JPH0812665A - ヒドロキシフラバン化合物の製造方法 - Google Patents

ヒドロキシフラバン化合物の製造方法

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JPH0812665A
JPH0812665A JP6141760A JP14176094A JPH0812665A JP H0812665 A JPH0812665 A JP H0812665A JP 6141760 A JP6141760 A JP 6141760A JP 14176094 A JP14176094 A JP 14176094A JP H0812665 A JPH0812665 A JP H0812665A
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    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07D311/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業的有利にヒドロキシフラバン化合物を製
造する。 【構成】 多価フェノールとケトンとの縮合反応によ
り、式(I) (式中、R1 〜R5 はアルキル、シクロアルキル、アラ
ルキルまたはアリールを表すが、R2 とR3 はさらに水
素でもよく、またR1 とR2 、R4 とR5 がそれぞれ結
合してシクロアルカン環を形成してもよく、W、X、Y
およびZの少なくとも一つは水酸基を、残りは水素、ハ
ロゲン、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アラ
ルキル、アリールアルケニルまたはアリールを表す)で
示されるヒドロキシフラバン化合物を製造するにあた
り、酸触媒の存在下、水と混和しない有機溶媒中で、水
または種晶の存在下に上記縮合反応を行う。 【効果】 多価フェノールの反応率を高く保ちながら、
高収率でしかも高選択的にヒドロキシフラバン化合物が
製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多価フェノールとケト
ンとの縮合反応により、下式(I)
【0002】
【0003】(式中、R1 、R4 およびR5 はそれぞれ
独立に、アルキル、シクロアルキル、アラルキルまたは
アリールを表し、R2 およびR3 はそれぞれ独立に、水
素、アルキル、シクロアルキル、アラルキルまたはアリ
ールを表すが、R1、R2、R4およびR5 がいずれもア
ルキルである場合は、R1 とR2 が結合し、そしてR4
とR5 が結合して、それぞれ環を形成してもよく;W、
X、YおよびZの一つは水酸基を表し、残りはそれぞれ
独立に、水素、ハロゲン、水酸基、アルキル、アルケニ
ル、シクロアルキル、アラルキル、アリールアルケニル
またはアリールを表す)で示されるヒドロキシフラバン
化合物を製造する方法に関するものである。さらに詳し
くは、原料多価フェノールの反応率を高く保ちながら、
高収率でしかも高選択的に上記ヒドロキシフラバン化合
物を製造する方法に向けられている。
【0004】
【従来の技術】式(I)に包含されるヒドロキシフラバ
ン化合物を製造する方法は、従来から種々提案されてお
り、例えば英国特許第 822,659号、特開昭 55-139375号
公報、特開昭 56-5476号公報、特開昭 57-16877 号公
報、特開昭 57-114585号公報、特開昭 61-27979 号公
報、特開昭 61-27980 号公報、特開平 5-32654号公報、
特開平 6-56814号公報(=EP-A-582,309) などに記載があ
る。このヒドロキシフラバン化合物は通常、下式(II)
【0005】
【0006】(式中、W、X、YおよびZは前記の意味
を表す)で示される多価フェノールとケトンとの縮合反
応によって製造されている。
【0007】例えば英国特許第 822,659号は、多価フェ
ノールとアセトンとを、水溶媒中、無機酸触媒の存在下
で反応させる方法を開示している。特開昭 55-139375号
公報は、レゾルシンと脂肪族ケトンとを、無機酸触媒の
存在下、ケトンに対するレゾルシンの仕込みモル比が3
以上となる割合で反応させる方法を開示している。特開
昭 56-5476号公報は、レゾルシンと脂肪族ケトンとを、
陽イオン交換樹脂のような酸触媒の存在下で反応させる
方法を開示している。特開昭 57-16877 号公報および特
開昭 57-114585号公報は、α,β−不飽和脂肪族ケトン
を用いて、レゾルシンと縮合反応させる方法を開示して
いる。特開昭 61-27979 号公報は、レゾルシンと脂肪族
ケトンとを、酸触媒および中性塩の存在下で反応させる
方法を開示している。特開昭 61-27980 号公報は、脂肪
族ケトンの供給速度を調節しながら、レゾルシンとの縮
合反応を行う方法を開示している。特開平 5-32654号公
報は、レゾルシンとケトンとを、メタノール溶媒中で酸
触媒の存在下に反応させる方法を開示している。特開平
6-56814号公報(=EP-A-582,309) は、ピロガロールとケ
トンとを、酢酸エステルのような有機溶媒中で酸触媒の
存在下に反応させる方法を開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これら公知の方法にお
いて、多価フェノールを基準として式(I)で示される
ヒドロキシフラバン化合物の選択率を高くしようとする
と、ケトンに対する多価フェノールの仕込みモル比を
2.2〜3.3程度と大きくしなければならず、その結果、
多価フェノールの反応率が低く、多価フェノールを基準
とするヒドロキシフラバン化合物の収率が低くなるとい
う問題点を有していた。一方、多価フェノールの反応率
を向上させるため、ケトンに対する多価フェノールの仕
込みモル比を1付近に削減すると、樹脂化が進行し、ヒ
ドロキシフラバン化合物の選択性が低下してしまう。
【0009】本発明者らは、かかる事情に鑑み、公知の
方法が有していた欠点を解決し、工業的有利なヒドロキ
シフラバン化合物の製造方法を見出すべく鋭意研究を重
ねた結果、本発明を完成するに至った。したがって本発
明の目的は、多価フェノールの反応率を高く保ちなが
ら、高収率でしかも高選択的にヒドロキシフラバン化合
物を製造することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明は、前記式(II)で示される多価フェノール
とケトンとを、酸触媒の存在下、水と混和しない有機溶
媒中で、水または種晶の存在下に縮合させることを特徴
とする前記式(I)で示されるヒドロキシフラバン化合
物の製造方法を提供するものである。
【0011】本発明に係る製造方法の特徴は、多価フェ
ノールの反応率を高くし、しかも高収率かつ高選択的に
ヒドロキシフラバン化合物を製造するために、酸触媒の
存在下、水と混和しない有機溶媒中で、水または種晶の
存在下に、多価フェノールとケトンを縮合させる点にあ
る。ここで用いる水と混和しない有機溶媒の例として
は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族ハロゲン
置換炭化水素、芳香族ハロゲン置換炭化水素などが挙げ
られる。脂肪族炭化水素の具体例は、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどであり、芳香族炭化
水素の具体例は、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼ
ン、p−キシレン、o−キシレン、m−キシレン、混合
キシレン、p−シメン、o−シメン、m−シメンなどで
あり、またリグロインや石油ベンジンのような炭化水素
の混合物を用いることもできる。脂肪族ハロゲン置換炭
化水素の具体例は、ジクロロメタン、クロロホルム、四
塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどであり、芳香族
ハロゲン置換炭化水素の具体例は、クロロベンゼン、o
−ジクロロベンゼンなどである。これらの有機溶媒は、
それぞれ単独で、あるいは2種以上混合して用いること
ができる。 これらのなかでも、トルエン、キシレン、
シメンのような芳香族炭化水素または、クロロベンゼン
やジクロロベンゼンのような芳香族ハロゲン置換炭化水
素が好ましく用いられ、とりわけ好ましいものは、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素である。
【0012】このような有機溶媒は、仕込み多価フェノ
ールに対して、0.9〜3重量倍の範囲で存在させるのが
好ましく、さらには1〜3重量倍、とりわけ1.5〜2.5
重量倍の範囲で存在させるのが一層好ましい。 有機溶
媒の量があまり少ないと、大きな結晶塊が析出して攪拌
が困難になりやすく、また有機溶媒の量があまり多い
と、反応速度が低下する傾向にある。
【0013】本発明においては、反応の当初から水また
は種晶を存在させる必要がある。水を存在させる場合、
その量は特に制限されるものでないが、一般的にいう
と、触媒から水の持ち込み、すなわち触媒が水溶液で供
される場合の水溶液中の水や、触媒が水和物の形で供さ
れる場合の結晶水を含めて、触媒純分に対して0.1〜1
重量倍程度が好ましい。また種晶を存在させる場合、そ
の種晶は前記式(I)で示される化合物であり、その純
度は特に制限されないが、一般的には80重量%以上の
純度を有するものが好ましい。種晶の使用量も特に制限
されるものでないが、一般的にいうと、多価フェノール
に対して0.0001〜1重量倍の範囲が好ましい。もち
ろん、水と種晶の両者を反応の当初から存在させてもよ
い。
【0014】原料として用いる多価フェノールは、目的
とする式(I)のヒドロキシフラバン化合物に対応して
2〜5の価数をとりうるフェノールであり、前記式(I
I)で示される。この多価フェノールは、少なくとも2
個の水酸基を有する必要があることから、前記式(II)
中、W、X、YおよびZの少なくとも一つは水酸基でな
ければならない。また、少なくとも一つの水酸基の一方
のオルト位は、無置換、すなわち水素でなければならな
い。
【0015】W、X、YおよびZがすべて水酸基であっ
ても構わないが、いずれか一つ、二つまたは三つが水酸
基以外である場合は、それぞれ独立に、水素、ハロゲ
ン、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アラルキ
ル、アリールアルケニルまたはアリールであることがで
きる。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素およびヨ
ウ素が挙げられ、アルキルとしては、例えば炭素数1〜
5のもの、具体的にはメチル、エチル、プロピルなどが
挙げられ、アルケニルとしては、例えば炭素数2〜5の
もの、具体的にはエテニル、プロペニルなどが挙げら
れ、シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜7のも
の、具体的にはシクロペンチル、シクロヘキシルなどが
挙げられ、アラルキルとしては、例えばアルキル部位の
炭素数が1〜3のもの、具体的にはベンジル、フェネチ
ル、ナフチルメチル、α−メチルベンジル、α,α−ジ
メチルベンジルなどが挙げられ、 アリールアルケニル
としては、例えばアルケニル部位の炭素数が2〜3のも
の、具体的にはスチリル、α−メチルスチリルなどが挙
げられ、アリールとしては、例えばフェニル、ナフチル
などが挙げられる。W、X、YおよびZのいずれかがシ
クロアルキル、アラルキル、アリールアルケニルまたは
アリールの場合、それぞれの環は、例えば水酸基や炭素
数1〜4の低級アルキルなどで置換されていてもよい。
【0016】これら多価フェノールのなかでも、無置換
のまたは、アルキル、アラルキルもしくはアリールアル
ケニルで1回置換された2価または3価のフェノールが
好ましく用いられる。好ましい2価フェノールの例とし
ては、レゾルシン、2−メチルレゾルシン、4−メチル
レゾルシン、4−ヘキシルレゾルシン、4−tert−ブチ
ルレゾルシン、4−tert−オクチルレゾルシン、4−ス
チリルレゾルシン、4−クミルレゾルシン〔または4−
(α,α−ジメチルベンジル)レゾルシン〕、4−(3
−ヒドロキシフェニル)レゾルシン、5−メチルレゾル
シン、カテコール、ヒドロキノンなどを挙げることがで
き、また3価フェノールの例としては、ピロガロール、
フロログルシン、ヒドロキシヒドロキノンなどを挙げる
ことができる。これらのうちさらに好ましくは、無置換
のまたは、2−もしくは4−位がアルキルで置換された
レゾルシンが用いられる。
【0017】もう一方の原料化合物であるケトンは、前
記式(II)の多価アルコールとの反応により、前記式
(I)のヒドロキシフラバン化合物を与えるものである
ことができる。このケトンは通常、カルボニルに結合す
る一方の炭化水素基が脂肪族基であって、その脂肪族基
がα−位に水素を有するか、α,β−不飽和結合を有す
るか、またはβ−位に水酸基を有する。具体的には、下
式(III)
【0018】
【0019】(式中、R1 、R2 およびR3 は前記の意
味を表す)で示される脂肪族脂肪族もしくは脂肪族芳香
族ケトン、下式(IV)
【0020】
【0021】(式中、R1 、R2 、R4 およびR5 は前
記の意味を表す)で示されるα,β−不飽和ケトン、ま
たは下式(V)
【0022】
【0023】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR
5 は前記の意味を表す)で示されるβ−ヒドロキシケト
ンが用いられる。
【0024】式(III) 〜(V)において、R1 〜R5
いずれかがアルキルの場合、炭素数1〜5のものが好ま
しく、炭素数3以上のアルキルは直鎖状であっても分岐
していてもよい。R1 〜R5 のいずれかがシクロアルキ
ルの場合、炭素数3〜7であることができる。R1 〜R
5 のいずれかがアラルキルの場合、アルキル部位は炭素
数1〜3であることができ、アリール部位はフェニルま
たはナフチルであることができる。R1 〜R5 のいずれ
かがアリールの場合、フェニルまたはナフチルであるこ
とができる。R1 〜R5 のいずれかが、シクロアルキ
ル、アラルキルまたはアリールの場合、シクロペンチル
やシクロヘキシルのようなシクロアルキルおよび、フェ
ニルやナフチルのようなアリールは、それぞれ低級アル
キル、例えば炭素数1〜4のアルキルで置換されていて
もよい。
【0025】R1 、R2 、R4 およびR5 がいずれもア
ルキルである場合は、R1 とR2 が結合し、そしてR4
とR5 が結合して、それぞれシクロアルカン環を形成し
てもよい。このようなシクロアルカン環を形成する場合
は、通常、式(III) においてR1 とR2 が結合した環状
ケトンが用いられ、R1 とR2 の結合は、例えばトリメ
チレンやテトラメチレンを形成することができる。した
がって、R1 とR2 が結合する場合は、式(III) 中です
でに結合している炭素原子とともに、シクロペンタン環
やシクロヘキサン環などを形成することができる。
【0026】R1 〜R5 は以上説明した各種の基をとり
うるが、なかでも式(III) 〜(V)において、R1 、R
4 およびR5 がそれぞれ独立にアルキルであり、R2
よびR3 がそれぞれ独立に水素またはアルキルであるも
のならびに、式(III) において、R3 が水素であり、R
1 とR2 が結合してシクロアルカン環を形成したもの
が、好ましく用いられる。
【0027】式(III) で示されるケトンとしては、アセ
トン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、エチルプ
ロピルケトン、メチルイソブチルケトンのような対称ま
たは非対称のジアルキルケトン類、シクロペンタノンや
シクロヘキサノンのような環状ケトン類、対称または非
対称のジアラルキルケトン類、ベンジルアセトンのよう
なアラルキルアルキルケトン類、アセトフェノンのよう
なアリールアルキルケトン類などが例示される。
【0028】α,β−不飽和ケトンを表す式(IV)にお
いて、R1 、R2 、R4 およびR5は、広い意味では前
記のとおりであるが、この化合物の入手の容易さなどを
考慮すると、通常、R1 、R4 およびR5 はそれぞれ独
立にアルキルであり、R2 は水素またはアルキルであ
る。このα,β−不飽和ケトンは通常、R1 がアルキル
であり、R2 が水素またはアルキルであり、R3 が水素
である式(III) のケトンを脱水二量化することによって
製造されるから、通常は式(IVa)
【0029】
【0030】(式中、R1 およびR2 は前記の意味を表
す)を有する。式(IV)または(IVa) で示されるα,β
−不飽和ケトンの具体例としては、メシチルオキシド、
5−メチル−4−ヘプテン−3−オン、6−メチル−5
−ノネン−4−オン、5−エチル−4−メチル−4−ヘ
プテン−3−オンなどが挙げられる。
【0031】β−ヒドロキシケトンを表す式(V)にお
いて、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は、広い意味
では前記のとおりであるが、この化合物の入手の容易さ
などを考慮すると、通常、R1 、R4 およびR5 はそれ
ぞれ独立にアルキルであり、R2 およびR3 はそれぞれ
独立に水素またはアルキルである。このβ−ヒドロキシ
ケトンは通常、R1 がアルキルであり、R2 およびR3
がそれぞれ独立に水素またはアルキルである式(III) の
ケトンを二量化することによって製造されるから、通常
は下式(Va)
【0032】
【0033】(式中、R1 、R2 およびR3 は前記の意
味を表す)を有する。 式(V)または(Va)で示され
るβ−ヒドロキシケトンの具体例としては、ジアセトン
アルコール、5−ヒドロキシ−5−メチルヘプテン−3
−オン、6−ヒドロキシ−6−メチルノナン−4−オ
ン、5−エチル−5−ヒドロキシ−4−メチルヘプタン
−3−オンなどが挙げられる。
【0034】これらの各種ケトン類のなかでも、アセト
ン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、エチルプロ
ピルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンジルアセト
ン、メシチルオキシド、アセトフェノン、シクロペンタ
ノン、シクロヘキサノンなどが好ましく用いられる。さ
らに好ましいものは、アセトン、ジエチルケトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノンなどである。
【0035】以上のような多価フェノールおよびケトン
を縮合させることによって、前記式(I)で示されるヒ
ドロキシフラバン化合物が製造される。式(III) で示さ
れるケトンを用いた場合は、式(I)におけるR4 がC
HR2 3 、R5 がR1 となり、下式(Ia)
【0036】
【0037】(式中、R1 、R2 、R3 、W、X、Yお
よびZは前記の意味を表す)で示されるヒドロキシフラ
バン化合物が製造される。
【0038】式(IV)で示されるα,β−不飽和ケトン
を用いた場合は、式(I)におけるR3 が水素となり、
下式(Ib)
【0039】
【0040】(式中、R1 、R2 、R4 、R5 、W、
X、YおよびZは前記の意味を表す)で示されるヒドロ
キシフラバン化合物が製造される。また、式(IVa) で示
されるα,β−不飽和ケトンを用いた場合は、下式(I
c)
【0041】
【0042】(式中、R1 、R2 、W、X、YおよびZ
は前記の意味を表す)で示されるヒドロキシフラバン化
合物が製造される。
【0043】式(V)で示されるβ−ヒドロキシケトン
を用いた場合は、R1 ないしR5 が先に定義した任意の
基でありうる式(I)のヒドロキシフラバン化合物が製
造されるが、通常は、R1 、R4 およびR5 はそれぞれ
独立にアルキルであり、R2およびR3 はそれぞれ独立
に水素またはアルキルである。また、式(Va)で示され
るβ−ヒドロキシケトンを用いた場合は、前記式(Ia)
で示されるヒドロキシフラバン化合物が製造される。
【0044】式(I) において、R1 、R4 およびR5
はそれぞれ、先に説明したようなアルキル、シクロアル
キル、アラルキルまたはアリールであることができ、R
2 およびR3 はそれぞれ、先に説明したとおり、水素、
アルキル、シクロアルキル、アラルキルまたはアリール
であることができる。またR1、R2、R4 およびR5
いずれもアルキルである場合は、R1 とR2 が結合し、
そしてR4 とR5 が結合して、それぞれ、例えば炭素数
3〜7程度のシクロアルカン環を形成してもよい。R1
とR2 の結合は、例えばトリメチレンやテトラメチレン
を形成することができ、R4 とR5 の結合は、例えばテ
トラメチレンやペンタメチレンを形成することができ
る。したがって、R1 とR2 が結合し、R4 とR5 が結
合する場合は、式(I)中ですでに結合している炭素原
子とともに、シクロペンタン環やシクロヘキサン環など
を形成することができる。
【0045】原料事情、特に原料ケトンの入手の容易さ
を考慮すると、本発明において好ましく製造されるヒド
ロキシフラバン化合物は、前記式(Ia)で示される。な
かでも、R1 がアルキルであり、R2 およびR3 がそれ
ぞれ独立に水素またはアルキルであるものならびに、R
3 が水素であり、R1 とR2 が結合してシクロアルカン
環を形成したものが、好ましく製造され、とりわけ、R
1 がアルキルであり、R2 およびR3 がそれぞれ独立に
水素またはアルキルであるものが、好ましく製造され
る。
【0046】式(I)におけるW、X、YおよびZは先
に説明したとおり、それぞれ水素、ハロゲン、水酸基、
アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アラルキル、
アリールアルケニルまたはアリールであることができる
が、それらのうち少なくとも一つは水酸基でなければな
らない。なかでもXが水酸基であるものが好ましく、さ
らには、W、YおよびZがそれぞれ独立に水素またはア
ルキルであるものが好ましく製造される。
【0047】本発明において好ましく製造されるヒドロ
キシフラバン化合物の具体例としては、次のようなもの
を挙げることができる。
【0048】2,4,4−トリメチル−2′,4′,7
−トリヒドロキシフラバン 〔別名2,4,4−トリメ
チル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−7−ヒ
ドロキシクロマン〕、2,4,4−トリメチル−2′,
3′,4′,7,8−ペンタヒドロキシフラバン 〔別
名2,4,4−トリメチル−2−(2,3,4−トリヒ
ドロキシフェニル)−7,8−ジヒドロキシクロマ
ン〕、2,3′,4,4,8−ペンタメチル−2′,
4′,7−トリヒドロキシフラバン 〔別名2,4,
4,8−テトラメチル−2−(2,4−ジヒドロキシ−
3−メチルフェニル)−7−ヒドロキシクロマン〕、
2,4−ジエチル−4−メチル−2′,4′,7−トリ
ヒドロキシフラバン〔別名2,4−ジエチル−4−メチ
ル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−7−ヒド
ロキシクロマン〕、4−エチル−2,3,4−トリメチ
ル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン 〔別名
4−エチル−2,3,4−トリメチル−2−(2,4−
ジヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン〕、
2,4−ジイソブチル−4−メチル−2′,4′,7−
トリヒドロキシフラバン 〔別名2,4−ジイソブチル
−4−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)
−7−ヒドロキシクロマン〕、4−イソブチル−2,4
−ジメチル−3−イソプロピル−2′,4′,7−トリ
ヒドロキシフラバン 〔別名4−イソブチル−2,4−
ジメチル−3−イソプロピル−2−(2,4−ジヒドロ
キシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン〕、6−ヒド
ロキシ−4a−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,
2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロキサンテン−9−ス
ピロ−1′−シクロヘキサン 〔すなわち、式(I)に
おいて、W=Y=Z=R3 =H、X=OHであり、R1
とR2が結合してテトラメチレンを形成し、R4 とR5
が結合してペンタメチレンを形成した化合物〕、6−ヒ
ドロキシ−3a−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−
1,2,3,3a,9,9a−ヘキサヒドロシクロペンタ
〔b〕クロメン−9−スピロ−1′−シクロペンタン
〔すなわち、式〔I〕において、W=Y=Z=R3
H、X=OHであり、R1 とR2 が結合してトリメチレ
ンを形成し、R4 とR5 が結合してテトラメチレンを形
成した化合物〕など。
【0049】原料多価フェノールおよび原料ケトンの使
用量は特に制限されないが、通常は多価フェノールに対
し、化学量論量を基準としてケトンを0.5〜2倍、すな
わち前記式(III) で示されるケトンを用いる場合は0.5
〜2モル倍、前記式(IV)または式(V)で示されるケ
トンを用いる場合は0.25〜1モル倍の範囲とするのが
好ましく、さらには経済性の観点からすると、化学量論
量を基準としてケトンを1〜2倍の範囲で用いるのがよ
り好ましい。多価フェノールに対するケトンの仕込みモ
ル比があまり小さいと、未反応の多価フェノールが多く
残存し、結果として多価フェノールの反応率が低くな
り、また未反応の多価フェノールの除去を主たる目的と
して、最終生成物を精製する必要が生じてくる。一方、
多価フェノールに対するケトンの仕込みモル比があまり
大きいと、生成したヒドロキシフラバン化合物が残存す
る原料ケトンに溶解し、ヒドロキシフラバン化合物の選
択率が低下してくる。特に、多価フェノールに対するケ
トンの仕込みモル比が化学量論量を基準として1を下回
る場合および2を超える場合には、こうした好ましくな
い傾向が現れてくることがあるので、前記のとおり好ま
しくは、化学量論量を基準として、多価フェノールに対
するケトンの仕込みモル比は1〜2の範囲から選定され
る。 また、種晶の存在下に多価フェノールとケトンを
縮合させる場合は、化学量論量を基準としてケトンを1
〜1.4倍の範囲で用いるのが好ましい。
【0050】縮合反応に用いる酸触媒は酸性物質であれ
ばよく、いわゆるブレンステッド酸(プロトン酸)、ル
イス酸のいずれでもよい。 例えば、リン酸、ポリリン
酸、硫酸、塩酸、ホウフッ化水素酸のような無機酸およ
びそれらの金属塩、 ハロゲン化アルミニウム、ハロゲ
ン化亜鉛、ハロゲン化スズ(II)、三フッ化ホウ素、ス
ズ(II)トリフラート、イッテルビウム(III) トリフラ
ート、ランタン(III)トリフラート、セリウム(III) ト
リフラート、ネオジム(III) トリフラート、サマリウム
(III) トリフラート、ユウロピウム(III) トリフラー
ト、ガドリニウム(III) トリフラート、ルテチウム(II
I) トリフラート、スカンジウム(III) トリフラートの
ようなルイス酸、 さらにはシュウ酸、モノクロロ酢
酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢
酸、マレイン酸、フマル酸、m−ニトロ安息香酸、p−
トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸のような有機酸を用いることができ
る。ブレンステッド酸の場合は、とりわけ、酸解離定数
の逆対数pKa が3未満のものが好ましく用いられる。
水を反応当初から存在させる場合は、これらの酸触媒の
なかでも、特にリン酸が好ましく用いられる。これらの
酸触媒は、そのまま、あるいは適当な濃度の水溶液とし
て用いることができる。
【0051】酸触媒の使用量に特別な制限はないが、一
般的には、仕込み多価フェノールに対して0.005〜2
モル倍の範囲が好ましく、さらに好ましい範囲は、用い
る触媒の酸強度などによっても変化してくる。例えば、
pKa が大きい酸、すなわちリン酸、硫酸水素ナトリウ
ム、シュウ酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリク
ロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、フマル酸、
m−ニトロ安息香酸のような弱酸を触媒とする場合は、
多価フェノールに対し、0.3〜2モル倍の割合で用いる
のが好ましい。一方、硫酸、塩酸、ホウフッ化水素酸、
p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸のような強酸を触媒とする場合
は、多価フェノールに対し、0.005〜0.3モル倍の割
合で用いるのが好ましい。
【0052】本発明においては、原料の多価フェノール
およびケトン、有機溶媒、酸触媒、ならびに水または種
晶を互いに接触させることにより、反応が進行する。こ
れらの原料、有機溶媒、触媒、および水または種晶の仕
込み順序は任意であり、例えば、多価フェノール、ケト
ン、有機溶媒、酸触媒および水または種晶を一括して仕
込む方法、多価フェノール、有機溶媒、酸触媒および水
または種晶の混合物中に、ケトンを連続的または間欠的
に供給する方法、多価フェノール、ケトン、有機溶媒お
よび水または種晶の混合物中に、酸触媒を連続的または
間欠的に供給する方法などが挙げられる。ケトンまたは
酸触媒を滴下する場合、その滴下速度は特に制限されな
いが、ケトンを滴下する場合は通常、多価フェノール1
モルあたり毎時0.1〜1モルの範囲、酸触媒を滴下する
場合は通常、多価フェノール1モルあたり毎時0.005
〜0.1モルの範囲とするのが好ましい。 また必要に応
じて、原料仕込み前あるいは反応中に、窒素のような不
活性気体で反応容器内を置換してもよい。
【0053】反応温度にも特別な制限はなく、通常30
℃から還流温度の範囲で反応が行われる。反応時間も特
に制限されないが、通常は1〜20時間程度である。好
ましくは、多価フェノールに対し、化学量論量を基準と
してケトンを1倍以上用い、多価フェノールの反応率が
少なくとも80%を越えるまで反応が行われる。
【0054】こうした反応により、本発明で目的とする
式(I)のヒドロキシフラバン化合物は、反応中に結晶
として析出する。そして、得られるヒドロキシフラバン
化合物を取り出せばよく、その取り出し、さらには精製
の方法にも特別な制限はないが、通常は反応終了後、析
出した結晶を例えば濾過することにより固液分離し、さ
らにウェットケーキに付着した触媒および未反応原料を
水洗する方法が、好ましく採用される。また、さらに再
結晶などを行うことにより、高純度のヒドロキシフラバ
ン化合物を製造することもできる。
【0055】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定さ
れるものでない。例中、含有量を表す%は、特にことわ
らないかぎり重量基準である。
【0056】例1 温度計、冷却管、滴下漏斗および撹拌機を備え付けた四
つ口フラスコに、室温でレゾルシン55.1g(0.5モ
ル)、トルエン100gおよび85%リン酸水溶液2
8.8g(0.25モル)を仕込んだあと、フラスコ内を窒
素置換した。60℃まで昇温したあと、アセトン31.9
g(0.55モル)を滴下した。滴下終了後、還流下で8
時間反応させた。反応終了後、析出した結晶を室温で濾
過、水洗し、乾燥して、74.1gの無色粉末を得た。
【0057】得られた無色粉末は、プロトン核磁気共鳴
およびマススペクトルにより、2,4,4−トリメチル
−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンであること
を同定した。同定結果を以下に示す。
【0058】1H−NMR(装置:日本電子(株)製 GX
-270 ) 化学シフト(アセトン−d6 、TMS基準 ppm):0.67
(一重線, 3H); 1.19 (一重線, 3H);1.65 (一重線, 3
H); 1.85 (二重線, 14 Hz, 1H);2.95 (二重線, 14 Hz,
1H);6.15 (二重線, 7 Hz, 1H); 6.3-6.5 (多重線, 3H);
6.95 (二重線, 7 Hz, 1H); 8.05 (一重線, 1H);8.09
(一重線, 1H); 8.45 (一重線, 1H) マススペクトル(FD−MS):300
【0059】表1に、この反応におけるレゾルシンの反
応率、反応終了段階でキャッチした2,4,4−トリメ
チル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン(表中
ではフラバンと略記する)の反応したレゾルシンに対す
る選択率、乾燥後の2,4,4−トリメチル−2′,
4′,7−トリヒドロキシフラバンの純度、および仕込
みレゾルシンを基準とする2,4,4−トリメチル−
2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンの収率を示し
た。
【0060】例2 アセトン量を58.1g(1.0モル)、反応時間を12時
間とした以外は例1と同様の操作を行い、2,4,4−
トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン
65.4gを得た。反応成績を表1に示した。
【0061】例3 85%リン酸水溶液の仕込み量を14.4g(0.13モ
ル)、反応時間を4時間とした以外は例1と同様の操作
を行い、2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−ト
リヒドロキシフラバン58.8gを得た。反応成績を表1
に示した。
【0062】例4 トルエンをクロロベンゼンに変えた以外は例1と同様の
操作を行い、2,4,4−トリメチル−2′,4′,7
−トリヒドロキシフラバン74.2gを得た。反応成績を
表1に示した。
【0063】例5 トルエンをエチルベンゼンに変更し、反応時間を4時間
とした以外は例1と同様の操作を行い、2,4,4−ト
リメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン6
4.9gを得た。反応成績を表1に示した。
【0064】例6 トルエンをp−シメンに変更し、反応時間を4時間とし
た以外は例1と同様の操作を行い、2,4,4−トリメ
チル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン78.4
gを得た。反応成績を表1に示した。
【0065】例7 温度計、冷却管、滴下漏斗および撹拌機を備え付けた四
つ口フラスコに、室温でレゾルシン55.1g(0.5モ
ル)、トルエン100gおよびアセトン31.9g(0.5
5モル)を仕込んだあと、フラスコ内を窒素置換した。
40℃まで昇温したあと、硫酸水素ナトリウム一水和物
34.5g(0.25モル)および水5gを仕込み、フラス
コ内を再び窒素置換し、還流下で4時間反応させた。反
応終了後、析出した結晶を室温で濾過、水洗し、乾燥し
て、75.2gの2,4,4−トリメチル−2′,4′,
7−トリヒドロキシフラバン粉末を得た。反応成績を表
1に示した。
【0066】例8 温度計、冷却管、滴下漏斗および撹拌機を備え付けた四
つ口フラスコに、室温でレゾルシン55.1g(0.5モ
ル)、トルエン100gおよびアセトン31.9g(0.5
5モル)を仕込んだあと、フラスコ内を窒素置換した。
40℃まで昇温したあと、種晶として2,4,4−トリ
メチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン2.5
g(0.008モル)、および酸触媒としてp−トルエン
スルホン酸一水和物0.95g(0.005モル)を仕込
み、フラスコ内を再び窒素置換し、還流下で14時間反
応させた。反応終了後、析出した結晶を室温で濾過、水
洗し、乾燥して、70.9gの2,4,4−トリメチル−
2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン粉末を得た。
反応成績を表1に示した。
【0067】例9(比較) この例は、有機溶媒を用いずに行った。温度計、冷却
管、滴下漏斗および撹拌機を備え付けた四つ口フラスコ
に、レゾルシン110.1g(1.0モル)、36%塩酸2
4.3g(0.24モル)および水100gを仕込んだ。3
5℃まで昇温後、アセトン29.0g(0.5モル)を滴下
した。滴下終了後、35℃で3時間反応させた。その後
常温まで冷却し、さらに14時間撹拌した。析出した結
晶を濾過、水洗したあと乾燥し、2,4,4−トリメチ
ル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン64.2g
を得た。反応成績を表1に示した。
【0068】例10(比較) この例も、有機溶媒を用いずに行った。温度計、冷却
管、滴下漏斗および撹拌機を備え付けた四つ口フラスコ
に、レゾルシン55.1g(0.5モル)およびアセトン3
1.9g(0.55モル)を仕込んだ。60℃まで昇温後、
85%リン酸水溶液28.8g(0.25モル)を滴下し
た。滴下終了後、80℃で1時間反応させたところ、樹
脂状物が得られた。反応成績を表1に示した。
【0069】
【表1】
【0070】1)次の計算式によりフラバン選択率を算出
した。 2)標品対比で有効数字3桁目を四捨五入してフラバン純
度を示した。3) 仕込みレゾルシン基準で有効数字3桁目を四捨五入し
て純分収率を示した。
【0071】例11 例1におけるアセトンの代わりに1/2モル量のメシチ
ルオキドを用いることにより、2,4,4−トリメチル
−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンを得ること
ができる。
【0072】例12 例1におけるアセトンの代わりに1/2モル量のジアセ
トンアルコールを用いることによっても、2,4,4−
トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン
を得ることができる。
【0073】
【発明の効果】本発明に従い、水と混和しない有機溶媒
中で、水または種晶を存在させて、多価フェノールとケ
トンとを反応させることにより、原料多価フェノールの
反応率を高く保ちながら、高収率でしかも高選択的にヒ
ドロキシフラバン化合物を製造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 長崎 英雄 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 万治 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式(II) (式中、W、X、YおよびZは後記の意味を表す)で示
    される多価フェノールとケトンとを、酸触媒の存在下、
    水と混和しない有機溶媒中で、水または種晶の存在下に
    縮合させることを特徴とする、下式(I) (式中、R1 、R4 およびR5 はそれぞれ独立に、アル
    キル、シクロアルキル、アラルキルまたはアリールを表
    し、R2 およびR3 はそれぞれ独立に、水素、アルキ
    ル、シクロアルキル、アラルキルまたはアリールを表す
    が、R1、R2、R4およびR5 がいずれもアルキルであ
    る場合は、R1 とR2 が結合し、そしてR4とR5 が結
    合して、それぞれ環を形成してもよく;W、X、Yおよ
    びZの一つは水酸基を表し、残りはそれぞれ独立に、水
    素、ハロゲン、水酸基、アルキル、アルケニル、シクロ
    アルキル、アラルキル、アリールアルケニルまたはアリ
    ールを表す)で示されるヒドロキシフラバン化合物の製
    造方法。
  2. 【請求項2】原料ケトンが、下式(III) 、(IV)または
    (V) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は請求項1
    に記載の意味を表す)で示される請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】原料ケトンが、下式(III) 、(IVa)または
    (Va) (式中、R1 、R2 およびR3 は請求項1に記載の意味
    を表す)で示され、得られるヒドロキシフラバン化合物
    が、下式(Ia) (式中、R1、R2、R3、W、X、YおよびZは請求項
    1に記載の意味を表す)で示される請求項2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】Xが水酸基であり、R1 がアルキルであ
    り、R2 およびR3 がそれぞれ独立に水素またはアルキ
    ルである請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】レゾルシンとアセトンの縮合により、2,
    4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシ
    フラバンを製造する請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】水と混和しない有機溶媒が、脂肪族炭化水
    素、芳香族炭化水素、脂肪族ハロゲン置換炭化水素およ
    び芳香族ハロゲン置換炭化水素から選ばれる請求項1〜
    5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】水と混和しない有機溶媒が、芳香族炭化水
    素および芳香族ハロゲン置換炭化水素から選ばれる請求
    項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】多価フェノールに対する化学量論量を基準
    として、ケトンを0.5〜2倍の割合で用いる請求項1〜
    7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】酸触媒がブレンステッド酸であり、その酸
    解離定数の逆対数pKa が3未満である請求項1〜8の
    いずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】多価フェノールに対して酸触媒を0.00
    5〜2モル倍の割合で用いる請求項1〜9のいずれかに
    記載の方法。
  11. 【請求項11】多価フェノールに対して有機溶媒を0.9
    〜3重量倍の割合で用いる請求項1〜10のいずれかに
    記載の方法。
  12. 【請求項12】酸触媒の純分に対して0.1〜1重量倍の
    水を反応当初から存在させる請求項1〜11のいずれか
    に記載の方法。
  13. 【請求項13】酸触媒がリン酸である請求項12に記載
    の方法。
  14. 【請求項14】反応当初は実質的に水を存在させず、種
    晶を存在させて反応を行う請求項1〜11のいずれかに
    記載の方法。
  15. 【請求項15】多価フェノールに対して種晶を0.000
    1〜1重量倍の割合で存在させる請求項14に記載の方
    法。
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