JPH07192900A - 粒子加速器のタイミング制御装置 - Google Patents

粒子加速器のタイミング制御装置

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JPH07192900A
JPH07192900A JP34723593A JP34723593A JPH07192900A JP H07192900 A JPH07192900 A JP H07192900A JP 34723593 A JP34723593 A JP 34723593A JP 34723593 A JP34723593 A JP 34723593A JP H07192900 A JPH07192900 A JP H07192900A
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clock
timing
control device
timing control
cycle
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JP34723593A
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Yuuzou Shimouchi
雄三 下内
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、追従性の異なる複数の制御対象機器
に対してその補正を容易に行え、加速に要する時間を容
易に変更できることを最も主要な目的とする。 【構成】荷電粒子入射器から入射される荷電粒子ビーム
を所定エネルギーへ加速するための加速装置と、荷電粒
子ビームが所定の軌道を周回するように偏向・収束させ
るための電磁石とを備えた加速・蓄積リングからなる粒
子加速器の、加速に関する制御対象機器の動作を制御す
る粒子加速器のタイミング制御装置において、加速に関
する制御対象機器の動作基準値を更新するタイミングの
基準となる基準クロックを出力する基準クロック発生手
段と、基準クロックと加速開始を示すスタートパルスと
の同期をとって、同期クロックを出力する同期手段と、
制御対象機器と同数設けられ、同期クロックを基準にし
て、動作基準値を更新するタイミングを制御対象機器毎
に独立に設定できる遅延手段とを備えることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば電子等の荷電粒
子を加速・蓄積する粒子加速器において、高速、高精
度、高再現性で動作する必要のある制御対象機器のタイ
ミングを制御する装置に係り、特に制御対象機器の追従
性が異なる場合においても、それらの相対的な偏差を最
小に抑えられるようにした粒子加速器のタイミング制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、この種の粒子加速器の構成例を
示す概要図である。
【0003】図6において、荷電粒子入射器1は、例え
ば荷電粒子源と線形加速器とからなり、所定の運動エネ
ルギーを持つ荷電粒子、例えば電子のビームを出力す
る。この荷電粒子入射器1から出力された荷電粒子ビー
ムは、静電インフレクター2によって静電偏向を受け、
加速・蓄積リング3の真空ダクト4内の所定軌道に対し
て、接続方向から入射する。
【0004】一方、加速・蓄積リング3には、偏向電磁
石5が図示の部位に複数個配置されており、これによっ
て荷電粒子入射器1から入射した荷電粒子ビームを偏向
させる。また、四極電磁石6が図示の部位に配置されて
おり、これによってその荷電粒子ビームを収束させる。
【0005】すなわち、荷電粒子ビームは、これらの電
磁石5,6が発生する磁場によって、真空ダクト4内の
所定の軌道内に収まるように制御される。
【0006】なお、図示したものの他に、六極電磁石等
も設置されているが、図および説明を簡単にする便宜
上、ここでは省略している。
【0007】一方、高周波加速装置7内には、あらかじ
め高周波電場が形成されており、これによって荷電粒子
ビームには、周回軌道を回る時に電磁波として失われる
エネルギー、もしくはそれ以上のエネルギーが与えられ
る。そして、この失われるエネルギーに等しいエネルギ
ーが与えられれば、荷電粒子ビームは、一定のエネルギ
ーで周回する。また、それ以上のエネルギーが与えられ
れば、荷電粒子ビームは、徐々に加速されることにな
る。
【0008】上記のようにして、荷電粒子ビームを加速
すると、荷電粒子ビームは次第に所定の軌道の外側を周
るようになり、ついには真空ダクト4の壁に当たって消
滅してしまう。
【0009】従って、高周波加速装置7によって加速を
行なう場合には、それに合わせて偏向電磁石5、および
四極電磁石6の磁場を強めて、荷電粒子ビームが所定軌
道に収まるように制御する必要がある。
【0010】以下に、荷電粒子ビームを加速する際の加
速装置や電磁石等の制御対象機器の動作タイミングを制
御するタイミング制御装置の従来例について説明する。
【0011】図7は、この種の従来の粒子加速器のタイ
ミング制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0012】図7において、システム制御系8は、前記
図6に示した粒子加速器システム全体の制御系であり、
加速開始指令に相当するスタートパルスをタイミング制
御装置9へ入力する。
【0013】一方、タイミング制御装置9において、基
準クロック発生器10は、一般に水晶発振器と分周器と
から構成されており、水晶発振器で発生したクロック信
号を、分周器により分周して基準クロックを出力する。
この基準クロックの周期は、後述する制御対象機器への
動作基準値の更新周期に等しく、その制御対象機器が動
作できる周期から決定される。
【0014】また、同期回路11は、基準クロック発生
器10からの基準クロックと、システム制御系8から入
力されるスタートパルスとの同期をとって、同期クロッ
クを出力する。そして、この同期クロックは、タイミン
グ制御装置9からファンアウトされ、パターンメモリ1
2へ入力される。
【0015】一方、パターンメモリ12には、制御対象
機器への動作基準値が時系列的に記憶されており、同期
クロックが入力する毎に、順次その動作基準値を、制御
対象機器であるところの制御電源13へ出力する。
【0016】また、制御電源13は、高周波加速装置7
の電源、偏向電磁石5の電源、四極電磁石6の電源等で
あり、それぞれの動作基準値は、加速電圧基準値、偏向
電磁石コイル電流基準値、四極電磁石コイル電流基準値
等となる。
【0017】これらの動作基準値は、正確を期すために
デジタル信号でパターンメモリ12から出力され、各制
御電源13においてステップ状のアナログ信号に変換さ
れ、さらにフィルター等によりランプ状の信号にしてい
る。そして、これを基準にして、加速装置や電磁石等の
制御対象機器の動作値を制御することにより、加速に際
しての各制御対象機器の動作の歩調をとっている。
【0018】なお、六極電磁石等も同様に制御される
が、ここでは説明の簡単化のために省略している。
【0019】前述したように、従来の粒子加速器のタイ
ミング制御装置9は、同期クロックをファンアウトする
だけであるので、各パターンメモリ12から各制御電源
13への動作基準値は、相互に同期して更新される。
【0020】しかしながら、各制御電源13では、従来
からフィードバック制御を行なっており、また制御され
る加速装置や電磁石等の制御対象機器も、各々の追従性
に差がある。そのため、動作基準値と実際の動作値との
間にずれが生じる。
【0021】図8は、かかる動作基準値と実際の動作値
との関係の一例を示す図である。
【0022】図8において、RA ,RB はパターンメモ
リ12から出力される動作基準値、rA ,rB は制御電
源13内でランプ状に変換された動作基準値、xA ,x
B はそれぞれの制御対象機器の実際の動作値を表わして
いる。ただし、ここでは説明の簡単化のために、制御対
象機器A,Bの2つについてのみ表わしている。
【0023】制御対象機器A,Bそれぞれに対応するパ
ターンメモリ12へ入力される同期クロックは、全く同
じものなので、図8に示したように、パターンメモリ1
2からの動作基準値RA ,RB は相互に同期して更新さ
れる。従って、各制御対象機器の動作値xA ,xB は、
ランプ状に変換された動作基準値rA ,rB に重なるよ
うに変化するのが理想的である。
【0024】しかしながら、実際には、前述したよう
に、動作値は動作基準値よりも遅れ時間ΔtA ,ΔtB
だけ遅れ、各制御対象機器毎に異なる追従偏差εA ,ε
B が生じる。特に、tの時点に注目すると、制御対象機
器Aは既に立ち上がっているが、制御対象機器Bは殆ど
立ち上がっていない。そして、このようなバランスは、
荷電粒子ビームを所定軌道内で周回させることの妨げと
なる。
【0025】そこで、従来では、このようなアンバラン
スには再現性があることから、何回も入射・加速を繰り
返しながら、制御電源13のフィードバック制御のパラ
メータを調整したり、パターンメモリ12のデータを調
整して補正を行なっている。
【0026】しかしながら、いずれも大変手間がかか
り、合理的でない。
【0027】また、粒子加速器システムの運用の初期に
は、詳細な運転データの収集等の目的で、荷電粒子ビー
ムの加速に要する時間を変える必要が生じることがあ
る。そして、この時、従来のタイミング制御装置9で
は、基準クロックAの周期を変えたり、パターンメモリ
12の動作基準値データの変更を行なったりする必要が
あり、これらの作業も手間がかかるものである。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
粒子加速器のタイミング制御装置においては、追従性の
異なる複数の制御対象機器に対してその補正を容易に行
なえないばかりでなく、加速に要する時間を容易に変更
することができないという問題があった。
【0029】本発明の目的は、追従性の異なる複数の制
御対象機器に対してその補正を容易に行なうことができ
ると共に、加速に要する時間を容易に変更することが可
能な極めて信頼性の高い粒子加速器のタイミング制御装
置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、まず、請求項1に係る発明では、荷電粒子入射器
から入射される荷電粒子ビームを所定のエネルギーへ加
速するための加速装置と、荷電粒子ビームが所定の軌道
を周回するように偏向・収束させるための電磁石とを備
えた加速・蓄積リングからなる粒子加速器における、加
速に関する複数の制御対象機器の動作を制御する粒子加
速器のタイミング制御装置において、加速に関する複数
の制御対象機器の動作基準値を更新するタイミングの基
準となる基準クロックを出力する基準クロック発生手段
と、基準クロック発生手段から出力される基準クロック
と、加速開始を示すスタートパルスとの同期をとって、
同期クロックを出力する同期手段と、制御対象機器と同
数だけ設けられ、同期手段から出力される同期クロック
を基準にして、動作基準値を更新するタイミングを各制
御対象機器毎に独立に設定できる遅延手段とを備えて構
成している。
【0031】また、請求項2に係る発明では、上記請求
項1に記載の粒子加速器のタイミング制御装置におい
て、各遅延手段に対応して設けられ、対応する遅延手段
から出力されるクロックを動作基準値の更新の周期に分
周する分周手段を付加している。
【0032】さらに、請求項3に係る発明では、上記請
求項2に記載の粒子加速器のタイミング制御装置におい
て、各分周手段に、その分周比を任意に切り替えられる
機能を付加している。
【0033】
【作用】従って、まず、請求項1に係る発明の粒子加速
器のタイミング制御装置においては、基準クロック発生
手段で、加速に関する複数の制御対象機器の動作基準値
を更新するタイミングの基準となる基準クロックを出力
する。この基準クロックの周期は、前述と同様に、動作
基準値を更新する周期と等しいものとする。
【0034】次に、同期手段において、この基準クロッ
クと加速開始を示すスタートパルスとの同期をとり、同
期クロックを出力する。この同期クロックは、制御対象
機器と同数だけ設けられた遅延手段へ入力される。各遅
延手段では、この同期クロックを基準に、あらかじめ各
々独立に設定される遅延時間を計数した後に、その同期
クロックを出力する。そして、この遅延された同期クロ
ックを本タイミング制御装置から出力して、パターンメ
モリへ入力する。
【0035】このように、各々独立に遅延を加えられた
同期クロックを、パターンメモリへ入力して動作基準値
を更新することにより、各制御対象機器への動作基準値
の立ち上がりのタイミングを、基準クロックの周期の分
解能で各々独立に設定することができる。
【0036】すなわち、追従性の遅い制御対象機器への
動作基準値の立ち上がりを、追従性の速いものより前に
することができ、相対的な追従性のアンバランスをタイ
ミング制御装置で補正することができる。
【0037】一方、請求項2に係る発明の粒子加速器の
タイミング制御装置においては、基準クロック発生手段
が出力する基準クロックの同期を、動作基準値の更新の
周期より充分速いものとした上で、上記請求項1の場合
と同様に、同期をとって遅延を加える。そして、この遅
延を加えられた同期クロックを、分周手段によって動作
基準値の更新の周期まで分周して、パターンメモリへ出
力する。
【0038】このように、分周する前の速い同期クロッ
クを基準に、遅延時間を計数することにより、動作基準
値の更新の同期よりも細かい分解能で遅延時間を設定す
ることができる。
【0039】すなわち、より精密に追従性のアンバラン
スを補正することができる。
【0040】さらに、請求項3に係る発明の粒子加速器
のタイミング制御装置においては、上記請求項2で付加
した分周手段の分周比を任意に切り換えられるものとす
ることにより、動作基準値の更新の周期を変えることが
できる。
【0041】すなわち、より分周比を大きくすれば、動
作基準値の更新の周期が長くなり、また分周比を小さく
すれば、動作基準値の更新の周期が短くなる。
【0042】これを用いることで、加速に要する時間を
調整することができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して詳細に説明する。
【0044】まず、請求項1に係る発明による粒子加速
器のタイミング制御装置の一実施例について述べる。
【0045】図1は、請求項1に係る発明による粒子加
速器のタイミング制御装置の全体構成例を示すブロック
図であり、図7と同一部分には同一符号を付して示して
いる。
【0046】すなわち、本実施例の粒子加速器のタイミ
ング制御装置9は、図1に示すように、基準クロック発
生器10と、同期回路11と、遅延手段21とから構成
している。
【0047】ここで、基準クロック発生器10は、例え
ば水晶発振器と分周器とからなり、水晶発振器で発生し
たクロック信号を、分周器により分周して基準クロック
Aを出力するものである。
【0048】また、同期回路11は、基準クロック発生
器1から出力される基準クロックAと、システム制御系
8からの加速開始を示すスタートパルスBとの同期をと
り、同期クロックCを出力するものである。
【0049】さらに、遅延手段21は、図1に示すよう
に、制御対象機器と同数だけ設けられ、遅延カウンタ2
2と、論理積(AND)回路23とからなる。
【0050】遅延カウンタ22は、同期回路11から出
力される同期クロックCを所定数だけ計数するものであ
り、また論理積回路23は、同期回路11から出力され
る同期クロックCと、遅延カウンタ22からの出力との
論理積をとり、パターンクロックD1 〜D3 を出力する
ものである。
【0051】すなわち、遅延手段21は、遅延カウンタ
22で同期クロックCを所定数だけ計数した後に、パタ
ーンクロックD1 〜D3 を出力するものである。
【0052】一方、上記タイミング制御装置9からの出
力を入力とするパターンメモリ12は、各制御対象機器
毎に設けられる。
【0053】各パターンメモリ12には、対応する各制
御対象機器の動作基準値E1 〜E3が時系列的に記憶さ
れており、パターンクロックD1 〜D3 が入力される毎
に、その動作基準値E1 〜E3 を順次出力するものであ
る。
【0054】また、制御電源13は、パターンメモリ1
2から出力される動作基準値E1 〜E3 を基準に、各制
御対象機器の動作値を制御するものである。
【0055】なお、以後では、説明の簡単化のため、本
実施例における制御対象機器は、高周波加速装置7、偏
向電磁石5、四極電磁石6の3つとし、加速に関わる他
の制御対象機器については省略することにする。
【0056】次に、以上のように構成した本実施例の粒
子加速器のタイミング制御装置9の動作について、図2
に示すタイミングチャート図を用いて説明する。
【0057】まず、基準クロック発生器10は、図1に
示した加速タイミング制御系の全ての動作のタイミング
の基準となる基準クロックAを出力する。
【0058】この場合、本実施例では、基準クロックA
の周期は、そのままパターンメモリ12からの動作基準
値Eの更新の周期とする。従って、その周期は、動作基
準値E1 〜E3 を出力する各パターンメモリ12、およ
びその動作基準値E1 〜E3を受けて動作する各制御電
源13、および各制御対象機器の動作できる周期から設
定される。
【0059】一方、システム制御系8は、本タイミング
制御系を含む粒子加速器システム全体の制御系であり、
加速開始を指令するスタートパルスBを本タイミング制
御装置9へ入力する。
【0060】また、同期回路11は、このスタートパル
スBと、基準クロック発生器10から出力される基準ク
ロックAとの同期をとり、同期クロックCとして、制御
対象機器と同数設けられた各遅延手段21へ出力する。
【0061】さらに、各遅延手段21では、まず、遅延
カウンタ22において、あらかじめ各々独立に設定され
ている遅延時間t1 〜t3 を、前述した同期クロックC
を基準に計数する。そして、各遅延カウンタ22は、各
遅延時間t1 〜t3 まで計数すると、ONする信号を出
力する。また、論理積回路23は、この信号と同期クロ
ックCとの論理積をとって、パターンクロックD1 〜D
3 として出力する。
【0062】この場合、各遅延時間t1 〜t3 は、それ
ぞれに対応する制御対象機器の追従性から決定される。
その分解能は、同期クロックCを計数することから、同
期クロックCの周期、すなわち動作基準値E1 〜E3
更新の周期と等しいものとなる。また、遅延時間t1
3 は、対応する制御対象機器の追従性の速いもの程大
きく、追従性の遅いものに対しては小さく設定される。
【0063】ここで、本実施例では、仮に、各制御対象
機器の追従性を速いものから順に、高周波加速装置7、
偏向電磁石5、四極電磁石6とし、各遅延時間t1 〜t
3 は、t1 =2×基準クロック周期、t2 =1×基準ク
ロック周期、t3 =0としている。
【0064】一方、タイミング制御装置9から出力され
るパターンクロックD1 〜D3 は、それぞれ対応するパ
ターンメモリ12へ入力され、パターンメモリ12はこ
のパターンクロックD1 〜D3 に従って、対応する制御
電源13へ出力する動作基準値E1 〜E3 を更新する。
これにより、各制御電源13は、この動作基準値E1
3 を基準にして、各制御対象機器の動作、すなわち高
周波加速装置7の加速電圧、偏向電磁石5のコイル電
流、四極電磁石6のコイル電流等をそれぞれ制御する。
【0065】上述したように、本実施例の粒子加速器の
タイミング制御装置9は、水晶発振器と分周器とからな
り、水晶発振器で発生したクロック信号を、分周器によ
り分周して基準クロックAを出力する基準クロック発生
器10と、基準クロック発生器10から出力される基準
クロックAと、システム制御系8からの加速開始を示す
スタートパルスBとの同期をとり、同期クロックCを出
力する同期回路11と、制御対象機器と同数だけ設けら
れ、同期回路11から出力される同期クロックCを所定
数だけ計数する遅延カウンタ22、および同期回路11
から出力される同期クロックCと、遅延カウンタ22か
らの出力との論理積をとり、パターンクロックD1 〜D
3 を出力する論理積回路23からなる遅延手段21とか
ら構成したものである。
【0066】従って、各制御対象機器に対する動作基準
値の更新の始まるタイミングを、その更新周期を分解能
として変えることができる。すなわち、追従性の速い制
御対象機器に対する動作基準値の更新の開始を、追従性
の遅いものよりも遅らせることで、相対的な追従性の差
を補正することができる。換言すれば、追従性の異なる
複数の制御対象機器に対して、その補正を容易に行なう
ことが可能となる。
【0067】図3は、本実施例における動作基準値と実
際の動作値との関係の一例を示す図である。なお、図3
では、説明の簡単化のため、高周波加速装置7と偏向電
磁石5の場合のみについて図示している。
【0068】図3において、パターンクロックD1 ,D
2 は、図1、図2のパターンクロックD1 ,D2 に、動
作基準値E1 ,E2 は、図1の動作基準値E1 ,E2
それぞれ対応している。また、r1 ,r2 は、それぞれ
の制御電源13内でランプ状に変換された動作基準値を
示し、x1 ,x2 はそれぞれの実際の動作値を示してい
る。さらに、r2 ′は、高周波加速装置7を基準に見た
時の見かけ上の偏向電磁石5の動作基準値である。な
お、遅延設定値t1 ,t2 は、図2の遅延設定値t1
2 に対応している。
【0069】すなわち、本実施例においては、高周波加
速装置7の方が追従性が速いため、高周波加速装置7に
対する動作基準値E1 の更新の開始を遅らせている。こ
れにより、追従性が遅い偏向電磁石5に対する見かけ上
の動作基準値r2 ′が実際の動作基準値r2 よりも遅
れ、あたかも追従性が速くなったかのようになる。つま
り、見かけ上の追従偏差ε2 ′、遅れ時間Δt2 ′も、
実際の追従偏差ε2 、遅れ時間Δt2 よりも大幅に改善
される。
【0070】また、追従性の速い高周波加速装置7が立
ち上がったのに、追従性の遅い偏向電磁石5が立ち上が
っていないといったアンバランスも改善される。
【0071】次に、請求項2および請求項3に係る発明
による粒子加速器のタイミング制御装置の一実施例につ
いて述べる。
【0072】図4は、請求項2および請求項3に係る発
明による粒子加速器のタイミング制御装置の全体構成例
を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号
を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分につい
てのみ述べる。
【0073】すなわち、本実施例の粒子加速器のタイミ
ング制御装置9は、図4に示すように、前述した図1の
実施例におけるタイミング制御装置9に、その一構成要
素として分周器24を付加した構成としている。
【0074】ここで、分周器24は、図4に示すよう
に、各遅延手段21の後に設けられ、対応する遅延手段
21から出力される遅延同期クロックC1 ′〜C3 ′を
分周してパターンクロックD1 〜D3 を出力するもの
で、かつその分周比を任意に設定できるものである。
【0075】なお、以後では、説明の簡単化のため、本
実施例においても上記図1の実施例の場合と同様に制御
対象機器は3つとし、他の制御対象機器については省略
している。
【0076】次に、以上のように構成した本実施例の粒
子加速器のタイミング制御装置9の動作について、図5
に示すタイミングチャート図を用いて説明する。
【0077】まず、基準クロック発生器10は、図4に
示した加速タイミング制御系の全ての動作のタイミング
の基準となる基準クロックAを出力する。
【0078】この場合、本実施例では、基準クロックA
の周期は、制御対象機器の追従性の補正の分解能とな
り、ここでは動作基準値E1 〜E3 の更新周期の10分
の1としている。なお、動作基準値E1 〜E3 の更新周
期は、上記図1の実施例の場合と同様にして決定され
る。
【0079】一方、システム制御系8は、本タイミング
制御系を含む粒子加速器システム全体の制御系であり、
加速開始を指令するスタートパルスBを本タイミング制
御装置9へ入力する。
【0080】また、同期回路11は、上記図1の実施例
の場合と同様に、システム制御系8からのスタートパル
スBと基準クロックAの同期をとって、同期クロックC
を各遅延手段21へ出力する。
【0081】さらに、各遅延手段21でも、上記図1の
実施例の場合と同様に、遅延カウンタ22にあらかじめ
設定されている遅延時間t1 〜t3 をおいて、遅延同期
クロックC1 ′〜C3 ′を出力する。
【0082】この場合、遅延時間t1 〜t3 の分解能
は、遅延カウンタ22が基準とするクロックの周期であ
るから、ここでは動作基準値E1 〜E3 の更新周期の1
0分の1である。また、遅延同期クロックC1 ′〜
3 ′の周期も、動作基準値E1 〜E3 の更新周期の1
0分の1である。
【0083】さらにまた、各遅延手段21から出力され
た遅延同期クロックC1 ′〜C3 ′は、分周器24に入
力されて10倍の周期、すなわち動作基準値E1 〜E3
の更新周期に分周されて、パターンクロックD1 〜D3
として出力される。
【0084】上述したように、本実施例の粒子加速器の
タイミング制御装置9は、水晶発振器と分周器とからな
り、水晶発振器で発生したクロック信号を、分周器によ
り分周して基準クロックAを出力する基準クロック発生
器10と、基準クロック発生器1から出力される基準ク
ロックAと、システム制御系8からの加速開始を示すス
タートパルスBとの同期をとり、同期クロックCを出力
する同期回路11と、制御対象機器と同数だけ設けら
れ、同期回路11から出力される同期クロックCを所定
数だけ計数する遅延カウンタ22、および同期回路11
から出力される同期クロックCと、遅延カウンタ22か
らの出力との論理積をとり、パターンクロックD1 〜D
3 を出力する論理積回路23からなる遅延手段21と、
各遅延手段21に対応して設けられ、対応する遅延手段
21から出力される遅延同期クロックC1 ′〜C3 ′を
分周してパターンクロックD1 〜D3 を出力し、かつそ
の分周比を任意に設定できる分周器24とから構成した
ものである。
【0085】従って、各パターンメモリD1 〜D3 の始
まるタイミングを、動作基準値E1〜E3 の更新の周期
よりも細かい分解能で設定できる。すなわち、各制御対
象機器の立ち上がりのタイミングをより一層細かく設定
できるため、上記図1の実施例の場合に比べて、より一
層機密な補正を行なえることになる。換言すれば、追従
性の異なる複数の制御対象機器に対して、その補正をよ
り一層容易に行なうことが可能となる。
【0086】また、分周器24の分周比を任意に設定で
きるものとしているため、パターンメモリ12のデータ
の書きかえや基準クロックAの周期の変更等を行なわず
に、ビームの加速に要する時間を変えることができる。
すなわち、分周器24の分周比を大きくすれば、パター
ンクロックD1 〜D3 の周期が長くなり、動作基準値E
1 〜E3 がゆっくり更新される。よって、加速の開始か
ら終了までの時間が長くなり、その間に加速器の詳細な
運転データの収集等も行なえる。
【0087】さらに、上記構成のうち基準クロック発生
器10が出力する基準クロックAを、動作基準値E1
3 の更新の周期より速いものとすると共に、遅延手段
21の出力を分周して、動作基準値E1 〜E3 の更新の
周期に分周する分周器24を付加しているため、より一
層精密に各機器の追従性の補正を行なうことが可能にな
る。
【0088】さらにまた、上記分周器24の分周比を任
意に切り換えられる機能を付加しているため、粒子加速
器における荷電粒子ビームの加速に要する時間を容易に
変更することが可能となる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、基
準クロックと、加速開始を示すスタートパルスとの同期
をとり、同期クロックを出力する制御対象機器と同数だ
け設けられた同期手段からの同期クロックを基準にし
て、動作基準値を更新するタイミングを各制御対象機器
毎に独立に設定できる遅延手段とを備え、また各遅延手
段に対応して設けられ、各遅延手段から出力されるクロ
ックを動作基準値の更新の周期に分周する分周手段を付
加し、さらにその分周比を任意に切り替えられる機能を
構成するようにしたので、追従性の異なる各制御対象機
器に対してその補正を容易に行なうことができると共
に、加速に要する時間を容易に変更することが可能な信
頼性の高い粒子加速器のタイミング制御装置が提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明による粒子加速器のタイミ
ング制御装置の一実施例を示すブロック図。
【図2】同実施例の粒子加速器のタイミング制御装置に
おける詳細な動作を説明するためのタイミングチャート
図。
【図3】同実施例の粒子加速器のタイミング制御装置を
用いたタイミング制御系の動作を説明するための図。
【図4】請求項2および請求項3に係る発明による粒子
加速器のタイミング制御装置の一実施例を示すブロック
図。
【図5】同実施例の粒子加速器のタイミング制御装置に
おける詳細な動作を説明するためのタイミングチャート
図。
【図6】粒子加速器の構成例を示す概要図。
【図7】従来の粒子加速器のタイミング制御装置の構成
例を示すブロック図。
【図8】従来の粒子加速器のタイミング制御装置を用い
たタイミング制御系の動作を説明するための図。
【符号の説明】
1…荷電粒子入射器、2…静電インフレクター、3…加
速・蓄積リング、4…真空ダクト、5…偏向電磁石、6
…四極電磁石、7…高周波加速装置、8…システム制御
系、9…タイミング制御装置、10…基準クロック発生
器、11…同期回路、12…パターンメモリ、13…制
御電源、21…遅延手段、22…遅延カウンタ、23…
論理積(AND)回路、24…分周器、A…基準クロッ
ク、B…スタートパルス、C…同期クロック、C1 ′〜
3 ′…遅延同期クロック、D1〜C3 …パターンパル
ス、E1 〜E3 ,RA ,RB …動作基準値、r1
3 ,rA ,rB …ランプ状に変換された動作基準値、
2 ′…見かけ上の動作基準値、t1 〜t3 …遅延時
間、Δt1 ,Δt2 ,ΔtA ,ΔtB …遅れ時間、Δt
2′…見かけ上の遅れ時間、x1 ,x2 ,xA ,xB
実際の動作値、ε1 ,ε2,εA ,εB …追従偏差、ε
2 ′…見かけ上の追従偏差。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子入射器から入射される荷電粒子
    ビームを所定のエネルギーへ加速するための加速装置
    と、前記荷電粒子ビームが所定の軌道を周回するように
    偏向・収束させるための電磁石とを備えた加速・蓄積リ
    ングからなる粒子加速器における、加速に関する複数の
    制御対象機器の動作を制御する粒子加速器のタイミング
    制御装置において、 前記加速に関する複数の制御対象機器の動作基準値を更
    新するタイミングの基準となる基準クロックを出力する
    基準クロック発生手段と、 前記基準クロック発生手段から出力される基準クロック
    と、加速開始を示すスタートパルスとの同期をとって、
    同期クロックを出力する同期手段と、 前記制御対象機器と同数だけ設けられ、前記同期手段か
    ら出力される同期クロックを基準にして、前記動作基準
    値を更新するタイミングを各制御対象機器毎に独立に設
    定できる遅延手段と、 を備えて成ることを特徴とする粒子加速器のタイミング
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の粒子加速器のタイ
    ミング制御装置において、 前記各遅延手段に対応して設けられ、対応する遅延手段
    から出力されるクロックを前記動作基準値の更新の周期
    に分周する分周手段を付加して成ることを特徴とする粒
    子加速器のタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項2に記載の粒子加速器のタイ
    ミング制御装置において、 前記各分周手段に、その分周比を任意に切り替えられる
    機能を付加して成ることを特徴とする粒子加速器のタイ
    ミング制御装置。
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