JPH07312511A - マイクロ波用多層複合基板およびその製造方法 - Google Patents

マイクロ波用多層複合基板およびその製造方法

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JPH07312511A
JPH07312511A JP6105255A JP10525594A JPH07312511A JP H07312511 A JPH07312511 A JP H07312511A JP 6105255 A JP6105255 A JP 6105255A JP 10525594 A JP10525594 A JP 10525594A JP H07312511 A JPH07312511 A JP H07312511A
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JP
Japan
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dielectric
layer
microwaves
green sheet
microwave
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Application number
JP6105255A
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English (en)
Inventor
Ichiro Kameyama
一郎 亀山
Junichi Kato
純一 加藤
Hiroshi Kagata
博司 加賀田
Tatsuya Inoue
竜也 井上
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘電体層と絶縁体層と間の接合性を高めるこ
とにより、焼成に起因する層間剥離及び基板の反りを防
止し、これにより、品質の安定性及び信頼性が向上した
マイクロ波用多層複合基板を実現する。 【構成】 マイクロ波用誘電体材料よりなる第1及び第
2の誘電体層4,6とガラスセラミックス材料よりなる
第1及び第2の絶縁体層1,9との間には第1及び第2
の中間層2,8が介在している。第1及び第2の中間層
2,8の組成は、マイクロ波用誘電体材料とガラスセラ
ミックス材料との混合物、又はマイクロ波用誘電体材料
とガラス粉末との混合物である。マイクロ波用誘電体材
料としては、Bi2 3 、CaO、Nb2 5 を主成分
とする誘電体セラッミクス材料や、少なくともBaO、
Nd2 3 、TiO2 を主成分とする材料にガラス粉末
を添加した誘電体セラミックス材料などが挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、共振器やフィルタを基
板内部に内蔵したマイクロ波用多層複合基板およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、低温焼結マイクロ波用誘電体セラ
ミックスの開発によって、使用できる導体金属として低
抵抗であるAg、Cuなどの利用が可能となり、マイク
ロ波領域においても積層デバイス化が可能となった。
【0003】マイクロ波用多層複合基板は次のように作
製されていた。すなわち、マイクロ波用誘電体グリーン
シート上に前記導体金属のペーストを用いて電極パター
ンをスクリーン印刷した後、該印刷面上に同種のマイク
ロ波用誘電体グリーンシートを積層する。この工程を繰
り返すことにより、共振器又はフィルタを構成する誘電
体層を作製する。
【0004】次に、該誘電体層の片面又は両面に絶縁体
層を積層した後、大気中又は低酸素雰囲気中において焼
成を行ない、マイクロ波用多層複合基板を得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のマイクロ波用多層複合基板によると、焼成過程
中における両者間の収縮開始温度や最終収縮率の差異、
又は冷却過程中における両者間の熱膨張率の差異によ
り、誘電体層と絶縁体層との間の接合部分で基板の反り
又は層間剥離が生じ、品質の安定性及び信頼性が損なわ
れるという問題があった。
【0006】前記に鑑み、本発明は、誘電体層と絶縁体
層と間の接合性を高めることにより、焼成に起因する層
間剥離及び基板の反りを防止し、これにより、品質の安
定性及び信頼性が向上したマイクロ波用多層複合基板及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、誘電体層と絶縁体層との間に、
これら両層のうちの少なくとも1つと接合すると共にこ
れら両層間の収縮開始温度、最終収縮率及び熱膨張率の
差異を緩和する中間層を設けるものであって、具体的に
は、マイクロ波用多層複合基板を、比誘電率が15以
上、1GHzにおける無負荷Q値が500以上、共振周
波数の温度変化率の絶対値が50ppm/℃以下である
マイクロ波用誘電体材料よりなる誘電体層と、該誘電体
層の両面側又は片面側に設けられた比誘電率が15以下
の絶縁体材料よりなる絶縁体層と、前記誘電体層と前記
絶縁体層との間に介在し、前記マイクロ波用誘電体材料
の構成成分及び前記絶縁体材料の構成成分のうちの少な
くとも1つを含む中間層材料よりなる中間層とから構成
するものである。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の構成に、前
記誘電体材料は、Bi2 3 、CaO及びNb2 5
主成分とする誘電体セラミックス材料であるという構成
を付加するものである。
【0009】請求項3の発明は、請求項1の構成に、前
記マイクロ波用誘電体材料は、BaO、Nd2 3 、T
iO2 及びガラスを主成分とする誘電体セラミックス材
料であるという構成を付加するものである。
【0010】請求項4の発明は、請求項1の構成に、前
記中間層材料は、請求項2又は3に記載の誘電体セラミ
ックス材料と前記絶縁体材料との混合物であり、請求項
2又は3に記載の誘電体セラミックス材料と前記絶縁体
材料との混合重量比率は90:10〜10:90の範囲
内であるという構成を付加するものである。
【0011】請求項5の発明は、前記中間層材料は、請
求項2又は3に記載の誘電体セラミックス材料と、B2
3 、SiO2 又はBaOのいずれかを含有するガラス
材料との混合物であり、請求項2又は3に記載の誘電体
セラミックス材料と前記ガラス材料との混合重量比率は
98:2〜10:90の範囲内であるという構成を付加
するものである。
【0012】請求項6の発明は、前記マイクロ波用誘電
体材料はBi2 3 、CaO及びNb2 5 を主成分と
する誘電体セラミックス材料であり、前記中間層材料は
前記誘電体セラミックス材料に0.5wt%〜10wt
%のZnOが添加された材料であるという構成を付加す
るものである。
【0013】請求項7の発明は、請求項1の発明に係る
マイクロ波用多層複合基板の製造方法であって、マイク
ロ波用誘電体材料よりなる第1のグリーンシート、比誘
電率が15以下の絶縁体材料よりなる第2のグリーンシ
ート、及び前記マイクロ波用誘電体材料の構成成分及び
前記絶縁体材料の構成成分のうちの少なくとも1つを含
む材料よりなる第3のグリーンシートをそれぞれ作製す
る工程と、前記第1のグリーンシートと導体材料よりな
るペーストとを用いて電極を内蔵した誘電体層を作製す
る工程と、前記誘電体層の片面側又は両面側に前記第3
のグリーンシートを積層する工程と、前記第3のグリー
ン層の上に前記第2のグリーンシートを積層する工程
と、前記誘電体層、第3のグリーンシート及び第2のグ
リーンシートよりなる複合積層体を熱圧着及び焼成する
工程とを備えている構成である。
【0014】
【作用】請求項1の構成により、誘電体層と絶縁体層と
の間に、誘電体層を形成するマイクロ波用誘電体材料の
構成成分及び絶縁体層を形成する絶縁体材料の構成成分
のうちの少なくとも1つを含む中間層が介在しているた
め、中間層に含まれる成分のうち誘電体層又は絶縁体層
に含まれる成分と同一の成分が接合界面で反応する。
【0015】また、誘電体層と絶縁体層との間の収縮開
始温度、最終収縮率及び熱膨張率などの差異は中間層が
介在することによって緩和される。
【0016】請求項2の構成により、マイクロ波用誘電
体材料がBi2 3 、CaO及びNb2 5 を主成分と
する誘電体セラミックス材料であるため、焼結温度が1
050℃以下、比誘電率が15以上、1GHzにおける
無負荷Q値が500以上、共振周波数の温度変化率の絶
対値が50ppm/℃以下であるマイクロ波用誘電体材
料を確実に得ることができる。
【0017】請求項3の構成により、マイクロ波用誘電
体材料がBaO、Nd2 3 、TiO2 及びガラスを主
成分とする誘電体セラミックス材料であるため、焼結温
度が1050℃以下、比誘電率が15以上、1GHzに
おける無負荷Q値が500以上、共振周波数の温度変化
率の絶対値が50ppm/℃以下であるマイクロ波用誘
電体材料を確実に得ることができる。
【0018】請求項4の構成により、中間層材料は請求
項2又は3に記載の誘電体セラミックス材料と前記絶縁
体材料との混合物であり、前者と後者との混合重量比率
が90:10〜10:90の範囲内であるため、誘電体
層と中間層との接合性及び絶縁体層と中間層との接合性
がそれぞれ向上すると共に、誘電体層と絶縁体層との間
の収縮開始温度、最終収縮率及び熱膨張率などの差異は
中間層によって確実に緩和される。
【0019】請求項5の構成により、中間層材料は請求
項2又は3に記載の誘電体セラミックス材料と、B2
3 、SiO2 又はBaOのいずれかを含有するガラス材
料との混合物であり、前者と後者との混合重量比率が9
8:2〜10:90の範囲内であるため、誘電体層と中
間層との接合性及び絶縁体層と中間層との接合性がそれ
ぞれ向上すると共に、誘電体層と絶縁体層との間の収縮
開始温度、最終収縮率及び熱膨張率などの差異は中間層
によって確実に緩和される。
【0020】請求項6の構成により、マイクロ波用誘電
体材料はBi2 3 、CaO及びNb2 5 を主成分と
する誘電体セラミックス材料であり、中間層材料は前記
誘電体セラミックス材料に0.5wt%〜10wt%の
ZnOが添加された材料であるため、Bi2 3 とZn
Oとは低融点化合物を形成し、液相焼結を促進するた
め、特に誘電体層と中間層との接合性が向上すると共
に、誘電体層と絶縁体層との間の収縮開始温度、最終収
縮率及び熱膨張率などの差異は中間層によって確実に緩
和される。
【0021】請求項7の構成により、マイクロ波用誘電
体材料よりなる第1のグリーンシートと導体材料よりな
る誘電体層の片面側又は両面側に、マイクロ波用誘電体
材料の構成成分及び絶縁体材料の構成成分のうちの少な
くとも1つの成分を含む材料よりなる第3のグリーンシ
ートを積層した後、該第3のグリーン層の上に比誘電率
が15以下の絶縁体材料よりなる第2のグリーンシート
を積層するため、誘電体層と絶縁体層との間に、誘電体
層を形成するマイクロ波用誘電体材料の構成成分及び絶
縁体層を形成する絶縁体材料の構成成分のうちの少なく
とも1つの成分を含む中間層を介在させることができ
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係るマイクロ波用多層複合基
板の一実施例について説明する。図1は本発明に係るマ
イクロ波用多層複合基板の断面構造を示しており、同図
に示すように、第1の絶縁層1の上に、第1の中間層
2、第1の導体層3、第1の誘電体層4、第2の導体層
5、第2の誘電体層6、第3の導体層7、第2の中間層
8及び第2の絶縁層9が順次形成され、第2の絶縁層9
の上に形成された表面電極10は第2の導体層5に接続
されている。本発明に係るマイクロ波用多層複合基板
は、共振器又はフィルタ部分となる第1及び第2の誘電
体層4,6の上下面に第1及び第2の中間層2,8を介
して第1及び第2の絶縁体層1,9が積層された多層複
合構造である。すなわち、第1及び第2の誘電体層4,
6と第1及び第2の絶縁体層1,9とは直接に接触せず
に、第1及び第2の中間層2,8を介して積層されてい
る。尚、第2の導体層5と表面電極10との接続は、グ
リーンシートにパンチング等により形成したスルーホー
ル11に導体ペーストを充填することにより実現した。
【0023】以下、本発明に係るマイクロ波用多層複合
基板の製造方法の実施例について説明する。
【0024】(実施例1)まず、第1及び第2の誘電体
層4,6を形成するためのマイクロ波用誘電体材料につ
いて説明する。
【0025】Bi2 3 :63.7wt%、CaC
3 :12.2wt%、Nb2 5 :24.1wt%と
なるように調製した粉末にCuOを0.5wt%添加し
た後、良く混合する。以下においては、前記組成のマイ
クロ波用誘電体材料を第1の誘電体材料と称する。第1
の誘電体材料を900℃で焼成して得られる焼結体の特
性は、比誘電率εr =58、無負荷Q=650(3.8
GHz)、共振周波数の温度特性τf =+23ppm/
℃であった。
【0026】その後、第1の誘電体材料の混合粉末に有
機バインダ、溶剤及び可塑剤を加え、混合してスラリー
を得た後、該スラリーをドクターブレード法により、
0.1〜0.3mmの厚さの第1のグリーンシートに成
膜する。
【0027】次に、第1及び第2の絶縁体層1,9を形
成するための絶縁体材料について説明する。
【0028】絶縁体材料としては、PbO−B2 3
SiO2 系のガラス粉末とフィラーとしてのAl2 3
との混合比率が50:50(wt%)であるガラスセラ
ミックを用いる。以下においては、前記組成の絶縁体材
料を第1の絶縁体材料と称する。第1の絶縁体材料を前
記と同様にして、ドクターブレード法により0.1〜
0.3mmの厚さの第2のグリーンシートを作製した。
第1の絶縁体材料を900℃で焼成して得られる焼結体
の特性は、比誘電率7、無負荷Q=1300(5.0G
Hz)、共振周波数の温度特性τf =−40ppm/
℃、抗折強度2500(kg/cm2 )であった。尚、
絶縁体材料のとしては、ガラスセラミック以外にコージ
ュライト系セラミック、ムライト系セラミック、フォル
ステライト系セラミックなどが挙げられるが、比誘電率
が15以下で、800〜1050℃で焼成できるもので
あれば特にその種類は問わない。
【0029】次に、第1及び第2の中間層2,8を形成
する中間層材料について説明する。第1の誘電体材料と
第1の絶縁体材料との混合組成(以下、第1の中間層材
料と称する。)、第1の誘電体材料とガラスとの混合組
成(以下、第2の中間層材料と称する。)、及び第1の
誘電体材料にZnOを添加した組成(以下、第3の中間
層材料と称する。)からなるグリーンシートをそれぞれ
用いた。混合比率は、第1の中間層材料及び第2の中間
層材料については、それぞれ(表1)、(表2)に示す
通りであり、第2の中間層材料については、添加したガ
ラスの組成系も示した。また、それぞれのグリーンシー
トにシート番号(C−1〜C−7、D−1〜D−11)
を表示した。第3の中間層材料については、第1の誘電
体材料に対してZnOを0.1wt%、0.5wt%、
5wt%、10wt%及び20wt%づつ添加した(シ
ート番号は順にE−1からE−5とする。)。グリーン
シートとしては、前記と同様にドクターブレード法によ
り、シート厚さ0.1〜0.3mmのものを作製した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】次に、第1、第2及び第3の導体層3,
5,7を形成する導体金属について説明する。導体金属
としては、低抵抗であるAg及びCuの金属を選んだ。
尚、スルーホール及び表面電極の導体金属も、マイクロ
波領域では低抵抗であるAg、Cuが望ましい。前記の
導体金属をビヒクルと混練してペースト化した。尚、導
体金属がCuの場合にはCuOペーストを用いた。この
導体ペーストを用いて、第1のグリーンシートが複数枚
積層されてなる誘電体層と、第2のグリーンシートから
なる絶縁体層とに、それぞれ所定の導体配線パターンを
印刷した。そして、これらの導体パターンが印刷された
グリーンシートの他に、中間層としてシート番号:C−
1〜C−7、D−1〜D−11及びE−1〜E−5の中
から選ばれる1種類のグリーンシートを用いて、図1に
示した順に重ね、プレス内において温度60℃、圧力5
0MPaで2分間加圧して積層体を得た。
【0033】その後、積層体を空気中において700℃
の温度下で熱処理をしてバインダを飛散させた。さら
に、Agペーストを用いた場合には空気中において90
0℃の温度下で2時間で焼成し、CuOペーストを用い
た場合にはH2 中において熱処理を行なって導体をCu
に還元した後、N2 中において900℃の温度下で2時
間で焼成して、それぞれ、マイクロ波用多層複合基板を
得た。
【0034】以上の工程より作製したマイクロ波用多層
複合基板について、基板の反り及び層間剥離を調べた結
果を(表3)に示す。
【0035】
【表3】
【0036】(比較例1)比較のために、前記の第1及
び第2の中間層2,8が介在しない以外は、実施例1と
同様の構造を有する積層体を、実施例1と同じグリーン
シートを用いて作製したが、この積層体は誘電体層と絶
縁体層との界面で全面剥離し、接合は不可能であった。
【0037】以上の結果から分かるように、実施例1に
係るマイクロ波用多層複合基板は、基板の反り及び層間
剥離が極めて有効に防止されており、著しい改善効果が
あった。特に、第1誘電体材料とガラスとの混合組成に
より中間層を形成した場合には、極めて接合性の高い基
板が得られた。尚、Ag、CuOのいずれの導体ペース
トを用いても同じ結果となった。
【0038】(実施例2)誘電体層を与えるマイクロ波
用誘電体材料として、BaO−TiO2 −Nd23
Sm2 3 −Bi2 3 系粉末:90wt%と、PbO
−B2 3 −SiO2 系ガラス:10wt%からなる混
合粉末(以下、第2の誘電体材料と称する。)を用い
て、実施例1と同様に、ドクターブレード法より、0.
1〜0.3mmの厚さの第3のグリーンシートを作製し
た。第2の誘電体材料を900℃において焼成して得ら
れる焼結体の特性は、比誘電率εr =55、無負荷Q=
630(3.9GHz)、共振周波数の温度特性τf
+11ppm/℃であった。
【0039】絶縁体層は、実施例1と同様に、第1の絶
縁材料により作製した第2のグリーンシートを用いた。
【0040】中間層としては、第2の誘電体材料と第1
の絶縁体材料との混合組成(以下、第4の中間層材料と
称する。)、第2の誘電体材料とガラスとの混合組成
(以下、第5の中間層材料と称する。)からなるグリー
ンシートをそれぞれ用いた。混合比率は、第4の中間層
材料については(表4)に示し、第5の中間層材料につ
いては(表5)に示した。第5の中間層材料について
は、添加したガラスの組成系も示した。また、各グリー
ンシートに、シート番号(F−1〜F−7、G−1〜G
−11)を表示した。尚、各グリーンシートは、実施例
1と同様にドクターブレード法により、シート厚さ0.
1〜0.3mmのものを作製した。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】次に、Ag又はCuOの導体ペーストを用
いて、第3のグリーンシートが複数枚積層されてなる誘
電体層と、第2のグリーンシートからなる絶縁体層と
に、それぞれ所定の導体配線パターンを印刷した。そし
て、これらの導体パターンが印刷されたグリーンシート
の他に、中間層としてシート番号:F−1〜F−7、G
−1〜G−11の中から選ばれる1種類のグリーンシー
トを用いて、実施例1と同様、図1に示した順に積層し
た。その後、実施例1と同じ条件で加圧及び焼成を行な
って、マイクロ波用多層複合基板を得た。これらのマイ
クロ波用多層複合基板について、基板の反り及び層間剥
離を調べた結果を(表6)に示す。
【0044】
【表6】
【0045】(比較例2)比較のために、実施例2に係
る中間層が介在しない以外は実施例2と同様の構造を有
する積層体を、実施例2と同じグリーンシートを用いて
作製したが、この積層体は誘電体層と絶縁体層との界面
で部分剥離した。
【0046】以上の結果から分かるように、実施例2に
係るマイクロ波用多層複合基板は、基板の反り及び層間
剥離が極めて有効に防止されており、著しい改善効果が
あった。特に、第2の誘電体層形成材料とガラスとの混
合組成を中間層として用いた場合、極めて接合性の高い
基板が得られた。尚、Ag、CuOのいずれの導体ペー
ストを用いても同じ結果となった。
【0047】
【発明の効果】請求項1の発明に係るマイクロ波用多層
複合基板によると、誘電体層と絶縁体層との間に、誘電
体層を形成するマイクロ波用誘電体材料の構成成分及び
絶縁体層を形成する絶縁体材料の構成成分のうちの少な
くとも1つを含む中間層が介在しているため、前記少な
くとも1つの成分が接合界面において反応するので中間
層と誘電体層又は絶縁体層との接合性が向上すると共
に、誘電体層と絶縁体層との間の収縮開始温度、最終収
縮率及び熱膨張率などの差異は中間層によって緩和され
るので基板の反り及び層間剥離が生じ難くなるので、高
品質のマイクロ波用多層複合基板を簡易且つ確実に実現
できる。
【0048】請求項2の発明に係るマイクロ波用多層複
合基板によると、マイクロ波用誘電体材料がBi
2 3 、CaO及びNb2 5 を主成分とする誘電体セ
ラミックス材料であるため、焼結温度が1050℃以
下、比誘電率が15以上、1GHzにおける無負荷Q値
が500以上、共振周波数の温度変化率の絶対値が50
ppm/℃以下であるマイクロ波用誘電体材料を確実に
得ることができる。
【0049】請求項3の発明に係るマイクロ波用多層複
合基板によると、マイクロ波用誘電体材料がBaO、N
2 3 、TiO2 及びガラスを主成分とする誘電体セ
ラミックス材料であるため、焼結温度が1050℃以
下、比誘電率が15以上、1GHzにおける無負荷Q値
が500以上、共振周波数の温度変化率の絶対値が50
ppm/℃以下であるマイクロ波用誘電体材料を確実に
得ることができる。
【0050】請求項4の発明に係るマイクロ波用多層複
合基板によると、中間層材料は請求項2又は3に記載の
誘電体セラミックス材料と絶縁体材料との混合物である
ため、誘電体層と絶縁体層との接合性が向上すると共
に、基板の反り及び層間剥離は一層生じ難くなるので、
一層高品質のマイクロ波用多層複合基板を簡易且つ確実
に実現できる。
【0051】請求項5の発明に係るマイクロ波用多層複
合基板によると、中間層材料は請求項2又は3に記載の
誘電体セラミックス材料と、B2 3 、SiO2 又はB
aOのいずれかを含有するガラス材料との混合物である
ため、誘電体層と絶縁体層との接合性が向上すると共
に、基板の反り及び層間剥離は一層生じ難くなるので、
一層高品質のマイクロ波用多層複合基板を簡易且つ確実
に実現できる。
【0052】請求項6の発明に係るマイクロ波用多層複
合基板によると、マイクロ波用誘電体材料はBi
2 3 、CaO及びNb2 5 を主成分とする誘電体セ
ラミックス材料であり、中間層材料は前記誘電体セラミ
ックス材料に0.5wt%〜10wt%のZnOが添加
された材料であるため、誘電体層と絶縁体層との接合性
が向上すると共に、基板の反り及び層間剥離は一層生じ
難くなるので、一層高品質のマイクロ波用多層複合基板
を簡易且つ確実に実現できる。
【0053】請求項7の発明に係るマイクロ波用多層複
合基板によると、誘電体層と絶縁体層との間に、誘電体
層を形成するマイクロ波用誘電体材料の構成成分及び絶
縁体層を形成する絶縁体材料の構成成分のうちの少なく
とも1つを含む中間層を介在させることができるので、
請求項1の発明に係るマイクロ波用多層複合基板を確実
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るマイクロ波用多層複合
基板の断面図である。
【符号の説明】
1 第1の絶縁体層 2 第1の中間層 3 第1の導体層 4 第1の誘電体層 5 第2の導体層 6 第2の誘電体層 7 第3の導体層 8 第2の中間層 9 第2の絶縁体層 10 表面電極 11 スルーホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 竜也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比誘電率が15以上、1GHzにおける
    無負荷Q値が500以上、共振周波数の温度変化率の絶
    対値が50ppm/℃以下であるマイクロ波用誘電体材
    料よりなる誘電体層と、該誘電体層の両面側又は片面側
    に設けられた比誘電率が15以下の絶縁体材料よりなる
    絶縁体層と、前記誘電体層と前記絶縁体層との間に介在
    し、前記マイクロ波用誘電体材料の構成成分及び前記絶
    縁体材料の構成成分のうちの少なくとも1つを含む中間
    層材料よりなる中間層とからなるマイクロ波用多層複合
    基板。
  2. 【請求項2】 前記マイクロ波用誘電体材料は、Bi2
    3 、CaO及びNb2 5 を主成分とする誘電体セラ
    ミックス材料であることを特徴とする請求項1に記載の
    マイクロ波用多層複合基板。
  3. 【請求項3】 前記マイクロ波用誘電体材料は、Ba
    O、Nd2 3 、TiO2 及びガラスを主成分とする誘
    電体セラミックス材料であることを特徴とする請求項1
    に記載のマイクロ波用多層複合基板。
  4. 【請求項4】 前記中間層材料は、請求項2又は3に記
    載の誘電体セラミックス材料と前記絶縁体材料との混合
    物であり、請求項2又は3に記載の誘電体セラミックス
    材料と前記絶縁体材料との混合重量比率は90:10〜
    10:90の範囲内であることを特徴とする請求項1に
    記載のマイクロ波用多層複合基板。
  5. 【請求項5】 前記中間層材料は、請求項2又は3に記
    載の誘電体セラミックス材料と、B2 3 、SiO2
    はBaOのいずれかを含有するガラス材料との混合物で
    あり、請求項2又は3に記載の誘電体セラミックス材料
    と前記ガラス材料との混合重量比率は98:2〜10:
    90の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の
    マイクロ波用多層複合基板。
  6. 【請求項6】 前記マイクロ波用誘電体材料はBi2
    3 、CaO及びNb2 5 を主成分とする誘電体セラミ
    ックス材料であり、前記中間層材料は前記誘電体セラミ
    ックス材料に0.5wt%〜10wt%のZnOが添加
    された材料であることを特徴とする請求項1に記載のマ
    イクロ波用多層複合基板。
  7. 【請求項7】 マイクロ波用誘電体材料よりなる第1の
    グリーンシート、比誘電率が15以下の絶縁体材料より
    なる第2のグリーンシート、及び前記マイクロ波用誘電
    体材料の構成成分及び前記絶縁体材料の構成成分のうち
    の少なくとも1つを含む材料よりなる第3のグリーンシ
    ートをそれぞれ作製する工程と、前記第1のグリーンシ
    ートと導体材料のペーストとを用いて電極を内蔵した誘
    電体層を作製する工程と、前記誘電体層の片面側又は両
    面側に前記第3のグリーンシートを積層する工程と、前
    記第3のグリーン層の上に前記第2のグリーンシートを
    積層する工程と、前記誘電体層、第3のグリーンシート
    及び第2のグリーンシートよりなる複合積層体を熱圧着
    及び焼成する工程とを備えていることを特徴とするマイ
    クロ波用多層複合基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1096558A2 (en) * 1999-10-28 2001-05-02 Murata Manufacturing Co., Ltd. Composite laminate and method for manufacturing the same
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US7146719B2 (en) 2000-06-15 2006-12-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multilayer circuit component and method for manufacturing the same

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