JPH06263357A - エレベータの制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 平均的な基準速度指令による加速度、または
エレベータかごの実速度が徐々に増加するような場合に
おいても、基準速度指令信号Ｖｎとかご速度信号Ｖｒの
異常状態を確実に検出することができること。 【構成】 基準速度指令信号Ｖｎを基にして加速度を基
準加速度演算手段１１で演算、平均加速度を基準平均加
速度算出手段１２で算出し、かご速度信号Ｖｒを基にし
て加速度をかご加速度演算手段１３で演算、平均加速度
をかご平均加速度算出手段１４で算出し、加速度偏差検
出手段１５によって基準加速度演算値Ａｎ、基準平均加
速度演算値Ａｎａ、かご加速度演算値Ａｒ、かご平均加
速度演算値Ａｒａのいずれか１つ以上が規定加速度値Ａ
のときに、基準速度指令信号Ｖｎまたはかご速度信号Ｖ
ｒを異常とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エレベータの制御装置
に関するものであり、特に、エレベータかごの走行速度
を支配する基準速度指令信号とエレベータかごのかご速
度信号の異常を検出できるエレベータの制御装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、基準速度指令信号、かご速度
信号及びこれらによる制御量に跳躍的変化が生じたとき
に、エレベータかごの運転を停止するようにしたエレベ
ータの制御装置がある。従来のこの種のエレベータの制
御装置に関連するものとして、特開昭６３−２７２７６
６号公報に掲載の技術がある。

【０００３】図５は従来のエレベータシステム全体を示
す概略構成図である。図において、１はエレベータか
ご、２は巻上機の負荷等を軽減するための釣合錘、３は
綱車４に巻掛けられたロープであり、その一端にはエレ
ベータかご１が、他端には釣合錘２が夫々結合され、釣
瓶状に吊されている。５は綱車４を駆動する誘導電動
機、６は誘導電動機５の回転からエレベータかご１の移
動距離に比例したパルスを発生するパルス発生器、７は
パルス発生器６からのパルスを計数する計数回路、８は
計数回路７から出力されるかご速度信号７ａを取込んで
エレベータを制御するマイクロコンピュータ、９は三相
交流電源、１０は三相交流をエレベータの速度制御に適
する電力に変換する電力変換装置であり、この電力変換
装置１０にマイクロコンピュータ８からの指令信号８ａ
を与えることにより、誘導電動機５のトルク・回転数を
適宜制御する。

【０００４】図６は従来のエレベータの制御装置を示す
ブロック構成図であり、従来のエレベータの制御装置の
原理構成を示すものである。図において、６１はエレベ
ータかごの走行速度を支配する基準速度指令信号Ｖｎを
発生する基準速度指令信号発生手段、６２はエレベータ
かごの速度を検出するかご速度検出手段、６３は基準速
度指令信号発生手段６１から出力される基準速度指令信
号Ｖｎとかご速度検出手段６２から出力されるかご速度
信号Ｖｒとの偏差に基づいてエレベータかごの速度を制
御する速度制御装置であり、その出力信号６３ａは図６
の電力変換装置１０にトルク指令として入力される。６
４は急停止指令発生手段であり、この急停止指令発生手
段６４には基準速度指令信号Ｖｎが入力される。そし
て、前記急停止指令発生手段６４は基準速度指令信号Ｖ
ｎを、現時刻の値だけでなく、過去の値をも時系列上に
記憶しており、現時刻の値が過去の時系列値から見て跳
躍的に急変しているときに、エレベータに急停止指令６
４ａを出力する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のエ
レベータの制御装置では、基準速度指令信号、かご速度
信号等が跳躍的に変化したときに、エレベータかごの運
転を停止し、エレベータの安全性を確保していた。しか
し、従来のエレベータの制御装置では、何らかの原因に
より、平均的な基準速度指令による加速度、またはエレ
ベータかごの実速度が徐々に増加するような状態となっ
たときに、これらの状態の異常を検出することができな
かった。また、異常状態を検出した場合には、急停止指
令を出力してエレベータかごの運転を停止させるため
に、急停止による衝撃が大きく、安全性の点で問題があ
った。

【０００６】そこで、本発明は、平均的な基準速度指令
による加速度、またはエレベータかごの実速度が徐々に
増加するような状態となった場合においても、確実に異
常状態を検出できるエレベータの制御装置の提供を課題
とするとともに、異常状態を検出した場合には、エレベ
ータかごを安全に停止できるエレベータの制御装置の提
供を課題とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明にかかる
エレベータの制御装置は、エレベータかごの走行速度を
支配する基準速度指令信号を基に演算周期毎の加速度を
演算し、基準加速度演算値を求め、前記基準加速度演算
値を基に単位時間あたりの平均加速度を算出し、基準平
均加速度演算値を求め、前記エレベータかごのかご速度
信号を基に演算周期毎の加速度を演算し、かご加速度演
算値を求め、前記かご加速度演算値を基に単位時間あた
りの平均加速度を算出し、かご平均加速度演算値を求め
る、前記基準加速度演算値、基準平均加速度演算値、か
ご加速度演算値、かご平均加速度演算値により、前記基
準速度指令信号とかご速度信号の異常を検出するもので
ある。

【０００８】請求項２の発明にかかるエレベータの制御
装置は、エレベータかごの走行速度を支配する基準速度
指令信号による加速度及び平均加速度と前記エレベータ
かごのかご速度信号による加速度及び平均加速度との加
速度偏差検出によって、前記基準速度指令信号の異常を
検出したときに限り、前記基準平均加速度が規定加速度
以上のとき、前記基準速度指令信号を基準一定速度指令
信号として出力し、前記エレベータかごの現在位置から
終端階までの残距離を演算し、前記終端階までの残距離
を入力し、終端階減速指令信号を発生させ、前記基準一
定速度指令信号と終端階減速指令信号とを比較して、小
さい方を最終速度指令信号として出力するものである。

【０００９】

【作用】請求項１の発明のエレベータの制御装置におい
ては、基準速度指令信号とかご速度信号を基にして加速
度及び平均加速度を各々演算、算出し、基準加速度演算
値、基準平均加速度演算値、かご加速度演算値、かご平
均加速度演算値のいずれか１つ以上が規定加速度値のと
きに、基準速度指令信号またはかご速度信号を異常とす
るものであるから、基準加速度及び実加速度を監視する
ことによって、基準速度指令信号及びかご速度信号の異
常を検出できる。

【００１０】請求項２の発明のエレベータの制御装置に
おいては、基準速度指令信号の異常を検出したときに限
り、前記基準平均加速度演算値が規定加速度値以上のと
き、前記基準速度指令信号を基準一定速度指令信号とし
て出力し、この基準一定速度指令信号及び終端階までの
残距離に応じた終端階減速指令信号を通じて適正な最終
速度指令信号を発生するものであるから、基準速度指令
信号が異常なときには、残距離に応じた安全な速度でエ
レベータかごは停止する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の各実施例について説明をす
る。 〈第一実施例〉図１は本発明の第一実施例であるエレベ
ータの制御装置を示すブロック構成図であり、本実施例
のエレベータの制御装置の原理構成を示す。図におい
て、１１は上記図６で示された基準速度指令信号Ｖｎを
基に基準加速度演算値Ａｎを演算する基準加速度演算手
段、１２は基準加速度演算手段１１で演算した基準加速
度演算値Ａｎを規定回数分合計し、この合計値を規定回
数分で割って基準平均加速度演算値Ａｎａを算出する基
準平均加速度算出手段、１３は上記図６のかご速度検出
手段６２から出力されるかご速度信号Ｖｒを基にかご加
速度演算値Ａｒを演算するかご加速度演算手段、１４は
かご加速度演算手段１３で演算したかご加速度演算値Ａ
ｒを規定回数分合計し、この合計値を規定回数分で割っ
てかご平均加速度演算値Ａｒａを算出するかご平均加速
度算出手段、１５は基準加速度演算値Ａｎ、基準平均加
速度演算値Ａｎａ、かご加速度演算値Ａｒ、かご平均加
速度演算値Ａｒａのいずれか１つ以上が規定加速度値Ａ
以上のとき、加速度偏差検出フラグを設けて偏差を検出
する加速度偏差検出手段である。上記の基準加速度演算
手段１１、基準平均加速度算出手段１２、かご加速度演
算手段１３、かご平均加速度算出手段１４、加速度偏差
検出手段１５により、基準加速度演算値Ａｎ、基準平均
加速度演算値Ａｎａ、かご加速度演算値Ａｒ、かご平均
加速度演算値Ａｒａのいずれか１つ以上が規定加速度値
Ａ以上のとき、急停止指令６４ａを発してエレベータを
急停止させる。また、基準加速度演算値Ａｎ、基準平均
加速度演算値Ａｎａのいずれか１つ以上が規定加速度値
Ａ以上のとき、基準速度指令検出フラグ６４ｂにより基
準速度指令信号Ｖｎの異常を検出する。

【００１２】次に、上記構成のエレベータの制御装置の
動作について図２で説明する。図２は本発明の第一実施
例であるエレベータの制御装置の動作を示すフローチャ
ートである。図において、ステップＳ１でかご速度が一
定か否かを判断し、かご速度が一定であれば加速度を監
視せずに本処理を終了する。かご速度が一定でない場合
は、ステップＳ２で加速度偏差検出フラグの状態を判断
し、加速度偏差検出フラグがオンであれば、ステップＳ
１０に進み、エレベータを急停止させる。しかし、加速
度偏差検出フラグがオフであれば、ステップＳ３に進
み、上記図１で示した基準加速度演算手段１１による基
準加速度演算値Ａｎ及びかご加速度演算手段１３による
かご加速度演算値Ａｒの２種類の加速度を演算する。例
えば、基準加速度演算値Ａｎの場合、現在の基準速度指
令信号Ｖｎと演算周期時間Ｔ秒後の基準速度指令信号Ｖ
ｎｆとの偏差を演算周期時間Ｔで割って、これを基準加
速度演算値Ａｎとする。また、かご加速度演算値Ａｒも
基準加速度演算値Ａｎと同様の演算内容によって求め
る。ステップＳ４ではステップＳ３で演算した２種類の
加速度の回数Ｎが規定回数Ｋ以上になったか否かを判断
し、規定回数Ｋ以上のときはステップＳ５へ進み、演算
周期時間Ｔ秒毎に規定回数Ｋ回演算した基準加速度演算
値Ａｎ群、及びかご加速度演算値Ａｒ群を合計し、前記
合計値を規定回数Ｋで割ることで基準平均加速度演算値
Ａｎａ、かご平均加速度演算値Ａｒａの２種類の加速度
を算出する。

【００１３】こうして、規定回数毎に前記２種類の平均
加速度を検出するために、ステップＳ６では前記２種類
の加速度の算出回数をリセット、つまり、１に初期設定
している。一方、ステップＳ３で演算した２種類の加速
度の回数Ｎが規定回数Ｋ未満とステップＳ４で判断され
た場合には、ステップＳ８で前記２種類の加速度の算出
回数に１を加算する。この後、ステップＳ７において、
ステップＳ３及びステップＳ５で演算または算出された
かご加速度演算値Ａｒ、かご平均加速度演算値Ａｒａ、
基準加速度演算値Ａｎ、基準平均加速度演算値Ａｎａの
いずれか１つ以上が規定加速度値Ａ以上か否かを判断
し、いずれか１つ以上が規定加速度値Ａ以上の場合に
は、ステップＳ９で加速度偏差検出フラグをオンにし、
ステップＳ１及びステップＳ２を経て、ステップＳ１０
でエレベータを急停止させる。また、ステップＳ７にお
いて、かご加速度演算値Ａｒ、かご平均加速度演算値Ａ
ｒａ、基準加速度演算値Ａｎ、基準平均加速度演算値Ａ
ｎａのいずれもが規定加速度値Ａ未満の場合には、ステ
ップＳ１に戻り、かご速度が一定になるまで、上記の一
連の動作を繰返す。

【００１４】このように、本実施例のエレベータの制御
装置は、エレベータかごの走行速度を支配する基準速度
指令信号Ｖｎを基に演算周期Ｔ毎の加速度を演算し、基
準加速度演算値Ａｎを求めるステップＳ３の処理をする
基準加速度演算手段１１と、前記基準加速度演算値Ａｎ
を規定回数Ｋ累積し、その規定回数Ｋで除して単位時間
あたりの平均加速度を算出し、基準平均加速度演算値Ａ
ｎａを求めるステップＳ５の処理をする基準平均加速度
算出手段１２と、前記エレベータかごのかご速度信号Ｖ
ｒを基に演算周期Ｔ毎のかご加速度を演算し、かご加速
度演算値Ａｒを求めるステップＳ３の処理をするかご加
速度演算手段１３と、前記かご加速度演算値Ａｒを規定
回数Ｋ累積し、その規定回数Ｋで除して単位時間あたり
のエレベータかごの平均加速度を算出し、かご平均加速
度演算値Ａｒａを求めるステップＳ５の処理をするかご
平均加速度算出手段１４と、前記基準加速度演算値Ａ
ｎ、基準平均加速度演算値Ａｎａ、かご加速度演算値Ａ
ｒ、かご平均加速度演算値Ａｒａのいずれか１つ以上が
規定加速度Ａ以上である場合に、加速度偏差検出フラグ
をオンにし、前記基準速度指令信号Ｖｎとかご速度信号
Ｖｒの異常を検出するステップＳ７及びステップＳ９の
処理をする加速度偏差検出手段１５とを備えている。

【００１５】即ち、本実施例のエレベータの制御装置
は、基準速度指令信号Ｖｎとかご速度信号Ｖｒを基にし
て加速度及び平均加速度を各々演算、算出し、基準加速
度演算値Ａｎ、基準平均加速度演算値Ａｎａ、かご加速
度演算値Ａｒ、かご平均加速度演算値Ａｒａのいずれか
１つ以上が規定加速度値Ａのときに、基準速度指令信号
Ｖｎまたはかご速度信号Ｖｒを異常とするものである。

【００１６】したがって、基準加速度及び実加速度を監
視することによって、基準速度指令信号Ｖｎ及びかご速
度信号Ｖｒの異常を検出できるので、従来のように平均
的な基準速度指令による加速度、またはエレベータかご
の実速度が徐々に増加するような場合においても、確実
に異常状態を検出できる。また、基準速度指令信号Ｖｎ
とかご速度信号Ｖｒのどちらか一方が異常となっても、
確実に異常状態を検出できるだけでなく、安全な速度
で、しかも、早期に検出できる。この結果、安全性及び
信頼性の高いエレベータの制御装置となる。

【００１７】〈第二実施例〉図３は本発明の第二実施例
であるエレベータの制御装置を示すブロック構成図であ
り、上記図１と同様に本実施例のエレベータの制御装置
の原理構成を示す。図中、第一実施例と同一符号及び記
号は第一実施例の構成部分と同一または相当する構成部
分を示す。図において、２１は基準速度指令検出フラグ
６４ｂにより基準速度指令信号Ｖｎの異常を検出したと
き、このときの基準速度指令信号Ｖｎを一定出力し続け
る基準速度指令一定出力手段、２２はエレベータかごの
現在位置から終端階までの残距離Ｒｂを演算する終端階
残距離演算手段、２３は終端階までの残距離Ｒｂを入力
し、終端階減速指令信号Ｖｓを発生する終端階減速指令
発生手段、２４は基準速度指令一定出力手段２１による
基準一定速度指令信号Ｖｎｈと終端階残距離演算手段２
２及び終端階減速指令発生手段２３を通じて発生した終
端階減速指令信号Ｖｓを入力として、最終速度指令信号
Ｖｆを出力する最終速度指令出力手段である。

【００１８】次に、上記構成のエレベータの制御装置の
動作について図４で説明する。図４は本発明の第二実施
例であるエレベータの制御装置の動作を示すフローチャ
ートである。図において、ステップＳ２１で速度一定出
力フラグがオンか否かを判断し、速度一定出力フラグが
オフの場合はステップＳ２２へ進み、基準加速度演算値
Ａｎ、基準平均加速度演算値Ａｎａのいずれか１つ以上
が規定加速度値Ａ以上か否かを判断する。基準加速度演
算値Ａｎ、基準平均加速度演算値Ａｎａのいずれか１つ
以上が規定加速度値Ａ以上のとき、ステップＳ２７で速
度一定出力フラグをオンにする。また、基準加速度演算
値Ａｎ、基準平均加速度演算値Ａｎａのいずれもが規定
加速度値Ａ未満の場合には、ステップＳ２３で一定値の
速度指令信号Ｖｈを基準速度指令信号Ｖｎとし、ステッ
プＳ２４で基準速度指令信号Ｖｎが終端階減速指令信号
Ｖｓ以下であるか否かを判断し、基準速度指令信号Ｖｎ
が終端階減速指令信号Ｖｓ以下の場合は、ステップＳ２
５で基準速度指令信号Ｖｎを最終速度指令信号Ｖｆとし
て出力する。また、ステップＳ２４で基準速度指令信号
Ｖｎが終端階減速指令信号Ｖｓよりも大きい場合は、ス
テップＳ２６で終端階減速指令信号Ｖｓを最終速度指令
信号Ｖｆとして出力する。なお、このステップＳ２４か
らステップＳ２６は従来の装置と同様の動作である。

【００１９】一方、ステップＳ２１で速度一定出力フラ
グがオンであると判断するか、或いは、ステップＳ２２
で基準加速度演算値Ａｎ、基準平均加速度演算値Ａｎａ
のいずれか１つ以上が規定加速度値Ａ以上であると判断
すると、ステップＳ２７で速度一定出力フラグをオンに
する。そして、ステップＳ２８で一定値の速度指令信号
Ｖｈが終端階減速指令信号Ｖｓ以上であるか否かを判断
し、一定値の速度指令信号Ｖｈが終端階減速指令信号Ｖ
ｓよりも小さいときはステップＳ２９へ進み、一定値の
速度指令信号Ｖｈを最終速度指令信号Ｖｆとして出力す
る。また、一定値の速度指令信号Ｖｈが終端階減速指令
信号Ｖｓ以上の場合には、ステップＳ２６で終端階減速
指令信号Ｖｓを最終速度指令信号Ｖｆとして出力する。
このステップＳ２５、ステップＳ２６、ステップＳ２９
の処理は最終速度指令出力手段２４に相当する。

【００２０】このように、本実施例のエレベータの制御
装置は、上記第一実施例の加速度偏差検出手段１５の加
速度偏差検出によって、前記基準速度指令信号Ｖｎの異
常を検出したときに限り、前記基準加速度の基準平均加
速度が規定加速度以上のとき、前記基準速度指令信号Ｖ
ｎを基準一定速度指令信号Ｖｎｈとして出力する基準速
度指令一定出力手段２１と、前記エレベータかごの現在
位置から終端階までの残距離Ｒｂを演算する終端階残距
離演算手段２２と、前記終端階までの残距離Ｒｂを入力
し、終端階減速指令信号Ｖｓを発生する終端階減速指令
発生手段２３と、前記基準一定速度指令信号Ｖｎｈと終
端階減速指令信号ＶｓとをステップＳ２４及びステップ
Ｓ２８で比較して、小さい方を最終速度指令信号Ｖｆと
して出力するステップＳ２５、ステップＳ２６及びステ
ップＳ２９の処理をする最終速度指令出力手段２４とを
備えている。

【００２１】即ち、本実施例のエレベータの制御装置
は、基準速度指令信号Ｖｎの異常を検出したときに限
り、前記基準平均加速度演算値Ａｎａが規定加速度値Ａ
以上のとき、前記基準速度指令信号Ｖｎを基準一定速度
指令信号Ｖｎｈとして出力し、この基準一定速度指令信
号Ｖｎｈ及び終端階までの残距離に応じた終端階減速指
令信号Ｖｓを通じて適正な最終速度指令信号Ｖｆを発生
するものである。したがって、基準速度指令信号Ｖｎが
異常なときには、残距離に応じた安全な速度でエレベー
タかごは停止するので、終端階に精度良くエレベータか
ごが着床する。この結果、急停止による衝撃を緩和でき
るので、安全性が一段と向上する。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明の
エレベータの制御装置は、基準加速度演算手段と、基準
平均加速度算出手段と、かご加速度演算手段と、かご平
均加速度算出手段と、加速度偏差検出手段とを備え、基
準速度指令信号とかご速度信号を基に加速度及び平均加
速度を各々演算、算出し、基準加速度演算値、基準平均
加速度演算値、かご加速度演算値、かご平均加速度演算
値のいずれか１つ以上が規定加速度値のときに、基準速
度指令信号またはかご速度信号を異常とすることによ
り、基準加速度及び実加速度を監視して、基準速度指令
信号及びかご速度信号の異常を検出できるので、確実に
異常状態を検出でき、安全な速度で、しかも、早期に検
出できる。

【００２３】請求項２の発明のエレベータの制御装置
は、基準速度指令一定出力手段と、終端階残距離演算手
段と、終端階減速指令発生手段と、最終速度指令出力手
段とを備え、基準速度指令信号の異常を検出したときに
限り、前記基準平均加速度演算値が規定加速度値以上の
とき、前記基準速度指令信号を基準一定速度指令信号と
して出力し、この基準一定速度指令信号及び終端階まで
の残距離に応じた終端階減速指令信号を通じて適正な最
終速度指令信号を発生することにより、基準速度指令信
号が異常なときには、残距離に応じた安全な速度でエレ
ベータかごは停止するので、終端階に精度良くエレベー
タかごが着床し、急停止による衝撃を緩和できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の第一実施例であるエレベータの
制御装置を示すブロック構成図である。

【図２】図２は本発明の第一実施例であるエレベータの
制御装置の動作を示すフローチャートである。

【図３】図３は本発明の第二実施例であるエレベータの
制御装置を示すブロック構成図である。

【図４】図４は本発明の第二実施例であるエレベータの
制御装置の動作を示すフローチャートである。

【図５】図５は従来のエレベータシステム全体を示す概
略構成図である。

【図６】図６は従来のエレベータの制御装置を示すブロ
ック構成図である。

【符号の説明】

１１ 基準加速度演算手段 １２ 基準平均加速度算出手段 １３ かご加速度演算手段 １４ かご平均加速度算出手段 １５ 加速度偏差検出手段 ２１ 基準速度指令一定出力手段 ２２ 終端階残距離演算手段 ２３ 終端階減速指令発生手段 ２４ 最終速度指令出力手段 Ｖｎ 基準速度指令信号 Ｖｒ かご速度信号 Ｖｈ 一定値の速度指令信号 Ｖｎｈ 基準一定速度指令信号 Ｖｆ 最終速度指令信号 Ｖｓ 終端階減速指令信号 Ａ 規定加速度値 Ａｎ 基準加速度演算値 Ａｒ かご加速度演算値 Ａｎａ 基準平均加速度演算値 Ａｒａ かご平均加速度演算値 Ｒｂ 残距離

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータかごの走行速度を支配する基
   準速度指令信号を基に演算周期毎の加速度を演算し、基
   準加速度演算値を求める基準加速度演算手段と、 前記基準加速度演算値を基に単位時間あたりの平均加速
   度を算出し、基準平均加速度演算値を求める基準平均加
   速度算出手段と、 前記エレベータかごのかご速度信号を基に演算周期毎の
   加速度を演算し、かご加速度演算値を求めるかご加速度
   演算手段と、 前記かご加速度演算値を基に単位時間あたりの平均加速
   度を算出し、かご平均加速度演算値を求めるかご平均加
   速度算出手段と、 前記基準加速度演算値、基準平均加速度演算値、かご加
   速度演算値、かご平均加速度演算値により、前記基準速
   度指令信号とかご速度信号の異常を検出する加速度偏差
   検出手段とを具備することを特徴とするエレベータの制
   御装置。
2. 【請求項２】 エレベータかごの走行速度を支配する基
   準速度指令信号による加速度及び平均加速度と、前記エ
   レベータかごのかご速度信号による加速度及び平均加速
   度との加速度偏差検出によって、前記基準速度指令信号
   の異常を検出したときに限り、前記基準平均加速度が規
   定加速度以上のとき、前記基準速度指令信号を基準一定
   速度指令信号として出力する基準速度指令一定出力手段
   と、 前記エレベータかごの現在位置から終端階までの残距離
   を演算する終端階残距離演算手段と、 前記終端階までの残距離を入力し、終端階減速指令信号
   を発生する終端階減速指令発生手段と、 前記基準一定速度指令信号と終端階減速指令信号とを比
   較して、小さい方を最終速度指令信号として出力する最
   終速度指令出力手段とを具備することを特徴とするエレ
   ベータの制御装置。