JPH0722696Y2 - 価格表示カードなどの吊下具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は価格表示カードなどの吊下具に係り、第１考案
と第２考案とからなり、第１考案は木綿繊維などの繊維
を撚り合わせた柔軟な糸の両端にオス爪片を突出した雄
釦と、オス爪片の圧入孔を設けた雌釦とを成形し、前記
の糸の柔軟性により雄釦と雌釦により挟着した価格表示
カード等を二つ折り状に曲げた糸により吊り下げるよう
にするものである。また、第２考案は特定考案である第
１考案と産業上の利用分野及び構成に欠くことができな
い事項の主要部分が同一である考案に係り、前記した雌
釦に設けるオス爪片の圧入孔を該雌釦の側面から中心部
まで明けた横方向のコア金型の抜取り跡孔に届かせ、雌
釦の指が触れない一方の面だけに圧入孔を開口させて設
けたものである。

（従来の技術） 第６、７図に示すように所要の長さに成形した合成樹脂
紐ａの一端に、オス爪片ｃを突出した雄釦ｂを一体成形
し、他端にオス爪片ｃを圧入する圧入孔ｅを設けた雌釦
ｄを一体成形してなる価格表示カード等などの吊下具は
公知である。この総樹脂製の吊下具は合成樹脂紐ａの強
度が充分な範囲で可及的に細く成形しても、元来が弾力
体であるから二つ折り状にすることができず、雄釦ｂの
オス爪片ｃにカード類ｆを通した上で第７図の通りに雌
釦ｄの圧入孔ｅにオス爪片ｃを圧入する時、ループ形に
なつた合成樹脂紐ａに第８図の通りの湾曲部ａ′を生
じ、該湾曲部ａ′を安全ピン等に通し、その安全ピン等
を商品である被服等に吊下げる場合などに、カード類ｆ
が不安定に吊り下がり、表示面が裏返しになる等の決定
的欠点がある。しかしながら樹脂紐と雄釦及び雌釦とを
一体成形しなければ経済的に不利な限り、改良は困難で
あるためその侭見送られていた。

（本考案が解決しようとする課題） 本考案は前記した構成の吊下具の紐を、使用のためルー
プ形にするとき、湾曲形になる弾力がない木綿繊維、化
学繊維などの繊維を撚り合わせた柔軟な糸を使用できる
ことを見出し、その使用により表示面が裏返しになる欠
点を生じないようにできることを確認して、かねてから
の課題を解決することを本考案の目的とするものであ
る。

（課題を解決するための手段） 本考案の価格表示カードなどの吊下具は前項に述べた目
的に合致するものであつて、第１考案は繊維を撚り合わ
せた柔軟な糸１の一端にオス爪片３を突出した合成樹脂
製の雄釦２を一体成形し、前記糸１の他端に合成樹脂製
の雌釦６を一体成形し、その雌釦６に前記のオス爪片３
の圧入孔７を設けたことを特徴とするもので、価格表示
カード等を繊維糸特有の柔順性により安定させて吊下げ
ることができるようにする。

また、第２考案は第１考案と同じく繊維を撚り合わせた
柔軟な糸11の一端にオス爪片13を突出した合成樹脂製の
雄釦12を一体成形し、前記糸11の他端に合成樹脂製の雌
釦18を一体成形し、その雌釦18に側面から中心部まで横
方向に明けたコア金型の抜取り跡孔16と一方の面から前
記抜取り跡孔16に届かせたオス爪片13の圧入孔17とを設
けたことを特徴とするもので、第１考案と同じ構成部
分、同じ効果があるの他、圧入孔を雌釦の他方の面に設
けていないので挿入のとき雌釦を押す指を刺激して疼痛
を感ずることがないようにできる。また第１考案、第２
考案ともに糸の素材や色の選択を自由にできる。

（実施例） 第１図は第１考案の一部切欠平面図、第２図は同使用態
様の一部切欠側面図、第３図は第２考案の一部切欠側面
図、第４図は同使用態様の一部切欠側面図、第５図は価
格表示カード類の吊下げを例示した正面図である。

第１、２図は本考案の第１考案を示し、１は木綿繊維、
化学繊維などの繊維を撚掛けした上で２つ折りにして吊
下げるに適した長さにした太番手の柔軟な糸であつて、
その一端にオス爪片３を一方の面から突出した合成樹脂
製の雄釦２を一体成形し、他端にオス爪片３を差込む圧
入孔７を一側面から他側面まで透設した合成樹脂製の雌
釦６を成形する。前記のオス爪片３は先端に径を少し大
きくした係合顎４を設け、かつ中心部に割溝５を形成し
て弾力を付けた構造になる。又雌釦６は圧入孔７の一端
にオス爪片３の係合顎４を係止する窪み８を設ける。糸
１は圧入孔７を透設する部分で他端が終わる長さにす
る。

本第１考案は、価格表示カード類20に予め明けてある穴
９にオス爪片３を通し、さらにそのオス爪片３に雌釦６
の圧入孔７を通して窪み８に係合し、２つ折りのループ
形として弾力がない２つ折り部1aを安全ピンなどに通
し、その安全ピンを被服などに縫い付けて使用する。

第３〜５図は本考案の第２考案を示し、第１考案の糸と
同じ柔軟な糸11を使用し、長さの一端に一方の面からオ
ス爪片13を突出した合成樹脂製の雄釦12を一体成形し、
他端に側面から中心部まで明けた横方向のコア金具の抜
取り跡孔16を設けると共に該抜取り跡孔16とＴ形に交差
する圧入孔17を形成した合成樹脂製の雌釦18を一体成形
する。

前記のオス爪片13には先端に径を少し大きくした係合顎
14を設け、かつ中心部に突出方向の割溝15を形成して弾
力を付けた構造になる。又雌釦18の圧入孔17は前記のよ
うに抜取り跡孔16と交差させて設けるもので、オス爪片
13は係合顎14を第４図のように抜取り跡孔16の圧入孔17
側に係止する。

本第２考案は価格表示カード類20に予め明けてある穴21
にオス爪片13を通し、さらにそのオス爪片13に雌釦18の
圧入孔17を通して抜け外れしないように係合顎14を抜取
り跡孔16の孔縁に係合し、柔軟な糸11を２つ折り形と
し、弾力が殆んどない２つ折り部11aを安全ピンなどに
通し、その安全ピンを被服などに縫い付けて使用する。

（作用） 本考案の第１考案は、繊維を撚り合わせた柔軟な糸１の
一端にオス爪片３を突出した雄釦２を成形し、前記の糸
１の他端に雌釦６を形成し、その雌釦に前記のオス爪片
３の圧入孔７を設け、在来の雄釦及び雌釦と同じ材質の
樹脂により成形されてループを形成するとき弾力を生じ
て２つ折りにできない欠陥を、従来は製造が困難である
等の理由により使用することがなかつた必要長さの繊維
糸を雄釦と雌釦の連結及び弾力のない２つ折りが要求さ
れる部材として、価格表示カードなどの吊下具を構成で
きた。

又第２考案は第１考案と同じに雄釦と雌釦を成形すると
共に、雌釦に側面から中心部まで明けた横方向のコア金
型の抜取り跡孔と一方の面から前記抜取り跡孔に届かせ
たオス爪片の圧入孔とを設けた三叉状に設けた構成にな
り、用途、用法は第１考案と変わらないが、雌釦18に設
けるコア金型の抜取り跡孔16はその外方で糸11を切断し
ないで通せることにより該糸11と、異材質である雌釦18
の連結強度を高めかつ製作を容易とし、抜取り跡孔16は
第４図のように３方を雌釦18の構成材料で囲むことがで
きて製作容易の実質を生じさせ、かつ強度が高い構造に
することができ、さらに該雌釦18を押す指腹に圧入孔17
が喰い込まないから傷みを感ぜず、糸１の色の選択を自
由にしてカラフルな価格表示カードなどの吊下具を構成
できた。

（効果） 本考案の第１考案及び第２考案は、糸１、11を繊維を撚
り合わせた糸を選択して２つ折りにした場合弾力が全く
殺される材料にしたから、従来の合成樹脂紐では欠点に
なる彎曲がなく、カードの表示部を裏返しに見にくくな
ることがほとんどない効果がある。また第２考案は雄釦
12のオス爪片13になる雌釦18の圧入孔17を圧入すると
き、該圧入孔17の雌釦18の表面に表れることがないので
雌釦を押す指に圧入孔が喰込んで疼痛を感ずることがな
い等の効果、第１考案の効果とを併せて生ずる。

また第１、第２考案はともにカラフルな色や素材の糸を
選択できる利益がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１考案の一部切欠平面図、第２図は同使用態
様の一部切欠側面図、第３図は第２考案の一部切欠側面
図、第４図は同使用態様の一部切欠側面図、第５図は価
格表示カード類の吊下げを例示した正面図である。第６
図は従来の吊下具の平面図、第７図は同一部切欠側面
図、第８図は欠点を示した正面図である。 1,11→糸、1a、11a→２つ折り部分 ２、12→雄釦、３、13→オス爪片 ６→雄釦、７、17→圧入孔、18→雄釦

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】繊維を撚り合わせた柔軟な糸１の一端にオ
   ス爪片３を突出した合成樹脂製の雄釦２を一体成形し、
   前記糸１の他端に合成樹脂製の雌釦６を一体成形し、そ
   の雌釦６に前記のオス爪片３の圧入孔７を設けたことを
   特徴とする価格表示カードなどの吊下具。
2. 【請求項２】繊維を撚り合わせた柔軟な糸11の一端にオ
   ス爪片13を突出した合成樹脂製の雄釦12を一体成形し、
   前記糸11の他端に合成樹脂製の雌釦18を一体成形し、そ
   の雌釦18に側面から中心部まで横方向に明けたコア金型
   の抜取り跡孔16と一方の面から前記抜取り跡孔16に届か
   せたオス爪片13の圧入孔17とを設けたことを特徴とする
   価格表示カードなどの吊下具。