JPH0669666A - パネルへのケース取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】固定具をケースと分離しない構造にして固定具
紛失を防止し、かつ取扱いを容易にする。 【構成】ケース１は、パネル２に挿入されフランジ状の
前面枠１ａをパネル２の表面に当接させた後に、Ｕ字金
具３およびネジ４からなるネジ押圧形固定金具によって
パネル２に取り付けられる。Ｕ字金具３は、初期に手前
側に図示したように、ケース１の中空部１ｂを通して内
部に押し込まれ、図示してないラッチに掛止めさせ格納
される。取付時には、Ｕ字金具３を所定行程だけ押して
ラッチの掛止めを解除させ、向こう側に図示したよう
に、バネ付勢によって中空部１ｂの周辺に当接するまで
押し出させて取付用に位置決めさせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、前面枠付きケースを
パネルに取り付けるため、パネル背面側でケースに付設
のネジ押圧形固定具が用いられる装置であって、とくに
固定具をケースと分離しない構造にして、固定具紛失を
防止するとともに、取扱いを容易にするようにしたパネ
ルへのケース取付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来例について、その側面図である図６
を参照しながら説明する。図６において、ケース１１の
周壁に、Ｕ字金具１３およびネジ４からなる周知の固定
金具が複数組付設される（図には１組だけ示す）。Ｕ字
金具１３は、その底部に２個の鉤１４が切り出し成形さ
れ、この鉤１４がケース１１の周壁にあけられた穴１２
に挿入され、その左側の縁に当てられてケース１１に対
する左向きの動きが阻止される。この状態で、ネジ４を
右回転させて軸線の右方向に直進させると、ネジ４の右
端部が、図示してないパネル内面に押圧され、パネルを
図示してないケース前面枠と、ネジ４の先端部とによっ
て挟む形をとり、ケース１１がパネルに固定される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来例では、Ｕ字金具
１３およびネジ４からなる固定金具は、取付時に鉤１４
がケース１１の周壁の穴１４に挿入されるものの、本来
ケース１１から分離される形式であるから、固定金具が
紛失しやすいこと、ひいては物品管理が難しいこと、さ
らに固定金具をケース１１に対して取り付けたり、また
は取り外す操作が必要になって取扱いが必ずしも容易で
ない、などの欠点がある。

【０００４】この発明の課題は、従来の技術がもつ以上
の問題点を解消し、固定具をケースと分離しない構造に
して、固定具紛失を防止するとともに、取扱いを容易に
するようにしたパネルへのケース取付装置を提供するこ
とにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１に係るパネルへ
のケース取付装置は、前面枠付きケースをパネルに取り
付けるため、このパネルの背面側で前記ケースに付設の
ネジ押圧形固定具が用いられる装置であって、前記固定
具を前記ケース内に押し入れ格納するための、このケー
スの周壁に設けられる中空部と；前記固定具の下面に下
向きに突設される被掛止具と；前記ケース側に固着さ
れ、前記被掛止具の所定行程の直進によって、これに対
応する掛止具が掛止位置または解放位置を交互にとるラ
ッチ部と；前記固定具を前記ケースの内から外に向かう
方向に直進付勢する前記ケースに内設のバネと；前記ケ
ースに対して前記固定具を取付用正規位置に位置決めす
る拘束部と；を備え、初期に前記ケース内に格納される
前記固定具が、取付時に前記所定行程の直進によって前
記ケース外に押し出された後に、前記拘束部によって前
記取付用正規位置をとる構成である。

【０００６】請求項２に係るパネルへのケース取付装置
は、請求項１に記載の装置において、ケース内部と外部
との、中空部を介しての連通を遮断する形で前記ケース
に内設される隔壁部を備え、この隔壁部にラッチ部およ
びバネが取り付けられる。請求項３に係るパネルへのケ
ース取付装置は、請求項１または２に記載の装置におい
て、拘束部が、ケース周壁の中空部の輪郭の一部および
その近傍のケース内面である。

【０００７】

【作用】請求項１ないし３のいずれかの項に係るパネル
へのケース取付装置では、初期にケース内に格納される
固定具は、取付時にケースの外から内に向かう方向に所
定行程だけ直進され、被掛止具のラッチ部に対する押し
操作によって、その掛止具に被掛止具を解放させ、バネ
の付勢によってケースの内から外に押し出されるととも
に、拘束部によって取付用正規位置をとる。また逆に、
取付用正規位置をとる固定具は、バネの付勢に抗してケ
ース内に押し入れられると、被掛止具のラッチ部に対す
る押し操作によって、その掛止具に被掛止具を掛止めさ
せ、ケース内に格納，固定される。

【０００８】

【実施例】この発明に係るパネルへのケース取付装置の
実施例について、以下に図を参照しながら説明する。図
１は実施例の斜視図である。図１において、電子ユニッ
トを格納するケース１は、その背面側からパネル２の中
空部に挿入され、ケース１のフランジ状の前面枠１ａを
パネル２の表面に当接させた後に、ネジ押圧形固定金具
によってパネル２に取り付けられる。ネジ押圧形固定金
具は、Ｕ字金具３およびネジ４からなる。図１では、方
形体のケース１の上面に付設される２個の固定金具が示
されているだけであるが、ケース１の下面にも別の２個
の固定金具が付設され、合計４個の固定金具によって取
付けがおこなわれる。さて、固定金具は、パネル２にケ
ース１を挿入するときには、ケース１の周壁にあけられ
た中空部１ｂを通して押し入れられる形でケース１の内
部に格納され（手前側に図示した状態）、パネル２に対
してケース１を取り付けるときに、ケース１の外に取り
出される（向こう側に図示した状態）。

【０００９】この固定金具のケース１に対する格納，取
り出しについて、次に詳しく説明する。図２は実施例の
格納時の側面図、図３の実施例の格納時の正面図であ
る。これらの図において、隔壁８は、板が絞る形に成形
され、上方が開口した方形体の容器状部材で、その開口
部で中空部１ｂを囲む形でケース１の内面に密閉的に固
着される。すなわち、隔壁８によって、ケース１の内と
外とが隔離され、外部の塵埃などの侵入が阻止される。
６はラッチで、隔壁８の底面に固着される。５は被掛止
具で、Ｕ字金具３の下面に下向きに突出する形で固着さ
れ、先端に左右に張った鉤部をもつ部材で、機能的には
ラッチ６に属する、図示してない一対の爪状の掛止具に
よって掛止めされ、または解放される。ところで、ラッ
チ６は、被掛止具５の先端部で押される形で所定行程だ
け下向きに直進することによって、内設した爪状の掛止
具が開または閉に交互に位置決めされる、周知の機構ユ
ニットである。したがって、被掛止具５が所定行程の直
進動作をすると、その鉤部がラッチ６の掛止具によっ
て、ある直進動作では掛止めされ、次の直進動作では解
放され、この掛止め，解放が交互におこなわれる。

【００１０】Ｕ字金具３は、その下面と隔壁８の底面と
の間に２個のバネ７が挿設され、このバネ７によって上
向きの付勢を受ける。ここで、Ｕ字金具３は、その底部
で、ネジ４の軸線方向と直角な横方向に張った部分、つ
まりバネ７の上端面との当接部（図３参照）が、対応す
る中空部１ｂの周辺部内面と当接し、外方への飛び出し
が阻止される。言いかえれば、中空部１ｂは、長方形を
基本とし、その各短辺に方形突出部をもつ形状に形成さ
れ、バネ７の上端面との当接部（底部で横方向に張った
部分）を除くＵ字金具３の部分が、バネ７の上向きの付
勢を受けると、ケース１の外に露出することになる。

【００１１】したがって、図２，図３に示すように、Ｕ
字金具３が、中空部１ｂを通し、バネ７の付勢に抗して
ケース１の内部に押し込まれると、被掛止具５の先端の
鉤部がラッチ６の図示してない爪状の掛止具によって掛
止めされ、その結果、Ｕ字金具３は格納状態になる。こ
れが初期状態で、この状態でケース１は、パネル２に前
面から押し込まれて正規の位置決めがおこなわれる。次
に、Ｕ字金具３がケース１の内部から押し出されて取付
け状態に位置決めされる動作について述べる。先の図
２，図３に示す状態のＵ字金具３が、ケース１の外から
内に所定行程だけ押し込まれると、被掛止具５は、その
先端がラッチ６を押し、その図示してない掛止具を開か
せて解放される。この解放によって、Ｕ字金具３は、バ
ネ７の上向きの付勢によってケース１の内から外に押し
出され、図４，図５に示すように、ネジ４の軸線方向と
直角な横方向に張った部分、つまりバネ７の上端面との
当接部が、対応する中空部１ｂの周辺部内面と当接して
阻止，位置決めされる。ここで、図４は実施例の取付時
の側面図、図５は実施例の取付時の正面図である。この
ように位置決めされたＵ字金具３で、ネジ４を右方向に
回転すると、その右端部が図示してないパネルの内側を
押圧し、ケース１の前面枠とともに挟む形をとって、ケ
ース１はパネルに取り付けられる（図１参照）。以上に
述べたように、Ｕ字金具３およびネジ４からなる固定金
具はケース１と分離しない構造をとるから、固定金具の
紛失が防止され、かつ物品管理が容易になり、固定金具
を所定行程だけ直進押し込みさせることで、簡単に収納
状態から取付用正規位置をとらせたり、または逆の状態
にできるから、取扱いが容易になる。

【００１２】

【発明の効果】請求項１ないし３のいずれかの項に係る
パネルへのケース取付装置では、初期にケース内に格納
される固定具は、取付時にケースの外から内に向かう方
向に所定行程だけ直進され、被掛止具のラッチ部に対す
る押し操作によって、その掛止具に被掛止具を解放さ
せ、バネの付勢によってケースの内から外に押し出され
るとともに、拘束部によって取付用正規位置をとる。ま
た逆に、取付用正規位置をとる固定具は、バネの付勢に
抗してケース内に押し入れられると、被掛止具のラッチ
部に対する押し操作によって、その掛止具に被掛止具を
掛止めさせ、ケース内に格納，固定される。したがっ
て、第１に固定具はケースと分離しない構造をとるか
ら、固定具紛失が防止され、かつ物品管理が容易にな
り、第２に固定具を所定行程だけ直進させることで、簡
単に収納状態から取付用正規位置をとらせたり、または
逆の状態にできるから、取扱いが容易になる。

【００１３】とくに請求項２に係るパネルへのケース取
付装置では、ラッチ部およびバネが取り付けられる隔壁
部によって、ケース内部と外部との、中空部を介しての
連通が遮断されるから、併せてケース内部の防塵が図れ
る。とくに請求項３に係るパネルへのケース取付装置で
は、固定具の位置決め用の拘束部が、ケース周壁の中空
部の輪郭の一部およびその近傍のケース内面であるか
ら、そのための特別な部材が不要で、それだけ構造が簡
素化されコスト低減が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る実施例の斜視図

【図２】実施例の格納時の側面図

【図３】実施例の格納時の正面図

【図４】実施例の取付時の側面図

【図５】実施例の取付時の正面図

【図６】従来例の側面図

【符号の説明】 １ ケース １ａ 前面枠 １ｂ 中空部 ２ パネル ３ Ｕ字金具 ４ ネジ ５ 被掛止具 ６ ラッチ ７ バネ ８ 隔壁

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】前面枠付きケースをパネルに取り付けるた
   め、このパネルの背面側で前記ケースに付設のネジ押圧
   形固定具が用いられる装置であって、 前記固定具を前記ケース内に押し入れ格納するための、
   このケースの周壁に設けられる中空部と；前記固定具の
   下面に下向きに突設される被掛止具と；前記ケース側に
   固着され、前記被掛止具の所定行程の直進によって、こ
   れに対応する掛止具が掛止位置または解放位置を交互に
   とるラッチ部と；前記固定具を前記ケースの内から外に
   向かう方向に直進付勢する前記ケースに内設のバネと；
   前記ケースに対して前記固定具を取付用正規位置に位置
   決めする拘束部と；を備え、初期に前記ケース内に格納
   される前記固定具が、取付時に前記所定行程の直進によ
   って前記ケース外に押し出された後に、前記拘束部によ
   って前記取付用正規位置をとる構成にしたことを特徴と
   するパネルへのケース取付装置。
2. 【請求項２】請求項１に記載の装置において、ケース内
   部と外部との、中空部を介しての連通を遮断する形で前
   記ケースに内設される隔壁部を備え、この隔壁部にラッ
   チ部およびバネが取り付けられることを特徴とするパネ
   ルへのケース取付装置。
3. 【請求項３】請求項１または２に記載の装置において、
   拘束部は、ケース周壁の中空部の輪郭の一部およびその
   近傍のケース内面であることを特徴とするパネルへのケ
   ース取付装置。