト コッカス・フェシウム等の1以上の乳酸バクテリア種と組み合わせて使用しても よい。 いくつかの乳酸バクテリア種は乳製品、肉製品、野菜製品等の発酵食物製品の 製造の際および上記したようにパン製品の製造の際にスターター培養菌として普 通使用される。しばしばこのような乳酸バクテリアスターター培養菌は種の混合 物からなる。その一つの代表例はある発酵乳製品におけるラクトバシラス・アシ ドフィルスとビフィドバクテリウム・ビフィダムの混合物の使用である。 栄養的観点から、これらの種の混合培養菌は、ラクトバシラス・アシドフィル スが胃腸管の前面部分に生存状態を維持し、コロニーさえも形成するために特に 採用されていると考えられ、一方非常に嫌気性の有機体であるビフィドバクテリ ウム・ビフィダムが信越にもEhが低い腸の後部にコロニーを形成するので有利 である。胃腸管の異なる部分にコロニーを形成するように特別に採用された乳酸 バクテリア種の混合物を本発明のベークト製品等の食物製品中に提供することに より栄養的に有益な効果が胃腸管の主要部分を通して得られると考えられる。 したがって、本発明の一つの興味ある具体例においては、有用な微生物懸濁液 はラクトバシラスの種等の微好気性の乳酸バクテリアとビフィドバクテリウムの 種等の非常に嫌気性の乳酸バクテリア種との混合物からなる。しかしながらある 条件下では1の種のみを使用することが望ましい。 上記したように、有用な微生物はこれに関連してイースト有機体を含む。これ の代表的な例はパンイーストの形態でのサッカロミセス・セレビシアエ(cerevis iae)とその同種およびキリベロミセス(Klyveromyces)・ラクチス(lactis)である 。本発明によるとベーカリー製品に注入される微生物の培養菌はバクテリアとイ ースト有機体の混合物からなっていてもよい。 本発明によると微生物は自然環境から分離されたような野生型の菌株であって もよい。しかしながら突然変異や遺伝子組み換えにより改良選択された細菌株を 使用することは有利である。 衛生的な観点からは注入される微生物の懸濁液は生物学的に純粋であること、 すなわち望ましい微生物のみを含有し、有機体を汚染するような性質の異なる微 生物は全くあるいはほんの少しのみ含有するすることが重要である。ベーカリー 製品においては望ましくない真菌類での汚染は、これらの有機体が低いa等ベ ーカリー製品において普及している条件下において増殖できうるので特に重大で ある。したがって本明細書に使用されている「微生物の懸濁液」という用語は所 望の微生物の実質的に純粋な懸濁液を意味する。 注入される微生物の懸濁液は適当には1mL当たり107ないし1012の生存 有機体を含有する。ある好ましい具体例においては微生物の含量は1mL当たり 109ないし1011の範囲にある。都合よくは、微生物の懸濁液は1g当たり1 08ないし1013の有機体を含有する有機体の濃縮物から製造される。このよう な濃縮物は新たに成長した細菌細胞のスラリーまたはペーストの形態であっても よい。しかしながら産業的な製造においては、所望により1種以上の耐冷却性物 質を含有する微生物の凍結濃縮物または凍結乾燥濃縮物から懸濁液を製造するこ とがより便利である。 微生物の懸濁液は例えば、少なくとも1種の細菌栄養素と少なくとも1種の塩 を含む水性媒体の5ないし20部に微生物の濃縮物1部を懸濁させることにより 上記した有機体の濃縮物から製造してもよい。これとの関連において、水性媒体 は蒸留水、脱イオン水または生水から選択されるものであってもよい。目下定義 されているようなものにおけるような微生物の濃縮物においては有機体のある割 合は、「ストレス」または致死量にまで達しない傷害の状態にあってもよく、そ こでは生存能力は、ある栄養素のその環境中における存在に依存するということ はよく知られている。 したがって本発明におけるこのような致死量にまで達しない程度に傷害を受け た微生物の使用は、それらにより合成あるいは利用できない1種以上の栄養素の 水性懸濁媒体への添加を必要とするかもしれない。これとの関連において、適当 な栄養素は特定の微生物のための培養媒体中で通常使用されているいかなる栄養 素であってもよく、また懸濁媒体は例えば、要求される栄養素を含有しており、 従来から使用されているダイズタンパクトリプシン分解物培地等の商業的液体培 養媒体であってもよい。一般的にこのような栄養素は色々なビタミン、ペプチド およびアミノ酸;例えば単糖類、二糖類または多糖類から選択される炭素源;お よびビタミンあるいはビタミンの混合物を欠如しているイースト抽出物に基づい て選択してもよい。さらに懸濁媒体は塩または塩の混合物を適当に含有してもよ い。その塩はNaC1のようなアルカリ金属塩またはリン酸塩およびリン酸塩を 含むアルカリ土類金属塩、塩化物または炭酸塩から選択できる。 懸濁媒体は好ましくは無菌配合物のみを使用することによりあるいは調製され た媒体を処理し汚染微生物を殺すか除去することにより提供される無菌媒体であ る。このような処理としては、ある温度でそして無菌のまたは実質的に無菌の媒 体となる時間にわたっての加熱すること、そして微生物が媒体から分離される条 件下で濾過することが挙げられる。 微生物の懸濁液の製造に続いて、その懸濁液を周囲温度の0ないし40℃の範 囲の温度で15ないし120分、長くても6時間までの間放置してもよい。 一般にベークト製品中に注入される微生物の懸濁液の容積は製品1kg当たり 1ないし50mLの範囲、好ましくは2ないし20mLの範囲である。適切な容 積はベーカリー製品のタイプに依存する。注入される容積は、消費者に認識され 得る望ましくない濡れや「粘着」スポットを製品に与えず製品に吸収されうる容 積を越えないということが欠くことができないことである。そして後述するよう に多種の針の手段等によって多注入により分散させるという条件では製品1kg 当たり3ないし15mLをライ麦パンの一塊の製品へ導入することが適当である ことがわかった。特にライ麦パンの場合、注入されるパンのかけらに適当に吸収 される容積は1kg当たり10mL程度の5ないし12mLの範囲であることが わかった。 上記の容積範囲は0.2ないし2kgの範囲の重量を有するベーカリー製品の 破片に適合する。注入されるべきベーカリー製品がより小さい破片、例えば0. 02ないし0.2kg重量を有するバンやロールパン等であるとき、容積は0. 1ないし2mL、より狭くは0.25ないし1mLの範囲が都合がよいかもしれ ない。 本発明によると、微生物の懸濁液を注入し吸収することのできる小片構造およ び硬度を有するのであればいかなるベーカリー製品にもこのような懸濁液の注入 を行ってもよい。興味あるベーカリー製品はライ麦製品、イースト発酵ベーカリ ー製品および化学的に発酵されたベーカリー製品を包含するものである。イース ト発酵ベーカリー製品は、小麦粉を含有するパン塊、バンまたはロールパンの形 態にある小麦粉をベースとするパン製品、およびペーストリー製品を包含するも のである。化学的に発酵したベーカリー製品の中では、代表的な例はスポンジケ ーキ、パウンドケーキ、スコーンおよびマフィンである。 生存微生物を含有するベーカリー製品は小売店での陳列のために、例えば密閉 性のポリマーホイル材料中にパッケージしてもよく、所望であれば真空パッケー ジしてもよい。ベーカリー製品がスライスで消費されるものであるとき、パッケ ージされた製品はスライスとして提供されもよい。 本発明の一つの好ましい具体例においては、微生物の懸濁液は、5ないし10 0cmの範囲にある長さおよび一般的には0.5ないし3.0mm、より狭くは 約2mmの範囲にある直径を有する多種多数の針を通してベークされ冷却された 製品に注入され、その針は細菌懸濁液を含有する1以上の貯蔵器に連結されてい る。針の適当な長さは注入される製品の寸法に依存する。有用な具体例において は、針の長さは10ないし40cmである。 注射針の導入中に微生物懸濁液のベーカリ製品への注入は起こってもよいし、 注射針の後退中にそれは起こっても良い。しかし、最も好都合にも、注射針の内 部空間がその懸濁液で再び後退中に一杯になるように、注入は導入中に起こって もよい。注入されるべきベーカリ製品に関して、注射針の方向は、例えば製品の 外寸に依存して変わってよい。例えばライ麦パン塊または小麦粉パン塊に、都合 よく縦に注入してよい。微生物懸濁液の注入は、注射針を提供する注射器または 多様な注射器によるように手で行われているが、好ましくは注入は、(1)微生 物懸濁液をベークト製品に導く手段、(2)注入されるべき懸濁液を収容する手 段、(3)懸濁液を導く手段と収容器を連結する手段、(4)収容する手段から 導入手段へ懸濁液を空気作用的に輸送させ、懸濁液をベークト製品に導く手段を 空気作用的に導く手段、(5)注入されるべき容積を調整する手段、(6)注入 されるべきベークト製品を、懸濁液をその中へ導ける位置に維持する手段からな る装置の手段により行われる。 好都合にも、微生物の懸濁液をベークト製品に導く手段は、上で定義された寸 法を有する多様な注射針からなる。注射針の適した数字は、注入されるべきベー クト製品の寸法に依存し、注射針の適した数字は一般に、例えば3〜10等の2 〜20の範囲である。ある有用な具体例では、注射針は等距離に置かれる。微生 物の懸濁液からなる適した手段は金属、ガラスおよびタンク、ボトルまたはジャ ー等のプラスチック容器を含有する。2またはそれ以上の様々な懸濁液を分けて 注入することが好ましい場合、その手段は、それぞれの微生物培養物の同時の注 入を許す様々な注射針と連結した多様な容器を包含する。有利な具体例では、空 気作用的に微生物の懸濁液を輸送させる手段は、ベークト製品へ導く間に懸濁液 の導入手段を活性化する。 上で言及されるように、微生物の懸濁液は、注射針の導入中にベークト製品に 有利に注入されてよい。従って、手段の後退中、その懸濁液を導く手段が懸濁液 で一杯にするかまたは再び一杯にするためにその装置を建設してよい。 本発明に従い、ベーカリ製品の一片に注入されるべき総体積を調整する手段は 、体積範囲が2〜20mL、好ましくは例えば約10mLを含む5〜12mLの 範囲等の3〜15mLの体積を調節できるように組み立てられてよい。これらの 体積範囲は、0.2〜2kgの重量範囲の重量を有するベーカリ製品の一片に適 す るかもしれない。重量範囲が0.02〜0.2kgの重量を有するバンまたはロ ールパンのように、注入されるべきベーカリ製品がより小さな一片である場合、 その体積は0.25〜1mLのように0.1〜2mLの範囲であることが便利で ある。 上で言及されるように、さらに先の見地において、本発明は上で定義される生 存可能で栄養学的に有益な微生物を含有し、ここで述べられるような方法で調製 されるベークト製品を提供する。その微生物含量は、1g当たり103〜2×1 010の範囲である。好ましい具体例では、微生物含量は適当に1g当たり2×1 04〜2×109の範囲にある内容物を含めて1g当たり2×105〜2×1010 の範囲であってよい。 生存微生物の好ましい含量は、選択された微生物のタイプに依存するが、特に ベーカリ製品を一般的に供給する場合、好ましくは栄養学的に効果的な微生物の 量が提供される水準であるべきである。1つの実施例として、一般的にパン10 0gは食事に出されるかもしれない。注入されて生存微生物の1回の食事当たり の栄養学的に有益な量は約1×108であると仮定すると、出されるパンは1g 当たり少なくとも106の生存微生物を含有するべきである。従って、微生物の 注入される量は調整されなければならず、その結果、製造と消費との間の時間に おけるいかなる点でも、生存微生物の量が好ましい最小の量となる。 本発明に従い用いられてよい大抵の微生物は、上で定義された期間内では繁殖 しないであろうが、徐々に減少するかもしれない。従って、生存微生物の初めの 量、すなわち注入した後すぐにベークト製品中に存在する量を消費時間における 好ましい有益な量より高い水準で選択し、貯蔵中における生存可能なものの減少 のため補っておかなければならない。一般的に、生存微生物の好ましい初めの量 は、賞味期間のできる限りの遅い時において栄養学的に効果的な量を提供するこ とが必要とされる量の5〜100倍多くてよい。このように1つの実施例として 、ライ麦パン塊は初めに1g当たり5×108〜109の生存微生物含量を有して よい。 上で言及されたように、問題のベークト製品中の生存微生物の数は、成長する のに最適な条件下で、成長できるそれらの数として定義される。数を数える適切 な方法は、特に微生物のタイプに依存する。一般的に、そのような方法は、微生 物に適した成長媒体を用いたり、適した雰囲気および温度条件下でその製品の適 度に希釈したサンプルを接種し、その媒体を培養したり、ユニット形成コロニー の数を数えたりする従来のプレート・カウント法(plate count m ethods)であってもよい。 以下の実施例でさらに本発明を説明する: 実施例1ラクトバシラス・アシドフィルスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムを用 いたライ麦パン 1.ライ麦パンのための「酵母混合物(leaven mixture)」原料 の調製 初めに、脱イオン水200mLに懸濁するラクトバシラス・アシドフィルスの 商業的な培養物10gを、粗いライ麦粉2kgおよび水2Lの混合物に接種し、 その混合物を38℃で約8時間培養し、その後ライ麦粉および水を添加し、続い て38℃で培養することにより「母酵母(mother leaven)」を調 製する。その酵母をパン製造で用いる準備をした後で、2日目および3日目はこ の操作を繰り返す。 2.ライ麦パンひと塊の製造 以下の配合によりパン生地(a dough)を調製した。 アマニ 4.0kg アマニを飽和させるための水 8.0kg ダイズの殻 4.0kg 粗いライ麦粉 28.0kg 液体酵母混合物 20.0kg シロップ(Syrup) 0.6kg 塩 0.6kg パン小片 1.6kg リゾファリン(RisofarinTM 1)) 0.6kg 水 22.0kg ベーカー・イースト 0.6kg 1)変性とうもろこし、米および小麦澱粉からなる混合物 ダイズ殻を除く成分を混練装置で約15分間混練することによりパン生地に混 合し、約28〜30℃の温度で約15分間放置した。 次の段階では、ひと塊の形状を形成するようにパン生地を1100g単位に分 け、ダイズ殻で覆い、パン焼き用容器に移した。そしてその塊を、初期温度27 0℃でベーキング工程中スチームが通じるオーブンに移す前に、膨れ上がるよう に約50分間放置した。パンを焼く時間は、その温度が約170℃まで徐々に低 下する間の約75分間であった。 パン焼き段階の後は、その塊を、1時間当たり10,000〜16,000m3 の割合で温度5〜7℃の空気が循環する冷却塔に持って行った。約45分間冷 却させた後のパンの小片の温度は約66℃であった。 3.ラクトバシラス・アシドフィルスおよびビフィドバクテリウム・アシドフィ ルスの混合物の懸濁液の注入 生存生物約5×1011からなるラクトバシラス・アシドフィルスの冷凍培養物 (Nu−trishTM、Chr.ハンセンのラボラトリウム・ダンマーク(Ha nsen′s Laboratorium Danmark)A/SNへルスホ ルム、デンマーク)1gおよび生存生物約8.3×1011からなるビフィドバク テリウム・ビフィダム(Nu−trishTM、 Chr. ハンセンのラボラト リウム・ダンマーク(Hansen′s Laboratorium Danm ark)A/S、へルスホルム、デンマーク)1gを、無菌イースト抽出物1重 量%、無菌NaC10.9重量%および無菌蒸留水98.1重量%からなる懸濁 培養基に懸濁させることにより、微生物の懸濁液を調製した。 その結果生じた懸濁液を、長さ約40cm、直径約3mmの多様な注射針によ り焼いて冷ましたパンの塊に、1kg当たり約10ml注入する前に、温度約3 7℃で完全に6時間まで放置した。 4.ライ麦パンを20〜25℃で貯蔵した後の生き残ったバクテリアの数 貯蔵中2日毎に、生存ラクトバシラス・アシドフィルスおよびビフィドバクテ リウム・ビフィダムの数を追及した。1切れのパンを水性媒体中で均質化し、そ れの一連の希釈物をMRS媒体(オキソイド(Oxoid) CM561)上に 薄く覆い、そのプレートを37℃で約3日間無気条件下で培養した。その後、サ ンプルの1g当たりのユニット形成コロニー(CFU)の数を数えた。2つのラ クチック・アシッド・バクテリア(lactic acid bacteria )の最初の数は1g当たり約109であった。続く2日間でその数は1〜2ログ 単位(log units)だけ減少し、続く8日間は1g当たり約107で安 定を維持した。 5.注入されたライ麦パンひと塊の品質評価 注入されたパンひと塊をパンの小片の構造、感覚的特性(sensoric characteristics)およびパンの小片の稠度に関して評価した。 パンの小片の構造は見事な規則的な細孔構造であることが示された。パンには、 ライ麦パンの豊かな香りとライ麦およびアマニの濃く豊かな味があった。塩およ び酵母は全体に渡る好ましい味に貢献したが、これらの成分はその味を支配しな かった。 柔らかく適度に「湿っている」と稠度を評価し、パンを切った場合そのパンは ナイフにくっつかなかった。この好ましい稠度は10日間十分に維持された。そ のパンにはまた、噛むと好ましい「抵抗力」があった。 注入されたひと塊のパンには、高品質のライ麦パンにとって典型的な感覚的お よび稠度特性があることを断定した。 実施例2ラクトバシラス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ストレ プトコッカス・フェシウムおよびプロピオニバクテリウム・シャーマニの混合物 を含有するイースト発酵レッツェル(retzel)ベ−カリ製品(「クリング ル(kringle)」) レッツェル製品は以下の成分からなるパン生地より製造された:小麦粉、植物 性および動物性脂肪、脱脂乳、卵、ベーカー・イースト、砂糖、塩および小麦澱 粉。以下の食品添加物を添加した:変性澱粉、乳化剤(E322、E471、E 475、E472e)、アスコルビン酸、炭酸ナトリウム、くえん酸および風味 剤。 その製品は以下からなる充填物を含有した:動物性および植物性脂肪、砂糖、 ムスコバド(muscovado)、ライジンズ(raisins)、アプリコ ット・カーネル(apricot kernels)、ダイズ粉、酸性化脱脂乳 、澱粉、水、塩、卵白および浮清粉。 ラクトバシラス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、スト レプトコッカス・フェシウムおよびプロピオニバクテリウム・シャーマニからな る別個の懸濁液0.25mLを、焼いて冷ました製品900gにそれぞれ注入し た。 バクテリア培養のための懸濁媒体はダイズタンパクトリプシン分解物培地(T ryptone Soy Broth)(TSB)(オキソイド CM129) であり、それぞれのバクテリア懸濁液は懸濁媒体10mLにバクテリア培養物1 gを含有した。用いられるラクトバシラス・アシドフィルス培養物は、1g当た り少なくとも6×1010のユニット形成コロニー(CFUs)を含有する商用冷 凍DVS(ディレクト・バット・セット(direct vat set))培 養物LアシドフィルスLa−5(Chr. ハンセンのラボラトリウム・ダンマ ークA/SNへルスホルム、デンマーク)であった。ビフィドバクテリウム・ビ フィダム培養物は1g当たり少なくとも1011のCFUsを含有する冷凍DVS 培養物ビフィドバクテリウムBb−12(Chr. ハンセンのラボラトリウム ・ダンマークA/S、へルスホルム、デンマーク)であった。懸濁液を調製する の に用いられるストレプトコッカス・フェシウム培養物は1g当たり5×108の CFUsを含有する冷凍乾燥したDRI−VAC培養物ストレプトコッカス・フ ェシウムCH−1(Chr. ハンセンのラボラトリウム・ダンマークA/S、 ヘルスホルム、デンマーク)であり、用いられるプロピオニバクテリウム・シャ ーマニ培養物は1g当たり3×109含有する冷凍DVSプロピオニック・アシ ッド・カルチャー(Propionic Acid Culture)PS−1 (Chr. ハンセンのラボラトリウム・ダンマークA/SNヘルスホルム、デ ンマーク)であった。 培養物の懸濁に続いて、その懸濁液を蘇生させるため37℃で1〜2時間放置 し、それぞれの懸濁液を0.25mLの量で注射器によりレッツェル製品に注入 し、生存バクテリアの数を数えるまでその製品を室温で維持した。 バクテリア懸濁液を注入後約24時間して、約1.5cmの厚さに切った1切 れの中で生存しているバクテリアの含量を以下の方法により決定した: 上記の生成物の1切れ約10gを約4分間ストマッカー(Stomacher) において食塩水中で均一化し、適当な一連の十倍の希釈液を作った。初めに、ラ クトバシラス・アシドフィルスおよびビフィドバクテリウム・ビフィダムの生存 数を実施例1で定義した方法により数えた。ストレプトコッカス・フェシウムの 生存数は、それを血液かんてん培地(血液かんてん培地ベース(base)、5 %子ウシ血液(calf blood)で補われるオキソイドCM55)上にプ レーティング(plating)することにより数え、その後37℃で24時間 好気培養させた。プロピオニバクテリウム・シャーマニ細胞の生存数を、先に定 義した血液かんてん培地にプレーティングすることにより数え、37℃で48時 間嫌気培養させた。 レッツェル生成物1g当たりの生存バクテリアの数は以下の通りであった。 (i)ラクトバシラス・アシドフィルス 4×107 (ii)ビフィドバクテリウム・ビフィダム 4×107 (iii)ストレプトコッカス・フェシウム 1×107 (iv)プロピオニバクテリウム・シャーマニ 3×107 実施例3ラクトバシラス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ストレ プトコッカス・フェシウムおよびプロピオニバクテリウム・シャーマニの混合物 を含有するスポンジケーキ(「サンドケージ(sandkage)」 総重量350gのスポンジケーキは以下の成分を含有した:マーガリン、水、 砂糖、小麦粉、澱粉、エッグ・パウダー(egg powder)および粉ミル ク。以下の食品添加物をそのねり粉に添加した:発酵剤(二リン酸塩、炭酸水素 ナトリウム)、乳化剤(E471、E322、E475)、アロマ。 実施例2で定義する懸濁液0.25mLを実施例2で定義したように注入し、 実施例2で定義した方法によりバクテリアの数(1g当たりのCFUs)を約2 4時間後決定した。その結果を以下に示す。 (i)ラクトバシラス・アシドフィルス 2 ×103 (ii)ビフィドバクテリウム・ビフィダム 1.2×105 (iii)ストレプトコッカス・フェシウム 1 ×107 (iv)プロピオニバクテリウム・シャーマニ 2 ×103 実施例4ラクトバシラス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ストレ プトコッカス・フェシウムおよびプロピオニバクテリウム・シャーマニの混合物 を含有する白パン(「フランスクブレッド(franskbrod)」) そのパンを以下の成分からなるパン生地より調製した:小麦粉、水、ベーカー ・イースト、動物性および植物性脂肪、カゼイネート(caseinate)、 塩、砂糖およびグルコース;そして以下の食品添加物:乳化剤(E482、E4 75、E471、E322)、アスコルビン酸。焼いてそして温度が70℃より 低くなるまで冷ました後、実施例2で定義されるバクテリア懸濁液0.25mL を重量300gのひと塊のパンに注入し、生存数を実施例2で定義される方法に より約24時間後決定した。数えた結果を下に示す。 (i)ラクトバシラス・アシドフィルス 4.3×105 (ii)ビフィドバクテリウム・ビフィダム 4 ×107 (iii)ストレプトコッカス・フェシウム 1 ×107 (iv)プロピオニバクテリウム・シャーマニ 3 ×107 実施例5ラクトバシラス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ストレ プトコッカス・フェシウムおよびプロピオニバクテリウム・シャーマニの混合物 を含有する全麦白パン(「4−コーンスブレッド(4−kornsbrod)」 そのパンを、小麦粉、水、粗く粉砕したライ麦粒、全麦の小麦粉、ベ−カー・ イースト、アマニ、ごまの種、塩、砂糖;そして以下の食品添加物成分:乳化剤 (E472e)およびアスコルビン酸からなるパン生地より調製した。そのパン 生地を重量がそれぞれ520gの塊に形成した。 焼いてそして温度が70℃より低くなるまで冷ました後、実施例2で定義され るバクテリア懸濁液0.25mLをそのひと塊のパンに注入し、生存数を実施例 2で定義される方法により約24時間後決定した。数えた結果を下に示す: (i)ラクトバシラス・アシドフィルス 2.4×106 (ii)ビフィドバクテリウム・ビフィダム 5 ×107 (iii)ストレプトコッカス・フェシウム 1 ×107 (iv)プロピオニバクテリウム・シャーマニ 3 ×107 実施例6ラクトバシラス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ビフィダムおよびプ ロピオニバクテリウム・シャーマニの混合物を含有するロールパン(「ランドス チッカー (rundstykker)」) そのロールパンを、小麦粉、水、ベ−カー・イースト、塩、砂糖および卵およ び食品添加物成分の混合物、化合物80(フェレスフォアニンゲン・フォア・ダ ンマークス・ブルースフォアニンガー、アルベアツルン、デンマーク)からなる パン生地より調製した。そのパン生地をそれぞれ約30gの重さのロールパンの 形に形成し、250〜240℃で約12分間焼いた。焼いてそして温度が70℃ より低くなるまで冷ました後、実施例2で定義されるバクテリア懸濁液0.25 mLをそれぞれのロールパンに注入し、約30gのロールパン全体を用いたこと と、ストマッカーの方法で均一化したこと以外は実施例2で定義される方法によ り、注入されたバクテリアの生存数を約24時間後決定した。数えた結果を下に 示す。 (i)ラクトバシラス・アシドフィルス 4.5×105 (ii)ビフィドバクテリウム・ビフィダム 7.4×107 (iii)プロピオニバクテリウム・シャーマニ 2 ×108 実施例7ラクトバシラス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ビフィダムおよびプ ロピオニバクテリウム・シャーマニの混合物を含有する全麦白パン(「クロブブ レッド(grovbrod)」) このパンを、小麦粉、水、全麦の小麦粉、小麦粒、全麦のライ麦粉、ベ−カー ・イースト、動物性および植物性脂肪、砂糖、塩および澱粉;そして以下の食品 添加物.乳化剤(E471、E472、E322)、リン酸塩(E341)およ びアスコルビン酸からなるパン生地より調製された。そのパン生地を重量450 gのひと塊に形成した。 その塊を焼いてそして温度が70℃より低くなるまで冷ました後、実施例2で 定義されるバクテリア懸濁液0.25mLをそのパンに注入し、注入されたバク テリアの生存数を実施例2で定義される方法により約24時間後決定し、再び約 72時間後決定した。数えた結果を下に示す。 24時間 72時間 (i)ラクトバシラス・アシドフィルス 4 ×106 3.8×106 (ii)ビフィドバクテリウム・ビフィダム 6.5×107 3.2×105 (iii)プロピオニバクテリウム 2.2×108 2 ×108 ・シャーマニ 実施例8生存イーストを含有する食物繊維の豊富なライ麦パン このパンを以下の成分からなるパン生地より調製した:酵母(水、ライ麦の全 麦粉、酵母培養物)、水、ライ麦の全麦粉、全粒ライ麦粒、ライ麦パンの乾燥し たパンくず、塩、乾燥した酵母(小麦粉、小麦ふすま、水、酵母培養物)、小麦 澱粉、イースト、麦芽抽出物、シロップ。そのパン生地を1600gの塊に形成 し、焼いて、温度が70℃より低くなるまで冷やした。 ベーカー・イースト(サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomy ces cerevisiae))の懸濁液を以下の方法で調製した:ベーカー ・ ブリカー(De Danske Spritfabrikker))1gを、T SB10mLに懸濁させ、その懸濁液を37℃で60分間保持し、1mL当たり のイーストのCFUが約1.8×109であることがわかる生存イースト細胞の 数(1g当たりのCFU)を決定するためサンプルを収集した。イースト懸濁液 を1mL用いる以外は、本質的には実施例2と同様にしてひと塊のパンに注入し 、約24時間室温で保持した。 その後、約1.5cmの厚さに一切れを切り、以下の方法により生存イースト の数を決定するために、注入した場所の周りでそのうちの10gを収集した:実 施例2と同様にして一連の希釈液を調製し、マルト・アガー(Malt aga r)(オキソイド CM591)上に薄く覆った適当な希釈液およびそのプレー トを25℃で3日間好気下で培養した。その後イーストコロニーの数を数えた。 検査すると一切れのライ麦パン中の生存イーストの数は、1g当たり1.4×1 08であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,CA,CZ, FI,HU,JP,KP,KR,LK,MG,MN,M W,NO,NZ,PL,RO,RU,SD,SK,UA ,US

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(1)ベークト製品を調製し、それを0ないし70℃の範囲の温度に冷却 する工程、 (2)1mL当たり107ないし1012の生存有機体を含有する、微生物の懸濁 液を調製する工程、 (3)製品1kg当たり2ないし20mLの範囲の微生物の懸濁液を一定容積ベ ークト製品に注入する工程からなり、 1g当たり103ないし2×1010の範囲の生存微生物含量を有するベークト製 品を得ることを特徴とする生存微生物を含有するベーカリー製品を製造する方法 。 2.微生物がイースト種およびバクテリア種から選択される請求項1の方法。 3.微生物がラクトバシラスの種、ビフィドバクテリウムの種、ラクトコッカ スの種、ストレプトコッカスの種、リューコノストックの種およびペジオコッカ スの種からなるグループから選択される乳酸バクテリアである請求項2の方法。 4.微生物が、2種以上の乳酸バクテリア種の混合物である乳酸バクテリアで ある請求項3の方法。 5.微生物がラクトバシラス・アシドフィルスとビフィドバクテリウム・ビフ ィダムの混合物である請求項4に記載の方法。 6.少なくとも1種の細菌栄養素および少なくとも1種の塩からなる水性媒体 の5ないし20部中に1g当たり108ないし1013細胞を含有する微生物の濃 縮物1部を懸濁させることにより微生物の懸濁液を調製する請求項1の方法。 7.微生物の懸濁液が1mL当たり109ないし1011の有機体を含有する請 求項1の方法。 8.ベークト製品中に注入される微生物の懸濁液の容積が製品の1kg当たり 3ないし15mLの範囲である請求項1の方法。 9.ベークト製品がライ麦製品、イースト発酵されたベーカリー製品および化 学的に発酵されたベーカリー製品から選択される請求項1の方法。 10.微生物の懸濁液が、5ないし100cmの範囲にある長さおよび0.5 ないし3mmの範囲にある直径を有する多種の針を通してベークされた製品に注 入され、その針が該懸濁液を含む貯蔵器に連結されている請求項1の方法。 11.微生物の懸濁液がベークト製品に縦に注入される請求項1の方法。 12.調製されるベークト製品が酵母を含有するパン生地から調製されたライ 麦パンである請求項1の方法。 13.(1)微生物懸濁液をベークト製品に導く手段、 (2)注入されるべき懸濁液を収容する手段、 (3)懸濁液を導く手段と収容器を連結する手段、 (4)収容手段から導入手段へ懸濁液を空気作用的に輸送させ、懸濁液をベーク ト製品に導く手段を空気作用的に導く手段、 (5)注入されるべき容積を調整する手段、 (6)注入されるべきベークト製品を、懸濁液をその中へ導ける位置に維持する 手段、 からなる装置手段により微生物の懸濁液を注入する方法。 14.ベークト製品中に懸濁液を導く手段が多種の針である請求項13の方法 。 15.ベークト製品中に懸濁液を導く手段が2ないし20の範囲の多数の針カ ラナル請求項14の方法。 16.針が5ないし100cmの範囲の長さを有する請求項14の方法。 17.針が0.5ないし3mmの範囲の直径を有する請求項14の方法。 18.針が約2mmの直径を有する請求項14の方法。 19.懸濁液を収容する手段に撹拌手段が備えられている請求項13の方法。 20.懸濁液を空気作用的に輸送する手段が、懸濁液をベークト製品に導く手 段を導入する間に作動される請求項13の方法。 21.注入される容積を調整する手段が3ないし15mLの範囲の容積に調整 するようにされている請求項13の方法。 22.生存微生物の含量が1g当たり103ないし2×1010の範囲にあるベ ークト製品。 23.微生物がイースト種およびバクテリア種から選択される請求項22のベ ークト製品。 24.微生物がラクトバシラスの種、ビフィドバクテリウムの種、ラクトコッ カスの種、ストレプトコッカスの種、リューコノストックの種およびペジオコッ カスの種からなるグループから選択される乳酸バクテリアである請求項23のベ ークト製品。 25.微生物が、2種以上の乳酸バクテリア種の混合物である乳酸バクテリア である請求項24のベークト製品。 26.微生物がラクトバシラス・アシドフィルスとビフィドバクテリウム・ビ フィダムの混合物である請求項25に記載のベークト製品。 27.微生物の懸濁液が少なくとも1種の細菌栄養素および少なくとも1種の 塩からなる水性媒体の5ないし20部中に1g当たり108ないし1013細胞を 含有する微生物の濃縮物1部からなる請求項22のベークト製品。 28.注入された微生物の懸濁液が1mL当たり109ないし1011の有機体 を含有する請求項22のベークト製品。 29.ベークト製品中に注入される微生物の懸濁液の容積が製品の1kg当た り3ないし15mLの範囲である請求項22のベークト製品。 30.酵母を含有するパン生地から造られたライ麦パン、イースト発酵ベーカ リー製品および化学的に発酵されたベーカリー製品から選択されるベークト製品 中へ微生物の懸濁液を注入することにより調製された製品である請求項22のベ ークト製品。 31.ライ麦粉を含有しない小麦粉含有パン塊製品、ロールパンおよびバンか ら選択されるイースト発酵ベークト製品である請求項30のベークト製品。 32.ケーキ、マフィンおよびスコーンから選択される化学的に発酵された製 品である請求項31のベークト製品。
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