JPH0710205U - 直貼り用床板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 床板全体の厚さを薄くしつつ、施工時に接合
部より釘を確実に打ち込めるようにするとともに、施工
後の床板の伸縮による継ぎ目の突き上げを防止する。 【構成】 基板（１）裏面の相対向する端部であって、
かつ、他の相対向する辺間に渡って硬質材（２ａ）が貼
着され、その他の部分に緩衝材（２ｂ）が貼着され、基
板（１）と硬質材（２ａ）から形成された端部には接合
用段部（４）が施されたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、直貼り用床板の構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、図２に示すように、基板１の裏面に緩衝材２ｂが貼着された直貼り用床 板は、コンクリート床スラブ上や、根太上に捨張り板６を敷き詰め、その上に施 工するので、いずれも接着剤のみでの施工が主体であった。

【０００３】

【考案が解決すべき課題】

上記の直貼り用床板で釘を用いないのは、床板の厚さが３〜９ｍｍ程度と薄く て釘がききにくいことや、接合用段部４に釘を打つと緩衝材２ｂがつぶれて歩行 感や防音性能が低下するし、施工の際も緩衝材２ｂを潰さないように基板１と捨 張り板６との間は間隔を保たねばならず、完全に釘を打ち込むことができないの で釘打ち部が安定しない問題がある為であった。また、接着剤のみで床板を施工 すると、温湿度変化による基板１の伸縮で床板同志の継ぎ目に突き上げが生じる という問題もあった。

【０００４】 その為、実開昭５９−３９３９号や実開昭６２−１９４８５２号では、基板の 相対向する裏面端部に硬質材を設けた床板が提案されているが、これらは接合用 段部が基板部分で形成されている為、接合用段部の強度を保持する為には基板の 厚みを従来よりある程度厚くしなければならず、また、床板全体の厚さを一定に 保持する為には緩衝材の厚さを薄くして歩行感や防音性を犠牲にしなければなら ず、捨張り板上に重ねて張るリフォーム等にも適さないような問題点もあった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案の直貼り用床板は、上記課題を解決するために成されたもので、基板 裏面の相対向する端部であって、かつ、他の相対向する辺間に渡って硬質材が貼 着され、その他部分に緩衝材が貼着され、基板と硬質材から形成された端部には 接合用段部が施されたことを特徴とするものである。

【０００６】 以下、この考案を図面に基づいて説明する。

【０００７】 図１は直貼り用床板の一部断面図、１は基板、２ａは硬質材、２ｂは緩衝材、 ３は化粧層、４は接合部、５は釘、６は捨張り板を示す。

【０００８】 基板１は合板、単板積層材、繊維板、木片成型板等の木質板が一般的に用いら れ、表面には適宜化粧が施される。厚さとしては３〜７ｍｍ程度のものが用いら れる。化粧層３としては、天然木化粧単板、人工化粧単板、塩化ビニル樹脂シー ト、化粧紙等が一般的に用いられ、常用の接着剤を介して貼着される。また、化 粧シート状物を貼着せず、直接基板１の表面に塗装を施して化粧層３を形成して もよい。

【０００９】 基板１の裏面の端部には硬質材２ａが貼着される。貼着される位置は基板１の 対向する両端部、または周縁端部でもよい。硬質材２ａとしては、未発泡ゴム、 合成樹脂、合板、繊維板等、物理的作用により寸法変化が比較的少ないものが用 いられ、接着剤を介して固着される。硬質材２ａの寸法としては、厚さは２〜４ ｍｍ程度で、幅、長さは基板の寸法に合わせればよい。

【００１０】 基板１の裏面の硬質材２ａ以外の部分に緩衝材２ｂが貼着される。緩衝材２ｂ としては、発泡合成樹脂シート、発泡ゴムシート、繊維系シート等、通常の直貼 り床板の裏面に貼着される緩衝性や防音性を有するあらゆるシート状物を用いる ことができ、接着剤を介して基板１貼着される。

【００１１】 基板１と裏面材２ａ、２ｂを含む周縁端部には、図１に示すような接合用段部 ４が施される。接合用段部４は通常は凹凸（通称本実）形状に加工されるが、こ れに限定するものではない。

【００１２】

【作用】

この考案において、基板と硬質材から形成された床板端部に接合用段部を施す のは、床板の厚さが薄くても施工時に接合部より釘を確実に打ち込めるようにす ることで施工性を向上させ、施工後の床板の伸縮による継ぎ目の突き上げを防止 する為である。

【００１３】

【実施例】

（実施例１）厚さ９ｍｍの矩形状の合板の表面に厚さ１ｍｍの天然木化粧単板を 貼着して化粧合板を構成した。ついで、その裏面の短手端部に厚さ３ｍｍの硬質 ウレタンゴムを固着し、硬質材以外の部分には厚さ３ｍｍの発泡プラスチックフ ォームを貼着した。ついで、短手端部は化粧合板と硬質ウレタンゴム、長手端部 は化粧合板と発泡プラスチックフォームを含む周縁端部に接合用の本実をテノー ナーで切削形成して求める直貼り床板を得た。

【００１４】 そして、コンクリート床スラブ上に接着剤を塗布した後、上記で得られた直貼 り床板を載置し、接合部から硬質材を貫通するように釘を打ち込んで順次施工し た。施工中、釘を打つ作業が常に安定しており、施工後も床板の伸縮による継ぎ 目の突き上げなども発生しなかった。

【００１５】 （実施例２）裏面に幅１ｍｍ、深さ４．５ｍｍの溝が短手に沿って長手方向に均 等に形成された厚さ９ｍｍの矩形状の合板の表面に厚さ０．５ｍｍの塩化ビニル 樹脂シートを貼着して化粧合板を構成した。ついで、その裏面の短手端部に厚さ ２ｍｍの塩化ビニル樹脂を固着し、硬質材以外の部分には厚さ２ｍｍのポリエス テル繊維シートを貼着した。ついで、短手端部は化粧合板と塩化ビニル樹脂、長 手端部は化粧合板とポリエステル繊維シートを含む周縁端部に接合用の本実をテ ノーナーで切削形成して求める直貼り床板を得た。

【００１６】 そして、根太上に捨張り板を敷き詰めた下地上にに接着剤を塗布した後、上記 得られた直貼り床板を載置し、接合部から硬質材を貫通するように釘を打ち込ん で順次施工した。施工中、釘を打つ作業が常に安定しており、施工後も床板の伸 縮による継ぎ目の突き上げなども発生しなかった。

【００１７】

【考案の効果】

この考案によれば、基板と硬質材から形成された端部に接合用段部を形成する ことにより、施工時に接合部から釘が確実に打ち込めるので、床板の施工性が向 上するとともに、緩衝材のつぶれも少なく、防音性や歩行性を長期間維持するこ とができるし、施工後の床板の伸縮による継ぎ目の突き上げの発生を抑制するこ とができる等の効果を有している。

【００１８】

【図面の簡単な説明】

【図１】直貼り用床板の接合用段部の断面図

【図２】従来の直貼り用床板の接合用段部の断面図

【符号の説明】

１ 基板 ２ａ 硬質材 ２ｂ 緩衝材 ３ 化粧層 ４ 接合部 ５ 釘 ６ 捨張り板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基板（１）裏面の相対向する端部であっ
   て、かつ、他の相対向する辺間に渡って硬質材（２ａ）
   が貼着され、その他部分に緩衝材（２ｂ）が貼着され、
   基板（１）と硬質材（２ａ）から形成された端部には接
   合用段部（４）が施されたことを特徴とする直貼り用床
   板。