JPH07181740A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及びその製造方法

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JPH07181740A
JPH07181740A JP6263258A JP26325894A JPH07181740A JP H07181740 A JPH07181740 A JP H07181740A JP 6263258 A JP6263258 A JP 6263258A JP 26325894 A JP26325894 A JP 26325894A JP H07181740 A JPH07181740 A JP H07181740A
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功二 稲葉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 造粒時の粒度分布がシャープで、現像性の良
好な静電荷像現像用トナーを提供することにある。 【構成】 結着樹脂,着色剤及びワックスを少なくとも
含有するトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーにお
いて、静電荷像現像用トナーは、重合性ビニル系単量体
または重合性ビニル系単量体と有機溶剤との混合物の含
有量が1,000ppm以下であり、該トナー粒子は、
重合性ビニル系単量体,スチレンまたはスチレン誘導体
とブタジエンまたはイソプレンとの共重合重量比が9
5:5乃至65:35であるスチレン−ジエン共重合
体,着色剤,ワックス及び重合開始剤を少なくとも含有
する混合物を混合して重合性単量体組成物を調製し、こ
の組成物を水系媒体へ分散して造粒し、重合性ビニル系
単量体の重合をおこなうことによって生成された着色樹
脂粒子であることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電荷潜像を顕像化す
る方法に用いられるトナー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては、例えば米国特許第
2,297,691号明細書等に記載されている如く多
数の方法が知られている。この電子写真法においては、
一般には、光導電性物質を利用し、種々の手段で感光体
上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用い
て現像してトナー像を形成し、必要に応じて紙の如き転
写材にこのトナー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱
加圧あるいは溶剤蒸気等を用いてトナー画像を該転写材
に定着することにより、複写物を得る。現在、複写物の
定着の強度、転写物のハンドリングの容易さ、作業の快
適性といった点で熱を利用した定着方法が主流をなして
いる。熱定着法としては、ヒートチャンバー法の如く輻
射熱を利用した方法もあるが、熱したロール状の加熱体
(例えば、熱ロール)をトナー画像に押し当てて定着す
る熱ローラー定着法が、熱効率の高さと高速対応性と安
全性の高さでもっとも多くの機械で採用されている。し
かしながら、効率が高いとは言っても熱溶融に使用され
るエネルギーは複写機内で占めるところはかなり大きな
ものであり、また溶融したトナー像と熱ロールとが直接
接触するためにトナーが熱ロールに付着して、後の画像
を汚すオフセット現象や、甚だしくは被定着物ごと熱ロ
ールに巻き付いてしまう巻き付き現象が発生する場合が
ある。
【0003】トナーを製造する方法としては、熱可塑性
樹脂中に染料または顔料等の着色剤及び荷電制御剤の如
き添加剤を溶融混合し、均一に分散した後溶融混練物を
冷却し、冷却物を、微粉砕手段及び分級手段により所望
の粒径を有するトナー粒子を製造する方法が知られてい
る。
【0004】これらの粉砕法によるトナーの製造方法に
おいては、ワックスなどの離型性物質をトナー粒子に添
加する場合に制約がある。離型性物質の分散を十分なレ
ベルとするためには、結着樹脂との混練温度において、
溶解して液状になっていないこと、離型性物質の含有量
を多くすることができないことなどである。このような
制約のため、粉砕法によるトナーの定着性を向上させる
ことは容易ではない。
【0005】一方、ワックスの如き離型剤を含有したト
ナーを懸濁重合法または乳化重合法により生成する方法
が提案されている。この懸濁重合法においては重合性単
量体に着色剤(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、
荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解または分散
せしめて単量体組成物を調製した後、この単量体組成物
を分散安定剤を含有する連続相(例えば水相)中に適当
な撹拌機を用いて分散し重合反応を行なわせ、所望の粒
径を有するトナー粒子を得るものである。
【0006】この懸濁重合法では、水の如き極性の大な
る分散媒体中で単量体組成物の液滴を造粒するため、単
量体組成物に含まれる極性基を有する成分は分散媒体と
の界面である表層部に存在し易く、非極性の成分は内部
に存在する擬似カプセル構造をとる。この製法上の特徴
を活用し、低融点のワックスをトナー粒子に含有させる
ことが可能である。
【0007】重合法により生成されたトナーは、低融点
のワックスの内包化により、耐ブロッキング性と低温定
着という相反する性能を両立することが可能である。低
融点ワックスがトナー粒子内に内包化されていることに
より、耐ブロッキング性能を低下させることなく、低温
で溶融するワックスによりトナーの熱伝導性が向上し、
その結果、トナーの低温定着が可能となる。さらに好ま
しいことには、定着時に融解したワックスが離型剤とし
ても働くため、定着ローラーにシリコーンオイルの如き
離型剤を塗布することなく、高温オフセットを防止する
ことが可能である。
【0008】しかしながら、単量体組成物に多量の低融
点ワックスを溶解,分散し水性媒体中で造粒する場合、
ワックスを含まない単量体組成物よりも造粒が困難であ
り、得られるトナーの粒度分布がブロードとなる傾向が
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の問題を解消した静電荷像現像用トナー及びその製造方
法を提供することにある。
【0010】本発明の目的は、粒度分布のシャープな静
電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供することに
ある。
【0011】本発明の目的は、低温定着性に優れ、高温
定着時の耐オフセット性に優れている静電荷像現像用ト
ナー及びその製造方法を提供することにある。
【0012】本発明の目的は、耐ブロッキング性に優れ
ている静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、結着
樹脂,着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナー
粒子を有する静電荷像現像用トナーにおいて、静電荷像
現像用トナーは、重合性ビニル系単量体または重合性ビ
ニル系単量体と有機溶剤との混合物の含有量が1,00
0ppm以下であり、該トナー粒子は、重合性ビニル系
単量体,スチレンまたはスチレン誘導体とブタジエンま
たはイソプレンとの共重合重量比が95:5乃至65:
35であるスチレン−ジエン共重合体,着色剤,ワック
ス及び重合開始剤を少なくとも含有する混合物を混合し
て重合性単量体組成物を調製し、重合性単量体組成物を
水系媒体へ分散して造粒し、水系媒体中で重合性ビニル
系単量体の重合をおこなうことによって生成された着色
樹脂粒子であることを特徴とする静電荷像現像用トナー
に関する。
【0014】さらに、本発明は、重合性ビニル系単量
体,スチレンまたはスチレン誘導体とブタジエンまたは
イソプレンとの共重合重量比が95:5乃至65:35
であるスチレン−ジエン共重合体,着色剤,ワックス及
び重合開始剤を少なくとも含有する混合物を混合して重
合性単量体組成物を調製し、重合性単量体組成物を水系
媒体へ分散して造粒し、水系媒体中で重合性ビニル系単
量体の重合をおこなってトナー粒子を生成する静電荷像
現像用トナーの製造方法であり、該トナー粒子は、結着
樹脂,着色剤及びワックスを少なくとも含有しており、
重合性ビニル系単量体または有機溶剤と重合性ビニル系
単量体との混合物の含有量が、1,000ppm以下で
あることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法
に関する。
【0015】本発明者らは、水性媒体中での重合が粒子
界面から始まり、極性成分は界面付近に集中し非極性成
分は中心部に集まる性質を利用して、ワックス成分を多
量に含有させた低温で定着可能なトナーをこれまでに開
発している。
【0016】懸濁重合法では、スチレン又はアクリル系
の重合性ビニル系単量体の場合、重合開始剤の使用量を
0.5〜20重量%とし、重合開始剤の半減期が0.5
〜30時間になるように重合温度を設定すると、熱定着
用トナーとして好ましいトナー組成物を得ることが出来
る。
【0017】この設定で重合転化率が90%以上になれ
ば撹拌を停止してもトナー粒子が合体して塊状になるこ
とは無くなり、重合転化率が97〜98%に達した時点
で取り出して乾燥すれば良い。
【0018】しかしながら、このトナー粒子中に低融点
のワックスを多量に含有させると、通常の環境下では何
ら問題なく良質な画像を得ることが出来るが、高温な環
境に放置すると著しく現像性が低下するという現象が発
生する場合がある。
【0019】懸濁重合法は重合反応が進むにつれて重合
性単量体組成物の粘度が増大し、ラジカル種の重合性ビ
ニル系単量体の移動が困難になり、トナー粒子内に未反
応の重合性ビニル系単量体が残留し易い。粉砕法による
トナーの場合、結着樹脂の製造時、或は溶融混練時にか
ける熱により残留する重合性単量体を除去出来るが、懸
濁重合法により直接的にトナーを生成する場合には高い
熱をトナー粒子に加えることは出来ないので、粉砕法で
生成したトナーに比べると多量の重合性単量体がトナー
粒子中に内蔵されやすい。懸濁重合法で生成したトナー
を水の存在しない状態で高温に放置すると、残留する未
反応の重合性単量体が徐々にトナー粒子表面から揮散し
てゆく時に、トナー粒子内部の低分子量成分や無極性成
分(例えば、低融点ワックス)がトナー粒子表面部に搬
送されることに依ってトナーの現像性が劣化するものと
思われる。トナー粒子中には、重合性単量体以外にも揮
発性の有機溶剤成分が微量存在する場合があり、これら
の含有量を1,000ppm以下になるように規制する
ことに依って、低融点ワックスを内包化しているトナー
を高温下に放置しても劣化することのないトナーを得る
ことが出来る。
【0020】シャープな粒度分布のトナーを懸濁重合法
又は乳化重合法により直接的に得ることは、分級工程の
省略,現像性の向上,高画質化に重要である。
【0021】ポリマー特性とワックス特性の双方の性質
を有する共重合重量比95:5乃至65:35のスチレ
ン−ジエン共重合体を、重合性単量体中に溶解混合する
ことにより、シャープな粒度のトナーを得られることを
見い出した。
【0022】その理由としては、スチレン−ジエン共重
合体が造粒工程にワックスを良好に内包化する作用を有
するからである。
【0023】本発明に使用されるスチレン−ジエン共重
合体は、本発明を効果的に発揮しうるために、ブロック
共重合体であることが好ましい。
【0024】スチレン−ジエン共重合体におけるスチレ
ンまたは誘導体の共重合重量比が95重量%を超える場
合(すなわち、ブタジエンまたはイソプレンの共重合比
が5重量%より少なくなる場合)、水系媒体中での造粒
性の向上に対する効果が少なく、一方、スチレンまたは
スチレン誘導体の共重合重量比が65重量%より少なく
なると、トナーの耐ブロッキング性が低下する。ブタジ
エンまたはイソプレンの共重合重量比が35重量%を超
えてジエンユニットが多すぎる場合、水系媒体中におけ
る重合性単量体組成物の粒子の安定性が低下する。
【0025】スチレン−ジエン共重合体は、スチレンポ
リマー鎖またはスチレン誘導体ポリマー鎖とブタジエン
ポリマー鎖またはイソプレンポリマー鎖とがブロック重
合しているブロック共重合体が、水系媒体中における重
合性単量体組成物の造粒性,ワックス粒子の耐ブロッキ
ング性の向上等により好ましい。
【0026】スチレン−ジエンブロック共重合体を使用
すると、水系媒体中で重合性単量体組成物を造粒する際
に、ブタジエンポリマーブロック部分またはイソプレン
ポリマーブロック部分に存在するCH2=CH−基が重
合性単量体組成物の粒子の安定性を高め、微粒子の生成
及び粗粒子の生成をより好ましく抑制し、トナーの粒度
分布をシャープにする。さらに、スチレンポリマーブロ
ック部分またはスチレン誘導体ポリマーブロック部分は
ガラス転移点が高いのでトナーの耐ブロッキング性をさ
らに向上させる。
【0027】スチレン−ジエン共重合体が有するCH2
=CH−基は、重合性ビニル系単量体の重合の際に、重
合性ビニル系単量体と反応し、結着樹脂成分の分枝化,
網状化を高めることから、トナーの耐オフセット性を向
上させる。
【0028】本発明で使用するスチレン−ジエン共重合
体は、重量平均分子量が3万〜50万(より好ましくは
5万〜30万)であることが好ましい。
【0029】スチレン−ジエン共重合体におけるジエン
ユニット部分に残存する全二重結合を100重量%とし
た場合、側鎖としてCH2=CH−基を5〜60重量%
(より好ましくは10〜50重量%)存在させること
が、トナーの耐ブロッキング性を向上させ、耐オフセッ
ト性を向上させ、水系媒体中での重合性単量体組成物の
造粒性をより向上させる点でより好ましい。
【0030】スチレン−ジエン共重合体は、トナーに
0.1〜20重量%含有されることが好ましく、さらに
スチレン−ジエン共重合体は、ワックスを基準にして1
〜50重量%含有されていることが、ワックスをトナー
粒子内に良好に内包化でき、トナーの耐ブロッキング性
及び流動性を向上させる点で好ましい。
【0031】ワックスは、トナーに5〜30重量%含有
されることが好ましく、本発明に用いられるワックスと
しては、パラフィン,ポリオレフィン,エステル系ワッ
クスが挙げられる。ワックスは融点50〜90℃を有し
ているものが低温定着を達成しうるので好ましい。
【0032】本発明に使用される重合性単量体組成物を
構成する重合性ビニル系単量体としては以下のものが挙
げられる。
【0033】重合性単量体としては、スチレン;o−メ
チルスチレン,m−メチルスチレン,p−メチルスチレ
ン,p−メトキシスチレン,p−エチルスチレンの如き
スチレン誘導体;アクリル酸メチル,アクリル酸エチ
ル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,ア
クリル酸n−プロピル,アクリル酸n−オクチル,アク
リル酸ドデシル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アク
リル酸ステアリル,アクリル酸2−クロルエチル,アク
リル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;メタクリ
ル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸n−プ
ロピル,メタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸イソブ
チル,メタクリル酸n−オクチル,メタクリル酸ドデシ
ル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸ス
テアリル,メタクリル酸フェニル,メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル,メタクリル酸ジエチルアミノエチルの
如きメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル,メタ
クリロニトリル,アクリルアミドの如き単量体が挙げら
れる。
【0034】これらのビニル系単量体は単独、または混
合して使用し得る。上述のビニル系単量体の中でも、ス
チレンまたはスチレン誘導体を単独で、あるいはアクリ
ル酸エステル又はメタクリル酸エステルと混合して使用
する事がトナーの現像特性及び耐久性の点から好まし
い。
【0035】本発明では、重合性単量体組成物にスチレ
ン−ジエン共重合体以外の他の樹脂を添加して重合して
も良い。例えば、単量体では水溶性のため水性懸濁液中
では溶解して乳化重合を起こすため使用できないアミノ
基、カルボン酸基、水酸基、スルフォン酸基、グリシジ
ル基、ニトリル基の如き親水性官能基をトナーに導入し
たい時には、親水性官能基を有するビニル系単量体とス
チレンあるいはエチレンの如きビニル系単量体とのラン
ダム共重合体、ブロック共重合体、あるいはグラフト共
重合体等、共重合体の形にして、あるいはポリアミド等
の重縮合体、ポリエーテル、ポリイミン等重付加重合体
の形で使用が可能となる。こうした極性官能基を含む高
分子重合体をトナー中に共存させると、前述のワックス
成分を相分離させ、内包化がより良好となり、トナーの
性能を向上させるので好ましい。その使用量としては、
重合性ビニル系単量体を基準にして1〜20重量%が好
ましい。極性官能基を含む高分子重合体は重量平均分子
量が5,000以上が好ましく用いられる。重量平均分
子量が5,000未満、特に4,000以下では、耐ブ
ロッキング性が低下し、好ましくない。単量体を重合し
て得られるトナーの分子量範囲とは異なる分子量の重合
体を単量体中に溶解して重合すれば、分子量分布の広
い、耐オフセット性の高いトナーを得ることが出来る。
【0036】本発明で用いられる着色剤としては、公知
のものが使用できる。例えば、C.I.ダイレクトレッ
ド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダン
トレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.
ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー15、
C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブル
ー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレク
トグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.
I.ベーシックグリーン6の如き染料、カーボンブラッ
ク、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファーストイ
エロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハ
ンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タート
ラジンレーキ、モリブデンオレンジGTR、ベンジジン
オレンジG、カドミウムレッド4R、ウォッチングレッ
ドカルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファスト
バイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コ
バルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブル
ーレーキ、キナクリドン、ローダミンレーキ、フタロシ
アニンブルー、ファストスカイブルー、ピグメントグリ
ーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエロ
ーグリーンGの如き顔料がある。本発明においては重合
法を用いてトナーを得るため、着色剤の持つ重合阻害性
や水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは表面
改質、例えば重合阻害の無い物質に依る疎水化処理を施
しておいたほうが良い。特に、染料系やカーボンブラッ
クは重合阻害性を有しているものが多いので、使用の際
には注意を要する。染料を表面処理する好ましい方法と
しては、予めこれらの染料の存在下に重合性単量体を重
合せしめる方法が挙げられる。
【0037】カーボンブラックについては、上記染料と
同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応
する物質(例えばポリオルガノシロキサンあるいはポリ
エチレングリコール等)とグラフト化処理を行なうのも
良い。カーボンブラック以外の顔料は、重合阻害性の強
いものは少ないが、重合性単量体への均一分散性の向上
を考慮してカーボンブラックと同様の処理をしたほうが
良い。
【0038】磁性体をトナー粒子に添加することにより
磁性トナーとしても良い。
【0039】本発明のトナーには、荷電特性を安定化す
るために荷電制御剤を配合しても良い。トナーの色調に
影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が好ましい。
【0040】本発明に使用する重合開始剤としては重合
反応時に半減期0.5〜30時間であるものを、重合性
ビニル系単量体の0.5〜20重量%の添加量で重合反
応を行なうと、分子量1万〜10万の間に極大を有する
重合体を得ることが可能であり、トナーに好ましい強度
と適当な熱溶融特性を与えることが出来る。重合開始剤
例としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カル
ボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロ
ニトリルの如きアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベン
ゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサ
イド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメン
ヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドの如き過酸化
物系重合開始剤が挙げられる。
【0041】本発明では、架橋剤を添加しても良く、好
ましい添加量としては、0.001〜15重量%であ
る。
【0042】本発明のトナーの製造方法は、重合性ビニ
ル系単量体,スチレン−ジエン共重合体,ワックス及び
重合開始剤を少なくとも含有する混合物(場合により、
荷電制御剤,架橋剤,磁性体,有機溶剤,ワックス以外
の離型剤等を含有しても良い)を、ホモジナイザー,ボ
ールミル,コロイドミル,超音波分散機の如き分散機に
依って均一に溶解または分散せしめ重合性単量体組成物
を調製し、次いで分散安定剤を含有する水系媒体中に重
合性単量体組成物を分散する。この時、高速撹拌機もし
くは超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に
所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナ
ー粒子の粒径がシャープになる。重合開始剤添加の時期
としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時同
時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合
しても良い。造粒直後、重合反応を開始する前に重合性
単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤をさらに加え
ても良い。
【0043】造粒後は、通常の撹拌機を用いて、重合性
単量体組成物の粒子状態が水系媒体中で維持され且つ粒
子の浮遊及び沈降が防止される程度の撹拌を行なえば良
い。
【0044】本発明のトナーの製造方法においては、分
散安定剤として公知の界面活性剤や有機または無機分散
剤が使用でき、中でも無機分散剤が有害な超微粉を生じ
難く、その立体障害性により分散安定性を得ているので
反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易
でトナーに悪影響を与え難いので、好ましく使用でき
る。無機分散剤の例としては、燐酸カルシウム、燐酸マ
グネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛の如き燐酸多
価金属塩微粉体;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの
如き炭酸塩微粉体;メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウムの如き無機塩微粉体;水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリ
カ、ベントナイト、アルミナの如き無機酸化物微粉体が
挙げられる。
【0045】これらの無機分散剤は、重合性ビニル系単
量体100重量部に対して、0.2〜20重量部を単独
で使用することが好ましい。場合により、0.001〜
0.1重量部の界面活性剤を併用しても良い。界面活性
剤としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、
テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリ
ウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウ
ム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、
ステアリン酸カリウム等が挙げられる。
【0046】これら無機分散剤を用いる場合には、その
まま使用しても良いが、細かい無機分散剤の粒子を得る
ため、水系媒体中にて該無機分散剤粒子を生成させるこ
とが好ましい。例えば、燐酸カルシウムの場合、高速撹
拌下、燐酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液と
を混合して、水に不溶性の燐酸カルシウムの微粒子を生
成させることが出来、均一な分散が可能となり、安定効
果も高い。この時、同時に水溶性の塩化ナトリウム塩が
副生するが、水系媒体中に水溶性塩が存在すると、重合
性ビニル系単量体の水への溶解が抑制されて、乳化重合
に依る超微粒トナーが発生し難くなるので、より好都合
である。重合反応終期に残存重合性ビニル系単量体を除
去する時には塩化ナトリウムは障害となることから、水
系媒体を交換するか、イオン交換樹脂を使用して水系媒
体を脱塩したほうが良い。無機分散剤は、重合終了後、
酸あるいはアルカリで溶解することにより、取り除くこ
とが出来る。
【0047】重合工程においては、重合温度は40℃以
上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を行な
う。この温度範囲で重合を行なうと、トナー粒子内部に
封じられるべきワックスが、重合が進行するにつれて相
分離により析出して内包化がより完全となる。残存する
重合性ビニル系単量体を消費するために、重合反応終期
に、反応温度を90〜150℃にまで上げても良い。
【0048】前記条件下では重合転化率90%まではほ
ぼ直線的に転化率は上がるが、重合性単量体組成物が固
形化する重合転化率90%以上では重合度の上昇が鈍
り、重合転化率95%以上では非常に遅くなる。そのま
ま重合反応を進めて、残留する重合性単量体量を、1,
000ppm以下となるよう操作しても良いが、懸濁重
合法で公知の重合性単量体消費促進方法を使用しても良
い。
【0049】本発明のトナーの製造方法に採用される方
法としては、重合転化率が95%以上に達した時点で水
系媒体の液温を、更に20〜60℃昇温して熱に依る粘
度の低下、及び熱重合の開始に依る重合性単量体の消費
促進方法があり、この時高温で分解する重合開始剤を重
合性単量体組成物中に共存させておくと、効果的に重合
性単量体の消費を行なうことができる。
【0050】更には減圧して未反応の重合性単量体及び
有機溶媒を溜去して、残留量を1,000ppm以下と
するのが良い。水蒸気を40〜50℃にまで冷却しなが
ら、水で湿潤されたトナー粒子を過飽和の水蒸気に晒す
ことによって重合性ビニル系単量体及び有機溶剤の残留
量を1,000ppm以下とすることも出来る。
【0051】この他、重合率を上げて重合性単量体を少
なくする方法としては、有機溶剤を重合性単量体組成物
に入れるか、生成するトナーの耐ブロッキング性を悪化
させない程度の量の可塑剤を重合性単量体組成物に入れ
て重合体系の粘度を低下させる方法がある。
【0052】未反応の重合性単量体及び有機溶剤を除去
する方法としては、トナー粒子の結着樹脂は溶解しない
が重合性単量体あるいは有機溶剤成分を溶解する高揮発
性の有機溶媒で洗浄する方法、酸やアルカリでトナー粒
子を洗浄する方法、発泡剤や重合体を溶解しない溶媒成
分を重合体系に入れ、トナー粒子を多孔化することに依
りトナー粒子内部の重合性単量体及び有機溶剤成分の揮
散面積をふやす方法がある。トナー構成成分の溶出、有
機溶媒の残留性等を考慮すると使用する溶媒の選択が難
しいので、減圧下に重合性単量体及び有機溶剤成分を揮
散させる方法が、もっとも好ましい。
【0053】最終的には少なくとも1000ppm以
下、定着時に発生する重合性単量体及びその反応残渣、
或は溶剤に依る異臭を感じなくするためには、より好ま
しくは700ppm以下(さらに好ましくは、300p
pm以下)にするのが良い。
【0054】重合転化率の測定は、懸濁液1gに重合禁
止剤を添加し、これをTHF4mlに溶解したものを使
用する。残留重合性単量体及び残留有機溶剤の定量は、
トナー0.2gをTHF4mlに溶解したものを使用す
る。調製したサンプルをガスクロマトグラフィー(G.
C.)にて以下の条件で内部標準法により測定する。
【0055】G.C.条件 測定装置:島津GC−15A(キャピラリー付き) キャリア:N2 ,2Kg/cm2 50ml/min. split 比1:60,線速度30mm/sec. カラム :ULBON HR−1 50m×0.25m
試料量 :2μl 標示物質:トルエン
【0056】以下、実施例及び比較例に基づき本発明を
具体的に説明する。
【0057】
【実施例】実施例1 イオン交換水709重量部に、0.1M−Na3 PO4
水溶液451重量部を投入し、60℃に加温した後、
1.0M−CaCl2 水溶液67.7重量部を徐々に添
加してCa3 (PO42 の微粒子が分散されている水
系媒体を調製した。
【0058】 スチレン 170重量部 n−ブチルアクリレート 30重量部 C.I.ピグメントブルー15:3 10重量部 スチレン−ブタジエンブロック共重合体 3重量部 (ワックスに対して15wt%) [(クリアレン730L(電気化学工業(株));スチ
レン/ブタジエンの共重合重量比=75/25)重量平
均分子量10万;CH2=CH−基の存在量約20重量
%] パラフィンワックス(融点75℃) 20重量部 ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物(負荷電性制御剤) 5重量部
【0059】上記材料を60℃に加温し、TK式ホモミ
キサー(特殊機化工業製)を用いて12,000rpm
にて均一に混合し、分散、溶解した。これに、重合開始
剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)[温度60℃における半減期=140mi
n.]10重量部、及びジメチル−2,2’−アゾビス
イソブチレート[温度60℃における半減期=1,27
0min.;温度80℃における半減期=80mi
n.]1重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製し
た。
【0060】前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物
を投入し、温度60℃、N2 雰囲気下においてTK式ホ
モミキサーにて10,000rpmで20分間撹拌し、
トナー粒子サイズの懸濁液滴を造粒した。その後、パド
ル撹拌翼で撹拌しつつ、温度60℃で3時間反応させ
た。この時点での重合転化率は90%であった。その
後、水蒸気の還流を止めて、液温を80℃とし更に10
時間撹拌を続けた。反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸
を加えてCa3 (PO42 の微粒子を溶解し、濾過、
水洗、乾燥して重量平均径が8.2μmの重合トナーを
得た。この重合トナーを45℃,50mmHgの減圧下
で、12時間脱気処理を行なった。この時点でのトナー
に残留している重合性単量体の含有量は150ppmで
あり、有機溶剤の含有量は実質的に0ppmであった。
【0061】得られた重合トナーの粒度分布はシャープ
であり、粒度分布を表1に示す。
【0062】トナーの粒度分布はコールターカウンター
を用いて以下の如く行った。
【0063】測定装置としてはコールターカウンターT
A−II型(コールター社製)を用い、個数分布,体積
分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX
−1パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、
電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶
液を調製した。測定法としては前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤としてアルキルベンゼンスルホン
酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20m
g加えた。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1
〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターT
A−II型により、アパチャーとして100μmアパチ
ャーを用いて、個数を基準として2〜40μmの粒子の
粒度分布を測定した。
【0064】上記トナー100gに対し、疎水性シリカ
微粉体0.8gを外添した。更にシリカ外添トナー30
gと樹脂コート磁性フェライトキャリア570gを混合
して二成分系現像剤とした。
【0065】この二成分系現像剤を用いて市販のカラー
複写機(CLC−500 キヤノン製)の改造機を用い
て画出しした。現像条件は、23℃/65%RHの環境
下で現像コントラスト320Vとした。
【0066】改造機で現像複写させただけの上記転写材
上の未定着画像を定着温度を変更できる外部定着機[定
着ローラーとしてはフッ素樹脂系ソフトローラーを使用
し、加圧ローラーとしてはシリコーンゴム系ローラーを
使用,シリコーンオイル塗付機能なし]にて定着した。
【0067】得られた画像はオフセットも生ぜず、定着
性に優れたものであった。この二成分系現像剤を温度3
5℃の環境に1か月間放置したが、放置前と変わらぬ画
質のトナー画像であった。
【0068】次に、直径約5cmの100mlの容器に
トナーを約3g入れ温度45℃,相対湿度約60±5%
の環境下に一日放置した後、20メッシ(米国式)篩に
トナーを通したところ、残留する長径約1mmを超える
トナーの凝集塊状物はなく、耐ブロッキング性に優れて
いることが確認された。
【0069】比較例1 実施例1において、反応3時間後も同じ状態を保ち、計
8時間後、重合転化率が99%以上に達した時点で、ト
ナーを取り出して分散剤の洗浄、乾燥処理を行なった。
この時点で、残留している重合性単量体の含有量は4,
000ppmであった。このトナーを実施例1と同様に
して二成分系現像剤を調製し、画出しを行なったとこ
ろ、実施例1と変わらぬ良好な画像であった。しかし、
定着装置周辺よりスチレン臭がした。この二成分系現像
剤を35℃の環境下に1か月間放置したところ、トナー
の摩擦帯電量が極めて低下し、非常にカブリの多いトナ
ー画像が形成された。
【0070】さらに、実施例1と同様にして耐ブロッキ
ング性の試験をおこなったところ、長径1mmを超える
トナーの凝集塊状物が確認された。
【0071】実施例2 スチレン−ブタジエンブロック共重合体として新日鉄化
学(株)製のスチレン−ブタジエン共重合体KR03
〔スチレン/ブタジエンの共重合重量比=75/25;
重量平均分子量20万〕4重量部を使用することを除い
て、実施例1と同様にしてトナーを調製し、さらに減圧
処理をおこなった。得られたトナーに残留している重合
性単量体の含有量は、300ppmであり、有機溶剤の
含有量は実質的に0ppmであった。
【0072】実施例3 重合性単量体組成物中に、スチレン−メタクリル酸メチ
ル−メタクリル酸(共重合重量比96:3:1;重量平
均分子量5万,酸価20)3重量部をさらに追加するこ
とを除いて実施例1と同様にしてトナーを調製し、さら
に減圧処理をおこなった。得られたトナーに残留してい
る重合性単量体の含有量は650ppmであり、有機溶
剤の含有量は実質的に0ppmであった。
【0073】実施例4 スチレン−ブタジエンブロック共重合体として旭化成
(株)製のスチレン−ブタジエン共重合体アサフレック
ス805(スチレン/ブタジエンの共重合重量比=80
/20;重量平均分子量11万)4重量部を使用するこ
とを除いて実施例1と同様にしてトナーを調製し、減圧
処理をおこなった。得られたトナーに残留する重合性単
量体の含有量は300ppmであり、有機溶剤の含有量
は実質的に0ppmであった。
【0074】比較例2 スチレン−ブタジエンブロック共重合体を重合性単量体
組成物に含有させないことを除いて、実施例1と同様に
してトナーを調製し、減圧処理をおこなった。得られた
トナーは、実施例1と比較して粒度分布が広く、トナー
に残留している重合性単量体の含有量は4500ppm
であった。
【0075】実施例1と同様にして二成分現像剤を調製
し、画出し試験をおこなったところ、現像性,耐オフセ
ット性が実施例1と比較して明らかに劣っていた。さら
に、トナーの耐ブロッキング性の試験を実施例1と同様
におこなったところ、長径1mmを超えるトナー塊状物
が確認された。
【0076】比較例3 スチレン−ブタジエンブロック共重合体としてシェル化
学(株)製のカリフレックスTRKX138S(スチレ
ン/ブタジエンの共重合重量比=40/60;重量平均
分子量8万)3重量部を使用することを除いて実施例1
と同様にしてトナーを調製した。得られたトナーに残留
する重合性単量体の含有量は、4200ppmであっ
た。
【0077】実施例1と同様にして二成分現像剤を調製
し、画出し試験をおこなったところ、現像性,耐オフセ
ット性が実施例1と比較して明らかに劣っていた。
【0078】さらに、トナーの耐ブロッキング性の試験
を実施例1と同様におこなったところ、長径1mmを超
えるトナーの凝集塊状物が確認された。
【0079】下記表1に、実施例1,2及び3と比較例
2及び3で得られたトナーの平均粒径及び粒度分布を示
す。
【0080】
【表1】
【0081】比較例2及び3で得られたトナーは、実施
例1,2及び3で得られたトナーと比較して粒度分布が
ブロードであった。
【0082】比較例4 比較例3で得られたトナーを、実施例1と同様にして減
圧処理をおこなって、重合性単量体の含有量が200p
pmのトナーを調製した。
【0083】実施例5 スチレン/ブタジエンの共重合重量比が75/25のス
チレン−ブタジエンランダム共重合体3重量部を使用す
ることを除いて実施例1と同様にしてトナーを調製し、
次いでトナーに減圧処理を行なった。得られたトナーに
残留する重合性単量体の含有量は、250ppmであ
り、有機溶剤の含有量は、実質的に0ppmであった。
【0084】上記実施例1乃至5及び比較例1乃至4の
試験結果等を下記表2に示す。
【0085】
【表2】
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、トナー粒子の有機溶剤
成分の量を規制し、さらに、ポリマー特性とワックス特
性の双方の性質を有するスチレン−ジエン共重合体を重
合性単量体中に溶解混合しているために、高温定着時の
耐オフセット性に優れ、耐ブロッキング性,低温定着性
ともに優れており、粒度分布のシャープなトナーを得る
ことができる。
フロントページの続き (72)発明者 稲葉 功二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 神林 誠 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 宮野 和幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂,着色剤及びワックスを少なく
    とも含有するトナー粒子を有する静電荷像現像用トナー
    において、静電荷像現像用トナーは、重合性ビニル系単
    量体または重合性ビニル系単量体と有機溶剤との混合物
    の含有量が1,000ppm以下であり、 該トナー粒子は、重合性ビニル系単量体,スチレンまた
    はスチレン誘導体とブタジエンまたはイソプレンとの共
    重合重量比が95:5乃至65:35であるスチレン−
    ジエン共重合体,着色剤,ワックス及び重合開始剤を少
    なくとも含有する混合物を混合して重合性単量体組成物
    を調製し、重合性単量体組成物を水系媒体へ分散して造
    粒し、水系媒体中で重合性ビニル系単量体の重合をおこ
    なうことによって生成された着色樹脂粒子であることを
    特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 ワックスを該トナーに対して5〜30重
    量%含有し、且つスチレン−ブタジエン共重合体をワッ
    クスに対して1〜50重量%含有する請求項1に記載の
    静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 重合性ビニル系単量体がスチレン,アク
    リル酸エステル,メタクリル酸エステル又はそれらの混
    合物である請求項1または2に記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  4. 【請求項4】 スチレン−ジエン共重合体がスチレン−
    ブタジエン共重合体であり、スチレン−ブタジエン共重
    合体は、ポリスチレン構造単位とポリブタジエン構造単
    位とのブロック共重合体である請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 スチレン−ジエン共重合体がスチレン−
    ブタジエン共重合体であり、スチレン−ブタジエン共重
    合体は、CH 2=CH−基を5〜60重量%有する請求
    項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 ワックスは、トナーに5〜30重量%含
    有されている請求項1乃至5のいずれかに記載の静電荷
    像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 ワックスは、トナーに5〜30重量%含
    有され、スチレン−ジエン共重合体は、ワックスを基準
    にして1〜50重量%含有されている請求項1乃至6の
    いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 スチレン−ジエン共重合体は、トナー粒
    子の表面に偏在している請求項1乃至7のいずれかに記
    載の静電荷像現像用トナー。
  9. 【請求項9】 ワックスは、融点が50〜90℃である
    請求項1乃至8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  10. 【請求項10】 スチレン−ジエン共重合体は、重量平
    均分子量が3万〜50万である請求項1乃至9のいずれ
    かに記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 【請求項11】 トナーは、粒径16.0μm以上のト
    ナー粒子の含有量が2体積%未満である請求項1乃至1
    0のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 【請求項12】 重合性ビニル系単量体,スチレンまた
    はスチレン誘導体とブタジエンまたはイソプレンとの共
    重合重量比が95:5乃至65:35であるスチレン−
    ジエン共重合体,着色剤,ワックス及び重合開始剤を少
    なくとも含有する混合物を混合して重合性単量体組成物
    を調製し、 重合性単量体組成物を水系媒体へ分散して造粒し、 水系媒体中で重合性ビニル系単量体の重合をおこなって
    トナー粒子を生成する静電荷像現像用トナーの製造方法
    であり、該トナー粒子は、結着樹脂,着色剤及びワック
    スを少なくとも含有しており、重合性ビニル系単量体ま
    たは有機溶剤と重合性ビニル系単量体との混合物の含有
    量が1,000ppm以下であることを特徴とする静電
    荷像現像用トナーの製造方法。
  13. 【請求項13】 トナー粒子を生成後、減圧脱気処理を
    おこなう請求項12に記載の静電荷像現像用トナーの製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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