JPH07263063A - 電気コネクタ及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンタクトが強固に固定される電気コネクタ
及びそれに使用されるコンタクトを提供すること。 【構成】 電気コネクタ10の絶縁ハウジング12には貫通
するキャビティ22が形成される。キャビティ22の中間に
は傾斜する壁面を有する中間部28が形成される。コンタ
クト24は板面より斜めに切り起こされるランス70を有す
る。ランス70は中間部28に略当接する。絶縁ハウジング
12の側壁34の一部には薄壁部（抜け止め部）32がキャビ
ティ22内の中間部28に位置合わせされて形成される。薄
壁部32は工具Ｔによりキャビティ内へ撓められ、コンタ
クト24のランス70が抜けた開口内へと突出し、コンタク
ト24の抜け止めとして機能する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電線接続ブロック等の
電気コネクタ、及びその製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】電線接続ブロックは電話機器産業におい
て、第１導体の組と第２導体の組との接続に使用される
コネクタ製品である。電線接続ブロックの従来例が米国
特許第3,611,264 号公報に開示される。開示されるこの
電気コネクタは指標ストリップ及び接続ブロックを含
む。接続ブロックはスロットを有する複数のコンタクト
を有する。指標ストリップは一様な高さで長さ方向に間
隔を置いて配置される複数の歯を有する。これらの歯は
第１導体の組の識別を助ける。一方、接続ブロックが具
える、間隔を置いて形成された一様な高さを有する複数
の歯は第２導体の組を識別して、これによりスロットを
有するビーム状コンタクトを介して第１導体と交差接続
される。

【０００３】

【発明の解決すべき課題】上述の電線接続ブロックに対
して何年にも渡って更なる様々な改良が行われている
が、これは例えば米国特許第3,798,587 号及び4,118,09
5 号公報に開示される。しかしながら、いずれもコネク
タ、即ち電線接続ブロックの安定性、特にスロットを有
するビーム状コンタクトの確実な固定を意図する内容を
開示していない。適当な大きさの力がコンタクトに加え
られることにより、コンタクトに導体が圧接され、導体
がコンタクトアームの間のスロット内に押し入れられて
成端されることが望まれるが、販売される電線接続ブロ
ックにおいて、多くの場合コンタクトに「遊び」が生じ
てしまう。従来、コネクタハウジングの壁やキャビティ
に突出するインサートを提供することにより、この「遊
び」を減らす試みがなされて来た。しかしながら、この
試みではある程度「遊び」が残ってしまう。本発明はハ
ウジングとコンタクトとの特徴的な協働関係によりこの
「遊び」を減らし、成端時にコネクタをより安定化させ
るものである。以下に本発明を説明する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、コンタクト受
容キャビティを有するハウジングと、該ハウジングの前
記キャビティ内に挿入されるコンタクトとを含む電気コ
ネクタにおいて、前記コンタクトは挿入方向に対して実
質的に鋭角に切り起された板状ランスを有し、前記ハウ
ジングには前記コンタクトの前記板状ランスに当接する
段状部を前記コンタクト受容キャビティに形成すると共
に前記板状ランスの裏側の壁面に凹部を形成し、前記ハ
ウジングの一部を外部から前記板状ランスの背面に押圧
変形可能に構成したことを特徴とする。

【０００５】更に本発明は、ハウジングのコンタクト受
容キャビティに外部から挿入固定されるコンタクトを有
する電気コネクタの製造方法において、前記コンタクト
の前記ハウジングへの固定部に対応する位置を板面から
切り起して板状ランスを形成する工程と、前記コンタク
トを前記ハウジングの前記コンタクト受容キャビティ内
に挿入し前記板状ランスを前記コンタクト受容キャビテ
ィの段状部に当接させる工程と、前記コンタクトの前記
板状ランスの裏側の前記ハウジングの側壁を前記板状ラ
ンス側へ押圧変形して前記コンタクトを前記コンタクト
受容キャビティ内へ固定する工程とを具えることを特徴
とする。

【０００６】本発明は第１導体の組と第２導体の組とを
電気的に接続させる型の電気コネクタに関する。この型
のコネクタは電話機器産業に使用される電線接続ブロッ
クであり、１対の側壁が形成される絶縁ハウジングを有
する。ハウジング内にはハウジングを貫通する複数のキ
ャビティが形成される。キャビティの長さ方向には、そ
の一部に一様な幅を有する第１部分、第２部分の幅より
広幅に形成される第２部分、及び両者の間に位置して傾
斜するよう形成される中間部（段状部）が設けられる。
ハウジングは側壁の１枚に沿って置かれる複数の類似す
る薄壁部（抜け止め部）を含む。各薄壁部はキャビティ
内の対応する傾斜した壁面の中間部と位置合わせされ
る。スロットを有するビーム状のコンタクトが各キャビ
ティ内に収容される。コンタクトは基部及び該基部より
対向方向に延びる１対の端部とを有する。端部の各々は
導体を受容する圧接スロットを有する。基部にはランス
が形成され、前記の傾斜する中間部と当接するよう構成
される。この配置によりコンタクトは導体成端時に力が
加えられたときも第１の方向への動きが防止されるよう
固定される。更に各側壁より工具が挿入され薄壁部を切
断し、薄壁部をランスに近接する位置まで各キャビティ
内へ蝶番式に撓ませ得る。これにより、他の組の導体の
接続の際にコンタクトの第２の方向、即ち第１の方向の
対向方向への動きが防止される。

【０００７】

【実施例】以下に本発明の好適実施例となる電気コネク
タ（電線接続ブロック）及び使用されるコンタクトを図
面を参照して詳細に説明する。本発明は第１導体の組を
第２導体の組と電気的に相互接続させる型の、コンタク
トの固定を確実に行うべく改良される電気接続ブロック
及びそのコンタクトに関する。本発明の好適実施例とな
る電気コネクタが図１に示され、更にコンタクト固定の
ための構成が図２乃至図５で断面図として示される。

【０００８】本発明の好適実施例となる電気コネクタ10
は図１に示される如く、絶縁ハウジング12を有する。絶
縁ハウジング12は典型的な場合、プラスチック材料によ
り形成され、１対の側壁14、１対の端壁16、第１の接続
面18、及びコンタクト挿入面20を具える。断面図である
図２乃至図５に示される如く、ハウジング12内にはスロ
ットを有するビーム状平板コンタクト24を受容し、支持
する複数のキャビティ22が置かれる。キャビティ22はコ
ンタクト24を摺動可能にして収容する第１の幅の第１部
分34、該第１部分34より広幅の第２部分26、及びキャビ
ティ内の中間に位置する中間部（段状部）28により特徴
付けられる。中間部28は後述の理由により好ましくは傾
斜するよう形成される。

【０００９】ハウジング12の側壁14に沿って複数の凹部
30が形成される。各々はキャビティ22の各位置に対応し
て設けられ、キャビティ22の側壁34の一部に薄壁部（抜
け止め部）32を形成する。更に凹部30、即ち薄壁部32は
傾斜する中間部28に位置合わせされて形成される。好ま
しくは凹部30は略矩形に形成され適当な形状の工具を受
容可能である。

【００１０】本発明の好適実施例として示される、スロ
ットを有するビーム状平板コンタクト24は図１に最も良
く示される如くキャビティ22内に受容され、支持され
る。従来よりこの種のコンタクトは典型的な場合にはリ
ン青銅の如き平板状金属板ストリップから打ち抜き加工
される。打ち抜き加工は複数の工程を通じて加工効率を
上げるべくストリップを移動する途中の作業として行わ
れ、打ち抜き加工とピーニング（整形）加工とがストリ
ップに成され得る。コンタクト24は図１に示される如
く、中央に位置する基部40、該基部40より延びるアーム
46、48により形成される、１対の圧接式の導体受容スロ
ット42、44を有する。対を成すアーム46、48はフォーク
状部50−50、52−52を構成すべく分岐されて形成され
る。各アーム46、48の内側の基部に近い位置に広幅の細
長開口54、56が形成され、更に各アーム46、48の外側は
相互に近接してスロット42、44を形成する。スロット4
2、44は絶縁導体を受容すべく適当な幅に形成される。
絶縁導体は典型的な場合には絶縁材料、例えばポリエチ
レン、ポリプロピレン又はポリ塩化ビニルの如き材料に
より被覆された導電性材料又は電線を含む。従来より典
型的な場合には、外端58、60を比較的鋭角の略Ｖ型の挿
入口をスロット42、44に連続して傾斜して形成し、これ
により絶縁被覆の圧接接続による成端を実現する。

【００１１】従来はコンタクトの導体受容スロットの幅
を制御するためアームの外縁に沿ってピーニング加工が
成され、アームの導体受容スロットの間隙を近づけるこ
とが行われてきた。本発明の好適実施例においては、ス
ロット42、44の基端62を中央にしてスロットを狭くす
る、即ちピーニングの作業を行うことにより性能が向上
する。

【００１２】コンタクトに絶縁電線が成端されるとき、
かなりの力がコンタクトにかかるため、コンタクト24の
ハウジング12への固定が重要となる。本発明の好適実施
例ではスタンピング時にランス70がコンタクト24の基部
40から形成される。ランス70は基部40の面から傾斜方向
へ突出する。図２乃至図４に示される如く、ハウジング
12にコンタクト24が取り付けられるとき、ランス70は傾
斜する中間部28に対して当接する位置に置かれる。換言
すれば、中間部28は第１接続面18に向けてコンタクト24
が動く際のストッパとして機能する。コンタクト24が図
３の如くキャビティ22内に完全に挿入されたとき、図５
の如き傾斜する先端72を有する工具Ｔが凹部30内に挿入
される。工具Ｔは薄壁部32を３方向に渡って切断する。
その後薄壁部32は蝶番式に旋回して撓み、ランス70によ
って形成された開口内へと入り込む。この配置におい
て、部分的に切断された薄壁部32はランス70と略当接す
る位置まで撓み、これによりコンタクトの逆方向、即ち
挿入面20へ向けてのコンタクトの動きが防止される。従
って導体が成端の際のコンタクトに強い力が加えられる
ときにもコンタクトを確実に固定するためのストッパが
形成される。

【００１３】以上の如く本発明の好適実施例を示した
が、これはあくまでも例示的なものであり当業者によっ
て更に様々な変形、変更が可能である。

【００１４】

【発明の効果】本発明の電線接続ブロック及びその製造
方法によれば、コンタクトはハウジング内のキャビティ
に一側から容易に挿入可能であると共にキャビティ内で
確実に固定される。特にコンタクトに電線が圧接接続さ
れるとき、コンタクトに大きな力が加えられるが、その
際にもコンタクトは前記一側、或いは逆側へ向けて動か
ないよう確実に抜け止めされるので、電線を電線接続ブ
ロックに接続する際の接触不良が防止される。

【００１５】更に本発明によればコンタクトを低挿入力
でハウジング内に挿入可能であると共にコンタクトを確
実に固定可能である。

【００１６】加えて本発明によれば電線接続ブロックの
ハウジング壁面を一括して変形させることによりコンタ
クトを一括固定可能であり、コンタクトの固定を短時間
に行うことができる。また本発明によれば、ハウジング
の一部を変形してランスを裏打ちすることにより薄板状
のコンタクトに充分な保持強度を持たせ得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気コネクタの分解斜視図。

【図２】本発明の電気コネクタのコンタクトの取付前の
状態を示す断面図。

【図３】コンタクトが完全挿入された状態を示す図２類
似の断面図。

【図４】薄板部が切断されコンタクトを抜け止めすべく
撓んだ状態を示す図２類似の断面図。

【図５】工具Ｔによる薄板部の撓みを示す断面図。

【符号の説明】

10 電気コネクタ（電線接続ブロック） 12 ハウジング 22 キャビティ 24 コンタクト 28 中間部（段状部） 30 凹部 42、44 圧接スロット 70 ランス

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンタクト受容キャビティを有するハウ
   ジングと、該ハウジングの前記キャビティ内に挿入され
   るコンタクトとを含む電気コネクタにおいて、 前記コンタクトは挿入方向に対して実質的に鋭角に切り
   起された板状ランスを有し、 前記ハウジングには前記コンタクトの前記板状ランスに
   当接する段状部を前記コンタクト受容キャビティに形成
   すると共に前記板状ランスの裏側の壁面に凹部を形成
   し、前記ハウジングの一部を外部から前記板状ランスの
   背面に押圧変形可能に構成したことを特徴とする電気コ
   ネクタ。
2. 【請求項２】 ハウジングのコンタクト受容キャビティ
   に外部から挿入固定されるコンタクトを有する電気コネ
   クタの製造方法において、 前記コンタクトの前記ハウジングへの固定部に対応する
   位置を板面から切り起して板状ランスを形成する工程
   と、 前記コンタクトを前記ハウジングの前記コンタクト受容
   キャビティ内に挿入し前記板状ランスを前記コンタクト
   受容キャビティの段状部に当接させる工程と、 前記コンタクトの前記板状ランスの裏側の前記ハウジン
   グの側壁を前記板状ランス側へ押圧変形して前記コンタ
   クトを前記コンタクト受容キャビティ内へ固定する工程
   とを具えることを特徴とする電気コネクタの製造方法。