JPH08207692A - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置

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Publication number
JPH08207692A
JPH08207692A JP7014626A JP1462695A JPH08207692A JP H08207692 A JPH08207692 A JP H08207692A JP 7014626 A JP7014626 A JP 7014626A JP 1462695 A JP1462695 A JP 1462695A JP H08207692 A JPH08207692 A JP H08207692A
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JP
Japan
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airbag
gas generator
gas
air bag
base plate
Prior art date
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Pending
Application number
JP7014626A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Watanabe
徹也 渡辺
Atsushi Terao
淳 寺尾
Kazuhiro Kaneko
和弘 金子
Hiromitsu Harada
博充 原田
Naoki Yamamoto
直樹 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Plast Co Ltd
Original Assignee
Nihon Plast Co Ltd
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Publication date
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  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】エアバッグ及びガス発生器をベースプレートに
簡単に且つ確実に固着でき、しかもエアバッグの膨張時
において強力に固定支持され、理想的な膨張形態を確保
すると共に、装置のコンパクト化と組み立ての容易性を
確保したエアバック装置を提供する。 【構成】ガス発生器(9) が長円筒状をなしており、同ガ
ス発生器(9) をエアバッグ(8) に内蔵させると共にその
両端部をエアバッグ(8) を介してベースプレート(7) に
固設する。長円筒状の前記ガス発生器は、長手方向の一
端部に信管部を有すると共に、他端部にガス噴出部を有
し、前記信管部は高圧ガス収納部に連結されている。好
適には、同ガス発生器(9) を筒状の整流部材(15)の内部
に収納保持させた状態でエアバッグ(8) 内に収容する。
同整流部材(15)の長手方向には複数のガス噴出孔(15b)
が整列して形成されており、同ガス噴出孔(15b) はガス
発生器(9) のガス噴出部から離間する方向に順次開口を
大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車に過激な衝撃が
作用したとき瞬時に膨張展開して乗員を保護するエアバ
ッグ装置に関し、更に詳しくは、エアバッグの膨張時の
欠損がなく、膨張形態を理想的に制御できると共に、装
置の組み立ても容易で且つコンパクト化が可能なエアバ
ック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の衝突事故等の発生時にお
ける乗員の安全を確保するための手段として、エアバッ
グ装置を通常に装備する車両が増加している。エアバッ
グ装置は、車両に強い衝撃を受けたとき瞬時にエアバッ
グを風船状に膨張させ、乗員の上半身を弾性的に支持す
ることにより、人体に加わる衝撃を大幅に緩和するた
め、安全ベルトの着用と共に極めて有効なものとされて
いる。
【0003】このエアバッグ装置に採用されるガス発生
器は、所定の径と厚さをもった円盤状のケース体に収納
され、その周壁部には複数個のガス噴出孔が等間隔に整
列して形成されている。この従来の円盤状のガス発生器
を採用するエアバッグ装置が、例えば実開平2−910
51号公報に開示されている。このエアバッグ装置は、
ガス発生器の周縁にフランジが延設されており、このフ
ランジとベースプレートの中央嵌着穴との間でエアバッ
グの開口端縁を挟着すると共に、ボルト等の締結手段に
よって3者を共締めにより固定一体化している。そし
て、ガス発生器の作動によるエアバッグの急激な膨張展
開をベースプレートと前記フランジとの挟着により受け
て、エアバッグの開口端縁を強力に支持し、その取付け
部分の破損を防ぎ、ガス抜けを防止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た従来のエアバッグ装置のごとくエアバッグの開口端縁
を円盤状のガス発生器の周面に形成されたガス噴出孔の
周辺に取り付ける場合には、エアバッグの開口端縁部に
強大な力が作用するため、その開口端縁を補強布等によ
り補強する必要があり、またベースプレートとガス発生
器のフランジとの間でエアバッグを挟持し、これをボル
ト等の締結部材にて締結するには、ガス発生器と略同一
の径を有するエアバッグの開口端縁部にボルトが挿通す
るための挿通孔を形成せざるを得ない。この挿通孔の周
辺には特に応力が集中するため、その裂断を防止するに
は強大な面圧を与えて挟持する必要があり、その結果、
エアバッグの固着部が大型化すると共に構造の簡略化が
図れない。
【0005】また、従来のガス発生器によるガス発生機
構は薬品の燃焼等の化学反応によりガスを発生させるも
のが多く、エアバッグ展開時には高温、高圧のガスが円
盤状のガス発生器の周壁部の噴出孔から放射状に噴射
し、これがエアバックカバーの取付部に向けられるた
め、樹脂製のエアバッグカバーの取付部付近に熱的影響
を与えるため、これを考慮しエアバッグの理想的な膨張
形態を実現するためには、特に熱的特性を配慮した材料
を用いてエアバッグカバーを成形しなければならず、コ
スト的にも高額なものとなってしまう。
【0006】更にまた、エアバッグは円盤状のガス発生
器の周縁部及び表面部に効率的に折り畳んで、ベースプ
レートとエアバッグカバーとの間の収納空間に格納され
るが、エアバッグは嵩張るためこの格納作業は手間がか
かり生産効率を著しく低下させる上に、自動化が難しく
エアバッグ装置も大型化しやすくなり、外観を損なうだ
けでなく、計器類の視認性を悪化させる。
【0007】本発明は上述の問題点を解決するためにな
されたもので、エアバッグが簡単な方法で確実に固着で
き、その膨張時における欠損がなく、理想的な膨張形態
を容易に実現できると共に、装置全体の奥行きを小さく
コンパクトにでき、エアバッグのカバー内への収納作業
の自動化も可能なエアバック装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、本発明の
主要な構成であるエアバッグとガス発生器とをベースプ
レートに固設してなるエアバッグ装置において、前記ガ
ス発生器が長円筒状をなしており、同ガス発生器がエア
バッグに内蔵された状態で、その両端部を同エアバッグ
の一部と共にベースプレートに固設してなることを特徴
とするエアバッグ装置により達成される。
【0009】そして、好適には前記ガス発生器が筒状の
整流部材の内部に収納保持されてなり、同整流部材には
前記エアバッグの膨張展開方向に向けてガス噴出孔が形
成される。また、前記エアバッグには、前記ガス発生器
の両端を外部に露出させる挿通孔が形成されると共に1
以上のベントホールを有しており、その少なくとも1個
のベントホールの開口が前記整流部材を挿入するに十分
な大きさを有する。
【0010】更に別な態様によれば、エアバッグの前記
挿通孔の一方がガス発生器本体を挿入するに十分な大き
さの開口を有すると共に、前記ベントホールが前記整流
部材を挿入するには不十分な大きさの開口であって、前
記整流部材は前記一方の挿通孔に挿入可能な寸法に分割
されており、この場合に前記ベントホールを排除すると
共に、エアバッグの構成素材の少なくとも一部に通気性
を有する編織物が適用することも可能である。このと
き、エアバッグの挿通孔周縁部は前記ベースプレートの
ガス発生器取付部とリテーナとの間で挟持される。
【0011】また、ベントホールから多種多様な部材を
エアバッグの内部に挿入可能である開口と所望の脱気能
力とを確保するため、前記ベントホールの形状を、例え
ば楕円形、菱形、スリット等の多様な形状とすることも
可能である。
【0012】
【作用】エアバッグモジュールを組み立てる最も一般的
な手法について説明すると、まず長円筒状のガス発生器
をエアバッグのベントホールからエアバッグの内部に挿
入する。前記ガス発生器の両端を内部から外部に露出さ
せるための挿通孔の開口面積に比べるとベントホールの
開口面積を大きく設定してあるため、同ベントホールか
らの前記挿入操作は容易である。そして、エアバッグの
内部に挿入されたガス発生器の両端を、それぞれ対応す
る挿通孔から露出させ、その両端部をベースプレートの
左右一対の取付部に適当な締結部材をもって強力に締結
する。このとき、必要に応じてワッシャや押さえリング
等を介装させる。このあとで、エアバッグをベースプレ
ートのエアバッグ支持面上に予め決められた順序で折り
畳み、エアバッグカバーの内部に押し込み、同カバーの
周縁部をベースプレートの周縁取付部に取付固定する。
【0013】本発明では、上記ガス発生器を長円筒状と
することによって、ガス発生器の収容部をベースプレー
トの上部に偏位させて配することが可能となり、同時に
エアバッグの折り畳み収容スペースを単純化できるた
め、エアバッグの折畳工程の自動化を容易にするばかり
でなく、同エアバッグのエアバッグカバー内への装填作
業が容易になり作業効率を向上させる。
【0014】また、上記構成による本発明の最も特筆す
べき機能は、エアバッグの支持領域が挿通孔の間、即ち
長円筒状のガス発生器の略全長にわたる点であり、同領
域の全域でエアバッグ膨張展開時の負荷を支えることに
ある。長円筒状のガス発生器本体は高圧ガス容器を保持
するための十分な強度を有しており、エアバッグの展開
初期においては、ガス圧がエアバッグと共にエアバッグ
カバーの開裂部を押し上げて開裂させようとする。それ
と同時に折り畳まれたエアバッグの内圧が長円筒状のガ
ス発生器のバッグ飛び出し方向とは反対側にも膨らもう
として作用するが、その膨らもうとする箇所に近接して
ベースプレートが存在すると共に、左右のブラケットに
一体に固定された長円筒状ガス発生器は構造材としてエ
アバッグの展開を全長にわたって支える。そのため、長
円筒状のガス発生器のバッグ飛び出し方向とは反対側に
エアバッグが膨らむことを阻止する。また、同時に長円
筒状ガス発生器の両端と左右のブラケットとによつてエ
アバッグを強力に挟持することが相まって、膨張時にお
けるエアバッグに作用する過大な荷重はガス発生器本体
の全長にわたって分散され、エアバッグ固着部に応力集
中が起こらず、その結果、エアバッグの取付け部におけ
る破損が確実に防止されると共に、エアバッグを設定さ
れた方向に確実に膨張展開させようとする。
【0015】更には、ベースプレートへのエアバッグ及
びガス発生器の固定が、単にガス発生器の左右端部をエ
アバッグの内部から挿通孔を介してベースプレートに形
決部材をもって締結すれだけで完了するため、作業性が
高く且つエアバッグはガス発生器の左右両端の2箇所で
固定されるに過ぎない。そのため、従来のようにボルト
等の締結部材を挿入するための孔をガス発生器のガス噴
出孔の周辺に多数形成する必要がなくなり、エアバッグ
の引き裂き応力が集中する開口部も多数存在しない。か
かる構造は、形状の簡略化と補助固定部材の削減につな
がり、装置全体の軽量化とコストダウンを可能にする。
また、エアバッグの展開中においても、エアバッグカバ
ーから飛び出すエアバッグを長円筒状ガス発生器の本体
のほぼ全長にて受け止めるため、エアバッグを比較的広
い面で支持して、その取付け部に荷重が集中せず、エア
バッグの破断がなくなり、エアバッグの固定部を厳しく
補強せずとも同部において破損することがない。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図示実施例により具体的に説
明する。図1は本発明による代表的なエアバッグ装置を
装着したステアリングホイールの正面図であり図2は図
1におけるI−I線の矢視断面図である。
【0017】ステアリングホイール1はそのホイールリ
ング1aの中心から下方に偏位した位置に複数のスポー
ク1bを介してボスプレート3を連結して構成される。
ボスプレート3の裏面側にはボス2が突出しており、こ
のボス2はステアリングシャフト4の上端に固着されて
いる。前記ボスプレート3の左右端部には図示せぬブラ
ケットが突設されており、同ブラケットにはエアバッグ
モジュール5のベースプレート7がトルクボルト等によ
って締結されている。
【0018】エアバッグモジュール5はエアバッグカバ
ー6、ベースプレート7、エアバッグ8及びガス発生器
9を備えており、図示例において前記エアバッグカバー
6は従来と同様に軟質の各種エラストマー樹脂から形成
され、取付枠部6aと同取付枠部6aの一面側に周囲を
越えて延びる庇部を有する平板状の開裂部6bとからな
り、前記開裂部6bには略H字状の肉薄線部からなるテ
アライン6cが形成されており、従来と実質的に変わる
ところがない。
【0019】エアバッグ8とガス発生器9はエアバッグ
カバー6とベースプレート7との間に形成される空間に
収納されており、本実施例におけるガス発生器9は前記
収納空間内の上部に左右に横臥して配され、その前方及
び下方の空間部にエアバッグ8が折り畳まれて収納され
ている。
【0020】以下、前記エアバッグモジュール5につい
て、その主要部をなすガス発生器9を中心に、各部材の
構成を詳説する。図3は本発明のエアバッグモジュール
の代表的な第1実施例の構造を一部省略して示す分解斜
視図である。ガス発生器9は本発明の最も特徴部をなす
ものであり、本体9aは従来の円盤状ではなく、両端が
閉鎖された細長い、例えば肉厚の金属製円筒体からな
る。この本体9aは内部に大量の不活性ガス、たとえば
窒素ガスを圧縮収納した図示せぬ高圧ガス容器と、起動
時にこの高圧ガス容器の壁面を局所破壊する図示せぬ起
動部とを内蔵している。円筒本体9aの一端面には2本
のリード線が内蔵の起動部と接続して外部に延出してい
る。本体9aの一端部の外周にはネジが切られて大径ネ
ジ部9bを構成しており、同大径ネジ部9bの内側と隣
接する外周にリング状にフランジ9cが形成されてい
る。また大径ネジ部9bの外周には縦方向に係合溝9g
が形成されている。一方、当該大径ネジ部9bとは反対
側の端面には小径ネジ部9dが溶接などにより一体に突
設されている。この小径ネジ部9dの取付位置は、後述
するようにガス発生器9をベースプレート7に取り付け
るにあたって、そのガス噴出孔9fの向きを一定にする
ため前記端面の中心から所定距離ずらしている。更に、
本体9aの小径ネジ部9d側の端部付近はリング状に細
くくびれた凹部9eが構成され、その凹部周面には内部
と連通する複数のガス噴出孔9fが等間隔に形成されて
いる。
【0021】本実施例に適用されるエアバッグ8は材質
的に従来のものと変わるところはなく、円形の例えばナ
イロン製の布を2枚合わせて外周を縫合した完全な袋状
をなしており、図4に示すごとく同エアバッグ8の一部
にはその膨張挙動を制御し、エアバッグ8内の空気を排
出すると共に、膨張時のエアバッグ8に外圧が働いたと
き所定の速度で抜気するためのベントホール8aが形成
されている。このベントホール8aの形状は通常円形を
なしており、その径は上記ガス発生器9の本体9aの径
より僅かに大きく設定されている。しかし、このベント
ホール8aの形状は円形に限定されることはなく、例え
ば後述するごとく楕円形、菱形、或いは所定の長さを有
する単なる切り込み等の多様な形状が採用できる。そし
て本発明のエアバッグは上述のガス発生器9の構造に由
来して、図4に示すようにベントホール8aの近傍にガ
ス発生器9の大径ネジ部9b及び小径ネジ部9dとそれ
ぞれに略同径で、各ネジ部9a及び9bを挿通可能にし
た挿通孔8b,8cが、互いに少なくともガス発生器9
の本体9aの長さ以上に離間して形成されている。
【0022】ベースプレート7は全体が矩形皿体を伏せ
た形状をなし、その枠部7aの左右端からはボスプレー
ト取付ブラケット7bが下方に突設されている。また本
実施例では、図3に示すようにエアバッグ8の収納形状
に合わせてベースプレート7の上面部に段差7cを設
け、ガス発生器支持面7dとエアバッグ支持面7eとを
形成することにより、自動車に搭載された後もエアバッ
グ8の収納形態が崩れることなく、確実な膨張とその段
部の案内により理想的な膨張形態を約束する。
【0023】更に、本実施例にあっては上述のガス発生
器9の構造に由来して、ベースプレート7にガス発生器
9の取付ブラケット10を別途取り付けるようにしてい
る。取付ブラケット10は左右一対の断面L字型の平板
材からなり、そのベースプレート取付部には複数のリベ
ット挿通孔10aが形成されている。また、ベースプレ
ート7のガス発生器支持面7dにもブラケット10を取
り付けるために前記リベット挿通孔10aに対応するリ
ベット挿通孔7fが形成されており、両者はリベット1
1により固着される。また一対の取付ブラケット10の
うち、一方のブラケットにはガス発生器9の大径ネジ部
9bと同径の大径ネジ部挿通孔10bが、他方のブラケ
ットにはガス発生器9の小径ネジ部9dと同径の小径ネ
ジ部挿通孔10cが形成され、大径ネジ部挿通孔10b
の内周にはガス発生器9に形成された上記係合溝9gと
係合する係合突部10dが突出している。
【0024】これらの部材を組み立ててエアバッグモジ
ュール5とするには、まず長円筒状のガス発生器9をエ
アバッグ8のベントホール8aからエアバッグ8の内部
に挿入する。図4に示すように、各ネジ部9b,9dの
挿通孔8b,8cに比べてベントホール8aは十分大き
な開口寸法としてあるため、この挿入操作は容易に行え
る。そしてガス発生器9の一端の大径ネジ部9bをエア
バッグ8の対応する挿通孔8bから露出させ、一方の取
付ブラケット10のネジ部挿通孔10bに、ネジ部9b
の係合溝9gとネジ部挿通孔10bの係合突起10dと
を係合させて位置決め挿入したのち、他端の小径ネジ部
9dをエアバッグ8の挿通孔8cから露出させて他方の
取付ブラケット10の対応するネジ部挿通孔10cに挿
通させる。
【0025】大径ネジ部9b及び小径ネジ部9dは、そ
れぞれナット12,14をもって締め付けられ、エアバ
ッグ8をガス発生器9とナット12,14との間で気密
的に挟着する。このとき、必要に応じてワッシャや押さ
えリング13等を介装させる。このあとでエアバッグ8
及びガス発生器9に固着された左右の取付ブラケット1
0をベースプレート7にリベット11により固着する。
次いで、エアバッグ8をベースプレート7のエアバッグ
支持面7e上に予め決められた順序で折り畳み、エアバ
ッグカバー6の内部に押し込み、同カバー6の周縁部を
ベースプレート7の周縁取付部に取付固定する。
【0026】このようにガス発生器9を長円筒状とする
ことによって、ガス発生器9の収容部をベースプレート
7の上部に偏位させて配することが可能となり、同時に
エアバッグ8の折り畳み収容スペースを単純化できるた
め、エアバッグ8の折り畳み工程の自動化が容易になる
ばかりでなく、同エアバッグ8をエアバッグカバー6内
に装填する作業が容易になり作業効率が向上する。
【0027】そして、上記構成による本発明の最も特徴
をなす機能として、エアバッグ8の支持領域が挿通孔8
b,8cの間、即ち長円筒状のガス発生器9の略全長に
わたる点にあり、同領域の全域でエアバッグ膨張展開時
の負荷を支える(図5及び図6参照)ことにある。長円
筒状のガス発生器本体9aは高圧ガス容器を保持するた
めの十分な強度を有している。エアバッグ8の展開初期
においては、ガス圧がエアバッグ8と共にエアバッグカ
バー6のテアライン6cを押し上げて開裂させようとす
る。それと同時に折り畳まれたエアバッグ8の内圧が長
円筒状のガス発生器9のバッグ飛び出し方向とは反対側
にも膨らもうとして作用する。しかし、その反対側に近
接してベースプレート7が存在すると共に、左右のブラ
ケット10に一体に固定された長円筒状ガス発生器9が
構造材としてエアバッグ8の展開を全長にわたって支え
るため、エアバッグ8は長円筒状のガス発生器9のバッ
グ飛び出し方向とは反対側に膨らむことも阻止される。
また、同時に長円筒状ガス発生器9の一端部のフランジ
9c及び他端部の端面と左右のブラケット10とによつ
てエアバッグ8を強力に挟持することとが相まって、膨
張時におけるエアバッグ8に作用する過大な荷重はガス
発生器本体9aの全長にわたって分散されるため、エア
バッグ固着部に応力集中が起こらず、その結果、エアバ
ッグ8の取付け部における破損が防止できると共に、エ
アバッグ8を設定された方向に確実に膨張展開させ得る
ようになる。
【0028】更には、ベースプレート7へのエアバッグ
8及びガス発生器9の固定が、単にガス発生器9の左右
ネジ部9b,9dをブラケット10のネジ部挿通孔10
b,10cに挿入すると共に、ナットにより締結する操
作によりなされるに過ぎず、ガス発生器9の左右両端の
2箇所で固定されるものであるため、従来のようにボル
ト等の締結部材を挿入するための孔をガス発生器9のガ
ス噴出孔9fの周辺に多数形成する必要がなくなり、エ
アバッグ8の引き裂き応力が集中する開口部も多数存在
しない。かかる構造は、形状の簡略化と補助固定部材の
廃止につながり、装置全体の軽量化とコストダウンを可
能にする。また、エアバッグ8の展開中においても、エ
アバッグカバー6から飛び出すエアバッグ8を長円筒状
ガス発生器9の本体9aのほぼ全長にて受け止めるた
め、エアバッグ8を比較的広い面で支持して、その取付
け部に荷重が集中せず、エアバッグ取付開口部(挿通孔
8b,8c)を厳重に補強せずとも同部において破損す
ることがない。
【0029】図7は第2実施例の主要部の分解斜視図で
ある。この第2実施例においても、エアバッグモジュー
ル5を構成するエアバッグカバー6、ベースプレート7
(ガス発生器取付ブラケット10を含む。)、エアバッ
グ8及びガス発生器9の構造及びエアバッグモジュール
の組み立て作業については上述の実施例と実質的に変わ
るところがない。
【0030】しかして、この第2実施例においては前記
ガス発生器9に整流部材15を装着している。この整流
部材15は、図示するごとく円筒状のガス発生器9に嵌
合する寸法をもつ中空円筒体の一部を軸線に沿って直線
状に膨出させて膨出部15aを形成すると共に、同膨出
部15aに沿って所定の間隔をもって複数のガス噴出孔
15bを形成している。そして同ガス噴出孔15bは、
前記ガス発生器9の小径ネジ部9dの端部側から他端側
にかけて孔の大きさを順次大きくしている。これはガス
発生器9の一端に偏ってガス噴出孔9fが存在するた
め、同ガス噴出孔9fから噴出されるガスをガス発生器
9の全長にわたり均等に噴出させるためである。
【0031】ガス発生器9に前記整流部材15を装着す
るにあたって、前記整流部材15に対するガス発生器9
の挿入位置決めが、例えばガス発生器9のフランジ9c
の内面に突起9hを設けると共に、整流部材15の一端
縁に凹部15cを形成しておき、前記突起9hを前記凹
部15cに係合させることにより行われる。こうして整
流部材15が装着されたガス発生器9はエアバッグ8の
ベントホール8aからエアバッグ8に挿入され、その左
右端部に形成された大小の径を有するネジ部9b,9d
をエアバッグ8の対応する挿通孔8b,8cに挿通して
外部に露出させ、以降は上記第1実施例と同様の操作で
エアバッグモジュールを組み立てる。なお、ガス発生器
9に対する前記整流部材15の装着は、ガス発生器9と
整流部材15とを個別に上記ベントホール8aからエア
バッグ8の内部に挿入してから、同ベントホール8aに
手を差し込んでエアバッグ8の内部で装着作業を行うよ
うにすることもできる。
【0032】かかる構成を備えた第2実施例によれば、
上記第1実施例の作用効果に加えて、次の作用効果を奏
する。前記整流部材15は、エアバッグ8の展開初期に
おいてエアバッグ8の折り畳みを展開させるように膨張
させるように、同整流部材15の上記ガス噴出孔15b
の向きが設定される。そのため、整流部材15から噴出
されるガスが設定方向に集中的にかつバランスよく導か
れるから、エアバッグカバー6のテアライン6cを効果
的に開裂させ、円滑に展開作動させることができる。特
に操舵中立状態にあるときのステアリングの略中央に取
付けられたエアバッグ装置において、長円筒状のガス発
生器9を同装置の内部上方に設置すると共に、同発生器
9によりエアバッグ8を支持固定する構造としているた
め、その展開初期においては水平方向に対してやや下方
に向けて展開させ、順次上方に膨らむように予めガスの
流れを設定することができるようになり、車両の衝突時
などに、例えばシートベルトで拘束される運転者はシー
トベルトのテンショナが作用するまでの衝突直後は慣性
力により運転姿勢のまま前進するが、このとき運転者の
胸部ならびに腹部に向けてエアバッグ8が展開される。
そして、その僅か後にシートベルトテンショナがロック
されると、胸部にタスキ状に掛けられたベルトを支点と
して運転者の上体がステアリングに倒れ込むように移動
するが、このときには既に完全に展開したエアバッグ8
によって頭部が受け止められる。このように衝突時等に
おける運転者の動きとシートベルトの作用とにタイミン
グを合わせてエアバッグ8を展開させることができるよ
うになるので、エアバッグ装置としての機能が最大限に
発揮される。
【0033】更に、より好ましい整流部材を採用した実
施例として、図8に本発明の第3実施例のエアバッグモ
ジュール5の分解斜視図を示す。本実施例のガス発生器
9′も両端が閉鎖された細長い円筒体であり、実質的な
構造は第1実施例のものと同様であるが、その取り付け
手順の違いから多少部材の構造が異なる。即ち本体9
a′は2本のリード線が貫通している端部側が径のやや
小さい第1胴部9a′−1と、他端側が径の大きい第2
胴部9a′−2となっており、両胴部の間にその周面に
は内部と連通する複数のガス噴出孔9fが等間隔に設け
られているリング状に細くくびれた凹部9e′が形成さ
れている。更に本体9a′のリード線が貫通している端
部周縁にはリング状にフランジ9c′が突設されてい
る。
【0034】また整流部材15′は一端が開放され他端
が閉鎖された中空円筒状体で、長さはガス発生器9′の
本体9a′と同一に、径はガス発生器の第2胴部9a′
−2よりやや大きく設定されている。その開放端付近に
は同一円周上にリング状のフランジ15d′が突設さ
れ、所定の間隔をもって複数のガス噴出孔15b′が直
線状に且つ前記ガス発生器9′のフランジ9c′を有す
る端部側から他端側にかけて各孔の大きさを順次大きく
して形成されている。これはガス噴出孔9f′から噴出
されるガスをガス発生器9′の全長にわたり均等に噴出
させるためである。一方、整流部材15′の閉鎖端面に
はガス発生器9′を同整流部材15′に装填したとき
に、第2胴部9a′−2が整流部材15′に接し、ま
た、整流部材15′のガス噴出孔15b′が適当な方向
を向いて位置決めできるように、小径ネジ部9dが挿通
するための挿通孔15f′が形成されている。
【0035】上記第3実施例のガス発生器9′及び整流
部材15′の構造を採用する場合には、ベースプレート
7にはその左右端から上方にガス発生器9′の取付ブラ
ケット7gを整流部材15′の長さと等しい寸法だけ離
間させて一体に突設させている。左右一対の取付ブラケ
ット7gには、それぞれにガス発生器9の第1胴部挿通
孔7hと小径ネジ部挿通孔7iが形成されている。
【0036】これらを組み立てる際には、先ずエアバッ
グ8内に整流部材15′のみをベントホール8aから収
納し、挿通孔8bから整流部材15′の開放端を露出さ
せ、その露出端に整流部材15′より大きな径で、フラ
ンジ15d′よりも小さな径をもつ固定リング18を取
り付ける。この固定リング18は金属製帯材からなり、
その一端縁がU字状に外側に折り曲げられており、その
他端縁が内側に僅かにL字状に折り曲げられている。そ
して、この固定リング18の帯幅は整流部材15′のフ
ランジ15d′から突出する端部長さよりも僅かに大き
く設定されている。また、同固定リング18の内面から
は適当な位相差をもって複数の爪部18aが突設されて
おり、エアバッグ8の挿通孔8bの端縁部を前記U字状
の折曲端部18bとフランジ15d′とにより挟持する
と共に、前記爪部18aを整流部材15′の外周に噛み
込ませる。
【0037】このように固定リング18により整流部材
15′の開放端とエアバッグ8を一時的に仮止めしてか
ら整流部材15′の小径ネジ部挿通孔15b′をエアバ
ッグ8の対応する挿通孔8cに重ね、整流部材15′を
ベースプレート7のブラケット7g間にエアバッグ8を
介して載置する。その後、ガス発生器9′を小径ネジ部
9d′の側からベースプレート7の取付ブラケット7g
の第1胴部挿通孔7hを通して挿入し、エアバッグ8及
び整流部材15′を貫通して小径ネジ部9dをブラケッ
ト7gの小径ネジ部挿通孔7iから外部に突出させる。
この突出したガス発生器9′の小径ネジ部9d′をナッ
ト14で締めて固着する。
【0038】この固着状態の断面図を図9に示す。ガス
発生器9′は、ナット14を締め付けることにより、そ
のフランジ9c′と整流部材15′の開放端縁とで取付
ブラケット7gを強固に挟持して固着される。このと
き、整流部材15′の開放端に嵌合されている固定リン
グ18のL字状折曲部18cは更に内側に変形され、固
定リング18の両端縁部でベースプレート7の前記ブラ
ケット7gを介してガス発生器9′のフランジ9c′
と、エアバッグ8を介して整流部材15′のフランジ1
5d′とをそれぞれ強力に押圧し、エアバッグ8及びガ
ス発生器9′の固着力が増大させる。
【0039】かかる構成を備えた第3実施例によれば、
先に述べたように、ベースプレート7にガス発生器9′
を取り付けるためのブラケット7gを一体に形成するこ
とができるため、別に取付け用のブラケットを製造した
り、更には当該ブラケットをベースプレートへ固着する
といった工程を省くことができ、生産効率を向上させ
る。勿論、上述の第1及び第2実施例による作用効果を
失うこともない。
【0040】ここで、第2及び第3実施例において、2
種類の形態を有する整流部材15,15′について詳説
したが、これら整流部材15,15′ではガス噴出孔1
5b,15b′を所定の間隔をもって直線状に複数個設
けている。これら噴出孔15b,15b′の形状、個数
及び配列方法は上述のものに限られるものではなく、例
えば千鳥状に配列してエアバッグ8の膨出方向とエアバ
ッグカバー6のテアライン6cの二方向に同時にガスを
噴出させることもできる。更には、整流部材15,1
5′の略中央部に1つのガス噴出孔を設けた場合でもそ
の形状や孔径により、また孔の周縁に筒状のガイドノズ
ル等を設けることにより、エアバッグ8の所望の膨出方
向にガスを噴射させる構造とすることもできる。
【0041】以上、本発明の最も基本的な実施例につい
て述べてきた。ところで、上述のエアバッグモジュール
5を組み立てる作業ではエアバッグ8に形成されたベン
トホール8aを利用して、エアバッグ8内にガス発生器
9及び整流部材15を挿入する。従って、同ベントホー
ル8aは必然的にガス発生器9及び整流部材15の最大
円周長より大きい開口にせざるを得ない。
【0042】しかしながら、ベントホール8aは既述し
たとおりエアバッグ8の膨張時におけるエアバッグ8の
内部圧力をエアバッグ8が乗員と当接したときに乗員が
エアバッグに跳ね返されること等がない、乗員を保護す
るための適正な圧力とするため、圧力を外部に逃す内圧
調整用としての機能を有するものである。そのため、そ
の開口の大きさは車種や車両の仕様等により厳密に規定
されており、例えば小さな孔を複数設けるといった態様
や、ベントホールを設けることなくエアバッグの織り構
造により適当な通気性を有し、衝撃緩和のための排気が
なされる態様等も採用される。従って、ベントホールに
ガス発生器9や整流部材15を直接挿入することが不可
能となる場合が生じる。そこで、本発明はガス発生器9
の大径ネジ部9bの挿通孔8bを使ってガス発生器9や
整流部材15をエアバッグ8の内部に挿入できる態様に
ついて検討を重ねた。以下その実施例について説明す
る。
【0043】図10及び図11は本発明の第4実施例を
示している。この第4実施例では、エアバッグ8に複数
の小径のベントホール8aと、ガス発生器9のフランジ
9cと同径の挿通孔8b′と、ガス発生器9の小径ネジ
部9dと同径の挿通孔8cとが形成されている。その
他、ガス発生器9とベースプレート7の構造については
上記第1実施例と同様である。
【0044】しかして、エアバッグモジュール5を組み
立てる際には、ガス発生器9をエアバッグ8内に収容す
る作業に、ガス発生器9をフランジ9cと同径の挿通孔
8b′から挿入する。そしてガス発生器9のフランジ9
cを内部に、大径ネジ部9bをエアバッグ8の前記挿通
孔8b′から外部に露呈させ、同大径ネジ部9bをガス
発生器取付ブラケット10の挿通孔10bに、ネジ部9
bの係合溝9gと挿通孔10bの係合突起10dとを係
合させて挿入し、ナット12をしめて固定するが、この
とき前記挿通孔8b′がガス発生器9のフランジ9cと
同径であるため、フランジ9cと取付ブラケット10と
でエアバッグ8を挟持することは不可能である。そこで
本実施例では、図10に示すような半円形状の分割板材
16a,16bからなるリテーナ16及び略菱形の止め
ピン付き板材17とが使用される。半円形の2枚の分割
板材16a,16bは、その直径はエアバッグ8の前記
挿通孔8b′の径より大きく、且つその半径は同挿通孔
8b′に挿入可能な大きさに設定されている。更に、そ
の径部分には相手方と係合する凹凸部が形成され、両者
を係合した状態で、その中央に前記挿通孔8b′より小
径で且つガス発生器9の大径ネジ部9bと同径の円形孔
16cが形成されると共に、上記止めピン付き板材17
の一面から突出する上下一対の止めピン17aが挿入さ
れるピン孔16dが形成されており、また各分割板材1
6a,16bの円周部分にはその中心軸線に平行な庇部
16eが連続して形成されている。
【0045】図11は上記リテーナ16及び止めピン付
き板材17によるガス発生器9とエアバッグ8との固着
部を示す断面図である。同図に示すように、取付ブラケ
ット10の取付部周縁には上記リテーナ16の外周に形
成された庇部16eが嵌着する円周凹部10eが形成さ
れている。一対の分割板材16a,16b及び止めピン
付き板材17をエアバッグ8の前記挿通孔8b′から予
め内部に挿入しておき、エアバッグ8の内部にてガス発
生器9のフランジ9cの外側面に添わせるようにして前
記分割板材16a,16bの係合凹凸部を係合させると
共に、止めピン付き板材17の上下止めピン17aを分
割板材16a,16bの上下ピン孔16d,16dに挿
入してリテーナ16を一体化し、このリテーナ16と取
付ブラケット10とによりエアバッグ8を挟持した状態
でナット12を締めて固着する。このときリテーナ16
の庇部16eが取付ブラケット10の円周凹部10eに
嵌着するため、エアバッグ8上記挿通孔8b′の周縁部
が図11に示すように変形しながら挟持されるため、エ
アバッグ8の固着力が強まる。
【0046】かかる構成を備えた第4実施例のエアバッ
グ装置にあっては、エアバッグ8には比較的小径で複数
のベントホール8aを有しているため、エアバッグ8の
膨張完了後に受ける運転者の衝撃緩和のための脱気は円
滑に行われる。ベントホール8aの径を長円筒状のガス
発生器9を挿入する目的で必要以上に大きく開口させる
必要がないため、理想的なガスベントホールの設定が可
能である。また、既述したごとくベントホール8aに代
えてエアバッグ8の一部又は全体を通気性を有する構成
をもつ織布等を使用することもできるが、本実施例の構
造によれば、ガス発生器9のフランジ9cと略同径の上
記挿入孔8b′を形成するだけで、例えばエアバッグ8
を構成する基材として通気性を有する織布を採用する場
合にあっても、ガス発生器9をエアバッグ8の内部に収
容することができる。また本実施例は整流部材15を組
み合わせることによって、第2実施例において説明した
と同様の作用効果を得ることができる。この場合、整流
部材15は、その外周の大きさが上記フランジ9cの外
周長より小さければ、上記挿入孔8b′からエアバッグ
8の内部に挿入することが可能である。
【0047】図12及び図13は本発明の第5実施例の
エアバッグモジュール5の分解斜視図及び断面図を示
す。この実施例は、エアバッグモジュールの組み立て時
にエアバッグのベントホールを使用しない場合の例であ
り、本実施例に適用されるガス発生器及び整流部材の構
造は上述の第3実施例に適用されたガス発生器9′及び
整流部材15′と略同様である。但し、整流部材15′
については、整流部材15′は円筒本体15′−1とフ
ランジ15d′を有する分割部材15′−2とに分割さ
れており、分割部材15′−2の一端は、例えば図13
に示すように前記本体15′−1に嵌合する小径嵌着部
15e′が設けられている点で、第3実施例の整流部材
15′とは異なるものである。この分割部材15′−2
の長さとそのフランジ15d′の径との和の値が、上記
挿入孔8bの円周長の1/2よりも小さければ、整流部
材15′の開放端と同径である前記挿入孔8bから同分
割部材15′−2をエアバッグ8の内部に挿入できる。
エアバッグモジュール5を組み立てる際には、まず円筒
本体15′−1と分割部材15′−2とを、それぞれエ
アバッグ8の内部に挿入してから、小径嵌着部15e′
を円筒本体15′−1に嵌着させて整流部材15′を組
み立てる。その後の手順は上述の第3実施例と同様であ
る。こうして整流部材15′を本体15′−1と分割部
材15′−2とから構成すれば、比較的小径のベントホ
ール8aからでも整流部材15′をエアバッグ8内に挿
入することができる。
【0048】かかる構成を備えた第5実施例のエアバッ
グ装置にあっても、エアバッグ8のベントホール8aの
有無及び形状(大きさ)について自由に選択でき、その
ため理想的なベントホールや通気性を有する構成をもつ
織布等の使用が可能となり、しかも上述の第4実施例と
同様のベントホールに関する作用効果が得られる。勿
論、本実施例は第3実施例において説明したと同様の作
用効果をも得ることができる。
【0049】図14には整流部材15の他の実施例を示
す。整流部材15は縦に分割され、分割された整流部材
15はそれぞれ分割縁にヒンジ結合部15fを有し、ピ
ン15gにより両者が結合される。このように分割する
ことにより、整流部材15の径よりも小径の孔から整流
部材15をエアバッグの内部に挿入することを可能にす
る。
【0050】更に図15にはベントホール8aの変形例
を示す。図に示すようにベントホール8aは楕円形や菱
形、ストップホール付スリットやS字状のスリット等に
形成できる。菱形のベントホール8aから整流部材15
を挿入する際の開口状態を図16に示し、S字状のスリ
ットによるベントホール8aから整流部材15を挿入す
る際の開口状態を図17に示す。図16,17に示すよ
うに、これら変形例によるベントホール8aから整流部
材等の各種部品を挿入する際には、図16に示す菱形の
ベントホール8aの場合にその開口面に沿って短い対角
線を引き伸ばすように開き、また図17に示すS字状ス
リットからなるベントホール8aにおいてはスリットの
相対する開口縁を開口面に対して上下にずらすようにし
て開くと、開口は略円形に近い形状で大きく開くため、
比較的に大きな寸法をもつ部品の挿入作業が簡単に行え
る。
【0051】一方、エアバッグ8が膨張する際には、前
述の特殊な形態を有するベントホール8aの実質的な開
口面積自体は上述のごとく開いたときの実質的な円形の
ベントホールに比べて小さく、通気抵抗が大きくなるた
め、実質的には小さな径の円形ベントホールの通気量に
等しくなる。即ち、部品挿通用としては変形により大き
な開口が得られ、排気作用は小さなベントホールとな
る。従って、当該ベントホールは所定の排気特性を確保
すると同時に組立て用の部品挿入口としても利用できも
のとなる。なお、他にも端縁に補強を施したスリット状
開口、角部を滑らかな曲線とした三角形(おむすび形)
等多様な形状が採用される。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
によれば上述のように長円筒状のガス発生器を使用する
ことにより、第1にエアバッグをエアバッグカバー内に
挿入する作業が容易になるため作業効率が向上する。更
にエアバッグの固定がガス発生器の二箇所の取付位置と
それらの間、即ちガス発生器の略全長とでなされるた
め、その支持に確実性が増し、またエアバッグの膨張時
には、二箇所の取付位置に向かって直接ガスが噴出され
ることがなく、また取付位置にはエアバッグに必要以上
の貫通孔を別設する必要がないため、同取付位置に対す
る局所的応力の集中がなく負荷が小さくなる。そのた
め、エアバッグの取付部は厳重に補強される必要がな
い。従って、形状が簡単で補助固定部材を必要とせず、
軽量化とコストダウンが可能となる。
【0053】更には、整流部材と組み合わせることによ
ってガスが所望の方向に集中的に且つバランスよく導か
れるから、エアバッグカバーの開裂部を効果的に開口さ
せ、円滑に展開作動させることができる。特に操舵中立
状態のステアリング中央において取付けられたエアバッ
グ体を、その展開初期に水平方向に対してやや下方に向
かって展開させ、順次上方へと膨らませるようにガスの
流れを設定できるため、車両の衝突時などにおいて、シ
ートベルトで拘束された運転者がシートベルトテンショ
ナが作用するまでの衝突直後は、運転者の胸部ならびに
腹部にむけてエアバッグを展開し、その僅か後のシート
ベルトテンショナのロック時には、完全に展開したエア
バッグによって頭部を受け止め、運転者の上体がステア
リングに倒れ込むのを防ぐようエアバッグの展開が制御
され、シートベルトの作用に合わせてエアバッグ装置に
よる身体保護の効果が最大に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による代表的なエアバッグ装置を装着し
たステアリングホイールの正面図である。
【図2】図1におけるI−I線の矢視断面図である。
【図3】本発明のエアバッグモジュールの代表的な第1
実施例の構造を一部省略して示す分解斜視図である。
【図4】本発明のエアバッグの正面図である。
【図5】第1実施例のエアバッグモジュールのエアバッ
グが膨張したときの縦断面図である。
【図6】第1実施例のエアバッグモジュールのエアバッ
グが膨張したときのガス発生器部分の横断面図である。
【図7】本発明の第2実施例の主要部の分解斜視図であ
る。
【図8】本発明の第3実施例のエアバッグモジュール5
の分解斜視図である。
【図9】本発明の第3実施例による固着状態の断面図で
ある。
【図10】本発明の第4実施例の分割板対及びピン板材
の斜視図である。
【図11】分割板対及びピン板材とを用いたガス発生器
とエアバッグとの固着部の断面図である。
【図12】本発明の第5実施例のエアバッグモジュール
の分解斜視図である。
【図13】本発明の第5実施例のエアバッグモジュール
の断面図である。
【図14】整流部材の変形例の分解斜視図である。
【図15】ベントホールの変形例を示すエアバッグの正
面図である。
【図16】菱形のベントホールから整流部材を挿入する
際の斜視図である。
【図17】S字状のスリットによるベントホールから整
流部材を挿入する際の斜視図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 1a ホイールリング1a 1b スポーク1b 2 ボス2 3 ボスプレート 4 ステアリングシャフト 5 エアバッグモジュール 6 エアバッグカバー 6a 取付枠部 6b 開裂部 6c テアライン 7 ベースプレート 7a 枠部 7b ボスプレート取付ブラケット 7c 段差 7d ガス発生器支持面 7e エアバッグ支持面 7f リベット挿通孔 8 エアバッグ 8a ベントホール 8b, 挿通孔 8c 挿通孔 9 ガス発生器 9a 本体9a 9b 大径ネジ部 9c フランジ9c 9d 小径ネジ部 9e 凹部 9f ガス噴出孔 9g 係合溝 9h 突起 10 ガス発生器取付ブラケット 10a リベット挿通孔 10b 大径ネジ部挿通孔 10c 小径ネジ部挿通孔 10d 係合突部 11 リベット 12 ナット 13 ワッシャ(押さえリング) 14 ナット 15 整流部材 15a 膨出部 15b ガス噴出孔 15c 凹部 16 リテーナ 16a 分割板材 16b 分割板材 16c 円形孔 16d ピン孔 16e 庇部 17 ピン付き板材 17a ピン 18 リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 博充 静岡県富士市青島町218番地日本プラスト 株式会社内 (72)発明者 山本 直樹 静岡県富士市青島町218番地日本プラスト 株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグとガス発生器とをベースプレ
    ートに固設してなるエアバッグ装置において、前記ガス
    発生器が長円筒状をなしており、同ガス発生器がエアバ
    ッグに内蔵された状態で、その両端部を同エアバッグの
    一部と共にベースプレートに固設してなることを特徴と
    するエアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 前記ガス発生器が筒状の整流部材の内部
    に収納保持されてなり、同整流部材には前記エアバッグ
    の膨張展開方向に向けてガス噴出孔が形成されてなる請
    求項1記載のエアバッグ装置。
  3. 【請求項3】 前記エアバッグには、前記ガス発生器の
    両端を外部に露出させる挿通孔が形成されると共に1以
    上のベントホールを有してなる請求項1又は2記載のエ
    アバッグ装置。
  4. 【請求項4】 前記ベントホールの開口が前記整流部材
    を挿入するに十分な大きさを有してなる請求項3記載の
    エアバッグ装置。
  5. 【請求項5】 前記整流部材が2以上に分割されてなる
    請求項2記載のエアバッグ装置。
  6. 【請求項6】 前記エアバッグの構成素材の少なくとも
    一部に通気性を有する編織物が適用されてなる請求項1
    又は2記載のエアバッグ装置。
  7. 【請求項7】 前記ベースプレートのガス発生器取付部
    とリテーナをもってエアバッグの前記挿通孔周縁部を挟
    持してなる請求項1記載のエアバッグ装置。
  8. 【請求項8】 前記ベントホールが楕円形である請求項
    3記載のエアバッグ装置。
  9. 【請求項9】 前記ベントホールが菱形である請求項3
    記載のエアバッグ装置。
  10. 【請求項10】 前記ベントホールがスリットである請
    求項3記載のエアバッグ装置。
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