JPH06319926A - バツグ式集塵機のクリーニング制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バツグフイルタ表面に所要厚さの付着物を確
保する。 【構成】 バツグフイルタ１０に対し処理空気流の流通
方向とは逆方向に圧力空気を噴出する逆洗用圧力空気噴
出ノズル１３を備えたバツグ式集塵機１において、上記
バツグフイルタ１０の濾面内外の圧力差（圧損）を検出
器２２により検出し、逆洗に際しては圧力空気の噴射時
間間隔等の噴射条件を選択調整して行い、上記圧損を所
定圧に保持し、これによりバツグフイルタ１０に付着す
る付着物の厚さを所定厚さに保持する。 【効果】 バツグフイルタ面には常に所要厚さの付着物
層を保持することができる。従って処理ガスを中和する
ため添加される処理剤はバツグフイルタ表面に残留する
から、ガスの中和処理を効率良く行うことが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はバツグ式集塵機のクリー
ニング制御方法、特に圧損を所定圧に保持するための制
御方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にバツグ式集塵機は、バツグ表面に
塵芥が蓄積し、流通抵抗（圧損）が大きくなれば、これ
を適宜の手段にて蓄積塵芥を払い落とす手段が採られて
いる。その払い落とし（クリーニング）手段として一般
には、処理空気の流通方向とは逆方向に圧力空気を噴出
する逆洗用圧力空気噴出用ノズルを設け、瞬間的に高圧
空気を噴出し、バツグフイルタを膨らませ、高圧逆気流
と振動とにより付着塵芥を払い落とす手段が用いられて
いる。この際、付着塵芥は濾過効率を損なわない限度に
おいて、可及的に完全に払い落とす方法が採られてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば家庭用
ごみ等を焼却する焼却炉から排出される排ガス中には、
塵芥と共にＨＣｌ、或いはＮＯｘ、ＳＯｘ等の有害ガス
を含み、従って塵芥の収集と共にこれらのガス処理が要
望されている。このため１つの手段として、焼却炉から
発生する含塵空気を冷却した後、これに処理剤として例
えば消石灰等を噴入し、中和する方法が採られている。
この消石灰を含んだ塵芥は、バツグフイルタ表面に付着
して反応層を形成し、燃焼空気中の上記有毒ガスと反応
し、ガスを無毒化として排出するものである。従ってバ
ツグフイルタに塵芥が多量に付着し、所定以上の圧損に
上昇したとき、通常の逆洗処理により付着する塵埃層を
除去するときは、付着する消石灰層も除去され、有毒ガ
スに対する反応が不十分となり、有毒ガスはそのまゝ排
出される恐れがある。本発明はかゝる点に鑑み、必要な
付着物の厚さを残留し、常に反応層を保持することを目
的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のバツグ式集塵機のクリーニング制御方法は、
吸引フアンにより含塵空気をバツグフイルタにより濾過
し、浄化空気として排出すると共に、バツグフイルタに
は処理空気流の流通方向とは逆方向に圧力空気を噴出す
る逆洗用圧力空気噴出ノズルを備えたバツグ式集塵機に
おいて、上記バツグフイルタの濾面内外の圧力差（以下
圧損と言う）を検出し、逆洗用の圧力空気の噴射サイク
ル時間間隔等の噴射条件を選択調整し、上記圧損を所定
圧に保持し、これによりバツグフイルタに付着する付着
物の厚さを所定厚さに保持するようにしたものである。

【０００５】

【作 用】逆洗によりバツグフイルタに付着する付着
物は除去される。この際、逆洗条件を圧損の検出値から
適宜に設定することにより、フイルタ濾過面に残留する
付着物の厚さは所要厚さに保持される。この際、処理ガ
ス中にガス処理剤を混入するときは、該処理剤も残留し
て反応層を形成し、排ガスに対する処理能力を損なうこ
とはない。

【０００６】

【実 施 例】図１乃至図５は本発明の第１実施例を示
す。集塵機１は、筐体２内を上下に区画壁３により区分
し、上室は浄化空気室４とし、下室は含塵空気室５と
し、浄化空気室４に設けた排出口６は適宜の吸引フアン
（図示省略）に連結する。含塵空気室５は焼却炉（図示
省略）に連結される含塵空気取入れ口７を側方に開口
し、下方は漏斗状とし、その下端にはロータリーバルブ
８を設ける。

【０００７】上記区画壁３には多数の有底筒状のバツグ
フイルタ１０を垂下して取付け、区画壁３には該バツグ
フイルタ上部を開口してベンチユリ管１１を取付ける。
このベンチユリ管１１は複数個（図例は４個）ずつ複数
列（図例は４列）に区分し、各列に対しそれぞれ噴出管
１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、１２ｄ（以下総称するとき
は、単に１２と言う）を対抗して設け、それぞれの噴出
管１２には上記ベンチユリ管１１に対して噴出ノズル１
３を開口し、各ベンチユリ管１２の基端は電磁開閉器１
４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄを介して圧力空気供給ヘ
ツダ１５に接続する。

【０００８】上記浄化空気室４及び含塵空気室５にはそ
れぞれ圧力検出器２０、２１を設け、両検出器の出力信
号は圧損検出器２２に印加される。但しこの圧損はバツ
グフイルタ８による圧力損失である。２３は排出口６に
設けられる排出空気量測定器、２４は前記ヘツダ１５の
圧力空気の圧力測定器を示す。

【０００９】３０は上記電磁開閉弁１４を順次作動する
制御装置を示し、図３に示す如く、この制御装置３０
は、上記圧損測定器２３、圧力空気圧力測定器２４のぞ
れぞれの出力を入力すると共に、圧損値設定回路３１及
びパルス時間設定回路３２並びにこれらからの入力値に
よりクリーニング間隔を設定するクリーニング間隔設定
回路３３を備える。以下その操作要領を図３乃至図５に
ついて説明する。

【００１０】図３はバツグフイルタ１０に対するクリー
ニング要領を示すもので、先ず第１の噴出管１２ａに対
する電磁開閉弁１４ａを作動し、圧力Ｈの圧力空気を時
間Ｔｂを以てバルス的に供給し、噴出ノズル１３から噴
出し、バツグフイルタ１０の逆洗を行い、若干時間Ｔｃ
後第２電磁開閉弁１４ｂを作動し、同様に第２噴出管１
２ｂの噴出ノズル１３から圧力空気を噴出し、バツグフ
イルタの逆洗を行う。以下同様にして第３、第４の噴出
管１２ｃ、１２ｄによりバツグフイルタの逆洗を行う。

【００１１】第４噴出管１２ｄによる逆洗終了後は、払
い落とした塵埃の沈降時間Ｔｄを設け、次いでサイクル
調整時間Ｔａを経過後、再び第１噴出管１２ａによる噴
出を開始する。Ｌはサイクル時間を示す。

【００１２】この場合、各噴出管１２によるバツグフイ
ルタ１０の逆洗に際しては、所要厚さの処理剤を含む付
着層即ち反応層を残す必要がある。即ち、所定の圧損値
を残す必要がある。そのための制御装置３０を図４に、
またそのサイクル時間の設定要領を図５に示す。図４に
おいて、制御装置３０はクリーニング間隔設定回路３１
を主体とし、入力回路として、前記圧損検出器２２と排
出風量測定器２３と逆洗用空気圧力測定器２４と共に、
圧損ち設定回路３２と逆洗用空気圧力調整回路３３、パ
ルス時間設定回路３４を備える。

【００１３】図６においいてＡは設定圧損値、ａ、ｂは
許容範囲の上限、下限値を示す。この数値は圧損値設定
回路３２により設定される。圧損は時間の経過と共に上
昇する。そして圧損検出器２２が上限値ａ付近に到達し
たことを検出したとき、クリーニング間隔設定回路３１
は逆洗開始指令回路３５に信号を発し、該回路３５から
の信号により前記の如く第１噴出管１２ａより順次噴出
を開始する。但しこの場合、逆洗による圧損値の降下カ
ーブが急となり、全バツグフイルタ１０に対する逆洗終
了時に下限値ｂ以下に降下し、点ｃに達したときは、直
ちに補正指令信号を発し、例えば空気圧調整回路３３に
補正指令を与え、逆洗用空気圧を降下し、或いはパルス
時間設定の短縮を指令し、常に下限値ｂ以上を保持す
る。全バツグフイルタ１０に対する逆洗終了後、再び圧
損が上昇し、上限値ａ付近に到達したとき、第１噴出管
１２ａよりの逆洗を開始する。この時までの時間から、
前記サイクル調整時間Ｔａ、およびサイクル時間Ｌを記
憶し、これを繰り返す。

【００１４】なお、焼却炉における焼却は常に一定とは
限らず、従って発生する塵埃量は変化する。クリーニン
グ間隔設定回路３１は圧損検出器２３からの入力値によ
りこれを検出し、サイクル調整時間Ｔａ及びサイクル時
間Ｌを調整する。さらに必要により逆洗用空気圧或いは
パルス時間に対し補正指令を発する。

【００１５】次に図６は制御装置の他の例を示す。この
実施例の制御装置５０は、逆洗空気圧調整回路５１を主
体とし、入力回路として前例の圧損値設定回路３２、パ
ルス時間設定回路３４と共にクリーニング間隔設定回路
５２を備える。この制御装置５０は各入力回路からの数
値を可及的に一定とし、逆洗空気圧の調整を主体に圧損
値を許容範囲内に保持するようにしたものである。この
場合、逆洗後、圧損値が上限近くにまでの上昇カーブが
急となり、圧損設定値の上限を越えるときは、クリーニ
ング間隔設定時間を短縮することは勿論である。

【００１６】なお、クリーニング間隔及び逆洗空気圧を
可及的に一定とし、パルス時間の調整を主体とすべく、
上記図６において逆洗空気圧調整回路５１とパルス時間
せっていん回路３４とを入替え、逆洗したとき下限値ｂ
近くに迄圧損を減少するようにパルス時間を調整を主体
とするようにしてもよい。

【００１７】

【発明の効果】以上の如く本発明によるときは、圧損を
所定値に設定し、噴射サイクル時間、噴射用空気圧、或
いは噴射継続時間等の噴射条件を選択調整し、常に圧損
を設定圧に保持するようにしたから、バツグフイルタ面
には常に所要厚さの付着物層を保持することができる。
従って焼却炉等発生する煙中に有毒ガスを含み、これを
中和するため処理剤を添加するとき、該処理剤はバツグ
フイルタ表面に付着し、常に残留して反応層を形成する
から、有毒ガスの処理を効率良く行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の全体説明図である。

【図２】図１におけるＸーＸ線に沿う断面図である。

【図３】バツグフイルタのクリーニング要領説明図であ
る。

【図４】本発明を実施する制御装置の全体説明図であ
る。

【図５】圧損制御要領説明図である。

【図６】他の圧損制御装置の全体説明図てある。

【符号の説明】

１ 集塵機 １０ バツグフイルタ １２ 噴出管 １３ 噴出ノズル ２２ 圧損検出器 ３０ 制御装置 ３１ クリーニング間隔設定回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸引フアンにより含塵空気をバツグフイ
   ルタにより濾過し、浄化空気として排出すると共に、バ
   ツグフイルタには処理空気流の流通方向とは逆方向に圧
   力空気を噴出する逆洗用圧力空気噴出ノズルを備えたバ
   ツグ式集塵機において、上記バツグフイルタの濾面内外
   の圧力差（以下圧損と言う）を検出し、逆洗用の圧力空
   気の噴射時間間隔等の噴射条件を選択調整し、上記圧損
   を所定圧に保持し、これによりバツグフイルタに付着す
   る付着物の厚さを所定厚さに保持することを特徴とする
   バツグ式集塵機のクリーニング制御方法。