JPH0841016A - チオノプロピオン酸誘導体及びその製造方法 - Google Patents
チオノプロピオン酸誘導体及びその製造方法Info
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- JPH0841016A JPH0841016A JP20424094A JP20424094A JPH0841016A JP H0841016 A JPH0841016 A JP H0841016A JP 20424094 A JP20424094 A JP 20424094A JP 20424094 A JP20424094 A JP 20424094A JP H0841016 A JPH0841016 A JP H0841016A
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- dihalogenothionopropionic
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 短い工程で効率よく目的物を得るため、除草
剤等の農薬等の基本骨格となる3位にメルカプト基を有
するチオフェン環を、一段階の反応で形成させることが
できる中間体を提供する。 【構成】 下記一般式(I)で表されるα,β−ジハロ
ゲノチオノプロピオン酸誘導体。 【化1】 式中、R1 は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又
は置換若しくは無置換のアリール基を表す。R2 は、炭
素数1〜4のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリ
ール基を表す。X1 、X2 は、同一又は異なって、臭素
原子又は塩素原子を表す。
剤等の農薬等の基本骨格となる3位にメルカプト基を有
するチオフェン環を、一段階の反応で形成させることが
できる中間体を提供する。 【構成】 下記一般式(I)で表されるα,β−ジハロ
ゲノチオノプロピオン酸誘導体。 【化1】 式中、R1 は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又
は置換若しくは無置換のアリール基を表す。R2 は、炭
素数1〜4のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリ
ール基を表す。X1 、X2 は、同一又は異なって、臭素
原子又は塩素原子を表す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下記一般式(I)で表
されるα,β−ジハロゲノチオノプロピオン酸誘導体及
びその製造方法に関する。本発明に係るα,β−ジハロ
ゲノチオノプロピオン酸誘導体は、除草剤等の農薬の中
間体等として有用である。
されるα,β−ジハロゲノチオノプロピオン酸誘導体及
びその製造方法に関する。本発明に係るα,β−ジハロ
ゲノチオノプロピオン酸誘導体は、除草剤等の農薬の中
間体等として有用である。
【0002】
【化3】
【0003】式中、R1 は、水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を表
す。R2 は、炭素数1〜4のアルキル基又は置換若しく
は無置換のアリール基を表す。X1 、X2 は、同一又は
異なって、臭素原子又は塩素原子を表す。
アルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を表
す。R2 は、炭素数1〜4のアルキル基又は置換若しく
は無置換のアリール基を表す。X1 、X2 は、同一又は
異なって、臭素原子又は塩素原子を表す。
【0004】
【従来の技術】除草剤等の農薬の中間体として有用なチ
オノプロピオン酸誘導体としては、例えば、下記式で表
されるβ−ハロゲノチオノプロピオン酸誘導体が知られ
ている。
オノプロピオン酸誘導体としては、例えば、下記式で表
されるβ−ハロゲノチオノプロピオン酸誘導体が知られ
ている。
【0005】
【化4】
【0006】式中、R1 、R2 は、上記と同じ。X
3 は、臭素原子又は塩素原子を表す。しかし、上記β−
ハロゲノチオノプロピオン酸誘導体を出発原料として農
薬等を合成する場合、その基本骨格となる3位にメルカ
プト基を有するチオフェン環を形成するには長い反応工
程を経る必要があった。
3 は、臭素原子又は塩素原子を表す。しかし、上記β−
ハロゲノチオノプロピオン酸誘導体を出発原料として農
薬等を合成する場合、その基本骨格となる3位にメルカ
プト基を有するチオフェン環を形成するには長い反応工
程を経る必要があった。
【0007】例えば、上記β−ハロゲノチオノプロピオ
ン酸誘導体とチオグリコール酸エステルとを、塩基の存
在下で反応させて、4,5−ジヒドロ−3−メルカプト
チオフェン−2−カルボン酸を得、これを酸化して3,
3′−ジチオビス(4,5−ジヒドロチオフェン−2−
カルボン酸)ジメチルとし、さらにこれを塩素化して脱
塩化水素することにより芳香族化する等の長い反応工程
が必要であり、工業化するには問題があった。なお、上
記3,3′−ジチオビス(4,5−ジヒドロチオフェン
−2−カルボン酸)ジメチルまでの合成方法について
は、特願平6−155304号明細書及び特願平5−3
225号明細書に記載されている。
ン酸誘導体とチオグリコール酸エステルとを、塩基の存
在下で反応させて、4,5−ジヒドロ−3−メルカプト
チオフェン−2−カルボン酸を得、これを酸化して3,
3′−ジチオビス(4,5−ジヒドロチオフェン−2−
カルボン酸)ジメチルとし、さらにこれを塩素化して脱
塩化水素することにより芳香族化する等の長い反応工程
が必要であり、工業化するには問題があった。なお、上
記3,3′−ジチオビス(4,5−ジヒドロチオフェン
−2−カルボン酸)ジメチルまでの合成方法について
は、特願平6−155304号明細書及び特願平5−3
225号明細書に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、短い工程で効率よく目的物を得るため、除草剤等の
農薬等の基本骨格となる上記チオフェン環を、一段階の
反応で形成させることができる中間体を提供することを
目的とするものである。
み、短い工程で効率よく目的物を得るため、除草剤等の
農薬等の基本骨格となる上記チオフェン環を、一段階の
反応で形成させることができる中間体を提供することを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、上記一
般式(I)で表されるα,β−ジハロゲノチオノプロピ
オン酸誘導体及びその製造方法にある。
般式(I)で表されるα,β−ジハロゲノチオノプロピ
オン酸誘導体及びその製造方法にある。
【0010】一般式(I)におけるR1 、R2 の炭素数
1〜4のアルキル基としては、直鎖又は分岐状のアルキ
ル基が挙げられ、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert
−ブチル等を挙げることができる。置換又は無置換のア
リール基としては、例えば、フェニル、トリル等を挙げ
ることができる。
1〜4のアルキル基としては、直鎖又は分岐状のアルキ
ル基が挙げられ、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert
−ブチル等を挙げることができる。置換又は無置換のア
リール基としては、例えば、フェニル、トリル等を挙げ
ることができる。
【0011】一般式(I)で表されるα,β−ジハロゲ
ノチオノプロピオン酸誘導体としては、例えば、α,β
−ジクロロチオノプロピオン酸メチル、α,β−ジクロ
ロチオノプロピオン酸エチル、α,β−ジクロロチオノ
プロピオン酸イソプロピル、α,β−ジクロロチオノプ
ロピオン酸n−ブチル、α,β−ジクロロチオノプロピ
オン酸イソブチル、α,β−ジクロロチオノプロピオン
酸フェニル、α,β−ジクロロチオノプロピオン酸トリ
ル、α,β−ジクロロ−β−フェニルチオノプロピオン
酸メチル、α,β−ジブロモチオノプロピオン酸メチ
ル、α,β−ジブロモチオノプロピオン酸エチル、α,
β−ジブロモチオノプロピオン酸イソプロピル、α,β
−ジブロモチオノプロピオン酸n−ブチル、α,β−ジ
ブロモチオノプロピオン酸イソブチル、α,β−ジブロ
モ−β−フェニルチオノプロピオン酸メチル、α,β−
ジブロモチオノプロピオン酸フェニル、α,β−ジブロ
モチオノプロピオン酸トリル等を挙げることができる。
ノチオノプロピオン酸誘導体としては、例えば、α,β
−ジクロロチオノプロピオン酸メチル、α,β−ジクロ
ロチオノプロピオン酸エチル、α,β−ジクロロチオノ
プロピオン酸イソプロピル、α,β−ジクロロチオノプ
ロピオン酸n−ブチル、α,β−ジクロロチオノプロピ
オン酸イソブチル、α,β−ジクロロチオノプロピオン
酸フェニル、α,β−ジクロロチオノプロピオン酸トリ
ル、α,β−ジクロロ−β−フェニルチオノプロピオン
酸メチル、α,β−ジブロモチオノプロピオン酸メチ
ル、α,β−ジブロモチオノプロピオン酸エチル、α,
β−ジブロモチオノプロピオン酸イソプロピル、α,β
−ジブロモチオノプロピオン酸n−ブチル、α,β−ジ
ブロモチオノプロピオン酸イソブチル、α,β−ジブロ
モ−β−フェニルチオノプロピオン酸メチル、α,β−
ジブロモチオノプロピオン酸フェニル、α,β−ジブロ
モチオノプロピオン酸トリル等を挙げることができる。
【0012】一般式(I)で表されるα,β−ジハロゲ
ノチオノプロピオン酸誘導体は、下記に示すように公知
の方法により合成した下記一般式(II)で表される
α,β−ジハロゲノプロピオンイミド酸エステルの塩
を、塩基の存在下、硫化水素と反応させることにより容
易に製造することができる。
ノチオノプロピオン酸誘導体は、下記に示すように公知
の方法により合成した下記一般式(II)で表される
α,β−ジハロゲノプロピオンイミド酸エステルの塩
を、塩基の存在下、硫化水素と反応させることにより容
易に製造することができる。
【0013】
【化5】
【0014】式中、R1 、R2 、X1 、X2 、Xは、上
記と同じ。一般式(II)で表されるα,β−ジハロゲ
ノプロピオンイミド酸エステルの塩としては、例えば、
α,β−ジクロロプロピオンイミド酸メチル塩酸塩、
α,β−ジクロロプロピオンイミド酸エチル塩酸塩、
α,β−ジクロロ−β−フェニルチオノプロピオンイミ
ド酸メチル塩酸塩、α,β−ジブロモプロピオンイミド
酸メチル塩酸塩、α,β−ジブロモプロピオンイミド酸
エチル塩酸塩、α,β−ジブロモ−β−フェニルチオノ
プロピオンイミド酸メチル塩酸塩等を挙げることができ
る。
記と同じ。一般式(II)で表されるα,β−ジハロゲ
ノプロピオンイミド酸エステルの塩としては、例えば、
α,β−ジクロロプロピオンイミド酸メチル塩酸塩、
α,β−ジクロロプロピオンイミド酸エチル塩酸塩、
α,β−ジクロロ−β−フェニルチオノプロピオンイミ
ド酸メチル塩酸塩、α,β−ジブロモプロピオンイミド
酸メチル塩酸塩、α,β−ジブロモプロピオンイミド酸
エチル塩酸塩、α,β−ジブロモ−β−フェニルチオノ
プロピオンイミド酸メチル塩酸塩等を挙げることができ
る。
【0015】一般式(II)で表されるα,β−ジハロ
ゲノプロピオンイミド酸エステルの塩の製造方法は特に
限定されないが、例えば、下記反応式に示すように、α
−ハロゲノ−α,β−不飽和ニトリルを出発原料とし、
これをアルコール類の存在下、ハロゲン化水素と反応さ
せること等により得ることができる。
ゲノプロピオンイミド酸エステルの塩の製造方法は特に
限定されないが、例えば、下記反応式に示すように、α
−ハロゲノ−α,β−不飽和ニトリルを出発原料とし、
これをアルコール類の存在下、ハロゲン化水素と反応さ
せること等により得ることができる。
【0016】
【化6】
【0017】式中、R1 、R2 、X1 、X2 、Xは、上
記と同じ。上記反応式の場合には、X2 とXとは同一と
なる。一般式(II)で表されるα,β−ジハロゲノプ
ロピオンイミド酸エステルの塩と硫化水素との反応は、
塩基の存在下、上記塩を中和してから行う。しかし、塩
基が液体の場合は、上記塩の中和反応と硫化水素との反
応を同時に行ってもよい。
記と同じ。上記反応式の場合には、X2 とXとは同一と
なる。一般式(II)で表されるα,β−ジハロゲノプ
ロピオンイミド酸エステルの塩と硫化水素との反応は、
塩基の存在下、上記塩を中和してから行う。しかし、塩
基が液体の場合は、上記塩の中和反応と硫化水素との反
応を同時に行ってもよい。
【0018】上記反応は、塩基と溶媒からなる系に上記
α,β−ジハロゲノプロピオンイミド酸エステルの塩を
懸濁させ中和し、その後硫化水素と反応させても良い
し、溶媒中に上記α,β−ジハロゲノプロピオンイミド
酸エステルの塩を懸濁させ、これを塩基で中和し、その
後、硫化水素と反応させても良い。なお、用いる塩基が
ピリジン、トリエチルアミン等液体の場合は、塩基その
ものを溶媒として用いることもできる。この場合は、上
記塩と硫化水素との反応を、塩の中和反応と同時に行う
ことができる。
α,β−ジハロゲノプロピオンイミド酸エステルの塩を
懸濁させ中和し、その後硫化水素と反応させても良い
し、溶媒中に上記α,β−ジハロゲノプロピオンイミド
酸エステルの塩を懸濁させ、これを塩基で中和し、その
後、硫化水素と反応させても良い。なお、用いる塩基が
ピリジン、トリエチルアミン等液体の場合は、塩基その
ものを溶媒として用いることもできる。この場合は、上
記塩と硫化水素との反応を、塩の中和反応と同時に行う
ことができる。
【0019】上記塩基としては特に限定されないが、強
塩基を用いると脱ハロゲン化水素又は塩基によるβ位ハ
ロゲンの求核置換反応が起きるので、弱塩基を用いるこ
とが好ましい。上記弱塩基としては、例えば、アンモニ
ア、アミン、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の重
炭酸塩、アルカリ金属の酢酸塩、アルカリ金属のほう酸
塩等が挙げられる。上記アミンとしては、例えば、ピリ
ジン等の環式アミン;トリエチルアミン等の第3アミン
等が挙げられる。
塩基を用いると脱ハロゲン化水素又は塩基によるβ位ハ
ロゲンの求核置換反応が起きるので、弱塩基を用いるこ
とが好ましい。上記弱塩基としては、例えば、アンモニ
ア、アミン、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の重
炭酸塩、アルカリ金属の酢酸塩、アルカリ金属のほう酸
塩等が挙げられる。上記アミンとしては、例えば、ピリ
ジン等の環式アミン;トリエチルアミン等の第3アミン
等が挙げられる。
【0020】上記アルカリ金属の炭酸塩としては、例え
ば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等が
挙げられる。上記アルカリ金属の重炭酸塩としては、例
えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水
素リチウム等が挙げられる。上記アルカリ金属の酢酸塩
としては、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢
酸リチウム等が挙げられる。上記アルカリ金属のほう酸
塩としては、例えば、ほう酸ナトリウム、ほう酸カリウ
ム、ほう酸リチウム等が挙げられる。これらのうち、ア
ンモニア;ピリジン等の環式アミン;炭酸カリウム等の
アルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素カリウム等のアルカリ
金属の重炭酸塩が好ましい。
ば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等が
挙げられる。上記アルカリ金属の重炭酸塩としては、例
えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水
素リチウム等が挙げられる。上記アルカリ金属の酢酸塩
としては、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢
酸リチウム等が挙げられる。上記アルカリ金属のほう酸
塩としては、例えば、ほう酸ナトリウム、ほう酸カリウ
ム、ほう酸リチウム等が挙げられる。これらのうち、ア
ンモニア;ピリジン等の環式アミン;炭酸カリウム等の
アルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素カリウム等のアルカリ
金属の重炭酸塩が好ましい。
【0021】塩基の使用量は、上記α,β−ジハロゲノ
プロピオンイミド酸エステルに対して、1〜30倍当量
が好ましく、1〜5倍当量がより好ましい。塩基の使用
量が1倍当量未満では、上記α,β−ジハロゲノプロピ
オンイミド酸エステルの塩が完全に中和されず、30倍
当量を超えると、それに見合う効果が得られず経済的に
不利であるので、好ましくない。
プロピオンイミド酸エステルに対して、1〜30倍当量
が好ましく、1〜5倍当量がより好ましい。塩基の使用
量が1倍当量未満では、上記α,β−ジハロゲノプロピ
オンイミド酸エステルの塩が完全に中和されず、30倍
当量を超えると、それに見合う効果が得られず経済的に
不利であるので、好ましくない。
【0022】上記溶媒としては、上記α,β−ジハロゲ
ノプロピオンイミド酸エステル又はその塩と反応したと
きに、相当するカルボン酸エステル又はオルトエステル
を副生しないものであれば特に限定されず、例えば、ピ
リジン等の液体の塩基、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭
化水素等を挙げることができる。なかでも、ピリジン等
の液体の塩基が好ましく、また、ジエチルエーテル、ジ
メトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が好まし
い。溶媒の使用量は、上記α,β−ジハロゲノプロピオ
ンイミド酸エステルの塩に対して、通常、3〜20重量
倍が好ましい。
ノプロピオンイミド酸エステル又はその塩と反応したと
きに、相当するカルボン酸エステル又はオルトエステル
を副生しないものであれば特に限定されず、例えば、ピ
リジン等の液体の塩基、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭
化水素等を挙げることができる。なかでも、ピリジン等
の液体の塩基が好ましく、また、ジエチルエーテル、ジ
メトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が好まし
い。溶媒の使用量は、上記α,β−ジハロゲノプロピオ
ンイミド酸エステルの塩に対して、通常、3〜20重量
倍が好ましい。
【0023】硫化水素の量は、上記α,β−ジハロゲノ
プロピオンイミド酸エステルの塩に対して、1.5〜4
倍モルが好ましく、1.5〜3倍モルがより好ましい。
上記硫化水素の量が1.5倍モル未満では反応で生成す
るアンモニアに硫化水素が消費され反応が完結せず、4
倍モルを超えるとそれに見合う効果が得られないので、
好ましくない。
プロピオンイミド酸エステルの塩に対して、1.5〜4
倍モルが好ましく、1.5〜3倍モルがより好ましい。
上記硫化水素の量が1.5倍モル未満では反応で生成す
るアンモニアに硫化水素が消費され反応が完結せず、4
倍モルを超えるとそれに見合う効果が得られないので、
好ましくない。
【0024】反応温度は、通常、−30〜10℃が好ま
しく、−10〜0℃がより好ましい。上記反応温度が−
30℃未満では反応速度が実用上遅すぎ、10℃を超え
ると上記α,β−ジハロゲノプロピオンイミド酸エステ
ル又はその塩からアミドが副生するので、好ましくな
い。
しく、−10〜0℃がより好ましい。上記反応温度が−
30℃未満では反応速度が実用上遅すぎ、10℃を超え
ると上記α,β−ジハロゲノプロピオンイミド酸エステ
ル又はその塩からアミドが副生するので、好ましくな
い。
【0025】上記のようにして得られた一般式(I)で
表されるα,β−ジハロゲノチオノプロピオン酸誘導体
は、濾過、抽出、蒸留等常法により、単離精製すること
ができる。
表されるα,β−ジハロゲノチオノプロピオン酸誘導体
は、濾過、抽出、蒸留等常法により、単離精製すること
ができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を掲げて、本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
【0027】参考例1 攪拌機、温度計、冷却管、ガス吹込み管を備えた4ツ口
フラスコ中に、ジエチルエーテル、メタノールを入れ、
2−クロロアクリロニトリルを混合した。そこへガス吹
込み管より塩化水素ガスを、温度−5〜0℃で吹込み反
応させた。析出した塩酸塩を濾取、洗浄し、α,β−ジ
クロロプロピオンイミド酸メチルの塩酸塩を得た。
フラスコ中に、ジエチルエーテル、メタノールを入れ、
2−クロロアクリロニトリルを混合した。そこへガス吹
込み管より塩化水素ガスを、温度−5〜0℃で吹込み反
応させた。析出した塩酸塩を濾取、洗浄し、α,β−ジ
クロロプロピオンイミド酸メチルの塩酸塩を得た。
【0028】実施例1 攪拌機、温度計、冷却管、ガス吹込み管を備えた100
0mlの4ツ口フラスコに、ジエチルエーテル290
g、参考例1で得られたα,β−ジクロロプロピオンイ
ミド酸メチル塩酸塩67.0g(0.348モル)を入
れ、−5℃まで冷却した。この懸濁液へ40%K2 CO
3 144.5g(0.418モル)水溶液を添加し塩酸
塩を中和した。中和後、分液したエーテル層に硫化水素
22.6g(0.663モル)を温度−5〜0℃で1時
間を要して吹込んだ後、引き続き−5℃で30分攪拌を
続け、反応を完結させた。析出した白色のアンモニウム
スルフィドを濾別し、ジエチルエーテルを留去した後、
減圧蒸留を行い、沸点75〜77℃/2mmHgの留分
として黄色油状物であるα,β−ジクロロチオノプロピ
オン酸メチル45.9g(0.265モル)を得た。
α,β−ジクロロプロピオンイミド酸メチル塩酸塩に対
する収率は76.1%であった。
0mlの4ツ口フラスコに、ジエチルエーテル290
g、参考例1で得られたα,β−ジクロロプロピオンイ
ミド酸メチル塩酸塩67.0g(0.348モル)を入
れ、−5℃まで冷却した。この懸濁液へ40%K2 CO
3 144.5g(0.418モル)水溶液を添加し塩酸
塩を中和した。中和後、分液したエーテル層に硫化水素
22.6g(0.663モル)を温度−5〜0℃で1時
間を要して吹込んだ後、引き続き−5℃で30分攪拌を
続け、反応を完結させた。析出した白色のアンモニウム
スルフィドを濾別し、ジエチルエーテルを留去した後、
減圧蒸留を行い、沸点75〜77℃/2mmHgの留分
として黄色油状物であるα,β−ジクロロチオノプロピ
オン酸メチル45.9g(0.265モル)を得た。
α,β−ジクロロプロピオンイミド酸メチル塩酸塩に対
する収率は76.1%であった。
【0029】上記化合物についての分析値、物性値は以
下のとおりであった。 (1)元素分析値(C4 H6 Cl2 OSとして) 分子
量173.06 計算値 C:27.76 H:3.50 S:18.5
3 実測値 C:27.81 H:3.35 S:18.3
7 (2)赤外吸収スペクトル(FT−IR、cm-1) 3027、2994、2945、1744、1703、
1449、1345、1282、1189 (3) 1H−NMRスペクトル(CDCl3 、TMS) δ:3.85(dd、1H、J=5.6、11.2H
z)、4.09(dd、1H、J=8.6、11.1H
z)、4.18(s、3H)、4.77(dd、1H、
J=5.6、8.6Hz) (4)ジエチルエーテル、1,2−ジクロロエタン、ア
ルコールに可溶 (5)沸点 75〜77℃/2mmHg
下のとおりであった。 (1)元素分析値(C4 H6 Cl2 OSとして) 分子
量173.06 計算値 C:27.76 H:3.50 S:18.5
3 実測値 C:27.81 H:3.35 S:18.3
7 (2)赤外吸収スペクトル(FT−IR、cm-1) 3027、2994、2945、1744、1703、
1449、1345、1282、1189 (3) 1H−NMRスペクトル(CDCl3 、TMS) δ:3.85(dd、1H、J=5.6、11.2H
z)、4.09(dd、1H、J=8.6、11.1H
z)、4.18(s、3H)、4.77(dd、1H、
J=5.6、8.6Hz) (4)ジエチルエーテル、1,2−ジクロロエタン、ア
ルコールに可溶 (5)沸点 75〜77℃/2mmHg
【0030】
【発明の効果】本発明の目的物である一般式(I)で表
されるα,β−ジハロゲノチオノプロピオン酸誘導体
は、除草剤等の農薬の中間体として有用であり、しかも
この化合物を出発原料とすれば、上記用途に用いる化合
物の基本骨格である3位にメルカプト基を有するチオフ
ェン環を、一段階の反応で形成することができる。ま
た、本発明の製造方法によれば、新規な化合物である一
般式(I)で表されるα,β−ジハロゲノチオノプロピ
オン酸誘導体を容易にかつ高収率で製造することができ
る。
されるα,β−ジハロゲノチオノプロピオン酸誘導体
は、除草剤等の農薬の中間体として有用であり、しかも
この化合物を出発原料とすれば、上記用途に用いる化合
物の基本骨格である3位にメルカプト基を有するチオフ
ェン環を、一段階の反応で形成することができる。ま
た、本発明の製造方法によれば、新規な化合物である一
般式(I)で表されるα,β−ジハロゲノチオノプロピ
オン酸誘導体を容易にかつ高収率で製造することができ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるα,β−ジ
ハロゲノチオノプロピオン酸誘導体。 【化1】 式中、R1 は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又
は置換若しくは無置換のアリール基を表す。R2 は、炭
素数1〜4のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリ
ール基を表す。X1 、X2 は、同一又は異なって、臭素
原子又は塩素原子を表す。 - 【請求項2】 R1 が、水素原子である請求項1記載の
α,β−ジハロゲノチオノプロピオン酸誘導体。 - 【請求項3】 R2 が、炭素数1〜4のアルキル基であ
る請求項1又は2記載のα,β−ジハロゲノチオノプロ
ピオン酸誘導体。 - 【請求項4】 R2 が、メチル基である請求項3記載の
α,β−ジハロゲノチオノプロピオン酸誘導体。 - 【請求項5】 X1 が、塩素原子であり、X2 が、塩素
原子である請求項1、2、3又は4記載のα,β−ジハ
ロゲノチオノプロピオン酸誘導体。 - 【請求項6】 下記一般式(II)で表されるα,β−
ジハロゲノプロピオンイミド酸エステルの塩を、塩基の
存在下、硫化水素と反応させることを特徴とする請求項
1記載のα,β−ジハロゲノチオノプロピオン酸誘導体
の製造方法。 【化2】 式中、R1 は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又
は置換若しくは無置換のアリール基を表す。R2 は、炭
素数1〜4のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリ
ール基を表す。X1 、X2 、Xは、同一又は異なって、
臭素原子又は塩素原子を表す。 - 【請求項7】 塩基が、弱塩基である請求項6記載の製
造方法。 - 【請求項8】 弱塩基が、アルカリ金属の炭酸塩である
請求項7記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20424094A JPH0841016A (ja) | 1994-08-04 | 1994-08-04 | チオノプロピオン酸誘導体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20424094A JPH0841016A (ja) | 1994-08-04 | 1994-08-04 | チオノプロピオン酸誘導体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0841016A true JPH0841016A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16487175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20424094A Pending JPH0841016A (ja) | 1994-08-04 | 1994-08-04 | チオノプロピオン酸誘導体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0841016A (ja) |
-
1994
- 1994-08-04 JP JP20424094A patent/JPH0841016A/ja active Pending
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