JPH08238542A - 溶融金属および合金の供給制御方法 - Google Patents

溶融金属および合金の供給制御方法

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JPH08238542A
JPH08238542A JP4266695A JP4266695A JPH08238542A JP H08238542 A JPH08238542 A JP H08238542A JP 4266695 A JP4266695 A JP 4266695A JP 4266695 A JP4266695 A JP 4266695A JP H08238542 A JPH08238542 A JP H08238542A
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molten metal
alloy
ladle
tundish
container
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JP4266695A
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Yuichi Sato
有一 佐藤
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 液体急冷法の溶融金属の供給制御において、
10kg/分のオーダーの少量供給を、安価に、かつ、生
産量がトンのオーダーと長時間鋳造となる場合でも、こ
れを可能とする制御方法を提供する。 【構成】 側壁および底部に注湯用ノズル1A,1B
と、側壁の注湯ノズル1Aから溶融金属6をオーバーフ
ローさせるためのダミーボリューム2を有する容器1
を、取鍋4とタンディッシュ5との間に設置し、取鍋か
らの溶融金属をタンディッシュに供給する際に、この容
器を経由するようにし、取鍋からの溶融金属のタンディ
ッシュへの供給を、このダミーボリュームおよび注湯ノ
ズルを所定の条件で操作することにより、取鍋から少量
の溶融金属を連続してタンディッシュに供給する溶融金
属の供給制御方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶融金属および合金
(以下、単に溶融金属と称す)を移動する冷却基板上で
急冷凝固して、線および薄い帯状の金属および合金(以
下、単に薄帯と称す)を得る液体急冷法において、溶融
金属の供給量を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄帯を製造するための液体急冷法とし
て、例えば、1つの高速回転している冷却ロール上に溶
融金属を供給して薄帯を得る、いわゆる単ロール法や、
一対の高速回転している冷却ロール間に溶融金属を供給
して薄帯を得る双ロール法などがある。
【0003】液体急冷法により薄帯を形成する方法にお
いて、例えば図3に示す単ロール急冷凝固薄帯製造装置
を用いる場合を例にして説明する。図3において、溶融
金属6は、その湯面レベルが一定になるようにタンディ
ッシュ5に給湯されている。このタンディッシュ5の底
壁には羽口レンガ12が設けられており、この羽口レン
ガ12に中間ノズル13およびノズルホルダー14が連
結されている。これらの羽口レンガ12、中間ノズル1
3およびノズルホルダー14の内部に孔が設けられてお
り、この孔が接続されて溶湯流路15、ノズルホルダー
14内の拡大内部空間18となる。
【0004】また、ノズルホルダー14の先端にはノズ
ルチップ16が取り付けられており、このノズルチップ
16の内部に設けたノズルスリット17が溶湯流路15
に連通している。なお、ノズルホルダー14内の拡大内
部空間18、ノズルチップ16さらにノズルスリット1
7については図4にて示すが、拡大内部空間18とは広
幅の薄帯を得るためにノズルホルダー14内で溶湯流路
15を広げた部分を指し、ノズルスリット17とはノズ
ルチップ16中に設けた溶湯噴出用の開口を指す。
【0005】タンディッシュストッパー9を上昇させる
ことによってタンディッシュ5内の溶融金属6は、溶湯
流路15を経由してノズルスリット17から冷却ロール
10に向けて流出する。このとき、タンディッシュ5内
の溶湯静圧に応じて、ノズルスリット17から冷却ロー
ル10に向けて流出する溶融金属6の流量が制御され
る。ノズルスリット17から流出した溶融金属6は、冷
却ロール10の表面で急速に冷却されて薄帯11とな
る。なお、図3において、装置全体に関する理解を容易
にするため、冷却ロール10はタンディッシュ5の縮尺
率よりも大きな縮尺率で描かれている。
【0006】いずれの方法であっても、液体急冷法によ
り得られる薄帯の板厚は、例えば、1mm未満と小さく、
冷却速度としては102 K/秒以上である。単ロール法
においては、原理的に良好な薄帯を得るために、その板
厚にはこのような制限がある。一方、双ロール法では、
1mm以上の板厚の薄帯の製造も、製造因子を制御するこ
とにより不可能ではないが、本発明で対象としている液
体急冷法は、単に、薄い材料を製造するだけではなく、
急冷凝固により機能性、特性の改善を目的とする場合、
すなわち、冷却速度が102 K/秒以上の場合、板厚を
用いて示すと、板厚が1mm未満の薄帯を製造する場合に
限定する。
【0007】急冷凝固法において1mm未満の薄帯を製造
する場合、例えば、従来の凝固技術である普通造塊法や
連続鋳造法に比較して、各種の製造因子における制約条
件に差異が生じてくる。その中でも大きく異なる制約条
件として、溶融金属の供給量が挙げられる。すなわち、
例えば、一般に採用されている鋼などの連続鋳造法の場
合、鋳型に供給できる溶融金属の量は、例えば、鋼の場
合、数トン/分であり、さらに、普通造塊法ではそれ以
上の供給も可能である。
【0008】これに対して、本発明で対象にしている液
体急冷法においては、10kg/分のオーダーと、かなり
供給量を少なくしなければならない。これは、前述した
ように、液体急冷法で薄帯の冷却速度で102 K/秒以
上と制限したことによる。例えば、単ロール法で通常製
造される薄帯の板厚は、0.1mmで程度ある。この場合
の冷却ロールの周速は、およそ5m/秒で、薄帯の板幅
は広くてもせいぜい200mm程度であるから、例えば、
鉄を主成分とすると、その溶融金属の供給量はおよそ5
0kg/分程度に制御しなければならない。
【0009】液体急冷法により工業的規模で薄帯を生産
する場合、この溶融金属の供給量を少なく制御すること
が重要な課題となる。例えば、鋼の連続鋳造法の場合、
溶融金属を保持した取鍋から、タンディッシュを介して
鋳型に溶融金属を供給するが、この際、溶融金属供給量
の制御には、取鍋底部のノズル孔に取り付けたストッパ
ーを用いる方式が採用されている。先に述べた通り、連
続鋳造法の場合は数トン/分と、かなりの量を供給でき
ることから、このようなストッパー方式を採用すること
で、容易に供給量を制御することが可能であった。
【0010】一方、本発明で対象としている液体急冷法
の場合、溶融金属の供給量を10kg/分のオーダーに抑
えなければならないことから、前述のようなストッパー
方式を採用することは困難であった。すなわち、原理的
には、ストッパーとノズル孔との隙間を、例えば、数mm
以下にすれば、溶融金属の供給量を10kg/分のオーダ
ーに抑えられると考えられるが、実際には、装置のガタ
などが存在することから、このような小さい隙間を維持
するのはほとんど不可能であった。
【0011】このようなストッパー方式で供給を制御で
きるのは、せいぜい数100kg/分程度である。よっ
て、液体急冷法により工業的に薄帯を製造するために
は、溶融金属の供給量を10kg/分のオーダーに抑えら
れる制御方法の開発が望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】液体急冷法における溶
融金属の少量供給を実現するために、本出願人は、特開
昭59−042161号公報記載の方法を提案した。こ
の方法は、サイホンの原理を応用した方法で、図5に示
すように、取鍋4とタンディッシュ5の間に溶融金属6
を通過させるためのサイホン管19を配し、サイホン管
19の上部に取り付けた真空排気装置(図示せず)を用
いて、サイホン管19の内部の空気を抜くと、サイホン
管19の内部に溶融金属6が充填される。その後、昇降
装置20を用いて、取鍋4を上下することにより、タン
ディッシュ5への溶融金属6の供給量を制御する方法で
ある。この方法により、取鍋4の上昇量を小さくするこ
とにより、タンディッシュ5への溶融金属6の少量供給
が可能となった。
【0013】しかしながら、この方法には製造コスト面
や生産性においてやや問題があり、さらに改善が必要と
されていた。つまり、用いるサイホン管の材質などに制
限があったことなどからコストが嵩んだり、サイホン管
の寿命の点からも問題があって、1チャージ当りの生産
量がトンのオーダーとなると、この方法を採用すること
は困難であった。本発明の目的は、液体急冷法の溶融金
属の供給制御において存在していたこのような問題を解
決し、例えば、前記特開昭59−042161号公報記
載のサイホン方式に代わる、10kg/分のオーダーの少
量供給を、安価に、かつ、生産量がトンのオーダーと長
時間鋳造となる場合でも、これを可能とする制御方法を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の構成を
要旨とする。溶融金属および合金を、高速で移動する冷
却基板上で急冷凝固する液体急冷法で線および薄い帯状
の金属および合金を製造する際の溶融金属および合金の
供給制御方法において、 側壁および底部に注湯用ノズル、かつ、前記側壁の注
湯ノズルから溶融金属および合金をオーバーフローさせ
るためのダミーボリュームを有する容器を、溶融金属お
よび合金を供給する側の取鍋と、受給側のタンディッシ
ュとの間に設置し、 前記取鍋から前記タンディッシュに溶融金属および合
金を供給する際に、前記取鍋からの溶融金属および合金
を、前記ダミーボリュームを充分上方に位置させた状態
の前記容器に受け、 前記容器に所定量溜まったら、前記取鍋からの溶融金
属または合金の供給を停止し、 それと同時に、前記ダミーボリュームを、所定の速度
で降ろして前記容器内の溶融金属および合金内に浸漬さ
せて、所定量の溶融金属および合金を前記容器の側壁の
注湯ノズルから、オーバーフローさせることによってタ
ンディッシュへ継続して誘導し、 次に、前記ダミーボリュームの底部が前記容器の底部
にまで接近したら、前記取鍋から前記容器への溶融金属
および合金の供給を再開し、 それと同時に、これまでと同量の溶融金属および合金
が、前記容器の側壁の注湯ノズルからタンディッシュへ
供給され、かつ、取鍋から供給される過剰な溶融金属お
よび合金は前記容器内に溜めるように予め設定した速度
で、今度は前記ダミーボリュームを上昇させ、 次に、前記容器内に溶融金属および合金が所定量溜ま
ったら、前記取鍋からの溶融金属または合金の供給を停
止し、それと同時に、再度、前記ダミーボリュームを所
定の速度で降ろして、これまでと同量の溶融金属および
合金を、前記容器の側壁の注湯ノズルからタンディッシ
ュへ継続して誘導する、一連の操作を前記取鍋の溶融金
属または合金がなくなるまで繰り返し、 最後に、前記容器内に残った溶融金属および合金を、
前記容器に取り付けたストッパーを解放して、タンディ
ッシュに供給することにより、前記取鍋から一定量の溶
融金属および合金を連続してタンディッシュに供給する
ことを特徴とする、溶融金属および合金の供給制御方法
である。
【0015】
【作用】以下に、本発明の方法について、図1に示す模
式図を用いて説明する。図1に示すように、本発明の方
法は、溶融金属6を供給する側の取鍋4と受給側のタン
ディッシュ5との間に、側壁に注湯ノズル1Aおよび底
部に注湯ノズル1B、さらに、側壁の注湯ノズル1Aか
ら溶融金属をオーバーフローさせるためのダミーボリュ
ーム2を有する容器(以下、中間容器と称す)1を配置
し、取鍋4からの溶融金属6をタンディッシュ5に供給
する際、この中間容器1を経由させるようにする。
【0016】なお、図1には、既に、中間容器1を介し
てのタンディッシュ5へ溶融金属6の供給がされている
様子を示していることから、中間容器1にある程度の溶
融金属6が溜まっているが、本発明の方法においては、
例えば、図1に示す取鍋ストッパー7を解放し、ロング
ノズル8を介して、予め、中間容器1内に所定量の溶融
金属6を溜めてから、タンディッシュ5への溶融金属6
の供給を開始する。なお、最初に取鍋4から中間容器1
に溶融金属6を供給する際は、ダミーボリューム2は注
湯ノズル1Aの付け根の位置より充分上方に位置させて
おくようにする。
【0017】中間容器1に溜められた溶融金属6は、ダ
ミーボリューム2を溶融金属6内に浸漬させ、さらに、
これを降下させることにより、注湯ノズル1Aからオー
バーフローするようになる。そして、このオーバーフロ
ーした溶融金属6は注湯ノズル1Aによって、タンディ
ッシュ5へと誘導される。なお、このとき、タンディッ
シュ5に取り付けられたタンディッシュストッパー9は
解放されており、溶融金属6が冷却ロール10上に噴出
されて薄帯11が得られる。また、中間容器ストッパー
3を降ろすことにより、中間容器1の底部に設けた注湯
ノズル1Bから溶融金属6が漏れないようにする。
【0018】ダミーボリューム2の降下速度は適宜選択
でき、この速度を調整することにより、任意の量の溶融
金属6をタンディッシュ5へ供給することが可能とな
る。但し、本発明においては、タンディッシュ5へ供給
する溶融金属6の量を、少量に制御することを目的にし
ていることから、本発明では、中間容器1からタンディ
ッシュ5へ供給される溶融金属6の量が、取鍋4から中
間容器1に供給される量より少ない場合に限定する。こ
のような中間容器1を用いる方法により、取鍋4からタ
ンディッシュ5に供給される溶融金属6の量を、例え
ば、+kg/分のオーダーに制御することが可能となる。
【0019】本発明の方法を図2に示す模式図を用い
て、さらに具体的に説明する。図2には、本発明の方法
を時間の経過に伴っての状態を示す模式図である。図2
の(1)には、取鍋2から溶融金属4を供給し始めたと
きの様子を示すが、この図に示すように、取鍋4からの
溶融金属6の供給は、例えば、取鍋ストッパー7を解放
することによって開始される。取鍋ストッパー7が解放
されると同時に、溶融金属6はロングノズル8を通って
中間容器1に供給される。
【0020】このとき、中間容器ストッパー3およびタ
ンディッシュストッパー9は、両者とも閉めた状態とす
る。取鍋4から供給された溶融金属6は中間容器1内に
溜まり、注湯ノズル1Aの高さまで達し、その後は注湯
ノズル1Aのところで溢れてタンディッシュ5へと誘導
され、図2の(1)に示すような状態に達する。
【0021】次に、タンディッシュ5内での溶融金属6
の湯面高さが所定の値に達したら、図2の(2)に示す
ように、取鍋ストッパー7を閉めて取鍋4からの溶融金
属6の供給を停止し、かつ、ダミーボリューム2を降ろ
して中間容器1内の溶融金属6に浸漬させ、さらに、タ
ンディッシュストッパー9を解放して、溶融金属6を冷
却ロール10の表面に噴出して鋳造を開始する。
【0022】その後は、図2の(3)に示すように、ダ
ミーボリューム2を所定の速度で降ろし、中間容器1内
の溶融金属6を注湯ノズル1Aからオーバーフローさせ
てタンディッシュ5へ供給して、タンディッシュ5内の
溶融金属6の湯面高さが一定になるようにする。すなわ
ち、タンディッシュ5から冷却ロール10に噴出すべき
量だけ、ダミーボリューム2の下降速度を制御して、中
間容器1からタンディッシュ5へ溶融金属6を供給す
る。
【0023】こうすることにより、タンディッシュ5へ
の溶融金属6の少量供給が実現でき、一定の板厚からな
る薄帯11が得られるようになる。なお、タンディッシ
ュ5内の溶融金属6の湯面高さが、冷却ロール10への
溶融金属6および噴出圧力を決定することになるが、こ
の湯面高さの好ましい値については、実施例において述
べる。また、ダミーボリューム2を下降させる際の速度
についても、実施例にて述べる。
【0024】さらに、ダミーボリューム2が中間容器1
の底部に達するほどに至ったら、つまり、中間容器1か
らオーバーフローさせる溶融金属6の量が少なくなった
ら、再び、取鍋ストッパー7を解放し、中間容器1への
溶融金属6の供給を再開する。これと同時に、ダミーボ
リューム2を所定の速度で上昇させて、中間容器1から
タンディッシュ5へ供給する溶融金属6の量をできるだ
け変動させないようにして、タンディッシュ5内の溶融
金属6の湯面高さを一定に維持するようにする。
【0025】このようにして、取鍋4から供給される過
剰な溶融金属6を中間容器1に溜めるようにする。図2
の(4)には、このようにすることにより、ある程度の
溶融金属6が中間容器1内に溜まった様子を示してい
る。
【0026】以上のような操作を、取鍋4内の溶融金属
6がなくなるまで継続して行う。そうすることにより、
取鍋4内の溶融金属6を連続して少量ずつ、タンディッ
シュ5へ供給することが可能となる。但し、この一連の
操作を繰り返しても、取鍋4に溶融金属6がなくなった
後、ダミーボリューム2が中間容器1の底部まで到達し
ても、最終的には中間容器1に溶融金属6が多少残るこ
とになる。
【0027】よって、本発明の方法では、最後に、中間
容器1に取り付けた中間容器ストッパー3を解放し、中
間容器1の底部に設けた注湯ノズル1Bから、中間容器
1に残った溶融金属6をタンディッシュ5に誘導する。
但し、このときの供給量を極力小さくするために、注湯
ノズル1Bの径はノズル詰まりを起こさない範囲内で小
さくし、ダミーボリューム2は溶融金属6内に浸漬しな
い程度に上方に後退させる。
【0028】なお、取鍋から溶融金属を供給する方法と
して、取鍋ストッパーを用いる方法を例にとって述べた
が、本発明の方法においては、取鍋から溶融金属を供給
する方法については特に限定せず、この方法以外に、例
えば、傾注によって溶融金属を取鍋から供給する方法も
採用できる。
【0029】また、本発明の方法においては、タンディ
ッシュと冷却ロールの位置関係についても特に限定しな
い。つまり、冷却ロールに対してタンディッシュを横に
置く場合を用いて説明したが、タンディッシュの位置は
冷却ロールの直上や斜めの位置になっても構わない。但
し、タンディッシュの位置が変わっても、ノズルスリッ
トが冷却ロールの面に対向するように、タンディッシュ
の位置に応じてタンディッシュの羽口、中間ノズル、ノ
ズルホルダーなどの位置を変える必要がある。
【0030】さらに、これまでタンディッシュを用いる
場合についてのみ述べたが、タンディッシュを用いず、
中間容器から冷却ロールに直接、溶融金属を供給する場
合も本発明の方法に含まれる。
【0031】本発明の方法で用いる中間容器の好ましい
寸法や材質については、実施例にて述べるが、用いる際
には、注湯ノズルやダミーボリュームを含め中間容器の
損傷や、溶融金属の温度低下を極力防止するため、溶融
金属を供給する前に、バーナーを用いる方法や通電加熱
などにより充分予熱する必要がある。
【0032】本発明の方法に適用し得る金属は、非晶質
になり易い合金や圧延などの加工が困難な金属および合
金の場合に特に利点が大きいが、これらに限定されるも
のではなく、各種の溶融金属からの薄帯の製造に適用可
能である。
【0033】また、本発明の方法において採用される基
本的な製造装置は、既に述べたように溶融金属をノズル
を介して冷却基板の上に噴出し、熱的接触によって急冷
凝固させる、液体急冷装置のうち、いわゆる単ロール装
置および双ロール装置である。単ロール装置には、ドラ
ムの内壁を使う遠心急冷装置やエンドレスタイプのベル
トを使う装置や、これらの改善型、例えば補助ロール
や、ロール表面温度制御装置を付属させたもの、あるい
は減圧下ないし真空中または不活性ガス中での鋳造も含
まれる。
【0034】次に、本発明の方法において採用される鋳
造条件および具体的な鋳造の作業について説明する。溶
融金属の噴出圧力は0.01〜3kg/cm2 で主にタンデ
ィッシュ内の湯面高さを用いて制御する。冷却ロールの
回転速度(表面速度)は5〜60m/秒の範囲である。
これらの条件は目的とする薄帯の板厚やその他の製造条
件に合わせて最適な値を選択する。
【0035】
【実施例】図3に示すような単ロール薄帯製造装置を用
いて、Fe−B12−Si6.5 −C1 (原子%)合金薄帯
の製造を行った。合金の溶解は、図1に示すような、取
鍋ストッパーおよびロングノズル付きの取鍋を用い、取
鍋内に取り付けた高周波誘導方式により行った。合金溶
解後、図1に示すように、溶融合金は中間容器を経由さ
せて、タンディッシュへと誘導した。
【0036】図6の(1)および(2)に、用いた中間
容器を示す。図6の(1)は、上方から見た図で、
(2)は側面から見た図である。中間容器1の形状は直
方体状で、内部の寸法は、a=200mm、b=350mm
であった。中間容器1の材質は、低部にジルコン−ロウ
石質の敷レンガを配し、その上に側壁の最外郭を鉄皮と
し、その内側はジルコン−ロウ石キャスタブルとした。
さらに、この容器の内側をマグネシア質のコーティング
材を塗布した。
【0037】この中間容器1には斜線で示したダミーボ
リューム2を取り付けた。このダミーボリューム2は、
アルミナ−カーボン製で、外側にはBNを数mmほど塗布
した。内部には予備加熱ができるように通電加熱装置を
取り付けた。また、油圧シリンダーと連結して昇降可能
とし、その昇降速度も制御できるようにした。
【0038】なお、このダミーボリューム2の寸法は外
寸で、c=180mm、d=110mm、e=240mm、f
=170mm、g=200mmであった。さらに、中間容器
1には、側壁に外径60mm、内径40mmの注湯ノズル1
A、底部に外径60mm、内径30mmの注湯ノズル1Bを
取り付け、注湯ノズル1Bの位置には、φ60mmの中間
ノズルストッパーを取り付けた。
【0039】取鍋での合金の溶解を開始すると同時に、
中間容器、ダミーボリュームおよびタンディッシュを予
熱した。なお、中間容器およびタンディッシュはガスバ
ーナーを用いて予熱した。合金が溶解した後、これらの
予熱を停止し、取鍋ストッパーを解放し、ロングノズル
を介して溶融合金の供給を開始した。なお、このとき、
タンディッシュストッパーおよび中間容器ストッパーは
閉めたままとした。
【0040】また、取鍋からの溶融合金の供給量は、お
よそ300kg/分とし、この程度の流量になるよう、ロ
ングノズル径および取鍋ストッパーの上昇ストローク長
さなどを予め調整した。
【0041】取鍋より供給された溶融合金を中間容器に
溜め、やがて、中間容器の側壁に設けた注湯ノズルの高
さ(h=150mm)まで達した以降は、この注湯ノズル
からオーバーフローさせてタンディッシュへと供給し
た。そして、タンディッシュ内の溶融合金の湯面高さが
250mmとなったところで、取鍋ストッパーを閉め、取
鍋からの溶融合金の供給を停止した。そして、タンディ
ッシュストッパーを解放し、溶融合金を回転する冷却ロ
ール上に噴出した。
【0042】タンディッシュストッパーを解放した同時
に、ダミーボリュームを中間容器内の溶融合金に浸漬さ
せ、3.1mm/秒(45秒で140mmのストローク)の
速度で下降させた。こうして、溶融合金を中間容器側壁
の注湯ノズルからオーバーフローさせてタンディッシュ
へ供給した。
【0043】ダミーボリュームの溶融合金への浸漬を開
始してから45秒後、取鍋ストッパーを解放し、取鍋か
らの溶融合金の供給を再開した。なお、取鍋からの溶融
合金の供給を再開したと同時に、ダミーボリュームを今
度は、14mm/秒(10秒間で140mmのストローク)
の速度で上昇させた。10秒間後、取鍋ストッパーを閉
め、取鍋からの溶融合金の供給を停止し、ダミーボリュ
ームを再度、前回と同様の速度(3.1m/秒)で下降
させた。
【0044】その後は、これまでの操作を取鍋内の溶融
合金がなくなるまで繰り返し、最後に、ダミーボリュー
ムを下降しても、中間ノズルの壁面の注湯ノズルから溶
融合金がオーバーフローしなくなった時点で、中間容器
からダミーボリュームを素早く上昇させると同時に、中
間容器ストッパーを解放して、中間容器に残った溶融合
金を、中間ノズルの底部に設けた注湯ノズルを介してタ
ンディッシュへ供給した。そして、タンディッシュ内に
溶融合金がなくなったところで、冷却ロールを止め、薄
帯の製造を終了した。
【0045】なお、その他の製造条件については下記の
通りであった。 注湯時の取鍋内溶融合金温度:1350℃ ノズル開口形状:120mm×0.7mmの矩形状スリット
を1.5mm間隔に2本並べた開口 ロール表面速度:20m/s ノズルギャップ:0.3mm ダミーボリュームの予熱温度:1200℃
【0046】結果として、幅がおよそ120mmの薄帯が
得られた。得られた薄帯から、長手方向で間隔を均等と
した5箇所の位置で、それぞれ長さ20mmのサンプルを
採取し、それらの重量を測定した。その結果、いずれの
サンプルともおよそ0.9kgであった。採取した20m
のサンプルは、1秒間に製造された薄帯に相当する。よ
って、この結果から、タンディッシュに供給された溶融
合金の量は、およそ54kg/分であったことがわかる。
得られた薄帯は、板厚がおよそ50μmで、磁気的性
質、機械的性質とも良好な薄帯であった。以上の結果か
ら、傾動容器を用いることにより、10kg/分のオーダ
ーでの溶融合金の少量供給が可能となることがわかっ
た。
【0047】
【発明の効果】本発明により、単ロール法などの液体急
冷法において、安価に、かつ、生産量がトンのオーダー
と長時間鋳造となる場合でも、10kg/分のオーダーで
の溶融金属の少量供給ができるようになったことから、
薄帯を安価に生産することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を説明する模式図である。
【図2】(1)〜(4)は本発明の方法を経時変化ごと
に説明する模式図である。
【図3】単ロール急冷凝固薄帯製造装置を用いての鋳造
の様子を説明する模式図である。
【図4】単ロール急冷凝固薄帯製造装置を用いての鋳造
の様子を説明する拡大模式図である。
【図5】従来の方法を説明する模式図である。
【図6】実施例で用いた中間容器などの形状、寸法を説
明するための模式図である。
【符号の説明】
1 中間容器 1A 側壁の注湯ノズル 1B 低部の注湯ノズル 2 ダミーボリューム 3 中間容器ストッパー 4 取鍋 5 タンディッシュ 6 溶融金属 7 取鍋ストッパー 8 ロングノズル 9 タンディッシュストッパー 10 冷却ロール 11 薄帯 12 羽口レンガ 13 中間ノズル 14 ノズルホルダー 15 溶湯流路 16 ノズルチップ 17 ノズルスリット 18 拡大内部空間 19 サイホン管 20 昇降装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属および合金を、高速で移動する
    冷却基板上で急冷凝固する液体急冷法で線および薄い帯
    状の金属および合金を製造する際の溶融金属および合金
    の供給制御方法において、 側壁および底部に注湯用ノズル、かつ、前記側壁の注
    湯ノズルから溶融金属および合金をオーバーフローさせ
    るためのダミーボリュームを有する容器を、溶融金属お
    よび合金を供給する側の取鍋と、受給側のタンディッシ
    ュとの間に設置し、 前記取鍋から前記タンディッシュに溶融金属および合
    金を供給する際に、前記取鍋からの溶融金属および合金
    を、前記ダミーボリュームを充分上方に位置させた状態
    の前記容器に受け、 前記容器に所定量溜まったら、前記取鍋からの溶融金
    属または合金の供給を停止し、 それと同時に、前記ダミーボリュームを、所定の速度
    で降ろして前記容器内の溶融金属および合金内に浸漬さ
    せて、所定量の溶融金属および合金を前記容器の側壁の
    注湯ノズルから、オーバーフローさせることによってタ
    ンディッシュへ継続して誘導し、 次に、前記ダミーボリュームの底部が前記容器の底部
    にまで接近したら、前記取鍋から前記容器への溶融金属
    および合金の供給を再開し、 それと同時に、これまでと同量の溶融金属および合金
    が、前記容器の側壁の注湯ノズルからタンディッシュへ
    供給され、かつ、取鍋から供給される過剰な溶融金属お
    よび合金は前記容器内に溜めるように予め設定した速度
    で、今度は前記ダミーボリュームを上昇させ、 次に、前記容器内に溶融金属および合金が所定量溜ま
    ったら、前記取鍋からの溶融金属または合金の供給を停
    止し、それと同時に、再度、前記ダミーボリュームを所
    定の速度で降ろして、これまでと同量の溶融金属および
    合金を、前記容器の側壁の注湯ノズルからタンディッシ
    ュへ継続して誘導する、一連の操作を前記取鍋の溶融金
    属または合金がなくなるまで繰り返し、 最後に、前記容器内に残った溶融金属および合金を、
    前記容器に取り付けたストッパーを解放して、タンディ
    ッシュに供給することにより、前記取鍋から一定量の溶
    融金属および合金を連続してタンディッシュに供給する
    ことを特徴とする溶融金属および合金の供給制御方法。
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CN111922311A (zh) * 2020-07-24 2020-11-13 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 连铸生产过程的中包液位控制方法
CN111922311B (zh) * 2020-07-24 2022-04-08 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 连铸生产过程的中包液位控制方法

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