JPH0755794A - 分析用試験片 - Google Patents

分析用試験片

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JPH0755794A
JPH0755794A JP22638293A JP22638293A JPH0755794A JP H0755794 A JPH0755794 A JP H0755794A JP 22638293 A JP22638293 A JP 22638293A JP 22638293 A JP22638293 A JP 22638293A JP H0755794 A JPH0755794 A JP H0755794A
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sample
test piece
fibrous structure
measurement
fiber
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JP22638293A
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Satoshi Ibaraki
敏 茨木
Chiho Maeda
知穂 前田
Hiroshi Nakayama
博 中山
Hideo Yoshitome
英雄 吉留
Kiyoshi Takase
清 高瀬
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 【構成】 試料中の成分と反応する試薬を含有する単体
が、単糸繊度1デニール以下の合繊繊維フィラメントよ
り成る繊維質構造体1であることを特徴とする。 【効果】 血液や尿等の体液の他、ワイン、果汁等の溶
液中の過酸化水素、グルコース、コレステロール、ピル
ビン酸、尿酸等の各種物質濃度を簡便な操作で、迅速か
つ正確に測定することが可能な分析用用試験片である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液や尿等の体液,ワ
イン,果汁中等の液体試料に含まれる各種成分、例え
ば、グルコース,コレステロール,尿酸,ピルビン酸,
過酸化水素等を簡便,迅速に検出し得る分析用試験片に
関する。
【0002】
【従来の技術】医療診断,環境計測,発酵モニター,品
質管理等に用いられる液体試料中の成分分析用試験片と
しては、pH試験紙のような、液体試料と接触すること
により、試験片中に保持された試薬が試料中の被分析成
分と反応し、その成分濃度に応じて変色するものがあ
る。被分析成分の定量は、この変色程度を肉眼でカラー
チャートと比較して行う方法や、試験片に光照射し照射
光の反射率変化より行う方法などがあり種々実用化され
ている。
【0003】こうした試験片の多くは、試験片上に一定
量の試料を滴下し、試験片中の試薬と反応する成分の存
在を定量するものであり、滴下する液量が変動すると測
定値も変動してしまう。従って、現在実用化されている
試験片を用いる測定の際には、試料の滴下時に試料を定
量計量するピペット操作が必要であった。ピペット操作
は、医療機関,研究機関に従事するものにとっては問題
のない操作であるが、これらに従事しない一般の人々に
とっては、馴染み難いものである。また、測定をルーチ
ンで行う人にとっては、測定の度毎に試験片以外にピペ
ットを常に準備し、これを操作せねばならず、煩雑であ
るため、より一層の測定迅速化,簡便化が望まれてき
た。
【0004】分析,測定の素人が、ルーチン的に微量液
体試料を測定する典型的な例としては、糖尿病患者が行
う自己血糖測定がある。体液中のグルコース濃度を簡便
かつ迅速に知ることは、糖尿病の早期診断、並びに病態
管理に必要不可欠である。糖尿病患者は、その種類、重
度により個々の場合に応じて1日数回血中グルコース濃
度を測定し、そのパターンに基づいて、食事、運動及び
インシュリン接種量を調整して糖尿病の治療に努める。
この場合、患者は測定値を、簡便、迅速かつ正確に知ら
ねばならない。
【0005】現在広く行われている方法は、先ず採取し
たばかりの全血液の試料を糖酸化酵素、ペルオキシター
ゼを含有する酵素系含有試薬パッド上に置き、血中グル
コースとの反応により過酸化水素を産生させる。試薬パ
ッドには過酸化水素と反応する発色剤も含まれており、
ペルオキシターゼの酵素反応により、血液中のグルコー
ス濃度に応じた強度で発色する。この場合、試料は一定
の時間試薬パッドと接触状態に置かれた後、水流で洗い
落とすか、拭き取る。その後、該面の発色を反射率測定
器で着色強度を読み取るか、カラーチャートと比較して
着色強度を読み取る。この方法は長年グルコース濃度測
定用に用いられてきており、ピペッティング操作は除か
れているが、患者は血液添加後決められた時間後まで待
機し、血液を流し去ったり、拭き取ったりせねばなら
ず、測定の簡便性という点に於て問題があった。一方、
患者が、水流で洗い流す際あるいは拭き取る際、その水
洗条件及び拭き取り圧により測定値が影響を受ける事も
避け難く、測定の正確性という点に於いても問題があっ
た。
【0006】このような問題を解決する方法として、臨
床検査室用途では、血液等の検体試料を試験紙片上に置
き、測定途上で検体を拭き取ったりすることなく、一定
時間後の発色強度を裏面(検体を滴下した面の反対側
面)より計測する、所謂ドライケミストリー技術が、当
***しょうや血清等の検体を適用するものとして開発さ
れ、更に、全血検体を適用できるものも種々提案されて
いる。例えば、ヘマトクリット値の変動の影響を抑制す
ると共に、発色量計測に血球色素が影響しないように、
検体を点着する最上層に光遮断物質を含む血球濾過層を
設ける方法(特開昭61ー96466号公報)、血球濾
過層部の目詰りや不完全な固液分離による定量性の低下
を、展開層の上に体積濾過層を密着設置することにより
解決しようとする方法(特開昭60ー230063号公
報)、或いは、多孔質展開層の上にメッシュ等から成る
展開促進層を設け、特に全血検体等の高粘性液体への適
用性能の向上を計る方法(特開平3ー148063号公
報)等が提案されている。
【0007】しかし、これらの方法はいずれも複雑な構
成を必要とするだけでなく、裏面での反射率測定を精度
よく行う目的から、光透過性の水不透明性支持板上に試
薬層等を積層した構造をとっているため、被分析成分を
酸化酵素を用いて測定する場合は、酵素反応に基質とし
て要求される酸素の裏面からの供給が妨害され、高濃度
域での定量性能が悪くなることがあるといった問題があ
った。
【0008】また、特開昭63−101757号公報に
於いては、予め測定機器上に水平になるように装着した
試験紙に血液を点着した際の、裏面の大きな反射率変化
を検知することにより自動的に時間計測を開始し、経時
的に反射率を計測する方法が提案されており、この方法
に基づく機器が実用化されるに至っている。また、上記
特開昭63−101757号公報には、こうした機器に
用いられる試験紙片も提案されており、血液を点着する
孔を設け、この孔下面に多孔性の微細構造からなる試薬
含有マトリックス片を接着した構造が開示されている。
【0009】この形態では裏面は遮蔽されておらず、酸
素供給の問題はほぼ解決されている。しかしながら、こ
うした方式のグルコース測定に適用でき、広い濃度範囲
に亘って高い精度での測定が可能であるために必要な、
1)点着される試料量の変動の影響を受けることなく、
単位面積当たりの浸透量が平準化されるメータリング機
能を持ち、2)試薬類のクロマトグラフィー現象や検体
溶液の浸透状態ムラに起因するバンディングが起こら
ず、3)マトリックス系が酸化反応の基質である酸素の
供給を妨げないものであり、4)マトリックス系が試料
の点着により膨潤し、マトッリクス面の平面性を損な
い、反射率計測に影響を与えることがなく、5)試料が
マトリックスを透過し、反射光計測を行う下面に漏出し
て液層を形成することによる測定誤差や検出デバイスの
汚染を招かないものであり、6)マトリックス中に含有
される酵素、色素類等の試薬類の安定性が損なわれず、
更に、7)試料が速やかにマトリックスに浸み込み試料
の点着操作が容易である等の要求性能を全て満足するも
のではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、こうした現状に鑑み鋭意研究の結果、本発明に至っ
たもので、本発明の目的は、ピペット等の特別な用具を
用いて計量定量操作を行うこと無く、簡便、迅速、かつ
高精度に、試料中の被分析成分濃度を測定できる分析用
試験片を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、液体試料
中の成分を分析するための試験片であって、試料中の成
分と反応する試薬を含有する担体が、単糸繊度1デニー
ル以下の合成繊維フィラメントよりなる繊維質構造体で
あることを特徴とする分析用試験片により達成される。
【0012】以下、本発明を詳述する。本発明の分析用
試験片としては、例えば、図1に示すような構造のも
のが挙げられる。同図において、1は被分析成分と反応
する試薬を含有してなる繊維質構造体、2は水不浸透性
支持板、3は試料を点着するための開口部、4は両面粘
着テープである。図1に示す分析用試験片は、水不浸
透性支持板2に直径3〜6mm程度の円形状の試料点着
用開口部3が設けられ、この開口部3を覆うように、被
分析成分と反応する試薬を含有する担体としての繊維質
構造体1を、水不浸透性支持板2に両面粘着テープ4で
接着してなるものである。
【0013】本発明において用いる繊維質構造体を構成
する繊維素材は、合成繊維であり、例えば、ナイロン
6,ナイロン66等のポリアミド,ポリエチレンテレフ
タレート,ポリブチレンテレフタレート,その共重合体
等のポリエステル,アクリル,ビニロン,アセテート,
レーヨン等が挙げられ、これらは単独で、または、2種
以上併用して複合繊維としたもの、また、混紡したもの
が用いられる。
【0014】天然繊維に於いて、綿は短繊維であるため
毛羽が発生することがあり、絹等は細繊度であるが、湿
潤時の膨潤による平面性の低下が問題となる場合があ
り、製造の容易性、湿潤時に於ける繊維質構造体の低膨
潤性等による高精度測定の実現の点から、合成繊維フィ
ラメントを用いることが必要である。
【0015】また、本発明に用いられる繊維の太さは、
織物,編物等を構成した際に繊維質構造体が400μ以
下の厚さになり、光を照射した際に均一な反射光が得ら
れ、液体試料を吸い込む際の毛細管現象を生じやすく、
かつ、構造体内の表面積を大きくし保持し得る試薬量を
増大させることができ、更に、試薬と被分析成分との接
触場として広い面積を確保できる等の点から、単糸繊度
1デニール以下とする。
【0016】すなわち、単糸繊度1デニール以下の繊維
の表面積は、1デニールの異形断面糸(例えば偏平率1
0の偏平糸)で6000cm2 /g、0.1デニールの
丸断面糸で9600cm2 /gと格段に広い表面積を有
する。このような、広表面積繊維は、同一面積内に存在
する構成繊維本数を増やさずとも、繊維の総表面積を大
きくすることができる。このため、十分な毛細管現象を
得ることができると共に表面の平坦性を得ることができ
る。また、このような毛細管現象により、供給される試
料量変動の影響を受けることなく、単位面積当たりの試
料浸透量が平準化されるメータリング機能を保持でき
る。
【0017】単糸繊度1デニール以下の繊維は、直接目
的の細繊度糸を紡糸して得られたもの、物性の異なる2
種のポリマーよりなる複合繊維を溶解や分割等の手段に
より細繊度化されたものが挙げられる。中でも、製造容
易性、後述の布帛密度、血液等の液体に対するポリマー
の親和性、試料溶液と接触した場合に於ける繊維質構造
体の低膨潤性等からみて、ポリアミド及びポリエステル
よりなる複合繊維を編物となした後フィブリル化して得
たものが好ましい。この複合繊維はポリエステルの寸法
安定性とポリアミドの親水性とを保持したものであるの
で、本発明の繊維質構造体として最適である。
【0018】フィブリル化の方法は、特公昭53−35
633号公報等に記載された公知の方法が用い得、中で
も、ベンジルアルコールを用いる方法が好ましい。この
工程の一例を示すと、ベンジルアルコールをパディング
法等で織編物に付与して複合繊維を開繊せしめ、次に、
水洗、乾燥、ヒートセットする方法が挙げられる。かか
る工程において、ベンジルアルコールによる処理温度は
20〜30℃が好ましい。また、必要に応じて、適宜開
繊工程に続き飽和水蒸気等による収縮工程を実施しても
よい。
【0019】このフィブリル化型複合繊維としては、ポ
リアミド成分とポリエステル成分とが単一フィラメント
の任意の横断面において、一方の成分を他方の成分が完
全に包囲することなく両成分が接合された形状を有する
複合繊維、具体的には、横断面がサイドバイサイド型の
複合繊維(図3(d))、サイドバイサイド繰り返し型
の複合繊維(図3(e))、放射型の形状を有する部分
と該放射部を補完する形状を有する他の成分からなる複
合繊維(図3(a),(b))、該形状に中空部を設け
た繊維(図3(c))等が用いられる。
【0020】中でも、放射型の形状を有する部分と該放
射部を補完するくさび型の形状を有する他の成分からな
る複合繊維(図3(a),(b))が好ましく、放射型
の形状を有する部分としてポリアミド、くさび型の形状
を有する部分としてポリエステルを用い、該セグメント
の繊度が0.2デニール以下のものが好ましい。
【0021】また、繊維質構造体の構成は、織物,編
物,不織布等を用いることができ、繊維質構造体自体の
均一性が良好で発色時の色斑が起こりにくい織編物が、
高精度測定には適する。繊維質構造体を必要な大きさに
カットする際にほつれにくいこと、光を照射した際の反
射光の均一性が高いこと、液体を吸い込んだ際に於ける
液の拡散速度が拡散方向によらず一定なこと等により、
編物を用いることが好ましい。編物組織については、ト
リコット編み、平編み、丸編み、平打ち等が挙げられ
る。
【0022】また、繊維質構造体の厚さは100〜40
0μが好ましく、厚さバラツキのないものがよい。ま
た、繊維質構造体を編物とする場合、編目密度は、コー
ス(縦目)×ウエル(横目)の値が3000から600
0が好ましい。6000を超える場合、密度が高すぎる
ため粘度の高い試料等は浸透速度が遅くなる傾向にあ
り、逆に、3000未満の場合、試料によっては測定範
囲が狭くなったり、測定バラツキが大きくなったりする
傾向にある。また、コースとウエルはほぼ揃えた方が、
反射率の均一性に優れるため好ましい。
【0023】また、繊維質構造体1は、微量試料を測定
する際には、大きくする必要はないが、小さすぎると光
反射率計測における測定誤差が大きくなったり、取扱い
が困難になったりするため、縦横それぞれ5〜15mm
が適当である。
【0024】上記繊維質構造体に含有させる試薬は、被
分析成分に応じて適宜使用すればよい。本発明に用いる
酸化酵素としては、グルコース測定時にはグルコースオ
キシダーゼ,コレステロース測定時にはコレステロール
オキシダーゼ,ピルビン酸測定時にはピルビン酸オキシ
ダーゼ,尿酸測定時にはウリカーゼ等の酵素が用いられ
る。
【0025】例えば、グルコース測定時に用いるグルコ
ースオキシダーゼとしては、力価が100unit/m
g以上に精製されたものが望ましく、一試験片当たりこ
の乾燥粉末を少なくとも0.5μg存在させることが望
ましい。
【0026】本発明に於いて使用する被酸化性発色剤
は、ペルオキシダーゼの存在下、過酸化水素と反応して
血液、尿等の検体溶液が示す吸収波長以外の波長で、特
徴的な吸収を示す化合物を用いるのがよい。この様な発
色剤としては、一成分系の場合、ο−トリジン、3,
3’,5,5’−テトラメチルベンジン、2,6−ジク
ロロフェノール、α−ナフトール、グアヤク脂等があ
る。また、顕色剤とカップラーとの組合せからなる2成
分系の指示薬を用いる場合は、顕色剤としては4−アミ
ノアンチピリン、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノン
ヒドラゾン、テトラメチルベンジジン等、カップラーと
してはジメチルアニリン、ジエチルアニリン、N−メチ
ル−N−ヒドロキシエチルアニリン等のアニリン類、フ
ェノール、p−クロロフェノール、ピロガロール等のフ
ェノール類、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1−ナ
フトール−3,6−ジスルフォン酸等のナフトール類を
用いる。
【0027】繊維質構造体内に試料が浸透し、被酸化性
発色剤が発色する際及び発色した後に、発色剤が試料に
溶けて流れるようなクロマト現象が生じ測定精度を低下
させることがあるが、水難溶性の被酸化性発色剤を用い
ると、このような現象が生じにくく、極めて均一な発色
を示す。このような発色剤としては、例えば、2、7ー
ジアミノフルオレン、ο−トリジンの組み合わせ等があ
り、これは中性水溶液には難溶性であるが、メタノー
ル、エタノール等によく溶けるのでこれらを溶媒として
用い繊維質構造体に含浸させればよい。水溶液難溶性の
発色剤を用いた際にクロマト現象が生じにくいのは、試
料が繊維質構造体中を拡散、浸透する速さより発色剤の
溶解する時間が遅いために試料の流動が停止した後に、
試薬が溶解するようなタイミングとなるためと考えられ
る。
【0028】また、繊維質構造体には、酵素反応等に適
したpH領域に試料液を制御すると共に、酵素及び発色
剤を安定に保持するため、pH緩衝剤を添加することが
好ましい。検出用試薬類にはその他、反射光測定に於い
て入射光の光反射剤として機能する光反射剤微粉末を配
合してもよい。光遮蔽剤微粉末としては、白色度が高い
方が好ましく、具体的には、酸化チタン、合成シリカ、
炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、
酸化チタンが特に好ましく用いられる。また、光遮蔽剤
微粉末は、発色ムラを起こすことがなく繊維質構造体内
への拡散を抑制できるよう粒径0.3〜1.0μmのも
のを用いることが好ましい。
【0029】また、必要に応じて、少量の界面活性剤、
例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性
剤、陽イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤等
を配合してもよい。この界面活性剤は、各試薬の分散に
役立ち均一な試験片の形成を促し、水ぬれ性を向上させ
る。界面活性剤は製造時の試薬含有溶液中0.01〜
0.1重量%添加することが好ましい。
【0030】次に、本発明で用いる水不浸透性支持板2
としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ナイロン、テフロン、ポリ塩化ビニル等が挙げら
れ、中でも、強度、成形性等の点から、ポリエステル、
ポリ塩化ビニルが好ましい。また、水不浸透性支持板の
厚さは、試験片を構成した際の取扱いの容易さから80
〜300μmが好ましい。
【0031】図1に示すような分析用試験片を製造す
る際の一例を示すと、まず被分析成分に応じたオキシダ
ーゼ、ペルオキシダーゼ、光反射剤粉末、被酸化性指示
薬、界面活性剤等をpH5〜7程度の緩衝液に溶解また
は分散させる。この中に適当な大きさの繊維質構造体を
浸漬する。このとき、液が内部まで確実に入り込むよう
にするため減圧処理を施すことが好ましい。その後、繊
維質構造体を溶液中より取り出して乾燥後、所定の大き
さに裁断し、水不浸透性支持板に接着させ、図1のよ
うな構成の試験片とする。
【0032】試薬を含有した繊維質構造体を水不浸透性
支持板(プラスチックシート)に固定するには、両面粘
着テープ、接着剤等を用いればよく、このとき、接着剤
成分が、繊維質構造体組織の内部まで拡散し、測定に影
響したり、被分析用試料の拡散を抑制したりすることが
ないようにする。
【0033】図1に示す試験片を用いての測定は、試料
点着用開口部3に、血液、尿、果汁等の液体試料を点着
し、繊維質構造体内を試料が拡散し試薬と反応した後、
その発色の程度をカラーチャートと比較するか、反射率
読み取り装置に試験片をセットして反射率読み取りを行
うことにより成される。本構成に於いて、点着された試
料は繊維質構造体内を毛細管現象により速やかに均一に
広がり、メ−タリング作用により単位繊維質構造体当た
り一定量の試料が保持され繊維質構造体内に保持されて
いる試薬と反応する。
【0034】酸化酵素を用いる際に於ける測定の原理
は、被分析成分を対応する酸化酵素を触媒として酸化し
た際に、被分析成分量に応じて発生する過酸化水素によ
り、ペルオキシダーゼを触媒として被酸化性発色剤を酸
化するという、従来、ドライケミストリーの分野で一般
的に行われてきたものである。本発明の試験片を用いて
の反射率計測は、試料溶液と接触後、発色強度が変化し
ている最中に反射率計測してその変化速度を求めるレー
トアッセイでも、発色強度が一定値に達した後に測定を
行うエンドポイントアッセイでもよい。試料中の被分析
成分は、反射率測定から求められたK/S値と被分析成
分濃度との関係より定量することができる。K/S値は
下記式(1)により定義され、本式は反射率分光分析法
に関して導かれたクベルカ−ムンクの式を簡略化したも
のである。
【0035】 K/S=(1−Rt)2 /2Rt (1) (但し、Rtは、特定の時間tで測定された反射率であ
り、式(2)により定義される量である。 Rt=(rt−rb)/(ro−rb) (2) (但し、rbは試験片からの反射光がない場合の光強度
測定値、rtは時間tに於ける光強度測定値及びroは
試験片に白色板を置いた場合の光強度測定値であ
る。))
【0036】また、上記試験片を用い試料中の被分析成
分濃度測定を行う際の反射率読み取り装置は、例えば、
図4に示されるがごとく、光源10(使用した被酸化性
発色剤の吸収極大波長に対応する吸収極大波長を有する
発光ダイオード)、反射光検出器11、増幅器12、A
/D変換器13、マイクロプロセッサ14及び表示装置
15により構成される。試験片セット時装置上の試験片
をセットする面と、試験片の支持板の一面は、しっかり
と接触し、光源と光反射面の角度、距離等が変動しない
ように構成されている。本装置は反射光検出器上に試験
片がセットされると反射光量を読み取り、K/S値を算
出し表示する。
【0037】また、図1に示すように、支持板と同一
の穴を開けた吸収体5を繊維質構造体と支持板間に挿入
しておくと、試料液量の変動により対処でき好ましい結
果が得られる。吸収体としては、紙(濾紙、不織布)、
布(合繊、天然)、フィルタ−(セラミック、ガラス)
等が使用される。
【0038】また、本発明の分析用試験片の構造は、上
述したようなものの他、図2に示すような構造にすると
好適である。図2に示す分析用試験片は、2枚の水不浸
透性支持板2で、薄片状の繊維質構造体1を挟持してお
り、その際、繊維質構造体1一端の厚み部分から液体試
料を吸い込むことができるように、繊維質構造体1端部
と水不浸透性支持板2端部とが略揃うようにし、試料吸
い込み口6を形成してなる。また、水不浸透性支持板2
の一方の繊維質構造体1上に、検出用試薬類の反応過程
及びその着色状況を直接反射率変化等で計測するための
測定用開口部7を設けてなる。この場合、繊維質構造体
1の大きさは、幅2〜6mm、長さ5〜20mmが適当
である。
【0039】上記試料吸い込み口6は、図1に示すよう
に、繊維質構造体1一端の厚み部分またはその近傍に設
けると、試料吸い込みの際の操作が容易となるので好適
である。また、試料吸い込み口6に於いて、2枚の支持
板2の端部と繊維質構造体1の端部とは、完全に一致し
ていてもよいし、一致していなくても良い。すなわち、
液体試料の粘度、使用可能な試料量、用いる繊維質構造
体の目付け密度の違い等により液体試料の吸い込み状況
が異なるため、適宜、必要に応じて支持板の端部より繊
維質構造体をわずかに突出させたり、引っ込めたりすれ
ばよい。また、上下の支持板2の端部を完全に揃えなく
てもよい。また、試料吸い込み口6に対向する繊維質構
造体1の側端部は開放されている方が吸い込み速度がよ
り早くなるので好ましい。このように、試験片に吸い込
み口6を設けることにより、試料に試験片を接触させる
ことによって試料を吸収することができるので、腹部、
上腕部等を穿刺して得られる極少量の血液等の測定も可
能となる。
【0040】また、測定用開口部7の位置は、液体試料
吸い込み口6から試料を吸い込むときに、開口部7が直
接試料に触れないように、開口部7の端部が試料吸い込
み口6より0.5mm以上、好ましくは1mm以上離れ
ていることが好適である。なお、この距離をあまり長く
すると、吸い込んだ試料が開口部に達するまでに時間を
要したり、試料必要量が多くなったりするので、微量試
料、高粘度試料への適用性の点で、10mm以内にして
おくことが好ましい。
【0041】また、測定用開口部7の形状は、任意に構
成すればよく、また、その大きさは、光計測時の位置合
わせの容易さ、光計測に於ける計測誤差の低減により、
形状を円形とした場合、直径3〜6mmが適当である。
また、このように、開口部7の裏側は、繊維質構造体を
支持体により固定すると、液体試料の吸収による繊維質
構造体の変形をより防止することができ好適である。ま
た、測定用開口部で繊維質構造体が外気に接しているた
め、酸素の供給がより良好に行え、被分析成分の反応が
スムーズに成される。
【0042】また、水不浸透性支持板2の形状は、図2
に示すような形状の他、長方形等としてもよいが、図2
に示すような形状とすると、試料の吸い込みが容易とな
るので好適である。また、水不浸透性支持板は、繊維質
構造体より大きくし、試料吸い込み口及びその対向端部
以外は繊維質構造体を被覆するようにすることが試料吸
収量を一定とすることができ好適である。
【0043】上記構造とする場合、繊維質構造体1は支
持板間に単に挟み込まれて保持された状態でも、両面粘
着テープ等の粘着剤で両者が密着している状態でも良
い。繊維質構造体が単に挟み込まれた場合、試料の吸い
込み速度は速くなるが、試料に試験片を接触する時間が
試料吸い込み量に影響することがある。一方、繊維質構
造体が支持板と密着している場合は、最低必要な試料へ
の接触時間(試料吸い込み開始後試料が開口部位まで展
開し、更に、試験片内の微小空間が試料液で満たされる
までの時間)経過後、試験片を引き続き試料に接触して
いても試料吸い上げ量が増加せずに測定値の変動が生じ
ないため高精度の測定に適する。また、繊維質構造体が
試料液との接触により膨潤しやすいような場合には繊維
質構造体を試験片に密着している方が測光面の平面性が
崩れにくく好ましい結果を与える。また、繊維質構造体
は、支持板の開口部周辺部分に於いて支持板に密着して
いることが好ましい。
【0044】上記ような分析用試験片を製造する際の一
例を示すと、まず被分析成分に応じたオキシダーゼ、ペ
ルオキシダーゼ、光反射剤粉末、被酸化性指示薬、界面
活性剤等をpH5〜7程度の緩衝液に溶解または分散さ
せる。このなかに適当な大きさの繊維質構造体を浸漬す
る。このとき、液が内部まで確実に入り込むようにする
ため減圧処理を施すことが好ましい。その後、繊維質構
造体を溶液中より取り出し乾燥後、所定の大きさに裁断
し、水不浸透性支持板に挟持して、図2のような構成の
試験片とする。なお、水不浸透性支持板は片面に両面接
着テープを貼り付けた後に必要な大きさに裁断し、ま
た、支持板の一方には測定用開口部7を設けるようにす
ると試験片の製造を容易に行うことができる。また、繊
維質構造体に含有させる試薬類は、試験片を作成した
後、繊維質構造体に含有させるようにすると、均一に試
薬を含有させることができ好適である。
【0045】本構成例の試験片を用いた場合の測定につ
いて述べる。測定すべき液体試料に本試験片の試料吸い
込み口を接触させると、液体試料は、繊維質構造体自体
及び繊維質構造体と水不浸透性支持板間に形成される隙
間に毛細管現象により吸い込まれていく。試料採取はそ
れら試料液に試験片の吸い込み口を触れるだけで良く、
試料の吸い込みに要する時間は極めて短い。例えば、繊
維質構造体を1デニール以下のナイロンとポリエステル
のフィラメントよりなる編物とし、編物の厚さを200
μm、幅5mmに裁断したものを用いて、光反射率計測
用の開口部の端を吸い込み口から2mmのところに設け
た場合、この開口部位内の編物(測光部)まで、試料が
拡散してくるために必要な試料量は、3〜5μlと極微
量でよい。
【0046】また、試料が開口部位まで完全に到達する
までに要する時間は、液体試料の粘度,繊維質構造体の
性質等にもよるが、尿、血清等余り粘度の高くないもの
を試料にした場合1秒以下であり、液体試料の吸い込み
が迅速に行われ、検出用試薬類とスムーズに接触させる
ことができる。従って、試験片を液体試料に接触させる
に必要な最低時間は、使用する試料、試験片作製時の諸
条件により異なるが、5秒以内でよく、尿、血清等余り
粘度の高くないものを試料にした場合には1秒程度でよ
い。
【0047】尚、試料に接触させる最低必要な時間以上
長く試験片を試料に接触させても、試験片内の微小空間
(繊維質構造体内部の繊維間隙及び支持板と繊維質構造
体間に形成される隙間)は試料液で満たされているため
毛細管現象による試料の吸い込みはそれ以上は実質上生
じない。このことは試験片内に吸い込まれる試料量が形
成される微小空間体積により規制されることを示してお
り、本試験片の構成例に於いても試料がメータリングさ
れること示す。
【0048】試験片を試料に接触後繊維質構造体内を試
料が拡散し試薬と反応した後、発色の程度をカラーチャ
ートと比較するか、上記反射率読み取り装置に試験片を
セットして反射率読み取りを行ことにより測定は成され
る。
【0049】検出用試薬類としてグルコースオキシダー
ゼ,コレステロールオキシダーゼ等の酸化酵素を用いる
際の酸化反応には、酸素が必要であり、反応の場として
は外気との接触面積を大きくとれることが好ましく、本
発明で使用する繊維質構造体は表面積を大きくとれるの
で、毛管現象により拡散していく試料は、外気との接触
が良好に行える。このため本発明のいずれの構成例に於
いても、高濃度の被分析物存在下酸素供給不足による発
色低下とバラツキが起こりにくく、測定レンジが広く確
保できる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明の分析用試験片
は、繊維質構造体の微小空間内に於いて、毛細管現象が
生じやすいため液体試料の吸い込み、拡散が速やかであ
り、構造体内部の表面積が大きいことにより、検出試薬
類の吸着保持量を多くすることができる。また、本発明
に於いては、繊維質構造体の表面積が非常に大きいの
で、試料が展開する際に酸素との接触を良好にすること
ができ、酸素の供給不足が生じにくく、簡便、迅速かつ
正確な、被分析物の広い濃度範囲にわたる測定が可能で
ある。本試験片は、糖尿病患者が自ら行う、血液中のグ
ルコース濃度測定に適用できる他、その他の医療診断、
環境計測、発酵モニター等に適用することができる。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 表1に記載した4種類の織物を繊維質構造体として用
い、グルコース濃度測定用試験片を作製し、水溶液中グ
ルコース濃度測定を行った。
【0052】グルコース濃度測定用試験片の製造方法 表1記載の繊維質構造体(5×5cm)を表2に記載し
た被酸化性発色剤含有液5mlにそれぞれ浸した後、繊
維質構造体を引き上げ30℃、1時間乾燥した。更に、
表2に記載した酵素類含有液に浸した後、繊維質構造体
を引き上げ30℃、3時間乾燥した。これを5×15m
mに裁断し試薬類含有繊維質構造体とした。水不浸透性
支持体としては厚さ100μmのポリエステルシートを
用いた。このシートに両面粘着テープを貼り図1に示
す形状に裁断した。試薬類含有繊維質構造体を水平にこ
の支持体に貼り、図1に示す構造のグルコース濃度測
定用試験片とした。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】被測定用グルコース溶液の調製 蒸留水に既知量のグルコースを添加し各種濃度のグルコ
ース溶液を得た。試験片の反射率読み取り装置 グルコース濃度測定を行う際の分析装置は、前述の図4
に示す装置を用いた。
【0056】上記で作製した試験片を用いて、各種グル
コース水溶液のグルコース濃度測定を行った。すなわ
ち、試験片の試料点着部位にグルコース試料溶液を10
μl滴下した後、速やかに反射率読み取り装置にセット
し、試料点着1分経過後のK/S値を測定結果として得
た。尚、反射率100%は標準白色板を用いて反射率測
定の度毎に設定した。更に、250mg/dl溶液を1
0枚の試験片を用いて測定し測定精度評価を行った。
【0057】結果を表3に示す。いずれの試験片に於い
てもグルコース濃度が高くなるにつれてK/S値の増加
が認められ、各試験片がグルコース濃度測定に有効であ
ることが示された。また、No.4の試験片が最も精
度、感度が良好な事が示された。
【0058】
【表3】
【0059】実施例2 表4に示した単糸繊度1デニール以下の細繊度合成繊維
より成る繊維質構造体を用いる以外は、実施例1と同様
にしてグルコース濃度測定用試験片を作製し、更に実施
例1と同様な方法によりグルコース水溶液の濃度変化時
のK/S値を求めると共に、測定精度評価を行った。結
果を表4に示す。グルコース濃度上昇に伴い、K/S値
も上昇し良好な定量性が認められ、いずれの試験片も実
用上充分な精度を有していた。特に、ナイロン/ポリエ
ステル複合繊維が高精度測定にはより適することが示さ
れた。。
【0060】
【表4】
【0061】実施例3 表5に示した織物、編物より成る繊維質構造体を用い
て、実施例1と全く同様にしてグルコース濃度測定用試
験片を作製し、更に、実施例1と同様な方法によりグル
コース水溶液測定時の精度評価を行った。結果を表5に
示す。いずれの試験片も実用上充分な精度を有していた
が、編物より成る繊維質構造体を用いた場合が高精度測
定にはより適することが示された。
【0062】
【表5】
【0063】実施例4 単糸繊度0.08〜0.5デニール、ナイロン/ポリエ
ステルの複合繊維より成る編布(鐘紡社製:ザヴィーナ
MX)を用い、実施例1と同様にしてグルコース測定用
試験片、過酸化水素測定用試験片、コレステロール測定
用試験片をそれぞれ作製し、各試料液中の各濃度の測定
を行い、K/S値を求めた。なお、過酸化水素用、コレ
ステロール用は酵素類含有溶液として表6に示す液を用
いた。
【0064】
【表6】
【0065】各試料の調製 コレステロール測定用血液 人血漿よりコレステロールを含むリポタンパクを分取
し、コレステロール濃度既知の濃厚溶液を作製した。人
血液の総コレステロール濃度を市販の測定キット(富士
ドライケム5500)により測定し、この測定値に基づ
き、人血液に対し前述のコレステロール濃厚溶液をコレ
ステロール濃度がそれぞれ100、200、400(m
g/dl)となるよう添加し、試料を調製した。グルコース測定用血液 成人男性より静脈血を採取し抗凝固剤としてヘパリンを
添加した後、既知量のグルコースを種々添加しグルコー
ス濃度の異なる血液試料とした。尚、採取した静脈血中
のグルコース濃度は市販のキット(富士ドライケム55
00)により求めた。
【0066】グルコース測定用リンゴジュース及び尿 リンゴジュースもしくは尿に適宜200mg/mlのグ
ルコース水溶液を添加し、それぞれの溶液中グルコース
濃度を変化した試料を調製した。過酸化水素測定用水溶液 既知濃度の過酸化水素水溶液を蒸留水で希釈し試料を調
製した。結果を表7に示す。各試料中の各分析物濃度上
昇に伴い、それぞれのK/S値も上昇し良好な定量性が
認められた。これにより本発明の試験片が血液、尿、
水、果汁中の各種物質の濃度測定に有効であることが示
された。
【0067】
【表7】
【0068】実施例5 単糸繊度0.08〜0.5デニール、ナイロン/ポリエ
ステルの複合繊維より成る編布(鐘紡社製:ザヴィーナ
MX)を用い、実施例1と同様にして作成したグルコー
ス濃度測定用試験片No.1と、繊維質構造体と支持板
間に吸収体として図1に示す様に濾紙を挿入した構成
より成るグルコース検出用試験片No.2とを準備し
た。この2種の試験片を用いて点着するグルコース水溶
液の液量を変化した際に於けるグルコース濃度測定を行
いK/S値の変化を求めた。結果を表8に示す。両試験
片とも点着される試料量の影響を受けにくかったが、N
o.2の方がより広い範囲の点着液量の変動に対応でき
ることが示された。
【0069】
【表8】
【0070】実施例6 単糸繊度0.08〜0.5デニール、ナイロン/ポリエ
ステルの複合繊維より成る編布(鐘紡社製:ザヴィーナ
MX)を繊維質構造体として用い、実施例1と同様に発
色剤、酵素類を該繊維質構造体に含浸した後、5×15
mmに裁断し試薬類含有繊維質構造体を得た。水不浸透
性の支持体としては厚さ100μmのポリエステルシー
トを用いた。このシートに両面接着テープを貼り、図5
に示す2種の形状に裁断した。この2種の支持板を前述
の試薬類含有繊維質構造体を挟持するように貼り合わせ
グルコース濃度測定用試験片とした。本試験片を用いグ
ルコース濃度を変化した際に於けるK/S値を求めた。
【0071】結果を表9に示す。溶液中のグルコース濃
度上昇に伴い、K/S値も上昇し良好な定量性が得られ
た。本発明の本構成の試験片を用いてもピペット等を用
いた計量操作なしに水溶液中のグルコース濃度測定が行
えることが示された。
【0072】
【表9】
【0073】実施例7 単糸繊度0.08〜0.5デニール、ナイロン/ポリエ
ステルの複合繊維より成る編布(鐘紡社製:ザヴィーナ
MX)を用い、実施例6と同様にして作製したグルコー
ス測定用試験片に於いて、試料溶液を吸い上げる時間を
変化させた際の250mg/dlのグルコース溶液測定
時のK/S値を評価した。尚、250mg/dlのグル
コース溶液は実施例1と同様にして調製した。
【0074】本発明の試験片を用いた場合、試料吸い込
みに最低必要な時間は2秒以内であり、表10に示され
るごとく試料接触時間によりK/S値が影響される程度
は実用上極めて小さく、精度良く測定することが可能で
あり、試料接触時間の変動は問題にならないことが分か
った。
【0075】
【表10】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分析用試験片の一実施態様を示す説明
図。
【図2】本発明の分析用試験片の一実施態様を示す説明
図。
【図3】本発明で使用する繊維質構造体を構成するフィ
ブリル化複合繊維の横断面図。
【図4】本発明の分析用試験片の評価に使用する反射率
読み取り装置の説明図。
【図5】本発明の分析用試験片の一実施態様を示す説明
図。
【符号の説明】
1 繊維質構造体 2 水不浸透性支持板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高瀬 清 兵庫県西宮市上田東町4番38−404号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体試料中の成分を分析するための試験
    片であって、試料中の成分と反応する試薬を含有する担
    体が、単糸繊度1デニール以下の合成繊維フィラメント
    よりなる繊維質構造体であることを特徴とする分析用試
    験片。
JP22638293A 1993-08-18 1993-08-18 分析用試験片 Pending JPH0755794A (ja)

Priority Applications (1)

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JP22638293A JPH0755794A (ja) 1993-08-18 1993-08-18 分析用試験片

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JP22638293A Pending JPH0755794A (ja) 1993-08-18 1993-08-18 分析用試験片

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