JPH08303363A - スクロール型圧縮装置 - Google Patents

スクロール型圧縮装置

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Publication number
JPH08303363A
JPH08303363A JP14757096A JP14757096A JPH08303363A JP H08303363 A JPH08303363 A JP H08303363A JP 14757096 A JP14757096 A JP 14757096A JP 14757096 A JP14757096 A JP 14757096A JP H08303363 A JPH08303363 A JP H08303363A
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JP
Japan
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space
closed container
motor
scroll
gas
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Pending
Application number
JP14757096A
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English (en)
Inventor
Kanji Sakata
寛二 坂田
Shigemi Nagatomo
繁美 長友
Makoto Hayano
誠 早野
Mitsuo Hatori
三男 羽鳥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製作、組立の容易化を図れ、摺動部を良好に潤
滑でき、内蔵モータの良好な冷却が行える小型、高性能
のスクロール型圧縮装置を提供する。 【構成】固定要素111が上側に、可動要素112が下
側に位置する関係にスクロール型圧縮機構103を密閉
容器101内に収容し、密閉容器内の下部に設けられた
モータ104の動力で可動要素112を自転の伴なわな
い旋回運動させることにガス圧縮を行わせるようにする
とともに、密閉容器101の壁に固定されたフレーム1
02に要素111を固定することによって密閉容器10
1内を高圧空間と低圧空間とに区画し、低圧空間内でモ
ータ104と圧縮機構103との間の空間を構成する密
閉容器101の壁に吸込口200を設け、また高圧空間
を構成している密閉容器101の壁に吐出口201を設
けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、密閉容器内にスクロー
ル型圧縮機構を収容してなるスクロール型圧縮装置の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、比較的低圧の圧縮装置として、ス
クロール型圧縮装置が知られている。この圧縮装置は、
一対のスクロール翼を軸方向に組合せて圧縮機構を構成
したもので、小型、高効率、低振動等の利点を備えてい
る。
【0003】ところで、このようなスクロール型圧縮装
置は、通常、図1に示すように構成されている。すなわ
ち、密閉容器1内のやや上方寄りの位置に密閉容器1内
を上下方向に仕切る形態にフレーム2を固定し、このフ
レーム2の上方にスクロール型圧縮機構3を配置し、ま
たフレーム2の下方にスクロール型圧縮機構3に駆動動
力を与えるモータ4を配置し、さらに密閉容器1の底部
に潤滑油5を収容したものとなっている。
【0004】スクロール型圧縮機構3は、固定要素11
と、この固定要素11の下方に配置された可動要素12
とで構成されている。固定要素11は、円板状の鏡板1
3と、この鏡板13の一方の面の周縁部に突設された環
状壁14と、この環状壁14で囲まれた部分に環状壁1
4とほぼ等しい高さに突設されたスクロール翼15と、
鏡板13の中央部に設けられた吐出口16と、鏡板13
の周縁部に設けられた吸入口17とで構成されている。
【0005】固定要素11は、環状壁14およびスクロ
ール翼15の突出方向を下方として環状壁14の周縁部
がフレーム2の上面に固定され、また、吸込口17が密
閉容器1の上壁を気密に貫通して設けられた吸込管18
に接続されている。
【0006】一方、可動要素12は、環状壁14の内径
より大きい外径の鏡板19と、この鏡板19の一方の面
にスクロール翼15の高さとほぼ等しい高さに突設され
たスクロール翼20と、鏡板19の他方の面の中央部に
突設された筒部21とで構成されている。
【0007】この可動要素12は、スクロール翼20の
突設方向を上方として、スクロール翼20とスクロール
翼15とがかみ合い、かつ鏡板19の周辺部が環状壁1
4の端面に摺接するように装着され、この装着状態が鏡
板19と前述したフレーム2との間に設けられたオルダ
ム機構31によって保持されている。
【0008】オルダム機構31は、図2に示すように、
鏡板19の下面で、かつ筒部21を境にして両側で同一
線上に位置するように固定されたキー32a,32b
と、フレーム2の上面で、かつキー32a,32bの配
列線と直交する線上に固定されたキー33a,33b
と、これらキー33a,33b,32a,32bがそれ
ぞれ微小間隙をもって嵌入する溝34a〜34dを上下
面に有したリング35とで構成されている。
【0009】フレーム2には、筒部21の軸心線とは偏
心した軸受孔41が上下方向に貫通して設けられてい
る。この軸受孔41は、筒部21側に位置する部分が大
径に形成されている。軸受孔41内には前述したモータ
4の回転軸42が回転自在に支持されている。回転軸4
2には、前述した軸受孔41の大径部分に位置する部分
に大径部43が形成されており、この大径部43に前述
した筒部21に嵌入する小軸44が形成されている。な
お、回転軸42は、その下端が潤滑油5内に侵入する長
さに形成されており、また内部には遠心ポンプ作用で潤
滑油5を軸受面や筒部21と小軸44との嵌合部に汲み
上げる孔45が形成されている。また、図1中46は密
閉容器1内の上下方向中間部に通じて高圧ガスを送り出
す送出管を示し、また47は高圧ガスおよび潤滑油を下
方へ案内する溝を示している。
【0010】この装置は次のようにしてガス圧縮を行な
うようにしている。すなわち、モータ4を回転させる
と、その回転力が軸42を介して可動要素12に伝えら
れる。この場合、可動要素12の筒部21が軸42に対
して偏心しており、また、可動要素12がオルダム機構
31によって支持されているので、結局、可動要素12
は自転の伴なわない旋回運動を行なう。したがって、可
動要素12のスクロール翼20も旋回運動を行なう。こ
の旋回運動に伴なって、スクロール翼15,20間に形
成された、いわゆる圧縮室Pの容積が図3(a),
(b),(c)に示すように周期的に小さくなり、これ
によって圧縮されたガスが吐出口16から吐出され、圧
縮装置としての機能が発揮される。
【0011】しかしながら、上記のように構成された従
来のスクロール型圧縮装置にあっては次のような問題が
あった。すなわち、この装置を実際の冷凍サイクルに組
込んだ場合を例にとると、蒸発器を通った低圧の冷媒が
直接圧縮室P内に導入されることになる。このため、液
戻り現象が発生すると、モータ4の負荷が過大になった
り、スクロール翼15,20を破損させたりする虞があ
る。したがって、従来の装置では、蒸発器と吸込管18
との間に大きな容積の気液分離器を設ける必要があっ
た。このため、気液分離器を設置するためのスペースが
必要となり、結果的に装置全体が大型化する問題があっ
た。
【0012】また、密閉容器1内は高圧に保持され、こ
の高圧内にモータ4が設置されていることにある。周知
のように、ガスを圧縮して高圧化させたとき、この高圧
ガスは高温となる。このため、上記構成であると、モー
タ4の冷却に特別の工夫を施したり、また、温度的な余
裕をみて当初から容量の大きなモータを組込まなければ
ならない問題もあった。
【0013】さらに、上記構成であると、密閉容器1の
壁と鏡板13との両方を十分な位置合わせ精度で貫通さ
せて吸込管18を設ける必要があるので、製作および組
立てが面倒化する問題もあった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところ
は、製作、組立てが容易で、実際に設置したときの省ス
ペース化に寄与でき、内蔵モータの良好な冷却が行え、
そのうえ摺動部の良好な潤滑を行え、小型、高性能化を
図れるスクロール型圧縮装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るスクロール型圧縮装置は、密閉容器
と、この密閉容器内を上下に2つの作動ガス圧力空間に
区画する区画手段と、互いを上下に軸方向に接合させて
互いの間で圧縮室を構成する形状にそれぞれが形成され
るとともに上記圧縮室内で互いにかみ合うスクロール翼
をそれぞれが有した固定要素と可動要素とを備え、上記
固定要素に上記圧縮室で圧縮されたガスを吐出させる吐
出部を設け、この吐出部が前記一方の作動ガス圧力空間
に連通し、上記可動要素の周縁部と上記固定要素との間
に上記圧縮室へガスを吸込ませる吸込部を設け、この吸
込部が前記他方の作動ガス圧力空間に連通するように前
記区画手段に保持されたスクロール型圧縮機構と、前記
他方の作動ガス圧力空間内に設けられてモータの動力で
前記可動要素を自転の伴なわない旋回運動させる駆動機
構と、前記他方の作動ガス圧力空間内で前記モータと前
記スクロール型圧縮機構との間の空間を構成する前記密
閉容器の壁に設けられたガス吸込口および前記一方の作
動ガス圧力空間を構成している前記密閉容器の壁に設け
られたガス吐出口とを備えている。
【0016】
【作用】上記構成であると、ガス吸込口を介して吸込ま
れた低圧のガスは、一旦、密閉容器内の他方の作動ガス
空間(以後、低圧空間と称す)に入った後にスクロール
圧縮機構の圧縮室に入ることになる。したがって、液戻
り現象が生じたとき、上記低圧空間を気液分離器として
利用できることになる。このため、従来装置とは違っ
て、気液分離器を別設する必要がないので、それだけ省
スペース化に寄与できる。
【0017】また、低圧空間内でモータとスクロール型
圧縮機構との間の空間を構成する密閉容器の壁にガス吸
込口を設けているので、ガス吸込口からスクロール型圧
縮機構の吸込部に至るガス流路の流動抵抗を十分に小さ
くでき、吸込みガスの流れをスムーズ化できるので、体
積効率を向上させることができ、しかもモータ入力の増
加を抑えることができる。
【0018】また、低圧空間内でモータとスクロール型
圧縮機構との間の空間を構成する密閉容器の壁にガス吸
込口を設けているので、液戻り現象が生じたとき、この
戻り液をモータに触れさせて蒸発させることができる。
したがって、戻り液によって低圧空間の底部に収容され
ている潤滑油が希釈されるのを防止できるので、安定し
た潤滑特性を発揮させることができる。
【0019】また、モータを低圧のガスが流れ込む低圧
空間に配置している。このため、モータは、低温、低圧
のガスに触れることになり、上記ガスによって良好に冷
却されることになる。したがって、従来装置とは違っ
て、格別な冷却装置を設ける必要はないし、また格別大
容量のモータを組込む必要もないので、装置全体の小型
化を図ることができる。
【0020】さらに、上記構成であると、密閉容器の壁
にガス吸込口およびガス吐出口を設けているので、これ
らの口に吸込管および吐出管を接続すればよく、その接
続には精度の高い位置合せを必要としない。したがっ
て、製作および組立ての容易化も図ることができる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照しながら発明の実施形態を
説明する。図4には本発明の一実施形態に係るスクロー
ル型圧縮装置が示されている。図中101は、縦長に形
成された密閉容器であり、この密閉容器101内の上方
寄りの位置には密閉容器101内を上下方向に仕切る形
態にフレーム102が固定されている。そして、フレー
ム102の上方にスクロール型圧縮機構103が配置さ
れ、またフレーム102の下方にスクロール型圧縮機構
103に駆動動力を与えるためのモータ104が配置さ
れ、さらに密閉容器101の底部に潤滑油105が収容
されている。
【0022】スクロール型圧縮機構103は、公知のも
のと同様に、固定要素111と、この固定要素111の
下方に配置された可動要素112とで構成されている。
固定要素111は、円板状の鏡板113と、この鏡板1
13の一方の面の周縁部に突設された環状壁114と、
この環状壁114で囲まれた部分に環状壁114とほぼ
等しい高さに突設されたスクロール翼115と、鏡板1
13のほぼ中央部に設けられた吐出口116とで構成さ
れている。そして、環状壁114の内端縁は、適当な曲
率をもった曲面あるいは図5(a),(b)に示すよう
なテーパ面等の切欠き面117に形成されている。
【0023】上記のように構成された固定要素111
は、環状壁114およびスクロール翼115の突出方向
を下方として環状壁114の周縁部がボルト118によ
ってフレーム102の上面周縁部に気密に固定されてい
る。なお、固定時に固定要素111の上面にキャップ1
19が当てがわれ、このキャップ119もボルト118
によって一体に固定されている。
【0024】キャップ119は、鏡板113の上面との
間に所定厚の間隙120を形成し得る大きさに形成され
ており、この間隙120を形成する壁の一部に孔121
が形成されている。また、その側壁の一部には、後述す
る潤滑油を案内するための孔122が形成されている。
【0025】一方、可動要素112は、環状壁114の
内径より若干大きい外径の鏡板123と、この鏡板12
3の一方の面にスクロール翼115の高さとほぼ等しい
高さに突設されたスクロール翼124と、鏡板123の
他方の面の中央部に突設された筒部125とで構成され
ている。鏡板123のスクロール翼124が突設されて
いる側の面で、周縁部は、図6(a),(b)に示すよ
うにテーパ面等の切欠き面126に形成されている。
【0026】上記のように構成された可動要素112
は、スクロール翼124の突出方向を上方として、スク
ロール翼124とスクロール翼115とがかみ合い、か
つ鏡板123の周辺部と環状壁114の端面およびスク
ロール翼124の端面と鏡板113およびスクロール翼
115の端面と鏡板123がそれぞれ摺接するように装
着され、この装着状態が鏡板123とフレーム102と
の間に設けられたオルダム機構130によって保持され
ている。
【0027】オルダム機構130は、鏡板123の下面
周縁部で、かつ鏡板123の中心を通って描かれる同一
線上の2個所に設けられたキー溝131a,131b
と、このキー溝131a,131bの配列方向と直交す
る線上で、かつフレーム102の上面に図7に示すよう
に設けられたキー溝132a,132bと、図7に示す
ように一方の面にキー溝131a,131bに嵌入する
キー133a,133bを有するとともに他方の面にキ
ー溝132a,132bに嵌入するキー134a,13
4bを有したリング135とで構成されている。そし
て、リング135の両面には、実際には図8に示すよう
に摺動抵抗を減少させるための、たとえば網目状の油溝
136が形成されている。また、各キー溝132a,1
32b,131a,131bの内側面には、図9にキー
溝132bで代表して示すようにキーとの摺動面積を減
少させるための拡口段部137が形成されている。
【0028】フレーム102には、可動要素112の筒
部125の軸心線に対して偏心した軸受孔141が上下
方向に貫通して設けられており、この軸受孔141の筒
部125側に位置する部分は大径に形成されている。
【0029】上記大径側のフレーム構造は具体的には図
7に示すように構成されている。すなわち、最も外側に
密閉容器101の内径とほぼ等しい外径を有するととも
に内径が環状壁114の内径より大きく、環状壁114
がボルト118で締付け固定されるところの環状壁14
2が形成されており、この内側に環状溝143を介して
鏡板123の下面周辺部を受ける環状受け面144が一
段低下して形成され、この内側にリング135を受ける
環状受け面145がさらに一段低下して形成され、この
内側にさらに一段低下して後述するスラスト力軽減機構
149を受ける環状受け面146が形成されている。そ
して、各受け面は、放射状に設けられた溝147によっ
て周方向に複数に分割されており、溝147の少なくと
も1つはフレーム102の壁に設けられ内外を直接通じ
させる孔148に通じている。なお、キー溝132a,
132bは、受け面145に形成されている。
【0030】スラスト力軽減機構149は、具体的に
は、図10(a),(b),(c)に示すように、環状
受け面146に嵌入支持される環状体150と、この環
状体150の上面に刻設された環状溝151と、上記上
面で環状溝151の内側および外側にそれぞれ形成され
た環状溝151より浅くて細い環状溝152,153
と、これら環状溝152,153内に一部がそれぞれ外
方へ突出するように装着された、たとえば四弗化エチレ
ン製のシールリング154,155とで構成されてい
る。そして、シールリング154の外周面下端部には、
同図(c)に示すようにテーパ面156が形成されてお
り、またシールリング155の内周面下端部にも同様な
テーパ面が形成されている。溝151の周方向4個所位
置には、この溝151の深さと同じ深さで溝151を環
状溝152,153に連通させる有底孔157が形成さ
れている。
【0031】鏡板123の内部には、スラスト力軽減機
構149を図4に示すように装着した状態下で、環状体
151と、シールリング154,155と、鏡板123
の下面とで囲まれた空間を常に圧縮室Pの高圧室に連通
させる孔158が形成されている。
【0032】フレーム102の軸受孔141には、モー
タ104の回転軸160が回転自在に支持されている。
回転軸160には、軸受孔141の大径部分に位置する
部分に大径部161が形成されており、この大径部16
1に前述した筒部125に嵌入する小軸162が突設さ
れている。回転軸160は、その下端が潤滑油105中
に侵入する長さに形成されており、その下端部は密閉容
器101の内面に支持材200を介して支持された下部
軸受163によって支持されている。また、回転軸16
0内には遠心ポンプ作用で潤滑油105を、軸受面や小
軸162と筒部125との嵌合部に汲み上げる孔164
が形成されている。この孔164の入口部、つまり回転
軸160の下端部に位置する部分の形状は、回転軸16
0の下端面中央部から上方に向けて延びる部分165
と、この部分165から半径方向に軸受163の内面ま
で延びる部分166と、この部分166から下方へ向け
て延びる部分167と、この部分167から回転軸16
0の直径より僅かに短かい長さだけ半径方向に延びる部
分168とを組合せたものとなっている。
【0033】モータ104はかご形の誘導電動機によっ
て構成されている。そして、その回転子170は磁気的
中心が固定子171の磁気的中心に対して下方へ若干ず
れる関係に回転軸160に装着されている。また、回転
子170の表面には、斜溝172が形成されている。
【0034】一方、回転子170の上端に設けられたバ
ランスウエイト173と、フレーム102との間にはラ
チエット式の反転防止機構174が設けられており、こ
の反転防止機構174は具体的には図11に示すように
構成されている。すなわち、バランスウエイト173の
内面側に回転軸中心線方向に向かう有底孔175を設
け、この有底孔175内にストッパ用のロッド176を
摺動自在に収容するとともにロッド176と有底孔17
5の底壁内面との間にロッド176に有底孔175から
突出させる向きの力を付与するスプリング177を介在
させ、さらにロッド176の先端が摺接するフレーム1
02の外面に爪状の切欠部178を設けたものとなって
いる。
【0035】密閉容器101の側壁でスクロール型圧縮
機構103とモータ104との間に位置する部分には、
スクロール型圧縮機構103とモータ104との間の空
間領域180に直接通じる関係に吸込口200が形成さ
れており、この吸込口200には吸込管181が接続さ
れている。また、密閉容器101の上壁には吐出口20
1が形成されており、この吐出口201には上記上壁と
固定要素111との間に形成された空間182に連通す
る関係に吐出管183が接続されている。
【0036】なお、図4中184は、空間182内に押
し出された潤滑油をフレーム102より下方へ戻すため
に環状壁114およびフレーム102に設けられた細孔
を示し、185はバランスウエイトを示し、186はモ
ータ104への給電用接続機構を示し、また187は潤
滑油を通過させるための孔を示している。
【0037】次に、上記のように構成された圧縮装置の
動作を説明する。まず、モータ104に給電すると、回
転軸160が回転を開始し、この回転力が可動要素11
2に伝えられる。この場合、可動要素112の筒部12
5が回転軸160に対して偏心して設けられた小軸16
2と嵌合しており、しかも可動要素112がオルダム機
構130によって支持されているので、可動要素112
は自転の伴なわない旋回運動を行なう。したがって、可
動要素112に設けられたスクロール翼124も旋回運
動を行なう。この旋回運動に伴なって、スクロール翼1
15とスクロール翼124との間に形成された圧縮室P
の容積が図3に示したように周期的に小さくなり、これ
によって圧縮されたガスが吐出口116から吐出され
る。吐出された高圧ガスはキャップ119によって形成
された間隙120〜キャップ119に設けられた孔12
1〜空間182を介して吐出管183から送り出され
る。
【0038】一方、上記のように可動要素112が旋回
運動すると、鏡板123の上面周縁部と環状壁114に
おける内端縁部とに切欠き面126,117が形成され
ていることが有効に作用し、圧縮室Pの周縁部がフレー
ム102に形成されている環状溝143に常に連通した
状態となる。環状溝143は、フレーム102に放射状
に設けられた溝147等を介して孔148に通じ、ま
た、この孔148は空間180を介して吸込管181に
通じている。このため、低圧のガスは吸込管181〜空
間180〜孔148〜溝147および環状溝143を経
由して圧縮室P内の低圧ポートに吸込まれることにな
り、ここに圧縮装置としての機能が発揮される。
【0039】そして、この場合には、吸込管181を介
して流れ込んだ低圧ガス中に冷媒等の液が混入していて
も、この液は空間180内を移動する間に下方へ落下
し、潤滑油105が溜っているタンク101の底部へと
移行しようとする。なお、モータ104が自己発熱して
いるので、落下した液は上記熱によってガス化され、す
でにガス化しているものの流れに混入して圧縮室P内へ
と移動する。したがって、空間180は気液分離器と全
く同じ作用を行っていることになり、この空間180の
存在、つまり、このようなガス流路の存在によってスク
ロール翼115,124の破損が防止される。
【0040】この場合、モータ104とスクロール型圧
縮機構103との間に位置する空間180に直接通じる
ように密閉容器101の壁に吸込口200を設けている
ので、吸込口200からスクロール型圧縮機構103の
吸込部に至るガス流路の流動抵抗を十分に小さくでき、
吸込みガスの流れをスムーズ化できるので、体積効率を
向上させることができる。また、モータ104の入力の
増加も抑えることができる。
【0041】また、上記空間180に直接通じるように
密閉容器101の壁に吸込口200を設けているので、
液戻り現象が生じたとき、この戻り液をモータ104に
触れさせて蒸発させることができる。したがって、戻り
液によって底部に収容されている潤滑油105が希釈さ
れるのを防止できるので、安定した潤滑特性を発揮させ
ることができる。
【0042】また、モータ104を低圧、低温のガスに
触れさせることができるので、上記ガスによってモータ
104を良好に冷却することができる。したがって、従
来装置とは違って、格別な冷却装置を設ける必要はない
し、また格別大容量のモータを組込む必要もないので、
装置全体の小型化を図ることができる。
【0043】一方、上記のようにモータ104が回転す
ると、潤滑油105の一部が孔164の形状に伴なう遠
心ポンプ作用によって孔164内の上方へと汲み上げら
れる。
【0044】この汲み上げられた潤滑油は、軸受孔14
1の内周面を潤滑した後、小軸162と筒部125との
嵌合部を潤滑し、続いて孔187を介してオルダム機構
130が設けられている部分を潤滑し、その後、一部が
孔148から下方へと流下し、残りが圧縮室P内へと侵
入して圧縮室P内の摺動部を潤滑する。そして、圧縮室
P内に入り込んだ潤滑油は、最終的に吐出孔116から
排出された後、キャップ119に設けられた孔122か
ら流れ出し、その後、圧力差で細孔184を介して下方
へと流下する。したがって、吐出管183からは潤滑油
の混入していない高圧ガスが吐出されることになる。ま
た、潤滑油の減少も防止される。
【0045】また、上述の如く、可動要素112が、旋
回運動を行なって、圧縮動作が行なわれると、圧縮室P
内が高圧になるので、可動要素112が下向きの力を受
け、この力がオルダム機構130、フレーム102の受
け面144等に加わり、これらの要素に焼付き現象が発
生する虞れがある。しかし、この実施例の場合、スラス
ト力軽減機構149およびモータ104が次のようにし
て焼付き現象の発生を防止している。
【0046】すなわち、スラスト力軽減機構149の環
状体150、シールリング154,155および鏡板1
23で囲まれた環状空間は、孔158を介して常に、圧
縮室Pのいわゆる高圧ポートに通じている。したがっ
て、鏡板123は、上記環状空間内のガス圧によって上
方に向かう力を受け、この力の存在によって鏡板123
が受ける下向きの力が軽減されることになる。また、モ
ータ104の回転子170は、その磁気的中心が固定子
171の磁気的中心より若干下方にずれている。しかも
回転子170の表面には斜溝172が形成されている。
したがって、モータ104に給電すると、固定子171
の磁気的中心と回転子170の磁気的中心とを一致させ
るように回転子170に上向きの磁気力が常に作用す
る。この磁気力は鏡板123に作用する下向きの力とは
180度異なるので、結局、上記磁気力によっても鏡板
123が受ける下向きの力が軽減され、この軽減によっ
て焼付き現象の発生が防止される。なお、可動要素11
2に加わる下向きの力は、圧縮空間の位置の変化に伴な
って脈動する。このため、スラスト力軽減機構149か
ら高圧ガスが低圧側に漏れる虞れがあるが、この実施例
においては、第10図に示したように環状溝151とシ
ールリング154,155が装着される環状溝152,
153とを連通させる有底孔157を設けているので、
シールリング154,155には常に、図10(c)に
実線矢印で示すような力、つまりシールリング154,
155を鏡板123の下面に押し付ける力が作用する。
したがって、この押し付けによって高圧ガスの漏れが防
止される。
【0047】さらに、モータ104を停止させたとき、
空間182と空間180との圧力差によって可動要素1
12が逆旋回して高圧ガスが低圧側に流れ込む虞れがあ
る。しかし、この実施例の場合、ラチエット式の反転防
止機構174が設けられているので、逆旋回の発生が確
実に防止され、高圧ガスの流出が防止される。
【0048】このように、フレーム102とスクロール
型圧縮機構103の固定要素111とで密閉容器101
内を低圧の空間180と高圧の空間182とに区画し、
ガス吸込口を介して吸込まれた低圧のガスを空間180
を経由させてスクロール型圧縮機構103の圧縮室Pに
導くようにしている。したがって、空間108を気液分
離器として利用できる。このため、従来装置とは違っ
て、気液分離器を別設する必要がないので、それだけ省
スペース化に寄与できる。また、モータ104は、低圧
のガスが流れ込む空間180に配置されている。このた
め、モータ104は、低温、低圧のガスに触れることに
なり、上記ガスによって良好に冷却されることになる。
したがって、従来装置とは違って、格別な冷却装置を設
ける必要はないし、また、格別大容量のモータを組込む
必要もない。このため、なお一層、装置全体の小型化を
図ることができる。
【0049】さらに、上記構成であると、密閉容器10
1内に低圧の空間180と高圧の空間182とを形成し
ているので、密閉容器壁にガス吸込口およびガス吐出口
を設け、これらの口に吸込管181および吐出管183
を接続すればよく、その接続には精度の高い位置合わせ
を必要としない。したがって、製作および組立ての容易
化も図ることができる。さらに、上記構成であると高圧
の空間182に移行した潤滑油を空間182と空間18
0との間の圧力差で細孔184を介して低圧の空間18
0に自動的に戻すことができるので、潤滑油の減少を防
止でき、長期に亙って安定した潤滑特性を発揮させるこ
とができるので、結局、前述した効果が得られる。
【0050】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではない。たとえば空間180に、気液の分離
を促進させる公知の促進機構を設置するようにしてもよ
い。また、可動要素112および固定要素111に設け
られる切欠き面126,117は、通流抵抗を増加させ
ない形状であればよく、一方だけに設けるようにしても
よい。
【0051】
【発明の効果】
(1) ガス吸込口を介して吸込まれた低圧のガスを、一
旦、密閉容器内の低圧空間に入れた後にスクロール圧縮
機構の圧縮室に入れるようにしているので、液戻り現象
が生じたとき、上記低圧空間を気液分離器として利用で
きる。このため、従来装置とは違って、気液分離器を別
設する必要がないので、それだけ省スペース化に寄与で
きる。
【0052】(2) 低圧空間内でモータとスクロール型圧
縮機構との間の空間を構成している密閉容器の壁にガス
吸込口を設けているので、ガス吸込口からスクロール型
圧縮機構の吸込部に至るガス流路の流動抵抗を十分に小
さくでき、吸込みガスの流れをスムーズ化できるので、
体積効率を向上させることができ、しかもモータ入力の
増加を抑えることができる。
【0053】(3) 低圧空間内でモータとスクロール型圧
縮機構との間の空間を構成している密閉容器の壁にガス
吸込口を設けているので、液戻り現象が生じたとき、こ
の戻り液をモータに触れさせて蒸発させることができ
る。したがって、戻り液によって低圧空間の底部に収容
されている潤滑油が希釈されるのを防止できるので、安
定した潤滑特性を発揮させることができる。
【0054】(4) モータを低圧のガスが流れ込む低圧空
間に配置している。このため、モータは、低温、低圧の
ガスに触れることになり、上記ガスによって良好に冷却
されることになる。したがって、従来装置とは違って、
格別な冷却装置を設ける必要はないし、また格別大容量
のモータを組込む必要もないので、装置全体の小型化を
図ることができる。
【0055】(5) 密閉容器の壁にガス吸込口およびガス
吐出口を設けているので、これらの口に吸込管および吐
出管を接続すればよく、その接続には精度の高い位置合
せを必要としない。したがって、製作および組立ての容
易化も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のこの種の装置の縦断面図
【図2】同装置に組込まれたオルダム機構の説明図
【図3】同装置の圧縮原理を説明するための図
【図4】本発明の一実施形態に係るスクロール型圧縮装
置の縦断面図
【図5】(a) は同装置における固定要素の下面図で、
(b) は(a) におけるA−A線に沿って切断し矢印方向に
みた設置条件下の断面図
【図6】(a) は同装置における可動要素の上面図で、
(b) は(a) におけるB−B線切断矢視図
【図7】同装置におけるフレームの上部だけを取り出し
て示す一部切欠分解斜視図
【図8】同装置におけるオルダム機構要部の平面図
【図9】同オルダム機構のキー溝の形状を説明するため
の図
【図10】(a) は同装置に組込まれた摺動摩擦減少機構
の上面図で、(b) は(a) におけるC−C線矢視図で、
(c) は同機構に組込まれたシールリングの形状を説明す
るための図
【図11】図4におけるD−D線切断矢視図
【符号の説明】
101…密閉容器 102…フレーム 103…スクロール型圧縮機構 104…モータ 105…潤滑油 111…固定要素 112…可動要素 115,124…スクロール翼 116…吐出口 130…オルダム機構 141…軸受孔 143…環状溝 147…溝 148…孔 149…スラスト力軽減機構 160…回転軸 164…遠心ポンプ用の孔 170…回転子 171…固定子 174…反転防止機構 180,182…空間 181…吸込管 183…吐出管 200…吸込口 201…吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04C 29/04 F04C 29/04 N (72)発明者 羽鳥 三男 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉容器と、 この密閉容器内を上下に2つの作動ガス圧力空間に区画
    する区画手段と、 互いを上下に軸方向に接合させて互いの間で圧縮室を構
    成する形状にそれぞれが形成されるとともに上記圧縮室
    内で互いにかみ合うスクロール翼をそれぞれが有した固
    定要素と可動要素とを備え、上記固定要素に上記圧縮室
    で圧縮されたガスを吐出させる吐出部を設け、この吐出
    部が前記一方の作動ガス圧力空間に連通し、上記可動要
    素の周縁部と上記固定要素との間に上記圧縮室へガスを
    吸込ませる吸込部を設け、この吸込部が前記他方の作動
    ガス圧力空間に連通するように前記区画手段に保持され
    たスクロール型圧縮機構と、 前記他方の作動ガス圧力空間内に設けられてモータの動
    力で前記可動要素を自転の伴なわない旋回運動させる駆
    動機構と、 前記他方の作動ガス圧力空間内で前記モータと前記スク
    ロール型圧縮機構との間の空間を構成する前記密閉容器
    の壁に設けられたガス吸込口および前記一方の作動ガス
    圧力空間を構成している前記密閉容器の壁に設けられた
    ガス吐出口とを具備してなることを特徴とするスクロー
    ル型圧縮装置。
JP14757096A 1996-06-10 1996-06-10 スクロール型圧縮装置 Pending JPH08303363A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6925832B2 (en) * 2002-03-28 2005-08-09 Daikin Industries, Ltd. High-low pressure dome type compressor

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55160194A (en) * 1979-05-31 1980-12-12 Mitsubishi Electric Corp Shaping of stationary scroll for scroll compressor

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