JPH08225180A - ベルト搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 数少ない部品構成でベルトの蛇行及びベルト
端部の損傷を防止できるようにする。 【構成】 ベルトを張架して回転する複数のロールと、
ベルト端面に当接してベルトの幅方向の移動を規制する
ベルトガイド部材とを備えたベルト搬送装置において、
少なくとも１つのロールを支持しするフレームが、軸方
向に、上記ベルトガイド部材に対して弾性移動可能にし
た構成になっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機の画像
形成装置等に使用されるベルト搬送装置に係わり、詳し
くは、ベルトの蛇行防止手段を有するベルト搬送装置の
改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子写真複写機の画像形成装置等
に使用されるベルト搬送装置において、ベルトの蛇行及
びベルト端部の損傷を防止するために、例えば特開昭５
８−１７７８１１号公報に示されたベルト搬送装置で
は、スリットが多数形成されたロールを用いてベルト端
部にかかる力を低くおさえている。また他の従来の技術
として特開平４−１２９９４４号公報に示されたものが
あり、これはベルト搬送装置のフレームとロールとの間
に一対の弾性部材を設けロールの軸方向の規制を行な
い、かつエッジガイド（ベルトガイド部材）をベルト端
面に当接している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の前者
におけるロールは、軸方向に柔軟な構造になっている
が、製造が難しく、また、精度もだしにくく、コストが
かかるという問題があった。一方後者の従来の技術にあ
っては、上記問題点が改良されているが、これのロール
は、軸方向に移動可能でなければならず、その構成は、
ベルト搬送装置のフレームにベアリングで支持されたシ
ャフトと、このシャフトに取り付けられた直線運動及び
回転運動兼用ベアリング及びその外輪に摺接する中空ロ
ール等からなっており、やはり、コストがかかり、また
部品点数も多いという問題があった。

【０００４】本発明は上記のことにかんがみなされたも
ので、数少ない部品構成でベルトの蛇行及びベルト端部
の損傷を防止し得る安価なベルト搬送装置を提供するこ
とを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る画像形成装置のベルト搬送装置は、ベ
ルトを張架して回転する複数のロールと、ベルト端面に
当接してベルトの幅方向の移動を規制するベルトガイド
部材とを備えたベルト搬送装置において、少なくとも１
つのロールを支持しするフレームが、軸方向に、上記ベ
ルトガイド部材に対して弾性移動可能にした構成となっ
ている。ロールを軸方向へ弾性移動可能に支持する支持
部材のばね定数を８０Ｎ／ｍｍ以下にしてある。

【０００６】

【作 用】ベルトが蛇行して、これの側端がベルトガ
イド部材に当接したときにおいて、このときの当接力
が、ロールを弾性支持している支持部材の付勢力より大
きくなると、この支持部材が弾性変形して、ロールは上
記エッジガイド部材への当接方向と逆方向に移動して上
記エッジガイド部材への当接力が減じられる。

【０００７】

【実 施 例】本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１は本発明に係るベルト搬送装置１を用いた画像
形成装置２を備えた電子写真複写機の一例を示すもの
で、原稿は画像読み取り装置３のＣＣＤ４で読み取ら
れ、各色成分に分解され画像情報となりメモリに格納さ
れる。この画像情報は適当な画像処理を行ない、まず第
１色目の画像情報で、書き込み装置５により帯電装置６
によりあらかじめ帯電された感光体７上に露光を行な
う。書き込み装置５は通常レザーとポリゴンにより走査
される。感光体７に露光された潜像は第１色目の現像機
８ａで現像される。感光体７上のトナーは帯電装置９で
中間転写ベルト１０に転写される。次に第２色目の画像
情報により、同様に第２色目の現像機８ｂを用いて感光
体７上のトナー像を中間転写ベルト１０上の第１色目の
トナー像と重ねて転写する。このように第４色目まで重
ねて中間転写ベルト上１０に重ねて転写して、用紙搬送
装置１１から搬送された用紙に転写ロール１２により一
括転写して、定着器１３により用紙上にトナー像が定着
され、多色画像を得ることができるようになっている。

【０００８】なお、図２、図３は異なる構成の電子写真
複写機を示すもので、図２に示すものは、感光体ベルト
７ａが用いられていて、この感光体ベルト１０ａに中間
転写ベルト１０が対接されており、図３に示すものは、
各色毎に感光体７ｂ，７ｃ，７ｄ，７ｅを用い、これら
に用紙搬送ベルト１０ｂが対接されていて、これにより
用紙が搬送されるようになっている。

【０００９】以下に、本発明に係る実施例を、図１、図
２に示した電子写真複写機における中間転写ベルト１０
を張架搬送するベルト搬送装置１について図４、図５に
ついて説明する。中間転写ベルト１０を張架する複数の
ロールのうちの１つのロールは蛇行防止ロール１４ａと
なっており、この蛇行防止ロール１４ａは軸方向に弾性
支持されている。また他のロール１４ｂはベルト搬送装
置１の前後のフレーム１５ａ，１５ｂに軸方向に固定し
て回転自在に支持されており、かつこのうちの１つのロ
ール１４ｂが従動ギヤ１６を介して駆動源（図示せず）
に連結されている。

【００１０】上記蛇行防止ロール１４ａは中実構造にな
っていて、これの両端の軸部にはブッシュ（軸受）１７
ａ，１７ｂが嵌合され、かつスナップリング１８にて軸
方向に係合されている。そしてこの両ブッシュ１７ａ，
１７ｂが、上記前後のフレーム１５ａ，１５ｂに一端を
ねじ等で結合した板ばね１９ａ，１９ｂに支持されてい
て、蛇行防止ロール１４ａはこの両板ばね１９ａ，１９
ｂの撓みにより軸方向に変位可能になっている。この各
板ばね１９ａ，１９ｂのロール軸方向の撓みに対するば
ね定数は８０Ｎ／ｍｍ以下にしてある。このように構成
されたベルト搬送装置１は図示しない位置決め部材によ
り本体に対する装脱可能に固定されるようになってい
る。

【００１１】上記ベルト搬送装置１を本体内に装着した
状態での蛇行防止ロール１４ａの軸方向両側部に対向す
る位置に、この蛇行防止ロール１４ａの両側のそれぞれ
の端面にわずかな隙間を有して対向するエッジガイド２
０ａ，２０ｂが、本体側に固着したブラケット２１，２
１に固着して設けられている。この各エッジガイド２０
ａ，２０ｂは図５に示すように、蛇行防止ロール１４ａ
の軸部が挿入するようにｕ字状になっていて、これの内
側面に、蛇行防止ロール１４ａと同一の半径部を有して
中間転写ベルト１０の蛇行防止ロール１４ａとのラップ
部の端部内面を案内するガイド部材２２が固着してあ
る。

【００１２】上記構成において、通常中間転写ベルト１
０は、これの端面がエッジガイド２０ａ，２０ｂのいず
れか一方に当接し、かつ蛇行防止ロール１４ａは両板ば
ね１９ａ，１９ｂの規制力による釣り合い位置に保持さ
れた状態で搬送が行なわれる。

【００１３】このとき、ベルト１０に蛇行が生じると、
これの一側端面が一方のエッジガイド２０ａの内面に強
く当接する。そしてこのエッジガイド２０ａへの当接力
が、蛇行防止ロール１４ａを支持している両板ばね１９
ａ，１９ｂの規制力より大きくなると、蛇行防止ロール
１４ａは両板ばね１９ａ，１９ｂの撓み変形により上記
ベルト１０の蛇行方向とは逆の方向に移動される。

【００１４】これにより、中間転写ベルト１０のエッジ
ガイド２０ａへの当接力が、この蛇行防止ロール１４ａ
の移動分だけ減じられることになり、このベルト１０の
蛇行方向の端部の座屈あるいは破損が防止される。この
とき、このベルト１０の端部内面はエッジガイド１０ａ
に固着されたガイド部材２２にてガイドされる。

【００１５】上記のようにして、蛇行防止ロール１４ａ
の軸方向の移動を規制する板ばね１９ａ，１９ｂのロー
ルの軸方向のばね定数を８０Ｎ／ｍｍ以下にすること
で、エッジフォース、すなわち、ベルト端面がエッジガ
イド２０ａ，２０ｂから受ける力を１５Ｎ以下に安定さ
せることができた。

【００１６】また図４で示した実施例では蛇行防止ロー
ル１４ａのみを板ばね１９ａ，１９ｂで軸方向に弾性支
持した例を示したが、上記板ばね１９ａ，１９ｂのかわ
りに、図６に示すように、本体の前後のフレーム側に取
付けられたブッシュ２３とベルト搬送装置１の前後のフ
レーム２３ａ，２３ｂに立てられたスタッド２４との間
にばね２５を介装してベルト搬送装置全体が本体フレー
ムに対して前後方向に弾性支持するようにしても良い。
この場合も蛇行防止ロール１４ａの両端はエッジガイド
２０ａ，２０ｂに対向されている。

【００１７】図７はさらに異なる例を示すもので、エッ
ジガイド２６ａ，２６ｂは本体に立設したスタッド２７
にブッシュ２８を介して摺動自在にかつ回動しないよう
に支持すると共に、ばね２９にてベルト端面側へ付勢し
て設けてある。このばね２９による付勢力を中間転写ベ
ルト１０の蛇行力と釣り合わせることによりエッジガイ
ド２６ａ，２６ｂがベルト端面の凹凸を吸収しながら効
果的にベルト１０の幅方向の移動、すなわち、ベルトの
蛇行を防止するようにしている。

【００１８】上記実施例は、図１、図２に示された電子
写真複写機における中間転写ベルト１０を用いたベルト
搬送装置について示したが、このベルト搬送装置は、図
２、図３に示す画像形成装置の感光体ベルト１０ａ、用
紙搬送ベルト１０ｂ等にもそのまま適用されることはい
うまでもない。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、複数のロールにベルト
を巻掛けてなる画像形成装置のベルト搬送装置におい
て、ベルトを張架して回転する、少なくとも１つのロー
ルに対してベルトが蛇行して、このロールの端面に対設
されたエッジガイドにベルトの端面が当接したときに、
この当接力に応じてロールが上記ベルトの蛇行方向と逆
方向に弾性移動されて上記蛇行によるベルトのエッジガ
イド側への当接力が減じられ、ベルト蛇行によるベルト
端部の損傷を防止できる。そしてこのための構成は簡単
であると共に、構成部品が少なくなり、安価なベルト搬
送装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明を適用しようとする電子写真複写機の
一例を示す構成説明図である。

【図２】 本発明を適用しようとする電子写真複写機の
他例を示す構成説明図である。

【図３】 本発明を適用しようとする電子写真複写機の
他例を示す構成説明図である。

【図４】 本発明の第１の実施例を示す構成説明図であ
る。

【図５】 本発明の第１の実施例における要部を示し分
解斜視図である。

【図６】 本発明の他の実施例を示す構成説明図であ
る。

【図７】 本発明の他の実施例を示す構成説明図であ
る。

【符号の説明】

１…ベルト搬送装置、１０…中間転写ベルト、１０ａ…
感光体ベルト、１０ｂ…用紙搬送ベルト、１４ａ…蛇行
防止ロール、１５ａ，１５ｂ，２３ａ，２３ｂ…フレー
ム、１６…従動ギヤ、１７ａ，１７ｂ…ブッシュ、１９
ａ，１９ｂ…板ばね、２０ａ，２０ｂ，２６ａ，２６ｂ
…エッジガイド、２１…ブラケット、２２…ガイド部
材、２４，２７…スタッド、２５…ばね。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベルトを張架して回転する複数のロール
   と、ベルト端面に当接してベルトの幅方向の移動を規制
   するベルトガイド部材とを備えたベルト搬送装置におい
   て、少なくとも１つのロールを支持しするフレームが、
   軸方向に、上記ベルトガイド部材に対して弾性移動可能
   にしたことを特徴とするベルト搬送装置。
2. 【請求項２】 ロールを軸方向へ弾性移動可能に支持す
   る支持部材のばね定数を８０Ｎ／ｍｍ以下にすることを
   特徴とする請求項１記載のベルト搬送装置。