JPH0749470A - 含水性コンタクトレンズおよびその製法 - Google Patents

含水性コンタクトレンズおよびその製法

Info

Publication number
JPH0749470A
JPH0749470A JP5193527A JP19352793A JPH0749470A JP H0749470 A JPH0749470 A JP H0749470A JP 5193527 A JP5193527 A JP 5193527A JP 19352793 A JP19352793 A JP 19352793A JP H0749470 A JPH0749470 A JP H0749470A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
saponification
contact lens
weight
meth
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5193527A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruyuki Hiratani
治之 平谷
Keiji Sugimoto
圭司 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Menicon Co Ltd
Original Assignee
Menicon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Menicon Co Ltd filed Critical Menicon Co Ltd
Priority to JP5193527A priority Critical patent/JPH0749470A/ja
Priority to EP94109500A priority patent/EP0637761B1/en
Priority to US08/262,457 priority patent/US5502086A/en
Priority to DE69430089T priority patent/DE69430089T2/de
Publication of JPH0749470A publication Critical patent/JPH0749470A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • G02B1/041Lenses
    • G02B1/043Contact lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F265/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00
    • C08F265/04Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00 on to polymers of esters

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケン化処理が施されたのちであっても、含水
率が高く装用感にすぐれた含水性コンタクトレンズおよ
び機械的加工が容易に可能である該含水性コンタクトレ
ンズの製法を提供すること。 【構成】 (A)アルキル(メタ)アクリレートと分子
内に少なくとも2個の重合性基を有するモノマーとを主
成分として共重合してなる分子内に少なくとも平均1個
の重合性基を有する(メタ)アクリレート系ポリマー1
〜30重量%、(B)脂肪酸ビニルエステル45〜95重量
%、(C)ケン化による分解が不可能な低分子架橋剤0.
02〜10重量%および(D)ケン化による分解が可能な架
橋剤0.1 〜20重量%を主成分とする共重合体をケン化さ
せてなる含水性コンタクトレンズ、ならびにその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含水性コンタクトレン
ズおよびその製法に関する。さらに詳しくは、ケン化処
理が施されたのちであっても、含水率が高く装用感にす
ぐれた含水性コンタクトレンズおよび機械的加工が容易
に可能である該含水性コンタクトレンズの製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、酢酸ビニルモノマーは、ラジカル
重合性に富むモノマーであるが、かかる酢酸ビニルモノ
マーからなるポリ酢酸ビニルは、ガラス転移温度が低す
ぎるため、実際に眼用レンズ材料として用いようとした
ばあいに、加工処理を施すことができないという問題が
ある。
【0003】そこで、前記問題を解決するために、酢酸
ビニルモノマーと種々のモノマーとを共重合させること
により、えられるポリマーのガラス転移温度を高め、レ
ンズ材料への加工処理を施しうるようにすることが試み
られている。
【0004】しかしながら、酢酸ビニルは、一般に用い
られるビニルモノマーであるスチレンやメチルメタクリ
レートなどとの共重合性が低く、単独重合体を形成しや
すいため、特別な重合方法が必要とされる。また、酢酸
ビニルを比較的共重合性が良好なエチレンやビニル系モ
ノマーと共重合させたばあいであっても、えられるポリ
マーの粘着性による作業性を考慮すると、酢酸ビニルの
配合量には限度があり、レンズ加工を施しうるポリマー
を製造することができない。
【0005】さらに、酢酸ビニルをコンタクトレンズ材
料として一般に用いられる多官能モノマーであるエチレ
ングリコールジメタクリレートなどと共重合させたばあ
いには、えられる酢酸ビニル系共重合体のガラス転移温
度が高くなることから、たとえばケン化処理を施す前で
あればレンズ材料への加工処理を施すことができるが、
かかるレンズ材料にケン化処理を施すと、含水率が低下
し、柔軟性に劣り、えられる含水性コンタクトレンズの
装用感がわるくなるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
前記従来技術に鑑みてケン化処理が施されたのちであっ
ても、含水率が高く装用感にすぐれた含水性コンタクト
レンズおよび機械的加工が容易に可能である該含水性コ
ンタクトレンズの製法を開発するべく鋭意研究を重ねた
結果、かかる含水性コンタクトレンズおよびその製法を
ようやく見出し、本発明を完成するにいたった。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(A)アルキル(メタ)アクリレートと分子内に少なく
とも2個の重合性基を有するモノマーとを主成分として
共重合してなる分子内に少なくとも平均1個の重合性基
を有する(メタ)アクリレート系ポリマー1〜30重量
%、(B)脂肪酸ビニルエステル45〜95重量%、(C)
ケン化による分解が不可能な低分子架橋剤0.02〜10重量
%および(D)ケン化による分解が可能な架橋剤0.1 〜
20重量%を主成分とする共重合体をケン化させてなる含
水性コンタクトレンズ、ならびに(A)アルキル(メ
タ)アクリレートと分子内に少なくとも2個の重合性基
を有するモノマーとを主成分として共重合してなる分子
内に少なくとも平均1個の重合性基を有する(メタ)ア
クリレート系ポリマー1〜30重量%、(B)脂肪酸ビニ
ルエステル45〜95重量%、(C)ケン化による分解が不
可能な低分子架橋剤0.02〜10重量%および(D)ケン化
による分解が可能な架橋剤0.1 〜20重量%を主成分とす
る重合成分を重合せしめて共重合体とし、えられた共重
合体に機械的加工を施したのち、ケン化させることを特
徴とする含水性コンタクトレンズの製法に関する。
【0008】
【作用および実施例】本発明の含水性コンタクトレンズ
は、前記したように、(A)アルキル(メタ)アクリレ
ートと分子内に少なくとも2個の重合性基を有するモノ
マーとを主成分として共重合してなる分子内に少なくと
も平均1個の重合性基を有する(メタ)アクリレート系
ポリマー(以下、ポリマー(A)という)1〜30重量
%、(B)脂肪酸ビニルエステル(以下、エステル
(B)という)45〜95重量%、(C)ケン化による分解
が不可能な低分子架橋剤(以下、架橋剤(C)という)
0.02〜10重量%および(D)ケン化による分解が可能な
架橋剤(以下、架橋剤(D)という)0.1 〜20重量%を
主成分とする共重合体をケン化させてえられるものであ
る。
【0009】本発明に用いられるポリマー(A)は、分
子内に少なくとも平均1個の重合性基を有するので、重
合性基を有する重合成分との共重合性が良好であり、と
くに2個以上の重合性基を有するポリマー(A)を用い
たばあいには、前記重合性基を有する重合成分との共重
合によって化学的な架橋点が増加するので、含水時には
マクロな相分離が生じず、透明性および機械的強度、耐
溶媒性、形状安定性や耐煮沸性などの耐久性が良好な含
水性コンタクトレンズをうることができる。
【0010】前記ポリマー(A)は、アルキル(メタ)
アクリレート(以下、(a)成分という)と分子内に少
なくとも2個の重合性基を有するモノマー(以下、
(b)成分という)とを主成分として共重合したもので
ある。
【0011】前記(a)成分は、分子内のアルキル基が
直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であるアルキ
ル(メタ)アクリレートであり、該アルキル基の水素原
子がフッ素原子で置換されていてもよい。
【0012】前記(a)成分の具体例としては、たとえ
ばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ
レート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘ
キシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフ
ルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプ
ロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロ
ピル(メタ)アクリレートなどがあげられ、これらは単
独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0013】前記(a)成分のなかでは、ポリマー
(A)と共重合性を有するほかの重合成分とを立体障害
を起こすことなく共重合させることができることから、
たとえば炭素数1〜6の低級アルキル(メタ)アクリレ
ートを用いることが好ましい。
【0014】前記(b)成分の具体例としては、たとえ
ばアリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリ
レート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレートなどの分子内に少
なくとも2個の重合性基を有するモノマーがあげられ、
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることが
できる。
【0015】前記(b)成分のなかでは、ポリマー
(A)と、共重合性を有するほかの重合成分との共重合
性を考慮すると、アリル基またはビニル基などのビニル
系の重合性基を有するもの、たとえばアリル(メタ)ア
クリレート、ビニル(メタ)アクリレートなどを用いる
ことが好ましい。
【0016】前記(a)成分と(b)成分との使用割合
(モル比)は、80/20〜99.97 /0.03、なかんづく95/
5〜99.95 /0.05であることが好ましい。かかる(b)
成分の使用量が前記下限値未満であるばあいには、ポリ
マー(A)と共重合性を有するほかの重合成分との良好
な共重合体がえられにくくなり、ポリマー(A)とほか
の重合成分からなるポリマーとの混合物となる傾向があ
り、また前記上限値をこえるばあいには、ポリマー
(A)と共重合性を有するほかの重合成分との架橋度が
大きくなりすぎる傾向がある。
【0017】ポリマー(A)は、前記(a)成分および
(b)成分を主成分とするものであるが、これらのほか
にも、たとえばヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸
基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ジ
メチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン
などの親水性モノマーなどを重合成分として含有させる
ことができる。
【0018】また、(a)成分と(b)成分とをあわせ
た使用量は、ポリマー(A)を構成するモノマー成分中
に70モル%以上、なかんづく80モル%以上となるように
調整することが好ましい。
【0019】前記ポリマー(A)をうる方法としては、
たとえば前記各重合成分を溶媒に溶解して重合開始剤を
添加し、撹拌しながら還流温度にて重合を行なう溶液重
合法などがあげられる。
【0020】前記溶液重合法に用いられる溶媒は、とく
に限定がなく、前記各重合成分の溶解が良好であり、か
つ重合反応を阻害しないものであればよい。かかる溶媒
としては、たとえばベンゼン、アセトンなどがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いられ
る。溶媒の使用量は、重合温度、時間などの条件や重合
成分の種類などによって異なるので、必要に応じて適宜
調整すればよい。
【0021】前記重合開始剤としては、たとえばアゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリ
ル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド、過酸化ベンゾイルなどを用いること
ができ、かかる重合開始剤の使用量は、重合を開始せし
めるのに充分な量であればよく、たとえば前記全重合成
分100 部(重量部、以下同様)に対して0.01〜5部、な
かんづく0.05〜2部であることが好ましい。
【0022】重合温度および時間には相関関係があり、
一概には決定することができないが、たとえば比較的低
温、たとえば50〜80℃で数分間〜数時間であることが好
ましい。
【0023】かくしてえられるポリマー(A)の数平均
分子量は、目的とする含水性コンタクトレンズの機械的
強度などに影響を及ぼすため、約5000〜200000、なかん
づく約10000 〜100000であることが好ましい。かかる数
平均分子量が小さすぎるばあいには、含水性コンタクト
レンズの機械的強度が劣るようになる傾向があり、また
数平均分子量が大きすぎるばあいには、共重合反応の際
にポリマー(A)がそのほかのモノマー成分に対して均
一に混合しにくくなり、均一な含水性コンタクトレンズ
をうることが困難となる傾向がある。
【0024】前記ポリマー(A)は、分子内に少なくと
も平均1個の重合性基を有するので、重合性基を有する
重合成分と良好に共重合し、これによって該ポリマー
(A)の補強効果などが発現される。
【0025】前記重合性基の数は、ポリマー(A)の分
子内に5個程度までであることが好ましい。かかる重合
性基の数が多すぎるばあいには、そのほかの重合成分と
の共重合の際に、えられる共重合体の架橋密度が大きく
なりすぎて目的とするコンタクトレンズの含水率が低下
したり、脆くなってしまう傾向がある。
【0026】前記ポリマー(A)の使用量は、ポリマー
(A)、エステル(B)、架橋剤(C)および架橋剤
(D)を主成分とする共重合体の1〜30重量%、好まし
くは5〜25重量%である。かかるポリマー(A)の使用
量が1重量%未満であるばあいには、充分な補強効果が
えられなくなるようになり、また30重量%をこえるばあ
いには、えられる含水性コンタクトレンズの含水率が低
下するようになる。
【0027】本発明において、エステル(B)は、ポリ
ビニルアルコールをうるための主成分である。
【0028】前記エステル(B)は脂肪酸中の水素原子
がフッ素原子または塩素原子などのハロゲン原子で置換
されたものであってもよい。かかるエステル(B)の具
体例としては、たとえばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バー
サチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニル、モノクロロ酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニ
ル、トリクロロ酢酸ビニルなどがあげられ、これらは単
独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0029】前記エステル(B)のなかでは、ケン化処
理のしやすさを考慮すれば、低級の脂肪酸ビニルエステ
ルが好ましいが、とくに入手しやすさを考慮すれば、酢
酸ビニルおよびトリフルオロ酢酸ビニルが好ましい。
【0030】前記エステル(B)の使用量は、ポリマー
(A)、エステル(B)、架橋剤(C)および架橋剤
(D)を主成分とする共重合体の45〜95重量%、好まし
くは55〜90重量%である。かかるエステル(B)の使用
量が45重量%未満であるばあいには、えられる含水性コ
ンタクトレンズの含水率が低下するようになり、また95
重量%をこえるばあいには、えられる含水性コンタクト
レンズの耐煮沸性および耐凍結性が劣るようになる。
【0031】本発明において、架橋剤(C)は、えられ
た含水性コンタクトレンズを煮沸消毒することができる
ように、その耐熱性を向上させるための成分である。
【0032】前記架橋剤(C)としては、たとえばビ
ニル基やアリル基などのようなエステル(B)をはじめ
とするほかの重合成分と共重合性がよい重合性基を有
し、エステル(B)をはじめとするほかの重合成分に
対して易溶性を呈し、均一に配合しうる化合物を好まし
く用いることができる。該架橋剤(C)が、共重合性が
わるい重合性基のみを有する化合物であるばあいには、
えられる共重合体からの溶出物の量をきわめて少なくし
にくくなったり、機械的強度などの物性の向上がはから
れにくくなる傾向があり、また重合成分に均一に溶解し
なければ、均一な材料がえられにくくなるばかりか、透
明な材料がえられにくくなる傾向がある。
【0033】かかる性質を有する架橋剤(C)として
は、たとえば一般式(II):
【0034】
【化3】
【0035】(式中、R4 およびR5 はそれぞれ独立し
て−CH=CH2 または−CH2 −CH=CH2 を示
し、aおよびbはそれぞれ0〜5の整数であって、aが
0のときbは0である)で表わされる化合物、一般式
(III):
【0036】
【化4】
【0037】(式中、R6 、R7 およびR8 はそれぞれ
独立して−CH=CH2 または−CH2 −CH=C
2 、R9 およびR10はそれぞれ独立して水素原子、−
CH3 、一般式:
【0038】
【化5】
【0039】(gは1〜5の整数を示す)で表わされる
基、一般式:
【0040】
【化6】
【0041】(R11は水素原子または−CH3 、hは0
〜12の整数を示す)で表わされる基または一般式:−
COOR12(R12は水素原子または−CH3 を示す)で
表わされる基、cは0〜3の整数、dは0〜500 の整
数、eは0〜10000 の整数、fは0〜3の整数を示す)
で表わされる化合物、アリル(メタ)アクリレートなど
があげられる。
【0042】前記一般式(II)で表わされる架橋剤
(C)の具体例としては、たとえばエチレングリコール
ジアリルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテ
ル、エチレングリコールアリルビニルエーテル、ジエチ
レングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコー
ルジビニルエーテル、ジエチレングリコールアリルビニ
ルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテ
ル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリエ
チレングリコールアリルビニルエーテル、テトラエチレ
ングリコールジアリルエーテル、テトラエチレングリコ
ールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールアリ
ルビニルエーテル、ペンタエチレングリコールジアリル
エーテル、ペンタエチレングリコールジビニルエーテ
ル、ペンタエチレングリコールアリルビニルエーテル、
ジアリルエーテル、ジビニルエーテル、アリルビニルエ
ーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、プロ
ピレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコ
ールアリルビニルエーテル、ジプロピレングリコールジ
アリルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエー
テル、ジプロピレングリコールアリルビニルエーテル、
トリプロピレングリコールジアリルエーテル、トリプロ
ピレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレング
リコールアリルビニルエーテル、テトラプロピレングリ
コールジアリルエーテル、テトラプロピレングリコール
ジビニルエーテル、テトラプロピレングリコールアリル
ビニルエーテル、ブチレングリコールジアリルエーテ
ル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ブチレング
リコールアリルビニルエーテル、ジブチレングリコール
ジアリルエーテル、ジブチレングリコールジビニルエー
テル、ジブチレングリコールアリルビニルエーテル、ト
リブチレングリコールジアリルエーテル、トリブチレン
グリコールジビニルエーテル、トリブチレングリコール
アリルビニルエーテル、テトラブチレングリコールジア
リルエーテル、テトラブチレングリコールジビニルエー
テル、テトラブチレングリコールアリルビニルエーテル
などがあげられ、また前記一般式(III)で表わされ
る架橋剤(C)の具体例としては、たとえばNISSO-PB B
シリーズ、NISSO-PB Gシリーズ(以上、いずれも日本曹
達(株)製)などがあげられ、架橋剤(C)は単独でま
たは2種以上を混合して用いることができる。
【0043】前記架橋剤(C)の使用量は、ポリマー
(A)、エステル(B)、架橋剤(C)および架橋剤
(D)を主成分とする共重合体の0.02〜10重量%、好ま
しくは0.1 〜10重量%である。かかる架橋剤(C)の使
用量が0.02重量%未満であるばあいには、共重合体が充
分に架橋せず、えられる含水性コンタクトレンズの耐煮
沸性が劣るようになり、また10重量%をこえるばあいに
は、えられる含水性コンタクトレンズの含水率が低下し
たり、弾性が劣るようになる。
【0044】本発明において、架橋剤(D)は、本発明
の含水性コンタクトレンズに用いられる共重合体の機械
的加工を容易に可能にしうる成分である。かかる架橋剤
(D)を用いることにより、えられる共重合体が切削な
どの機械的加工に耐えうる強度を有するようになって加
工性が向上し、該共重合体に機械的加工を施したのちに
ケン化させると、架橋されている架橋剤(D)に基づく
部分が分解および水和され、えられたコンタクトレンズ
から脱し、このとき、ケン化処理後の架橋剤(D)の残
基がビニルアルコールとなってコンタクトレンズの含水
率を向上せしめるはたらきをする。
【0045】前記架橋剤(D)としては、たとえば一般
式(I):
【0046】
【化7】
【0047】(式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立し
て水素原子またはメチル基、R3 は炭素数1〜10のアル
キレン基を示す)で表わされる化合物なとがあげられ、
かかる一般式(I)で表わされる化合物の具体例として
は、たとえばアジピン酸ジビニル、マロン酸ジビニル、
コハク酸ジビニル、グルタル酸ジビニルなどがあげられ
る。
【0048】前記架橋剤(D)は単独でまたは2種以上
を混合して用いることかできるが、これらのなかでは、
かかる架橋剤(D)を用いることによる共重合体の強度
やコンタクトレンズの含水率の向上効果が大きいという
点からアジピン酸ジビニルが好ましい。
【0049】前記架橋剤(D)の使用量は、ポリマー
(A)、エステル(B)、架橋剤(C)および架橋剤
(D)を主成分とする共重合体の0.1 〜20重量%、好ま
しくは0.1 〜10重量%である。かかる架橋剤(D)の使
用量が0.1 重量%未満であるばあいには、えられる共重
合体に充分な強度が付与されず、切削などの機械的加工
を施すことが困難となるようになり、また20重量%をこ
えるばあいには、均一な共重合体をうることが困難とな
るようになる。
【0050】本発明の含水性コンタクトレンズに用いら
れる共重合体は、前記したように、ポリマー(A)、エ
ステル(B)、架橋剤(C)および架橋剤(D)を主成
分とするものであるが、本発明においては、えられる含
水性コンタクトレンズの機械的強度、親水性、形状保持
性などをさらに向上させる目的で、これらと共重合可能
なその他のモノマー(以下、モノマー(E)という)を
重合成分として用いることができる。
【0051】前記モノマー(E)としては、たとえばメ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレートなどの(メタ)アクリレート系モノマー、ジ
メチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アク
リルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、N−ビニ
ルピロリドン、N−ビニルピペリジン、N−ビニルカプ
ロラクタムなどのN−ビニルラクタム類などがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができるが、これらのなかでは、メチルメタクリレー
ト、ジメチルアクリルアミドおよびN−ビニルピロリド
ンが好ましい。
【0052】なお、前記モノマー(E)の使用量は、前
記ポリマー(A)、エステル(B)、架橋剤(C)およ
び架橋剤(D)の種類および使用量を考慮して適宜調整
すればよい。
【0053】本発明の含水性コンタクトレンズをうるに
は、それぞれ使用量を調整したポリマー(A)、エステ
ル(B)、架橋剤(C)および架橋剤(D)、ならびに
必要に応じてモノマー(E)などの重合成分を重合せし
めて共重合体とし、えられた共重合体に機械的加工を施
したのち、ケン化させる方法などが好ましく用いられ
る。
【0054】まず、前記共重合体をうる方法の具体例と
しては、たとえばラジカル重合開始剤を重合成分に配合
したのち、まずたとえば約40〜50℃にて数時間〜数10時
間加熱して重合させ、ついで 120℃まで10数時間で順次
昇温して重合を完結させる方法(加熱重合法)、光重合
開始剤を配合したのち、たとえば紫外線などの光重合開
始剤の活性化の吸収帯に応じた波長の光線を照射して重
合を行なう方法(光重合法)、加熱重合法と光重合法と
を組合せて重合を行なう方法などがあげられる。
【0055】なお、かかる重合の際に、架橋剤(C)お
よび架橋剤(D)の作用によってえられる共重合体中に
架橋構造が形成され、該共重合体の機械的強度が向上す
る。
【0056】前記加熱重合法を用いるばあいには、恒温
槽または恒温室内で加熱してもよく、またマイクロ波の
ような電磁波を照射してもよく、その加熱は段階的に行
なってもよい。また、前記光重合法を用いるばあいに
は、増感剤をさらに添加してもよい。
【0057】本発明における前記共重合体の製造に際し
ては、生産性よく、高効率でうるために、通常の塊状重
合法を採用するのが好ましいが、必要に応じて溶液重合
法を採用してもよい。
【0058】前記ラジカル重合開始剤の具体例として
は、たとえばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジ
メチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、t-
ブチルハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイ
ド、過酸化ベンゾイルなどがあげられる。
【0059】前記光重合開始剤の具体例としては、たと
えばベンゾイン、メチルオルソベンゾイルベンゾエー
ト、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、メチルベン
ゾイルフォメート、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−
ブチルエーテルなどのベンゾイン系光重合開始剤;2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフ
ェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、
N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノ
ンなどのフェノン系光重合開始剤;1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン;1−フェニル−1,2−プ
ロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシ
ム;2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサン
ソンなどのチオキサンソン系光重合開始剤;ジベンゾス
バロン;2−エチルアンスラキノン;ベンゾフェノンア
クリレート;ベンゾフェノン;ベンジルなどがあげられ
る。
【0060】ラジカル重合開始剤または光重合開始剤
は、これらのなかから1種または2種以上を選択して用
いればよい。かかる重合開始剤の使用量は、全重合成分
100 部に対して約0.001 〜5部、なかんづく約0.01〜2
部であることが好ましい。
【0061】なお、えられた共重合体のガラス転移温度
は、該共重合体が機械的加工を施す際の熱などによって
変形しにくく、切削などの加工性にすぐれるという点か
ら、たとえば示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)
製、DSC 220 )を用いて測定したばあいに38℃程度以上
であることが好ましい。
【0062】つぎに、えられた共重合体に機械的加工を
施して含水性コンタクトレンズを成形すればよく、かか
る成形には、当業者が通常行なっている成形方法が採用
される。かかる成形方法には、切削、研磨などによる加
工法(機械的加工法)のほかにも、たとえば該機械的加
工法と鋳型を利用した成形法(モールド法)とを組合わ
せた方法などがある。
【0063】前記機械的加工法は、重合成分の重合を適
当な型または容器の中で行ない、たとえば棒状、ブロッ
ク状、板状などの共重合体をえたのち、切削加工、研磨
加工などの機械的加工を施し、所望のコンタクトレンズ
形状に加工する方法である。
【0064】前記機械的加工法とモールド法とを組合わ
せた方法は、まず所望のコンタクトレンズ形状の少なく
とも1つの面に対応した成形型(鋳型)を用意し、この
型の中で各重合成分を用いて重合を行ない、ついでコン
タクトレンズの他の面をうるように機械的加工を施して
コンタクトレンズをうる方法である。
【0065】なお、機械的加工法のみを採用するばあい
には、後述するケン化処理を施してしまったあとでは、
機械的加工が施せなくなるおそれがあるので、ケン化処
理を施す前にコンタクトレンズ形状に成形することが好
ましい。
【0066】機械的加工法とモールド法とを組合わせた
方法は、機械的加工法のみのばあいと比べて、原料とな
る成分が少量ですみ、製造工程が少なくてよく、さらに
重合に要する時間が短くてよいという利点がある。
【0067】つぎに、前記のようにして機械的加工が施
された共重合体をケン化させることにより、含水性コン
タクトレンズをうることができる。
【0068】ここでいうケン化とは、従来知られている
ポリビニルエステルのケン化方法に準じて、共重合体中
のケン化により分解が可能なエステル(B)および架橋
剤(D)に由来する単位をアルカリ性化合物または酸性
化合物により処理してアルコールまたはカルボン酸とす
ることである。ただし、後者の酸性化合物によるケン化
は、ケン化速度がおそく、かつ均一なものがえられにく
く、副反応がおこるという欠点があるので、アルカリ性
化合物によるケン化が望ましい。
【0069】ケン化に用いられる前記アルカリ性化合物
としては、たとえばアンモニア、アルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の水酸化物などがあげられる。かかるア
ルカリ性化合物の具体例としては、たとえば水酸化アン
モニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
カルシウムなどがあげられる。これらのアルカリ性化合
物はおもに固体であるため、アルコール類やエーテル類
などに溶解し、アルカリ溶液としてケン化反応に用いる
のがよい。
【0070】前記アルコール類としては、たとえばメタ
ノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアル
コールなどがあげられ、前記エーテル類としては、たと
えばジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどがあげ
られる。
【0071】ケン化に用いられるアルカリ性化合物のア
ルカリ溶液のなかではアルコール類を用いたものが好ま
しく、そのなかでも0.1 〜1.0 Nのアルカリアルコール
溶液が好ましいが、ケン化処理を効率よく進めるため
に、該アルカリアルコール溶液にアルカリ水溶液を混合
して用いることもできる。
【0072】前記共重合体は、前記アルカリ溶液に浸漬
することによりケン化される。
【0073】ケン化の反応温度は、一般に0〜100 ℃、
好ましくは10〜70℃の温度範囲に設定される。ケン化の
反応時間は、アルカリ性化合物の種類、アルカリ性化合
物の濃度、ケン化の反応温度などにより異なるので一概
には決定することができないが、実用的には、たとえば
室温で数時間でケン化反応が完了しないばあいには、ケ
ン化処理を行なう溶液を加温することが好ましい。ま
た、不均一系でケン化反応を行なうことも可能である。
【0074】なお、このときの共重合体中のケン化によ
る分解が可能な単位であるエステル(B)および架橋剤
(D)に由来する部分のケン化度は、90モル%以上であ
ることが好ましい。かかるケン化度が90モル%未満であ
るばあいには、えられる含水性コンタクトレンズが所望
の含水率となりにくくなったり、該含水性コンタクトレ
ンズを長期間にわたって用いる際に、たとえば煮沸処理
などを繰り返すことにより含水率が変化し、サイズ変化
をおこしやすくなるなど長期安定性に劣るものとなる傾
向がある。
【0075】こうしてケン化された共重合体を、たとえ
ば生理食塩水(0.9 %塩化ナトリウム水溶液)中で数時
間煮沸処理することにより、生体に対して安全で膨潤し
た含水性コンタクトレンズをうることができる。
【0076】つぎに本発明の含水性コンタクトレンズお
よびその製法を実施例に基づいてさらに詳細に説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
【0077】参考例1〔分子内に少なくとも平均1個の
重合性基を有する(メタ)アクリレート系ポリマー[ポ
リメチルメタクリレート(ポリマー(A))]の合成〕 1リットル容の3つ口丸底フラスコに、メチルメタクリ
レート99g、アリルメタクリレート1g、重合開始剤と
してアゾビスイソブチロニトリル0.5 gおよび溶媒とし
てベンゼン720 mlを加え、攪拌しながら還流温度にて2
時間重合させた。
【0078】つぎにえられた重合液をn-ヘキサン中に投
入して共重合体を沈殿物としてえたのち、減圧乾燥し、
さらに該共重合体をベンゼンに溶解して多量のn-ヘキサ
ン中に投入し、再沈殿させて精製した。これを減圧乾燥
してポリメチルメタクリレート(以下、PMMAとい
う)をえた。
【0079】えられたPMMAの数平均分子量および1
分子あたりの平均重合性基数を下記の方法により測定し
た。その結果、数平均分子量が23000 、1分子あたりの
平均重合性基数が1.8 であった。
【0080】(数平均分子量)ゲルパーミエイションク
ロマトグラフィにより測定した。
【0081】(1分子あたりの平均重合性基数)ゲルパ
ーミエイションクロマトグラフィおよびフーリエ変換プ
ロトン核磁気共鳴スペクトルにより測定した。
【0082】実施例1 100 ml容の三角フラスコに参考例1でえられたPMMA
15部を入れ、これに酢酸ビニル(エステル(B))50
部、ジエチレングリコールジアリルエーテル(架橋剤
(C))0.25部、アジピン酸ジビニル(架橋剤(D))
0.5 部およびN−ビニル−2−ピロリドン(モノマー
(E))35部を加えて完全に溶解させた。これに重合開
始剤として2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)0.04部を加えて溶解し、内径14mmのガラス
試験管に移した。
【0083】つぎにポリエチレン栓をして30℃の恒温水
槽中で64時間重合した。そののち、50℃に温度を上昇さ
せて8時間重合し、循環乾燥機内に移した。ここで、50
℃で5時間、60℃から 110℃まで徐々に昇温させながら
9時間加熱して重合を完了した。室温に冷却したのち、
さらに90℃で2時間加熱して歪みとりを行なった。
【0084】こうしてえられた棒材に切削加工を施して
厚さ0.2 mm、直径12mmのフィルム10枚を作製し、これら
を試験片とした。
【0085】前記試験片を用い、ガラス転移温度および
切削加工性を以下に示す方法にしたがって調べた。その
結果を表1に示す。
【0086】(イ)ガラス転移温度 示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)製、DSC 220
)を用い、測定温度範囲が室温ないし150 ℃および昇
温速度が20℃/分の測定条件で試験片のガラス転移温度
(℃)を測定した。
【0087】(ロ)切削加工性 試験片の表面状態を目視にて観察し、以下の評価基準に
基づいて評価した。
【0088】(評価基準) A:表面の光沢がきわめてすぐれている。 B:表面の光沢が良好である。 C:表面の光沢がわるい。 D:表面に光沢がなく、表面が荒い。 E:切削加工が施せなかった。
【0089】つぎに直径約10cmのシャーレに0.25N水酸
化ナトリウムのメタノール溶液を約50ml入れ、これに前
記試験片を入れて室温で24時間放置してケン化を終了し
た。水洗後、水500 mlを1リットル容の三角フラスコに
入れて24時間煮沸した。冷却後、水500 mlを生理食塩水
500 mlにかえて1時間煮沸し、水を生理食塩水に置換
し、溶出処理を完了した。かかる試験片の含水率および
ケン化度を以下に示す方法にしたがって測定した。その
結果を表1に示す。
【0090】(ハ)含水率 試験片(切削時の厚さ:0.2 mm)について、次式にした
がって含水率(重量%)を測定した。
【0091】 含水率(重量%)=[(W−WO )/W]×100 ただし、Wは平衡含水状態での試験片の重量(g)、W
O は乾燥状態での試験片の重量(g)を表わす。
【0092】(ニ)ケン化度 試験片のケン化度(モル%)をJIS K 6726に記載の方法
に準拠して測定した。
【0093】実施例2〜9および比較例1〜2 組成を表1に示すように変更したほかは実施例1と同様
にして試験片を作製し、ガラス転移温度および切削加工
性を調べた。また、この試験片に実施例1と同様にして
ケン化および溶出処理を施し、えられた試験片について
含水率およびケン化度を測定した。これらの結果を表1
に示す。
【0094】また、表1の中の略号は以下の化合物を示
す。
【0095】 VAc :酢酸ビニル TRIAM501 :ジエチレングリコールジアリルエーテ
ル AMA :アリルメタクリレート DVAA :アジピン酸ジビニル NVP :N−ビニル−2−ピロリドン DMAA :ジメチルアクリルアミド V−65 :2,2′−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)
【0096】
【表1】
【0097】表1に示された結果から、実施例1〜9に
おいては、架橋剤(D)が用いられていない比較例1〜
2のばあいと比べて共重合体のガラス転移温度が高く、
切削加工後の共重合体の表面の光沢がすぐれており、ま
た含水率が高いものであることがわかる。
【0098】
【発明の効果】本発明の含水性コンタクトレンズの製法
によって機械的加工が容易に可能となり、えられる含水
性コンタクトレンズは、ケン化処理が施されたのちであ
っても含水率が高いことから、目に対して充分な涙液が
与えられ、乾燥感などがなくなって装用感にすぐれたも
のであるという効果が奏される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アルキル(メタ)アクリレートと
    分子内に少なくとも2個の重合性基を有するモノマーと
    を主成分として共重合してなる分子内に少なくとも平均
    1個の重合性基を有する(メタ)アクリレート系ポリマ
    ー1〜30重量%、(B)脂肪酸ビニルエステル45〜95重
    量%、(C)ケン化による分解が不可能な低分子架橋剤
    0.02〜10重量%および(D)ケン化による分解が可能な
    架橋剤0.1 〜20重量%を主成分とする共重合体をケン化
    させてなる含水性コンタクトレンズ。
  2. 【請求項2】 (D)ケン化による分解が可能な架橋剤
    が一般式(I): 【化1】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立して水素原子ま
    たはメチル基、R3 は炭素数1〜10のアルキレン基を示
    す)で表わされる化合物である請求項1記載の含水性コ
    ンタクトレンズ。
  3. 【請求項3】 (A)アルキル(メタ)アクリレートと
    分子内に少なくとも2個の重合性基を有するモノマーと
    を主成分として共重合してなる分子内に少なくとも平均
    1個の重合性基を有する(メタ)アクリレート系ポリマ
    ー1〜30重量%、(B)脂肪酸ビニルエステル45〜95重
    量%、(C)ケン化による分解が不可能な低分子架橋剤
    0.02〜10重量%および(D)ケン化による分解が可能な
    架橋剤0.1 〜20重量%を主成分とする重合成分を重合せ
    しめて共重合体とし、えられた共重合体に機械的加工を
    施したのち、ケン化させることを特徴とする含水性コン
    タクトレンズの製法。
  4. 【請求項4】 (D)ケン化による分解が可能な架橋剤
    が一般式(I): 【化2】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立して水素原子ま
    たはメチル基、R3 は炭素数1〜10のアルキレン基を示
    す)で表わされる化合物である請求項3記載の含水性コ
    ンタクトレンズの製法。
JP5193527A 1993-08-04 1993-08-04 含水性コンタクトレンズおよびその製法 Pending JPH0749470A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5193527A JPH0749470A (ja) 1993-08-04 1993-08-04 含水性コンタクトレンズおよびその製法
EP94109500A EP0637761B1 (en) 1993-08-04 1994-06-20 Process for the production of water-absorptive contact lens
US08/262,457 US5502086A (en) 1993-08-04 1994-06-20 Water-absorptive contact lens and process for its production
DE69430089T DE69430089T2 (de) 1993-08-04 1994-06-20 Verfahren zur Herstellung von wasserabsorbierenden Kontaktlinsen

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5193527A JPH0749470A (ja) 1993-08-04 1993-08-04 含水性コンタクトレンズおよびその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0749470A true JPH0749470A (ja) 1995-02-21

Family

ID=16309560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5193527A Pending JPH0749470A (ja) 1993-08-04 1993-08-04 含水性コンタクトレンズおよびその製法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5502086A (ja)
EP (1) EP0637761B1 (ja)
JP (1) JPH0749470A (ja)
DE (1) DE69430089T2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006199622A (ja) * 2005-01-20 2006-08-03 Okayama Univ 医療用樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法及び成形品の製造方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020040661A (ko) 1999-05-12 2002-05-30 다나까 쿄이찌 안용(眼用)렌즈 재료 및 그 제조방법
US7828432B2 (en) * 2007-05-25 2010-11-09 Synergeyes, Inc. Hybrid contact lenses prepared with expansion controlled polymeric materials
US20120304531A1 (en) 2011-05-30 2012-12-06 Shell Oil Company Liquid fuel compositions

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4921908A (en) * 1983-06-03 1990-05-01 Minnesota Mining And Manufacturing Company Copolymers of poly(vinyl trifluoroacetate) or poly(vinyl alcohol)
DE3429379A1 (de) * 1983-08-10 1985-02-28 Kao Corp., Tokio/Tokyo Verfahren zur herstellung eines hochreaktiven wasserabsorbierenden harzes
CA1272329C (en) * 1985-01-09 1990-07-31 HIGHLY HYGROSCOPIC SOFT CONTACT LENSES
JPS6221101A (ja) * 1985-07-22 1987-01-29 Toyo Contact Lens Co Ltd 高含水性光学材料
US4978713A (en) * 1987-12-16 1990-12-18 Ciba-Geigy Corporation Polyvinyl alcohol derivatives containing pendant vinylic monomer reaction product units bound through ether groups and hydrogel contact lenses made therefrom
JP2804273B2 (ja) * 1988-03-09 1998-09-24 株式会社メニコン 高含水性眼用レンズ材料
JPH06102471A (ja) * 1992-09-22 1994-04-15 Menicon Co Ltd 含水性コンタクトレンズ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006199622A (ja) * 2005-01-20 2006-08-03 Okayama Univ 医療用樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法及び成形品の製造方法
JP4517148B2 (ja) * 2005-01-20 2010-08-04 国立大学法人 岡山大学 歯科・整形外科用樹脂組成物、その製造方法及び歯科・整形外科用成形品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE69430089T2 (de) 2002-10-02
DE69430089D1 (de) 2002-04-18
EP0637761A1 (en) 1995-02-08
EP0637761B1 (en) 2002-03-13
US5502086A (en) 1996-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1086898A (en) Hydrophilic gel polymer
US6635731B2 (en) Water plasticized high refractive index polymer for ophthalmic applications
US3983083A (en) Soft contact lenses and process for preparation thereof
NO168711B (no) Fremgangsmaate ved fremstilling av formgitte hydrogelgjenstander.
JPH0371965B2 (ja)
JPH1156999A (ja) 軟質眼内レンズ材料
JP2804273B2 (ja) 高含水性眼用レンズ材料
JPH06102471A (ja) 含水性コンタクトレンズ
JPH0749470A (ja) 含水性コンタクトレンズおよびその製法
US4745158A (en) Highly water-absorptive optical material
JPH08190077A (ja) 含水性ソフトコンタクトレンズ
JP3088857B2 (ja) 含水性コンタクトレンズ
JPH08184786A (ja) 含水性ソフトコンタクトレンズおよびその製法
JP2000056273A (ja) 紫外線吸収性眼用レンズ及びその製造方法
JP3558421B2 (ja) 眼用レンズ材料およびその製法
JPH08114773A (ja) 含水性ソフトコンタクトレンズの製法
JP2823784B2 (ja) 含水性ソフトコンタクトレンズ
JP4020213B2 (ja) 眼用レンズ材料およびその製法
JP2001255498A (ja) 紫外線吸収性低含水ソフトコンタクトレンズの製法
JPH11119170A (ja) 高含水コンタクトレンズおよびその製法
JPH07333566A (ja) ソフトコンタクトレンズ
JPS6125734B2 (ja)
JPH08176239A (ja) 光学材料およびその成形体の製法
JPH0679083B2 (ja) 光学材料
JPH0481612B2 (ja)